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![]() | 【赤】 子爵令嬢 エルメス[わたくしの答えに見当をつけているのは、 ラサルハグさんだけでしたね……。 悲しげな声を聞けば心は揺れますが、決意は揺るぎません。 ただ、帰してもらうだけと思っておりましたので、 まさかお土産の用意までしているとは思いませんでした。] 帰ってどのように言い訳したものかしら? とは思っていましたが、 手紙は有り難く頂戴しますけれど、 お土産までいただくのは……。 [とは言え、実験に無償で付き合ったというのは 現実味に欠けますので、聞き入れる他はなかったでしょうね。 受け取り拒否が認められない様なら、 せめて感謝の意を、精一杯お伝えしましょう。] (*0) 2023/01/18(Wed) 21:07:45 |
![]() | 【赤】 子爵令嬢 エルメス有難う御座います。 素敵な贈り物、頂戴いたします。 一夜の記憶と共に、 一生の宝物 です。[膝をつき、しっかりと受け取ります。 わたくしも何か……と思いましたけれど、 物を残しては却って、心患いの元になるやもしれません。] (*1) 2023/01/18(Wed) 21:08:19 |
![]() | 【赤】 子爵令嬢 エルメスお返しになるものではありませんが、 一つ約束を残していきます。 わたくしは、必ず幸せになりますわ。 わたくしの人生を、幸福を、案じてくださって有難う。 [スカートを摘まんで一礼すれば、 もう思い残すことはありません。 魔法をかけられ、帰り道が開けば、 一度だけ振り返ります。] (*2) 2023/01/18(Wed) 21:09:04 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ流石にお誕生日のご令嬢を預かったんだからね 手ぶらで帰す気はないよ。 [そうだね。報酬という事で貰ったという体にする それが一番無難だろうね。>>*0] おや、一生なんて随分大きく出たね。 魔法使いとでもこんな形で出会うのはこれきりだ たまにでいい。 思い出してくれたら嬉しいよ。 (*4) 2023/01/18(Wed) 21:36:01 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ (*5) 2023/01/18(Wed) 21:36:07 |
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![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ─── 彼女には帰る場所があったんだ。 そんな子を引き留めは出来ないよ。 ね、もうこれで終わりにしよう? もう限界だって わかってるだろう? (*10) 2023/01/18(Wed) 21:36:47 |
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![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグネリリ。 それは、人の生を奪う行為だ。 わかってて見過ごしていた僕も僕だけどね。 ……僕も、君もとっくに人間じゃないんだろうね。 嫌がってる子は帰していたけど やっぱり後から後悔するものなんだね。 だから、最後はちゃんと後悔にならないでよかった [ここにいれば苦痛がないのは本当だから。 それを言い訳に罪を重ねたには変わりない。] (*12) 2023/01/18(Wed) 21:37:23 |
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![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[あの後わたくしはすんなりと、家に帰ることが出来ました。 一晩眠れなかったのか、憔悴した父と、 泣き腫らした目をした母に迎えられ、 わたくしはやはり、ここに帰ってこなければ ならなかったことを痛感しました。 そんな人がいてくれる、幸福を噛み締めながら。 ラサルハグさんのくれた手紙を見せ、>>2:*65 口裏を合わせた感じで昨日の事を説明しました。 本当に危険な実験ではなかったのか?と少し疑われましたが、 そんなことをするような相手だったら、 わたくしを帰しはしないし、報酬など出さないでしょう。 その様に弁明すれば、納得してくれました。] (0) 2023/01/19(Thu) 20:07:33 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[今日も帰ってこない様であれば、 本格的に捜索するつもりだったらしく、 ぎりぎり大騒ぎになることを避けられたのは、 幸いと言えましょう。 家では1日遅れの誕生会と、 娘の帰宅を喜ぶ宴が催されました。 結局あちらでは、しっかりと パーティを楽しむことは出来ませんでしたね。 お二人は、どうされているのでしょう……。 わたくしはもう、決してそれを知ることは出来ません。] (1) 2023/01/19(Thu) 20:08:15 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[万全の態勢で迎えた今日ですが、 それでも緊張はするものです。 胸のブローチを一撫でします。 珊瑚には明るいエネルギーを取り入れて、 持ち主に幸福を授けるという言い伝えがあります。 わたくしは自ら、幸福になるためにここへ帰ってきました。 お約束を違えるわけにはいきません。] (3) 2023/01/19(Thu) 20:09:42 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス「フィリップ様がお出でになりました」 [家令が来客の旨を告げれば、直ぐにお通しするように言い、 緊張感の走る中、扉は開きました。] (4) 2023/01/19(Thu) 20:10:12 |
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![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[扉の先にいたのは、陽光のような金色の御髪、 澄んだ空色の瞳、 貴族らしい煌びやかなお召し物を纏った ルイ 様でした。手には、青い薔薇の花束を携えています。] 「ご無沙汰しておりました。エルメス嬢。 贈り物、気に入って下さったようで何よりです」 [思考回路が凍結しているわたくしに花束を渡し、 彼はわたくしの両親の元へ足を進め、膝をつきました。] 「こちらの家の事情で、 ご挨拶がここまで遅れてしまった、 非礼をどうかお許しくださいませ。 私がフィリップ・ルイ =シャルル・フランシス・ヴァロアで御座います」 [頭を垂れる彼の姿を見ながら、 わたくしは必至で考えました。] (6) 2023/01/19(Thu) 20:11:53 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[一体どういうことなのか、わたくしがとんでもない 勘違いをしていたことを 決して気取られぬように 確認すると、どうやら こういうことであったようです。] (7) 2023/01/19(Thu) 20:15:18 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[初対面でわたくしを"下民"と言った、>>0:21 フィリップ・リュカ様。 彼はヴァロワ家本家の嫡男です。 対して、ルイ様は従者ではなく、 ヴァロア家の分家の嫡男。 本家と分家ではかなり格差があるようで、 本家の人間にしてみれば、分家の者は嫡男であれど 従者とそう扱いは変えないそう。 これは本家の威厳を保つためでもあるので、 彼個人の性格の難によって発生している事ではありません。 けれどヴァロアの嫡男は、本家も分家も問わず、 ファーストネームは"フィリップ"で統一しています。 お2人と出逢った時に、ルイ様がフィリップ・リュカ様を フィリップ様ではなくリュカ様と呼んでいたのは、 フィリップと呼んでも、 どのフィリップか分からず紛らわしいから。 ルイ様のハンカチに "Louis"と刺繍されたのも同じ理由です。] (8) 2023/01/19(Thu) 20:16:09 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[わたくし以外の全員がわたくしの婚約者が、 ルイ様であることを把握していました。 ヴァロア家から届いた正式な縁談の書状には、 当たり前ですが、 名前は略さず全て記載されていましたから。 ですが予めわたくしとルイ様が 既知の仲であることを知っていた両親は、 まさか同じ時にフィリップ・リュカ様とも 出会っているとは思わず、 "ヴァロア家の嫡男であるフィリップ様"としか 言わなかったため、 そして、イニシャル表記すると全く同じであるがゆえに、 顔を合わせる瞬間まで、勘違いし続けてしまった。 ……という、何もかも全て取り越し苦労案件が 発生してしまったのです。] (9) 2023/01/19(Thu) 20:17:09 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[お姫様を一番幸せに出来るのは、 魔法使いでも王子様でもありません。 自分自身が、一番自分を幸せにすることが出来るのです。] (11) 2023/01/19(Thu) 20:18:47 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメスBelle au bois dormant? (Sleeping Beauty?) Non,Les rêves deviennent réalité. (No.Dreams come true.) (12) 2023/01/19(Thu) 20:19:19 |
![]() | 【人】 子爵令嬢 エルメス[夢など所詮、幻だと人は言う。 その通りだと思う反面、 わたくしはこの様にも思うのです。 現実に於いても、夢を叶えることは可能なのだと。 夢の中でなくても 夢を見る (13) 2023/01/19(Thu) 20:19:50 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ[最後の客人。>>2:*8もう、限界。>>*10 彼女に語る事をなかったことについて 最後は語ろうか。 もうと言うべきかな。 やっとというべきかな。 僕の時間も残りが少なくなってきていたんだ。 万能のように力をふるっていても 招けた人間が一人の時点で>>0:53 そこまで衰えていたのかと実感していたんだ。] (*14) 2023/01/19(Thu) 20:41:40 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ[以前取り込んだ精神の寿命が近い人たちも 気が済むまでは何とか維持させてあげられたけど もう自然と溶けきってしまうだろう 結果的にエルメス嬢が最後の招待となった。 ねぇ、最後位ちゃんと出来たかな。 彼女の意思のまま、結末を受け止めは出来たけど。 僕の事、彼女の事、忘れないでくれる?] ネリリ…… 僕は誰かに期待して動くべきなのかな [残り時間が見えてきた今なら、同じように年を取る可能性 それもあるかもしれない。] (*15) 2023/01/19(Thu) 20:42:03 |
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![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ[ネリリには選択肢はない。 体を取り込んでしまった以上この敷地から離れられない。] ……いいや。 疲れた。 寄り添ってくれる存在は……君がいればいい。 [そうだな。残り時間はネリリと自分の存在と 国への貢献にすべて使おうか。 この家を、家族を失ったら 次にまた作るだけの気力も力ももうない。 せめて最後はここにいてくれた彼女と共に朽ちたい。 誰かと共にあるのなら、ずっといてくれた存在がいい。] (*17) 2023/01/19(Thu) 20:42:25 |
![]() | 【赤】 館の意思 ネリリわかった。うんっじゃあ最後までい〜〜っぱい遊ぼう! 美味しいの食べて、お庭綺麗にして あ、エルメスお姉ちゃんが結婚する時は こっそりプレゼント贈れないかなっ! (*18) 2023/01/19(Thu) 20:42:36 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ[その言葉に軽く笑った。] のぞき見は感心しないけど そうだね、お名前は教わったし結婚する時 情報貰えるよう手配しておこうか。 こっそり祝福をしてあげるくらいいいよ。 [幸福になれる相手じゃなかった時は 修道院に逃げる選択肢もあったから>>2:*58 それを出来るかどうかは彼女の頑張り次第だけど そういう未来を夢見たっていいだろう。 やった〜とはしゃぐネリリを微笑ましく眺める。 最後のお客人 君がもし、もしも幸せな結婚式をあげる時は この 桃 色の薔薇を贈ろうか。幸福 の花言葉を添えて、最後の贈り物だ。] (*19) 2023/01/19(Thu) 20:43:03 |
![]() | 【人】 魔法使い ラサルハグ − 回想 − [それは、ずっとずっと昔のお話。 魔法使いが稀に生まれる世界 僕は、強い力を持った魔法使いとして生まれた。 魔法使いは遺伝じゃない。世界の意思とも言われている。 なぜ、どうして僕だったか。 それは誰にもわからない。分かりたかったよ。 魔法使いは人間に味方するよう優しく保護される その中でも僕のような強い力の持ち主は歴史初だった。 処遇はもめたとか、僕が知るはずがない。 魔法使いたちは真剣に告げる。 僕の事を脅威と思っても敵と認識されてはいけない 僕は赤子にして、世界を滅ぼせる存在だった。] (15) 2023/01/19(Thu) 20:44:40 |
![]() | 【人】 魔法使い ラサルハグ[そんな化け物をうんだ家は無事じゃなかった。 母は体が耐えれず死亡し、父は手に余ると 僕を早々に国に差し出してみないふりをした。 僕には、赤子の時 帰る家がなかったんだ。 ] (16) 2023/01/19(Thu) 20:44:47 |
![]() | 【人】 魔法使い ラサルハグ[色々な魔法使いや人間に見守られながら 人間に害をなさない、道徳を持った人間に 皆は必死に僕をそう育てた。 ……あの時はそうだね。幸せだったよ。 様々な魔法使いが僕をみてくれたし 国の人も優しくしてくれたし 時に叱ってくれる人もいた。 だから僕は色々頑張った。 世界の為に。起こりうる災害は未然に防ぎ 水を綺麗に浄化して、それを永続出来るようしたり 世界の発展に貢献した。] (17) 2023/01/19(Thu) 20:44:58 |
![]() | 【人】 魔法使い ラサルハグ[気付けば僕は、皆のように年をとっていなかった。 魔法使いは人より少し長命の場合もあると言われていた。 だから最初は気にしてなかった。 魔法使いの中でも桁違いの力を持っていた僕は 誰よりもずっとずっと長い寿命をもっていたんだ。 多分魔力が原因だろうけど、理由ははっきりはしない。 幼子が成人して、子をもって、老いていく。 それを二回り見た時流石に異常性は誰しも認識する。 人が僕を、恐れるようなりだした。] (18) 2023/01/19(Thu) 20:46:03 |
![]() | 【人】 魔法使い ラサルハグ[僕は、国の王に願った。 これ以上不老の存在がいると皆混乱する。 人の皆が僕を恐れる前に、離れたい。 人間を……嫌いになりたくない とその願いはかなった。 僕は表向き死んだことになり、一つの区域を貰った。 そこで生きることになった。] (19) 2023/01/19(Thu) 20:46:13 |
![]() | 【赤】 魔法使い ラサルハグ (*20) 2023/01/19(Thu) 20:46:17 |
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(n0) 2023/01/19(Thu) 20:46:47 |
(n1) 2023/01/19(Thu) 20:46:52 |
![]() | 【人】 侯爵夫人 エルメス[エピロンス子爵家より、ヴァロア侯爵家に嫁いだエルメス。 彼女が侯爵夫人となってから、数年後の事でした。 遂に子を身籠り、彼女は母になりました。 生まれたのはなんと、男女の双子。 侯爵の持つ空色の瞳と、夫人の持つ黒髪を受け継いだ兄は、 フィリップ・ラサルハグ=シャルル・フランシス・ヴァロア。 侯爵の持つ金髪と、夫人の持つ紫色の瞳を受け継いだ妹は、 ネリリ・リュミエール=シャルル・フランシス・ヴァロア。 名を付けたのは侯爵夫人の方。 なんでも 今度こそ そして光の降り注ぐ 薔薇色の人生を歩めますように。 その様な願いを込めて、つけられた名前であるそうです。] (20) 2023/01/19(Thu) 23:43:16 |
![]() | 【人】 侯爵夫人 エルメス[彼女の 一生の宝物 は、無事新たな命が引き継ぐこととなりました。 いつか彼女の命の灯火が消える時が来ても、 物語の痕跡は、世界に残り続けるでしょう。 Fin. * * ] (22) 2023/01/19(Thu) 23:46:05 |
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(n2) 2023/01/20(Fri) 20:59:12 |
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