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名前 | ID | 生死 | 勝敗 | 役職 |
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虹色カンタビレ サアヤ | master | 襲撃死 (2d) | 勝利 | 村人陣営:村人 村人を希望 |
爽快ブラスト チアキ | もくもく | 処刑死 (6d) | 敗北 | 人狼陣営:人狼 人狼を希望 |
純真アンサンブル リッコ | mokumoku | 生存者 | 敗北 | 裏切りの陣営:囁き狂人 囁き狂人を希望 |
焔の魔術師 ベアトリス | CClemon | 生存者 | 敗北 | 裏切りの陣営:囁き狂人 囁き狂人を希望 |
水の魔騎士 ユスターシュ | CDlemon | 生存者 | 敗北 | 裏切りの陣営:囁き狂人 囁き狂人を希望 |
気紛れ飼猫 クロ | mokumoku2 | 生存者 | 敗北 | 裏切りの陣営:人形使い 人形使いを希望 |
不良少年 滝沢啓介 | CElemon | 舞台に居た |
【人】 爽快ブラスト チアキ急に現れた橋本先輩と熊切先生にも驚きましたが、有馬先生が返信したのにも驚きました。 …まあ有馬先生が当たり前に家に上がり込んできたことにも驚いたのですけどね。 だってこの家には私が一人なのは知っているはずです。 無防備な姿の私がいるのに!なんて、恥ずかしくもなりました。 けれど今はそれどころではありません。 それに有馬先生が呼ぶのは全く知らない名前。国名。そしてまた私を姫と…? 私は面食らいながらみんなの様子を見ていました。 そして、橋本先輩と二人になったのです。 シャワーをさっと浴びて軽装に着替えた私に橋本先輩(エスポワとは?)は話しかけます。 (0) 2023/10/27(Fri) 22:02:37 |
【人】 爽快ブラスト チアキ『姫様はどちらが幸せなんだろうね?』 そして語られたのは衝撃の事実。 私は訳あって塗り替えられたこと。 本当の私は姫であり魔法使いであり彼らの言っていることはそのまま事実であること。 有馬先生がユスターシュという名前の騎士で私の婚約者だったこと。 今はその全てを塗り替えられて、私は姫宮千秋になっていること。 全てを飲み込むことはできません。 でも、橋本先輩か嘘を言ってるようには見えません。 その先輩は焔を纏って宙にふわふわ浮いていましたからね。 コレで魔法があると言われたら、信じてしまうでしょう。 ただ、私には癒しの力があるけれど他の力は今はないのだと言われました。 その癒しこそが私が姫であった名残であり、願いそのものだったのだと。 (1) 2023/10/27(Fri) 22:02:56 |
【人】 爽快ブラスト チアキそして、橋本先輩は小さな光の粒をくれました。 虹色のほんの小さな宝石です。 私の幸福を願うと言ってくれながら、先輩は炎を纏った姿のまま熊切先生と合流し、またぱしゅんと消えてしまいました。 「…有馬先生。」 戻ってきた有馬先生に私は戸惑います。 ぎゅっと、渡された小さな宝石を握りしめながら。 私が姫? 先生が婚約者? わかりません。本当なの?嘘なの?嘘ではなさそうだったとはいえ、全てが本当かはわかりません。 でも。 わたしはその宝石の粒を握りしめながら、そっと先生に尋ねたのです。 (2) 2023/10/27(Fri) 22:03:12 |
【秘】 爽快ブラスト チアキ → 水の魔騎士 ユスターシュ「…わたしが姫でなくなったら。 先生は、…ユスターシュ、さま、は、 もうそばにはいてくれなくなりますか…?」** (-0) 2023/10/27(Fri) 22:03:30 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ姫様にざっと説明して、ボクの一部を手渡した。 ボクのかな?それとも別の?曖昧だなよくわかんない。 でもボクは希望の篝火エスポワ、これくらいならして良いよね。 上機嫌でベアトリスに合流する。 ベアトリスは少し寂しそうだったから、後ろからぎゅっと抱きつきた。 「大丈夫だよ。ボクがいるよ。 大丈夫。」 頬にキスして、耳元にも。 ボクの焔は服も君も燃やしたりしないから大丈夫。 こっちを向いてくれたら唇を重ねて、さあ行こう。 病院に瞬間移動する。 病室にリッコとその恋人?だけならそこに直接。そうじゃなきゃ、人目につかない場所を選んで。 (3) 2023/10/27(Fri) 22:13:19 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「…リッコーリス、無茶したね。 自分に優しくしてくれた人を守りたい気持ちは ボクだってわかるけどさ。 誰かの死の運命を覆そうとしたのなら それが自分に跳ね返ってくることくらい 想像ついただろうにね。」 恋人?がいるからって。 いや、恋人がいるからこそきちんと説明しなきゃな。 どうしてリッコがこんな目に遭っているのか。何を願ったのか。 「精霊たちを鎮め共生すると同時に リッコは君の救命を願った。 姫様に感謝して欲しい。 姫様の願いがなければリッコは死んでたよ。」 ベアトリスの隣に立ちながら、じっと恋人くんを見つめるんだ。 焔を纏ったボクは、その暴れた精霊の仲間に見えなくもないだろうけど。** (4) 2023/10/27(Fri) 22:13:41 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシューー長い夢を見ていたような。 ユスターシュは二度記憶を失った。しかしそれを取り戻した。 大切な人。それは亡くなった姉と、愛する姫君の事であった。 今のユスターシュの胸を占めているのは、チアキローズへの想いだ。ずっと奥底に封印されていたからこそーーそれは強く激しく、胸を焦がしている。 だが、そんなユスターシュとは入れ違うようにチアキローズは姫としての記憶を失ってしまったようだ。 まさに、皮肉。 伸ばした手と手が後一ミリで触れ合う、というタイミングでまた離れてしまうが如く。 ユスターシュが記憶を思い出せなかった間は、チアキローズに苦しい想いをさせた。 刃すら向け、命を狙いーー乱暴に身体を重ねることまでしてしまった。 それでもユスターシュを信じていてくれた彼女の事を思うなら。 今度はユスターシュが、信じて待つ番なのかもしれない……。 <cc></cc> (5) 2023/10/27(Fri) 23:25:25 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュチアキローズこと千秋はシャワーを浴びたのであろう、茶色の髪が少ししっとりとしていた。 衣服もきちんと着替えている。 応接間にて対面するか。 彼女は橋本彩綾と話していたはず。どんな説明を受けたかわからないが、それでもーー。 ユスターシュこと譲の気持ちは決まっていた。 想いは覚悟、決意だから。 名を呼ばれ、ゆっくり彼女に近付く。 (6) 2023/10/27(Fri) 23:25:52 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ 「姫宮さん……チアキローズ姫。」 どちらも彼女の名である。 それを唇に乗せるだけで、今は愛しさに溢れた。 不安は、胸に独りで抱けば辛いだけ。しかし信頼する者に打ち明ければ違う。 分かち合い、想いを確かめる事が出来れば。 譲は微笑み、背の低い彼女の前に片膝をつく。そして左手を取ると甲に恭しく唇をあてた。 (7) 2023/10/27(Fri) 23:26:42 |
【秘】 水の魔騎士 ユスターシュ → 爽快ブラスト チアキ 「俺は誓った。この剣と命を賭けて。 ーー貴女と共にあると。 それは貴女が姫だから、忠誠心故ではない。 貴女を愛しているからだ。 どんな姿になろうと、なんと名乗ろうと。 ーー国や地位を棄てようと、 俺を……忘れてしまっても。 この胸に滾る熱い想いは、 唯一無二、貴女だけに。」 従者のように傅くのを止めて立ち上がり、千秋の細身を抱き締めるーー然りと。 「思い出さないのなら、これから俺と 作っていこう、新しい想い出を。」* (-1) 2023/10/27(Fri) 23:27:23 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスーー長い夢を見ていたような。 ベアトリスは弟と別々の人生をむ選択をした。新しい道には、新しいパートナーが。 エスポワがいる。 彼女を抱き寄せて、優しいキスを受け止めた。ベアトリスーー華夜からも、幾つも花を咲かすように返して。 「……ありがとう、エスポワ。 貴女が傍にいてくれるのが、 今の私には一番よ。」 そして二人は病院へと移動した。* (8) 2023/10/27(Fri) 23:28:14 |
【見】 不良少年 滝沢啓介里津子との面会が許され、啓介は病室にいた。彼女は意識を取り戻している。しかし、ベッドに寝たきりだ。 病室に華夜と焔を纏う少女???が現れた時は驚いたが、華夜から大体の説明を受け、頭の悪い啓介も状況を把握するに至る。 兎に角精霊の暴走は収まり、二つの国の争いも終わった。 そして結果、焔の少女ことエスポワが爆誕した、という事らしい。 エスポワの言葉に啓介は唇を強く噛んだ。 「俺を助けようとして、里津子はこんな事にーー… 畜生ッ!俺がもっと、ちゃんと闘えればッ!」 悔やんだ所でどうにもならないのだろう。拳を握り締めて吠えるも、だ。 (@0) 2023/10/27(Fri) 23:28:45 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 『滝沢君。みんな精一杯、想いも 行動も尽くしたわ。 でも何もかも上手くいったり 思い通りにはならないのよ。 ……これから出来ることを考えなさい。 貴方にも出来ることはあるはず。』 華夜はそう言うと、医者と話して入院の手続きなどはしておく、と啓介に伝えた。 「わかった。俺は、里津子の傍にいる。 ……エスポワ。姫様に、ありがとうって 伝えてくれ。」 そう言うと、啓介は里津子の手を握った。* (@1) 2023/10/27(Fri) 23:29:03 |
【人】 爽快ブラスト チアキわたしは、今のわたしが本当の私ではないかもしれないことを受け入れ始めていました。 その一方で、だからこそ不安定になりかけていました。 今まで、私が信じていた自分とは? 私の中では生まれて十数年、姫宮千秋としての記憶があるのです。 確かに仔細を覚えている訳ではありませんでしたが、確かに生まれてからずっと、姫宮千秋だったと覚えているのですから。 だからとても不安になりました。 私の初恋の人、有馬先生。 結ばれるだなんて思っていません。 だけど、自分が違う自分だからと寄り添ってくれているのだとしたら。 わたしが違う私なのだとしたら、離れていってしまうのでは? だから泣きそうになりながら尋ねていたのです。 でも、先生…ユスターシュ?は、跪いてくれました。 名前を両方とも呼ばれ、手の甲に口付けされてそれが様になってるのにとても恥ずかしくなってしまいます。 (9) 2023/10/28(Sat) 9:47:58 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「先生…ユスターシュ…様…?」 抱きしめられて、はらはらと涙がこぼれ落ちました。 握りしめた光の粒が、虹色の光を放ちます。 光の粒のようだったその宝石は光を放ちながら緩やかに小さくなり溶けて。 「ユスターシュ様…、わたし、私は…。」 私にあるという癒しの力が彼に伝わり、光を通じて私にも巡ってきます。 ゆっくりと脳裏に描かれたのは想い出。 お城のホールのような場所であなたと踊りました。とてもドキドキしたものです。 嵐の中で見つけて頂いて、心から安堵して。 傷だらけなのが悲しくて、身を寄せました。 でも…。 (10) 2023/10/28(Sat) 9:48:33 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「…あなたの事しか思い出せません。 でも、貴方のことが思い出せたなら。 貴方と共にいられるのなら。 何処でも、誰としてでも生きていけます。 愛しています、ユスターシュ様…。」 思い出せたのは貴方との思い出だけ。 姫であったこと、チアキローズであったこと、それは蘇りませんでした。 貴方との思い出の中で確かに姫、チアキローズと呼ばれていましたが、それが自分にはうまく結びつかないままです。 それでも。 貴方が共にいてくださるなら。 「──愛しています。」 すっかり消えてしまった虹の輝き。 それでも私は、貴方に抱きついてぬくもりを分け合いました。 貴方の傷もまた癒やされていることでしょう。 (11) 2023/10/28(Sat) 9:48:50 |
【人】 爽快ブラスト チアキ──とても余談ですが、肌を重ねた時のことは思い出せていません。 直近すぎて思い出とはされなかったのか、痛みを伴うものだったからは定かではありませんが。** (12) 2023/10/28(Sat) 9:49:16 |
【人】 純真アンサンブル リッコ私はうっすらと意識を取り戻していた。でも、動けない。 啓介が話してくれてるけど、酸素マスクをつけて意識がまだ朦朧としていたから、エスポワがきた時はまた眠りについていたのだろう。 啓介には言ったよ。ちゃんと終わったからって。 あんたは悪くないって。 戦いのプロでもないのに力を託して、守ってもらおうとした私の判断ミス。 そこまでは口にしなかったけど、そう思ったから。 ああ、私は本当な出来損ないだ。* (13) 2023/10/28(Sat) 10:16:01 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「戦いのプロじゃないんだからか仕方ないよ。 それはリッコーリスの判断ミスだよ。」 まさかボクがリッコの代弁をすることになってるなんて思ってなかったけどさ。 実際そう思うよ。訓練も受けてない学生なんだもん、コイツ。 うまく戦えるなんて思ってなかったと思う。 ただ、若しかしたらそれはリッコの願望だったのかな。 リッコは自分が守る側として誇りを持っていたけど、普通の女の子になりたかった子なんだよね。 だからボクは、リッコの胸元にそっと小さな宝石を置いた。 虹色の光を宿す、イーリスのそれとは違う…姫様にわたしたのと同じもの。 (14) 2023/10/28(Sat) 10:16:44 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「──何か願いが叶うとしたら 君は何を願うのかな。 でも、リッコーリスは自分を犠牲にしたら 絶対怒るし、許さないと思うよ。 自分はやるくせにね。 これは、君に託していく。 ささやかな願いくらいならきっと大丈夫。」 きっと、正しく使ってくれると信じて。 ボクはそれを置いて、ベアトリスに行こうと促した。 院内を歩いていくなら橋本彩綾の姿に戻ってね。 (15) 2023/10/28(Sat) 10:17:03 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤそして、何処かで二人きりになれたなら。 「ベアトリス…。 ボクはね、イーリスの守護者になったみたい。 君にもらった名前。その二つ名。 虹色カンタビレ──虹を歌うように豊かにと 光輝かせる、希望の篝火エスポワなんだ。 ベアトリス。 だから、ボクらは追われるかもしれない。 姫様やユスターシュはあの国を締め出されるか それとも逆に乗っ取るかはわからないけど ボクたちはどうしよう? …ボクを、切り捨てたりしないでしょ?」 ニッ、と口角をあげて笑って見せる。 切り捨てられたら?なんて考えてやらないんだ。 人間らしからぬ傲慢さがそこにある。 彼女の手を取り、ボクの胸元に添えさせた。** (16) 2023/10/28(Sat) 10:17:25 |
【人】 気紛れ飼猫 クロ何処からか現れた黒猫。 にゃあんと一声。かちりと首輪が外れて、そのまま去っていった。 そこにきらりと光る虹色の宝石。 首輪は宙に浮かび、緩やかに色と形を変えて──今度はエスポワの首元に巻きついた。 彼女の衣装に合うように、白いリボンの装飾となって。** (17) 2023/10/28(Sat) 10:19:54 |
【見】 不良少年 滝沢啓介里津子はまだ話せる状態ではなかった。酸素マスクを装着、心音を測られている状態だ。 傍らの椅子に座り啓介はその手に手を添えるぐらいしか出来ない。 不甲斐ない自分を悔いても仕方ないが、その念はどうしても強かった。男は女の子を護りたいものだ、彼女が戦士、闘いのプロフェッショナルであろうとも。 エスポワの「もし願いが叶うなら」という問いに、啓介は少し黙り込んでから答えた。 真っ直ぐに顔を上げて。 「願いは自分で努力して叶える。 誰かに叶えて貰うもんはねえよ。 里津子はきっと元気になる。 俺は信じて傍にいるから。」 里津子の胸元に置かれた小さな宝石を見つめたが、啓介自身はそこに何も願いはしなかった。 傍にいる。待つ。 それが啓介に出来ることである。* (@2) 2023/10/28(Sat) 15:22:26 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス病室を出て、廊下の片隅にて。 エスポワと二人で向き合う。 彼女の言葉にベアトリスこと華夜は笑みを浮かべる。 確かに困難が待ち受けているだろう。しかし、華夜は彼女とならば乗り越えていけると信じていた。 「切り棄てる?馬鹿なことを。 あり得ないわ。私はもう、貴女以外はいらないの。 でも、そうね……ドローイグやミュジークがまだ、 イーリスを欲するならば逃亡生活に なるのかしら?愛の逃避行ってやつ?」 くすり、と唇に丸みを乗せた時であった。何処からか虹色の光が降り注ぎ、エスポワの首元を覆う。 それは首輪を象った。白い首輪に虹色の宝石がついている。 イーリスだ。 だが、不思議な現象はそれで終わりはしなかった。 何処から、声がしたのだ。 今まで聞いたこともない、男性とも女性ともわからぬ声が。 (18) 2023/10/28(Sat) 15:22:58 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 『私はドリーム。六大精霊の力を統括する精霊王である。』 「精霊王?!まさかーー」 宝石が放つ神々しい光に華夜は思わずひれ伏す。 声は続ける。 『私は今までイーリスの中に息づいて、人の願いを叶えてきた。 その代償をエネルギーとして。 何年も、何十年も。 永劫なる時の中で、人と精霊全てを 見守ってきた。 そんな私ではあるが、 一度も叶えたことがない願いがある。 それは、私自身の願いだ。』 「精霊王の願い……?」 キラリとエスポワの首元の宝石が光る。 『ゆっくり眠りたい。もう大きな願いは叶えずに。 微睡みの中で小さな願い程度を聞くのは良いが、もう。 ーー休みたいのだ。』 (19) 2023/10/28(Sat) 15:26:48 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 『人の願いを叶えれば、人と精霊の 橋渡しになると考えた。 しかしイーリスと私の力を巡り、 人と精霊は相対してしまった。 もう二度と悲劇を繰り返さぬ為に。 私は眠る。この少女の首元を安住の地として。 ーーそれが私の願いだ。 私は、私の願いを叶え、代償として 二度と目覚めないであろう。』 ドリームの宣言に華夜は息を呑んだ。イーリスが願いを叶える力を失えば確かにーー人々が争うことはなくなる。ドローイグやミュジークが醜い闘いを繰り広げることも終わるであろう。 『エスポワよ。イーリスを頼む。 どうか三日に一度は宝石の表面を磨いておくれ。 ーー柔らかな布でね。』 最後に七色を放つと、声は聴こえなくなった。 恐らく、エスポワが分け与えた小さな宝石以外はまだ願いを叶える力を持っているが、イーリス本体はその力を失ったのだろう。 「……これで良かったのかもしれないわ。 なんでも願えば叶うなんて間違っているし。 代償もあるのだから。 私達は私達の力で未来を歩んで行きましょう。 ーードローイグに一度戻り報告をするわ。 貴女も来るわよね?」* (20) 2023/10/28(Sat) 15:27:19 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュこの胸に彼女を抱くことが出来る誉れ、歓び。 先行きには不安はあれど、それ以上の幸福は今は望むまい。 譲は彼女の細身をしっかりと支え、広い胸板にて受け止めた。 彼女の溢す涙すら、一滴足りも逃さぬように。 傍に寄り添う。 「チアキローズ……千秋。 貴女の想いさえあれば、俺は。 他の全ては贅沢に思えるが。 どうか生涯俺の傍にいて欲しい。 ーー妻となって欲しい。 それが俺の願いだ。」 問題はそれを国に帰り叶えるのか、此方の世界にて叶えるのか、かもしれない。* (21) 2023/10/28(Sat) 15:51:16 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「ユスターシュ様…。 どうか、二人きりの時にはチアキローズと。 そうお呼びください。 私も貴方の隣に居られればそれで…。」 それで、何処でも生きていける。そう思うのです。 これからを姫宮千秋として生きるのか、チアキローズとして生きるのかはわかりません。またはその両方として。 ただ隣に貴方が居てくだされば。 だから、彼のプロポーズに一瞬目見開いた後、私は嬉しくて微笑むのでした。 (22) 2023/10/29(Sun) 8:23:53 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「嬉しいです、ユスターシュ様。 私は貴方の妻として…これから生きていきます。 …こちらの世界でも叶うのでしょうか?」 ふふ、と笑ってしまったのは、有馬千秋になるには年齢が足りないかもしれないからです。 それにはおそらく後二年要りますね。 でも、そんな事を言えるくらいに心が穏やかになって。 私は彼を見上げて、そっと目を閉じながら少しだけ背伸びをしました。* (23) 2023/10/29(Sun) 8:24:07 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ信じる、か。 信じるだけじゃダメかもしれないけど、これがコイツの性格なんだろうから黙っとく。 好ましいものではあるしね。愚かしいとも思ってしまうのは、ボクが人間ではなくなったからかも? それにまさか精霊王が喋るとは思わなかったな。ほら、ベアトリスひれ伏しちゃったじゃん! 首元のイーリスを撫でながらボクは苦笑い。 まあ良いけどね、ボクにしてるように見えてボクにしてるんじゃないんだし。 ちゃんとイーリスのお世話だってするつもりだし、ボクはイーリスに分け与えられた力は好きにさせてもらうつもりだしね。 (24) 2023/10/29(Sun) 8:33:26 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「勿論。ボクはベアトリスについていくよ。 でもベアトリスがドローイグで辛い目に遭うなら さっさとドローイグを滅ぼすか、 ベアトリスを攫って逃げるからね。 今のボクは人間とも精霊とも判断基準が違う。 根っからの、じゃないから どちらの感覚もあるだけでさ?」 彼女に絡みついて頬を擦り寄せる。 くすくす笑って、でもね。 「…イーリスじゃないけどさ。 3日に一度は抱いてよね。 その時だけ生やせるようにする?」 君と繋がるのは気持ちよかったんだ。 まぁ今度生やすとしたら、君の魔力自身でどうにかできるようにしたいけど。 えへ、大好き。** (25) 2023/10/29(Sun) 8:33:44 |
【人】 純真アンサンブル リッコエスポワとなったサアヤたちが去って、数時間後。 もう翌朝になってしまったのかな。 わたしは胸元に虹色の宝石を置かれたままで懇々と眠りについていた。 瞼を震わせ、そっと瞳を開ける。 全身が痛い。体に力が入らない。 視線をだけで辺りを探ると、啓介の姿が見えた。良かった、生きてた。 「啓介…。」 良かった。生きていてくれた。 それが嬉しくて涙を滲ませてしまう。 その後、生きての再会はどうなったのかな? 虹色の宝石はイーリスのようで、少し違う。 それを握りしめながら、わたしは診察を受けることになるだろう。 わたしは詳しいことはわからないけれど全身が失血したような症状を起こしていて、今後歩くことは難しいかもしれないと診断された。 診断されたその時、啓介は横にいたのかな。 それとも、わたしから伝えることになったのかな。 確かに両脚の感覚がない。 ──死ぬかと思っていたから、生きているだけありがたいけれど。 (26) 2023/10/29(Sun) 8:42:59 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…ありがとう。それと、ごめんね。」 巻き込んでしまって。 戦わせてしまって。 好きだと言ってくれたのに、こんな状態になってしまって。 二人きりになれた時。 ベッドの上か、車椅子で何処かにいたか。 ぽつりとそんな呟きを。** (27) 2023/10/29(Sun) 8:43:19 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュチアキローズとユスターシュ。 千秋と譲。 どちらの世界においても共に生きていく。共に寄り添って歩むと約束を胸に刻んだ。 彼女はプロポーズを快く受け入れてくれる。 艶やかな睫毛が伏せられ、ピンクの唇が譲を待っていた。 「チアキローズ。貴女を必ず幸せにする。」 身を屈めて触れ合わせる誓い。 それは婚儀の場でなくとも神聖なもの。 二人はこうして、多くの苦難を乗り越えたのちーー婚約者としてではなく、互いを選び結ばれたのであった……。** (28) 2023/10/29(Sun) 16:25:58 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス人間でもない、精霊でもない。 それはすなわち、人間でもあり精霊でもある、という事だ。 しかもイーリスを彼女は身に付けた。エスポワの得た力を考えるならば、ベアトリスはずっとひれ伏してもおかしくはなかったろう。 しかし、彼女と自分は対等であり、パートナーとなったことをベアトリスは知っていた。 たとえサラマンダーが使役できなくなろうと、彼女がいたら千人力だろう。 「ドローイグを滅ぼすですって? 過激ねえ。 私はね、貴女と静かに暮らせたら それで満足なんだけど。」 見た目はこんなに愛らしい少女なのにエスポワったら! でもそこがまた彼女の魅力かもしれない。 「三日に一度じゃ私が足りなくて疼いてしまうわ? 毎日、毎晩愛でたい。 貴女の隅々を。ね?」 触れている柔らかな頬も、輝くような色の髪も、悪戯に光る瞳も、スレンダーなボディも、全部私のもの、とほくそ笑む。 それは大好き、と同義であろう。 (29) 2023/10/29(Sun) 16:26:27 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスその世界の人々は、精霊の力を借りて豊かな反映を遂げた。 ドローイグ帝国は絵画の力により、色彩鮮やかな精霊を友として。 国のあちこちの石壁には、子供たちが描いた絵がたくさん残っている。それは落書きと忌み嫌われたりはせず、街を彩るもの、というのがドローイグの認識だ。 「私はね、この貧しい街に生まれたの。」 ベアトリスはエスポワを伴い、貧民街を訪れている。 生家は燃えて失くなってしまったが、町並みはあまり変わってはいなかった。 子供たちが絵の具を使い夢中に壁に絵を描いている。 自由で愉しそうだ。 「確かこっち……あったわ。ほらこれ。 私が描いた絵なの。」 それは弟ユスターシュと手を繋ぎ並ぶベアトリスの絵である。 小さな二人ではなく、大人になった姿を想像で描いたのだ。 マント姿のユスターシュと、ドレスのベアトリスが並んでいる。 ベアトリスはふ、と目を細めてそこに人物を描き足した。 勿論それはエスポワである。 (30) 2023/10/29(Sun) 16:27:02 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 「それにしても、ドローイグの王は 情けなかったわねえ。」 実は二人は貧民街に来る前に王に謁見していた。宮廷魔術師であるベアトリスの使命はイーリス奪還であった。そして、ベアトリスはイーリスを首につけたエスポワと帰還した訳である。 これが王にはどう見えたか。 『え、エスポワ様!平に、平に〜!』 なんでも願いを叶える宝石を手にする少女は、さながら紋所を手にする水戸黄門といったところか。 その脅威にただただ平伏する王がベアトリスに何か文句を言うなどあり得なかったのである。 二人は王宮に住まいを得たし、望むならいつでも異世界に行く事も。諸国漫遊していた光國と似たようなものだ。 (31) 2023/10/29(Sun) 16:27:25 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 『りっこちゃんは恋人がいるから向こうの世界に 残るのよね。 まあ、私達は行き来出来るから いつでも逢えるけど。 そう言えば、チアキローズ姫はどうするの? あの二人はーー結婚するのよね?』 姫と結ばれた弟を案ずる。しかしきっと二人も道を歩んでいくのだろう。 エスポワに身を寄せ、ベアトリスは小さな手を握る。 その姿は壁に描かれた絵ととてもよく似ているのだった。** (32) 2023/10/29(Sun) 16:28:02 |
【見】 不良少年 滝沢啓介里津子が眠りについている間、啓介はずっとベッドの傍らにいて手を握っていた。 夜中付き添っていたかったが親族ではない、未成年という理由で泊まりは許されず仕方なく家に帰る。 両親と弟、家は無事であった。事情を知らない家族たちは自然災害がいっぺんに起きたのだと思い込んでいる。 本当は精霊の暴走で、魔法少女たちが命をかけて食い止めたのだが、その魔法少女が恋人だなんて説明は……あまりに長いし信じて貰えるかわからないから控えた。 みんなで元気な事を喜んだ後、 啓介は家族に告げた。 「俺、恋人が出来たんだ。同じクラスの 女の子。 だけど今回の事に巻き込まれて大怪我を負って…。 入院したから、治る迄出来るだけ 傍にいてやりたい。」 そんな言葉を聞いて弟が笑った。 (@3) 2023/10/29(Sun) 18:06:22 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 『兄ちゃん、また気にしてるんだろ。 その子を護れなかった、て。 俺が怪我した時にすんごい気にしてたもんな。 でもさ、兄ちゃんはいつも精一杯で一生懸命じゃん? 兄ちゃんが護りたい人はさ、 その気持ちだけで嬉しいんだよ。』 兄ちゃん、大好きと言って無邪気に啓介に抱きつく弟。 そんな様子に父は。 『どんなに頑張っても人間には 出来ないこともある。 起こった事はどうしようもない。 だが、出来ることもあるんだ。 お前に出来ることをやりなさい。 彼女さんはきっと、お前がついていることを きっと喜ぶだろう。』 啓介は強く頷き、父の言葉を噛み締めた。 (@4) 2023/10/29(Sun) 18:06:40 |
【見】 不良少年 滝沢啓介翌朝、学校は災害の爪痕のせいで休校との知らせが来たので、啓介は朝から病院に向かった。 病室に入ると窓から日の光が差し込んでいる。 ベッドに寝そべる彼女が丁度目覚めた。 「里津子ッ」 啓介は駆け寄る。ひし、とまた手を握った。 「里津子ーー里津子。 目覚めてくれて良かった…… ごめんな、本当にごめん。 お前の事護りきれなくて。 いやーー俺の命を救ってくれて、 ありがとう……すまねえ。」 想いと言葉が溢れる。それを遮ったのは看護婦の『検診です』という言葉だった。 医者がやってきて、二人に身体の状態を説明してくれる。 脚に外傷があるわけではない。神経が死んだり骨も折れてはない。が、彼女の脚は動かない状態だと告げられた。 「……歩け、ないのか。」 啓介は青ざめた。里津子と医者を交互に見つめる。 (@5) 2023/10/29(Sun) 18:06:59 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「先生、頼むよッなんとか治してくれッ! なんなら俺の脚をやるからッ」 それでどうにもならないのは啓介もわかっていたが叫ばずにはいられなかった。 医者は、少しずつリハビリをしましょうと告げて去っていく。 治るとも治らないとも言えないのを苦しそうに。 二人だけになる。広い病室は静かだ。啓介はまた、彼女の手に手を添える。 「大丈夫、リハビリ頑張ろうぜ! 俺、毎日学校の帰りに来るからさ? お前の分のノートも取っとくし!」 わざと明るい口調を作る。 「……て。お前、さ。あっちの世界には 帰らない、んだよな……?」 謝る里津子に啓介の胸は苦しくて堪らない。* (@6) 2023/10/29(Sun) 18:07:58 |
【人】 純真アンサンブル リッコ目が覚めた時、圭介が駆け寄って手を握ってくれた。 そのことに目を細めて微笑んで。 でも謝罪されたことに首を微かに横に振る。 「ううん、その気持ちだけで嬉しいの。 だから謝らないで。 こうして隣に居てくれるじゃない。」 目が覚めた時、一人きりだったらきっと泣きそうになっていたと思う。 圭介がいたから微笑むことができた。笑顔は人を明るくできると知っている。 サアヤや姫様の笑顔に救われてきたのはわたしだったから。 そして今、啓介の笑顔が見たかったけれど…。 診察が始まって、その結果が出て。 (33) 2023/10/29(Sun) 18:47:02 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「啓介。」 圭介の言葉に首を横に振ったのは、そんなこと願っちゃダメと思ったから。 経緯はよくわからないけれど、私の手元にある虹色の宝石──魔力を宿すこれは、イーリスのそれによく似ていた。 だからこそ、どこまで願いを 叶えてしまうか 分からない。だから迂闊なことは言わないでほしくて。 そう。 この脚が動かないのはきっと、イーリスによる願いを叶えた代償の一つ。 人一人の命を掬い上げたのだ。本来は自分の命が代償になっておかしくないのを、機能一つで何とかなった。 本当にそうかも分からないのに。 病室に二人取り残されて。 わたしは病室──入院してる部屋、だろうか。 個人的な話をしてるから、きっと個室に戻ってたんだと思う。 (34) 2023/10/29(Sun) 18:47:23 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「私は騎士の一人だもの。 あちらの世界に帰っても仕事はないわ。 姫様をお護りすることもできない…。」 でも。だからと言ってこちらに残るとも言えない。 あちらの世界にとって、私の存在意義が無くなったのだとしても。 「でもこちらの世界では、わたしはただ 脚の機能を失ってしまった一学生に過ぎないの。 あちらに戻る理由もないけれど こちらに止まる理由は──。」 ジッと啓介を見る。でも、そんな重荷を背負わせたくもないの。 貴方だけを理由にはできない。 それはいけないことだと思っている。 わたしのことを好きだと言ってくれた彼だからこそ──枷になりたくないの。 じわりと滲んだ涙をそっと手で拭う。 (35) 2023/10/29(Sun) 18:47:42 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「──姫様の癒しの力が残っているのなら リハビリ?の助けになるかもしれない。 だから、もし癒しの力が残っていたなら 姫様の力を借りつつ、 リハビリを頑張れれば良いと思っているわ。 もし姫様の力が喪われていたのだとしたら リハビリを…頑張るしか、無いわね。」 その結果がどうなるのかは今の自分には分からない。 魔力が関わる疾患だからこそ、こちらの医学では対応しきれないだろうし、魔法での治癒も難しいかもしれない。 ただ、リハビリをしてみる価値もあるとは思う。 私に添えられている啓介の手。 ぎゅっと握りしめて、すう…と息を深く吸った。 気持ちを落ち着けて、にこりと微笑む。 「…啓介。わたし、大丈夫だよ。」 だから手を離しても大丈夫。 だから離れても大丈夫。 そんなことを言いたかった。言いたかったけど。 結局握りしめた手をわたしは離せない。 離せないまま、顔を俯けさせてしまった。 ぽた、と二人の繋いだ手に雫が、落ちた。** (36) 2023/10/29(Sun) 18:48:00 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ音楽を愛でるミュジーク。絵画を愛するドローイグ。 どちらも芸術を愛する国でありながら、仲違いをしたのは大きな力のせいだったのかもしれない。 人々に指標を委ね、全てを叶えさせてしまう大きすぎる力。 ──だからこそのボクだ。 希望の名前を与えられたことでその指標を明確にした、希望の篝火。願いの道標。 悪辣なもの、身勝手なものは通さない。 とは言え、イーリスそのものが願いを叶えるわけでも無い。 ボクはただ、その余波のような──まあボクに分け与えられた力を使ってる。 今のところ尽きる予定は無いけどね。 ボクが使う予定? そうだなあ、ベアトリスの肉体が朽ちる時にはボクと同じにしちゃおうかな! イーリス…ドリームも孤独だったからね。 ボクは新生ベアトリスと永き時を生きる予定さ! まあそれはずっと遠い話。 精霊の感覚だとあっという間かもしれないけど。 (37) 2023/10/29(Sun) 19:27:43 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「あっ、ユスターシュの横に姫様描いてあげてよ! ボクは絵、からっきしだからさ。 …ここの子達も教育が必要だね。 日本の識字率にはびっくりしたんだ!」 ベアトリスたちの過去を思うこともできるけどさ。 ボクたちに出来ることは過去を悔んだとしてもそれを糧に生きる事。 ボクを書き足してくれたのは良いけど、姫様もね!と笑いつつ。 「ん〜、まあ、ぶっちゃけさ? ベアトリスに探させてたなら ベアトリスが横取りするとか想像の範疇? 王様自身が探しにくればよかったのにねって ミュジークにも思ったけどさ。 なーんだかんだ動かないから 想定外のことになっちゃうんだよね、お偉いさんって。 まあボクがこうなるのは予想外も予想外だけど!」 王のことを思い出して鼻で笑う。 確かに情けなかったねー、でもベアトリスが奪うとかまでは想像できるじゃん。 イーリスを得たボク自身がベアトリスのパートナーになるのは完全想定外だっただろうけとさ。 でも。 (38) 2023/10/29(Sun) 19:28:05 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ「城の一室とは言わずさあ。 本当なら王に取って代わっても良いんだよね。 今のベアトリスの立場。 ボクも平和に暮らせるなら良いけどさ。」 あえて事を荒立てたりはしないさ。 こちらに牙を剥いたら容赦しないだけで。 「リッコは…まあ、まだ時間かかるかな。 リッコ、不器用だから。 姫様と弟くんはね。…ふふふっ。」 さあて、二人はどうなるか? 想像して楽しくなって、ボクは笑いながらベアトリスの指に指を絡めて。 背伸びをしてキスをして、自分の方に引き寄せる。 ねえ、今日もお互いを愛そうよ。 それが別々の肉体を持っている者同士、繋がれる一つの方法なんだから。** (39) 2023/10/29(Sun) 19:28:27 |
【憑】 虹色カンタビレ サアヤ──ちなみに、姫様の癒しの力については説明したよ。 ボクにはそれが判ったからね。 ハグよりキス。キスより胸。 それよりもエッチが癒しの力が強いって。 でも、基本的にハグだけにしときなよって。 姫様の身体は安く無いからね? ある意味それが癒しの能力の枷なんだと思ってるよ。 姫様自身、そんなに肌を晒すのは治癒のためと言っても抵抗あると思うしさ。 治癒のためにしてるのに淫乱姫、なんて呼ばれたら可哀想だろう? それにただのハグだけだって、勘違いする奴は人間でも精霊でもいやがるからさ。 (40) 2023/10/29(Sun) 19:43:05 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスドローイグの貧民街の子供たちは、壁の絵が増えているのに気が付いた。 ドレスの女性の隣にキラキラした虹色の女の子、マントの男性の隣にお姫様が。 そして、この世界にはない真っ黒な学生服を着た少年。 彼は黒髪の女の子をお姫様だっこしている。 総勢6名。 その絵が、後に立国されるとある国の王と王妃に似ていると噂になるのは先の事だ。 良い観光名所となったであろう。** (42) 2023/10/30(Mon) 1:14:54 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「俺、女の子と付き合う事になったら、 その子を命がけで護りてえんだ。 辛いことや悲しいことがあっても、 傍にいて面白い事言ってさ? 笑顔にしてやりたい。 その子を虐めるだの害する奴がいたら 絶対赦さねえし、こてんぱんにする! 怪我とかしないように。大事に大事に、 護るーー俺の全てで。」 弟に啓介がそんな風に言ったのは、いつだったろうか。 ーーあれから。 精霊たちが暴れる事はなくなり、世界に平和が訪れた。 エスポワの力が及んだこと、チアキローズの尽力があったことなど、向こうの世界に関わることに啓介は詳しくはない。 それでも。 世間は魔法少女たちの活躍が見られなくなったのを呑気なファンたちは悲しんだりしたが、啓介は知っている。 彼女たちの活躍によってこの平和が得られた事を。 ーーその時に払われた大きな犠牲も。 (@7) 2023/10/30(Mon) 1:15:36 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「里津子!わりー、遅くなった。 今日はゼミの話し合いが長引いてさ。」 病室に駆け込んできた啓介の姿は、高校時代よりちょっと背が伸びて大人びている。 二年が過ぎ、啓介は大学に進学していた。 高校の頃は勉強嫌いだったが不良少年であったが、今は将来の目標のために真面目に勉学に励んでいる。 啓介の夢は、介護士になることだ。里津子のリハビリの手伝いをするうち、専門知識があれば…と思うようになったから。 「あ、でもいいもん買ってきたぜ!ほら。 ライオンクレープ! お前、好きだろ?これ食べて今日も リハビリ頑張ろうぜ。」 クレープを差し出して一緒に食べようという啓介は、見た目が成長しても中身はあんまり変わらないのかも。いい意味で。 「お姫様と有馬先生の結婚式、 楽しみだな! ……お前が歩けなくても、 心配すんなよ。 俺が抱っこして花嫁の近くまで 連れてってやるからさ。」 (@8) 2023/10/30(Mon) 1:16:05 |
【見】 不良少年 滝沢啓介チアキローズとユスターシュ、否、千秋と譲の結婚式は二回行われる。 異世界と、この世界で。啓介が話しているのはこちらの世界での結婚式だ。 式までに歩けるようになれば。 そんな希望を抱いて二人で頑張ってきた。 しかし、残念ながらそれは叶わなかった。 だけど、啓介は全く落ち込んだりはしていない。 彼女の脚が動かないなら啓介が脚になればいい。 生きて傍にいられるだけで幸せだ。彼女と共にいられるだけで。 「里津子」 クレープは半分こ。お互い仲良く齧る。啓介の頬にはクリームがついている。 「俺が傍にいる限り、もう悲しい想いで お前を泣かせはしねえよ。 約束する。 結婚式で感極まって泣くのはいいけどな?」* (@9) 2023/10/30(Mon) 1:16:25 |
【人】 純真アンサンブル リッコわたしは、日本に残ることになった。 だって、大好きな人がそこにできたから。 かけがえのない人。彼の笑顔で、わたしは救われている。 「ふふ、久しぶりね、そのクレープ。 またわたしも動物園に行きたいわ。」 一緒に行くには、動物園の坂道とかが大変だけど。 平坦な道を歩くのも良いし、わたしも車椅子に慣れてきた。 それに少しずつ、足に力も戻ってきている。 姫様の癒しの力のことは聞いたけれど…それを辞退したのは、わたしはこの世界で生きようと思ったから。 あと、単純に浮気してる気になってしまうからもある。 だからハグでほんの少しずつ。 それとリハビリで頑張る日々を過ごしている。 啓介の頬にあるクリームを指先で拭いてぺろり。 (43) 2023/10/30(Mon) 21:36:43 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「ふふ、頼もしいわね。 ──それって私たちの結婚式の時も?」 なあんて、ね。 くすくす笑いながら二人でクレープを食べて、わたしはこの世界のことを勉強している。 今は弾き語りのシンガーソングライターとして活動を開始したりしてるんだけどね。 啓介に車椅子を押されて散歩する日常。 くい、と啓介の袖を引いて。 (44) 2023/10/30(Mon) 21:37:03 |
【秘】 純真アンサンブル リッコ → 不良少年 滝沢啓介「──いつもありがとう。」 彼と手を繋いで、立ち上がる。 そっと彼にキスをするために。 まだまだ歩くことはできないけれど。 貴方と共に立つことはできるから。 きっといつか、貴方と共に歩いていきたい。** (-2) 2023/10/30(Mon) 21:37:23 |
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