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    <title>303 地久節に吟うpr&#233;lude</title>
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    <description>303 地久節に吟うpr&#233;lude の発言です。</description>
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  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00018">
    <title>人形技師 サレナ・アントワーヌ</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00018</link>
    <description>サレナは、川辺を歩いていた。 この国特有の居心地の悪い湿気た風が、亜麻色の髪を撫ぜる。  舗装のされてない土手沿いの道は、サレナの底の厚いブーツでは本来は歩きにくいはずだが、滑らかに足を進める。  ふと、視界に赤い影が走ったような気がして、サレナは振り返る。 しかし、そこには何の変哲もない土手で、夏特有の深緑の種々が静かにゆらりゆらりと揺れる。  「そろそろ、巡り合わせの時間ですね」</description>
    <dc:date>2025-06-29T22:08:21+09:00</dc:date>
    <dc:creator>人形技師 サレナ・アントワーヌ</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
サレナは、川辺を歩いていた。<br />この国特有の居心地の悪い湿気た風が、亜麻色の髪を撫ぜる。<br /><br />舗装のされてない土手沿いの道は、サレナの底の厚いブーツでは本来は歩きにくいはずだが、滑らかに足を進める。<br /><br />ふと、視界に赤い影が走ったような気がして、サレナは振り返る。<br />しかし、そこには何の変哲もない土手で、夏特有の深緑の種々が静かにゆらりゆらりと揺れる。<br /><br />「そろそろ、巡り合わせの時間ですね」
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00017">
    <title>人形技師 サレナ・アントワーヌ</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00017</link>
    <description> まるで、魂の無い抜け殻のような。  再び目が覚めると、あたりはすっかり明るく、昨日のような照りつける太陽が昇っていた。  「今日は、お商売はお休みね。少し、日本観光しようかしら」 *</description>
    <dc:date>2025-06-29T12:47:51+09:00</dc:date>
    <dc:creator>人形技師 サレナ・アントワーヌ</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
<br />まるで、魂の無い抜け殻のような。<br /><br />再び目が覚めると、あたりはすっかり明るく、昨日のような照りつける太陽が昇っていた。<br /><br />「今日は、お商売はお休みね。少し、日本観光しようかしら」<br />*
    ]]></content:encoded>
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  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00016">
    <title>人形技師 サレナ・アントワーヌ</title>
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    <description>サレナは、師匠に想いを馳せる。 それは、生命の息吹を与えてくれた人。  「先生が亡くなった日&#8234;も、こんな日でしたね」  初日で完売したトランクを眺める。 このトランクは、サレナの師匠から受け継いだものだった。  サレナは、再び、ベッドに仰向けになり、ふっと目を閉じる。 目を閉じると、まるで、サレナ自身が等身大の人形のようだ。</description>
    <dc:date>2025-06-29T12:38:43+09:00</dc:date>
    <dc:creator>人形技師 サレナ・アントワーヌ</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
サレナは、師匠に想いを馳せる。<br />それは、生命の息吹を与えてくれた人。<br /><br />「先生が亡くなった日&#8234;も、こんな日でしたね」<br /><br />初日で完売したトランクを眺める。<br />このトランクは、サレナの師匠から受け継いだものだった。<br /><br />サレナは、再び、ベッドに仰向けになり、ふっと目を閉じる。<br />目を閉じると、まるで、サレナ自身が等身大の人形のようだ。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00015">
    <title>人形技師 サレナ・アントワーヌ</title>
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    <description>翌朝。 サレナは、宿の一室で、目を覚ました。  そこは、他とは一線を画す、要人や上流階級の華族が通う、名のある迎賓館。  窓の外は、どんよりと怪しい雲が広がっている。  「やな、予感がしますね」</description>
    <dc:date>2025-06-29T12:31:36+09:00</dc:date>
    <dc:creator>人形技師 サレナ・アントワーヌ</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
翌朝。<br />サレナは、宿の一室で、目を覚ました。<br /><br />そこは、他とは一線を画す、要人や上流階級の華族が通う、名のある迎賓館。<br /><br />窓の外は、どんよりと怪しい雲が広がっている。<br /><br />「やな、予感がしますね」
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00014">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00014</link>
    <description>ふいに、昨日露店で見た西洋人形を思い出しました。 夢とうつつの狭間で踊る彼女らのガラス玉のような目に射られる心地がし、 その正体が、今自分の背後に刺さっている視線と気付きました。  ざわめきを覚えながら振り向いた先にはしかし、ただ変哲のない背広の男がそっぽを向いて立っているのみでした。  辺りを見回しましたが、当然人形はそこになく、 あの亜麻色の髪をした女もいませんでした。*</description>
    <dc:date>2025-06-29T07:02:14+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
ふいに、昨日露店で見た西洋人形を思い出しました。<br />夢とうつつの狭間で踊る彼女らのガラス玉のような目に射られる心地がし、<br />その正体が、今自分の背後に刺さっている視線と気付きました。<br /><br />ざわめきを覚えながら振り向いた先にはしかし、ただ変哲のない背広の男がそっぽを向いて立っているのみでした。<br /><br />辺りを見回しましたが、当然人形はそこになく、<br />あの亜麻色の髪をした女もいませんでした。*
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00013">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>それまで機械のように動くことをやめなかった足が、ここで初めて疲れを知ったように力を失いました。 私は腑抜けたようにその場にくずおれました。  人は皆、その生を<ruby>縒<rt>よ</rt></ruby>る糸の繋ぐ先を見通すことは叶わない。 けれども私だけは、何処かの誰かのその糸が絶たれるその様を、知ることができる。 ときには同時に、ときには未来を見通す形すら取って。  忘れもしないあの九月一日にこのことを知り、私は年不...</description>
    <dc:date>2025-06-29T06:51:17+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
それまで機械のように動くことをやめなかった足が、ここで初めて疲れを知ったように力を失いました。<br />私は腑抜けたようにその場にくずおれました。<br /><br />人は皆、その生を<ruby>縒<rt>よ</rt></ruby>る糸の繋ぐ先を見通すことは叶わない。<br />けれども私だけは、何処かの誰かのその糸が絶たれるその様を、知ることができる。<br />ときには同時に、ときには未来を見通す形すら取って。<br /><br />忘れもしないあの九月一日にこのことを知り、私は年不相応にも、世の中を下瞰しているかのような倨傲と、それと相反するように己の前途への諦観とを、手に入れるに至ったのでした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00012">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>なんと諦めの悪い人間なのでしょう。その先にあるものを九割九分理解していながら、人波を乱暴にかき分けてゆくのですから。  果たして、&quot;それ&quot;はありました。 いえ、正確には&quot;それ&quot;は麻布に覆われ、運ばれてゆくところでした。&quot;それ&quot;があったと思われる所に、大きな水溜まりのような黒いものがテラテラとぬめり光りながら地表を湿していました。  物々しい兵装の人間達が担いだ担架から、切断さ...</description>
    <dc:date>2025-06-29T06:02:16+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
なんと諦めの悪い人間なのでしょう。その先にあるものを九割九分理解していながら、人波を乱暴にかき分けてゆくのですから。<br /><br />果たして、&quot;それ&quot;はありました。<br />いえ、正確には&quot;それ&quot;は麻布に覆われ、運ばれてゆくところでした。&quot;それ&quot;があったと思われる所に、大きな水溜まりのような黒いものがテラテラとぬめり光りながら地表を湿していました。<br /><br />物々しい兵装の人間達が担いだ担架から、切断された着物がだらしなく垂れているのが見えました。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00011">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00011</link>
    <description>徒歩で行くにはやや長い道のりを、無心で進みます。地面の砂を蹴りあげる勢いで足袋が汚れるのも構わず、前のめりに、小走りで。  ここ最近は無かったんだ、今度こそは間違いであってはくれないか……と願うも、その場所が近くなったところでひしめき合う人群れを見た時、その願いが打ち砕かれたことを知りました。  それでもまだ、歩みを進める足は止まりません。</description>
    <dc:date>2025-06-29T05:41:21+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
徒歩で行くにはやや長い道のりを、無心で進みます。地面の砂を蹴りあげる勢いで足袋が汚れるのも構わず、前のめりに、小走りで。<br /><br />ここ最近は無かったんだ、今度こそは間違いであってはくれないか……と願うも、その場所が近くなったところでひしめき合う人群れを見た時、その願いが打ち砕かれたことを知りました。<br /><br />それでもまだ、歩みを進める足は止まりません。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00010">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00010</link>
    <description>そう、朝です。  弾かれたように立ち上がり、寝室を出ます。 途中ですれ違う女中らの挨拶も耳に入らないまままっすぐ玄関に向かい、今日の新聞を乱暴に開きました。 一面、二面と捲る度に、ひきつるような緊張と安堵がないまぜに押し寄せます。  記述がないことが分かると新聞をその場に放りだし、次は居間へ。ラジオは付いていました。ぎょっとする家族をよそにツマミをがちゃつかせながら、拾える電波は一局しかないことに気...</description>
    <dc:date>2025-06-29T05:24:52+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
そう、朝です。<br /><br />弾かれたように立ち上がり、寝室を出ます。<br />途中ですれ違う女中らの挨拶も耳に入らないまままっすぐ玄関に向かい、今日の新聞を乱暴に開きました。<br />一面、二面と捲る度に、ひきつるような緊張と安堵がないまぜに押し寄せます。<br /><br />記述がないことが分かると新聞をその場に放りだし、次は居間へ。ラジオは付いていました。ぎょっとする家族をよそにツマミをがちゃつかせながら、拾える電波は一局しかないことに気付き、のろのろと株式事情を読み上げるひび割れた声に苛立ちまで募って、そこから身を翻しました。<br /><br />最低限の身支度のまま、外へ。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00009">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00009</link>
    <description>がばりと半身を起こすと、湿った襦袢が肌に貼りつきました。手足の先が凍えるようです。大量にかいていたらしい寝汗は外気でとうに冷え切っていました。  ここまで生々しい夢を見たのはいつ振りでしょうか。虚脱感に顔を覆うと、今しがた観た光景がまた蘇りそうになり、無理やり顔を捻って外の方を見やりました。  昨日となんら変わらない庭がありました。 既にあたりは明るく、やはり昨日のようなしつこい日差しが照りつけてい...</description>
    <dc:date>2025-06-29T05:02:18+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
がばりと半身を起こすと、湿った襦袢が肌に貼りつきました。手足の先が凍えるようです。大量にかいていたらしい寝汗は外気でとうに冷え切っていました。<br /><br />ここまで生々しい夢を見たのはいつ振りでしょうか。虚脱感に顔を覆うと、今しがた観た光景がまた蘇りそうになり、無理やり顔を捻って外の方を見やりました。<br /><br />昨日となんら変わらない庭がありました。<br />既にあたりは明るく、やはり昨日のようなしつこい日差しが照りつけています。<br />ゴーン……と、間延びしたような鐘の音が響きました。護国寺の時報が、朝を報せているのでした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00008">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00008</link>
    <description>　 　　──そこで、目が覚めました。 　</description>
    <dc:date>2025-06-29T04:39:41+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
　<br />　　──そこで、目が覚めました。<br />　
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00007">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00007</link>
    <description>傍には、人間が一人立っていました。地面の男よりもふた回りほどの小ささで、状況さえ違えば親と子と見紛うほどの体格差です。 人間はしばらく屍体を見下ろすと、挙手をするかのように右手を振り上げました。月を背景に、その小さな手が黒く浮かび上がります。それが異常なほどに長く伸びた指へと変貌したかと思うと、一瞬のうちに、屍体の腹へ向けて振り下ろされました。  まるで水風船を割ったようでした。 生命を稼働する諸...</description>
    <dc:date>2025-06-29T04:37:39+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
傍には、人間が一人立っていました。地面の男よりもふた回りほどの小ささで、状況さえ違えば親と子と見紛うほどの体格差です。<br />人間はしばらく屍体を見下ろすと、挙手をするかのように右手を振り上げました。月を背景に、その小さな手が黒く浮かび上がります。それが異常なほどに長く伸びた指へと変貌したかと思うと、一瞬のうちに、屍体の腹へ向けて振り下ろされました。<br /><br />まるで水風船を割ったようでした。<br />生命を稼働する諸組織を包み込んだ皮が力任せに破かれ、中から迸る、黒と赤と白。<br />固液混交のその物質は、薄明かりにも鮮やかに視界を覆い──
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00006">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00006</link>
    <description>人が、倒れていました。 壮丁です。私より二、三ばかり歳上の男が仰向けに伸びています。 着流しの絣が、だらしなく開襟されて地面に広がっています。着物と帯もろとも巨大な鋏のようなもので同時にバッサリと切り落とされたような妙な断面を持っていました。そのせいで男の、かつては健康であったであろう腹部があえなく晒され、月夜に照らされています。  彼の首は、Lの字を描くようにぐにゃりと曲がり、その肩に密着していま...</description>
    <dc:date>2025-06-29T04:19:49+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
人が、倒れていました。<br />壮丁です。私より二、三ばかり歳上の男が仰向けに伸びています。<br />着流しの絣が、だらしなく開襟されて地面に広がっています。着物と帯もろとも巨大な鋏のようなもので同時にバッサリと切り落とされたような妙な断面を持っていました。そのせいで男の、かつては健康であったであろう腹部があえなく晒され、月夜に照らされています。<br /><br />彼の首は、Lの字を描くようにぐにゃりと曲がり、その肩に密着していました。<br />往来を行く人間がなべて持っている筈のものが、その人間から喪われていることは明白でした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00005">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00005</link>
    <description>次に居たのは、とある路地裏でした。 見知った場所です。家より半刻ほど歩く、日中寄った商店街よりさらに先の、うらぶれた地域。  淫靡で陋巷としたその一帯を、私は避けて歩くのが常でした。ところがその時の私は、買い物にでも出掛けるような軽やかさでそこを横切ろうとします。  うねうねと入り組んだ商店の横合いを曲がり、曲がり、行った先には──</description>
    <dc:date>2025-06-28T21:11:43+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
次に居たのは、とある路地裏でした。<br />見知った場所です。家より半刻ほど歩く、日中寄った商店街よりさらに先の、うらぶれた地域。<br /><br />淫靡で陋巷としたその一帯を、私は避けて歩くのが常でした。ところがその時の私は、買い物にでも出掛けるような軽やかさでそこを横切ろうとします。<br /><br />うねうねと入り組んだ商店の横合いを曲がり、曲がり、行った先には──
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00004">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00004</link>
    <description>それは鮫でした。 鶯茶色の体躯に、薄い腹を赤く光らせた鮫。この場の主たるものは自分だと言わんばかりに、長細くも厚みのある恵体を闇夜に泳がせています。  景色は例外なく此処で途切れます──</description>
    <dc:date>2025-06-28T20:53:04+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
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それは鮫でした。<br />鶯茶色の体躯に、薄い腹を赤く光らせた鮫。この場の主たるものは自分だと言わんばかりに、長細くも厚みのある恵体を闇夜に泳がせています。<br /><br />景色は例外なく此処で途切れます──
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00003">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>群青に塗り込められた空は彼岸花の方角に向かうにつれて水を混ぜたように薄くなり、代わりに萌え立つような赤丹色が天空を支配するように輝いていました。  夜が明けやしないか……空の<ruby>主<rt>あるじ</rt></ruby>が決して現れぬことを知りながら、私はその訪れを待ちます。ささやかな期待はついぞ届く事なく、地平に伸びる橙は表情を変えぬまま、寄せ返す小波のように色めくのみ。  葉擦れの音くらい聴こえてもよいものを...</description>
    <dc:date>2025-06-28T20:39:44+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
群青に塗り込められた空は彼岸花の方角に向かうにつれて水を混ぜたように薄くなり、代わりに萌え立つような赤丹色が天空を支配するように輝いていました。<br /><br />夜が明けやしないか……空の<ruby>主<rt>あるじ</rt></ruby>が決して現れぬことを知りながら、私はその訪れを待ちます。ささやかな期待はついぞ届く事なく、地平に伸びる橙は表情を変えぬまま、寄せ返す小波のように色めくのみ。<br /><br />葉擦れの音くらい聴こえてもよいものを、不思議とそこには何の音も見つけられません。それでいて、何かが遠くくぐもるように響いてくる気もするのです。<br /><br />やがて、耳の奥をぐっと押されるかのような感触があります。粟立つような全身の強張りがあり、目を上げると、海底のような空を裂く、大きなものが現れます。
    ]]></content:encoded>
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  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00002">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>景色全体が、上野公園の観魚室にあった大きな水槽を思わせました。いつでも、横から上から、好きなように眺められるけれど、手を入れ掻き回すことは出来ない水槽。  私の居る此処もまた、幾度となく出会い、くまなく見渡したことがあり、それでいて、石一つ動かすことすら叶うことのない場所なのでした。</description>
    <dc:date>2025-06-28T20:31:27+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
景色全体が、上野公園の観魚室にあった大きな水槽を思わせました。いつでも、横から上から、好きなように眺められるけれど、手を入れ掻き回すことは出来ない水槽。<br /><br />私の居る此処もまた、幾度となく出会い、くまなく見渡したことがあり、それでいて、石一つ動かすことすら叶うことのない場所なのでした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00001">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=SS00001</link>
    <description>ぬるく蕩けた風が、額を撫でて通り過ぎました。 遠くで、水平線の丸みに添うように赤く揺れる一帯があります。彼岸花の群生が、緩慢な風とともにユラリ、ユラリと靡いているのです。  足元には細切りにしたような茶の岩肌がデコボコと続いており、踏みしめると危うげに撓みます。 岩肌から、まばらに木々が伸びていました。カメラのファインダーを覗き込んだ時のように、一部が膨れゆがんでいて、これらもまた、例の微風に攫わ...</description>
    <dc:date>2025-06-28T20:29:48+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
ぬるく蕩けた風が、額を撫でて通り過ぎました。<br />遠くで、水平線の丸みに添うように赤く揺れる一帯があります。彼岸花の群生が、緩慢な風とともにユラリ、ユラリと靡いているのです。<br /><br />足元には細切りにしたような茶の岩肌がデコボコと続いており、踏みしめると危うげに撓みます。<br />岩肌から、まばらに木々が伸びていました。カメラのファインダーを覗き込んだ時のように、一部が膨れゆがんでいて、これらもまた、例の微風に攫われながら、川底の水草のように揺らめいているのでした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=iI00000">
    <title>[情報]</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;logid=iI00000</link>
    <description>コミット要求：ＯＮ</description>
    <dc:date>2025-06-27T22:00:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>[情報]</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
コミット要求：ＯＮ
    ]]></content:encoded>
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    <title>孤城 　　</title>
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    <description>　 　　ーーそれは、万物を、静かに見守る</description>
    <dc:date>2025-06-27T22:00:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>孤城 　　</dc:creator>
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　<br />　　ーーそれは、万物を、静かに見守る
    ]]></content:encoded>
  </item>
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    <title>[情報]</title>
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    <description>村人：3名、人狼：1名</description>
    <dc:date>2025-06-27T22:00:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>[情報]</dc:creator>
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村人：3名、人狼：1名
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    <title>[情報]</title>
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    <description>一日目</description>
    <dc:date>2025-06-27T22:00:00+09:00</dc:date>
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一日目
    ]]></content:encoded>
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    <title>[情報]</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=II00011</link>
    <description>村の設定が変更されました。</description>
    <dc:date>2025-06-27T20:14:53+09:00</dc:date>
    <dc:creator>[情報]</dc:creator>
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村の設定が変更されました。
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    <title>[情報]</title>
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    <description>村の設定が変更されました。</description>
    <dc:date>2025-06-27T12:50:19+09:00</dc:date>
    <dc:creator>[情報]</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
村の設定が変更されました。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00031">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00031</link>
    <description>私は何食わぬふうを装って身をひるがえしました。 露店を後にし、角を曲がりきると、今度こそ足をはやめて家路をいそぎました。  帰路のあいだ、あの透き通るような西洋人形の視線が背後に貼り付いているような感覚が、いつまでたってもこびり付き離れませんでした。*</description>
    <dc:date>2025-06-27T01:38:03+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
私は何食わぬふうを装って身をひるがえしました。<br />露店を後にし、角を曲がりきると、今度こそ足をはやめて家路をいそぎました。<br /><br />帰路のあいだ、あの透き通るような西洋人形の視線が背後に貼り付いているような感覚が、いつまでたってもこびり付き離れませんでした。*
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00030">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>陽光の熱を額に覚え、野次馬のざわめきを感じた時、 人形たちの舞台が終わっていたことに気付きました。  黒山の中心にいる亜麻色の髪の女は、野暮ったい値切りの声も飄々といなしてゆきます。 やがて交渉が成立したのか、人形のいくつかが買われていったようです。  珍しい舶来品に騒ぎ立てる人々とは裏腹に、私には人形を買う気は起きませんでした。 やけになめらかに動く人形にも、それを売る女にも、美しさの裏に言い知れぬ...</description>
    <dc:date>2025-06-27T01:32:53+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
陽光の熱を額に覚え、野次馬のざわめきを感じた時、<br />人形たちの舞台が終わっていたことに気付きました。<br /><br />黒山の中心にいる亜麻色の髪の女は、野暮ったい値切りの声も飄々といなしてゆきます。<br />やがて交渉が成立したのか、人形のいくつかが買われていったようです。<br /><br />珍しい舶来品に騒ぎ立てる人々とは裏腹に、私には人形を買う気は起きませんでした。<br />やけになめらかに動く人形にも、それを売る女にも、美しさの裏に言い知れぬ翳りがあるように感ぜられ、ここから離れねば、という思いが私を急き立てました。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00029">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description> 夢と<ruby>現<rt>うつつ</rt></ruby>の混じるとき、 それは血と死の香りが籠めるときに等しい。 　</description>
    <dc:date>2025-06-27T01:15:26+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
<br />夢と<ruby>現<rt>うつつ</rt></ruby>の混じるとき、<br />それは血と死の香りが籠めるときに等しい。<br />　
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00028">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>「今から、皆さまに、幸せなひと時をお届けいたします。」  等身大の人形が唐突に口を開きました。  背後の人形と思っていたのは、実は人形売りの行商だった……そんな驚きも冷めやらぬまま、 今度は小さな人形たちがめいめいに動き出したのですから、いよいよ吃驚仰天です。 めまぐるしく注がれる未知の奔流はすぐに恍惚と変わり、私はすっかり人形たちの織り成すの舞台に魅入ってしまうのでした。  これも外国の絡繰仕掛なの...</description>
    <dc:date>2025-06-27T01:01:37+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
「今から、皆さまに、幸せなひと時をお届けいたします。」<br /><br />等身大の人形が唐突に口を開きました。<br /><br />背後の人形と思っていたのは、実は人形売りの行商だった……そんな驚きも冷めやらぬまま、<br />今度は小さな人形たちがめいめいに動き出したのですから、いよいよ吃驚仰天です。<br />めまぐるしく注がれる未知の奔流はすぐに恍惚と変わり、私はすっかり人形たちの織り成すの舞台に魅入ってしまうのでした。<br /><br />これも外国の絡繰仕掛なのでしょうか。<br />あまりに滑らかな所作は、作りものなのか、そうでないのか、境界は曖昧です。<br />その曖昧さに強く惹かれながらも、<br />夢を見ているようなその感覚に己の&quot;病癖&quot;との妙な符合を感じ、<br />背筋に、こんどはハッキリと一陣の冷気が吹き抜けていきました。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00027">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
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    <description>小さな人形たちの奥にはもう一体、等身大の人形が、これまた真っ直ぐな、そして冷徹にも取れる面差しを観衆に投げやっていました。  亜麻色の髪に見え隠れする頬は白蝋のように透き通り、その奥の血の気はこの距離からですとうかがい知れれません。 唯一つ、薄紅を刷いたような小振りの唇だけが、この大きな人形に唯一の愛嬌を与えているように思えました。  高く差す日の照る暑気の中で、人形たちのおわすこの間だけは、気温が...</description>
    <dc:date>2025-06-27T00:39:47+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
小さな人形たちの奥にはもう一体、等身大の人形が、これまた真っ直ぐな、そして冷徹にも取れる面差しを観衆に投げやっていました。<br /><br />亜麻色の髪に見え隠れする頬は白蝋のように透き通り、その奥の血の気はこの距離からですとうかがい知れれません。<br />唯一つ、薄紅を刷いたような小振りの唇だけが、この大きな人形に唯一の愛嬌を与えているように思えました。<br /><br />高く差す日の照る暑気の中で、人形たちのおわすこの間だけは、気温が数段下がるような、そんな気がするのでした。
    ]]></content:encoded>
  </item>
  <item rdf:about="http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00026">
    <title>今宮 水芭 　　</title>
    <link>http://heteromoon.net/wolf/foam/sow.cgi?vid=303&amp;turn=0&amp;logid=SS00026</link>
    <description>その開けた空間には一つの展示があり、人々はそこに目を奪われているようでした。意図せず観衆の最前列に躍り出てしまったせいで、その全体がくまなく目に入ります。  それは紙芝居師の見せるジオラマのようでいて、今まで見たことのないゴージャスな気風を纏って陳列されていました。 欧羅巴風の家々、家具の類。それらは小さいながらも、精巧さは本物に引けを取らぬほど。 そして何より、その中にちょこんと並べられた人形た...</description>
    <dc:date>2025-06-27T00:25:12+09:00</dc:date>
    <dc:creator>今宮 水芭 　　</dc:creator>
    <content:encoded><![CDATA[
その開けた空間には一つの展示があり、人々はそこに目を奪われているようでした。意図せず観衆の最前列に躍り出てしまったせいで、その全体がくまなく目に入ります。<br /><br />それは紙芝居師の見せるジオラマのようでいて、今まで見たことのないゴージャスな気風を纏って陳列されていました。<br />欧羅巴風の家々、家具の類。それらは小さいながらも、精巧さは本物に引けを取らぬほど。<br />そして何より、その中にちょこんと並べられた人形たちが、表情豊かに息づいているのでした。<br /><br />おぼこさのある鼻と口は、絵画に見る白皙人種の子供らしく取り澄まし、さらにその上の眼窩には透き通るような瞳が嵌め込まれています。<br />こちらを真っ直ぐ見上げる彼らの双眸には、まるで視力があるかのような妙な現実感があり、<br />そう思うと熱く蒸した背筋からすっと汗の引く心地がいたしました。
    ]]></content:encoded>
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