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【人】 灯守り 大雪ちらりと覗き放題の無防備な手帳に 書かれた文言が人形の目に留まったなら、── ふふっ、と、会合の途中に何の前触れもなく 笑いを噛み殺し始める大雪の姿でも見えようか。 手帳の隅に小さく、「あそににきた」と 書かれた付箋が貼られているのに気付かれるのは、 さていつになるやら* (125) 2022/01/22(Sat) 21:02:14 |
【人】 灯守り 大雪── 会合後 ── 会合の最中に他者にちょっかいを出している時点で 私の態度がそう真面目ではないことは きっと知っての通りであるとは思うのだけれど。 自分の手番になって非常〜〜に小さな声で話したおかげで 多くの人が疑問符を浮かべながら視線を向けたのも ……致し方ない。致し方ないことなのだ ( ……ぬいぐるみに来てもらうべきだった ) いつもはそうしていたわけだし、と。 ため息を吐きながら。 終わったならば途端に賑やかになる面々を ぼんやりと眺めているのだった。* (143) 2022/01/22(Sat) 22:24:02 |
【赤】 灯守り 大雪人が目を向けるもの。 注目をするもの。注意を払うもの。 興味を惹くもの。奇異に思うもの。 さまざま さまざまに、 それには 意志が、 思考が、感情が、思惑が、見え隠れする もので。 目は口ほどに物を言う、どころか、それ以上に 彼らは雄弁に雄弁にそう そう語るのだ。 五月蝿いほど。 ずっとそれが。 おそろしくて。 (*115) 2022/01/22(Sat) 22:29:47 |
【赤】 灯守り 大雪屋敷の前に棄てられていたわたしを見るなり、 先代の大雪はこう云ったそうな。 「 ……随分と、怯えて。こんな傷も作って。 」 「 アァいけないね。この子は、…… そうさね、後継って奴もそろそろ考えにゃあ いけない頃合いだったかな。 」 「 というわけさ、ウン── 子育てなァ。 心得はねェがやってみるか。 という訳さ、誰も屋敷には入るなよ。 」 と、まあ。 ひと目見れば私が畏れられるような、 ひとを操る、──などという力を持っていること、 あのお方はわかっていたでしょうに。 (*116) 2022/01/22(Sat) 22:37:18 |
【赤】 灯守り 大雪それから それから? あれこれ屋敷にあったものをかき集めたのだろう。 どっさりと、山のような人形を幼い私に見せて あのお方は私にこう言ったのだ。 「 この人形たちをうまく操れるようになるまで 」 「 あんたはここから出ちゃいけないよ 」 ──── これが、 ながいながい 始まり。 私の目隠しになってくれていたのだと、 そう気がつくまでは、まだ。 (*122) 2022/01/22(Sat) 22:41:50 |
【赤】 灯守り 大雪……あの人が頽れるまでに、 すべての人形を同時に、── までいけなかったのが、 すこうしばかりの悔い。 未熟なままで大雪を継いでしまった。 だから、昔も今もまだ、自分の能力は 恐ろしくも悍ましくも仕方なく、 ……それでいて、 自信もまた なかったのだ。* (*123) 2022/01/22(Sat) 22:46:44 |
【赤】 灯守り 大雪── 回顧 ── おおよそ九十年ほど前だったか。 先代の大雪が、突然領域のすべてを閉め切って 他所に一切顔を出さなくなった、という ── 手紙のやり取り程度はあったやも知れないが、 十年間ほど、ずうっと。 誰とも関わろうとせぬ時期が あった。 (*130) 2022/01/22(Sat) 23:30:10 |
【赤】 灯守り 大雪ふたたび領域が開かれた時、大雪を名乗ったのは 自分と同じほどの背丈の人形を携えた、 小さな子どもだった という。* (*131) 2022/01/22(Sat) 23:31:54 |
【人】 灯守り 大雪「 ……小満がすっごいおじいちゃ……こほん お年を召していらっしゃる事、 よく忘れそうに、なるけど。 」 「 でも私も人間なら、結構……おばあちゃんか 」 「 ……答え、これでいい? ほかなにか美味しそうなもの、あったかな… 」 それからやっと、桜餅や大福の存在に気づいて。 ぬいぐるみを小脇に抱えてもちもちと食もうと し始めるだろうか。もっちもち。* (161) 2022/01/22(Sat) 23:44:58 |
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