【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 小さな楽器工房にて ―― [ >>104 ティグレは男の風貌に興味がなかった。 男から煙草の匂いがする 異国のなつかしい香り。 微かに呼吸のリズムが聴こえる。 それはすぐに緩やかなものに変わった。 男はおもむろに楽器を取り出した。 ] !? (136) 2020/09/22(Tue) 8:46:07 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ[ 驚いた。 電子六弦だ。 ティグレは楽器のリペア技術を学ぶため 他国へ留学していたことがあったが その時に出会ったもの。 まさかこの国で出会えるとは。 弾け飛んだバネを見る。 バネによって出る音色の質は変わる。 音の厚み、明瞭感、キレ、コシ、 ローミッドの響き。 このバネが振るわす音を ティグレは思い浮かべた。 ] (137) 2020/09/22(Tue) 8:51:38 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ (138) 2020/09/22(Tue) 8:54:27 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 小さな楽器工房にて ―― お兄さん、多いよ。 [ >>147 机に置かれた10枚の紙幣を手に取る。 男からふっと息が漏れるのが聴こえた。 重圧から逃れた、安堵のような音。 余程追い詰められていたのか。 ティグレは笑った。 確かにこの国は格調高い音楽の イメージがあるだろう。 だけど 一人一人が好む音は違う。 音楽はどこまでも自由だ。 ] (171) 2020/09/22(Tue) 19:22:31 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ部品見つからないと思った? この国も捨てたもんじゃないでしょ。 [ 10枚の紙幣から1枚を抜き取り、残りを返す。 お釣りはバネと一緒に持ってく と告げた。 ]* (172) 2020/09/22(Tue) 19:28:39 |
楽器リペアマン ティグレは、メモを貼った。 (a28) 2020/09/22(Tue) 19:34:22 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 楽器工房の倉庫にて ―― [ ティグレは倉庫の扉を開け、灯りをつけた。 天井まである棚には所狭しとケースが並び 工具や部品が仕舞われていた。 右奥へ行き、1つのケースを取り出す。 その中には ゴールド、ブロンズ、黒のバネがあった。 1年前に手に入れたものだ。 ] (181) 2020/09/22(Tue) 22:15:22 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 1年ほど前の話 ―― [ それは突然のこと。 第三王子リジィがこの店に訪れたのだった。 勢いよく開かれる扉。 乱れた呼吸のリズム。 王子殿下はこの店に電子六弦はないか尋ねた。 無口なじいさんと父さんは黙って首を振った。 王子殿下は気にしないでくれと言い 店を出て行った。 ] (182) 2020/09/22(Tue) 22:22:24 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ[ ティグレはその後、 かつての留学先で出会った 電子弦琴のリペアマンから いくつかの部品を取り寄せておいた。 王子殿下との一瞬の出会い。 その声や音。 落胆の中に前へ進む活力を ティグレは聴きとった。 アタシに楽器を作ることは許されない。 1つの部品が楽器の未来を繋ぐ可能性がある。 それがティグレにできることだった。 ] (183) 2020/09/22(Tue) 22:29:55 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ[ ケースの中からブロンズのバネを手に取った。 それを持ってティグレは店を出て、 エリクソンの泊まる宿へ向かう。 彼に会えれば手渡すだろうし、 会えなければ宿主に託すだろう。 ]* (184) 2020/09/22(Tue) 22:37:37 |
楽器リペアマン ティグレは、メモを貼った。 (a32) 2020/09/22(Tue) 22:46:03 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― ここは小さな楽器工房 ―― [ ティグレが店番をしていると かたりと扉が開く。>>180 見たことのない顔だ。 片手にはヴァイオリンのケース。 それを持つ手は長く美しい。 店内の壁にはヴァイオリンが掛けられている。 暖色の灯りの元で、 コントラバス、チェロなど大きなものは 床に置かれている。 じいさんと父さんは、 お客さんに一瞬顔を上げた。 じいさんはメガネをかけ直し 父さんはコーヒーを1口飲むと また作業に戻る。 ティグレは来店者用のローカウンターへ行き 彼に言葉をかけた。 ] (209) 2020/09/23(Wed) 9:24:18 |
【人】 楽器リペアマン ティグレこんにちは。 今日はどのようなご要件で? [ 彼が新しい楽器を探しているのなら、 店内を案内することになる。 ヴァイオリンの調整が必要なら、 ローカウンターへ掛けていただいて 彼の声に耳を傾けよう。 彼の音、 傷のあるケースに入ったヴァイオリンは、 どんな音を奏でるのだろう。]* (210) 2020/09/23(Wed) 9:26:35 |
楽器リペアマン ティグレは、メモをはがした。 (a48) 2020/09/23(Wed) 19:17:34 |
楽器リペアマン ティグレは、メモを貼った。 (a49) 2020/09/23(Wed) 19:21:21 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 小さな楽器工房にて ―― [ >>279 ああ、すみませんと、 彼から最初に聴こえた声は どこか戸惑いがあった。 それから、 この街で本当の素晴らしい音を奏でたいと言う 彼の声音は温柔なものだった。 彼の手にあるヴァイオリン。 厳選されたヴァイオリン材で ヴァイオリン職人が丹精込めて作ったものと 一目で分かる。 彼が愛おしそうに撫でる指に伝わる 木の温もりまでも想像ができた。 ] (304) 2020/09/23(Wed) 22:53:26 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ分かりました。 見せてもらえますか? [ >>281 ヴァイオリンを受け取る。 それは使い込まれているが 手入れが行き届いていた。 毎回の拭き取りを丁寧に 欠かずにしているのであろう。 弓は反り、弦の調整もいい。 ケースを見たところ、よく持ち歩いていそうだが 温度、湿度の管理にも 気を配っていることだろう。 ] そうですね。 弓毛がそろそろ取り替え時期です。 お取替えいたしますか? (305) 2020/09/23(Wed) 22:58:39 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ[ 彼が承諾してくれるのなら、 ティグレは彼と向き合うローテーブルに座り 彼にコーヒーを用意して 毛替えを行うだろう。 その時に、 彼にこの工房に入ってきた時の戸惑いの理由を 聞いてみようか。>>304 彼がどこでこの楽器を手に入れたか そんな話にも興味があった。 ティグレは楽器のリペアを行いながら いつも奏者の声音に耳を傾けていたから。 ]* (306) 2020/09/23(Wed) 23:03:15 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― 1日目の夕時 ―― [ 三本のバネとお釣りを持って エリクソンに指定された宿へ向かう。 橋を渡ろうとした時、 夕暮れに染まる空から 1人の少女の歌声が聴こえた。 官邸から? いや、聴こえる距離ではないか。 その声に足を止めてしまったティグレは まあ夜までって言っていたしいいだろうと 橋の欄干に背を預け、 川から聴こえる秋の音色に交じる その歌声を聴きながら 煙草を吸った。 ] (313) 2020/09/23(Wed) 23:49:18 |
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