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【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[単純な制止の言葉だけでは既に燃え盛った情欲を鎮火させることなどできはしない。それでも拒まずにいられなかったのは、密かに痛めつけられたらしくもない略奪の傷跡が思い出したように胸を突き刺すから。 拒絶という名の刃で相手を散々傷つけた果てに落とされた予想外の返答に一瞬、言葉が詰まってしまった。 自身の常識範囲外の事実にどう返事をするべきなのか、この場ですぐに浮かぶわけがなく。] (どうしてそんな顔をする? その言葉は、その態度は、縛り付けられた結果論は、 ……どうしようもなく救いようがないじゃないか。) …………… でも、 [意義を唱えようとした口を閉じる。これ以上反論を重ねても、互いに傷つけあうだけだと分かっていた。] [この状況ではどうしても誰かを重ねることなんてできないのに、権力と宿命に雁字搦めにされた姿はどうしても“それ”にしか見えなくて。 努力の末に向き合える未来だって、もしかしたらあったかもしれなかったのに。その救済さえも失わせたのは、紛れもなく過去の自分の 約束 のせいだ。既に彼の選択肢を一つ奪い去っているという気づきに絶望感が増していく。 同時に、無関係の自分がどうこうできる筋合いも無いと分かっているのに。その苦痛から解放してやりたいと願う心が抑えられなくなってしまった。] (-3) 2020/12/07(Mon) 15:00:02 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[様子を伺うように徐々に伸ばされる片腕は、祝福に対する返礼なんかじゃない。 親が子に触れるような優しい手つきで髪を梳き、するすると頬へ掌を滑らせる。困り顔のまま揺れる瞳は現状に対する恐怖こそあれど、彼を真に恐れる冷たい感情なんて在りはしない。寧ろ───哀れみのような、慈愛のような、数多の暖かな思いが混じりあった澄んだいろ。 (今だけは……あの子じゃない、 此奴自身を解き放ってやりたいのだと思ってしまった。 唯の自分のエゴでしかないのに。更に相手を縛るだけなのに。 ……ひとときだけでも受け入れて、与えてやりたいとさえ。) 未だに鋭さの残る爪が肌を傷つけないように指先を逸らせながら。独言のように零した一言は、略奪者でも奪えぬ格差と過去に対する無常の念が隠せない。] (お前に茨の冠なんか似合わない) ……そんなもの、捨ててしまえばいいのに。 (そんなことができる筈が無いのだということ位知っている。 それでも願わずにはいられなかった。 「息苦しい」と本音を吐露されたあの時から今まで、ずっと。 真の願いを知ることも、叶えることもできなければ 授かった命を狩り取ることしかできない化け物のくせに。) [そうしてそのまま肩に縋って、せめて一夜限りの欲求だけでも受け入れようと足を開いたのだ。] (-4) 2020/12/07(Mon) 15:00:09 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[獣の本能と自身の性経験等点と線では結べない。 更新された黒歴史の内容を知らなければ、言い訳じみた説明だって語られることはない。結果的によい方向へ傾いてくれたのなら猶更。] [互いに生まれたままの姿で頬を染めるさまは、まるで恋人同士の初夜を彷彿とさせる。 噛み合っているのかも不明な返しを正常に受け取ったのかも自覚がないまま小さく頷き、縮まった距離に更に視線を逸らす。 しとどに濡れた入り口は怒張の侵入を手助けするが、未開拓の内部は喰いちぎりでもするかのように締め付ける。未だに消えぬ恐怖心から力の抜けない身体では喪失の痛みは色濃く、快感を感じるなんて程遠い。] う゛ぅ、……っん、ぁは、ひ、っく、……う、ぁあ 、 [促されるまま、噛みしめて血の滲む唇を開けば喘ぎにも似た呻きが零れて仕方ない。思わず肩を強く掴みかけ、慌てて拳を握りしめる。鱗の消えかけた掌に爪が突き刺さるが、相手の代わりに自分が傷つこうが構いやしなかった。 呼吸をするたびにぐずるような声を上げ、乱暴に暴かれない肉壁が順応していくように形を変える感触を小休止の度に思い知らされていく。] (過去の憧憬とはどうしても重ならない行為の筈なのに、 苦痛を感じているばかりなのに、 満たしてやれている感覚が、満たされていく感覚が、 胸の中を浸蝕して絶望感から塗り替えていく。……暖かい。) (-5) 2020/12/07(Mon) 15:00:12 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[寄せられた肌を包み込むように背に腕を回そうとした刹那。重ねられた掌が下ろされ指を絡めてしまうから、望まれるがままに応えて此方も恋人の真似事をする。指先を必死に浮かせたのは痛みを与えることへの恐れから。 寝台に広がる豊かな黒髪に繋がれた手が並べば、本当に誤解してしまいそうになる。 どんな理由が並んでいようと 後には戻れぬ禁断の行為に浸っていることに変わりはない。 背徳感がより一層の興奮と甘さを引き立てているが、 その酷い位に釘を刺した戒めは、 彼女の方から祝福と愛情を送る手段を堰き止めた。 初体験の相手にしては大きすぎるそれが生命を育むための奥底にまで辿り着けば、本能的に中が締まる強度を増した。 押し込まれる度に白黒する視界に混乱するように嬌声を上げる。乱れる姿を隠す余裕も無くなれば、徐々に苦しみの中に快楽が見いだせたことが伝わるだろうか。] っ、は…………ぁ、────ッうぅ 、 やッ、 [自分の行いは自制出来ても相手が止めなきゃ意味がない。 元より感覚過敏な首元に吸い付かれれば面白い位に肩が跳ね、もどかしい吐息が何回も零れた。 後ろで髪を纏めてしまえば衆目に晒されるかもしれない危うさと不意に落とされる快感がごっちゃになって、嫌がる素振りも満足に出来ず。唯々刺激を受け止め身を震わせていた。] (-6) 2020/12/07(Mon) 15:00:16 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム(────くるしい。 器官を押し広げるような感触は呼吸機能を狂わせて、 満足に息が出来ているかも分からない。 予告も無しに落とされる口づけは所有印のようで 向けられる感情と、矛盾する優しい手つきに翻弄される。 お前とも、あの子とも、こんなことがしたいわけじゃないのに。 大丈夫なんかじゃないのに、辛さもあった筈なのに、) …………い、 ぃ、だいじょ、ぶ、けど、 おまえの、 おっきぃ、 から …………ッぁ、[思わず媚びてしまうような返答をしたのは、否定をしたくない元からの気持ちと───鎌首をもたげ始めたなにかのせい。 性別問わず、今までどれだけの相手を啼かせてきたのだろう。逞しいそれは、数多を屠った終焉の獣でさえも屈服させようとしている。 首元にかかる熱い息に溢れる声を抑えられない儘、蕩けかけた顔を曝け出す。 絡み合った指先の爪にやっとのことで注意を向ければ握る力をやや強め、作り変えられていく感覚に湧き出る未知の気持ちの名前を探そうとしていた。*] (-7) 2020/12/07(Mon) 15:00:19 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* ★エピに入った第一声がにゃんにゃんエロルってどういうことなの────? ご挨拶したら止まらなくなるから先に投下してしまおうって魂胆だっただけなのですが! お疲れ様でした…皆様の裏側が見れて、気になって夜しか眠れない病気が治った気がします。 恥ずかしいのでみんなこっからロルを続け様に書いてください。リヴァイのことを流してくれ。 (-8) 2020/12/07(Mon) 15:03:08 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* 仕方がないから私が灰を書いて流そ〜っと⭐ >>本末転倒<< こいつら元村でバカしかやってない上に中身がエロルに慣れなさすぎて羞恥しか感じておりません。 ゔぃるへーは腰お大事に、無理はなさらず。特に意味深とかではないです……ラストバトルまで持っていきたいね…… >>0:-14えっ、逆に私はリヴァイチップを女の子の目でしかみてませんでした……胸のおっきな勇ましい性格の女の子…だと…かわいいですか!嬉しい! >>0:-31>>0:-32はい。待機してました。からのハメ殺しのマジックミラー号は腹筋が死ぬのでやめろください。どこのAVやねん。 >>0:-35私も何回もやりました。風呂場に入る前にポケットを確認する癖をつけよう。一回宝くじ洗った時は金で買ったチャンスが欠片もなくなりましたね。 (-9) 2020/12/07(Mon) 15:14:16 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* ヒルヨル組のの立場逆転のところは見てて熱かったですね。そういうの大好きなんです。 予想はしていたけど後半の私の灰うるさすぎて泣いちゃった。 >>1:-1えっ、本当ですか。やったあ。よしあすくんメモ可愛いってよ。NG欄がほぼほぼ遊びみたいに好き勝手してましたけどお気に召してくれたならよかった…… >>1:-23作業用に最後の歌を使ってたので……ノリで……()あの曲は「ゼロが殺してもらうために歌う歌」のような要素もあるので割と合ってるな〜と思って…… >>2:-35ひゅー! >>蓋を開ければ異種姦レイプ<< 中身も書いてて首を傾げて爆発していました。やだ見ないで。 (-10) 2020/12/07(Mon) 15:24:23 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[持てる権能を全て扱った代償は重く、削り尽くした魂の分だけ生命力は抜け落ちていった。 悪夢を見る事は既にないとしても、既に傾らかな死への曲線を辿りつつある身体は確実に弱っている。 眠る時間が増え、味覚が薄れ、上の空で佇む事が度々あった。 終わりを意識しながら遺書をしたためようにも、身に入る筈がなく。] [ 其れでも尚、苦しい程に昂った熱は 雄の本能の儘に心を掻き乱していく。 種を残す為の、残酷な迄のシステム。 ] [剥離した身体と心を抑え込みながら、余裕なんてない癖に相手を気遣おうとする。 優しく触れるのも、祝福の口付けを贈るのも、手を繋ぐのだって、未だ解らないまま“したいと思った行為”を実行しただけ。 それが本能に依るものではないという事実にも気付けずに。] (-12) 2020/12/07(Mon) 22:19:09 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[きつく絡み付く秘境は快感よりも危機感を運んで来るほどだったが、先へと押し込む度に締め付けられれば強く食まれている様で、気を抜けば直ぐにでも果ててしまいそうだった。 物理的ではない、全てを受け容れられた事による奇妙な暖かさが胸を占めていった。 其れも結局、名前を付けられないまま────…… 息も絶え絶えな様子で返答が零される度、呼吸に合わせて緩い腹圧が結合部に掛かる。僅かに呻いたが、台詞の内容にそれは直ぐ笑んだ吐息に変わった。] 莫迦め。……比較する物など知らぬ癖に。 動かすぞ、佳くしてやる。 [少しだけ顔を上げて、今度は胸の中心へと口付ける。火照った肌の上に舌を這わせ、豊満に実った果実の元へと降っていく。重力に従って躯幹からこぼれ落ちたその合間にも印を刻み、同時に羞恥と灯るような快感を齎そうと。 丘陵の麓の円周を舌先でなぞりながら、繋げられた箇所の深い場所を掻き回す様に、緩慢な動作で腰を動かし始める。] (-13) 2020/12/07(Mon) 22:19:45 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[局部から腹、胸から腕と、密着したまま緩やかに奥を探れば緊張は解れるだろうか。 息を殺して子宮口を押し上げる様に進めば、馴染んだ場所が粘着質な水音を立てる。 反り返った部位が粘った細道を何度も掠めながら、先端は母胎への扉を執拗に叩いた。] 此処に 触れると、締まる……な? [やがて指を離し、腕の力を頼りに起き上がれば、赤く染め上げた肉叢を見下ろした。随所を唾液で濡らし、滑々と照る肌を視界に認めれば妖しく口端を釣り上げるのは、捕食者の性。 ■しさは本能や情欲と綯い交ぜになって、 掴む事も叶わず────唯溺れていくだけ。 藻掻く膝を捕まえ、己の片脚を乗せて封じてしまえば、挿入を妨げる物はなくなる。其の儘一息に穿って、より深い処まで押し込もうとした。 触れた者の無い、秘めた先を彼女に奪われた様に。 一層奥まで繋がれば、愉悦に満ちた息を吐き出した。] (-14) 2020/12/07(Mon) 22:20:19 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[交差させた身体に結合への制約はなく、時折角度を変えては限界まで引きずり出して、再度押し込む。 肌がぶつかる音に混じって淫猥な接触音が響き始め、尚更律動は早まって行った。 いつの間にか思考はどろどろに溶けて形をなくし、締まり具合を確かめながら弱い場所を抉る。 爛々と輝く瞳が瞬く度、焔の色に映り込むのはシーツの上で乱れる小柄な身体。] “繋ぎ止めたい、■■■て欲しい” 俺に寄越せ、全て…… 何もかも、 [心地好いのに満たされなくて。肉体はこれ以上無いほどの悦びを得ているのに、何処か違和感が残ったままで。 近付く絶頂の前には尽くが形を成さずに崩れていく。 疲労と衰弱、其れに抗おうとする本能と欲望の二律背反に陥れば、脳内が沸騰した様に制御を拒絶する。 胴体ごと押し曲げて奥を突き、迸る快感で燃やし尽くすかの如く蜜壷の味を貪った。] (-15) 2020/12/07(Mon) 22:21:21 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[身体の芯から性感がこみ上げれば、奥まで咥え込まれた剛直が脈打ち始める。 堪え切れない────そう過ぎった瞬間、茹だった頭に浮かんだのは約束。 “もし人間を辞めるなら殺してやる”。 初めは冗談と仮定の上に存在した気紛れな約束が、いつの間にか戻れない獣道を往き、挙句の果てに傷物にした。 『おまえに守られる程弱くはない』とかつて彼女は宣ったが、其れでも……女は戦場に似つかわしくない、護るべきものに変わりはなかった。故にこそ。 いずれ共に燃え落ちる運命と知っていた筈なのに、種を与える事が正しいとは思えず。本能に逆らって腰を引こうとした。]* (-17) 2020/12/07(Mon) 22:22:42 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* そういう感じで流してほしいわけじゃないのよ!!!!!!!!!!!!!!! 明日お返しします。のためにもタスクを終わらせる旅に出ます。 こんな絡んでてまだ前菜あたりなのがいまだに信じられないですね…… (-18) 2020/12/07(Mon) 22:58:23 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[事前に適切な処置も施さず、雨風に晒され続けた傷跡は数日間の内に多くの血を流す。痛覚を麻痺されようと失血を訴えた身体は徐々に意識を朦朧とさせ、抵抗力を失っていく。 正常な思考回路でさえもかき消されていき、脊髄反射で受ける刺激に嬌声をあげるだけ。 限界を訴えた肉体に更に負荷をかけるのはどう足掻いても苦痛しか生み出さい筈なのに、本能の中に混ざりこむ暖かな行為がその感覚を和らげる。 塗り潰されていく快感の中に微かに浮かぶのは混乱の一文字だけ。] [初めての経験というのは色濃く自身に刻まれるもの。 色恋などには無縁の人生は優しく触れられる情事を知らない。 その行動に何の意味が隠されているのか察するにはなにもかもが足りなかった。] [……故に、真の欲求に気づけない。] (-39) 2020/12/08(Tue) 21:28:28 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[臓器ごと押し上げられるような衝撃は、呼吸の仕方も忘れてしまいそうになる。言葉が途切れるごとに酸素を求めて大きく息を吸うから、更に怒張を締め付けた。 全身の意識が肉杭を馴染ませることに集中されてしまえば嫌でもその大きさを感じてしまう故に、思ったことを言っただけなのに。 笑い混じりに事実をぶつけられてしまえば、羞恥の余りに更に頬が染まりゆく。] ………!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ、 ─────え 、まて、 や、 あッ……… [落とされた予告に静止を求める声は再び上がる嬌声に塗り替えられていく。元より感じやすい首筋が脳に快感を伝えたならば、既に全身が性感帯と化していた。 白い乳房の上に這われる舌は強い痺れを走らせ、反射的に喉を逸らせてか細い吐息を一気に吐き出させた。吸いつけられる度に上気する体温とは違う朱が刻まれ、視界に入る度に羞恥の悲鳴が内部の熱を上げていく。 他よりもたわわに実ったそこは甘くだるく外側を向き合い、鬱血痕が残される度に小さく震える。淫らな水音が聴覚を犯すのと重なる度に胸の頂に咲いた薔薇色の蕾が硬度をまして上を向き、物欲しげに存在を主張するばかり。] (-40) 2020/12/08(Tue) 21:28:45 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[緩慢な動作で奥を割り開かれる度に、未知の感覚に打ち震える。子孫を残す生物の道理には逆らえず、ゆっくりと子宮が降りてきていた。 こじ開けるように最奥を付かれれば甘い声が溢れ落ちる。苦痛に耐えていた筈の身体が、今は仕打ちに悦んでいるようだった。 蝋が固まったように透き通った肌は月明かりに照らされ、あちこちに刻まれた印が淫靡さをかきたてる。頬を火照らせ蕩け切った表情と合わせ、彼女が誰のモノであるかを物語っているようであった。 揺れる視界の中、向けられる表情に思わず息を呑む。快楽の袋小路に追い詰められたように下の口をひくつかせながら、示される指摘に自由になった腕で思わず顔を隠す。] やめ、そんなこと、 いう なぁ…… ッひ、 や、あ、もうやめ、そこはだめだ、 へんになる ッ! [無駄な足掻きでも、ショートしそうな衝撃を誤魔化すこと位なら叶う筈だった。その気休めでさえも封じられ、蜜壺の奥深く迄抉られる感触を直に受け取れば視界にちかちか星が舞う。 はしたなく乱れている自覚だけは持っている。 羞恥心は治まることを知らず、意識迄奪われそうだ。 疲れ切った身体は限界を訴えている筈なのに 内壁は更に求めるかのように締め付ける。 受け入れたいという感情の中に秘められていた性欲が開拓され、教え込まれているかのようだ。] (-41) 2020/12/08(Tue) 21:29:03 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[勢いの増した律動に抗う手段など存在するわけがない。 自由を与えられた片手を口に押さえつけ、もう片方はシーツを必死に掴んで襲い来る強行を受け止め続ける。 意識の範囲外で自分から弱点を教えるように締まり具合を変化させる膣は既に相手の肉棒の形に作り変えられ、絶えず溢れる愛液が滑りを促進させ、卑猥な音を立て続ける。マーキングされた外側だけでなく、内側まで染まってしまった感覚に酔いしれていた。 強請るように零される言葉に形ばかりは首を振り、指の隙間から押し殺した声を少しづつ落とした。] やッ!は、うぅ、……ゎかっ、た……! おまえの、いうとおりにする……ッからァ! ぁア、 も、ゆるして、 あッ! ひあぁ゛、 くる 、 へんなのくる ッ 、 こんなのしらな ……ッ! [枷のなくなった獣に貪りつくされる獲物のようだった。 逃げ場をなくした足が尚も抗うように痙攣するも、小さな指が曲げ伸ばしされるだけ。 焦点の定まらぬ情けない顔をなんとか隠そうと額をシーツにこすりつける度、脈動する竿から白濁を絞り取ろうとナカが伸縮を繰り返す。互いの生存本能が混ざり合い、未来の見えぬ子をなす行為の終着点へと辿り着こうとしていた。] (-42) 2020/12/08(Tue) 21:29:08 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ (そこに隠された感情の正体が、わからない。) [堕ちきった脳みそが微かに受け止めた懇願のような言葉の意味に気づけない。 放っておくことだってできた筈だ。 何回も「殺す」と吠え続け、屠る機会だってあった筈だ。 なのに、今まで一切も牙をつきたてなかったのは、 彼の無事を心から喜んだのは、 受け取った刃を復讐に染めずに残したのは …………一体 誰 のため?白黒、朦朧とした世界の中で、自分が受け入れている相手の輪郭が揺らいでいく。──過去と現在の曖昧な記憶の中で揺れていれば、“守りたい”と真っすぐに感情を向ける存在などいつまでも確定されやしない。] [唯一無二が決められないから、大切なものが零れ落ちていく。手放してしまう。そのまま全てなくなって、狂い果てた孤独の咆哮を世界に轟かすだけの定め。] (D1) 2020/12/08(Tue) 21:29:12 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[脈打つ種を逃すまいとしていたのだろうか。 悪虐の限りを尽くしても尚愛撫するように付け根に触れられていた尾が無意識に退こうとする相手の腰を捉え、巻きついていた。 そこに獲物を捕らえる獰猛さはない。 離れていく者を引き止めるような、 包み込むような優しさを帯びていた。 孤独に震えた冷たい瞳が燃える獅子を見上げていた。 頼りなさげにシーツを掴んでいた掌を震わせながら、その肌に触れようとする。乱れた言葉を羅列していた唇が遠慮がちに開かれた。] ……出して、いい 、から……ッ (どうせいつかまともじゃいられなくなる。 何よりお前に渡したものは……なんて。 どこへ行こうが未来の見えない身体に 躊躇する理由なんてないのだから ……最後まで、受け止めてやりたかった。 離れていくのが耐えられなくて、■しくて。)* (-43) 2020/12/08(Tue) 21:30:11 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* 本気でエロルになれてないし攻めに関しては完全に左童貞なのでやれてるよなぁ!?って思いながらやってたんですけど相方爆死してたんで良かったみたいです。精進します。 こんな濃密にえっちな表現を言い回したことがないので何回か官能小説調べました(白状) エーンリヴァイは可愛くないです 生意気女です >>-38 見られてましたか!恥ずかしい! 金的してましたねえ!変態クソ皇帝にはそれ相応の罰を与えねばなりませんでしたので仕方がないのです(?) 基本的に展開をこうしよう、は事前に擦り合わせしていたのですけど細かく詰めすぎて本みたいになっちゃってますね……笑 (-48) 2020/12/08(Tue) 21:44:33 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[快感を得る為“だけ”の行為ならば幾らでもして来た。与える事もまた然り。 享楽に溺れて悪夢を回避する夜に、一度だけ存在した例外。互いの秘密を明かしあって、一悶着あった末に身を寄せあって眠った夜の事をぼんやりと思い出す。 あれは一体何だったのだろう? その理由を確かめる様に、何度も抱き心地をじっと感じてみたり。抱擁を通して温度を測ってみたり。 自らの心に問い掛けて、捜し求めた。 結局は、辿り着けないまま抱いてしまった。 そういう関係ではないと知っていた上、 そうなりたいと願っていた訳でもなかったのに。 どんな夜よりも心地好く、精神が安らぎを得られるという実感だけが残る。 優しい漣が立ち、染み渡っていく様な。] (-63) 2020/12/09(Wed) 0:58:22 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[極度の興奮に在りながらも、刹那に取り戻した倫理。欲望の全てを押し付ける訳にもいかないと引き抜きかけた屹立は、記憶に新しい感触によって押し戻される。 一瞬の躊躇は直ぐに悦楽の中へと引きずり込まれ。僅かに浮かんだ動揺の色も、瞬く間に上気し切った表情に変わる。] ────くそッ、 んん ……っふぅ、[引き留められる儘に数度奥を抉り、細腰を掴んで強く押し付ければ────はくはくと震える尖頂から煮え滾った雄蜜を解き放った。 拡がった壁を、更なる奥地を、貪欲にせり出した臓器でさえも白く穢していく。 暫く収まりそうにもない奔流を全て注ぎ込む為、緩く腰を揺らして反射的な収縮を自ら促す。締められれば尚のこと襲い来る悦楽に腹筋を震わせ、崩れ落ちる上体を肘で何とか支えた。 脈動に合わせて背筋を駆け上がる絶頂感に後押しされ、甘える様に華奢な肩を掻き抱いた。 抑え込んでいた脚を絡めて、隅々まで温度を味わい、縋る。] (-64) 2020/12/09(Wed) 0:58:47 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイう、 ッは──…… はあっ り ゔぁい 、 リヴァイ………… [降り坂に遠ざかっていく余韻でさえも、きもちよくて仕方がない。いつしか彼女に覆い被さったまま崩れ落ち、勢いを失くした白濁をとろとろ吐き出しながら、譫言の様に甘い声で名を呼んでいた。弾む息の合間を縫っていれば、幼子が抱擁を強請るそれに近く感じられるかも知れない。] [肌が擦れ合って湿った包帯が弛む。胸に幾重にも巻かれていた其れはいつの間にか解けて、意味をなさなくなっていた。] (-65) 2020/12/09(Wed) 0:59:18 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[何処か快い倦怠感に身を委ねていたが、正気を取り戻せば小柄な体躯を押し潰している事に気付く。縺れ合う脚を引っ掛ける様にして身体を傾ければ、重圧からは解放されるだろう。 密着したままならば尾の内で身じろぎ、すっかり硬度を失ったものを抜こうとするが、其れは叶っただろうか。 何れにせよ、あらゆる快感に苛まれ続けた身体はその膂力も弱々しく、微かに腰の曲線に手を添えて包み込むだけ。] ……待ち遠しかった。おまえが来るのが。 だが、永遠に再会が訪れない事を願った気もする。 今は斯うして、健在であると知るだけで十分だが。 まだ何処か痛むか? [頭脳を侵していた熱は去ったというのに、浮ついた様な台詞が堰を切るのは何故なのか。 好き放題した後ではあったが、此方としては散々操を破られた後なので今更の話。無論謝罪がない代わりにお咎めもナシだ。 赤い髪を寝台に散らせた姿で、閉じようとする瞼の重力に逆らいながら問うた。] [身体を起こせば、撓んだ包帯の下の皮膚が顕になっているのが分かるだろう。 力を行使する度に蝕まれた身体には悪魔のシギルが根付いて、今や禍々しい紋様が左胸以外にも広がっている。 其れは否応なしにこれから起こりうる哀しき運命を想起させるものだ────]* (-66) 2020/12/09(Wed) 0:59:55 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* 江頭2:50みたいな声出た。明日もなんやかんやで行かなきゃなので書くけどタイムオーバーしたらごめんなさい。 もうなるはやで行こう。私も頑張るマン。殺しちゃうよォ〜ん………(死) (-68) 2020/12/09(Wed) 1:23:52 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム(奥底に注ぎ込まれる生命の液が、暖かくて心地がいい。 ゆっくりと注ぎ込まれる度に、心が満たされていく。 自分を求めて名を呼ぶ声も、掻き抱かれる感触も、 孤独に身を浸していた獣には離れがたいものだった。) ─────はぁ 、 ぁ ッ……… 、 [熱い吐息をとろかしながら、懇願に応じるように腕を伸ばして、相手を優しく抱きしめる。 誰にも愛されなかった子供を包んで暖めるように肌を寄せ、凍り付いた心を溶かそうとする。 そこに誰かを重ねていようがなかろうが、そうして身を捧げてしまうのが自分の本質でもあった。 ……そうやって、熱が落ち着くまで抱き合って互いの存在を感じていた。] (-72) 2020/12/09(Wed) 12:20:40 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[全てを受け止め、繋ぎとめる役目を終えた尾は今度こそ効力が切れたように力を失う。身じろぎひとつで寝台の淵から滑り落ち、床を這うだけの装飾品へと変わっていった。何れ朝日と共に塵のように消えていくのだろう。 硬度はなくなれど、未だに図体の大きい一物を引き抜く刺激に軽く呻きを上げたものの、今は中に出された暖かな感覚の余韻に溺れていたかった。 強制されようとも相手を受け入れたのは自分で、最後を促したのも自分だ。破廉恥な過去に気づかなくとも、抗議をする気は起きなかった。 相手と自分の二重苦の拘束から解き放たれて、熱された肺に冷たい酸素が一気に吹き込まれれば、長時間重力に耐えて呼吸に苦しんでいたことを理解する。 ■しくて、 それでも未だに離れがたくて、くびれに添えられた手に縋るように相手に寄り添いその胸に触れる。どこまでも恋人の真似事のように。] ……馬鹿か。 お前が待っていると言ったんだろ。 それに───あんな餞別を受けて忘れる筈もない。 いつまでもあのきな臭い国にも滞在できんし、 (もうどこにも行けなくなったから。 そう言いかけて、やめた。) [一瞬、切なそうに眼を細めてから相手の顔を見上げようとした。 落とされた問いかけに応えようとして、ずれた包帯から露出した肌が視界に入る。呪いの如く刻み込まれた禍々しい文様に思わず瞬いた。] (-73) 2020/12/09(Wed) 12:20:47 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム(何れは来るべき定めなのだと分かっている。 傾いてしまった砂時計は半分を切り、 互いの寿命が残り少ない事実だってとっくのとうに。 後悔なんて微塵もしていない筈なのに この胸に刺さる痛みはなんだ。……どうして。) ……私なんかはどうだっていい。 何れ痛みなんぞ感じる身体じゃなくなる。 ─────お前は、 [一度身体を重ねたくらいでなにかが変わったわけでもないのに。 ぼろぼろの身体に触れたくて、労わりたくて仕方がなかった。 鋭さを失った指先が優しく胸のシギルをなぞる。 込み上げてくるのは苛立ちと悲しみ。 自分の獲物だとさんざ叫んできたものの、何れは此奴も離れていってしまうんじゃないか。そんな無駄な不安感が心を襲う。 暫く眉を下げた儘無意識に触れ続け───不意に胸板に額を押し付けて目を閉じた。] (-74) 2020/12/09(Wed) 12:20:52 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム(今はまだ、此処にいる。 傍にいる。 ……一人じゃない。 微かに聞こえる鼓動と体温に乱される心を落ち着かせる。 らしくもないが今夜だけは誰かと寄り添いたいから。) …………暫く、こうさせていてくれないか。 [相手の返事を聞く前に、意識が溶けて闇に沈んでいく。 あの日の夜を想起しそうな光景であるが、自分の意思で身を寄せたのはこれが初めてだった。 何れ微かな寝息がそこで聞こえてくるのだろうが───見る夢はきっと心地のいいモノなんかじゃない筈だから、縋れる存在があってほしい。 我儘な夜の魔法が朝日に解けてしまうまで。 …… 皇帝の自室に呼び掛ける従者の声に、昔よりも弱弱しいケンタウロスの咆哮を轟かせるまで。*] (-75) 2020/12/09(Wed) 12:20:56 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* ただでさえ遅いのでもう少し情事書きたかったけど最低限の拾いになったごめんご!!!!!!!!!! こっちもラストに言いたいことは決まってるからそこだけ書いておきます。 ア!さすがに間に合う予感がしないので延長希望してもいいですか……すみませ…… (-71) 2020/12/09(Wed) 12:22:48 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[些細な机仕事を終えて眠る筈だった身体は消耗に飲まれ、深く寝台に沈み込みながら、散らばった黒髪をすくい上げては眠りやすい方向に纏めてやっていた。 垂れ下がった尾の生え際までを何度か撫で下ろすのは、どんな姿であっても恐れを抱かない心の表れ。 怪物、犯罪者と呼ばれ続けた彼女の人ならざる形を愛でるように触れ──── 其処に在ったのは、同じ“人殺し”であるからという妙な安心感だったのかも知れない。 二人は運命に翻弄され、見知った顔を幾度となく手に掛け、臨終の場所のみを選んだ愚かなコヨーテ。 褥を共にしながら心の奥底までは通わせず、答えに気付けぬまま即物的な充足感に身を委ねるからこそ相応しく。] そうか。ならばおまえにも解らんのだろうな。 待ち遠しくも口惜しい、此の想いの出処は…… [その視線の向かう先を悟ってこそいたが、快方へ傾く事の無い病の様な呪いに負の感情を抱かれるのは不可抗力。 生い立ちや運命を呪った事はなかったが、それでさえ操作された思考なのではないか────と、今なら思える。 継承した先祖の記憶は既に抜け落ちて、今や歴代夫人の名も幾つかは忘れてしまった。 ベストラ公を滅亡させた瞬間から始まった緩やかな終末に、残忍さと薄情さを覚えたのは言うまでもない。] [其れを施した人間も、この手で葬り、見送ってしまった。] (-101) 2020/12/10(Thu) 8:20:10 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[学生時代より一回りは分厚くなった胸の上に乗る柔らかな重みが心地好く、目を閉じたのを視線で追えば、片腕で傍らの敷妙をそっと引き寄せた。 続く言葉を推理出来るほどの気力もなく、抗い難い睡魔が直ぐに襲い来る。全身を苛んでいた異様な熱は去りつつあり、自分より少し低い体温だけが傍にある。 更に深く脚を絡めれば、今度は此方が逃がさない様に。其れこそが返答の代わり。] ( 何処にも行かない。 ) [偶然にも浮かべたのは、不安げに触れた手付きへの純粋な想い。そして……] (-102) 2020/12/10(Thu) 8:20:44 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ( ────神にさえ奪わせはしない ) [一本道の途中で漸く見付けられた暖かな夜の色を、 自分と共に終わらせる。必ず一緒に連れていく。 其れは敬愛か、執着か?] (-103) 2020/12/10(Thu) 8:21:24 |
【秘】 征伐者 ヴィルヘルム → 終焉の獣 リヴァイ[後先考えずに交合った夜を咎める者は此処にはない。 生まれた土地を捨て、国境を越えたからには。 暖炉から漏れる光が寝台の影を壁に映し出す。少し弱まった火では肌寒いから、温もりを逃がすまいと掛け衾を被った。 眠りにつくのを見守る前に、 瞼も意識を連れ降りて行った。 宿業は果たされ、禁術が少しずつ解けていく。 もう誰を恨む事もなければ、復讐鬼でもない。 唯の男に成りつつある魂は安らぎに満たされて、 産まれた儘の姿で無防備に睡る。 月のない夜、相変わらず降り頻る雫が窓を叩いていた。 もうじき雪に変わるであろう、冷たい雨が。] (-104) 2020/12/10(Thu) 8:21:55 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム[明らかに自分のものではない血を浴びすぎた身体はどんなに雨に打たれようと死臭だけは隠し切れない筈なのに、自分を撫でる手つきはどこまでも優しくて妙に擽ったい。 常人であれば恐怖しか抱かないであろう禍々しい人外の部位にまで触れられるのは初めてで、些か混乱さえ覚えたほどだ。 己を好いていた後輩でさえもその見目に恐れをなし、一斉に武器を構えるさまばかり見ていた限りではありえないその行為。 人を食った化け物を前にして随分と余裕ではないか、と呆れを抱くのはつかの間。奇妙なまでに満たされてしまう理由がわからなくて。] (……ばかな奴。 其の儘頭から喰ってしまってもおかしくないのにな。) わかるわけないだろう。 考える価値さえない……何れ終わることだ。 (……こんな無防備な獲物、 喰う気さえも起きないのだが。) [それどころか、離れがたいとさえ思ってしまう矛盾の理由を見つけ出せずにいる。 互いに狂ってしまった歯車を元に戻すなんてできやしないのに、それを願わずにはいられなかった。 自分にできる最後の救済措置が一番残酷なものしかないことなんかずっと前から知っていた癖に。 ────望まれた喪失ではなかった筈なのに絡まれる足が嬉しくて、今は穢れに焦がれていたい。] (こんな私を拒まない。こんな私から離れない。 此奴が救われることの無い末路を歩むというのなら、) (-112) 2020/12/10(Thu) 21:41:57 |
【秘】 終焉の獣 リヴァイ → 征伐者 ヴィルヘルム (────私がこの手で命を狩り取るまで。) [初心な夜に、誓いを立てよう。 罪の上に罪を重ねて、世界から否定されようとも絶対に。 獣性ではない己の意思で、最後まで征服者を演じ切ろう。 ────悪役になるだけでこの男を救えるのなら、 私はどこまでも堕ちていけるから。] [別れには相応しくない雪の華の前触れ。 いつだって冷たく凍える世界が、今だけは暖かい。] (-113) 2020/12/10(Thu) 21:42:00 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ ────現実の温もりは、夢想迄もを変えてくれない。 お伽噺の中の怪物はいつも独りぼっち。 眼前に現れた人影に喜び近寄ろうとすれば、 すぐさま頭に銃口を突きつけられる。 血に塗れた誰かが自分を指さし罵倒する。 臓物を吐く誰かが自分を睨みつけ続ける。 大切だった誰かが自分を拒絶し遠ざける。 「お前のやっていることは所詮自己満足だ」 「仇討ちなんて言い訳のひとつにしかならない」 「同胞さえも手に掛けたお前はもう─────」 「 唯の 人 一心に向けられる刃に心が悲鳴を上げても 居場所のない化け物に安息が与えられるわけがない。 息をすることさえも苦痛で仕方なくても 止める事さえ許されない……死が許されぬ生き地獄。 (D6) 2020/12/10(Thu) 21:42:03 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ 何時かの時。 苦痛の夢から救ってくれた人物の影が脳裏を過ぎる。 彼の名前を呼ぼうとして───錆び付いた喉が灼けた。 (名前が………言えない。思い出せない。 焼けた手紙と共に朽ち果てた少女の初恋は、 人間性と共に勢いよく崩れ落ちていく。 何れまともじゃいられなくなる予兆のように、 美しい思い出でさえも腕の中から消えていく。) (D7) 2020/12/10(Thu) 21:42:06 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[…………最悪な目覚めであった。] [砦の中だということを忘れかけていたのかもしれない。 扉の向こうの他人の声に乙女には程遠い野太い悲鳴ですっぽり布団を被って震えていた。 昨夜の乱れ具合が嘘のように生まれたままの姿を隠し、朝の寒さに震え続ける。 随分昔の頃のように寝ぼけ、平然とした相手を恨めしそうに睨め付けた儘、差し出された服を震えた手つきで引っ掴む。もぞもぞとシーツの芋虫の如く蠢いた後、いつもよりも長い袖に不満を零しながら這い出てきた頃合い。 自分が窓を叩くまで彼が何をしていたのか。 知る機会がなければ、白紙の紙の内容さえも察せる筈もなく、 ……掛けられた言の葉に頬を染め、き、と睨みつけた。] (2) 2020/12/10(Thu) 21:42:11 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ(これほどまでに昨夜の不貞を呪ったことはない。 もう間違いは重ねないでおこうと誓ったのは 彼の言葉を本気で捉えたせいであろうか。) お前、本当に殺してやるからな……! [わなわなと振動する拳を振るうよりも先、昨夜散らばった衣服の残骸から見つけ出した短剣を引っ掴み、懐に放り込む。眼帯を探して拾い上げればしゅる、と傷跡が目立つ右目に括り付けた。 思い出したように、転がっていた真鍮製の注射器を取り上げる。 ぶかぶかとした服の袖をたくし上げれば、狂ったように注射痕の乱れ咲いた腕が曝け出された。 いつか見た事があったであろう真紅に染まった液体を、唇を噛みしめ血管の中に注ぎ込む。 …………決心の現れを、身に刻み込むように。 殆ど手ぶら同然の彼女の支度はこれにて閉幕。] [その後浴びる視線と独り歩きする噂話は、かつての学び舎を彷彿とさせる。ポーカーフェイスの仮面を被りながら、化け物の噂は立っていないかと神経を張り巡らせていたのは内緒の話。 ────そんな余計な心配も、彼が帰路の途中で寄る場所の正体を察してからは消えてなくなるのだろうが]* (3) 2020/12/10(Thu) 21:42:14 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[かの皇帝が信仰の熱い人物だと言う話は今まで聞いたことがなかった。 故に、教会などという場で足を止める理由が追悼以外に見つからない。無関係であるのは百も承知であるが、一歩退いた場所でその様を俯きがちに見つめていた。 刺さる視線が酷く痛い。王族に擦り寄る女にしては、随分と場違いな噂が尾鰭を付いて回っている。それが大きくなればなるほど自身の首の値など信じられぬ値段になる故──彼の判断は妥当、といったところか。 帝王学部に難癖を付けておちょくってきた学生時代、彼女のことを聞いたことも無ければ直接話したこともない。 が、時折彼の傍らにいた事実のみを思い出し───「そうか」と相槌を打った。] (とっくのとうに捨て去った筈の陽だまりが、 少しずつ確実に崩れ落ちていることを改めて理解する。 その選択を、尊い犠牲を、 自分が口を出す資格なんてあるはずがなく。) (7) 2020/12/11(Fri) 9:56:45 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ(学友のみでなく、守りたかった本心とは裏腹に、 踏み台にして国家焼却炉の燃え滓にしてしまった 嘗ての同胞たちのことが頭によぎっていた。 人権さえ奪われていた彼等が 国の土の下に眠る権利を与えられるはずもない。 殺した事実を国へ公表した手前、 満足に墓も作ってやらなかったことを思い出す。 ……彼等に罵られて当然の結果だろう。) ……お前がそう決めたのであればそうなのだろう。 特に何も言いやしないさ。 争いとは生と死によって成り立っているのだから。 お前と私も。 ……そうだろう? [声を潜めた密談に肯定とも否定とも取れぬ言葉を返したのは、 どちらの立場にも立つことができない内心があってこそ。 物憂げに睫毛を馳せて───再び上げた隻眼は、真っ直ぐな意思を持っていた。] (8) 2020/12/11(Fri) 9:57:46 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ……頽れる前に私が喰ってやるから安心しろ。 苦しませはしないさ。 (懐の中で握りしめた約束が、やけに熱かった。) [悪魔の脚本通りのつまらぬ芝居などごめんであった。 チェス盤に並べるには些か駒数が少なすぎるかもしれないが、2騎もあれば勝負はできよう。 犠牲に必要か否かを問うには既に罪を重ねすぎた思考回路を無理やり望む向きに正そうとしていた。 ……未だ彼の本心にも、託した毒が使われるのかも 気付ける予兆も感じないまま。]* (9) 2020/12/11(Fri) 9:57:51 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[搾取ばかりを繰り返し、戦乱にあけくれ、絢爛豪華な閉鎖空間で悦を得るばかりの祖国を見てきた自分には、英雄の帰還を祝うような他国の雰囲気が少しばかり眩しく見えた。] [場違いなのだとわかっていても、飛び交う真紅に圧倒される。 君主の振る舞いに刮目し、称賛を述べられ、それに応える姿は幼い頃に夢見た理想の国の姿と重なってしまう。 (権力の全てが憎らしいとさえ思っていたが、 民主主義を声高々に掲げようとも思わないのだ。 誰も搾取されず、貧困に喘がず、差別もされず、 幸福に生きていられるのなら……それで。) 数日経てば馬の扱いにも慣れ、指定された立ち位置を保ちながら民に揉まれる元学友の姿を唖然と見つめている他無かったのだ。] (ひとつの国が長年の屈辱から解放される瞬間。 誰もが縛られることがない。誰もが自由を喜んでいる。 誰もが不安を抱えることなく生きている。 血と断末魔を乗り越えた先に存在するエデンの証明。 こんな場所で、あの子と生きてみたかったとさえ。) (16) 2020/12/11(Fri) 21:15:49 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ(…………でも、 お前は?) [前よりもやや逞しくなった後ろ姿からでは 彼の表情なんかわかりやしないのだろうが、 彼が本当に心から笑っているのか自信が無くて、 やや俯いた表情を曇らせてしまった。 手元に残るは、引き裂くべき生命の運命。] (私が此処迄穢れる道を辿らなければ、 お前は唯、誰にも知られず孤独に燃え尽きたのか?) (17) 2020/12/11(Fri) 21:15:52 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[まるで帰りを悲しむ輝夜姫のようだ。 道行く月を見上げては意識を遠ざける日々が続いていた。 毎晩毎晩戒めるように刺し込む注射器の数は日々減っていき、その効力も定かなのかさえわからなくなってくる。 悪夢に苛まれる時間が増え、学生の頃よりも寝不足になっていたのかもしれない。 煌びやかな衣装は元々余り惹かれる性格でもなければ、刻限が迫る時の中で侍女と話して交友を深めようとも思えない。 削れていく自我を徐々に感じながら、残った意識を手繰り寄せるように食事だけは噛みしめていた。人間以外で湧き出る涎こそが自分を自分たらしめる証拠だとでもいうように。] [声を掛けられたのは、夢遊病のように部屋を彷徨っていた時だった。 少し瞬いた後二つ返事で向かった先はどの部屋よりも広々としており、彼の権威を思い知らされる。 権力を何より嫌っていた癖に、大人しく王宮に収まる自分の今の状況に心の中で苦笑しながら席に着く。 ────随分と昔、学び舎の一室で似たようなことをしたことを思い出していた。] (18) 2020/12/11(Fri) 21:15:55 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[日頃の彼の暴食っぷりを見ていれば、 糖質控えめのものでも少々眉を顰める要因にはなろう。 ……けれど、もう今は小言を言う気にもなれなかった。言えるような精神をしていない、と言うべきなのか。 つかの間に与えられた安らぎに浸るように言葉を紡ぎ、低体温症の身体に暖かな紅茶を流し込んでいく。 茶会の席で彼女が選んだドレスコードは、最初に与えられたものと同じ。黒を基調としたロング丈のワンピースの上に、男物の軍服。] お前と私じゃ価値観が違う。 生まれも育ちも違えば何れ突き当たる常識だな。 昔は全くもって理解出来やしなかったが、 今ならなんとなくわかる気がする。 私はお前では見ている景色が違いすぎるだけだ。 だけど……な。 (19) 2020/12/11(Fri) 21:15:58 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ(自分の決めた道を真っ向から突き放すような言葉を吐かれ、 思わず頭に血が上り、我を忘れて相手を貶したことを思い出す。 あの時は互いに守りたいものが異なっていただけだというのに 馬鹿の一つ覚えのように傷つけあって、おかしなことだ。 ……どちらも決めた道から逸れないのだと知っていたのに。) ────そう聞かれれば、そうなのかもしれないな。 私もどうしてなのかは全くもってわからないのだが もう二度と自分の目の前で、自分以外の誰かが 相手自身のためではないことに苦しむことが 見ていられなかっただけなんだろうさ。 (自分は守られたいだなんて思っちゃいなかったのに、 守護の代わりに命を捨てる誰かの姿を思い浮かべて目を細めた。 ……相手の中に渦巻く感情を理解できてもいないから、 平然とそんなことを言っていられた。) [死刑宣告のような重みのある言葉に隻眼を軽く向け、返事は瞬きを数回。……承諾なんて声に出さなくてもいい筈だ。 その呼び出しの意味を、どうしようもなく理解できていたから。] (20) 2020/12/11(Fri) 21:16:02 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ[─────最後の注射針を、腕に深く刺し込んでいく。 痛々しい針痕だらけの腕は悲鳴をあげていてもおかしくないのに、もう痛みさえもわからないくらいに感覚が麻痺していた。 有り余るほどにあった赤い薬品ケースが、今では一つも見当たらない。 材料が無ければ作りたくてもそれすら叶わないだろう。 この日が終われば不要になるとわかりきっていたから敢えて作らなかったのだ。 綿密に、秘密裏に編み込まれた計画の中。今宵は綺麗な満月が望める筈だ。明から暗へと変化するグラデーションを眺め、沈みゆく火の惑星を見守った。 (この夜を超えれば、私は。 ……本当にどこへも行けない怪物になってしまうのだ。) 引き留めるものも理由もありはしない。全て自分の意思で捨ててしまった。 後は嘗て死にかけだった獅子を頭から貪れば、きっとそれで終わってしまう。 少しも寛げなかった客間の扉を静かに閉めれば、向かっていくのは謁見の間。 息苦しさに喘ぐ 彼 ……王族に唾を吐く性格の彼女には到底似合わない場所こそ、最期を飾るに相応しく。] (D9) 2020/12/11(Fri) 21:16:07 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[初めて触れる重い扉を押せば────案外呆気なく視界は開けた。 壁を飾るステンドグラス、眼前に聳え立つ階段の先に見える鉄の玉座はどこまでも冷たい温度を感じさせるようで。 未だに長い袖の下の手をぐ、と握りしめたのは、伝わる寒さに耐えようとしたのか。 凍土の色を抱く瞳で頂上の主を真っすぐ見つめる。その目は昔のように燃え盛るかの如く光っているのだろうか。 月は未だに雲間に隠れ、その正体を現していない。自分の病の発作が現れる予兆が無いのなら、少し位の言葉は交わせたのかもしれないが、] ………………どうやら、もう時間のようだな。 [最後の会話がどんなものであれ、満月の衣は何れは流れ去ってしまうから。 徐々に訪れる視界の揺らぎと、頭痛の初期症状を鈍いながらも感じれば、か細い声で非道な運命のカーテンコールを告げようか。*] (21) 2020/12/11(Fri) 21:16:14 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[────静寂だけが二人の繋がりを証明する手段のようだ。 投げかけられた微笑みとは対照的に、見上げる夜色の女は唇を噛みしめ顔を歪ませる。 (同じ場所へ至れるとまでは思っていない。 微かな願いは届くわけがないとさえ思っている。 今まで通り送り出すのみの略奪者の仮面を被り、 血に塗れた腕を伸ばすだけの未来を見ていた。) ────力尽きたようなさまを見開いて認めると同時、 この世の終わりのような痛みが脳を襲って頽れた。] (31) 2020/12/12(Sat) 1:07:05 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[噫! 頂点に聳え立つのは月をも喰らいつくさんとする百獣の王を模した幻影の如き虚な姿と (影と混ざり合う、まるでキメラのようなそれは、月光病さえも彷彿とさせるような…) そこに至る迄の試練の如く降り注ぐのは 灼熱地獄にも似て非なる───冷酷非道な怪物の命をかき消さんとする 随分と”洒落た”カーテンコール!!] (33) 2020/12/12(Sat) 1:10:36 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ────────……… ッ !! [温度が上がる。 裁きの炎が堕ちてくる。 ばらばらと崩れ落ちる硝子片たちを避けながら、 ステップを踏めば、遥か頂上の仇を睨み上げるのだ。 そうして口の中に仕舞い込んだ短剣を砕かぬように感触を確かめ──────、] (34) 2020/12/12(Sat) 1:10:42 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[────苦痛と共に硬い表皮に覆われた巨大な身体を大きく振るわせる。 燃え盛る火炎に呼応するように、ひとたび大きな咆哮を上げた。 鱗を舐める高音をものともせず、嘗て諸国を超えて彼の元へ辿り着いた四足歩行が空間ごと揺らす勢いで何段かもしれぬ階段を登り始める。 目指すは頂上一点のみ。その先に臨む宿敵を───神を欺く憎き悪魔から大切なものを奪い取るために。 数多の武器を跳ね返す鋼の如き身体でも、 あの日の銃弾が脇腹を抉ったように、弱点はある。 女が完璧な怪物になりきれぬ証のように。 ちりちりと焦げる熱が臓器まで浸そうとも、 この自我だけは……生命だけは、燃やさせない。 大昔の聖人が海を割った逸話を繰り返すわけではないが───目には目を。歯には歯を。炎には炎を。 ご お ぉ───…… と、鋭い牙の生え揃った顎を大きく開け、蒼く燃え盛る焔 (35) 2020/12/12(Sat) 1:11:52 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[怪物の吐息にも似たそれは、見た目に似合わず凍えそうな死の温度を纏っている。 試練に立ちふさがる灼熱の壁を溶かし、一本道の活路を切り開けたのかどうか。] [否、作れなくとも構わない。その壁を突破し、彼奴に届けばそれでいいのだ。 どこまでも彼に温もりを与え続けた怪物が最後に届けるのは終焉を知らせる冬の到来。 左手には闇を、左手には約束を。誰よりも憎み■したかった者たちを壊すために目覚めたのだから。 凍てつく波動じみた炎を、遥か上の相手へと叩きつけるように吐いた後、 切り開いた活路を───開かれないのであれば、腹を焦がしながら。重い身体を引きずらせ、只管に玉座を目指し続ける。 口内にしまい込んだ短剣を振りかぶる時を待ちわびながら、燃え盛る瞳は真っすぐに相手を打ち付けながら。]* (36) 2020/12/12(Sat) 1:14:16 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[修羅を貫く真っ赤な旅路の道中で、数多のものを投げ捨ててきた。 最後まで使うことの無かった、約束だけをこの手に残して。 必死につなぎ留めた意識を代償に、この身に降りかかる災厄を全て受け止める。罅割れかけた精神がこれ以上は限界であると叫ぼうと───この夜だけ保ってくれたらそれでよかった。 (その後は、どこへなりとでも燃え尽きればいいのだ。 理性を失い、数多の人を喰らい、正真正銘の野生へ変われ。 だが───今は。今だけは。 略奪者ではなく、救済者としてあってくれ。 この場で朽ち果てるわけにはいかないから。) 掻き消えた絶対零度が示す道を辿るように一直線に百段を駆け上がろうとすれば、大気圏に触れて温度を上げる小惑星じみた火炎が眼前に迫る。 咄嗟に吐き出した吹雪は勢いを弱めていたものの、石段を砕け落とす前に威力を弱めることはできた筈。 何層にも分かれた炎が頭蓋骨にぶつかれば、元来の頭痛が更に速度を上げて、鱗の隙間から血が垂れ流された。 苦痛を振り切るように轟く咆哮が空気を震わせれば、焦げ付く身体をくねらせて、数多の命を喰らった巨大な口を大きく開き───絶え間なく涎を垂れ流す。] (40) 2020/12/12(Sat) 2:52:31 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[断頭台の如き刃の一撃を、身を捩って躱しきる。 四肢の骨が焦げる音がしたが、知ったことではない。 床に勢いよくついた前足にスナップを効かせれば、尾が大きく上へと踊る。そのまま勢いよく振り下ろせば────空間を大きく揺らし、砂埃のような瓦礫の屑が一帯を覆うだろう。 目くらましのようなそれに目を奪われていれば、 きっと獣の行方も、変わった姿も、認める早さは遅くなる。 衝撃を利用して一瞬のうちに宙へと躍り出た──── 大口を開けた獣と言うよりは、鱗に覆われた女の姿。 たったひとつの約束を抱えて、悪魔に襲い掛かろうとする、運命でさえも抗うちっぽけな存在。 赤から戻ったアイスブルーと、錆びることなく澄み切った刃の輝きだけが、これから起こる未来のことを物語るように。] (41) 2020/12/12(Sat) 2:52:34 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ [────月が、味方しているのだろうか。] [幾ら空に、 映る水面に手を伸ばしても届くことの無かった幻想。 つがいの獣を喰らい、自らの運命を呪った夜も、 寄り添い合って安らぎを得た夜も、 熱を与え、痛みを分け合い混じりあった夜も、 ……すべてを見守っていた、 どこまでも大嫌いで憎たらしかった呪いの元凶が。] (D16) 2020/12/12(Sat) 2:52:37 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[刹那────月が翳る。] ッ 、 う゛ あぁぁあぁぁ!!!!!!!![咆哮と叫びが混じりあっていく。 飛び掛かった獣の姿が剥がれていく。 雲間に隠れた月明かりがわずかに照らすのは、高く跳躍した人外の一部を残した女が空気に躍らせる、漆黒に輝く黒髪の艶やかさ。 未だに痛む身体中の火傷の残響が示しているのは、“元の姿に戻るのはこれが最後である”という証。 鋭利な牙が生えそろった顎が、何にも穢れぬ短剣を振りかぶった両腕に代わり────獲物に喰い掛かる代わりに、その左胸を貫き通そうとした。*] (42) 2020/12/12(Sat) 2:52:41 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[──────────びゅいッ と黒翼広げた暗殺者独り 冬空を切って星まで堕とさんとばかりの勢いで振りかぶる。 心の臓を着地点とした短剣がどうなったのか、悪魔学に疎い己はすぐに判断などできず貫けてしまったとして...これから起こることなど、分からない。 それでも、ふと我に帰れば狂気の離れた身体を 抱き止めてやりたくて、思わず腕を伸ばした。 (誰だって意識のある確実な死は寒いものだから、 大切なのだと認めた者の最後くらいは寄り添いたい。 ……自分自身が征服者として奪ったものを、 まだこの胸の中に残ったわずかな人間性で。) 息さえぴったりと合わされば、抱き合う形をとって、 ───それから。] (55) 2020/12/12(Sat) 8:08:00 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ………ッ !? ふ……ッん────ぅ、 [御伽噺の口づけなんかとは程遠い、貪り尽くすかのように覆い被さられたそれに大きく肩が跳ねた。 甘さの中に錆びた香りが混じりこんだそれは酸素の代わりに強制的に流し込まれて、脳みそを強過ぎる刺激が塗り替えていく。 その味の正体が、嘗て自分が渡した小瓶の中身だということにすんでのところで気づけない。 逃げることを許されない確実な死を運ぶ餌付けを享受しながら、ファーストキスにしては酷過ぎるそれまでもを受け入れようとする。 互いが最後に共有するのは終焉へと至る迄の過程だったのか。理解しようとしても時既に遅し。 小さな身体が唐突に受け止めるにはその激情は果てしなく重く、きつく蓋をされ続けてきただけのしかかるものの多さに圧倒される。 幾ら閉鎖的で鈍感な精神と思考を持っていても、 過去に抱いたことのある感情への名前の付け方を知っていれば……己に向けられるそれがなんなのかくらいわかる筈。 ……自惚れているのかと思われても仕方ないかもしれないが。] (56) 2020/12/12(Sat) 8:08:05 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[鼓膜を揺らすのは、遅すぎるくらいの愛の懇願。大きく見開かれた片目の澄み渡った凍土が激しく揺れ、隠し切れぬ動揺を明らかにしていた。 ……些か物騒な赤い糸を繋げた激しさに朦朧とした意識をなんとか奮い立たせようとしても、微笑まれた相手の視界には蕩けた表情を隠すことができない己の情けなさが映し込まれるのみ。] …………どうして、私なんか、 (怪物なんかいたところで、) [思わず零れ落ちるのは、純粋な疑問。 その答えを聞く前に、終わりに近づく身体は冷たい床の上に頽れていこうとするから───反射的に相手を抱きとめ、包み込んで。 ゆっくりと正座するように腰を下ろしたその膝へ、頭を降ろさせようとする。] (57) 2020/12/12(Sat) 8:08:09 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ(……ぽた ぽた と。 その頬に流れゆくのは、枯れたと思っていた涙。 冷ややかな頬を伝えば、温度を徐々に失う相手の顔に 水滴を立ててしまうから、絶えず指先で拭っていた。) [………今からずっと昔。 幼馴染を喰らった日からだった。 どんなに慕われようと、ひとの関わりは自然と薄れていった。 自身の友好関係など、信頼関係など、誰かの蜘蛛の巣から零れた糸を伝っていたものに過ぎなかったのだ。 ( ”弱い”自分の代わりに、”智慧”を身につけた。 身につけても、私は─── 弱虫で、臆病者だ。 全てを守れるだけの力も 救える力もなかった。 だから、 「選んで」 「棄てた」。 修羅を歩む孤独な道が正しいのだと信じて。 ) ────……大事なものなんて、選べるものじゃないのに。 その先は、何よりも恐れる孤独があるだけなのに。] (58) 2020/12/12(Sat) 8:08:29 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[力尽きたあの子を抱き上げてから気づいた。 私は呪いなんて要らなかった。 ただ、大切な誰かが苦しんでいるなら、 その悲惨な苦痛に苦しんでいるのなら。 ────…… 傍で寄り添い、支えたかっただけ。 互いにひとりぼっちになりたくなかっただけ。] ………傍に、いてくれるのか? これからも、ずっと……私の隣に。 [今も舌先に残り続ける甘ったるさの味の源を辿ろうとすれば、漸く彼の意図がわかった気がして───叶わなかったはずの自身の悲願が届いたような、不思議な暖かさが広がって。浮かべたのは泣き笑い。 指し示されるはずのなかった“自分を持ったままの終焉”を約束された安息感だけが、この心を静かに満たしていた。] (返事なんて必要なかった。 返される内容さえも察しがついてしまう問いだから。 もう孤独に震えることも、泣き叫ぶこともない。 死の向こう側に至ってもずっと、寂しくないという事実が 揺らぐことなく目の前に差し出されているだけ。) (59) 2020/12/12(Sat) 8:08:50 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[プロポーズにも似た短い言葉に、乙女のように応えることは自分らしくもないだろうから。 ほんの少しだけ……死の間際に、痛みを我慢してほしい。 全てを奪われたあの夜の仕返し。火傷だらけの身体には、彼の所有印が未だ色濃く全身に残っていたはずだから。] [相手に覆い被さって、その喉元を引き裂かぬ程度に食らい付く。 口づけのお返しとしては少々野蛮な噛み跡をひとつ、そこにくっきりと浮かばせて───それが懇願への返事の代わり。 此奴は永遠に自分の獲物だと言わんばかりのマーキング。] [遅効性の毒薬がその身を激しい苦痛の末路へと誘うまで────あと少し。 死に向かうには寒すぎる季節の訪れを告げるのは、割れてしまった窓から降り注ぐ雨から変化した───……*] (60) 2020/12/12(Sat) 8:15:17 |
【独】 終焉の獣 リヴァイ/* 執着いいっすねーーーー(野次馬) わたしがおそいのがわるいんですけどしめろるだけ本気で叩いちまったから推敲後に落とします。 舞台構築に熱中しすぎて挨拶も満足に参加者と絡みもできていないや。無念。後ほど。 (-147) 2020/12/12(Sat) 9:34:20 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[私は自分勝手な復讐心で数多の敵と同胞を殺し、狂い果てるべき定めの“ひとでなし”だった。 (こんな私を怖がらない。 こんな私を拒まない。 あまつさえ、こんな私の願いを叶えようとした。 いつまでもばかで愚かだと思うが────……、) でも、お前が私に向ける気持ちを、漸く理解できた。 (2人寄り添い眠った夜が穏やかだった訳も、 餞別を渡す名残惜しそうなかんばせも、 甘く抱かれた夜に触れる優しい手つきも、 ……いまなら全部、納得がいく。) ────────……… だから、「噛んだ。」 (応えた。)] (61) 2020/12/12(Sat) 9:46:39 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ (『────……傍に居てくれ、リヴ。』) (「……何処にも行けぬと知っておろうに。」) [大切なものを傷つけてはならないと知っていたのに。 死に向かう痛みを増やすだけだというのに。 百獣の王には、その生き様に相応しいくちづけを。 (いつまでも自分から祝福を送れないまま、) その喉に自己主張の少々激しい其れを残してしまったのは、 地獄までの一本道で出会うための目印代わりと ─────指切りの代わりだったのかもしれない。] (62) 2020/12/12(Sat) 9:46:58 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ[雲隠れした月明かり。その隙間から光が差し込まれるのが見えた。 朦朧とする視界の中で、自身が最初に手を下した傷だらけの姿が歩いてくる。 「迎えにきたよ」と弱々しい手が差し伸べられた気がしたから、腕を伸ばして────……] ………………噫。 [ゆっくりと、その手を下ろす。 腕の中の赤い髪を、傷つけないように梳き下ろした。] (D17) 2020/12/12(Sat) 9:47:16 |
【雲】 終焉の獣 リヴァイ………君が許してくれても、 私は君の元へ行く資格なんてないんだ。 何より君の友人が許してくれないだろう。 (私はひとごろしなんだから。) ……それに、此奴を放っておけない。 傍にいてやらないと安心できん。 独りぼっちは、寂しいからな。 (寂しいのは一体どっちなのか。) [輝くステンドグラスが見下ろしている。 嵐の前触れのように心地よい空気に包まれた世界の中で、死にゆく彼を包み込んでいた。 優しい手先で幼児にするように頭を撫でながら、自分の生命のカウントダウンを刻んでゆく。] (D18) 2020/12/12(Sat) 9:47:33 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[───手先の痙攣と共に、苦痛は不意にやってきた。] [体制を崩し、胸を押さえて倒れ伏した時。彼はもう逝った後だったろうか。 どちらであれ、冷たい床に投げ出してしまった事実に焦り、びたんびたんと暴れる腕を動かして、その手を繋ごうとする。 その行動が叶ったと同時、呼吸が大きく乱れてきつく痕ができるほどに握りしめてしまった。 同胞に飲ませたのは睡眠薬が入ったもの。 生命を奪う毒薬にしては長時間の苦痛を味わわせる配合にしたのは、敢えて自分のものだけ情け程度の眠りを与えなかったのは、……全てを見え透いていた過去の自分から非道な手段しか辿れない未来の怪物へ送る罰。 うまい呼吸の方法を忘れ、瞳孔が閉じるのを忘れ、急激に三途の川を渡り始める体はすでに限界だった。] (寒い。苦しい。……その筈なのに。 息絶えて既に体温が失われている此奴の手が温かいから、 何故だか笑みが溢れてくる。 涙でぐしゃぐしゃで、ひどい顔をしながら、笑った。) (63) 2020/12/12(Sat) 9:47:58 |
【人】 終焉の獣 リヴァイ[痺れに苦しむようなか細い吐息を溢して、呻きを流す。 「ヴィル。」 徐々に神経まですり減らされれば、滅びを迎える肉体が与える苦痛を感じることも無くなる。 通りが良くなった喉を震わせて、1人の名前を呼んだ。] 夢で未来を、見たことがあるんだ。 黄泉 …彼処は昏くて..寒くて……. …怖いばかりで、...何もない。 まるで今の季節のようだ。 [紅鏡の気配に、少しばかり眉を寄せる。 もう片方の腕を床に這わせるように動かして───冷たい身体を抱きしめ直した。] (64) 2020/12/12(Sat) 9:48:15 |
【人】 凍土 リヴァイだから、 ……お前の傍にずっといるさ、ヴィル。 お前が私を求める限り、 私を拒んだりしない限り ……永遠に。 (呪いが解けた御伽噺の人物のように、 甘ったるい言葉を……らしくもなく吐き出す様は、 怪物の性から解放された、普通の少女のままで。) (65) 2020/12/12(Sat) 9:50:15 |
【人】 凍土 リヴァイ[思い返せば彼の名前を呼んだことがなかった。 甘味の取りすぎを咎めるときも、口喧嘩をするときも。 ……身体を重ねたあの夜の時だって。 卒業時に形式めいて叫んだフルネームは呪文のようなもので 相手のことを思って発したことなんて一度たりとも。 お前は私を置いていくのだと思って その身に縋り付くような恥を晒して お前に何れ来る暗い未来をおもって どす黒く回る心を抑えられぬ時も。 孤独に震える末路は自分だけの秘密で 感じていた体温も何れは離れていくものだと…… 毒薬を与えたくらいで何も変わりやしないのだと、勘違いしていたのかもしれない。] (66) 2020/12/12(Sat) 9:50:36 |
【人】 リヴァイ[それきり、女の唇が開かれることはなかった。 魔性を失った朝焼けも間近な空の中、宵闇が手を招いている。 初雪が2人の上を白いシーツのように覆って仕舞えば、まるで互いに寄り添い眠っているように見えるのかもしれない。 苦痛に顔を歪ませ、喉をかきむしった痕跡こそあれど、 その表情は憑き物が取れたように穏やかで、少々上品な笑みを讃えてこそいた。] (69) 2020/12/12(Sat) 9:52:04 |
【人】 リヴァイ[……もう、辛いことは何も感じなくなった。 冬の到来を知らせる新雪も、美しさを感じるばかりで気にならなくなった。 だけれど今はやっぱりひどく寒いから、最後まで寄り添っていても許されるだろうか。] “ もう2人、何もかも分け合えるから ” (この冬の寒さでさえも、2人だけの秘密にしよう。)** (70) 2020/12/12(Sat) 9:53:24 |
【独】 リヴァイ/* 途中経過で肩書きをミスるんじゃないよ(こらこら) 簡易メモが芸人と化していますがまあこれも私たちらしいのでよしとします。 あんのうんと申します。名前はまだありません。 ランダ村に気まぐれに入ったりしています。またこのIDを見かけたら話しかけてくださいまし。 今回は偶然生まれた宿命コンビの再演でしたが、激エモなものがたくさん生まれて達成感がございます。結構だし切りましたが、おそらくまだ暫く止まらんでしょう。こんなエモい死に方があるか。 相方様には盛大な感謝を。寝落ちですいませんでした。100回切腹します。 此度はありがとうございました!また機会があれば遊びましょう! (-155) 2020/12/12(Sat) 9:57:00 |
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