【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『不思議ですね』 含みなく返される言葉に、また同じく首を傾げた。 視線が自分の手に向けば、まじまじと眺める。 器用ではない青年の仕草は、どこか好ましい。 いつかは話さなければならないだろうと思っていたそれについて話すために、黒板に言葉を連ねた。 『これが病気だから です』 短くそれだけ答えて、ゆっくりと黒い布地に手をかけた。 現れた素肌は日に当たらないせいで真っ白。 ただ、それよりも異質なものがあった。 部分的に、深い青色の鉱石が肌を覆っている。 そこだけ夜空を切り取って貼りつけたような青色が、あなたの視界に入るだろう。 まるで、ラピスラズリのような。 (-10) 2022/05/06(Fri) 21:36:57 |
【墓】 充実 バレンタインやはり不安はとめどなく湧いているけれど、 それを表現する方法は今のところ奪われた。 選択肢が無くなってしまったら、 考えることが少なくなって済む。 消極的な、ポジティブ的思考だけを頼りに。 これがもたらされた治療の結果で。 バレンタインに与えられた、 “病と、ギムナジウムに対して最適な形”だ。 (+3) 2022/05/06(Fri) 21:38:00 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ扉の向こうで立つ音に、瞬きをひとつ。 誰かがいるのは間違いない。 エルナトは食堂で見かけたから、順当に考えれば、それはバラニの筈だ。 そうして思考を巡らせている間に、室内から声が返って。 「そうだよ」 「食堂にいなかったから、朝ごはんを持ってきたの」 「開けてくれる?」 何だか妙に高い声だと思った。 酷く怯えているようだから、そう聞こえるだけかもしれないけれど。 何にせよ、受け答えから、目的の人物であることは確かだろう。 そして、こんな風に動揺しているのなら、昨日の彼とは違うということだ。 『お願い』を、聞いてもらえたのかもしれない。 (-11) 2022/05/06(Fri) 21:40:39 |
【人】 童心 クロノエルナトとバットの声と、ラピスの表情にハッと顔を上げ ぶんぶんと首を横に振る。 「 な ん、」 「なんでもない、 だいじょうぶ、 なんでもない…… 」焦り調子で言いながら椅子を降りて、 ぱたぱた、食事の準備へと向かっていく。 (4) 2022/05/06(Fri) 21:41:56 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピスまずは、拒絶されなかったことへの安堵が勝っただろう。 それから目に見えたものをうまく認識できず、反応が返らなかった。 指で、美しい色彩を拾い上げて。微かな木漏れ日に照らして、首を傾げた。 青色は張り付いているのではなく、人体と一体化しているのだ。 「……きれい……」 呟いた言葉に嘘はないものの、少しだけ眉はひそめられた。 手袋に包まれた指先でつついて、ひっかいて。 合間合間から見える真白い肌色を引っ張って、関節のあたりを曲げてみる。 手付きは無遠慮だ。そうした配慮は、あまりできるほうではない。 「痛くない?」 (-14) 2022/05/06(Fri) 21:55:04 |
【秘】 中等部 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「っ……だ、駄目だ!」 返ってきたのは、強い拒絶の言葉。 自分でも君にそんな言葉を掛けてしまったことに気がつけば、唇を噛んで呻き声を上げた。 「……すまない、シャルロッテくん。 それと、ありがとう……私のためにわざわざ……」 「朝食は……扉の前に置いておいてくれないか…… 後で必ず食べておくから……どうか、お願いだよ」 懇願するようにあなたに訴えかける。 顔を会わせたくない気持ちが、言葉からも滲み出ている。 しかし、その扉に鍵は掛かっていない。 踏み入ろうと思えばあなたはいつだってこの部屋に踏み入ることはできるのだ。 (-15) 2022/05/06(Fri) 21:57:17 |
【人】 司書 エルナト「……なら、いいけれど。」 明らかに様子がおかしい姿。 でも、問いただしても仕方ないから、そのまま見送る。 ………随分と変わり果てた、同級生の姿も。 君の声、好きだったんだけどな。 お腹をさすった。 「…そろそろ行こうかな。」 「図書室は今日も営業中だから、よろしくね。」 そうとだけ告げて、食堂を出て行った。 (5) 2022/05/06(Fri) 21:57:53 |
【人】 王として リアン「……」 いつも通り、朝食を済ませて。 いつも通りのコーヒーを飲んで。 今日も人数を確認する。自分が守るべき笑顔は、いくつあったのだっけ。 随分と、減ってしまった。 気分転換なんてものでは、もうどうにもならないのだろうか。 (6) 2022/05/06(Fri) 22:00:39 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 22:00:53 |
リアンは、少し気になることがあって。食堂を後にした。 (a8) 2022/05/06(Fri) 22:05:01 |
バレンタインは、僕も自分の何もかもが嫌いなわけじゃなかった。 (c4) 2022/05/06(Fri) 22:07:31 |
バレンタインは、少なくとも、永遠にこのままなわけじゃないらしいから、それでよしとした。 (c5) 2022/05/06(Fri) 22:08:31 |
クロノは、パンを一個口の中に押し込んでから、食堂を後にする。 (a9) 2022/05/06(Fri) 22:10:04 |
エルナトは、今日も図書室で本を読んでいる。いつも通り。 (a10) 2022/05/06(Fri) 22:12:23 |
【墓】 雷鳴 バット「……」 青年は今日もゆっくりと食事の列に並ぶ。 選ぶ品目はごく少なく、決まったものなのに、やけに長く食べるものを選ぶ。 それからやはりいつも通り、短い時間食卓に着く。 喋る口数も少ない。青年に話しかける人間は少ないから。 けれど、その日は違って。 「……何か」 「顔を出せるようになった時に」 「ちょっと、安心できること」「してあげられないかな」 重く立ち込める空気に耐えかねたか、ようやくそれを察知したのか。 ぽつ、とその場に残った人間に投げかけるように、短く声を発した。 (+5) 2022/05/06(Fri) 22:14:33 |
【赤】 童心 クロノそうしていつもの空き教室に、先に来る。 扉を開き、中を確かめて。 机の下や教壇や、窓の外やら、確かめて。 「……いない………」 (*0) 2022/05/06(Fri) 22:18:14 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ大きな声に、刹那、足が竦む。 けれど、少■は深呼吸をひとつ、それから、かぶりを振って。 「――そのお願いは、聞けない」 静かな声で、あなたの望みを一蹴する。 トレイをひっくり返さないように慎重に片手で支え、確かめるようにドアノブへ手をかける。 試しに回せば、扉は何の抵抗もなく開いた。……開いてしまった。 少■は室内へ足を踏み入れる。 後ろ手に扉を閉めて、それから。 ――錠の落ちる音がする。 「これは私が頼んだことだから」 「おはよう、バラニ」 「おかえりなさい」 (-16) 2022/05/06(Fri) 22:19:22 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「かわい、そう? 僕は幸せだ。 幸せだから、皆を」 もう、既に代わりにしていた。 聞きたくない。 「代わり、に、なんて」 代わりにすることのなにが悪いのか、生徒に告げられた言葉。 一番に幸せにしたかった人はもういなくて。 この手の先にはより良くしたい世界《ギムナジウム》と、幸せにしたい子たちしか残っていない。 聞きたくない。言わせたくなど無かった。 可哀想な自分を掬うわけでもなく、零さないように手を差し伸べる貴方が誰かと重なったようなきがした。 (-17) 2022/05/06(Fri) 22:19:33 |
リアンは、出て行く直前で、青年のその声を確かに聞いた。 (a11) 2022/05/06(Fri) 22:23:08 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「エルナト」 食堂を出て、君を追う。 少し気になることがあったのだ。 これまでは、余裕がなくて聞けなかったこと。 「君は、きちんと食事が摂れているのか」 毎日のように腹をさする仕草が、ずっと気になっていたのだ。 (-18) 2022/05/06(Fri) 22:24:48 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「……」 「幸せになることが、幸せだと思った」 「それだけだった」「苦しいのは、嫌だ」 「 先生 になれないのなら、僕は何もできない」先生でいることができないなら。 平等に生徒として見られないなら。 「どうか、君、だけでも」 「僕の手で、幸せになって」 甘い言葉に誘われて、すがる先を求めてしまう。 なにも要らない、ただその許しだけがあればいい。 「普通じゃなくたって、嬉しい」 「その姿が見られるだけで」 好き、で、いさせてくれさえいれば。 息をしたかったのに、焦がれるように目の前の唇を奪う。 その先は愛情の確認ではない、子供が母親に食事をねだるような甘えた仕草をしたあと重たいまぶたを閉じはじめた。 (-19) 2022/05/06(Fri) 22:26:18 |
ラピスは、食事をとりながら、青年の言葉を静かに聞いていた。 (a12) 2022/05/06(Fri) 22:29:43 |
【赤】 高等部 ラピスからり、扉を開く。 準備をするより前に訪れていたクロノを目にとめると、数度瞬きをして。 食堂から早くに居なくなったのは知っていたけれど。 この上級生は、特にトットの不在に動揺した気配はない。 (*1) 2022/05/06(Fri) 22:30:16 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット誰かは愛と言う。恋慕とはかけ離れた慰めを。 そんな孤独な情を、吐露することでしか癒やされる術を見つけられず溺れている。 生徒達を愛したい 彼 の言葉を綴り続け、誰でも求めてしまう。僕が■したい人は、誰だったのか。 いつ、誰が証明してくれるのだろう。 夜が明けたのに、まだ空は暗い。 (-20) 2022/05/06(Fri) 22:30:18 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット病を綺麗と形容されるのは不思議な心地がした。 自分もこれを初めて見たなら、同じ感想を抱くかもしれない。 触れてみれば、硬い質感が返ってくる。 確かにそれは鉱石に類似した何かであるらしかった。 指が曲がるのに合わせて、青色も追随して動く。 無理に可動させなければ特に痛みも生じないだろう。 痛くない、と告げるように頭を振った。 身体が部分的に鉱石のように変質していく病なのだと少女は語る。 声が出ないのも病が原因であると添えて。 今は投薬で進行を抑えている。 根本的な治療法は、まだ研究中であるそうだ。 (-21) 2022/05/06(Fri) 22:33:37 |
【秘】 中等部 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ扉が開く音を聞いて、しまったと思うも、時すでに遅し。 「─────!」 再処置を受けてからというもの、心は大きな不安に蝕まれて周囲に気を遣う余裕などなかった。 エルナトがいつでも帰ってきてもいいようにと施錠せずにいたものあったが、いずれにせよ大きな隙だったのだ。 「や、やめたまえよ……! シャルロッテくん……! 私は……私は、大丈夫だと言っているのだから……」 錠の落ちる音がした。 その音は、今のバラニにとっては他の何よりも恐ろしい音だった。 恐怖に震え上がるかのように呻き声を漏らす。 「君が頼んだ、なんて……そんな……どう、して……」 あなたの告げる挨拶の言葉には何も返せなかった。 酷く動揺した様子で、あなたにどうしてそんなことをとうわ言のように問う。 布団から少しだけ顔を覗かせて外界の様子を伺っているその姿は、まるでミノムシやカタツムリのようで実に滑稽なものだった。 (-22) 2022/05/06(Fri) 22:34:22 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「リアンさん。」 食堂から、図書室に向かうまでの廊下。 ゆったりとした動作で歩いてる所に声を掛けられて、 振り返ってその姿を見る。 端麗な顔………は、もう随分仮面で見えなくなっているが。 それでも直ぐに誰か判断できる程度には、聞き慣れた声だった。 「………。」 質問に、少しの間。 いつも浮かべてる柔らかな笑みは変わらないまま。 「昨日はね、ちゃんと食べたんだ。」 「でも、やっぱりお腹いっぱいには食べられないね。」 「成長期だからか、すぐお腹が空いちゃって。」 あはは、と笑う。 少年の食事の風景は、多くの人が一度も見たことがない。 (-23) 2022/05/06(Fri) 22:34:46 |
ラピスは、昨日から小さな花を胸ポケットに挿して過ごしている。 (a13) 2022/05/06(Fri) 22:38:05 |
【赤】 高等部 ラピス「………………。」 伝えるべきか、迷いはした。 でもいずれ知ることになると思ったから。 『昨日が』 『トットくんの番でした』 胸ポケットに飾られた花。 それが、 誰がトットを連れて行ったのか を何よりも明らかに語っていた。 (*3) 2022/05/06(Fri) 22:46:31 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト相変わらず仮面は身に着けたまま。いつも通りの調子で君の前に立っている。 「……成長期という割には。 君の、食事する姿を見たことがなかったものでな」 食事を人前で取らない学生は多い。 それは、食事を必要としなかったり。人前で食べる気がしなかったり。そんな理由が多いように見えていたから。 「特殊な体質、なのか? 特定のものしか食べられない、だとか…そういった偏食の可能性も考えていたんだが」 ただでさえ気が滅入る事が続いている。 少しでも悩みの解決に力添え出来たらと思っているのだけれど。 (-24) 2022/05/06(Fri) 22:54:03 |
【赤】 童心 クロノ「……………」 よろ、と一歩よろめいて 教室の机の一つに、がつ、とぶつかった。 その胸に飾られた花は、 どういう訳だかよく分かる。 「…………、」 わたしが、失敗したから? 咄嗟に思ってしまった言葉を飲み込む。 きっとそういう訳では無いだろうと。 「…………………」 分かって居ながらも自責がぐるぐる巡って、 何も言えずに、そのまま俯いた。 (*4) 2022/05/06(Fri) 22:58:37 |
【秘】 ライアー イシュカ → 雷鳴 バット「……毎度騒ぎになんのは理由があるってことだろ」 吐き捨てるような口調がかえって肯定の色を強くする。 薄々そうなると理解してはいるももの、 言わないという選択肢を取れるほど器用な人間でもない。 なんだその顔、とばかりに眉間を寄せて。 驚いたのは貴方が近づくにつれて兎が逃げる行動からだ。 あ。と、反射的に追おうとしても 今日は鍵を無理やり借りて入っている訳ではない。 兎はただ檻を隔てた向こう側で固まっている。 「え、なに……お前、なんかしたの。 1羽足りない気がするけど、病院でも連れて行ってる?」 貴方が昔から兎から避けられていたり、 逆に理由を聞いていたならこれは本当に軽いだ。 「はあ、よくわかんねえけど…… 何かお前こう、あれ。お子様だったじゃん。ぼーっとして。 テキセツナチリョウができる自我でも見つかったか?」 病気の変化についての質問に関しては、 貴方が答えなかったなら軽く首を振った。 「……気持ち悪くなってるだけだ。 ……これがまともで堪るかよ。 (-25) 2022/05/06(Fri) 23:03:29 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「あはは………そうだね、人前では食べないかな。」 「可哀想だから。」 という、なんだか普通とはずれた回答。 てく、てくとそちらに近づいて、目の前まで立てば、 身長差分、少し見上げる形。 続けられる質問には、くすくす、と笑い。 「もしかして、心配してくれている?」 「やっぱり上級生は、下級生の事が気になるのかな。」 あなた それとも、"王"だからかな?なんて首を傾げて。 うーん、と顎に指をあてて、思案して。 「まぁ、そうだね。体質……というか、病気かな。」 「人と同じものが食べられないから。」 「……あなたなら僕のご飯が作れるよって言ったら」 「食べさせてくれる?」 ちらり、と鷹色の目が君を見る。 お腹をさする。 お腹が空いて仕方ないな。仕方ないよ。 ご飯を目の前にしたら、お腹が減るのは仕方のない事。 じわり、溢れる唾液を、こくりと飲み込んだ。 (-26) 2022/05/06(Fri) 23:07:26 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 23:08:29 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 23:08:48 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ「そんな様子で言われたって、信じられないよ」 ちらと視線を向けた先、ベッドの上のあなたはミノムシのよう。 すぐに朝食を摂るのは難しかろうと、サンドイッチとあたたかなホットミルクを載せたトレイを、テーブルに置く。 「病気が治るのは、いいことだと思うけど」 「昨日のバラニは、大切なものも一緒に失くしてしまったみたいだったもん」 「だから、先生に助けてってお願いしたの」 酷いことはしないで、ともお願いしたけれど、それは聞いてもらえなかったのかもしれない。 或いは、少■のこのような行いが、酷いことだったのかもしれないけれど。 少■はあなたを振り返る。 ゆっくり、ベッドのそばへと歩を進める。 (-27) 2022/05/06(Fri) 23:23:19 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「可哀想……」 ピンとは来ない。人と違った環境で育ってはきたが、自分はどちらかと言えば育ちの良い方だ。 「さてな。僕は僕の思惑の為に、君たちを気に掛けている。 結果的に、それは君たちの笑顔に繋がればいいと思ってはいるが」 「心配するだけなら、ラピス辺りはいつだって君たちの事を思っているんじゃないか」 気になっている。間違いではない。 下級生だって、同級生だって関係なく。 見上げてくる、鷹色の目を片方が黒く濁った琥珀色の双眸が見つめ返した。 「なるほど。僕に用意できるのなら、用意しよう。 料理の腕に自信があるわけではないから、僕にしかできないというものでもなさそうだが」 極端に言えば、命を差し出すようなことがなければ。 この王は、君の言葉に頷きを返すだろう。 ―――どんな突拍子のないものが待っていようとも。 (-28) 2022/05/06(Fri) 23:23:27 |
【墓】 ライアー イシュカ「──トット?」 殆ど飾りの様な担当だったとしても、 無意識にまず同班の小等部に目が映り、他の班に移る。 同僚よりも自分の担当の方が遥かに問題が多かった。 己が未熟だからなんて死んでも認めたくない。 まだ 一人いるのに何も声をかけないのだって、聞こえてしまったからこそ何も言えない。 「……馬鹿な奴」 将来への思想や病への向き合い方などこの男より遥かに大人だった。 それを本来は馬鹿と表せる筈もないのに咄嗟に口を吐いた言葉はそれだった。 最後に告げた言葉は禄でも無かった。 最後に見た顔が思い出せない。 だからあの時の言葉を考えたくない。 考えたって、言ってしまった事実は変わらない。それが怖い。 (+6) 2022/05/06(Fri) 23:24:47 |
【赤】 高等部 ラピス/* スゥーーーーーッ ということで実質最終日ですの トットくん……ウッウッ 我ら小さいものクラブ 墓と地上に別れようと最後の時まで一緒ですわ……… 本日で決着がつかなかった場合、自動的にコミットで狼を吊ることになりますわね。 まあ9割方コミット進行になると思いますので……差し支えなければ提案がございまして。 (*5) 2022/05/06(Fri) 23:25:08 |
イシュカは、唯一喜ぶものを知ってる相手にあげられるものがもうない。 (c6) 2022/05/06(Fri) 23:32:28 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン少年はほとんどの時間をここで過ごしてきた。 親には捨てられたと自認しているし、実際にそう。 此処での暮らしは、どちらかと言えば育ちが良い方、 になるのかもしれないが。 「へぇ、どんな思惑?」 「ラピスさんは優しそうだよね、あんまり関わりはないけど。」 「よく、下級生のお世話をしてるのをみるし。」 何にせよ気にかけられているのは事実。 嬉しいね、なんて笑う。無邪気な笑み。 異彩の両眼をじっと眺めて。 「本当に?」 「うん、大丈夫、貴方でも用意できるよ。」 「人なら誰だって用意できる。」 その言葉を聞けば。 嬉しそうに、身体を寄せる。 許しまで得たら、もう我慢できない。 空腹は耐えがたい。 ▼ (-29) 2022/05/06(Fri) 23:35:38 |
はなわずらいの トットは、メモを貼った。 (c7) 2022/05/06(Fri) 23:40:11 |
【赤】 高等部 ラピス/* 後追いの上から襲撃をかけられるクロノちゃん二重に命を散らしていて心がボロボロになりますわね まあまあ最終日 殺りたいこと殺ったもん勝ち青春ならですわ 承諾いただきありがたき幸せ よろしくお願い致しましてよ…… (*8) 2022/05/06(Fri) 23:42:21 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、手を君の頬へ伸ばす。 拒まれなければ、両の手で触れる。 「僕ね。」 「……人の体液しか食べられないんだ。」 そうして、告白する。 自らの病を、自らの食事の対象を。 「汗とか、涙とか、唾液とか。」 「…血とか、尿とか、精液とか。」 「そういうものしか食べられなくて。」 だから、人前でそれを食べるようなことはしないし。 お腹いっぱい、食べる事も出来ない。 そもそも、分け与えてくれる人自体が少ないから。 気持ち悪いから。 だから、お腹が減って仕方ない時は。 自分でも抑えつけられるような、初等部の子を無理やり。 "食事"にしていた。これまで、ずっと。 他の班の子を。……最近は、この班の子まで。 「リアンさん。」 「食べてもいいの?」 少し荒くなった息。熱を上らせた顔は。 餌を前にした、飢えた獣のようであった。 空腹の抑えが利かない。 (-32) 2022/05/06(Fri) 23:42:35 |
【独】 ライアー イシュカえ、この僕の用意していたうさうさに狂うイシュカのロール・・・・・・書く雰囲気じゃなさすぎないまま最終日まで来てしまった!?!どどどどどうしよう?!書いていいのか!?いきなり恋差分でうさぎに狂いだすイシュカを!?温度差おしまいでなくって!? (-33) 2022/05/06(Fri) 23:45:26 |
【赤】 童心 クロノ/* こちらこそ!よろしくお願いいたしましてよ〜! でもちょっと力尽きかけてましてよ!ゆっくりお付き合い頂けると嬉しいですわ〜〜! (*9) 2022/05/06(Fri) 23:46:07 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキバレンタインとトットが消えた日から少し時間の経った夜。 不意に貴方の部屋に控えめなノック音がしたと思えば、瓶を一本だけ抱えた男が唐突に「今日」と呟く。 ……今日と言うか最早「今」なのだが、 さてそのまま外に出て定例会の日に使う部屋に行くのも、ドアを閉めるのも自由だ。 (-36) 2022/05/06(Fri) 23:49:46 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「ツキは」「たくさん苦しんできたんだね」 「ここで、もしくは、病気で」「辛い思いをしたから」 「誰か、助けてくれた人みたいに」「なりたいのかなって」 想像で思い出をなぞるだけ、そこに確証はないのだとしても。 聞こえのいい言葉を口にすることに抵抗がないのは、 それを受け取った人間がどこに降り立つのか、責任をもたないから。 「僕、ツキを安心させられるように」「がんばるね」 「大人も、どうにかするって」「言ってた」 「きっと僕も」「ツキも、よくなるよ」 代替品は誰でも構わないのだから、気軽に手を差し伸べたって構わないだろう。 ただ、無責任で甘やかな言葉だけが向けられる。 唇を掠めたそれの意味を、どれだけ稚気の内の子供が理解しただろう。 あやすように背中を撫でる手は、蕩けるような熱を持つわけではない。 けれども、それはよいことなのだろうと受け止めて。 やさしいもののように、笑うのだ。 やがて朝が来たならば、共に食卓に向かう。 朝は短く、夢想の中に腰を落ち着ける時間は少なく。 それでも貴方がそれで構わないというのであれば。 (-37) 2022/05/06(Fri) 23:53:43 |
【秘】 中等部 バラニ → 恋の呪い シャルロッテこちらに近付いてくるあなたを見て、身を隠すように包まった布団を掴む力を強める。 中等部にもなったというのに、やっていることは本当に小さな子どものようだった。 「こ、来ないでくれ……」 弱々しく拒絶の言葉をあなたに放つ。 こんな状況で命令口調でなんて言えるわけもなく、懇願するように。 「や、やめておくれよ…… 私は、こんな姿を君に見られたくなかったから……」 微かに覗くその瞳には、涙をいっぱいに溜めているのが見える。 昨日のバラニとも違っている、一昨日までのバラニとも違った。 そこにいるのは、弱々しく何もかもに怯えるだけの少■だった。 (-38) 2022/05/06(Fri) 23:54:45 |
司書 エルナトは、メモを貼った。 (a14) 2022/05/06(Fri) 23:56:50 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス見た目には美しいそれは、けれども美しいばかりではないのだろう。 触れた石は暖かくはなかったから。青年の頭でも、確かにわかることだった。 つるつるとした手触りを、なにか確かめるように触れて。 「……戻らない?」 美しい瑠璃色は進行性のものだと今聞いた、では。 退行して元の身体を取り戻すのは、難しいのだろう。 少なくとも抑制するだけが精一杯の今は。 それがなんとも寂しくて、小さな手を自分の膝の上に乗せて。 体温を移すように、ぎゅうと頬で挟んだ。固い感触が、時折あたる。 (-40) 2022/05/07(Sat) 0:11:56 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「僕は、僕が善き王であるために この学園を善くしたいと思っている。 君たちを幸福で笑顔溢れる日々が送れることは、僕が僕たる為に必要な事だ」 「彼女は、積極的に君たちを導いてくれる。本当に面倒見がいいんだ。 体質の事もあるからなのか、他人への気遣いが自然と出来るのは見習いたいところだな」 穏やかな口調。 君を見つめる目―――片方は、焦点があっていないが。 君が喜ぶのなら 、と思った。 ▽ (-41) 2022/05/07(Sat) 0:15:47 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト病気内容の告白を受けて、眉を寄せた。 内容、それ自体は良い。血や汗で良いのなら、幾らでもやれるだろう。勿論死なない程度になら。 それよりもむしろ。 「構わない―――が、僕の身体は綺麗ではない。 君が見ていて気分を悪くしないか心配だ」 仮面のかかりきらない頬に触れたのなら、熱を持った指先が右頬の化粧を落とすだろうか。 その下には、 どす黒くおぞましい痣 「僕の身体は、傷と痣で埋め尽くされている。 それでもかまわないのなら好きにするといい。今更、傷が増えたところで僕は気にしないからな」 ここではない方がいいだろう、と図書館に向かうまでの間に存在する空き教室に入っていく。 (-42) 2022/05/07(Sat) 0:22:16 |
【秘】 雷鳴 バット → ライアー イシュカ「そう、か……」「確かに」 「ちゃんとした理由があるなら」「説明も、する」 全く疑わしく思っていない、というわけではない。 それでも敵愾心めいて恨めしく思うほどの理由は、青年にはなかった。 或いは、そう思えるほど"足りていない"かだ。 貴方の言う通り青年の頭の中というのはお子様で、あれこれと頭の回るほうではなく。 他人にこれとごまかされてしまったら、追及できるほどのものも持っていなかった。 続いて。不意に向けられた問いには明らかな動揺があった。 瞳孔は忙しく動き、言いよどむ間と呼吸があって。 どんなふうに答えれば良いのかが脳の内側で錯綜するように回っている。 「僕が」「兎を」 「……」 「……逃した、から」 「怒られた、大人に」 言葉は曖昧に。事実とは異なる事を言うのは慣れていない。 喉の奥で揺れる空気の流れは、それが嘘であることを明らかにしていた。 その質問があったからか、或いは単純に話題に途切れがあったか。 なんとなくもどかしい間があって、提案を。 「……一人のほうが、」「いい?」 (-43) 2022/05/07(Sat) 0:22:52 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ少■はあなたの言葉を聞き入れず、歩みを止めることはない。 すぐそばまでやって来れば、ベッドの端へ腰を下ろして、あなたを見つめる。 不幸中の幸いか、布団を引き剥がすつもりはないらしい。 ただ、そう——ずっとずっと怯えたままだから、少しでも安心させてあげたいな、と思う。 けれど、近付かれることを恐れているようだし、それを聞くのは嫌だし。困ったな。 「こんな姿って?」 「だいじょうぶだよ、私はバラニのことがだいすき」 だから、どうにか会話を試みるしかない。 掠れた声が穏やかに、愛を紡ぐ。 (-44) 2022/05/07(Sat) 0:27:26 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「殊勝な考えだね。素敵なことだと思う。」 「どんな理由であれ、気にかけてくれて悪い気はしないもの。」 「……悪い気がする人もいるだろうけど。」 赤髪の彼を思い浮かべつつ。 まぁ、あれは特殊な例というものだろう。 「高く評価してるんだね。ラピスさんの事。」 「仲はいいの?」 なんていう雑談。 普通の少年らしく、人の事には興味があった。 ▼ (-45) 2022/05/07(Sat) 0:30:21 |
【赤】 高等部 ラピス『クロノちゃんのせいではありません』 『大人が決めたことです』 緩く首を振って、心に浮かんだであろう可能性を否定する。 少なくとも大人達が連れて行く彼らに関しては、 くじ引きのように決められていくだけだ。 『そろそろ』 『終わりが近づいています』 伝え聞いたところによれば、大人達の目的は達成されつつあるらしい。 だからこの集まりももうすぐ終わりだ。 もう君も、罪悪感に苛まれなくて良くなる。 「………」 飾られた花が、小さく揺れた気がした。 (*10) 2022/05/07(Sat) 0:35:47 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンでも、普通の少年ではないから。 今、こんなに飢えに苦しんでいる。 「………わぁ。」 はらりと取れた化粧。 その内側にある黒いものに、声を上げ。 「どうしたの?これ。貴方の病気?」 「すごいね、気付かなかったな。」 もう少し化粧を爪で落として、しげしげと見つめる。 それから、齎される言葉には。 ふ、と思わず吹き出して、それから、笑い声をあげた。 「あっはははは…………おかしい事言うんだ、リアンさん。」 「貴方はミルクを飲むときに、牛の柄を気にするの?」 「僕にとっての貴方達は、そういう存在なんだ。」 ずっとこの食性で生きてきたから。 人間を牛や豚と同じ『家畜』としてしか見れない。 自分に食糧を提供するだけの生き物。 良くてかわいいペット、その程度の、認知。 空き教室に、後ろからついていき。 扉を閉めれば、そのまま鍵まで。 ▼ (-46) 2022/05/07(Sat) 0:37:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、貴方に抱き着いた。 ぎゅっと、身体を押し付け熱を伝えるのは。 愛や恋や性によるものではなく。 ただ、熱して汗を出させるためだけの捕食行動。 首に腕を回して、見上げる。 「……ちゅーしていい?」 汗も涙も、今は出ていない。 だから一番すぐに取れる給餌手段を、口に出した。 (-47) 2022/05/07(Sat) 0:40:39 |
【赤】 童心 クロノ「……おわ、り?」 文字を読んで、読んでいく。 もうこんな事をしなくてよくなる。 わたしは何もできてない、とか考える場合ではなくて、 「…………はやく、おわって」 「おわったら、はやく……」 「はやく、おわってほしい…………」 乞うように口が繰り返して、 俯いて、服を握って、すこし。 「…………きょうは、 だれを、連れてけば、いいのかな」 「きょうは、わたしがやる……やる、から……」 (*12) 2022/05/07(Sat) 0:55:23 |
【独】 ライアー イシュカこれ、エルナトくんとトットくん、仲良ししてるってことですか!?いいね〜〜〜!!バラニくんとシャルロッテくんちゃんもずっと対面で殴り合ってるイメージあるな〜〜〜!ワイワイ (-48) 2022/05/07(Sat) 1:04:32 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「急ですね〜 イシュカ」 比較的元気そうに見える実習生はいつもどおりだ。 嫌なほど感情がまた見えない。 「良いですよ、いきましょう。 ピーナッツとチーズ分けてもらっていたんです。 イシュカのためですよ?」 一度厨房によって皿を持ち出してくる。 そのまま定例会の部屋に向かえば、ひとつ息を吐いて。 いつもの席についた頃に口を開いた。 「イシュカ。 何されました? 大人たちにつれていかれて。 そして、どうなりましたか。君の病気とやらは」 ふざけて聞いているような口調でもからかうようでもなく、 ただそれが本題とでもいうように彼は静かに告げた。 (-49) 2022/05/07(Sat) 1:11:41 |
【秘】 中等部 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「私だって、同じだよ……」 「君の事が、大好きだから……愛おしいと思っているから……」 だからこそ、知られたくないと思っている。 君の前では皆に誇れるような立派な男としてありたいのだから。 このような醜態を見せてしまえばもう手遅れかもしれないけれど、その一線だけはどうしても譲ることはできなかった。 「……恐ろしいんだよ、君にこのことを知られるのが……!」 今にも泣き出しそうになってしまうのを、何とか堪えている。 君が傍にいる限り、バラニはずっとこの秘密が表沙汰になることに怯え続けることになってしまう。 (-50) 2022/05/07(Sat) 1:15:13 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『少なくとも、今は』 不可逆のものだと頷いた。 研究が進めば、或いは元に戻るのかもしれない。 外科手術で取り除いたこともあるが、それは対症療法のようなもので。 根治できなければ、また夜色が身体を覆っていく。 じんわりと、肌の温もりが移る。 感覚の消失した石部分はそれを感じ取ることはできなかったけれど、肌には確かに温かさが灯った。 感触を確かめるように微かに動かされる指の動きが青年の頬に伝わるだろう。 (-51) 2022/05/07(Sat) 1:16:08 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「そういった相手には、また別の手段を考えるさ。 例えば、僕の同室相手だったりな」 考える事は同じだ。 本人に言えば、更に機嫌を損ねることになるだろうから 言えはしないのだが。 「いや?だが、見ていればわかるだろう。 勉強会の様子であったり、朝食時の様子であったりな」 同い年で同班というだけの関係だ。 ほとんど何も知らないに等しい。 だが、それでも。わかることはあるものだ。 ▽ (-52) 2022/05/07(Sat) 1:33:55 |
【赤】 高等部 ラピス「………」 無垢できれいな手は、一度も汚れなくていい。 私が悪かったことにするためには、それがいい。 無理に仲間にされて、大人に突き出された事実があれば。 多少は疑いの目を逸らすことができる筈だから。 待ち受けている治療が少女にとって残酷なものである可能性だってある。 バレンタインのように。 だからこれは傲慢で残酷で身勝手な決定だ。 『次も、私がやります』 『ですが』 『準備があるので、また夕方に話しても良いですか』 生徒が居なくなるのは夜。 それまでは知らせない方が都合が良い。 この黙秘をどう受け取るかは、少女に委ねられている。 (*13) 2022/05/07(Sat) 1:35:35 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「気付かなくて当然だ。気付かせないようにしていた。 気を張って隠していたんだ」 演劇用の化粧と仮面を利用して。そして、徹底して風呂には一人で入るようにしていた。 王である自分が、誰かに不安を覚えさせないように。 化粧の下は、どこまで行っても黒に染まっている。 左頬の化粧の下には、まだ陶器のような白い肌が見えるのだが。 右側は、もう。 ▽ (-53) 2022/05/07(Sat) 1:40:09 |
【秘】 優位 リアン → 司書 エルナト「はは……!面白い事を言うな、エルナト」 君の言葉を聞いて、思わず笑みが漏れる。 君が、王である自分を"下に見る"等とは思わなかったからだ。 抱き締められることは拒まない。 だが、君が首に手を回しても。 自分の方へ顔を近付ける事を許さない 。頬を掴み、顔を固定するようにしてやる。「口付け等、貴様には勿体無い。 体液が欲しいというのであれば直に与えてやる。 王の施しだ。有難く受け取るといい」 その体勢のまま、親指で君の口を開かせる。 隙間に、垂らした唾液を落としてやる。"これで十分だろう"と言わんばかりに。 (-54) 2022/05/07(Sat) 1:52:02 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「相変わらず何考えてんのか分かんねえ顔だな…… 僕のせいにするな。素直に食べたいって言え」 怒られるか小言の一つくらいは覚悟していたのだが。 踊る程あっさりで、かつこの言葉と表情のちぐはぐさに違和感を覚えないのが、今イシュカに見えているアオツキと言う存在だ。 悪態を吐きつつ厨房に入った途端足を止める。 今は誰もいない有り触れた厨房の光景を見て目を細め、呟く。 「結局、全部無駄になったな」 あの日いた貴方ならそれが何を指しているのか、 失踪した日時を考えると明白で。 男だけでなく同室者の生徒すらも失踪していたのだ。 あの日のケーキが数日不在の部屋に置かれ続けていた光景が 浮かんでもおかしくないかもしれない。 いずれにせよ足を止めていた時間はほんの僅かで、 貴方の後に続いて部屋に向かい、席に座るだろう。 「……薄々想像ついてる癖に」 何をされたか、と言われた瞬間に緊張で両手を握り締める。 視線が落ち着かず思い出した記憶だけで ここまで体が強張らせ、顔色を変える程に恐怖が隠せない。 「…………そっちも気付いてるだろ。 治った、のかはわからない、けど、 ……これが、"まとも"な状態って、 ……思いたくない」 (-55) 2022/05/07(Sat) 1:59:19 |
【秘】 司書 エルナト → 優位 リアン随分周りをよく見ているのだろうな、と思った。 やはり王という自認がそうさせるのだろうか。 あるいは元から面倒見のいい性格なのかもしれないが。 「疲れるんじゃない、隠し事をするのって。」 「他に知ってる人はいないの?」 流石に同室の人に隠すのは大変な気もするし、 多少は知られているのかもしれない。 それでもきっと、多くの人は君を、見た目麗しい上級生くらいにしか思っていないだろう。自分もそうだったし。 それらの努力も全て王であるためというならば、 それはもはや、執念にも近いものだな、と思った。 「そんなに王であることが大事?」 広がる黒に、これ以上ここで暴いて、 誰かが通ったら困るだろうと、指を止めて。 ▼ (-56) 2022/05/07(Sat) 2:13:30 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 優位 リアンそれから、"王への嘆願"が、笑い飛ばされたことに。 少年は少しだけ、泣きそうな顔をして。 ご馳走が乗ったお皿を下げられたみたいな気分。 でも、その後の行動に。 "王からの贈物"に。 「…ん……ちょうだい…………?」 舌を出して、受け止めるように。 垂らされたそれを、口の中に運んで。 ぬちゅ、と口の中で転がして、絡めて。 君の顔を、とろんとした目で見つめながらずっと、そうして。 それからようやく、こくん、と喉を鳴らして飲み込んで。 はぁ、と漏れた熱い吐息は。 すこしばかり君の香りに染まっていた。 「ねぇ、もっと……もっと欲しい…………」 上気した顔で、尚も求めるように口を開いて待つ少年は。 さながら、雛鳥のようにも見えるだろう。 (-57) 2022/05/07(Sat) 2:21:07 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「気付いていても、私は完全には教わっていないんですよ。 全部又聞きでしたし、 ――この日まで私にその手が来る事がありませんでした」 「だから、イシュカがそんなに怖がってるのを見て ああ、やっぱり、よくないことがあったんだなって思います。 ……なくなっていたと信じたかったんですけどね。 変わっていませんでしたか、やっぱり」 グラスを差し出して、お酒をつぐ。 瓶ごと飲んでしまわないように、少量から。 差し出してさほど取り乱さないことに安心をする。 「まとも…… すみませんね。 元のイシュカがどうであったかもわからないんです。 君は自分の"病気"をどう自覚していたのか教えて貰って良いですか? もし、教えていただけないなら先生方に詳しい事を聞いてきます」 「悪化してる可能性もありますからね。 私が感じる正しそうなことを教えてあげましょう。」 (-58) 2022/05/07(Sat) 2:28:54 |
【秘】 冷静 フィウクス → 月鏡 アオツキ「 勝手にすりゃいいさ 」返答はどこまでもそっけなく、突き放すようなもの。 それでもこれは、確かにあなたへ向けた肯定だった。 「あんたがどうしようと、俺は勝手にする。 その責任をなんであんたに負われなきゃならない? 不確定要素になりかねないのは互いに同じ事だ。 だからこそ公平に。 あんたの手を取れると思ってる」そこに義務や責務なんて無くて、結局はただそうしたいだけ。 そうしないと自分が気に食わないというだけ。 あなたもこの気難し屋も、きっとそう変わらないはず。 全てはたったひとりの人間の、今は些細なはかりごとだ。 "それでも"手を伸ばそうとする事は、無価値な事だろうか。 「俺が"生徒"だから、あんたが"先生"だから。 だから助ける、助けられるなんてのは。 その方が俺にとっては余程信用がおけない。 互いの立場が変われば成立しなくなるような協力関係は脆い」 (-59) 2022/05/07(Sat) 2:29:41 |
【秘】 冷静 フィウクス → 月鏡 アオツキ「あんた達が役を被る事を否定するわけじゃない。 建前の必要性を理解できないほどガキじゃない。 その上で今は、 あんたのその言葉が本音だと信じてもいい。 」あなたの言葉は信じている。 紛れもなくあなた自身の心よりの言葉だと信じている。 それでも今はまだ、心底信じられる未来なんて無くて。 わかる事と言えばここには救いたがりが多いという事だけ。 誰にもどうすれば誰も彼もを救えるかなんてわからない。 自分だってどうすれば救われるのかなど未だわからない有様で、 "それでも"それを探す為の猶予を稼ごうとしている。 今はそれが見付かるかさえわからなくたって。 何を以て『救われた』とするかなど、価値観次第でもあって。 生きていれば考え方が変わる事もあるだろう。 「それでもあんた達を心底信じて、目指す所を共にする為には あんた達の事を知る必要がある」 「何も今すぐじゃなくていい。 だが、 あんた達までここから居なくなる前には 。」 (-60) 2022/05/07(Sat) 2:30:29 |
【秘】 直視 フィウクス → 月鏡 アオツキ「教えてくれなきゃわからない。 きっと俺にはいつまで経ってもわからない。 何も教えないなら、ここの大人とそう変わらない」 片側だけの視線があなたの手を一瞥して、 その後は透明な瞳をただ真っ直ぐに見据えている。 懐疑や怒りに歪められたものではなく、 ただ冷たく透徹した色をして。 「そうは思わないか?」 どのような形であれ穏やかな様相を呈する事は病が許さない。 だから同じように微笑みを返す事はできないけれど。 あなたの伸ばした手は、決して振り払われはしない。 (-61) 2022/05/07(Sat) 2:30:57 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス他人のことは、他人が説明してくれるから。 自分のことよりもなんだか深刻なもののように感じられたのだ。 人それぞれの状況に、程度問題の差などないのだろうけれど。 ぱち、ぱちと目を瞬かせる様子は眠りにつく畜獣のよう。 甘やかな膚の香りと、つややかな指の触れる感触が。 どうしても、ひどく、――に思えたから。 ざら、と舌が指先を這って。 かりと、尖った歯が白い指に立てられた。 (-62) 2022/05/07(Sat) 2:36:15 |
【秘】 優位 リアン → 雛鳥 エルナト「昨日までは、誰も知らなかった。同室の彼とはここ最近までお互いに干渉しないようにしていたからな。 なるべくなら隠しておきたいものではある。気持ちの良いものでもないだろう」 君を含めて、3人だ。たったそれだけの人間しか知らない話。 醜いものに対して人間は態度が変わるものだ。こちらがどれだけ努力しようとも。 「大事だな。 元々そのように育てられたということもあるが、何より自分の気を緩めないためという理由もある」 王であることは、権力のある立場にあることと同時に プレッシャーを常に与えられる立場に就くということだ。 日頃から模範であり、善くあるための努力を欠かさないように。 そういった思いを抱えて。 王で有り続けることを望んでいる。 ▽ (-63) 2022/05/07(Sat) 2:45:36 |
【独】 神経質 フィウクス/* 何らか"感情"抱いてしまうと不機嫌になっちゃうから ちょっと冷たいくらいが普通の人で言うところのニュートラルな精神状態になるんですよね。 わかりにくいね〜 ややこいね そんでもって共謀者その一、なんかしとるね。(肩書きを見る) (-64) 2022/05/07(Sat) 2:48:28 |
【秘】 王 リアン → 雛鳥 エルナト強請る声を受けながら、口の中に溜まっていた唾液を与え終えると。流石に何度も、すぐに与えられるものではないから 一度手を離し、自分の口元をハンカチで拭う。 「欲しいのなら、与えてやる。 舐め取ってみせろ。まさか、垂らさないと飲めないなどとは言うまいな」 腕を捲り、傷と痣で埋まりきっている肌を露わにする。 裁縫用の裁ちバサミを取り出せば、一度息を吐いて―――吸ってから。 自らの腕に思い切り突き立てる。 歯を食いしばり、苦悶の声を飲み込んだ。眉を寄せたままハサミを抜き去り、君の目の前に 腕を差し出す。 ぼたり、ぼたりと零れ落ちる鮮血が床を汚していく。 白いブレザーにも、赤が飛び散り 良く映える事だろう。 (-65) 2022/05/07(Sat) 2:55:51 |
【秘】 ライアー イシュカ → 雷鳴 バット「……兎は馬鹿じゃねえけど、賢くもない。 普通は逃がしただけなら怯えはしないだろ。 悪意を持って逃がしたとしても気付かない。……」 追及されないのを幸いとばかりに淡々と。 己が気にした所ばかりを逆に尋ね続ける。 弱みを突かれないならまだいつも通りらしく振舞えはする。 最もそのいつも通りは大多数の人にとっては不快だろうが。 「ちなみに僕、他の教師に聞く事もできるが。 その答えはそのままでいいわけ?」 完全なカマかけだ。見る人が見なくてもわかりやすい程に。 男もただの実習生だ。詳細な話を聞ける保証なんてない。 暫し貴方から目を離さず、錯綜する答えが纏まるのを待つ。 意外にも怒気を帯びていない白群が射抜き続ける。 もし答えがなかなかでないなら、 待つ合間に以下の下記の言葉をかけていただろう。 「……別に。執拗に話しかけてこないならいい。 それに嫌なら言われなくてもこっちが去ってる」 (-66) 2022/05/07(Sat) 3:35:44 |
【秘】 神経質 フィウクス → 雷鳴 バット「俺はこれまでに一度もお前に遠慮をした覚えは無い。 お前の事は……別に、そういう奴だと思ってるだけだ」 自分に誰かを特別慮る余裕はそれほど無いし、それに。 もし仮に、言いたい事があるのに言わずに黙っているだとか。 何か煮え切らない様子であれば、それは少しは気に障る事だろう。 けれど大抵は、恐らくはそういうわけではなく 単に互いに話す事が無ければ無理に会話をしようとはしない。 これまでの付き合いの中でそういうものと認識している。 それは今に至ってもおおよそ変わりなく。 それが自分にとっては不都合ではないから良いとしている。 きっとこのどこかいびつで遠回しな接し方を、 心地悪いとは感じず、そういうものとあなたが受け取るように。 「………これから、か」 これから、卒業まで。 自分と比べれば、あなたに与えられた猶予は長いだろう。 けれど、と思ってしまうのは、きっと悪い癖だ。 そんなふうに思って、同じように一度部屋へ視線を移した。 そうしてこの部屋を貸し与えた者の事を思い返す。 きっと、大丈夫だ。 (-67) 2022/05/07(Sat) 4:37:51 |
【秘】 不明 フィウクス → 雷鳴 バット「俺は……この病を治したいとは思わない」 「治さないまま外で生きていけるとは思ってない。 だが、結局、この病を治そうと治すまいと。 俺にはもう外に居場所は無いんだ。 だからこのままこの場所に居られるなら、それでいい」 フィウクスもまた、誰にも自分の正確な病状を教えていない。 あなたとまったく同じではないけど、少しだけ近いような理由で。 知らないから教える事ができない。 自分の正確な病状を知らない。教えられていない。 他ならぬ自分自身の事だというのに、 教えられていないからいつまでも自分で自分がわからない。 「おかしな考えだと思うか?」 あなたがフィウクスという人間を理解する事が難しいように。 フィウクスがあなたに歩み寄るのも難しい事だった。 少なくとも、『普通の人』のようにはできなかった。 自分を正しく見る事もできなければ、 誰かを正しく見る事もできはしない。 そんな、どこまでも不自由でいびつな在り方を強いられても。 今となっては、この病も確かに自己を形成する一部だった。 だから今更になって手放す事は難しくて、けれど。 そんな自分の居場所を作るには、外の世界は広すぎる。 (-69) 2022/05/07(Sat) 4:39:56 |
【秘】 共謀者 フィウクス → 王 リアン「────、」 不意に腕を引かれて、反射的にそちらを見て。 結ばれた握手の形にひどく苦い顔をした。 形だけでも笑みを返す事のできない自分が。 心にもない返答しか返せない自分が。 それらへの自己嫌悪が苛立ちとなって内に向いた。 「………馬鹿が」 「気が逸ってしくじるなよ」 案の定不機嫌そうに、なんとも回りくどい返答だけを返して。 手が離れれば、今度こそ何処かへ向けて歩き出した。 心で、言葉で、態度で応える事のできない自分には。 結局のところ、行動とその結果で応えるのが精一杯だ。 (-71) 2022/05/07(Sat) 5:17:29 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット「………?」 「??」 大型犬のような仕草が可愛いな、とぼんやり考えていたから、続く行為の理解がすぐには追いつかなかった。 まず歯が立てられる感覚への驚きで反射で肩が跳ねて、 それからぱちくりと目を丸くして手を見る。 一体どうしたというのだろう。 困惑の色が強い視線が向けられている。 (-72) 2022/05/07(Sat) 5:22:45 |
リアンは、フィウクスの手を 今度こそ掴んだ。 (a15) 2022/05/07(Sat) 5:43:08 |
フィウクスは、その手を──今度は振り払わなかった。 (a16) 2022/05/07(Sat) 5:48:18 |
【置】 神経質 フィウクス随分と久し振りに生家への手紙を認めた。 この10年来、家族とは殆ど他人のようなものでこそあれ。 ここに居る為の頼み事であれば 大抵は聞き届けられた。それほどまでに彼等は戻って来て欲しくないんだろう。 あの場所の、唯一の恥とも呼ぶべき自分という人間に。 だから、これも、きっと。 何らかの形で聞き届けられはするんだろう。 (L0) 2022/05/07(Sat) 5:50:20 公開: 2022/05/07(Sat) 6:30:00 |
【置】 神経質 フィウクス… …… ……… …………だからどうにも私には、 人生の半分以上を過ごしてきたこの場所で この場所をもう一つの家として生きていけるような、 卒業とはまた別の選択肢が必要なように思うのです。 叶うなら、私はこの場所で生きていきたいのです。 先生方の配慮や尽力も虚しく、 今やこの10年間を無益に過ごして来た私には 過ぎた願いとは思いますが──── (L1) 2022/05/07(Sat) 5:52:22 公開: 2022/05/07(Sat) 6:30:00 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ瞳にいっぱいに涙を溜めているのを見ると、拭ってあげたくなるのだけれど。抱きしめたくなるのだけれど。 今はきっと、触れようとするのは逆効果だろうな。 少■は膝の上で、手持ち無沙汰な指先をもごもごと絡ませている。 「……だいすきだから知られたくないこと」 少■はあなたから目を逸らさない。 「実はね、私にもあるよ」 「だいすきだから知られるのが怖くて、知られたら嫌われてしまうかもしれなくて。 それでも、いつか言わなきゃいけないこと」 「……バラニは、隠したい秘密を知られたら、どうなると思う? 知られることの、その結果訪れることの何を怖がってるんだろう」 それは、上級生のお姉さんが少■に言ったことの繰り返し。 秘密を知られてどうなるかは、知られるまでわからない。 もしかすると、思ったほどに恐ろしいことでは、ないのかもしれない。 (-73) 2022/05/07(Sat) 7:05:58 |
【赤】 童心 クロノ「………………、」 どうして、と言いたかったけれど。 なんで、と問い掛けたかったけれど。 口を噤んで俯いて、頷いた。 昨日の自分の様子を見て 負担を掛けさせまいとしてくれてるのだろうか。 あなたがひとりで罪を負おうとしてるんじゃないか。 また失敗されては困ると思われているのだろうか。 大人から、頼まれたことをやれない子供だと罰されないか。 あなたに、役に立たないと思われてるんだろうか。 ううん、そんなことは無いと思うけど。けれど。 後暗い不安が消えなくて、あなたの顔が見れない。 「…………じゃあ」 「また、夕方…………」 「教えて、ね?」 出入扉へ足を向け、 返事も見ないまま、退室しようとする。 次の標的は、標的を。私は知らない方がいいんでしょう? わかったよ。 ……ちゃんと、わかってるよ。 (*14) 2022/05/07(Sat) 7:42:37 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 王 リアン「そこは長年の王としての勘で戦って貰って……おや。 また、疑いましたね〜? 将来も誓っていたんですから、もういませんけれど」 この話はここまでにしましょうと話を切る。 アオツキが態々こんな冗談を言えるようには見えないが、如何せん裏に含まれていそうな感情は顔に出なかった。 「よくおわかりですね〜。そんなところです。 まったく……生徒にこんなことを考えさせているなんて、 私も少し口が悪くなりそうになりましたよ」 「さて、そんな"病気"が存在したなんて……初めて聞きました。 善悪は君の心が決めているんでしょうか……? そうでなければ、今頃真っ黒ですよ」 君のような心の持ち主が、こんな"仮面"で生き延びられていたなんて。贔屓せずとも、既に酷い状態になっていることがわかる。動ける程度でよかったと思うほどに。 「君は進行を遅らせるべきです。 何よりこれ以上酷くなれば君が動きにくいでしょう」 (-74) 2022/05/07(Sat) 7:50:33 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 王 リアン事情こそ知らないが、その痣に指を這わせる。 痛みを与えぬように、優しく触れて。目を細めた。 「夜に抜け出して下さい、お酒飲んでみますか? 食事を残して下さい、……わ、悪いことです。 あまり許されないこと探し、私も手伝いますから 君たちが暮らしやすい学園を作る為にですよ。 だから、動けなくなったら知らせて下さいね。 私たちは君の味方です。 今日はこの後は休んで…… 少しぐらい悪いこと考えてみるように」 (-75) 2022/05/07(Sat) 7:52:08 |
【鳴】 月鏡 アオツキ『実習生、貴方の担当していた生徒の話です』 ―――――――― ―――― 「今なんと言いました?」 バレンタイン君を治療している? 「どうして」 「どうして、治療のことを私に伝えなかった!」 「彼は、――――」 (=0) 2022/05/07(Sat) 9:21:16 |
【鳴】 月鏡 アオツキ自分はまだ彼の役に立てていないのに。 先生と慕ってくれた彼に答えられていないのに。 彼は、簡単に治るような病ではなかった。 時間をかける必要があった。 突然"正常"をに合わせられるような治療をしていいものじゃない。 現に彼が望んでなんていなかったじゃないか。 「……教えて下さい、彼に怪我をさせていませんか」 「彼に無理を強いていませんか? 彼は望んでいたんですか、彼は泣いていませんでしたか」 (=1) 2022/05/07(Sat) 9:22:43 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「彼は、」 人の不幸の形は様々で、人の幸福も様々だ。 それでもどんな生徒にも幸せをあげるために、ここにきたのに。 「彼は、昼寝が出来るようになっていますか?」 求めた答えはいつまでたっても返ってこなかった。 (=2) 2022/05/07(Sat) 9:25:25 |
【鳴】 月鏡 アオツキ『この場所にとって、彼にとって理想的な処置をしました。 経過観察は怠らないように』 最後まで冷たく帰ってきた事実は治療が正しく行われたことだけ。 少しでも縋って、信じていたのが間違いだった。 もしかしたら、非道な治療はもうなくなったと。 そう思いたかった。 「ああ出来ないんだ」 其れでは、と立ち去る声を追うことも出来なかった。 立場も何もかも至っていない自分が、 起きていることを止めることなんて出来なかったから。 (=3) 2022/05/07(Sat) 9:27:42 |
【鳴】 月鏡 アオツキそれなら最後まで一方的でいいだろう。 恋を夢のようだと話した君に伝えようとした、 もう喪われた恋の話。 もう帰ってこない日々、それはまるで夢のような時間で。 君が想像するよりも身近で、愛を知っている人の傍で感じられることを。 「今の君がもし、恵まれていると言うのなら。 私たちが全力で否定してまうでしょう」 「彼が望んだ幸せはこんなものではない。 私たちがもらった幸福は、こんな形では昇華されない、と」 「……だから、ちゃんと幸せにしてみせます。 もっと先生をしますからね、待っていて下さい。 もう、しっかり分けらるようにもなったんですから」 揺れて邪魔になった長い髪を掴んで、筆箱に入ったカッターを取り出す。 余計な感情が籠もったその髪を一房、投げるようにゴミ箱に捨てた。 「そろそろ整えるか、この髪も」 (=6) 2022/05/07(Sat) 9:43:16 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「さて、授業の準備をしましょう。 ――早く皆さん、戻ってくるといいんですが」 一瞬だけ作られたその口元は笑っていて。 足音の残響を最後に、誰もいない教室は静かになった。 (=7) 2022/05/07(Sat) 9:43:30 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「君にも……?」 君の言葉を訝しむように呟きながらも、今までの様子を思い出す。 ずっと気になっていたことと言えば、そうでないはずの人間にもお父さんと呼ぶ姿。 君にも何らかの事情があるのだろうと思って、深く触れようとはしなかったけれど。 知られたくないこと、隠したい秘密、抱えている悩み。 この学び舎がある意義を思えば、君もそれを持つのは決しておかしなことではない。 未だその瞳には涙をいっぱいに溜めながら、君のことを少しだけ見て、それからすぐに視線を落とす。 「…………父上や母上には、酷く失望されてしまうだろうね。 跡取りに相応しい立派な男になれと言われていたのだから」 その言葉には、家族の期待や想いを裏切ることに対する恐れが。 そんな機会は、生涯失われてしまうのではないかという不安が。 (-76) 2022/05/07(Sat) 13:42:36 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテそして── 「それに、なにより……」 「君には、そんな軟弱者だと、嫌われたくなかった……」 「君には、君の前でだけは…… 私は……立派な男として、ありたかった、んだよ……」 それは君に恋焦がれたからこそ、立派な姿を見て欲しいと思う。 少年の見栄だった。 ひとつぶ、ふたつぶ。 ぽろぽろと零れる涙が、少■の頬を濡らして、視界をぼやけさせる。 そんな姿も見られたくはなくて、更に身を隠すように布団に包まった。 (-77) 2022/05/07(Sat) 13:44:47 |
【赤】 高等部 ラピス「………」 俯いたままのその顔は何を考えているのだろうと思った。 きっと罪悪感だとか、不信感だとか、恐怖心だとか。 そういう様々な負の感情に支配されている。 ………そうだ。 負の感情に。 それがどれだけ大人達に都合が良いかもわかっていた。 少女を解放するために、少女に治療を受けさせる。 また、勝手なことをする。 どうしたってその不安を拭えないままで、 きっと自分が無力であることもよくわかる。 何か伝えたくて、でも言葉は出てこなくて。 チョークの先が黒板に当てられる音はしたけれど、 それ以上の、文字を綴る音はしなかった。 だから少女が振り向かずに教室を去っても、何も変わりはなかったのだろう。 (*15) 2022/05/07(Sat) 13:54:52 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノクロノが丁度部屋にいる時間。 ラピスがふらりと部屋に戻ってくる。 両手には、いつものホットミルクが甘い香りを漂わせていた。 「?」 飲む?と首を傾げる仕草で尋ねて、共用テーブルに。 恐らくは、朝にうやむやになった話について 再び話にやって来たのだろう。 /* 会議は朝の時系列で、そこで引き渡すと他の場所で以降の時系列ロールができなくなるかな、と思ったので無理やり夕方or夜にすっ飛ばしました。都合良い時系列で構いません! (-78) 2022/05/07(Sat) 14:07:01 |
【墓】 充実 バレンタイン結局、それほどひどいことをされたとは思っていない。 治療の内容に納得してしまっているから。 不安を溢れさせてしまう不出来な容れ物には蓋が必要だ。 ただ、会う人会う人皆なぜか悲しそうな顔をする。 自分を心配性とからかった生徒だって。 自分を寝坊助だと叱った先生だって。 『……』 僕を担当してくれた、あの人だって同じ。 いつものように中庭の木陰で休んでいても、 頭の上に花冠が乗っている、なんてことはない。 ああ、なら早く治らなきゃな。 皆が見たいのは、多分病が完治したバレンタインだ。 (+9) 2022/05/07(Sat) 14:56:13 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「おや、じゃあ意外とレアだ。」 「嬉しいね、王の秘密を知っちゃった。」 「穴倉に叫ばないといけないかもね。」 ロバ耳の王様。 本好きな少年らしいジョークであった。 勿論、実際に口外するようなことはしない。 隠されたものを暴いて広める趣味もない。 「……そう、やっぱり貴族って。」 「そう言うのがとっても、大事なんだね。」 という顔は、此処に来て初めて少しばかり陰りを見せた。 少年と同室の彼が貴族の生まれであるというのは、だれしもに知られている話。 彼も常に模範であろうと、立派な大人であろうとしている。 そのために"治療"を受け、薬の力まで借りて。 「……あんまりわかんないや。」 「肩書き通りに振舞うのって、疲れそう。」 なに一つの重荷も背負ってない少年には、 その覚悟も、プレッシャーも、理解はできないのであった。 ▼ (-79) 2022/05/07(Sat) 16:59:57 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「ぅぁ………」 体を離されれば切なげな声。 しかし給餌がまだ終わらない事を知れば、 はやく、はやくとせびるように自分の体を抱いて。 鮮血が、溢れて。 「あぁ………っ」 という小さな叫びは。 その腕のグロテスクな様相に。 突き立った鋏が齎した生々しい傷に。 ……ではなく。 床に零れてしまったご飯への、悲しみから。 でも、すぐに新鮮なご飯の方に目を向けて。 君の手を、抱くように掴んで。 服が汚れようと気にすることもなく。 その傷を上から、下まで。 這うように、ぬるりとした舌が撫で上げるように。 動いて、血を掬っていく。 「…おい、しい………リアンさんの……とっても…美味しいよ………」 ほんの少し前まで、血を口にするのには抵抗があったのに。 今はもう、何も感じはしなかった。 血を吸いだそうと強く吸い付けば、 君に強い痛みを与えるだろうか。 (-80) 2022/05/07(Sat) 17:07:07 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「はい、勝手にします。 まったく……なんといいますか。 私の方が歳上なのに、君は食えないこというんですね〜。 立場ならこちらの方が優位なんですよ、 どれだけこの体で生きてきたか」 君の病気を知って、差し伸べる手段を変えなかったのは このギムナジウムに君《不幸な子供》という存在が必要だからだ。 主観はそれこそ、彼らで良いのだろう。 この計画に幾つかの問題があるとするのなら、すべての人間が幸福になると病を原因とした何らかの施設のもくろみを壊してしまう。バランスが必要なのだ。 きっとそのバランスに、私たち《不幸な子》も入るのだろう。 この身体が治されることは、暫く無さそうだ。 「……何も言っていないのに協力させるなんて他の大人と同じ。 私はそう思っていませんけど〜? 確かにそう感じるな 」あなたの頬を撫でていた手をゆっくり退けて踵を返す。 背を向けた男から聞こえてくる声はひとつだ。 「教えてあげられることなんてまだまだない、先生未満です。 まあ? 私の事をフィウクスくんがどうしても知りたいっていうなら? タイマンでしっかり教えてあげますから〜、楽しみにしていてくださいね? もうっ二人っきりになりたなら早く……結構はやくから言われてましたね、おねだりしてくださいよ」 軽口をたたく表情は相変わらずだが、 どこか力が抜けて憑き物が剥げたよう。 (-81) 2022/05/07(Sat) 17:39:59 |
ラピスは、中庭で休んでいるバレンタインを見かけた。 (a17) 2022/05/07(Sat) 17:46:52 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「でもひとつも知らないのはフェアではありませんから。 聞かれていたことをお教えします。 ショックな内容であることと、 仕事に関係なかったので言わなかったんですよ〜」 触れなかった、おかしくはないから。 触れなかった、私にとって違和感でもないから。 誰かにとっておかしい話は、この体では正当化されていた。 「 君の知るクロツキは死にました。 今は彼は 私 のものです。『みんなが幸せになるための学校作り』 『辛そうな子を放っておくなんてできません』 『一人になんてさせられませんから』 」誰かの言葉をなぞって己を殺す。 否、今まで男の口ぶりからすると、そうでなければいけなかった。 先生 で居続けなければいけないとこの男 は患い続けている。それが何よりも自分達のためになると、そうしたいからし続けている。 「だから 先生の時間 は、先生 をするんですよ。これからも、ずっとです」 僕が生きていなければよかった。 彼が生きていればよかったのに。 僕がいなければ、彼は生きていられたのに。 ああ、そうか、そうだった。彼を生かせるのは。 先生でいさせられるのは、この僕だけだった、ならば。 この人生はすべて捧げてしまおう、先生になるんだ、僕は。 (-82) 2022/05/07(Sat) 17:48:18 |
【秘】 雷鳴 バット → ライアー イシュカ「……」 その先に続く言葉を紡ぐのを、躊躇した。 躊躇するような理由があるのだ、そして。 それを貴方に伝えて良いものか、それだけの判断が青年にはできない。 たとえば敏い子供であればもう少し言葉を選ぶなり、 ごまかしようもあったろうに。ただ、じりと惑った足が半歩あとずさった。 「き」「くなら、聞いたら、いい」 「そのほうが正確に」「帰ってくるから」 答えはあやふやなまま、肯定でもなく否定でもなく。 自分の口から言うのだけは、その場しのぎにしかならないとしても固辞した。 貴方がどれだけの権限を持つか、なんてのは青年にははかれないこと。 出来るのは、事態から逃げる準備をすることだけだ。 (-83) 2022/05/07(Sat) 18:36:13 |
バレンタインは、眠っているかのようにそこにいる。たまに歌を口遊みながら。 (c8) 2022/05/07(Sat) 18:42:09 |
【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクス青年は他とのかかわり合いの中で口籠ったり言葉に詰まったり、 自分の中の考えを口にできないこともよくあった。それは、性格よりも頭の作りのせい。 そうした通い合いがスムーズに出来るということは、 共同体の中の知己としては十分足りうるところなのだろう。 互いに何かを齎すばかりが絆ではないのだし。 「……少しわかる」「僕も、帰っても……」 「僕は、"病気のこども"だから」「追い遣られて」 「たぶん大人になったら」「帰る場所はないんだ」 「子供は育てなきゃ」「よそに悪く言われるけれど」 「子供じゃなくなったら……」 黙り込む。いつか、自分がどうなるかなんてことは想像もつかない。 けれども人に言われたことを真似ることは出来る。 そこに込められた悪意も、噛み砕いて自分のものにすることなくそのままに。 果たして貴方とどれだけ同じ境遇か、まったく違うものかもしれない。 互い違いにもならず、全く違うものがそこにあるだけなのだとしても。 最終的に下した判断は、貴方の言葉に沿うものだった。 「おかしな」「考えでは、ないと思う」 もしもどこにも落ちる場所がないなら、疲れ果てるまで飛んだとしても。 自分は、それで構わない。貴方はどうだろう? 己の病も他人の病も知らないのなら、目の前に見えるものはない。 けれども暗闇の中でも、鏡の像は同じ形をしている。 (-84) 2022/05/07(Sat) 19:06:12 |
【人】 月鏡 アオツキ「良いんですか〜? 有難う御座います、イシュカもやっていましたからね〜。 生徒たちも使うかもしれないので暫くかしきりにしても? こっちの区域なら片付けも要らないって、嬉しいです〜」 両手を合わせて喜んでいるように見える実習生。 その日の放課後は厨房を借りていた。 朝には機嫌が良さそうな口調で。 夕方辺りには気晴らしのように誰かと話す彼は、 いつもより髪がなんだか短くなっている。 「パン、捏ねますか〜。学生の頃ぶりですね〜。 食べきれなかったらイシュカやバットくんの口に 全部突っ込んでやりましょう」 一品目のパンは54%の出来だったらしく、香ばしい香りが廊下まで漂っていた。 メモがおいてある。 『パン作り開催中。好きな形を捏ねて持って帰って下さいね』 (8) 2022/05/07(Sat) 19:12:32 |
【墓】 充実 バレンタイン>>7 エルナト 『───もちろん、起きてるよ。 もう眠気に頼らなくてよくなっちまったし』 伸ばした前髪の隙間からは変わらず青い瞳が覗き。 見つめていると、僅かに瞬きのような震えをする。 『本は…… ─── 途中まで読んでたし、最後まで読もうとしてたけど。 ごめん、暫くはそうできそうにねえや』 僅かに視線を逸らす様子は、 図書室で気まずそうに頭を下げた、 あの時の面影をありありと残していて。 『愛や恋の力で奇跡とか起きるんなら、 それに越したことはなかったんだけど。 どうやら僕にはやっぱり、夢みたいな話だったな』 無機質に喋りかける偽りの声は、 それでもどこか皮肉気なニュアンスがこめられていた。 (+10) 2022/05/07(Sat) 19:12:44 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス愛されて、艷やかで。白色のりんごみたいにほころんだ頬。 果実に挟まれた花びらみたいな唇が言葉を発さず、表情だけを作るのを見ている。 檸檬の枝のように細い指は青く艶めいて、それだけが冷たい。 「ラピスの指は、きれいだ。 でも、僕は。生身のままのキミが好き。 青い石には、なってしまわないでほしい」 さみしいと思うのは、変化が目に見えてあるからだろうか。 他人の病気は見えないものだから、こうして明らかなものがあるから? 離れていく船を見ていくような寂寥を湛えた目はじっと貴方を見上げて、 もしくはぼんやりと、指先からつながる根本を見て。 獣のような牙が、白い肌を突き破るほどに突き立てられた。 (-85) 2022/05/07(Sat) 19:14:40 |
【人】 司書 エルナト>>+10 バレンタイン 「…そう、よかった。」 いつも少し眠たげな声。 先日ははきはきとした声。 今はそのどちらでもなく、何の感情もない電子的な声。 どうしたって、いつものように微笑むことはできない。 可愛がっていたペットが、補助具を付けないと 歩けなくなったような……そんな気持ち。 「……謝らないでよ。別にいいんだ。」 「最後まで読もうとしてくれたなら嬉しいな。」 「本は、最後まで読まないと意味がないからね。」 物語なんて、ラスト一ページで急に変わったりするものだから、と。 少し眉を下げながらも、微笑んで。 「……まだわかんないよ。何か起きるかもしれないさ。」 「……そうだ!本、今どこにある?」 「良かったら、読み聞かせしてあげようか?」 結構、初等部の子達にも好評なんだよ、なんて。 今度はしっかりと笑いかけて見せて。 (9) 2022/05/07(Sat) 19:31:32 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス部屋の自分の机について ぼんやりとペンを動かしていたクロノは、 同室者が部屋に戻ってくるのを見、立ち、 共用テーブルの方へと座り直す。 「…………朝の、話?」 ぎこちない表情でそう問い掛けながら、 ホットミルクの入ったマグカップへと手を添える。 それに何かが盛られている可能性など、考えなどしていない。 /* わーい時間軸変更ありがとうございます! 特に問題なく夜の時間軸としましょうか!よろしくお願いします! (-86) 2022/05/07(Sat) 19:51:06 |
【墓】 充実 バレンタイン>>9 エルナト 『うん…… ───今はそう思う』 『想像して、勝手に鬱屈として、塞ぎ込んでしまうよりは。 最後まで読んじまった方がいいんだろうな』 『不安は今でさえずっと湧いてくるけれど、─── 希望を持つことだって、今だからこそできるから』 だから、君もそんな顔をするなよ。 渦中の僕が言った所で、どうにもならないんだろうけど。 ここが物語の最後のページではないことは、 いくら自分でも分かっているから。 『あー……その手があった。 何で思いつかなかったんだか。 部屋に置いてあるけれど、───うーん……』 『読みかけの本が結構、そこらに置いてあるから。 エルナトがそれを見て、気をやらないといいが』 (+11) 2022/05/07(Sat) 19:57:00 |
【人】 高等部 ラピス「………」 じっ……。 こねこねと形作られるパンたちを眺める。 パンの香りにつられて、 他の生徒たちが集まっているようだ。 率先してパン作りに興じている実習生の姿を見て、 自分もやろうかな……と厨房に入る。 気晴らしはいつだって必要だ。 手袋の上から更にビニール袋をつけて、こねこね。 まんまるの形に整えていく。 少女は固いパンが好き。 パンの固さ:43% (10) 2022/05/07(Sat) 19:57:48 |
ラピスは、ほどほどに固いパンができた。 (a18) 2022/05/07(Sat) 19:58:19 |
バレンタインは、小麦の香りを感じた。一度たりとも顔に出したことはないけど、食事は結構好きだったな。 (c9) 2022/05/07(Sat) 19:58:42 |
【人】 月鏡 アオツキ「あらあら〜 ほどほどに固そうなパン。 わたしのこれはなんでしょう。動物には見えますね。 何かの動物に見えるパンです」 54%ぐらい動物に見えるパンを見せながらまた何かこねている。 「ラピスさんは自分用ですか? 誰かにあげたりするんですか〜? 私はせっかくですから食べて貰おうと思ってます」 たわいない話をしながら、もう少し食感あ良い物をと。 まじまじとレシピを見ながら、もう一度こねるのであった。 94%。 (11) 2022/05/07(Sat) 20:05:28 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット「──!」 声は出すことができない。 だから、喉の奥を細く息が通る音だけが出た。 牙が肌を食い破ったのなら、そこから赤い血が滲んで垂れる。 白い肌の下に巡っているそれが、確かにまだ生身が残されていることの証左だろう。 痛みを抑えるように自らの袖を握りしめた。 暫くそうやって、困惑と痛みを落ち着ける。 浅い息遣いだけが耳に届いただろうか。 青年の行動は獰猛さを纏っていたけれど、その奥にある寂しさも見えた気がした。 石にはならないよ。 何か言いたくても片手がこれでは難しかったから、 そう伝えるように青年の頭に手を置いた。 (-87) 2022/05/07(Sat) 20:05:40 |
アオツキは、しっかりレシピを見ながらお店に出せそうなパンを作り上げた。 (a19) 2022/05/07(Sat) 20:06:17 |
【人】 司書 エルナト>>+11 バレンタイン 「……うん、よかった。」 「君が、ただの器だけになってしまったらって、心配だったけど。」 「ちゃんと君が、そこにいるみたいで、良かった。」 動かぬ体、電子の声。 人と呼ぶには些かばかり冷たくなりすぎてしまったけれど。 でも、きちんと心は君のまま。 それに、何もかもを投げ捨てたりしてるわけでもない。 君が落ち込んでいないのならば。 自分が悲しんでいてはいけないなと、緩く首を振り。 「………それ、図書室から持ってった本じゃないよね?」 「数か月前から転々と帰ってきてない本があるけれど…」 すこしじと……っと君を見て。 それから、大丈夫だよ、と仕方なさそうに笑って。 「じゃあ、探してくるから少し待ってて。」 そうして一度、君達の部屋まで。 何事も無ければそれなりの時間の後、帰ってくるだろう。 (12) 2022/05/07(Sat) 20:08:04 |
【秘】 王 リアン → 月鏡 アオツキ「善処はするがな」 なんとか、数日後には手を取り合えるようになるのだから やればできるものである。 君の人間関係については 話を切られれば、それ以上追及はしない。 気になりはするが、あまり触れられたくない部分に積極的に触れようとは思わない。 「そのための閉鎖空間なのだろう。 本来であれば、こんなことを考えさせないようにすることも仕事のうちのはずなのだが―――そうされていないのも、わざとなのだろうか。雑な仕事をしているのかは、分からないが」 「さあ、どうだろうな。 僕は相手に与えた感情の種類で変わると思っているが……そうであるのなら、変えられるところは―――」 ないんじゃないか、という声は出てこなかった。 君の触れる指先が優しかったからだろうか。 少し驚いたくらいで、顔を顰めたりはしなかった。見た目がひどくなるばかりで、痛みはないのかもしれない。 (-88) 2022/05/07(Sat) 20:09:12 |
エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。 (a20) 2022/05/07(Sat) 20:09:18 |
【秘】 王 リアン → 月鏡 アオツキ「―――はは。それは、面白いかもしれないな。 誰にも迷惑をかけない悪いことであれば、王の立場を揺るがすこともないだろう」 目を細めて、楽しそうに笑う。 実習生である君が、"悪いこと"を勧めてくれる事自体も含めて。 「最悪、治療を受ける事も考えるさ。 僕はその立場上―――特権を持っている。必要になるまでは使わないつもりだが」 「あまり周りを不安にさせたくないからな、出来る事はやってみよう。 アオツキ先輩と話せてよかった。感謝する」 機会が貰えなかったら、君が味方してくれることも 学園に疑問を持っている事も知らないままだっただろうから。 (-89) 2022/05/07(Sat) 20:11:21 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・ たったその短い時間でも休まったのか。 目を覚ましたアオツキは体を起こせば、寝ぼけ眼で君の額へと口づけをまた落とした。 特別でもなく挨拶程度にも交わされるだろうその仕草も、これまでにはなかったものだ。 共に食卓へ向かい授業の為に別れる時には、何処か普段よりも表情が豊かになっているように思えた。 彼はまだ、誰かの振りをし続けている。 (-90) 2022/05/07(Sat) 20:13:53 |
【人】 高等部 ラピス「!」 『誰かにあげるのも良いかもしれません』 固いパンは自分用にするとして、 自分も動物型のものを作ってみることにした。 二重に手に被せものをしているせいか少し動きはぎこちないけれど。 実習生は流石そつなく作っているなぁ、と感心していた。 動物っぽさ:86 (13) 2022/05/07(Sat) 20:15:45 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バットそれは一人でいるとき。それは先生でいられる時間。 隠しきれず出てきた自我は君のことを考えた。 「(ミゲルくんが幼いのは何故だろう。 十分な教育を受けていなかったからだろうか? 先生達に聞いて、詳細を教えてもらえないか。 ……ただのネグレクトでなるとも思えないのだけれど)」 頭がはっきりしている今ならわかる。 彼には負の感情が酷く欠落しているようにみえる。 悲しいことが悪いことと……思わせてしまった節があることから、 知識としては入っているのだろう、と、アオツキは判断して、また頭を悩ませる。 「(――駄目だなあ)」 ぞくりと感じた所有欲は、実に不誠実で。 自分を心地よくさせる素直で従順な子が可愛いだけ、に思える。 彼も自分に執着しているのではなく、自分が可哀想なのだろう。 其れは少し寂しいが、情けない姿ばかり見せているの自分が悪いのだ。 「(本当に天使みたいな子だ)」 自分の病は、きっと治されない。彼らのそれに触れることも叶わない。 過ごし方は変わらない、それなら一番聞かなければいけないのは未来のこと。 (-91) 2022/05/07(Sat) 20:15:47 |
ラピスは、かなり動物っぽくできた。 (a21) 2022/05/07(Sat) 20:16:16 |
バレンタインは、読みかけの本をあらぬところに置く悪癖がある。その先を読めなくても、忘れないために。 (c10) 2022/05/07(Sat) 20:16:28 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット・・・・・・・ ・・・・ ・ 「パンを焼いたんですが、食べますか?」 お茶の香りの中で珍しく普通に起きていたアオツキは、 変な形をしたパンが入ったバスケットを置いた。 お店に出せそうな出来のものもある、食べなくとも彼は問題ないのだろう。 「あの、」 「卒業したらどうするか、あの時聞きそびれていまして。 保護者の元に返ってしまうのでしょうか……よかったら教えてくれますか? 私はずっとこの学園で先生をし続けると決めましたから、外へはあまりでなくなってしまいます。 そう考えると、会えなくなるのが寂しくなるな、と」 (-92) 2022/05/07(Sat) 20:16:35 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノクロノが席につくのを見て、 いつものように黒板に文字を書いていく。 テーブルの上には、厨房で作ったパンが置かれている。 ホットミルクを置いた後、続けて持ってきたものだ。 固いパンと、動物っぽいパン。 もしかするとクロノの好きな動物の形かもしれない。 『お願いがあります』 『治療を、受けてほしいのです』 ホットミルクに口がつけられる前に、その言葉を見せた。 今の"お願い"と、"準備"の話。 両方から、誰が治療の対象になろうとしているのかは想像に難くない話だろう。 (-93) 2022/05/07(Sat) 20:21:11 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ「……ねえ、それって、もう絶対にだめなのかな。 あんな、すべての情動を削ぎ落してしまうみたいな方法でしか、どうにもできないの?」 「一昨日話したみたいに、これからうんと勉強して、遊んで、強い勇気を持つ、そういう時間のかかる方法では、だめだと思った?」 ゆら、ゆら。濡れて揺らめくあなたの視線は、少しこちらを見たかと思えば、すぐに逸らされてしまう。 それでも少■は、ただじっと、あなたを見ている。 見ていたから。 ああ――やっぱりだめだ。 ぽた、ぽた。 光の雫が落ちるのを見て、少■はあなたに手を伸ばしてしまった。 これ以上、怯えさせることのないようにと、膝に置いていた手を。 その涙を掬うように、あなたの頬へ。 ▼ (-94) 2022/05/07(Sat) 20:24:31 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ「……あのね」 「私、いつも支えてくれて、勇気をくれるバラニがだいすき」 「でも、こんな風に怖いことが起きて、バラニだって不安なんだって思った」 「だから、守ってもらうばかりじゃなくて、私もバラニのことを支えられたらいいのにって思ったの」 「いつもかっこいい姿を見せてくれてありがとう」 「これからは、そうじゃないところも見せてくれたら、きっと、もっとうれしい」 「たぶん、弱いことが悪いんじゃない。 不安になっても、泣いてしまっても、また立ち上がれるなら、それは立派なことだよ」 「もしも一人で立てなくなっちゃったら、私が手を握ってあげる。 ……頼りないかな?」 ――たとえ手を振り払われたとしても。 少■は夢見るようにやわらかに微笑むだろう。 あなたを繋ぎ留めようとするこの感情は、きっと、やっぱり、恋なのだ。 (-95) 2022/05/07(Sat) 20:25:48 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「……お前にこのまま来ないかの保証もないけどな。 僕だって、この期に及んで来るわけないと思ってたし」 「……された事は最悪だし今も思い出しても吐きそうになるし正直食堂でお前に手を掴まれた時一瞬それが過ぎって気持ち悪くて手を振り払いかけたけど…… ……それ以上に、僕が一番嫌いな"嘘つき"に、させられたこと、が……本当に嫌で嫌で、仕方、ない……」 それらを一気に吐き出してから、逆に失われた色々を取り返すように注がれた酒を掴んで一思いに呷る。 宜しくない飲み方なのは分かっていても。 治療を与えられた筈なのに、反比例して空になる心の空虚さが凍りそうなほど辛かった。 「僕は、僕には、お前たちの言ってる言葉がわからない。 全部嘘をついてるように聞こえる。 ……認知の問題か何か知らないが、とにかく薄っぺらい嘘をつかれてる感覚になるし、実際そう聞こえて、……いた。 成長して病の話を聞いて、「僕の方がおかしい」って事を知っても、それでも耳は、脳はそう認識してくれない。 理屈じゃないのを、毎回訂正して聞いてる。 ……それが急に、逆に聞こえ出し始めて」 (-96) 2022/05/07(Sat) 20:29:19 |
エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。 (a22) 2022/05/07(Sat) 20:31:24 |
バレンタインは、君から渡された本は、きっと、ベッドの上に置いてあるだろう。 (c11) 2022/05/07(Sat) 20:37:07 |
エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。 (a23) 2022/05/07(Sat) 20:44:46 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ「歳上も歳下も優位も劣位もあったもんじゃない。 結局のところは誰も彼も同じ病人だろうが」 減らず口はあいも変わらず無愛想に。 捻くれた人間性は病のせい、だけでもないのかもしれない。 やっぱり元々あまり性格がよろしくはなさそうなので。 「……何れにせよ、あんたに訊ねる事は増えるだろう。 あんたに答える気があるなら俺だって聞く耳は持つ、が… 俺にだって我慢の限界はあるからな…… 」向けられた背に向けて、また一つ苦言を零して。 いつも通りの軽口に深く溜息を吐いた。 お互いどこかこれら傷病に依存している。 この場所に居る上で都合が良い、というだけではなくて。 病を失えば二度と立てなくなりそうで、だから縋り続けている。 きっと『普通の人』からすればいびつな在り方だろう。 或いは『普通の人』になりたがっている者からすれば。 治した方が余程幸せで居られるように映るのだろう。 けれどきっと、今はそれでも構わない。 これさえあれば、心折れる事は無いのだから。 (-97) 2022/05/07(Sat) 20:52:09 |
【秘】 共謀者 フィウクス → 月鏡 アオツキ「……そうか。」 明かされた事実には、短い返答だけ。 また一つ感情が歪んで、そしていつも通りに抑え込まれた。 「俺があんたを"先生"と呼ぶ事があるかは知らないが。 ……同僚にでもなればそう呼ぶ事はあるのか? …まあいい」「あんたの事は信じてる」 どこまでもそっけなく回りくどく言葉を投げ掛けて。 こちらも同じように踵を返した。 自身がこの怒りを前に進む支えとしてきたように。 あなたがあなたを碑とする事が、 今はあなたを前に進ませるなら、それでいいんだろう。 (-98) 2022/05/07(Sat) 20:55:39 |
充実 バレンタイン(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/07(Sat) 20:56:26 |
エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
【墓】 充実 バレンタイン『124ページ目、「太陽には烏、月には兎─── ……“センセイ”もそうだったのかな』 少し考え事をすれば、 独り言みたいに頭のてっぺんから声が出る。 これだけは余計なお世話だな、とさらに独り言ちて。 さらに遡り、自分の両親のことも考える。 彼らだっていつか愛のもとに集まったはずなのに、 傷だらけになったり、いなくなったりするものだから。 『…… ─── ───』 バレンタインは、睡眠そのものはあまり好きじゃない。 けれど、夢を見るのは好きだった。 大抵は叶わないものだということを知っているからこそ、 それを不安に思う必要も、何も無いから。 (+12) 2022/05/07(Sat) 21:05:29 |
バレンタインは、でも、叶うかもしれない、と信じることくらいはしてみようと思った。 (c12) 2022/05/07(Sat) 21:08:41 |
バレンタインは、それで不安になっても、表現するものがないから、いっそ。 (c13) 2022/05/07(Sat) 21:08:53 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「ふ―――叫んだ結果、学園中に秘密が広まったとして。更なる信頼が得られるようになるなら良いのだがな?」 ジョークに乗っかる形で、小さく笑う。 「人に寄るだろうさ。僕はそう育てられたが―――今は、王族から追放された身だ。 僕がこうして王として振舞うのは、自分がそうしたいと思っているからに過ぎない」 望まれてそう振舞う必要がある人間と、そうでなく 自分を肯定するためにそのように振舞う人間の違い。 前者のプレッシャーは酷いものだろう。少しの失敗が人生を成功から遠ざけるのだ。 後者である自分は、実家の人間を反面教師として より善い王となり、見返したい気持ちもありはするのだろうが。 「まだ知らなくても良い事だ。 けれど、全く分からないということもないだろう?図書委員として、相応しい振る舞いを求められたことはないのか? 例えば、普段ズボラな人間でも、図書委員になって本を乱雑に扱うような姿を見せたりはしないだろう」 ▽ (-99) 2022/05/07(Sat) 21:15:01 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「ッ、ぐ………」 自ら傷付けた腕が、燃えるような熱さを伝えてくる。 額に汗が滲んで、噛み締めた歯の隙間から 時折熱い息が漏れた。 好きなようにさせる。自分はただ与えるだけ。 傷を舌が這う度に、鋭い痛みが伝わって。 「―――ッ」 君の唇が傷口を強く吸い上げる。 声にならない悲鳴のような何かが、喉を通り 外へ出て行く。 強い痛みが信号として伝わると目の前がチカチカとして、壁に空いている方の手をついた。 痛みに慣れていない体は、本能的にそれから逃げようとするが 理性でそれを食い止める。 逃げるなんて、情けないこと。してやるものか。 (-100) 2022/05/07(Sat) 21:15:30 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「そうしたくて振舞う………」 「……そうしたほうが、楽?だから?」 「まぁ……やりたいことをやってるなら、いいのかな。」 一方でおそらくは前者側である彼は。 責任感とプレッシャーに押しつぶされて、そうして。 自分の心の成長を、薬に頼ってしまった。 彼の止まり木になれなかったことは、少し悲しく思う。 「うーん、確かに、肩書………」 「でも僕は、元々本は好きで、丁寧に扱ってたから。」 「あんまり肩書によって、って言うのはないのかも。」 「…あ、でも本が図書室に帰ってきてないと気になったりするなぁ……。」 これが責任って言うものなのかも。 そんな風に考えたり微笑んだりする少年は、 年相応の無邪気な様子であった。 ▼ (-101) 2022/05/07(Sat) 21:37:05 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン一方で、餌を与えられる少年は。 どこか妖艶で、大人びてるような、逆に幼いような。 まるで本当に蜜月の時を交わしてるかのような、その姿は。 やっぱり、そういう姿を見せればより多くの"ご飯"を生み出してくれると わかっていてそうしている、捕食行動の一つでしかない。 「もっと…………もっと…………」 食べれど食べれど収まらない空腹。 甘ったるい声で懇願して、口の周りまで紅で汚して。 ぺろ、ぺろ、浮き出した汗まで丹念に舐め取る。 その細長い指の一つ一つを口に含んで、指の間に舌を這わせて。 それでも全然足りなくて、もっと、もっと欲しくて。 だから。 真新しい傷口に、思いっきり歯を突き立てた。 「美味しい……熱い……好き………リアンさん………好き…………」 ドバっと溢れ出した血を思いっきり吸って。 ぐい、と体を押し付けて、叶うなら押し倒してしまおうと。 愛を語るその言葉もやっぱり。 何一つの感情も灯らない、ただの捕食行動でしかない。 病で歪んだ少年の、ありふれた食事だ。 (-102) 2022/05/07(Sat) 21:47:36 |
【墓】 充実 バレンタイン>>14 エルナト 『124と125ページの間…… の、どこかまでは忘れちまったから、 その頭から読んでくれたら大丈夫。──ありがとう』 君が離れてから身体は微動だもしていない。 肉声も、表情すらもないけれど、 内側には気持ちが色々、沢山籠っている。 それを伝える手段がないのが心惜しいだけ。 『動けるようになったら……すぐに、── いやすぐには保証できないな。ともかく、 ずっとこのままなわけじゃねえし。 筋肉が衰えないようにと起こされた時に、 身体が大丈夫そうだったら戻しに行くよ』 車椅子を進めて、ちょっとだけ距離を詰める。 『あ』と短く声をあげれば、少しの沈黙が挟まれて。 『……読み切ったら、でいいかな。 もっと時間がかかるかもしれないけど』 (+13) 2022/05/07(Sat) 21:48:42 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
バレンタインは、反応を返すことはできないが。目はずっと本の文字を追っていた。 (c14) 2022/05/07(Sat) 22:21:22 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ頬に触れる手にぴくりと身体を震わせて、様子を伺うようにまた視線を君に向ける。 守ってあげたいと思っていた君が、これほど頼もしく思えるのはどうしてだろうか。 自分が情けないと思いながらもこの手を振り払うことはできない。 恐ろしくて、不安で堪らなくて、何かに支えてもらわなければまた立ち上がれない。 「……あの後にはもう、だめになっていたんだ。 自分自身では、気付けなかったけれども……ああでもしないと、どうにもならなくて……」 涙と共に零した言葉に滲むのは、悔しさと深い絶望。 「私だって……私だって、本当はずっと……」 「そんな風に弱さを克服していければと思っていたんだ…… 今までのように、自らの意志で乗り越えていこうとも…… 「けれど、最初から……最初から私は……違ったんだよ…… 最初からあんな方法でないと、私は何も、できなくて……」 少年のその勇気は、最初からあんな方法を頼りにしていたものだった。 たとえ、それからの歩みの全てが彼の意志によるものだったとしても。 今まで信じていたものを足元から崩されれば、少年は挫けてしまった。 ▼ (-103) 2022/05/07(Sat) 22:35:36 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「頼りなくなど、ない……けれど……」 だから、再び立ち上がるにはそれだけでは足りない。 立ち止まってしまった泣き虫が、また最初の一歩を踏み出すにはもっと目映い勇気が必要だった。 「…………」 「君が手を握ってくれるのなら、勇気をくれると言うのなら……」 「この秘密を明かして構わないと、思えるほどの勇気をおくれよ……」 その言葉が意味するものは、きっと君にとってはもっとも残酷なお願い。 真実を知らぬからこそ、可能性すら想像しないからこその残酷なお願い。 「でなければ、私はきっと…… シャルロッテくんが好いてくれたバラニに…… 戻れないままに……なってしまいそうだから……」 (-104) 2022/05/07(Sat) 22:41:25 |
【秘】 抑圧 フィウクス → 雷鳴 バット結局のところ、何かを与え、与えられるよりも。 ただ互いに適切な距離感が保たれていればそれでよかった。 フィウクスという気難し屋はそういう人間だった。 「……そうだろうな。」 子供は育てなきゃよそに悪く言われる。 あなたの口から出るには少し違和感のある言葉。 その理由を知らないなりに考えて、少しだけ眉を顰めた。 「この場所を出る頃には、 俺達は少なくとも子供とは言えない歳だ。 社会に出て、自立して、自分で自分の事に責任を持って そうやって生きていく事を求められ始める歳だ」 「どうすれば外で生きていけるのかなんて、 誰もろくに教えてくれやしないまま」 あからさまな口減らしをすれば角が立つけれど。 こうして確かに治療を試みて、善処して、それでも。 結果的に、社会に適合できなかったとしたら。 それは仕方のない事ということになるから。 仕方のない事ということに、なってしまうんだろう。 (-105) 2022/05/07(Sat) 22:51:52 |
【秘】 神経過敏 フィウクス → 雷鳴 バット「そんなのは、俺はお断りだ。」 生きていけもしないような苦痛と、 辛うじて生きてはいけるような苦痛と。 今はまだその何れかを選べる。今はまだ後者を選んでいたい。 「何れにしても俺は人混みの中では生きていけない。」 もしもこの場所から飛び立った先にあるものが、 その空気さえもが自分を苛むだけのものだとしたら。 それならここでできる事をしていた方が幾らかマシだと思う。 「だから俺はここに残る事になるんだろう。 来年も、その先も、ずっと。 いつかお前の事を見送るのか、 お前も同じようになるのかは定かじゃないが。」 ここを出て、当て所もなくたって、行ける所までは。 何処かを目指してみようと思えるなら、それで良いのだろう。 自分はそう思えなかった。ただそれだけの話だ。 (-106) 2022/05/07(Sat) 22:53:03 |
【秘】 ライアー イシュカ → 雷鳴 バット「…………そうかい」 落胆染みた溜息。ここまで言っても答えないという事は 余程話したくない事なのはさすがに教師の適性がない男でも察しが付く。 こっちに寄ってこないままの兎と貴方を交互に見て肩を竦めた。 「これだけ言っとく。 何でお前が飼育委員なのかは知らんし、 大人が決めた事なら僕にもどうこうできないから黙るけどさ」 「"あいつら"が可哀そうって思う事やってんなら、 ……思うようになったら?なのか?まあいいや、止めろよ。 行為でも委員でもどっちでもいいけど」 本当に逃がしてしまって言い淀んでいる可能性も否定できない。 けれど男は貴方についてそこまで詳細に知っている訳でもないから、もしも、の仮定の話でしか伝えられない。 「フィウクスといいさあ…… 何で別に好きでもないのに飼育委員やってんだ」 その分の鍵を僕に回してくれればいいのに、と。 その場にしゃがんでどうにもならない事に悪態を吐いていた。 (-107) 2022/05/07(Sat) 23:14:15 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「見に来てやったぞ」 貴方の部屋に押しかけた開口一番がこれである。 最も本当にこの部屋で見るつもりはない。 そんな事を要求すればラットと対面できずに終わるのが目に見えているし、普段実習生同士で会話の為の部屋を抑えている。 「僕も戻って来れる目途が経ったら何か飼うかな……」 部屋に向かう途中でポツリとぼやいていた。 (-108) 2022/05/07(Sat) 23:17:35 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニすり、すり。白い指先があなたの頬を撫で、こぼれる涙を丁寧に拭う。 手を振り払わずにいてくれることがうれしかった。 もしかすると、そんな気力もないだけかもしれないけれど。 「――ねえ、それじゃあ、今から私と、別の方法を試していこう」 ひとりのあなたが挫けてしまったのなら。 ふたりの私たちで、何かを変えられるかもしれないから。 ぐっと身を寄せて、あなたの額に口付けをひとつ。 それは、おまじないのような。 或いは、最後のお別れのような。 すぐに離れて、少■は一度、立ち上がる。 「――もしも、私の秘密を知っても。 バラニがまだ、私のことを好きでいてくれたらだけど」 ▼ (-109) 2022/05/07(Sat) 23:36:20 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ嫌われてしまうかもしれないと思うと、今も怖い。 けれど、知らないところで他の誰かに壊されてしまうより、自分できちんと話をしておしまいになる方が、ずっといい。 少■は躊躇いなく、ふわりと揺れるジャンパースカートのファスナーを下ろした。 ――床へ落とせば、ごとりと固い音がする。 次にリボンタイをゆるめて、ブラウスのボタンを外してゆく。 ――最初に見えるのは、目立ち始めた喉頭。 露わになるのは白皙の肌。 薄く華奢な、少年のからだ。 「バラニが好きになってくれた『女の子』は、いないの」 「ずっと黙ってて、ごめんね」 ――脱ぎ捨てられたジャンパースカートのポケットからは、 鈍く輝く鋏が飛び出している。 ――いらないところを切り落としたら、まだ、好きでいてもらえるだろうか。 などと、そんな絵空事を少しだけ、考えていた。 (-110) 2022/05/07(Sat) 23:37:34 |
イシュカは、全然動物に見えなくて無言になった。ラピスのを見て更に悲しくなった。 (c15) 2022/05/07(Sat) 23:47:16 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「けっこう私もやっと悪いことしはじめたんですよ? それでも耳に入らないなんて!」 「あらあら、すみませんね〜そこまで気が回りませんでした。 本当にみたことがないものですから、……送ったことはあるんですけどね。 その扉の向こうは知らなかったんです」 無理矢理食べさせず冷えたチーズを口にする。 こんな贅沢だって自分にとっては悪いことだ。 実習生だけで密会をして、お酒を飲んで、正しくない時間に食事をする。 これをしなければいきていけない者もいるというのに。 世界は狭いな、なんて遠くで何かを考える。 「中々大変な病ですね、聞き取る言葉が逆に聞こえるのは。 思い込み……被害妄想、そういわれて淘汰されて終わる話です。 "嘘"とはおもいませんが、世界がそうであったのなら嘘つきになってしまったかもしれないですね。 大変そうですね〜。それじゃあ私なんて、 とてもじゃないですが話しにくかったでしょう。 私、嘘ついたことないんです。心配しないで下さいとは言いませんが…… 信用だけはしていいですよ、イシュカ」 (-112) 2022/05/07(Sat) 23:52:25 |
アオツキは、イシュカのパンをみて、お花には見えますよと励ましの言葉を送った。 (a32) 2022/05/07(Sat) 23:53:31 |
【墓】 充実 バレンタイン夕暮れ。物語を反芻する。 特別なものはなにもない、 愛が成就する、普通の結末を。 きっとそういうものだ。 夢みたいなものなのは、愛それ自体であって、 普通の幸せを得ることはそれほど難しいことじゃない。 不安の病を患っていても、同じことだ。 ましてやどんでん返しで不幸になることなんて、 そうそうあるはずもない。なるべくしてなるもの。 僕のこの身体も、彼の語った恋の結末も。 『僕たちは、──望み過ぎたんですよ。 もっと普通でいいんです、センセイ。 身の丈に合った幸せと向き合わなくちゃ─── それ以上は手に入らないだけだったんだ』 誰かに話しかけるように。 手紙もまた認めなくっちゃな。 (+15) 2022/05/08(Sun) 0:04:06 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「楽ではないだろうな。 敢えて言葉にするなら―――それが夢だったから。だろうか」 だから、自分は苦労こそすれ潰れるような事はなかった。 目標であり、生き方であったから。 もし、君の同室と話す時間があったのなら。相談くらいは乗れたのだろうか。 たらればの話だ。 「そうだな、図書室の利用者が 規則を破っていたとして、それを見過ごすこともないだろう? 他の利用者に不快な思いをさせたくないという責任感は、多少あるはずだ」 そういったものだ、と頷いて。 まだ中等部にいるのだから、気にしすぎる事はないと思うけれど。 それでも、少し何かを知ることが出来たのなら良いと思う。 ▽ (-113) 2022/05/08(Sun) 0:05:34 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト王を演じている青年は、誰かと恋仲になったことはない。 だから、他の人間を此処まで許したことがなく、誰かに靡いたこともない。 今だって、君に許しているのは食事のための行為だけだ。 だから、君の妖艶な姿にも 他の人間ほど良い反応を示すことはない。 どこか冷めたような目で、君の食事を眺めていた。 気持ち良いわけではない、どちらかと言えば、痛みと感触に対する不快感の方が強くて。 「ぐ、ぅぁ…っ!?」 だから、歯を突き立てられた時には 耐えられず声を上げて。 強く眉を寄せ、君の肩を引き離そうとする。 しかし、血の抜けている細身の体は自分の身体すら支えられず。 君の思惑通り、押し倒してしまう事が出来るだろう。 強く背中を打ち付け、呻き声をあげているはずだ。 「っ、は……お前が、好きなのは……僕じゃ、なくて…… 与えられる、飯……だろうが……」 ぼんやりとした思考でも、感情の入らない言葉には減らず口を返して。 君が満足するまで、結局は抵抗もままならない。 ああ、クラクラする。 (-114) 2022/05/08(Sun) 0:06:52 |
リアンは、今日は昼食以降、表で姿が見えなかっただろう。 (a33) 2022/05/08(Sun) 0:07:54 |
【秘】 王 リアン → 神経質 フィウクス君の手を取った次の日。 自分の寝台で暫くぐったりしている姿があるだろう。 白いブレザーは赤黒い染みが飛び散って、しかし疲れ切ったように着替えられずにいる。 君が戻ってきたときにはそんな姿があるかもしれない。 (-115) 2022/05/08(Sun) 0:16:05 |
イシュカは、「咲く」ってか。嬉しくないやい。 (c16) 2022/05/08(Sun) 0:22:46 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
ラピスは、アオツキの励ましの言葉にうんうんと頷いていた。 (a34) 2022/05/08(Sun) 0:28:11 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアンたとえ何一つ意味がなくとも、 その捕食行動はやめられない。 食虫植物が、常に虫を誘引する香りを出すように。 ただただ決められた行動を、顔を、声を出すだけ。 服も顔も、君の紅色に染まっていく。 でもそれを気にすることもない。 少年は、非力な方ではあるけれど。 血の抜かれた人間に負けるほどではなく。 引きはがされそうになれば、反発するように身を寄せて。 自分事倒れ込むように、押し倒す。 「何が違うの……?わかんない、わかんないよ……… だって、貴方達は僕のご飯でしょ………? ご飯が好き……リアンさんが好き……すき、すき………っ」 ひと 君と飯の違いが理解できない少年は。 例えば唐揚げを食べて、鶏が好きだというくらいの温度で。 君に蜂蜜のような愛を囁き続ける。 馬乗りに胴体に乗って、顔を寄せて。 「ね、ちゅー……ちゅーしよ……?」 「ちゅーしたい………お願い………ちゅーしたいの…………」 泣きそうな顔で懇願して。 それが受け入れられれば、その薄い色の唇に貪りつくし─── ▼ (-116) 2022/05/08(Sun) 0:36:09 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられないなら。 君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。 「もっと……もっと………っ」 「ぼくをいっぱいにして…………」 振りかざして。 肩に思いっきり振り下ろす。 何一つの躊躇もなく。 牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。 樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。 傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。 (-117) 2022/05/08(Sun) 0:40:28 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタインちなみに、道中にて。 「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」 「君の体って、動きはしないけど……」 「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」 「そういうのも、完全に機能してないの?」 そんな質問をしたことだろう。 (-118) 2022/05/08(Sun) 0:47:08 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナトまるで、口を汚して食事をする幼児のようだ。と思う。 もしくは怪物か。もう少し綺麗に食べるものだと思っていた。 「はッ……く……」 分からない、と繰り返す君に何かを言いたげな顔をするものの、頭は回らない。 パンを焼いてもらったからと言って、パンを焼いた人間を好きになるものか? 君は、誰の体液だろうが同じことを言うのだろうに。 「、っ……馬鹿を、言うなよ……お前は"家畜に口付ける"のか? それに、僕も……飯を提供する、だけの相手に、唇を許すほど寛容では ない……ッ」 どれだけ泣きそうな声を上げても。 それだけは、 受け入れなかった 。だから、鋏を取り上げる事も出来ず 君に 肩を抉られるのだろう。 思い切り目を見開いて、息の詰まったような声を上げる。 どくどくと溢れ出す鮮血が、ブレザーの肩口に染み出し 君が口に入れ損ねた分は床に広がっていく。 目が霞み、焦点が合わない。体の温度が下がっていく。 けれど、王の矜持か。意地か。君が動きを止めるまで、意識を手放すことはないだろう。 (-119) 2022/05/08(Sun) 1:08:22 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「……来てくれと頼んだ覚えはないが」 ドアを開けて、第一声は辛辣なもの。 いつも通り神経質に眉を顰める表情はどこか疲れ気味で、 それでも塩対応の後に一つ溜息を吐けば一度部屋へと引っ込んだ。 勿論ボイコットではなくケージを持ち出す為に。 「…生き物を飼ってると、どうしても」 部屋に着けば適当な所にケージを置いて、 その扉に指を掛けながら呟いた。 「死ねなくなるんだよな」 初めは単なる動物介在療法だったのか、 それともこの病ゆえだったのか。 或いは、死なない理由を与える為だったのか。 大人がそれを勧めた理由は、今となっては知る由もない事だ。 「寿命の長い生き物を飼うには。 俺はいつここから居なくなるかもわからないし、 もしもの時は預けられるような奴も、…居なかった」 ラットは賢く、飼い主をよく見分ける。 クリーム色と薄茶色、ケージの中の二匹の鼠が 開けた扉から差し入れた指に寄り付いた。 (-120) 2022/05/08(Sun) 1:08:29 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「……はあ、何だよ悪い事って。 その言い草だと送ったこと、以上に何かしてんのかよ。 そもそも……何となく聞きそびれてたんだけど、 何で急に性格変わったの、お前。 教師になるって決めたから?」 それは余りに今更過ぎる疑問で。 問い詰めてまで聞く事ではなかったけれど、 一生聞かずにも居られなかった。 それくらいの疑問。それ程の疑問。 「……だから学生時代嘘つきって言われたんだよ。 大人が庇う訳がないよな。なんだっけ、負の感情……? そんな馬鹿げたもん集めてたなら、 僕が酷い目に遭い続けてる方がいいわけだ。 ……ほんと、笑える 」全く笑顔のない張り付いた表情のまま。 続く貴方の言葉に「図星だから」ふいと目を逸らして、でも続く言葉に思わずジト目を返しながら呆れたようにチーズを口に含む。 「……その言葉を受けるかは、 そもそもなんで嘘ついた事がないかの話が先だよ。 余程の信念でもない限りはそうは言い切れないだろ」 (-121) 2022/05/08(Sun) 1:13:21 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン今までは、もっと奇麗に食べていた。 そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。 傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに 獰猛に食事することはなかった。 でも ▼ (-122) 2022/05/08(Sun) 1:19:27 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「ま、そうだ。じゃないと僕だって、 ワイルドストロベリーの育成だけで満足してない」 これだけ兎推しの男が飼わなかった理由は似たような物で。 最も残していく恐怖以外にも、教育実習生になるから引っ越しの為にと言うのは勿論あった。 だから代わりに葉目当てに野苺を育成していて。 パウンドケーキだってその頃大量に実が余っていたから始めたもので、園芸部に餌を貰いに行きはするものの、そもそも学生時代は人と関わる機会は少ない方がいい男だった頃の名残だ。 「だからお前は大人に飼わせられてたのかも? ま、推測であって何で飼ってるか知らないけどさ。 僕は……動物が居なくても22になるまでは、 余程じゃないと死なない理由があったし、納得はする」 推測と言ったのは、貴方が特別に動物好きには見えなかったから。 むしろ自分が一番動物が好きだと最近思えて来た程だ。 「……もしもの時、ねぇ。正直言うとさあ」 ラットを見て僅かに顔が和らぐ。 普段の仏頂面を見ていないと気付き辛いが、兎が一番で動物が好きになった本来の理由が逃避だとしても確かに好きなのも変わりないのだ。 手を驚かせないようにできる限り低くして差し出す。 なお噛まれる可能性も折り込み済みだ。 「こいつら可愛いし、引き取ってもいいけど。 それするとお前、生きる理由なくなりそうだから。 そもそも僕もその保証期間はもう1年切ってるし」 (-123) 2022/05/08(Sun) 1:26:10 |
【秘】 充実 バレンタイン → 司書 エルナト『藪から棒に……まあエルナトにならいいか。 人形にされたわけじゃないから、 そういう代謝?とかはきちんと働いてるみたい。 おむつとか履かされたの何年振りだって話。 あまり言いふらさないでくれよな。 恥ずかしいって思う気持ちだって残ってるし』 顔には全く出せなくなったけど。 (-124) 2022/05/08(Sun) 1:27:39 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン 自 分の病 の気持ち悪 さと、病のせい で誰一人真の意味で 愛する事ができないと言 う苦痛と、それらが溜まりに 溜まった結果、重度の過食症にな ってしまって、ただでさえ満足に 取れなかった食事は、常に飢餓を 訴える体を満たすことが難しくて それでも今日まで出来るだけ頑張 って我慢してきたのだけど、もう 限界で、その時に貴方が声をかけ てくれたから、もう、飢えた 獣は貴方に縋るしかなく て、お腹をみたして (-125) 2022/05/08(Sun) 1:35:10 |
【秘】 苛々 フィウクス → 王 リアン「──おい、」 あちこち用事を片付けて、自室に戻って来て。 その時にふと目にしたあなたの様子に、 露骨に不機嫌を隠しもせず、じたりとそちらを睨め付けた。 「俺は先走るなと言ったつもりだったんだが どうにもお前には上手く伝わっていなかったらしいな?」 地の底を這う機嫌と同様に、随分低い声色で。 多少の無理はしなければならないのはわかっている。 それでも程度というものがある。そんな苦言。 (-126) 2022/05/08(Sun) 1:35:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられない。 苦しい、もっと、もっと食べたいのに。 この飢えを満たして、満たして。 満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、 そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。 もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。 だからもっと食べないと、もっと、もっと。 もっと食べるには、こうするしかなかった。 噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。 やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。 満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。 捕食行動は、もうとる必要が無くて。 顔を、あげて。 「……リアン………さん………?」 「だい、じょうぶ………?」 ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。 少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。 (-127) 2022/05/08(Sun) 1:40:47 |
【秘】 王 リアン → 神経質 フィウクス「……先走ったつもりは なかったんだがな」 掠れた声で答える。 腹を空かせた下級生に、食料を供給しただけだ。 それにしたって程度はある。分かっているのだが。 「…どちらにせよ、過ごしやすくするには…僕自身の治療も、必要なのだろうな」 手助けをするだけで、進行するのだ。左眼に影響が出るのも時間の問題だろう。 (-128) 2022/05/08(Sun) 1:44:49 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン「へぇ……そうなんだ。」 「……そうなんだ……………」 と、相槌を打つ声は。 少しばかりの熱を帯びて。 絶対に逃げない餌がここにいる。 じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。 「……おむつとか変えてあげようか?」 「……なんてね。ふふ………」 ドキドキと高鳴る鼓動。 きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。 (-129) 2022/05/08(Sun) 1:45:10 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト君の抱えている病気が深刻で、生きづらいことは分かっても。 全てに応えられないことが歯痒い。 どんなものでも差し出せる、というには関係が浅すぎるだろう。 今は、自分が提供出来るものを 満足いくほど渡せていればいいと思った。 「……満足、出来たか…?」 声の方向に顔を向けて、掠れた声で問いかける。 大丈夫というには、血が足りなくて。起き上がれないどころか、腕ひとつ動かせない。 (-130) 2022/05/08(Sun) 2:01:27 |
バレンタインは、冗談言うなよ……とげんなりした。それが本気であるとは露知らず。 (c17) 2022/05/08(Sun) 2:01:33 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「シャ、シャルロッテ、くん……!? どうして服を──」 額に口付けを受ける。 君のかけてくれるあたたかいおまじないが、冷たい心にぬくもりをくれたと思えば。 躊躇いもなく衣服を脱ぎ始めるのを見て、酷く慌てたように思わず目を逸らした。 どうしていきなりそんなことをするのかすぐには理解できずに、ひとつ確かめるように、おそるおそる君の姿を見る。 ごとり、固く鈍い音が部屋に響いた次の瞬間。 「ぇ――――」 ──少■は言葉を失った。 ▼ (-131) 2022/05/08(Sun) 2:02:36 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ──君は、女の子では、ない。 「最初、から……?」 明かされた残酷な真実に問いかける言葉も最後まで続かない。 この光景を見てしまえば冗談だろうとも言える余地すらない。 君から告げられる言葉も事実を裏付けるものでしかなかった。 『こんな私が惹かれてしまったのも、君が男の子だったからなのか?』 ひとつの疑問が頭をもたげる。 もしそうだとすれば、私は最初から立派な男になどにはなれなかったことになる。 ──そんなもの、到底認められるはずもない。 君の明かしてくれた秘密を受け入れがたいと思った気持ちは、紛れもなく本物で。 ▼ (-132) 2022/05/08(Sun) 2:03:37 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ──けれども。 少■にとって今の君は、とても目映い■の子に見えた。 君のその行為が、計り知れないほどの勇気と覚悟をもってなされたことだともわかるから。 君がくれる勇気を、ただ受け取るだけでは嫌だと。 君が支えてくれるだけでは、納得できないのだと。 君と共にあるのに相応しい人間でありたいのだと。 そう思ってしまう気持ちも、紛れもなく本物だった。 「…………」 何も言葉を紡げぬまま落とした視界には、スカートのポケットから飛び出した鋏が映り、鈍い輝きを放っている。 (-133) 2022/05/08(Sun) 2:04:41 |
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン決して君が悪いわけじゃない。 少年は元から、誰とも関係を深められない。 だって、他人と自分を対等に見れないのだから。 例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。 少年はきっと、救われる術が存在しない。 「うん………だいぶましになった………」 「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」 ペットを虐待してしまったような気分だった。 可愛がっていたのに、つい衝動的に。 申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。 でも、出来るのはその程度で。 「どうしよう………トットくんがいればな……」 「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」 床に広がる血が、したことの重さを物語る。 直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。 大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。 (-134) 2022/05/08(Sun) 2:48:08 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「気にすることは、ないだろう……僕が、許可したんだ。 他の、どの体液を提供するより……これが、一番良かったからな」 最善だった。だから、これで君が少しでも満たされたなら良かった。 だが、これと同じだけのものを毎食提供するのは難しい。 輸血用のパックを使うわけにもいかないだろうし、何かしらの方法を考えた方がいいだろうか。 まあ、今は深く考えられるだけの頭が回らないのだ。後ほどの課題になるだろう。 「……実習生の先輩に頼むと、いいだろう。アオツキ先輩、あたりは…親身に、聞いてくれるはずだ」 止血をしてくれているのなら、暫くすれば起きて歩けばするだろうが。 もし誰かを呼んで運んでもらえるのなら、自室前までと指定していただろうか。 「トットは……力仕事が、得意なようには みえなかったが」 ふと、気になったことを尋ねる。 (-135) 2022/05/08(Sun) 3:15:26 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピスホットミルクに口を付けようとして、 並べられるパンに手を止めて。 そういえばしばらく、全然食事が摂れてないなと ぼんやり思いながら。 綴られた文字を見れば。 「っ、…………、」 目を見開いた後に、俯いた。 ▼ (-136) 2022/05/08(Sun) 3:26:37 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス──もしかしたらと、少しは思ってた。 だって、そうじゃなかったら教えて貰えない理由もない。 そりゃ、わたしが心配だから、自分だけでやるため みたいな風にも考えられたけれども、 頑張っていいように考えたら、なだけ。 俯いた手元に、白い水面が見える。 眠れない時とかにあなたが作ってくれる、 甘くて美味しいホットミルク。 ここでうん、って言わなかったら。 ラピスちゃんにも迷惑がかかるんだって、わかってる。 「…………。」 でも、言葉が出てこない。 素直にわかったと言えない。 こわい。 口を引き結んだまま、黙りこくって。 漠然と手元を見つめている。 (-137) 2022/05/08(Sun) 3:29:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「あはは、そうですね〜。 でも私は君がこの場所にやってきても先輩です。 年功序列ではありません、成果を出して下さい。 トランプのジョーカーが誰かしりませんけどね。 ふふ、君を爆発させたら困るとリアンくんに言われました。 君ではなく彼に悪いのでやめましょう。 彼の病気も進行させたくありませんから」 知らない振りをして、目をそらそうとした。 「先生ですよ? 私は。 アオツキ先生です」 その病と向き合った結果の逃避が許されてしまったのなら、 いつかこれが治ってしまったときも、 誰かが傍に居ないとやっていられないだろう。 どうせ一人でどうにもならない、 迷惑をかける存在が多くてもそれはそれで。 「よろしくお願いしますね」 大勢を巻き込んででもこの夢を叶えさせてやろう。 (-138) 2022/05/08(Sun) 4:11:43 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス――あお、僕は。 ――これからも君になる時間がないと生きていけないようだ。 貴方の姿が見えなくなって、立ち止まる。 人気のない空間がやっぱり一番落ち着いて、目を閉じる。 もう立ち止まらないと決めた直後に之だ。 ここに来て、彼らの言葉が積み重なる。 "この場所でないと生きられない。" そんな未来を幸福だと思わないのに。 そんな未来を幸福じゃないと言うことを拒んでいる。 クロツキ、将来の夢はできましたか? 私と一緒に先生をしませんか! 「 フィウクス先生? はは、あははっ」「全然 似合わない」 (-139) 2022/05/08(Sun) 4:18:58 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「…さあ、どうだろうな。 俺にとっては惰性みたいなものだが、……」 「 人間を相手にするよりはマシだからな 」なんともひどい理由としか言いようがない。 そして推測通り特別動物が好きという事も無い。 病が病ゆえこうなってしまうのは仕方ない事なのだけど。 この病は、本当はずっと一人で居るのが一番楽だけど。 それが孤独に耐えられるという事に繋がるわけでもなかった。 だから少しはこの惰性にも意味があったんだろう。 「別に。今は死ぬ気があるわけでもない。 問答無用でここから放り出されるならそうも言ってられないが。 そうならないよう手は打つつもりでいるし、… こいつらは多分、もうお前には懐かないだろうしな」 薄茶の鼠は気難し屋の手を伝いその肩へとよじ上っていった。 残る一匹は噛みこそしないけれど、 今はまだ用心深くあなたの手の匂いを嗅いでいる。 大人になってしまった動物は、そう簡単には懐かない。 「……お前がこれからもこの場所に居続けるなら。 今度こそ鳥を──鴉を飼うのも悪くはないが」 「これから10年以上も生きられる自信はあるか?」 これは生きる理由ではなく、死なない理由で、単なる先延ばし。 (-140) 2022/05/08(Sun) 4:55:03 |
【秘】 抑圧 フィウクス → 王 リアン「…………」 深い溜息。 先走ったつもりが無いからそうなったのだろうが、 とでも言いたげに眉根を寄せて。 「……その為の手段があるのなら。 ぐずぐずしてないでさっさと行動するべきだ。 治療を受けただけでお前の悪癖が改善されるとも思わないが 何かする度にお前の病状まで気にしてる余裕も無い。」 「俺もいい加減話をつけなきゃいけない頃だ。 約束通り、引き摺ってでも連れて行ってやる」 今更怖気付いたところで有無を言わせるつもりも無い。 "治療"の必要な者を大人の元へ引っ立てる、なんてのは。 秘されたものを暴こうとする者も、 望む望まぬに関わらず、罪を重ねざるを得ない者も その善悪を問わず、異端を犯す者を等しく狩り立てる者。 そんな汚れ役を負う事で、初めて居場所を得る者。 ああ、いかにも異端審問の役目らしいことだ。 (-141) 2022/05/08(Sun) 5:34:58 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「そりゃあ、生徒達に連れて行かれたあとのことを話すとか、 夜に抜け出す為の抜け道を教えたり……悪いことですよ〜」 大人にとって都合悪いことの意味で。とお酒を一口。 次の問いには暫く黙った。先にと話を整理する。 「そういうことだったんですね〜。全然わかりませんでした。 負の感情という噂も正直私は納得いっていませんし……、 少々その辺りを調べなければ。 イシュカ、"まとも"になったのなら手伝って下さいね。 信念なんて証明の仕方わかりませんから、 言葉と行動で見せます。 私だから ここを生徒達の為の場所にできる。 そうきまってるんです」 ああ、言わないといけないのか。と。 もう崩れてきたそのメッキを君の前でも剥がす日がやってきた。 その言葉は、誰かの言葉だった。 (-142) 2022/05/08(Sun) 5:52:43 |
【教】 神経質 フィウクスこの夜を以て監視者は瞼を下ろすことだろう。 くそったれな役目もこれで終わりだ。 取引の下に課せられた役割は果たした。 そしてこれ以上に為すべきことを、 (/0) 2022/05/08(Sun) 5:55:10 |
神経質 フィウクス(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 5:55:40 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「はい、先生になるって決めたからですよ〜?。 こっちの 口調の方が生徒達も話しやすい ですし、彼らを幸せにする糸口をつかみやすいもんです。イシュカはぶっきらぼうですしね?」 君なら知っているだろうか、彼の一人称が僕だったことを。 君なら知っていただろうか、彼は■■と慕っていた先生がいたことを。 君なら、好いた存在を喪ったその先を理解できるだろうか? 「『私はきっといい学園にさせられます。 生徒達が望むよりよい生活を作りたいんですよ』 これは、絶対叶えることです。諦めたりしません」 「性格が変わった? ちがいますね。 ―― 不要なもの を退けたんです」「 クロツキ は死にました。私 が殺しました。だって 先生 に相応しいのは、私 ですから。……これでいいですか〜?」 (-145) 2022/05/08(Sun) 5:59:13 |
トットは、昼過ぎ。急に現れては、なんでもなかったようにいつも通り。 (c18) 2022/05/08(Sun) 9:05:34 |
トットは、頭の花飾りは無くなって、代わりに右眼に花が咲いていた。 (c19) 2022/05/08(Sun) 9:06:48 |
トットは、夢でも見てるかのように、ずっとふわふわと幸せそうに笑っている。 (c20) 2022/05/08(Sun) 9:09:22 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニだって、見た方がわかりやすい。 少年は自分が男性であることをずっと、わかっていた。 心が違っているかと言えばそうでもなくて、自身の性別に違和感を抱いたことはない。 「『シャルロッテ』は、お母さんの名前だったんだって」 「私を生んで、死んじゃったお母さん」 「私が殺したお母さん」 「だから、代わりにならなくちゃって、思って」 お父さんの最愛の人を奪ってしまったのだから、埋め合わせて償わなければならないと、ただずっと、そう思っていた。 少年は『お母さん』にならなければならなくて、けれど、それは『女の子』になりたいと思うのとは違う。違ったはずだ。 「……嫌いになった?」 「うそつきって思った?」 ——あなたの隣にいられるのはどちらか、と考えるまでは。 ▼ (-146) 2022/05/08(Sun) 10:40:35 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニぎ——と、ベッドの軋む音がする。 ベッドの端に膝をつき、手をつき、少年はあなたの顔を覗き込む。 あなたの恋した少女のかんばせ。 あなたの知らない少年のからだ。 掠れた声は歌のせいではない。 ただ、自然に迎えた変声期の途上にあるだけ。 治まれば、ソプラノの声は永久に喪われる。 これから身長だってきっと、伸びてゆく。 『少女』の寿命はもう、幾許もない。 「——バラニ」 苦しいな。 『シャルロッテ』をやめて、『お母さん』になることをやめて、あなたのそばにいられたらいいのに。 『少女』でなくなれば、やっぱりそれも叶わないのかもしれない。 (-147) 2022/05/08(Sun) 10:41:19 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ素直に頷くことが難しい願いだろうことはわかっていた。 何も言わずに眠らせた方が、事が面倒にはならないのも。 でも、話しておくべきだと思った。 勝手な願望でもせめて幼い協力者には真摯でありたかった。 『全て終わらせるためです』 『あなたを早く解放してあげるには、 これしか思いつきませんでした』 治療対象になって処置されてしまえば実行者に加わることは暫くなくなる。 断られれば困ってしまうのはそうだろう。 無理やりに連れて行かなければならない。 しかしクロノの体格では、大人達が動員されればすぐに捕まってしまうだろうことも予測できる。 『こわいことかもしれません』 『でも、約束のために』 『治療を受けてはくれませんか』 交わした約束。 もしも、この治療で良くなったのなら、外へ出る日が一歩近づく。 他にも様々な理由はあるけれど、この理由も本物だった。 (-148) 2022/05/08(Sun) 12:28:16 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「それは」 「そうだけど…………。」 その為に人を傷つけてしまったことも。 血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。 傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。 色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。 いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、 そんな不安を、抱えて。 「……うん…………わかった。」 「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」 体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。 多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。 きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。 「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」 「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」 本人から聞いた話。 どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。 (-149) 2022/05/08(Sun) 12:45:24 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「……トットくん。」 ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。 なんとも華やかな右目になっていた。 人によっては怖さすら感じるビジュアル。 「………大丈夫?」 昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。 今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。 (-150) 2022/05/08(Sun) 12:55:09 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「あれえ」 声を掛けられると、ゆっくりそちらを向いた。 緩慢な動作は水にでも浮いているかのようだ。 「エルナトだあ」 「あ〜 あ〜? そだ こないだごめんねえ」 「おはな……あるよお まだ」 そう言って、手に持っていた紙袋を見せた。 「……? あ」 「えへ おれねえ だいじょうぶ! いまふわふわなの んふふ」 「ずっとおはなさいたあとみたい んふ」 (-151) 2022/05/08(Sun) 13:05:45 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。 花の蜜みたいに甘ったるい声。 可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。 「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」 「無事………ならいいけど。」 本当に無事かはおいておいて。 掲げられた紙袋に目を向けた。 お腹が減った。 「それは……大丈夫なのかな?」 「……お花の位置も変わってるけれど……」 「その目の花は、抜けないの?」 ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。 (-152) 2022/05/08(Sun) 13:10:28 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「あーあ、いやだいやだ。消去法ばっかの人生なんて」 なんて茶化すけども、そうし続けるのは己も同じ。 動物の好みの差はあれど、人に対しては似たようなもので。 それをしてない様に見える相手に言われると怒りだすのが最悪なのだが。 「手ぇ打つってなにすんの。 まさか、お前も実習生になるとかいいだすわけ? ……想像したら僕より不味い気がしてきたな。 ん、こいつ物怖じしないな。かわいいな………… 懐かなくても乗ってくれるだけで上出来だ。 こっちから手出ししない限り襲わないし。 人間と違って なお、平静を装っているように見えかねないが、実際の声色は余りにも温かい、もとい温くて上擦ってるのを必死に抑えている。 まるで何も隠しきれていない。 本当に貴方が死んでも勝手に引き取るのではと思いかねない程の。 気を取り直して。 「……鴉は嫌いじゃない、が……あと一年、待てるか? もっと掛かるかもしれないが。そも何で鴉?」 においを嗅がれている間はじっとしている。 どう見ても触りたいし撫でたいのだが、その辺り無理に頭を撫でたりしないので飼い主適性は何だかんだあるのだろう。 あと肩に乗ってるだけで幸せ。 (-153) 2022/05/08(Sun) 15:39:42 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「きのう? きのう……」 「あは んふふ そだねえ! えへー なにしてたかナイショ……」 「……これねえ なんかねー フクハンノー? だって」 「ないてもおはなさいちゃうからなかないでねっていわれた」 自分の右目を抑えてトットはそう言う。 しばらくしたらもどるって、と告げる声には、動揺も感傷も何も含まれていない。 頭に咲いていた花と同じ花。薄桃色がそこにある。 それから、貴方に紙袋を差し出して。 「あげる!」 「おれたち、エルナトにもらってほしーから」 「いる?」 (-154) 2022/05/08(Sun) 16:14:37 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス「………………、」 きっと、わたしのことを慮ってそう言うのだろう。 でも、そうなったら。 トットも居なくなった今。 あなたは終わるまで一人で、罪を重ねていくのだろうか。 それは怖いことな気がした。 あなたがそのまま、罪の意識なんかも 分からなくなっちゃったりしないか、なんて。 けれど。 選ばれたのなら───無理にでも、あなたは わたしを連れてかなきゃいけないんだろうから。 わたしの出来ることなんて。 迷惑かけずに連れてかれるか、 無理矢理連れてかれるか。それしか、ないんだろう。 「…………」 頷くしかないことは、分かってるのに。 声が出なかった。 声が出なくて、 手元のホットミルクを、口元に持ってくる。 それをゆっくりと、飲み下す。 (-155) 2022/05/08(Sun) 16:20:16 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「副反応………」 と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。 何か、されたのだろうなというのだけがわかる。 ……気にしても仕方ない、そう思う。 どの道何かしてあげられることもないし。 きっと、望まれてもいない。 「戻るならまぁ、良かったかな。」 片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。 それから、差し出された紙袋を受け取って。 ふわっと、花の香り。 大事なご飯。 「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」 「………俺達って、前も言ってたけど。」 「君以外に誰かいるの?」 (-156) 2022/05/08(Sun) 16:25:03 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「俺に教職がやれると思っているのか?」 否である。残るとしても実習生とはまた別の形だ。 となると事務仕事でもやる事になるのだろうか。 あまり考えたくはない、が、考えなければならない…… とはいえ今優先して考えるべきはそこではなく。 「実習生でなくともいい、ここで職を得られるようにさえなれば。 その選択肢がこの場所の中で予め提示されるようになるべきだ。 …今のここにはとにかく治して卒業って指針しかないだろ。 下手に一度外に出すんじゃなく、この場所の中で完結させた方が あいつらにとっても多分都合が…… うわ…… 」上擦った声と緩んだ雰囲気につい声が出た。 何もその様子を今初めて見たわけでもないのだろうけど。 つまりはこの反応も今に始まった事ではないということ。 「……さあ、何でだったか。 随分子供の頃から思ってた事だ。 もうきっかけなんて覚えてない、そういうものだろ。」 強いて言うなら、何となく身近だった、とか。 きっとそんな理由になるんだろう。 (-157) 2022/05/08(Sun) 16:31:34 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「何も今すぐに飼い始めるってわけじゃない。 あんたがこれからもこの場所に居続ける事を選ぶなら。 戻って来たその時に、雛から飼い始めればいいだろう。 だからもしあんたが乗り気なら、」 「それまでに名前を考えておいてくれ。 どうにも俺は名前を考えるのは苦手らしい」 (-158) 2022/05/08(Sun) 16:32:09 |
【墓】 はなわずらいの トット「んふ ふふふ えへ またそだったねえ」 「がんばってえらいねえ ふふ」 園芸部の受け持つ畑に、ゆらゆらと揺れながら屈んで作物を見ている。 傍らに置かれたジョウロは空。 鼻歌を歌いながら、誰に向けるでもなく話していた。 「いーなー おれたちもかってにさきたいね」 「おれのナイフとられちゃったもんなー」 「どんなきもちなんだろーな」 「いたくもないしきもちよくもないのかな」 ふしぎだなあ、と浮かされたような声音で呟く。 自分の病気は嫌いじゃなかった。人の為になれると思って。 ホントに治ってしまったら、自分なんて何のために在るのかわからない。 おれ、なにされたんだろ。なおったのかな。 よくわかんないけど。 でも、なんだか しあわせ だからいっか。ずっとこのままでもいーや。 (+17) 2022/05/08(Sun) 16:33:35 |
【置】 神経質 フィウクスこの施設にも体裁というものがある。 きっと自分だけを特別扱いする事はできない。 つまりは、この要望さえ通ってしまえば、或いは。 この場所で生きていく為の選択肢を、 この場所の中に居るままに選ぶ事ができるようになる。 大人達がそれを棄却する理由が少ない事を知っている。 それがいつの事になるかはわからないけれど。 誰もがとはいかないかもしれないけれど。 それでもきっと、今よりはずっと望みがある。 (L2) 2022/05/08(Sun) 16:43:27 公開: 2022/05/08(Sun) 17:00:00 |
【置】 神経質 フィウクス病気が治らずとも、病気を治さずとも。 自分達にはあまりにも生きづらい外の世界へと 強引に放り出される事なく、『普通』になれない事で 目に見えない圧力にじわりじわりと絞め殺される事も無く。 生きていく事だけなら、ほんの少しだけ楽になる。 現状維持ができる。 その後にどうするかはそれぞれの決める事。 ここでさえ生きづらいのであれば、変えていくしかない。 紛れもない自分達の手で。 内部から、音も無く、少しずつ。 広すぎる外の世界よりは、ここはきっと変えやすい。 (L3) 2022/05/08(Sun) 16:44:05 公開: 2022/05/08(Sun) 17:00:00 |
神経質 フィウクス(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 16:44:29 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト相変わらずトットはにこにこと笑顔を浮かべている。 にこにこと言うにも力が無く、顔が緩んでいるだけのようにも見える。 見えている左目の焦点も、傍から見れば定かじゃない。 次いで夢遊病でも患ったのではないかと思われても仕方がないくらいだ。 それでもトットは問題なかった。 とっても幸せ だからきっと気を遣われたとしても、どうしてなのかわからないだろう。 「んへへ よかったー! あんしん」 「おとどけしたかったので」 「……おれたち?」 トット以外の誰かは、勿論ここには貴方しかおらず。 それでもトットは 「いるよお」 と言う。「ほら」「ね」 指を差すのは 紙袋。それから、右目。 「おれたち、みんないるよ」「いっぱいいるよ」 「きみにたべてくれてうれしかった」「みんなによろこんでもらってうれしかった」 「おれたちずっとおもってたの みんなのやくにたちたいって」 「みんなのやくにたってみんなのなかにもさくんだ」 「ね」 「おれ おいしかった?」 (-159) 2022/05/08(Sun) 16:48:32 |
【独】 ライアー イシュカPL予想の時間だ!ドコドコドコ!! 今回難しいね……すすやさん、どめさん、紅緒さんと完全にロール初見だからどんなタイプかわからないんですが、何となくお聞きしたり定期に出してるキャラを見ての推測です。自信ないよ。 ※敬称略 バラニ:へるつ シャルロッテ:すすや バレンタイン:あど エルナト:あれんだ トット:音水 ラピス:どめ クロノ:ルルクス テラ:ボブ リアン:紅緒 フィウクス:許 バット:はぐき アオツキ:とーみん イシュカ:ぼく 小等部と中等部が悩むけどこうかな 高等部と実習生はラピスちゃん以外は結構ストレートだった気がする……私含めて…… へるつさんは絶対これバラニシャルロッテエルナトトットの中にいるでしょ ルルクスさんあれんださんも挙げた所以外だと全くわかんなかったからお手上げだ〜 (-160) 2022/05/08(Sun) 17:08:58 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット夢見心地、がきっと一番正しい表現。 脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。 そんな印象を、抱いてしまう。 それで、君の言葉を聞いて。 指すものを見て。 想像することが正しいかどうか、分からないけど。 蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。 君にとっての花が、そうなのかなとか。 だとしたら、それを食することは。 急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。 それを。 ▼ (-161) 2022/05/08(Sun) 17:09:03 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ心まで石になっていく心地がする。 そう思っていた。 けれど、そう思いたかっただけなのかもしれない。 罪の意識に蝕まれないように、心の外側を石で覆っていただけ。 その下にまだ血が巡っていることを、最近知った。 きっとこんな時でも、あなたは自分への負担を考えていてくれるのだろうなと。 それがとても、申し訳なかった。 こんな手段しか選べない自分が情けなかった。 「………」 飲み下されるそれは、無言の肯定だったのだろう。 かつかつと、ゆっくり黒板にまた文字が書かれる。 『ありがとう』 『ごめんなさい』 せめて、苦しみが少なくて済むことを祈るしかできなかった。 (-162) 2022/05/08(Sun) 17:12:20 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット…手放すことが出来ないくらい、 少年はもうずっと、追い込まれているから。 紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。 口に運んで、舌先で転がして。 よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。 「…うん、とっても美味しいよ………」 「…君達の事、大好き…………」 熱っぽい瞳と声でそう告げる。 お腹が減った、満たしたい、満たしたい。 「本当は、その目の花も………」 「君自身も、食べちゃいたいくらい。」 君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。 でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。 分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。 (-163) 2022/05/08(Sun) 17:14:20 |
【独】 ライアー イシュカ音水さんリアンくんかな〜って思ってたんだけどね〜 突然僕のようにお菓子を作り出し蝉のから揚げしだすから…… ただその場合こう、紅緒さんがどこかわかんないんだ もう、 シャルロッテトットラピス:すすや紅緒どめのいずれか リアン:音水 で全部合ってたら正解にならない?だめ?え〜〜ん!! (-164) 2022/05/08(Sun) 17:16:22 |
【秘】 哀れな子羊 バラニ → 恋の呪い シャルロッテ「っ……」 覗き込もうとするあなたから逃れるように顔を隠す。 ふたつの想いの間で激しく揺さぶられる。 今すぐにこの複雑な気持ちに整理など付けられるはずもない。 けれども、この瞬間にだって『少女』としての君はもう…… 「私は、ずっと……」 「君の事を、守るべき可憐な女の子だと思っていたけれど……」 「それは……間違い、だったのだね……」 なんとか言葉を紡いで、気持ちを落ち着けようとする。 けれども、君への返事は口から出てくる言葉の中にはなかった。 「──すまない」 ただ一言、謝罪の言葉だけを残してバラニは再び押し黙ってしまう。 何に対する謝罪なのだろうか、バラニはそれ以上語ることはしない。 (-165) 2022/05/08(Sun) 17:39:18 |
【秘】 王 リアン → 神経質 フィウクス「これきりにするつもりだ。流石に、身体が保ちそうにないからな」 確実な約束とも言えないが、これ以上の危険に身を晒すことは控えることだろう。 必要でもない限りは。 君をあまり怒らせたくはないし。 「僕の持っている切符で、君も快く受け入れてもらえるだろう。 君の持っている手段と合わせれば、いくらか自由は効くだろうから…着いたら、好きにするといい」 それこそ、治療の光景を間近で見ることも。 リスクなしで大人の元に向かうことのできる権利だ。 君の心労が、自分を連れていくときくらいは軽くなるといいのだけれど。 「引きずって連れて行ってくれるのか、願ってもないことだな。 少し血が足りなくて、真っ直ぐ歩けなさそうだったからな。 君の手を借りるつもりでいた」 手を組んでからというもの、以前より遠慮がなくなったような。 そんな話し方だ。 (-166) 2022/05/08(Sun) 17:52:23 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「調べる?手伝い?…… は?嫌だよ。 何で僕が…………僕は、自分が生きるだけで必死で…… "生徒の為"だなんて、偽善臭いの考えられる訳ない。 自分がされなかった事を、誰がやるんだ、 よ……? 」最初はいつものように腐って、不貞腐れていただけだった。 けれど紡がれた言い切りの言葉に酒に伸ばしかけていた手が止まる。 更には、死んだだの殺しただの余りにも物騒過ぎる言葉で、貴方が表情が殆ど変わらないのも相まって、ひり付くような焦燥感を覚えて。 何より驚いたのは二つの意味がある。一つは言い切りの異質さ。 もう一つは、"自分と同じ""しなければいけない"が"決まってる"こと。 「……なにそれ、まるで “しないといけない” のを誰かに決められてるみたいな言い方。 ……僕と同じで 言いながら思い出している。学生時代の貴方の事を。 その周囲の人間なんて、本来認識なんてしていない。 ただ、例外が一つある。 あなたの“先生”がいるように、イシュカにとっても“先生”がいた。だから生徒なんかより余程、その縁で認識できた。 「……でもなんかそれ、何て言うか…… それを言い出した教師を好きだから、真似してんの? ……僕は、それで自分を平然と 殺せる ……そう言い切れるお前が、わからないし理解できない」 (-167) 2022/05/08(Sun) 17:54:01 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「真似事だけはできるだろ。一方的に講義だけする奴。 ……いや、どうだろう……生徒の存在にすら苛ついたらチョーク割りそうだし……」 いずれにせよあまりにも問題が山積みすぎる。 大学ならまだしもギムナジウムの教職となれば、今だとまだ授業のみでは到底難易度が高そうだ。 耳に痛いのだが。 「なに、大学でも作らせる気か?……なんて。 ここに残る連中なんざ根本的に教職向いてないからな。 ……散々苦しめられた"大人の都合"を逆手に取るのは いいんじゃないのとは思うけど。僕には浮かばないが」 なお、思い切り うわ…… とドン引かれたのだが、あなたが初めてじゃないという事は、こちらも言われ慣れているので涼しい顔で スッ…… と流している……「……僕の場合、選ぶんじゃなく"選ばされる"から。 生き方もコントロールなんてできないし。 つまり1年後以降に何が突然セットされるか次第で。 ……子供の頃からきっかけ忘れるくらい好きって、逆に特別な気がするけどな。生徒大半に無関心のようなものだ。 まあ、こいつらが死んじまうより先には考えとくよ。 飼わないとしてもさ」 肩に乗っていたラットを掌に乗せて、 そっと籠の傍へと降ろしてやった。満足した、の意らしい。 (-168) 2022/05/08(Sun) 18:10:24 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス血の塩気を求めるように舌が動く。 日常から剥離した味を吸い上げる内に次第に、頭ははっきりとして。 ある時やっとはっとしたように目を上げた、けど。 「……」 貴方の手が優しかったから。これでいいのかな、なんて。 受け入れられたのかと状況を違えたまま、貴方の手を掴んで話さない。 退けられなかった口先はちると、自分でつけた傷に口づける。 どれだけ時間がたったのか。ごく短いものだったかもしれない。 肉食獣のそれのようにざらついた舌が、肉を削るかすかないやな感触。 この場所であれば些細なことかもしれないけれど、それでも。 手首を引き寄せる力をどうするかを決めるのは、貴方の自由だ。 (-169) 2022/05/08(Sun) 18:17:59 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキまだ、昼の頃か。 眠たい目をしぱしぱとさせる様子はいつもどおり。 そればっかりは治療が行われたのだろう前後で変わることもなく、 成果が出たとは思えないような話。 午後の授業を控えてうとうとと準備をすすめるうちに、 投げかけれれた問いを受けてしばし考えた。 「……」「食べ」「……る」 粗熱のとれたそれを手に、ふかふかとつまむ。 手に余るもののようにつまみ上げたようすは、ちょっと不思議なものだ。 午後の授業までのおやつに、といった感じで持ち出せる形に包む。 まだほんのりあたたかな麺麭は香ばしい匂いを漂わせている。 「……」 投げかけられた問い。口を開いてから、また閉じた。 貴方の目を見て、自分が口にすべきことを考える。 教員としての貴方の、求める答えは。 「たぶん」「家に帰るよ」 もたもたとした授業の準備の中に、あたたかい麺麭は紛れていく。 午後の眠たい時間は、それぞれにすごすのだろう、そして。 (-170) 2022/05/08(Sun) 18:28:32 |
【独】 雷鳴 バット気づけば、心の底からの言葉というのはあまり彼には差し出せなくなっていた。 昨今のやり取りから、模範的でない言葉は彼を傷つけるのだろうとわかってしまったから。 家に自分の居場所はない。だからここに連れられたのだ。 高い金を払ってでも、体裁を保って家から遠ざけさせたかったのだ。 実際、青年は"病気"を持っているのだから、間違った対応でもないのだけど。 食べられない麺麭を手に抱えて、目を細める。 鳥にでもあげればいいのだろうか、けれど。 それが誠実でないことは知っている。 けれども青年の身体は、植物の繊維をうまく受け付け消化することもできない。 不実を避けるのならば、受け取らなければよかったのだろうか。 とても、彼の行いを否定する気にはなれない。 彼は、かわいそうだから。 (-171) 2022/05/08(Sun) 18:32:57 |
【秘】 夢の終わり シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ「——————」 あなたが目を逸らすから、何もかも終わってしまったのだとすぐにわかった。 伝えてみるまでわからないというのはただの希望的観測で、やっぱり、蓋を開けてみれば、こんな風に。 あなたは何に謝罪しているのだろう。 もしかしたらと有りもしない期待に縋ってしまったのは、少年が浅はかだったから。 それでも瞬きの拍子に一粒、色のない雫が頬を滑り落ちていった。 いつかおしまいになってしまうことを知っていて、自分でおしまいの瞬間を選んで、それなのに。 酷く胸が痛かった。息が苦しかった。 幽鬼の如くふらりと、少年は立ち上がる。 ——ブーツの踵が、床に転がる鋏を蹴った。 ▼ (-172) 2022/05/08(Sun) 18:41:52 |
【秘】 夢の終わり シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ「……ううん、いいの」 「こうなることは、最初からわかってたんだから」 今更もう、何もかも遅いけれど。 少年は自らを受け入れられなくなってしまった。 「それでも、だいすきだよ」 ▼ (-173) 2022/05/08(Sun) 18:42:27 |
【秘】 夢の終わり シャルロッテ → 哀れな子羊 バラニ少年は震える指先で鋏を拾い上げる。 それは酷く冷たくて、重くて。 ————しゃき。しゃきん。 じょき。 白いドロワーズを裂く。 それから。 それから。 それから。 皮膚を裂く音。肉を断つ音。 ぼたぼたと赤い液体が滴る。 上手く切れない。鋏ではだめかもしれない。 ふらついた足音。錠を上げる音。扉の開く音。閉まる音。 この部屋にはもう、あなたしかいない。 机の上のホットミルクは、冷めてしまった。 (-174) 2022/05/08(Sun) 18:43:25 |
【秘】 神経質 フィウクス → 王 リアン「………どうだかな」 溜息混じりの言葉。 あなたを信用していない、というわけではないけれど。 必要に迫られれば、その限りでもない人種だと認識してもいる。 そういう所は嫌いだ。 病によって歪められた感情ではなく、ただ純粋に嫌いだ。 「言われずとも勝手にするつもりだ。 本来の予定とは随分違う形にはなるが、……」 この場所の真実と改めて向き合う事も。 心にもない態度を取って、都合の良い人間で居る事も。 きっと負荷にはなるけれど、必要な事だからまだ我慢が利く。 全てを怒りに任せるにはまだ早い。 「もう行くのか」 フィウクスは、誰にだって、一度も遠慮をした覚えはない。 あなたにだって、今もそうだ。 だからいつも通り無愛想に、そっけなく片手を差し出した。 (-175) 2022/05/08(Sun) 18:44:53 |
シャルロッテは、廊下に赤い線を引き、当て所なく歩く。 (a40) 2022/05/08(Sun) 18:45:54 |
シャルロッテは、そのうちに、医務室へと運ばれるだろう。 (a41) 2022/05/08(Sun) 18:46:11 |
【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクス貴方は、あと一年。自分は、あと三年。 それにも足らない期間を過ごして、この外へと羽ばたいていく。 ひょっとすればもっと長い時間を掛けてもらうことも出来るのかもしれないけれど、 ほとんどのケースにおいてそれは保証されるものでもない。 "実習生"になったなら、別の話かもしれないが。 「フィウクスは」「……」 「自分のことを決められて」「えらい、な」 声に混じったのは羨望だった。 青年には、貴方と同じことが出来るだけの頭もなければ、手立てもない。 そしてそれが無かったとしても踏み出せるだけの、精神もない。 実際に見上げるに値するかどうかなんてのは、他人がはかること。 青年にとっては少なくとも、貴方は眩しく感じる雄姿の者だ。 手渡すべき返答なんてものは、青年は持ってはいない。 少なくとも今、対等な答えを出せるほどには、未来なんてものは見えてもいなかった。 「もう」「僕も、食べ終えるから」 「あとはもう食べられない」「もの、ばかりだから」 「……また」「教室で」 残されたほとんど丸のままの麺麭、果実。 誰かに見られたりしたら、好き嫌いしないと怒られそうな残り物。 今日は勇気を出して、隠して持ち出したありふれた食料品。 仕方がないからそれらは破棄してしまう、或いは飼育小屋のものたちにでもあげよう。 幸い彼らが口にしても構わないもの、構わない量しかもちだしてはいない。 出て行きかけの貴方を止めるわけでもなく、これが今生の別れでもない。 また、すぐにでも顔を合わせることができる、……はずだ。 (-176) 2022/05/08(Sun) 18:46:49 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バットざりざりと肉が削れるような感覚がして身体が強張る。 頭の奥で痛みが警鐘を鳴らす。 まだ自分には生身の部分が残っているんだ、なんて当たり前で余計なことに思考を巡らせた。 一連の行動を経て、漸くあの夜の姿と青年が重なる。 それは戯れにじゃれついて小動物を害してしまう獣のように思えた。 「………、」 青年を拒むことはしたくなかったけれど、自分の指がどうにかなっては流石に困る。 それこそ噛み千切られて生身が無くなったら本末転倒だ。 頭に置いていた手を、少し顔の方にずらす。 額のあたりをぐい、と軽く押して離そうと試みた。 (-177) 2022/05/08(Sun) 19:01:45 |
【秘】 雷鳴 バット → ライアー イシュカ貴方が正しい立場でそうした言葉を向けているのだということは、 鈍い頭をした青年にもよくわかっていることのようだった。 痛む心臓を抑えるみたいに、思わず胸に手を当てる。 「……わかった」 「そう、しなくてもいい方法」 「大人が見つけるって」「言ってくれたから」 「もう、起こることはない、よ」 少なくとも貴方の憂慮すべき自体は、今後は起こることもない。 だから、大丈夫だ。だから、安心だ。 それを境に、飼育小屋からも足は遠のき、近づくことはないだろう。 逃げるように後ずさる足は、そのまま貴方の視界からも離れていった。 ひょっとしたなら、明日にでも。 貴方の願う通りに、鍵の行方は渡ってくるかもしれない。 (-178) 2022/05/08(Sun) 19:06:01 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「……えへ」「んふ ふふふ」 「は、あは、ははは! ひ 、ひ、っは、あは」「ッ、あ……そ〜お? そおかなっ? あはっ、ははは」 美味しい、大好き、食べちゃいたい。なんて素敵な言葉だろう! しあわせ、しあわせだ。しあわせ。しあわせ。 貴方のその言葉で、トットは自身の身体を抱く。 けれどその仕草は全く恐怖からではなく、……過ぎた幸福感から。 泣くなって言われていたのに、トットの身体に収まりきらなかった幸せが涙となって転げ落ちて。 そこからまた、花が咲いた。 「エルナト」 「エルナトっ、おれあげる」「もっとあげる」「もっと」 「でも、ぜんぶはあげられないし」「じぶんのうでってじぶんできったらだめなんだって」 「だからね、えっと」 「……あった! ハイ!」 貴方にもう一つ、潤む瞳を向けて差し出した。 ▽ (-179) 2022/05/08(Sun) 19:08:51 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス鈍く動きの悪い頭は、ただ。 ひた隠しに抱えていたものが他に受け入れられたことが嬉しくて。 それが良くないことだと理解したのは、貴方の小さな手で押しのけられてから。 ぱっと顔をあげて口を離す。しばらく、様子を伺うように薄い色の目が貴方を見た。 「……」 「……ご」 「め、ん」 唇の皺には血が濃く滲み、啜った血と唾液が混ざったものが顎まで垂れていた。 自分がしたことに対してどんな言い訳を吐けばいいのか。 頭の回らないまま視線は消極的に下がっていって、うつむいた。 「戻って、いい……よ。 まだ僕は戻らないから、……森にはいかない、大丈夫」 共に歩いて帰るのは、こんなことをしてしまった後では厳しいだろうと。 指を押さえつける手はなく、貴方に縋りつくだけの指もなく。 いつでもあなたは、自分の好きな時に逃げられる状態だ。 (-180) 2022/05/08(Sun) 19:14:30 |
【秘】 寄りかかる リアン → 神経質 フィウクス「努力はするよ。もし踏み外しそうだったら殴ってでも止めてくれ。他人を心配させたり、悲しませたりするのは嫌なんだ」 そういった判断はなるべく自分でもするつもりはあるのだけれど。 自分の判断が誤りでないとも限らないし、君は目敏いだろうから。 「頼んだ。何を以てして治療とするのか、自分の身で確かめる事にはなるが―――周囲の事は、一旦君に任せるからな」 君の負荷を分散させるのは、"治療"が行われた後になるだろう。だから、それまでの間。君に一人で無理をさせてしまうかもしれないな。 差し出された手を取って、立ち上がる。 ふらり、まだ顔は白いし。息も上がっているけれど、君の力を借りれば何とか歩けそうだ。 ▽ (-181) 2022/05/08(Sun) 19:15:25 |
【秘】 年相応の リアン → 神経質 フィウクス歩きながら。 ふと、思いついたように。 「……なあ。僕達、今まで何年も相部屋で。 これからも一緒に過ごすことになるんだろう? 共謀者という肩書だけでは、味気なくないか。僕は、君の事をこれから知っていきたいと思っているし 気を張らなくて良い相手になりたいと思っている。 それに君を、庇護すべき民と定義したくないんだ。だから―――」 「 友人 、と呼びたいと思う」どうだろうか、と。 隣の君を横目で見ている。 (-182) 2022/05/08(Sun) 19:17:06 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト差し出したのは カッターナイフだ。 「ね」 「エルナトがさかせて」「エルナトがおれをさかせて」 「おれじゅーぶんしあわせだしさー もうさかなくていっかなっておもってたけど」 「でもほしいならあげたいじゃん?」 「あ。おれおもいだしちゃった」 「うしやぶたといっしょっていわれたことあんの! おれこんなんだし」 「ほんとにくいものになってる ふふ んふふ」 「でもおたがいきもちよくておいしいならいいよね?」 新品の、よく切れそうなカッターナイフ。 ナイフが取られてしまったから、こっそりしまってあったのを卸した。 この薄っぺらな刃一枚で、互いが満たされるかもしれない。 トットはそう思っている。 「おれのぜんぶはあげられないけど」 「エルナトのすきなときに、すきなよーに」 「おれのこと さかせていーよっていったら どーする?」 (-183) 2022/05/08(Sun) 19:18:52 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット「………」 身動きが取れるようになったけれど、 視線を下げている姿が、 それこそ捨て置かれた子どものように見えてしまったから。 まずはポケットからハンカチを取り出して、血が垂れた口元を拭おうとする。 避けられなければ、お返しとばかりにぐしぐしと少し乱暴に拭かれるだろう。 この際汚れても良いかと割り切って。 それから折り畳んで、きれいな面を傷に当てて結んだ。 深刻な傷ではないと思うけれど、念の為。 手当が済めば立ち上がる。 でも一人で立ち去ることはせずに、あなたの腕をぐい、と引っ張った。 大きな身体は、自分の力だけでは動かせない。 青年の意思でついてきてもらわなければ。 『一緒に帰りましょう』 自由になった両手で、黒板にそう書いた。 (-184) 2022/05/08(Sun) 19:31:33 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「建前だけの真似事が長続きすると思うか?」 これもまた、否。 その場しのぎの真似事だけをしても、 結局のところは自分にとっては悪影響しか無いのであれば。 もう少し建設的な事に時間を割きたいのは当然の事。 「この場所に必要な人材が教師ばかりとも限らない。 それに気付けない奴が多いのは、 知らないから、教えられていないから── 誰からも選択肢が提示されていないからだ。」 このギムナジウムは当然ただの教育施設という事もなく、 病の治療、及び研究施設としての側面もある。 その全ての要件を満たせる人材はそう居るものではなく、 つまり実際は大人達の主とする分野もそれぞれなのだろう。 (-185) 2022/05/08(Sun) 19:32:11 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 神経質 フィウクス → ライアー イシュカ「……提示されたところで、選べるかは別の話だろうが。 まあいい、 戻れないなら 連絡の一つでも寄越せと言いたい所だがその様子じゃあんたには酷な話だろう」 「 だから期待せず待っててやる 」ラットの姉妹をケージへと帰して、扉を閉めた。 そうして、ケージを持ち上げる為にもう一度手を掛ける。 これもそろそろお開きのようだから。 実際は、生まれてこの方一度も期待なんてした事はない。 この病は人へのそれさえも歪めてしまうから。 つまり期待していないという事は、いつも通りという事だ。 いつも通り、ただそれを覚えておくだけだ。 (-187) 2022/05/08(Sun) 19:34:28 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
【秘】 無理解 フィウクス → 年相応の リアン「………俺はお前のそれには応えられない どうしたってお前のそれと同じものを返せはしない。」 全ては患った病によるものだとしても。 心では友人としての親しみも抱けもしないのに、 口でだけあなたを友人と呼ぶ事はできなかった。 けれどこの病を捨ててしまう事もできなかった。 「俺にはわからないんだよ」 「誰かを好きになるって感覚も、 誰かと居て嬉しいだとか楽しいだとか落ち着くだとか、 誰かと一緒に居たいだとか、何も」 「生まれてこの方、 一度も思えたためしが無い 。」決して幸せを感じられない事も。 決して誰を愛せもしない事も。 そんな自分のままで居る事を、誰かに許してほしかった。 (-189) 2022/05/08(Sun) 19:49:54 |
【秘】 対等 フィウクス → 年相応の リアン「それでもお前がただそうしたいってなら。」 「 勝手にすればいいさ 。俺は勝手にする。お前のそれを否定はしない。 要りもしない意地を張られて、 上からものを言われるよりはずっと良いからな」 「それだけだ」 (-190) 2022/05/08(Sun) 19:50:16 |
フィウクスは、あなたがそう思うなら、きっとあなたの友人だ。 (a42) 2022/05/08(Sun) 19:50:36 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス「……」 いいのか、と見上げる目。 貴方は声は出ないのだから、青年が黙ってしまうと何の音も交わせないまま。 ぱちぱちと、目を瞬くまま見上げる時間があった。 「いいの?」 何に関しての問いかというのは、なんともあやふやなままだ。 日のない内は十分に言葉も話せるだろうに、声に成ったのはそれだけ。 言葉を尽くさねばわからないことさえ、足りないままの小さな言葉。 惑うような沈黙が流れたのは、そう長い時間ではなかっただろう。 それでも焦れて、勿体ぶっているように感じられるには十分なもの。 立ち上がった貴方よりも視線の低い、しゃがんだ身体はようやっと、 ちらちらと辺りに振れる目をひとつに留めて、立ち上がった。 きゅ、と握った手は頼りなく、無事なほうの手を握りつぶしてしまうことのないように。 指の先をちょっとひっかけただけの、とてもささやかなもの。 「……」 「ラピスが、いい」 何が。なんてのはやっぱり、言葉足らずの飾り気のないもの、 貴方が手を引いてくれるなら、貴方の足に合わせて寮への道を歩く。 (-191) 2022/05/08(Sun) 19:51:07 |
【置】 形容矛盾 フィウクスおかしくたって、それでいい。 これが自分の在り方だ。 そんな自分の、自分達の居場所を作ると。 あの時確かにそう約束したのだ。 (L6) 2022/05/08(Sun) 19:54:04 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 形容矛盾 フィウクスきっと途方も無い時間が掛かる事だろう。 望む全てが手に入るとも限らないだろう。 けれど行動を起こさなければ何も始まらない。 その場に留まり続けるには歩き続けなければならない。 この場所の在り方が気に食わないから望む形に作り変える。 患う病を自己の一部と受け入れるような人間を否定しない。 一人でも多くの誰かが暗い顔をせずに済むような。 いつかそんな場所になるように。 (L7) 2022/05/08(Sun) 19:54:38 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 悲憤慷慨 フィウクスこの病がある限り、心折れる事は無いけれど。 どうせ一人でも為すのなら、誰の手を取ったっていいだろう。 さあ、これから新しく始めよう。 誰かが生きていく為のこの場所を。 (L8) 2022/05/08(Sun) 19:55:15 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【置】 悲憤慷慨 フィウクス宵の明星が上る頃。 それを見上げる者の姿は何処にも無く。 今はただ崩れ行くこの星と共に行こう。 「──この病に治療は必要ありません。」 「病を自らの一部と受け入れ生きて行く事も一つの道でしょう。」 「その代わりに、 約束通り 」「これから先もこの場所に留め置いてくださるなら、それで──」 (L10) 2022/05/08(Sun) 19:56:17 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
悲憤慷慨 フィウクスは、メモを貼った。 (a43) 2022/05/08(Sun) 20:03:45 |
【置】 月鏡 アオツキ『どうしましたか〜 クロツキくん』 ■■ は僕に優しくしてくれた。『笑顔でいるのがいいですよ、この口調ですか〜? こうしたほうが生徒がよく話を聞いてくれるんです』 ■■ は僕にたくさんの事を教えてくれた。『パンをこねてみますか? 必要ないなんて言わないで下さい。 やってみないとよさはわかりませんよ』 ■■ は先生になりたいのだといった。 (L11) 2022/05/08(Sun) 20:04:14 公開: 2022/05/08(Sun) 20:05:00 |
【置】 月鏡 アオツキ『先生になったら、少しでも生徒達の為の規律を作れます。 だから私は先生になるんですよ。 そのためにはいくら苦しくて辛いことも耐えられるんです』 『だからクロツキくん、君は私の手で幸せになって下さい』 ■■ のことが、僕は好きだった。好きだった、はずだ、だって。 貴方のことしか考えられなかったから。 (L12) 2022/05/08(Sun) 20:04:51 公開: 2022/05/08(Sun) 20:05:00 |
月鏡 アオツキ(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 20:05:36 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト近づいた顔に怯みもしない。反応が出来ない。 浮いた頭では反射なんて物は無いに等しい。 だから、急だった。ブチ、と音がして、身体がやっと強張った。 繰り返し問う貴方の声が遠くに聞こえて、 でもすぐに答えられなくて。 目の前が一瞬白んだ。 「…………っ、 !? 〜〜〜〜ッ、うあ 、ッ ッ あ、」血飛沫は無い。代わりにものの一瞬でトットの身体から花が咲き誇る。 切り裂かれた通りに行儀良く鮮やかに咲いた花は、咲いた側から貴方の胃へと収まる。 食い千切られる。 咀嚼される。 嚥下される。 過ぎた衝撃に、快感に、幸福に上げた声は紛れもなく嬌声の類だ。 嬉しいと幸せに塗り潰された頭じゃ自分がどんな声を上げてるかももう分からない。 無我夢中で貴方に抱きつき返して、痙攣して使い物にならなくなった身体を預ける。 「あ、 あぁ …………ッ! っ、! か、は」「える、な」「ぁ とっ ん、 ふ 」幸いか不幸か成長する前に食されていくものだから、疲弊は前より感じられなかった。"治療"の効果もあるのだろうか。咲かずに流れる血もあった。 「あ、あ」「ぅ"、ふぅ、〜〜〜〜…………!」 (-192) 2022/05/08(Sun) 20:06:09 |
月鏡 アオツキ(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 20:06:10 |
【独】 月鏡 アオツキ―― ■■ の病気の名は"蝶化身"。近くに居る者から魅了し、その者達の"生きる意思"を奪う。 彼の傍に居るものは、人生を投げ打ってしまう傾向にあり、 まるでそれは恋のようだと彼らは言った。 美しい彼はその見目で他者を惑わせ、狂わせ、そして死に至らしめる。 その力故に彼は大切な者が作れない。誰かを大切に思うことすら止めた。 大切な人でさえ彼に狂って死んでしまうのだから。 誰も愛さないと、平等に接すると決めた。 (-193) 2022/05/08(Sun) 20:07:14 |
【独】 月鏡 アオツキ―― クロツキ の病気は■■■。良い子になれば、幸せになれると信じていた。 笑えないのも、幸せではないから。 愛されないのも、幸せではないから。 幸せになるために良い子になろう、そのためには? 誰かを幸せにしなければいけない、みんなの幸せはなあに? 先生はみんなを幸せにするって、本当ですか? 病気が治ることは、幸せだって、本当ですか? 病気が治らないことも幸せなんですか? 病気の治らない僕は幸せなんですか? この空虚な気持ちはどうやって治るんですか? (-194) 2022/05/08(Sun) 20:07:23 |
【置】 月鏡 アオツキ■■ 、今日貴方から教わったところが出たんだ。ちゃんと先生の言うこと聞いて、子供達を連れて行ったよ。 僕は貴方が褒めてくれるなら幸せだ。 だってこんな気持ち初めてだから。 不意に口づけを交わした。 あれ、その後の貴方の顔を思い出せない。 卒業をしても一緒に居て欲しいと願った。 だってこんなにも、 ■■ の事が好きだから。死ぬまで一緒に居たいと思った。 どうして、いなくなったの? どうして、どうして僕の前から消えてしまったの? 一緒にいてくれるって言ったのに、いなくなるわけがない。 いなくなるわけがない、ねえ。 (L13) 2022/05/08(Sun) 20:07:44 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
【置】 月鏡 アオツキ『クロツキ、将来の夢はできましたか? 私と一緒に先生をしませんか!』 先生になる為に通うと決めた学校も、モノクロに見える。 応援してくれる先生はもういない。 何のために通えばいいのかわからない。 ただ一人、笑顔で声をかけてきた誰かは言った。 『貴方の髪の青色、綺麗だね! 好きな色だったりするの?』 あお、貴方の名前の色だった。 「――『ええ、好きですよ青色。その髪の色素敵』 ってよく言われるんです〜」 (L14) 2022/05/08(Sun) 20:09:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
【置】 月鏡 アオツキ先生になろう、■■が目指した先生に。 そうすれば貴方は褒めてくれるでしょう。 僕がいなくなれば良かったんだ。 本物の先生になるべきだったのは■■だ。 僕がいなければ、僕さえいなかったら■■は先生になれていた! だから、僕は死なないといけない。 僕は僕を殺して、先生になる。 そうすれば、私は、生徒を幸せに出来るようになる。 先生と一緒に居られる。 ――僕が先生になれたら、誰かは褒めてくれますか。 (L15) 2022/05/08(Sun) 20:09:44 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
【秘】 悪夢の足音 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ──目を逸らして落とす先の視界から、鈍い輝きが姿を消す。 それから、君は震える手で、それを自らに向けて── 白いドロワーズを裂き。 それから。 それから。 それから。 少年を壊す音に耳を塞いで。 滴る赤い液体に目を覆って。 悔やみ切れない。こんなのだめに決まっている。 恐怖と罪悪感に怯えたまま、立ち去っていく足音を見送る。 この部屋にはもう、泣き虫しかいない。 ──そんな終わりを認めることはできない。 夢の終わりは来ない、ただ在り方は変わるかもしれない。 けれども、今この部屋にはまだ、君と私がいるのだから。 ▼ (-195) 2022/05/08(Sun) 20:10:04 |
月鏡 アオツキは、メモを貼った。 (a44) 2022/05/08(Sun) 20:10:09 |
【秘】 少女の身体 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ「──だ、だめだっ!!」 身を隠しているのも忘れて、咄嗟に身体が動いていた。 震える手で、自らにそれを向けようとするのを見た瞬間には。 制止するため、君の腕を精一杯に掴んだ力は随分と弱々しく。 立ち上がった少年の姿は。 昨日の少年よりもずっと小さく、一昨日の少年よりも小さい。 ──柔らかさを備えたその姿は紛れもなく、少女のものだった。 ▼ (-196) 2022/05/08(Sun) 20:10:58 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット言葉なく見つめ合う時間があって、短くない間そうしていた気がする。 「!」 やっと指先が引っ掛けられれば、随分上にあるのにどこか今は頼りなさそうな、所在ない表情を見上げて満足気に微笑んだ。 青年の言葉にははっきりとした頷きで返す。 音は紡がれなくとも、それでも少女の浮かべる感情はわかりやすい。 無口な二人は、時に思惑がすれ違うこともあるけれど。 今、一緒に帰ろうと歩む気持ちは同じだった。 『今度は』 『バットくんの手袋の話を聞かせてくださいね』 小さな歩幅に合わせてもらいながら、寮までの道を手を引いて歩き出す。 そうしてそこまで遠くない帰路を辿って、その日はそれぞれの部屋に戻ったことだろう。 (-197) 2022/05/08(Sun) 20:11:11 |
月鏡 アオツキは、メモを貼った。 (a45) 2022/05/08(Sun) 20:11:24 |
バラニは、そんな未来は認められないから。 (a46) 2022/05/08(Sun) 20:11:34 |
【独】 月鏡 アオツキ――アオツキの病気は月鏡障害。 己の人格の境界がわからなくなる病。 自分が悪い、と感じている傾向が根強く、 周りの人からの心理的な支えが得られていないと感じると、 こうした感覚が表面化して、自分を非常に否定的に捉えて 自己嫌悪が強くなったり、「自分をなくそう」と積極的になる。 発症者の7割が女性で、うつ病や不安症、 PTSD、摂食障害などが併存する場合があり。 (-198) 2022/05/08(Sun) 20:12:52 |
【秘】 少年の勇気 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ「……っ、言った、だろう……? 酷い目に遭わない、よう……君を、守りたいのだと……」 「そうするのが、たとえそれが……君自身だったとしても。 私はやっぱり……許せなかったんだ、君がそうなるのが」 こうして身体が動いてしまったことが、何よりの証明だった。 君が如何なる存在であろうと、バラニはそれを許せなかった。 「……嫌いになど、なってはいないよ……」 「だいすきだ、君のことが、今だって……」 はたしてこれは、何を由来とする好意なのだろうか。 わからないけれど、そんなことはどうでもよかった。 たった今、大切な事は君を愛おしいと思っていることだけだから。 君より小さくなってしまった身体で、精一杯に君を抱きしめて。 ▼ (-199) 2022/05/08(Sun) 20:13:05 |
【秘】 少年の勇気 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ「……本当にすまない」 「君を、こんなになるまで追い詰めてしまって……」 声を震わせながら、精一杯に君を安心させるような優しい声。 「もう、大丈夫……大丈夫、だから……」 「だから、もう……そんなことはしなくても、いいんだ……」 もうそんなことはしなくても大丈夫だと、何度も繰り返した。 (-200) 2022/05/08(Sun) 20:13:30 |
【秘】 年相応の リアン → 悲憤慷慨 フィウクス「いいよ。それで」 そのままの君でいい。 ほんの少しだけ、こちらの態度が変わるだけだ。 「共謀者より、友人の方が気楽で。 何でも話せるような気がするから。僕がそう呼びたいと思っただけなんだ」 もし将来何かが起こったとして。 君が呼びたいと思ってくれたのなら、その時は。 「いつだって勝手に呼んでもいいし、呼ばなくてもいい。 君がそれを拒絶しないでくれたことが、僕は嬉しいよ」 生まれのせいで、自分を蹴りだした家族のせいで、心からの友人なんて出来たこともなくて。 取り巻きの彼らだって、慕ってついてきてくれてはいるけれど。自分の身の上を話したことなどなかったし。 「それじゃあ、行こうか。一歩先へ進むために」 (-201) 2022/05/08(Sun) 20:14:22 |
【赤】 高等部 ラピス深夜。 寮の部屋を抜け出して、空き教室へ訪れた。 気づく同室者も今はいない。 「………、………」 ぼんやりとした顔で、黒板でチョークを削っている。 何度も何度も上から書かれた文字列はもはや何が書かれているのか読み取れない。 HCYLaBri9bjYftUuMnNxfHCS4WG5mZF8sbNNBhmVtURYjsrZB8 wFT93A2Jx38mfuysDxBK6w2jQYwBt6HhMrDPKRdBFjAruMeA6h EnTpnnEnmRHYRD9RZur2EwZxWGA47yZbtMDwwAmgUxNy5w8zrm abXnDtB3bPWcPP3WbVa2WZ6cPEesUczpYnwnDBP6cVwjbQSDHJ ZPW8uKWFCKZMXF8VH8mFCUXKpZtULZQP8CheSMXiRNCCEn24VU FNZBARmP67xQutiy-yfGUR7M5amg7-ZnkRz6TAMTxDcXfQ52yU hNweUfVSYTewS7GpcgLK7Nt7hKTpAKCKNYyk288ednuGnZMQCK ferbmmicHKD7jdkZZb2ZUBNAJD4cSGSFuJGpPwHdehf4WFn-zR ap2DPBMa2wh59ZBM835L8VWufK_4kY2A6YCTL-et3YawYH8hzB 2SbEtnSQ3LpdMpRuUWHmcCBgft5RCdDFVKdYFz6pKPFdB8ZSGC きっと色んなことを私は間違えた。 (*16) 2022/05/08(Sun) 20:15:45 |
【赤】 高等部 ラピス「………………」 もうすぐ終わる筈だ。 黒板を綺麗に掃除してから、教室を後にした。 もう、ここに誰かが来ることは暫くないだろう。 (*17) 2022/05/08(Sun) 20:15:57 |
リアンは、フィウクスの手を借りて歩いていく。 (a47) 2022/05/08(Sun) 20:15:58 |
リアンは、これからも共にある、大切な友人だと思う。 (a48) 2022/05/08(Sun) 20:16:58 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカ「なんでってあなたが実習生だからですけど……。 はい? 生徒の為じゃないならこんな職業じゃなくていいじゃないですか。 自分は幸せにされましたよ、自分は、見せて貰いました。 たとえ、それが私しか感じない幸福だったとしても それを必要としている子達はいます。 私は、私を幸せにして不幸にしたこの学園をかえるんです」 純粋な好意と、善意にしてはゆがんでいる認識は軽度の鬱の強迫性障害を重ねて生じている。 だが様々な者が相まってそれは"いわゆる普通の人間"の目指す目標となっていた。 「自分で決めましたよ、本当です、誰にも言われていません。 私がこうしないといけないと思ったんです。 真似なんて、いえ真似事かもしれません。 でももう少しでしっかりと先生になることができます。 ――僕に何が出来るんですか。 僕から先生であることをとったら何が残る? なにもいらない、生きて居る価値なんてない。だから、 こうしていたい、少しでも、」 生きて居たら幸せになれますよ、時間をかけて探しましょう。 「自分が幸せになるために、生きて居たいと思うんです」 (-202) 2022/05/08(Sun) 20:21:59 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス貴方の顔を見下ろせば逆光になってしまうのだろう。 たとえどんな恐ろしい表情をしていたとしても、 貴方には何も見えはしないのだろう。 だから、そう。そこにある表情が確かな慈しみだと、伝わっていたならいい。 指先がとても熱く感じるのは、血が流れるせいばかりではない。 「……うん」 移り変わった月光が照らす貴方の表情は、とても尊いものなのだろう。 少なくとも青年にとっては、そうだ。 言葉少なな懐いが何であるかというのは、今はわからなくとも。 どうか己が貴方を傷つけてしまわないように。 どうか貴方が己を見守っていてくれるように。 どうか同じ気持ちでありますように。 ふたつの足音は、また明日へと進んでいく。 (-205) 2022/05/08(Sun) 20:41:14 |
【置】 年相応の リアンリアン・モーリスは、小国の王族だ。 正確には、王の座を継承するはずだった第一王子 だった 。美を第一とする国王一族の中で、良い教育を受け育てられたが、第二王子により、隠していた病気による痣や傷を目敏く発見し、家族に吹聴される。 王の座を欲していた第二王子は、自身を愛していた母を利用して兄を追放させる。 風評を広めると同時に、厄介払いの為ギムナジウムにその身を送られることとなる。 13歳の頃である。 (L16) 2022/05/08(Sun) 20:44:19 公開: 2022/05/08(Sun) 21:50:00 |
ラピスは、人気のない廊下で教師に呼び止められた。 (a49) 2022/05/08(Sun) 20:49:19 |
【独】 ライアー イシュカ←昔“せんせい”に威嚇しまくってたけど、心許したって自覚はないまま実はちょっと信じようとした瞬間先生に失踪された人 (-207) 2022/05/08(Sun) 20:49:35 |
【独】 高等部 ラピス《ラズライト。少しいいかな》 人気のない廊下で教師に呼び止められた。 生徒回収を持ち掛けてきた大人の一人。 空き教室へと先導されて、向かい合って机に座る。 アオツキに個人面談をしてもらった時とは正反対で、 たいそう居心地が良くなかった。 目線を緩慢に巡らせて落ち着かない調子でいたら、 ぺらりと、一枚の用紙が机に置かれた。 小さな四角が縦に並ぶそれは、書き込むことを想定されたもの。 つまるところ、問診票だった。 (-208) 2022/05/08(Sun) 20:50:12 |
【置】 王として リアンリアン・モーリスの病気は"対行病"と称されるものである。 善行を積むほど、体は醜く変化し 悪行を積むほど、体は美しくなっていく病気。 既に彼の身体は、ほとんどが痣と傷 そして瘤で埋め尽くされている。 化粧で誤魔化しているものの、右半分の顔面は痣で覆われ 右の眼球は腐りきって失明している。 リアンが悪行を積まなかったのは、善き王である事を目標としており 自身のポリシーと反する為であるとされている。 (L17) 2022/05/08(Sun) 20:50:49 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
ラピスは、空き教室で、問診票への記入を指示された。 (a50) 2022/05/08(Sun) 20:51:21 |
ラピスは、事務的に記入を進めていった。 (a51) 2022/05/08(Sun) 20:52:08 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「ぇへ」 「 あ、っ? 」「っ」「っへ、あは! あっ 、あ」もう貴方の声も聞こえていないし、なんの音も聞こえていない。 花が咲くのも、引き千切れるのも、ただ気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 ふやけた瞳から転がる涙から花が咲く。搾り出された血からまた花が咲く。 「ぁ"〜〜っ、ゔ、はぁ、あ!〜〜ッ!ッ!」 「あ、えぅなと、 も、 えぅ、な"」怖くなってきた。何がなんだかわからなくなってきた。 どうしてこんなことになったんだっけ?目の前にいるのは誰だっけ? おれはだれだっけ? はな、 はながさいて、 きもちよくて、 あれ、 あ はなが、 「、」「ぁ」 「♡」「ぇ" へ」 不規則に身体が跳ねた。手足が人形みたいにピンと伸びて、脱力して。段々身体が弛緩して。 「えへ」 「ぁ」「おれ」 何の反応も返さなくなった。 貴方が満足したかどうかもわからないまま。 花ばかりが貴方に微笑んでいる。 (-210) 2022/05/08(Sun) 20:52:27 |
【置】 童心 クロノ──急性老若化症。 心因的なものにより身体年齢が変化する奇病。 臓器まで老化・若化を短時間で起こすために 身体的負担が大きく、寿命が著しく短縮される病気だ。 クロノの場合は、喜や楽といった好感情で老化し、 哀や不安、恐怖といった負感情で若化する傾向がある。 それ以外については判明していない事が多く、 20代程度の「弱老化」も多く観測されている。 発症率のごく少ないその病気に、 正しい治療法は見付かっていない。 この『病気』を治す最も簡単な方法は。 年齢を操作する『感情』そのものを喪ってしまえばいい。 『心』を壊してしまえばいい。 そう、ギムナジウムの大人達は判断した。 ──他の症例が無いからこそ、そう判断する他無かった。 尤もこの奇病は、サンプル数も少ない。 ただ治すだけでは、勿体ない。 幾らかの施行実験の後、サンプリングの後、 そういった『治療』を施される。 だから、次の日。クロノの姿は無い。 (L18) 2022/05/08(Sun) 20:52:35 公開: 2022/05/08(Sun) 21:00:00 |
【独】 高等部 ラピス《定期検診のようなものだ》 《これに記入してくれるね》 定期的に、ストレス負荷を調査するための問診。 こんなものを書いたところで、この役割から直様解放されることはないのはわかりきっていた。 あくまで、道具が壊れていないことを確認するためのチェッカーだ。 「………」 特に拒否する理由も益も無い。 大人しく、事務的にチェックボックスを埋めていく。 雑談で場を保たせようという気遣いなのか、 良く言えば他愛のない話、悪く言えば興味もない話を 教師はつらつらと並べ立てる。 他の生徒の治療は順調だとか、 負の感情の回収は目標値まで達成されつつあるとか。 どれも記憶に残らないような内容だったけれど、 その後に掛けられたものが、ひどく頭の中に響いた。 《トットとクロノだが、》 《……ああ、お前もだけれどね》 《期待していたよりも役に立たなかったなぁ》 (-209) 2022/05/08(Sun) 20:52:38 |
ラピスは、ある言葉を教師に掛けられた。耳を疑った。 (a52) 2022/05/08(Sun) 20:53:23 |
【秘】 ライアー イシュカ → 雷鳴 バット「……ふうん。 そんな顔してるくらいならよかったのかね」 僕は絶対、自分の治療を良かったとは言わないけど。 そう付け加えて。 去る貴方を引き留めるなんてできる人間ではない。 小等部の子相手にすら当たり散らす人間だった。 一つだけ違ったのは、 彼の時とは違って、去る貴方の顔を見続けていた所。 鍵を得ても素直には喜べない所と合わせて。 大人に希望は抱くつもりはないから、 無責任な思考で"あなたの言葉"が叶えばいいなと、それだけを考えた。 (-212) 2022/05/08(Sun) 20:53:25 |
【独】 高等部 ラピス「───」 思考が止まった。 ペンを動かす手が止まった。 呼吸が数瞬、止まった。 まず己の耳を疑って、壁掛け時計の秒針が進む音を聞いて、聴覚は正常であることを再認識して。 次いで耳に届いた言葉が、聞き違えたものではないと再認識して。 ふつ、と胸焼けのような感覚がした。 ──役に立たなかったとは、なんだ? 目の前にいるのは、一教師であることは理解している。 無思慮なその発言が、大人全ての総意でないことも。 どれだけ私たちが苦しんだのだろう。 望まぬ治療を受けた子も、望まぬ治療を受けさせた子も。 見守ってくれると約束してくれた大人も。 ──くるしいね。 ──はやくおわって。 ──……応援させてくれますか? ──そんなことが、ゆるされるの? ──僕は"病気のこども"じゃなくなるのかな。 ──良いことなんて……悪いことの前には……無力で。 色んな言葉が頭を巡った。 その全てを、踏みにじる言葉が許せなかった。 (-211) 2022/05/08(Sun) 20:54:00 |
【秘】 どこにもいない シャルロッテ → 少年の勇気 バラニこんなからだは必要ないと思った。 要らないところを切り落として、喉を潰して、そうすればもう少しぐらいは、みんなの望む姿でいられるかもしれないと思った。 だから。 大きな声に驚いて、刹那、身が竦む。 震える手に握られた鋏は、簡単に落ちてゆく。 ――かしゃん。 金属が床を叩く音。 真っ赤な夢の終わりは、やってこない。 ▼ (-213) 2022/05/08(Sun) 20:54:44 |
【秘】 どこにもいない シャルロッテ → 少年の勇気 バラニ「だって、」 赤い瞳から、ほろほろと涙が落ちてゆく。 「いらないんだもん」 「『女の子』の『シャルロッテ』じゃないと」 なんだかひどくちいさくなってしまったあなたのからだを。 なんだかひどくやわらかさを感じるあなたのからだを。 縋るように抱きしめて、潰れた声を絞り出して泣いた。 (-215) 2022/05/08(Sun) 20:55:10 |
ラピスは、その言葉がどうしても許せないと思って、 (a53) 2022/05/08(Sun) 20:55:27 |
【独】 高等部 ラピスがたり、と乱暴に席を立って、 何事かと瞠目する教師の横まで歩を進める。 暴力が短絡的な手段であることは承知していた。 こんなことをしてもどうにもならないことも。 でも、今は"未熟な子ども"である自分の立場を利用してやろうと思った。 子どもの訴えを、その身で味わってもらうべきだと思った。 これが問題行動と捉えられれば、自分の治療を最後に回収作業を止められるかもしれないと、希望的な観測があった。 だから、 (-214) 2022/05/08(Sun) 20:55:47 |
ラピスは、そのまま腕を振りかぶって、 (a54) 2022/05/08(Sun) 20:56:05 |
ラピスは、初めて、怒りのままに人を殴りつけた。 (a55) 2022/05/08(Sun) 20:56:11 |
ラピスは、初めて、ギムナジウムの大人に反抗した。 (a56) 2022/05/08(Sun) 20:56:32 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
【置】 王として リアン外に振り撒かれた風評と、この病のせいで。 まともに社会には出られないことが分かっている。 だから、大人に貰った特権を使って。 "自ら"治療を受ける事で。大人達に取り入る心算でいる。 ここで生きていくために。 その時王に目を向けたもの、手を取ったものを巻き込んで。 崩れかけの星は未来に向かって歩いていく。 (L19) 2022/05/08(Sun) 20:59:29 公開: 2022/05/08(Sun) 21:00:00 |
【秘】 ライアー イシュカ → 悲憤慷慨 フィウクス「無理だろ。 ……まあ、選択肢が提示されてりゃ、 夢なり希望なり抱く奴らはいるだろうし。 僕みたいなタイプだと知らないけど」 ぼんやりと、なんだか同僚みたいなことを言っているなと。 あちらほど改革を述べている訳でもないが、 どうにも、自分は“気付けない”側の人間な上に、 現状維持か、何かに沿った行動しかとれないから。 「……提示される側の人間だった癖に、変な事言ってる」 不思議と拗ねたような言葉が零れた。 貴方が去り際に呟いた言葉を聞いて苦々し気に訴えの目線。 「よくわかってんじゃん。そうだよ。 その偉っそうな態度は気に入らないけど。 僕は嘘なんてつきたかないんでね。 考えて置くって言ったからにはそうする」 「精々その前には死ぬなよ」 (-216) 2022/05/08(Sun) 20:59:35 |
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