【秘】 傷弓之鳥 マユミ → チャラ男 ウラミチ眠る貴方に近づいて、そっと頭を撫でる。 伝わってくる感触は冷え切っているのもお構いなしに。 「裏道」 まるで、貴方が本当に寝ているだけと思っているかのように自然な声で。 「鹿乃、死んでからも転んでいたんですよ。彼女らしいですよね」 「きっとこれからもそうでしょうから」 「貴方が、彼女の傍にいて守ってあげてくださいね」 (-7) 2022/07/14(Thu) 22:22:38 |
マユミは、眠る裏道に何かを囁いて、そっと静かに教室を出た。 (a18) 2022/07/14(Thu) 22:24:40 |
【神】 傷弓之鳥 マユミ『稔』 『稔は、怪我などしていませんか?』 『夏彦や深雪は何処いったのでしょう』 『あの二人と連絡が取れていないのです』 『……二人一緒なら、心配はいらないのですが』 次にメッセージを送信した時には、文面上はすっかりいつも通りだった。 (G2) 2022/07/14(Thu) 22:27:22 |
【置】 陽炎 シロマ空襲警報が解除されて、十数分後のことだった。 プロペラの音が青空を裂き、再び警報が鳴り響く。 下校を再開していた子供達が、一斉に近くの防空壕へ駆け出した。 ……とはいえ。幼い子供の全速力など、高が知れている。 避難は間に合わず、焼夷弾の降り注ぐ中を走ることになった。 運動が苦手な一年生が、一人転んだ。 道を戻り、その子の手を引いて再び走り出す。 ──ふと。 握っていた小さな手の感覚が無くなって。 あ、と思った瞬間。 服が、皮膚が、髪が────体が、燃え上がった。 ……自分一人で逃げていれば、この場は助かっただろう。 しかし。 教師を目指す人間が、幼い児童を置いて逃げるなど、できる筈が無かった。 (L2) 2022/07/14(Thu) 22:27:27 公開: 2022/07/14(Thu) 22:30:00 |
【置】 陽炎 シロマ──だったら、私達がそんな先生になろう。 約束は、互いに果たせなかった。 彼は遠い戦地で死んだ。骨さえ帰って来なかった。 私だけが律儀に約束を守る必要など無いけれど。 あの指切りを、無かったことにしたくなかったから。 ──待ってるから。絶対、返って来てね。 あの日から。 ずっと、 焼けた肉の臭いがする (L3) 2022/07/14(Thu) 22:28:26 公開: 2022/07/14(Thu) 22:30:00 |
【置】 不知 ミナイ人が死ぬと何もなくなる。 それはほんとうであって、違うと言える。 生きて居る人は、死んでいる人を認識できなくなる。 別の世界に彼らはいってしまった、と感じてしまうだけなのだ。 だけど、ボクは違う。 薬袋明日香は彼らが見えた。 終わった、彼らが残した者が彼らがいた証が見えた。 黒い靄のようにみえるそれは、人に見えて、動物に見えて、 悲しそうで、辛そうで、ずっと停滞していた。 それは幽霊とよばれるようなものだったのかもしれない。 もしかしたら魂といわれるものだったのかもしれない。 非現実的で、見えることは少数で、誰しもが出来るわけじゃなくて。 間違いなのは、ボクで。皆が正しくて? 死んだ人がいる世界が間違いで、生きてる人がいる世界が正しい? わからないよ、ただ生きてるだけなんだから。 (L4) 2022/07/14(Thu) 22:29:43 公開: 2022/07/14(Thu) 22:30:00 |
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