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【独】 1年生 工藤美郷/* >>-1265朝霞さん >>259こちらをご覧ください。 >>そっと彼女の耳元へ近づいて、内緒話でもするように >>手をあてながら囁いただろう いいですか、童貞はこのようにスマートに女の耳元に手を添えて内緒話をするようには囁けません。ここテストに出しますよ。 >>-1255小泉先輩 中の人も全然動転してないのかと思ってました…… 工藤の中の人はめっちゃビクビクしながらやっていた、へへ。やたら女の色気を押し出してくる敵役が好きで。 工藤’に見逃してくれたら私の体を好きにしてもいいのよ的なことを言わせようかとも思っていた、あまりにも動じなさそうだったので没ったけども。 (-1266) 2022/09/19(Mon) 21:24:00 |
【人】 1年生? 工藤美郷──それからの日々── [生きている限り、日常は続く。 工藤は朝霞さんに言われても納得しないまま、小泉先輩のパンを求め続けた。 そうして目的は叶わぬまま季節は廻り、暑い夏がやってくる。 太陽が、アスファルトに濃い影を焼き付けていた。どこに居ても聞こえてくる蝉の鳴き声が、窓を超えて工藤の部屋にも染み入った。 茹だる様な猛暑の日は、生地がダルダルになるうえ、発酵が早く進みすぎる。だからこんな日はパン作りに向いていない。工藤は早々に今回のパンの期待値を下げていた。] ……………………。 [仏前には、既にキュウリとナスの精霊馬が置かれていた。その横にいつものように焼き上がったパンを並べ、いつものように自分の分を一口食む。 その時、窓も開けていないのにカーテンが靡くと、耳元に風を感じた>>259。 工藤はクリームパンに口づけたまま、しばらくの間停止した。] (397) 2022/09/19(Mon) 21:43:21 |
【人】 1年生? 工藤美郷………………………………。 [それは彼女が求めてやまなかった、あの日と同じ味だった。 こんなに暑い日なのに。発酵の過程も違ったはずなのに。] (398) 2022/09/19(Mon) 21:44:57 |
【人】 1年生? 工藤美郷[不意にツンと鼻の奥が痛くなり、喉の奥がせり上がる。きっと吐くのだと思った。次の瞬間には視界も不明瞭になっていた。 嘔吐物はいつまでもこみ上げなかった。それが涙だと気づいたのは、頬を滑り落ちた熱量が膝を濡らしてからだった。 ぼろぼろとこぼれる邪魔な雫を、手の甲でぐいと拭う。大きく口を開けて、はふ、と齧りつく。弾力も、甘さも、香りも、何もかもがあの日と同じ。割った生地の裂け方まで同じ。 工藤には小泉先輩が、自分の手を借りてこのパンを焼き上げたかのように感じられた。] ウ……う、ゥ、 [ぐずぐずと鼻をすすり上げながら、工藤は口いっぱいにパンを頬張った。嚥下して再びかぶりつく僅かな隙間に、おいしい、と漏れた。口の端から溢れかけたカスタードクリームも、あの日と同じ味だった。 あっという間に口の中に収めると、工藤は声を上げて泣いた。数か月分の哀情が決壊したように、涙が後から後から溢れて止まらなかった。体のどこにも異常はないはずなのに、胸の奥が締め付けられて痛んだ。 工藤は両手で顔を覆ったまま囁いた。] (399) 2022/09/19(Mon) 21:45:31 |
【独】 1年生? 工藤美郷/* とても恥ずかしながら工藤と一緒に私も泣いている。 本当にお世話になりました。ここで終わってもすっきりだけど、もうちょい書きたい。 (-1277) 2022/09/19(Mon) 21:51:03 |
【独】 1年生? 工藤美郷/* 美術館いったのがお盆前だったらまだ一年生のままだから……お盆以降だったら二年生だけど…… ちょっと自信なくてぼかしてみました。 (-1286) 2022/09/19(Mon) 22:11:48 |
【人】 1年生? 工藤美郷[それ以来、二度と同じ味は再現できなかった。 けれど工藤は、同じ味への執着を手放した。声を上げて泣いたあの日から、工藤が自己解釈したパンを、そういうものとして受け入れた。 パンを作る際、無理に小泉先輩を憑依させる癖も自然と抜けていった。体格も力も違う小泉先輩を無理に真似るのではなく、工藤の体に合った方法で焼くようになった。 工藤のパン作りの技量は、依然と変わらない。けれど、それではダメですか、という朝霞さんの言葉>>7:326に、初盆を終えてからやっと頷けるようになった。 彼女の言葉が届くまでに、ずいぶんと時間がかかったしまったけれど。 工藤は休日になると、穏やかな心でパンを焼いた。仏壇に供えるのは、工藤の解釈に変容したクリームパン。 あの日と違う味に仕上がっても、「作りたいものと違う>>221」と表現することは、もう無い。]* (405) 2022/09/19(Mon) 22:13:49 |
工藤美郷は、おかえりー 2022/09/19(Mon) 22:15:00 |
【人】 工藤美郷── 十数年後 とある夏の日 ── [ドアが開いた途端、忘れていた熱気がむわっと美郷を包み込んだ。一瞬にして全身から汗が噴き出す。改札を出れば、目の前を子供が駆け抜けていった。彼らは移動するとき、当然のように走る。 電車は予定通り到着した。ターミナルの時計は、純さんとの約束にはまだ時間があることを示していた。 アスファルトがゆらゆらと空気を歪めていた。熱せられた上昇気流に乗って、香ばしい香りが空へと昇っていく。美郷は紫外線に肌を焼かれる感覚を味わうと、ほんの少しの時間たりとも外で待つのを速攻で断念した。純さんに『駅前のパン屋7:364に居ます』とメッセージを送り、足を向けた。 相変わらず食べられるものは少なかったが、パン屋を見つければ店内に入るようにはなっていた。それは若い日に食べたあの味を求めてというよりは、小泉先輩へのお供え物を探す感覚だ。] (434) 2022/09/19(Mon) 23:55:26 |
【人】 工藤美郷[美郷はすっかり大人になった。食生活が変わって、代謝も落ちて、体格も幾分か丸くなった。小泉先輩の享年など、随分前に追い越した。 小泉先輩の時間は止まったままなのに、今の自分の方が人生経験も積んだはずなのに、いつまでも彼の方が年上のような気がした。 胸の内に思い起こす小泉先輩も、少しずつ変容しているからだろうか。] (435) 2022/09/19(Mon) 23:55:40 |
【人】 工藤美郷[ご飯時だからか、パン屋は繁盛しているようだった。窓越しに人影が見える。 ドアを開けようとした途端、中から子供が飛び出してきて、誰かの名前を呼びながら走っていった。友達がいるのだろう。] ………………。 [美郷は呆けたようにその子供を見送る。後ろの客から声をかけられて、やっと我に返って店内に入った。] (439) 2022/09/19(Mon) 23:56:19 |
【人】 工藤美郷[混雑していて、総菜系の甘くないパンはほとんど売り切れていた。しかし美郷の目的とするクリームパンはまだ売ってあった。 イートインコーナーに行く頃には、純さんも合流していただろうか。 美郷はパンを一口食むと、じっと考え込んだ。それから窓の外で遊ぶ子供たちに目をやった。 ちょうど隣の席を整えるためにやってきた店員に、] このパンはあなたが作ったのですか。 [確認すると、その通りだと言われた。少しだけ息子が手伝ったとも。 工藤は頷くと、] 遠い昔に、同じ味を食べた気がしました。 ……また来ます。 [そのように伝えて、再び窓の外に目を向けた。店員もまた同じ方向を見つめていた。 少年は太陽の光を受けて、力いっぱい遊んでいた。見ている間にも転んだ友達を励まし、あるいは喧嘩し、泣きながら仲直りをして、幼い感情を自由に放出しながら、空へ空へと成長していた。] (440) 2022/09/19(Mon) 23:57:25 |
【人】 工藤美郷[美郷は目を閉じて瞼の裏に小泉先輩を描く。小泉先輩は、美郷が見たことの無い、屈託のない笑顔を浮かべていた。 美郷は願った。彼の永遠の幸せを。] (441) 2022/09/19(Mon) 23:58:19 |
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