夜長は、鬼走にどうしてそんなことを聞かれるのか、わからなかった。 (t16) 2021/08/14(Sat) 1:16:04 |
【見】 天狼の子 夜長>>81>>t16【海の洞窟】鬼走 向けられた光に目を細める。彼にこんな責められるような物言いをされたことははじめてで、疑問符が頭を埋めつくすのがしばらく続いた。 「 臣ですよ、雅也さん、……?」 やっぱり、なんでだか音が出なかった。言えているはずなのに。 「喉や耳がおかしくなったとは思う」 こくり、頷く。事実を改めて認識しただけの、淡々としたもの。 「……それと俺は、散々、と頭につけられるほど特別多く、 雅也さんから瑠夏さんと久さんの話を聞いた覚えはないです」 夜長のその認識はそれほど間違っていないし、鬼走の和臣に対してしたことの認識も間違っていない。本当に、どちらも間違っていない。 「一緒に働いているのは知っているが……翔さんの話よりも、 そんなに多かったですか? 村の話はいつも雪子さんから 始まるから、俺はそう思ったことはなかったな」 あんまりに御伽噺のようなことだから、すぐには浮かばなかったのかもしれないが。"彼のこの姿が幻かもしれない"ということを考えれば、ただの和臣の偽者である以外の可能性も、あなたは思い付くのではないだろうか。 雪子のことをさん付けで呼んだり、母さんと呼んだりする人物の心当たりは、きっと一つだけ。そんな立場の人物が、他にいるわけもない。 (@12) 2021/08/14(Sat) 2:07:47 |
夜長は、鬼走がよく知っているはずのことを言った。「俺は一人っ子だ」 (t17) 2021/08/14(Sat) 4:16:10 |
【見】 天狼の子 夜長>>105【海の洞窟】鬼走 「──ああ、聞こえた」 空白でない、自分の名前がきちんと聞こえた。耳が治ったのか、それ以外かは分からないが。 「……大人になったことと、 時計を持っていることとは、あまり関係ないと思う。 持っていたら、迷子にならないで来られると思った」 淡々と並べられた内容の一部はけっこうとんでも発言だった。彼はどうやら大人になったつもりでいたらしい。世界の違和感は最初から持っていた。でも、それを疑っていない。 「似すぎ……大人になりたかった、から? 一番身近な、同性の大人だからと」 夜長はそう言うが、鬼走は晴臣が早く大人になりたい等と言っていた覚えはない。思い出に憧れている点は違うが、基本的には和臣やあなたと同じで地に足をつけている。 (@14) 2021/08/14(Sat) 7:07:31 |
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