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【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>>フラン 「えぇ、その時は」 微笑ってみせる。 本音かブラフかを隠した顔で。 今、賭け金もなく、配当もないのなら、 これはただのカード遊び。 弱っていても、それくらいには応じることができる。 温かなミルクが、あなたとの他愛の無い話が、沈み切った心を それができるくらいに引き上げてくれたから。 空になった皿にフォークを置く。 「美味しかったです。 フランはよくこの店に来るのですか?」 軽く店内を見回しながら、尋ねる。 店に入った時は、そんな余裕すらなかった。 ……そういえば、今日は何も口にしていなかったな、 なんて今更思い出しながら。 (-25) 2022/08/25(Thu) 22:09:10 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ>> ビアンカ 微笑いながら眺める視線に、 今度はこちらが唇を尖らせる番のようだ。 けれど、目が合えば。 ついくすくすと笑いが零れる。 もうそんな歳じゃないというのに なんて思いながら。 「残してあげる気だったのですね」 今までは黙って聞いているだけだったそれを、指摘する。 理由なんて、分からない。気が付いたら口に出していた。 回ったワインの所為かもしれないし、 今日は素直なあなたが口を滑らせるのを 期待してかもしれない。 ……あるいは、どこかで何かの予感を。 別れの予感を感じていたのかもしれない。 約束を結んだばかりだというのに。 [1/2] (-26) 2022/08/25(Thu) 23:05:38 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ突然笑いだすあなたに瞬きをひとつ、ふたつ。 それから、溜息をひとつ。 「……。……遠慮しておきます。 こんな酔ってばかりで、甘さの欠片もないデートなんて」 呆れの色も隠さずに、そんな事を言う。 本当は酔うのは嫌いじゃない。 酒に酔うのも、夢に酔うのも、楽しいから。 けれど、それは―― 「それに私はただの飲み会が良いんですよ」 あなたと、ですから。 男たちなんかじゃなくて、 友達 とだからこそ過ごせるひと時でしょう?そんな贅沢は、口にした途端消えてしまいそうで。 だから、ただ笑みを。 鏡映しの笑みを、あなたに返す。 [2/2] (-27) 2022/08/25(Thu) 23:07:05 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>>フラン 女は肯定も否定もせず、にこり笑うだけ。 つかず離れずの関係。 他人というには互いに会うのを楽しみにして、 友人になるには女の抱えたものが多すぎる。 あなたが無理に距離を詰めない限り、 女が様々なものを棄てない限り、 この関係は続くことだろう。 「ここは……お酒も出るのでしたよね?」 視線があなたへ戻り、尋ねる。 伝票がそちらの手元にあることに気が付いて眉が下がる。 「それなら、暫くは通ってみることにします。 タルトも美味しかったですし」 もし次の”偶然”があるのなら、その時には今日の礼を。 そう思いながら、バッグを手に取る。 「今日はこのあたりで帰りますね。 フラン、おやすみなさい。良い夜を」 女はそう言って立ち上がる。 あなたが止めなければ、そのまま去るつもりだろう。 (-43) 2022/08/26(Fri) 20:30:23 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ>> ビアンカ 「えぇ、そうですね。 お金があれば、穏やかな生き方ができるでしょうね」 期待通りの素直な答えに、目元を緩めて。 あなたらしい現実を見据えた答えに、僅かに苦笑する。 そしてその通りだとゆっくり頷いて。 「でも、きっと。 あなたはもう色々なものをヴェルデさんに あげられていると思いますよ。 そうでなければ、ひな鳥なんて すぐ親の元を去るものですから」 いつかその子から伝えられるだろうから、 余計なお節介だと知りつつも、言葉を注ぐ。 穏やかな笑みと声に、ひと匙だけ。敬意を込めて。 [1/2] (-64) 2022/08/27(Sat) 14:30:11 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ少しも残念そうではない声に 口の端を僅かに上げる。 そう、この日々こそが辛い夜に見る、儚くも楽しい夢だった。 「はいはい、随分と賑やかなお客様ですね。 すぐ準備いたしますので、少々お待ちください」 催促の声にくすり笑って、席を立つ。 ついでにグラスをその手から救い出した。 「次は少し時間をいただきます。 その間に愚痴などあれば、聞きますよ?」 別のグラスに今度は赤ワインを注いで、手元に一つ。 あなたの前に一つ。こちらにはウィンクを添えて出す。 ここからはきっと、いつも通りの二人。 愚痴を零して、愚痴を聞いて、とるに足らない話をして。 慰めたり、笑い飛ばしたり、飾らない話を聞かせあう。 強くて弱い女たちの、 ささやかな、けれど大切な夢見る時間が今日も始まるだろう。 [2/2] (-65) 2022/08/27(Sat) 14:36:48 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ>> ビアンカ 「えぇ、きっと」 仕事道具を持ちだして頷く。 これまで聞いてきた愛情からの確信が半分。 そうであって欲しいとの願いが半分。 「……そうですね。 少しばかり居心地が良くても、 所詮は明日の見えない業界ですから。 今の騒ぎが終わっても、次に何があるかわかりません。 できるのなら、この籠から飛び立つべき、でしょうね」 ひな鳥も、親鳥も そう 叶うことのなかった 密やかな祈りを抱いて、微笑う。飛び方なんてとうに忘れた自分とは違うのだから。 [1/2] (-103) 2022/08/28(Sun) 21:15:21 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ「……それは盲点でした。 下手をすれば朝まで話すことになりそうです」 こんな夜が二度と訪れないと知らずに、 溜息交じりに――口元には笑みを湛えて――そんなことを言う。 「 まぁ……それも悪くないですけれど 」続く本音は調理の音に紛れさせて―― お酒とお料理。悪戯心に、愚痴や喜び。 色々なものを共有して、色々なものを分け合って。 今この時だけは、二人は同じだったのだろう。 それはきっと。 二人にとって大切なありふれた日常。 それはきっと。 二人が望んで止まなかった”普通”。 それはきっと…… ”Se”が許されるならずっとずっと続いたもの。 女が笑っていたのなら、もう一人の女も笑って。 最後まで笑ったままで、”またね”と言って別れた。 今日と同じ明日が訪れると信じて [2/2] (-104) 2022/08/28(Sun) 21:18:46 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ【アルバアジト】 ―― まだ静けさに包まれた暁闇の中 扉を開く音が響く こつ……こつ…………こつ ゆっくりとした足取りが、部屋をめぐる ……罰せられ、ませんでした 引き金を引いた、と思っていたのですが見当違いのようです 黒幕の情報もとうにノッテ…… 今はもう我々、でしょうか……が掴んでいて ……ふふっ、ただの道化、ですね 私は 溜息がひとつ、薄闇に零れた (L17) 2022/08/29(Mon) 4:13:36 公開: 2022/08/29(Mon) 4:45:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 足音が止まる 薄闇の中、壁に掛けられた額縁に触れる これは確か家族を題材にした絵、だっただろうか ”家族”を愛し、家族に愛されたひと 私も彼が嫌いでは……いえ、いいえ 好き、でした 最初はそれに面食らって、曖昧な笑顔しか返せなかった私にすら 愛を向けて、与え続けてくれたひと 「……トト―」 虚空に声が 溶けた ――彼の椅子を 見る (L18) 2022/08/29(Mon) 4:16:37 公開: 2022/08/29(Mon) 4:50:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 足音が止まる 薄闇の中、花瓶の花が目に入る 色とりどりの花は夜の帳の中でも華やかに 遺された華達を守ろうと誰よりも苦悩したひと 事態に真剣に立ち向かい 絶望の中でも冷静であり続けようと、苦しんでいました これからは少しでも助けになれるでしょうか 「……ソニーさん」 虚空に声が 溶けた ――彼の椅子を 見る (L19) 2022/08/29(Mon) 4:18:17 公開: 2022/08/29(Mon) 4:55:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 足音が止まる 薄闇の中、感じたのは甘い香り それはほのかに残ったショコラータの甘くて苦い 互いのためと尽くしあった親子 隠すことのない愛情を拾い子に向けたひと その愛を受け止めて、それ故に尽くそうとしたあの子 誰がなんと言おうと素敵な親子でした 「……アベラルドさん、ルチアさん」 虚空に声が 溶けた ――彼の椅子とその後ろを 見る (L20) 2022/08/29(Mon) 4:21:27 公開: 2022/08/29(Mon) 5:00:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 足音が止まる 薄闇の中、聞こえたのは鳥のさえずり まだ暗い空に自由な歌声が響く 不器用な、でも想いあっていたふたり 誰よりも案じているのに表向きは隠し続けたひと きっとそれに気が付いて、それ故に去れなかった子 あなたたちに自由をあげられたら、よかったのに 「……ビアンカ、ヴェルデさん」 虚空に声が 溶けた ――未だ暗い空を 見る (L21) 2022/08/29(Mon) 4:23:02 公開: 2022/08/29(Mon) 5:05:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 足音が止まる 薄闇の中、伝う雫の塩辛さが舌を痺れさせる あの夜にすべて零したと思っていたのに、今も……まだ 誰にでも優しくて、誰よりも眩いひと 遺された手帳には色々なことが書いてありました 努力の跡、誰にも見せなかった悩み……私のことも 私はどれほどのものをあなたに返せたでしょうか 「……先輩。…………せんっ……ぱい」 虚空に声が 溶けた ――彼の椅子を 見る (L22) 2022/08/29(Mon) 4:24:53 公開: 2022/08/29(Mon) 5:10:00 |
【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタこつ……こつ…… 扉の前で足音が止まる 窓の外 空が白み始めた 間もなく夜は、暗く長い夜は、明けるだろう 悪夢は終わって、新たな始まりが訪れる けれど、夜に溶けた者たちが戻ることはない 「Arrivederci. 皆さま、どうぞ良い夜をお過ごしください」 虚空に声が残る ――部屋を 見回す そして、扉の閉まる音 もう誰もいない (L23) 2022/08/29(Mon) 4:27:20 公開: 2022/08/29(Mon) 5:20:00 |
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