
![]() | 【人】 フラウアなるほど、景色か。 カフェにきて外の風景とかそういうの、 あんま気にしたことなかったかも。 ていうか俺たち同い年くらいじゃない? 敬語使わなくていーよ。 これでそっちが年上だったら悪いんだけど。 [この馴れ馴れしさも”慣れている”と言われる所以だろうが モテない奴らの僻みについて聞くつもりはなかった。 カフェモカ。確かにこれは、甘い。 好きな女子も多そうなのは納得だ。 きっと、遊ぶ女の子を連れてきたら喜ばれるんだろう。 そんなことも容易に想像はできた。 頭痛に反応して細めた瞳を見咎められて、 少し笑みを浮かべてなんでもなーいと返す。 まぁ所謂見栄ってやつなんだけど。] (7) 2026/03/17(Tue) 18:07:24 |
![]() | 【人】 ニナリスそうかな? 案外楽しいですよ。 勝手に世界が流れていくって感じで。 たぶん、同じくらいの歳だとは思いますけど。 20歳、で大学生。 [大学の方向を指で示せばたぶん伝わるだろう。 きみは? と小さく首を傾げて尋ねてみる。 返ってくる答えはきっと自分と同じような言葉だったろう。 歳が変わらないとわかったなら、敬語は外した。] んー。何でもないならいいんだけど。 [少し苦しそうに見えたから。 その言葉は続けずに飲み込んだ。 浮かぶ笑みに感情の温度は見えない。] (8) 2026/03/17(Tue) 19:49:48 |
![]() | 【人】 フラウアんじゃ、同い年か。 ……あ?学校も同じかも。学部違いか。 アソコ広いしなんでもあるもんな。 [まぁ、だからこそ選んだのだけど。 人間が多ければ多いほどいい。 埋まらない穴を取っかえ引っかえで埋めるのにも 人数が多い方がいい、という理由だけど。 なんでもないの言葉に言及されなくて 見えぬようにほっと息を吐き出した。 何も初めての頭痛じゃない。 何かを無理に思い出そうとすれば、 或いは深く知ろうとすると時々起こるものだった。] (9) 2026/03/17(Tue) 20:35:26 |
![]() | 【人】 ニナリスきみが理工学系なら学部棟自体が違うね。 何でもありすぎて、迷っちゃうのが 玉に瑕だと思うの。 [それくらいにとんでもなく広い。 つまり知らない人のほうが圧倒的に多い。 学部が違えば生活サイクルも使う棟も全く変わる。 会わない人には絶対に会わないままだ。] (10) 2026/03/17(Tue) 20:52:04 |
![]() | 【人】 フラウアでも色んな奴いて面白くない? サークルとか、そういうのも多いし。 学校にいて、毎日新鮮だし。 [理工なら、と言われて正にその通りと頷く。 ここまで話す感じで己の悪行は彼女の耳へは 全く届いていないようだ、というのが分かった。 今頃なら授業の自分と、空きコマの彼女。 それだけでも時間の流れが違うのはわかる。] (11) 2026/03/17(Tue) 21:29:28 |
![]() | 【人】 ニナリス面白いとは思うよ。授業も楽しいし。 ……サークルは、馴染めなくって 辞めちゃったんだけど。 [全く会ったことが無いのなら 理工系だろうと推測したけれど、正解だったようだ。 だから当然、彼の「悪行」は耳にしたことはない。 そして彼もきっと私の「悪癖」を知らない。 ……いや、私は普通に接しているだけなのだけど。 ふと腕時計に視線を落とす。 次の講義まであと30分ほどだ。 そろそろ店を出ないと。] (12) 2026/03/17(Tue) 21:57:53 |
![]() | 【人】 フラウア馴染めなかったんだ? まぁ、向き不向きとかもあるし…… 多分合うの1個くらいありそうだけど。 こんだけ大きい大学なわけだし。 [自分は所謂飲みサーだとかヤリサーなんて 呼ばれるところに所属している、ということは 勿論だけれど言ったりはしない。 彼女と違って普通に接しているわけではないのだから。 時計に視線を落とす仕草を見て、 次の時間に講義があるのかなと予想する。 そしてそれは、的中していたようだった。] (13) 2026/03/17(Tue) 22:18:41 |
![]() | 【人】 ニナリス今は勉強とバイトのほうが楽しいんだ。 だから、サークルはもういいかなって。 [友人と一緒に文芸サークルに所属していたことはある。 けれど、「悪癖」のせいで気まずい思いを 何度かしたうえ、その友人とも疎遠になってしまった。 なるべく思い出したくない黒歴史その1である。] (14) 2026/03/17(Tue) 22:44:01 |
![]() | 【人】 フラウア────ねぇ、ニナリスって知ってる? ニナとか呼ばれてるかもしんない。 [あの日から、数日。 男はベッドに座り、抱いた女に尋ねた。 年上の彼女は確か文系だったはずだと記憶している。 聞かれた女は煙草に火をつけて呆れたような顔をした。 事後に他の女の名前なんて無粋だろうに、なんて。 それから記憶を手繰るようにして女は考えていた。 そしてそのあと、思い出したように声を漏らして 彼女にまつわる”噂”を聞かせてくれた。 曰く、思わせぶりな行動を取っておいて拒否するとか。 恋人と呼べる相手もいたようだが、皆それで離れたとか。 ふーん、と興味なさげな声を出したら、 事後で他の女のことを聞いた上にその態度は、と叩かれた。] (15) 2026/03/18(Wed) 1:36:28 |
![]() | 【人】 フラウア[女に謝罪を述べて、機嫌を取るようにキスをする。 埋まらない穴は今日もまた、空いたままだった。 ねぇ、今日泊まっていっていい? 甘えるような声で、男は女に尋ねた。 ひとりで居たくない。 寂しさに押し潰されそうになるから。 そんな気持ちを抱えて、ずっと生きている気がした。 まぁ、その結果。 何の因果か君との再会は、朝帰りの現場だったわけだが。]* (16) 2026/03/18(Wed) 1:45:26 |
![]() | 【人】 ニナリス[授業のあとは、そのまま大学図書館のバイトへ向かった。 返却本を書架に配架するのが主な仕事で、 シフトによってはカウンターにも立つ。 私が担当しているのは文系書架のフロアで、 利用者の多くは文系の学生だ。 理工系の学生は専門書のある別館を使うことが多い。 利用者は多いはずなのに、 本を借りてすぐに去っていく人がほとんどのせいか、 このフロアは意外なほど静かだった。 黒縁の伊達眼鏡をかけ、 髪は後ろでひとつにまとめて作業する。 知り合いが来ても特に気にされることもなく、 こちらも気にしないでいられる。 この静けさが、カフェと同じくらい好きだった。 たまに、こちらに気づいた学生が ひそひそと話していることもあるけれど、 作業に集中していればすぐに気にならなくなる。 それもまた、心地よかった。] (17) 2026/03/18(Wed) 9:17:29 |
![]() | 【人】 ニナリス[穏やかで代り映えのしない日常を繰り返す。 そのうち、彼のこともあまり気にしなくなっていた、 ──はずだった。 今日は朝から授業が入っている唯一の曜日だ。 大学へ向かう道すがら、 たった一度見ただけの姿に気付いてしまう。 胸がざわついて、思わず足が止まる。] (18) 2026/03/18(Wed) 9:18:33 |
![]() | 【人】 ニナリス[ふ、と。 普段は夢の中でしか感じないはずの視線が、 一瞬だけ背中に滲んだ気がした。 これを運命と呼ぶのは、何だか怖かった。 思わず瞠目し、息を整えてから 何もなかったように声を掛ける。] ……おはよう。 (19) 2026/03/18(Wed) 9:19:38 |
![]() | 【人】 フラウア[かけられた言葉に振り向く。 同じ学部の誰かかと思っていつもの笑みを浮かべ 視線を向けて、ぴたりと止まる。 おはようと言いかけた口もそのまま固まった。] ……あー、うん。おはよう。 [その言葉に若干の気まずさが混じったのは、 隣にいる女との関係性もそうであるが。 つい昨日、ニナリスについて聞いたのもある。] (20) 2026/03/18(Wed) 11:48:48 |
![]() | 【人】 フラウア[誤魔化すようにして口にした言葉。 けれどそれは、案外本気で。 この後時間があるなら、この前のカフェとかどう? そんな風に誘ってみようか。]* (21) 2026/03/18(Wed) 11:51:29 |
![]() | 【人】 ニナリスこの後、2コマ授業なの。 そのあとでいいなら。 [終わったら連絡するね。 告げて、彼の前から離れた。 授業は半分くらい上の空だったかもしれない。 連絡を入れてからカフェへ向かう。 ……会って、何を話すつもりなんだろう。 私は、何を話したいんだろう。 いくら考えても、わからなかった。]* (22) 2026/03/18(Wed) 13:16:42 |
![]() | 【人】 フラウアおっけー、じゃあその後に。 俺も遅れそうなら連絡する。 [一瞬授業が入っていそうな気もしたけど、 正直それよりも優先すべきはこちらだった。 そもそもにおいて授業が大切かと言われると、 大学には勉強を目的としていたわけじゃない。 ……などと、意味の分からないことを思いつつ。 彼女と別れていつものように授業に取り組んだものの、 話の内容は何一つ聞いていなかった。 そうして向かったカフェ。 視線の先に彼女がいることに、酷く安堵した。]* (23) 2026/03/18(Wed) 22:24:52 |
![]() | 【人】 ニナリスカフェモカホット、ショートで。 あと、ミックスサンドもお願いします。 [注文を終え、オーダー品を受け取ってから いつもの窓際の席に腰を下ろす。 カップに手を添えて外を眺めていれば、 カフェへ歩いてくる彼の姿が見えた。 胸のざわつきは起こらなかったけれど、 視線の気配が背中に滲んでいるような気がした。] (24) 2026/03/18(Wed) 22:55:46 |
![]() | 【人】 フラウア[頼んだのは、カフェオレだった。 甘いものは苦手だけれど、ブラックも同じくらい苦手。 どっちもダメならそもそも飲むなよ、なんて 大学の友人たちからは言われたけれどやめなかった。 多分俺は、そういう性格だった。] ごめん。遅れたつもりはなかったけど、待った? [彼女の前に座りながら尋ねる。 どうしてだろうか。こうしているだけで、 ずっと埋まらなかった穴が少し埋まった気がした。] (25) 2026/03/18(Wed) 23:06:04 |
![]() | 【人】 ニナリスううん。私もさっき席に座ったところ。 [お昼には少し遅い時間帯だけれど、 彼の前にはカフェオレだけ。 よかったら半分食べる? と、 ミックスサンドの皿を少しそちら側へ寄せた。 それからカップを口に運び、チョコの薫りと 甘い味を堪能する。] (26) 2026/03/18(Wed) 23:21:26 |
![]() | 【人】 フラウアそっか、なら良かった。 え、半分いいの?……じゃあ、貰うかな。 [食べる気はなかったから頼まなかった。 だから断ればいいのに、差し出されたら なんとなく断りたくなくて頷いてしまった。 カフェオレを一口。 甘くないそれは、少しだけ心を落ち着かせる。] ねぇ、ニナって将来は何になりたいとか そういうのあるの? (27) 2026/03/19(Thu) 12:26:36 |
![]() | 【人】 ニナリス[彼がサンドイッチに手を伸ばせば、 同じように自分も一切れ手に取って口に運ぶ。 卵の甘さとハムの塩気がちょうどよかった。] 将来? 特に就きたい職業は決まってないけど、 自立して独りで生きていけるようにしたいかな。 フラウアは、なりたいものがあるの? (28) 2026/03/19(Thu) 13:31:18 |
![]() | 【人】 フラウア俺?俺は特になくて困ってるー。 だからこうして聞いてみたんだけど。 ていうか、独りで生きていけるようにって なんか寂しくね? [サンドイッチを更に齧ってカフェオレを流し込む。 彼女の言葉にへらりと笑いながら、 少しだけ寂しい言葉を口にするからつい言葉が出た。 俺とは正反対。誰かがいつでも欲しい俺とは。] (29) 2026/03/19(Thu) 14:08:35 |
![]() | 【人】 ニナリス理工系なら研究職とかあるんじゃないの? あとは院に進むとか。 んー……寂しいとはあんまり思わないかな。 [ずっと私を見詰めてくるものがいる。 それだけでもう充分、とは口にしなかったけれど。 そういう彼はひどく寂しがり屋のようだった。 人の寂しさが気になってしまう程度には。] (30) 2026/03/19(Thu) 14:45:54 |
![]() | 【人】 フラウアそーいうのあんま興味無いんだよね。 院とかも考えてないし…… まぁ入れるところに入ろうかと思ってる。 そっか。いいね、なんか羨ましい。 [乾きにも似た、飢えにも似たコレを ずっと持て余している。だから素直に羨ましく思った。 彼女といるとそれが少し満たされてる気分になる。] (31) 2026/03/19(Thu) 15:57:44 |
![]() | 【人】 ニナリスそうなんだ。 とはいえそろそろ就職活動のことも 考えなくちゃだね。 羨ましがられたの初めてかも。 [君のしんどさは私にはわからないから、 反応にちょっと困ってしまう。 でもまあ確かに寂しさを感じないなんて 言えてしまうほうが変なのかもしれない。 君は寂しがり屋なんだね、と小さく零した。] (32) 2026/03/19(Thu) 16:24:24 |
![]() | 【人】 フラウア就職活動って本当に面倒だよね。 もう憂鬱で仕方ないし、髪も染めないと。 まー確かに?羨ましがることでもないか。 でも俺は、……そういう感覚になれたらって そう思うことがあるくらいだからさ。 [穴が埋められないのなら独りで生きていく。 それでも良かったのかもしれないけれど。 きっと俺は強欲なんだろう。それもダメだった。 寂しがり屋と言われたなら、少し苦笑して。 人肌恋しい奴って思われてるよと茶化すように。] (33) 2026/03/19(Thu) 17:07:55 |
![]() | 【人】 ニナリス書類も多いし、面接も気を遣うし。 髪の色まで気にしなきゃいけないのは、 ちょっと窮屈だなって思う。 [言いながら、ふと彼の髪に視線が向いた。 今の色、似合ってるのにな、と胸の内でだけ思う。] ……寂しいのが平気になりたいって、 そんなふうに思うほど誰かを求めるのは、 きっと、とても苦しいんだろうね。 [分からないからこそ少しだけ気になった。 自身を茶化すような発言には、 思わず視線を逸らしてしまったけれど。]* (34) 2026/03/19(Thu) 18:33:54 |
![]() | 【人】 フラウアだよねぇ。 話してるだけでダルくなってきた……。 なんかもう不動産とかで不労所得ほしい。 [そもそも外見に気を遣ってても 中身が伴わなきゃなんも意味ないのにね。 なんて己を刺すような言葉で笑って] まぁ、そうだね。 どこかに、何かを落としてきたような。 そんな感覚。ずっと、探してるみたい。 [逸らされた視線にまた少し笑って、 ぬるくなったカフェオレを流し込んだ。]* (35) 2026/03/19(Thu) 20:09:38 |
![]() | 【人】 ニナリス不労所得を貰いながら、 好きなことして暮らせるのが一番だよね。 わかるよ。 [思っていたよりずっと、 彼の自己肯定感は低いのかもしれない。 中身が伴わないなら、あんなに多くの人たちと 連絡先を交換できるはずがないのに。] ……そっか。 見つかるといいね。その探し物。 [視線を戻し、ぬるくなったカフェモカを口に含む。 広がる鈍い甘さが、胸のざわつきを少しばかり 落ち着かせてくれた。]* (36) 2026/03/19(Thu) 20:50:37 |
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