人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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視点:人

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プロローグ

【人】 マモノ

 
オイ、そろそろ慣れたかよ?
 
(0) 2021/06/15(Tue) 8:22:03
村の設定が変更されました。

到着:幸せな花嫁 シーナ

【人】 幸せな花嫁 シーナ

 
……ええ、おかげさまで。
 
(1) 2021/06/15(Tue) 8:25:45


天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/06/15(Tue) 8:31:38

幸せな花嫁 シーナは、メモを貼った。
(a0) 2021/06/15(Tue) 8:32:02

村の設定が変更されました。

村の設定が変更されました。

到着: 水分神

到着: 龍之介

【人】 水分神

 
[村を見下ろす山の頂。

 澄んだ湖の中心にぽつりと浮かぶように
 大きな屋敷が構えられている。

 山の神、そして水の分配を司る神として
 信仰されている種族が
 人の世で過ごす際に棲まう家だ。

 姿形はヒトに良く似ているが
 ヒトではない。

 彼らは人々から
 ミズガミさま、ミクマリさまと呼ばれた。*]
 
(2) 2021/06/15(Tue) 9:34:05
到着:鬼 紅鉄坊

【人】 鬼 紅鉄坊



千だ
私が娶るのは、あの子にする

[ 低くも穏やかな声と裏腹、
 その紅い片目は冷ややかに目の前の人間を見下ろしていた。 ]
(3) 2021/06/15(Tue) 9:49:42

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 幾度も村人が落ち着きなく振り返る短い石段の先にある木製の門は、
 すっかり朽ちて見窄らしく、そして腐り果てている。
 彼が訪れているこの建物の屋根も、
 遠くから見ればところどころ穴が空いていることが分かるだろう。

 廃寺は山の比較的低地、村から近く開けた場所に存在する。
 それでも役目を果たしていない屋根から、
 今は閉ざされていない入口から光が届いていないように見えるのは
 空を覆う五月雨の鈍色のせいだけではなく。 ]
(4) 2021/06/15(Tue) 9:50:02

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 小さな寺の、人間の寸法で作られた戸は狭い。
 少し身を屈めて尚、村人の視界は殆ど覆われているのだ。

 日に焼けた農夫とも違う浅黒い肌、右半身に目立つ焦げたような跡。
 捻れた四本の角が人道を外れた存在であることを示している。

 此処は神にも人にも見放された土地。
 清浄をとうに喪った寺には、鬼が棲まう。]
(5) 2021/06/15(Tue) 9:50:49

【人】 鬼 紅鉄坊




聞こえなかったのか?

お前たちが幼き頃から閉じ込めているあの子の名前だが?
それとも、知らないとでも思ったか?

[ 語気が強まるのはこの鬼にとって珍しいことだった。

 人と妖怪とが契った古の約束に従い、
 この季に両者を仲介し輿入れを見届ける役目。
 山の妖怪の中でも優れた腕っぷしだけではなく、
 人間と平穏に関われる気質を持ってあるから担えるもの。

 ぎり、と頭上から聞こえる音に村人が小さく短い悲鳴を上げた。
 怒りを露にする程に、口にした名に思うことがある。 ]
(6) 2021/06/15(Tue) 9:51:06

【人】 鬼 紅鉄坊




貴様らはさとの遺した子を、鬼の子などと呼び──**
(7) 2021/06/15(Tue) 9:51:29
到着:鬼の子 千

【人】 鬼の子 千




 今、なんて言った?

[訪問者に一切の興味を示さず読み耽っていた書物を無造作に放り、床に積み上がる他の一部とした。

そうして千は、両者の間を分かつ木製の格子に齧りつく勢いで顔を近付ける。
随分と日に当たっていない、幽鬼じみた肌に色素の失せ伸びっぱなしの髪、よく似た白い、しかし質は良く見える無地の着物。
爛々と輝く目の下の酷く目立つ隈だけがこの座敷牢の薄闇に見合う色をしていた。]
(8) 2021/06/15(Tue) 9:53:00

【人】 鬼の子 千



 ひひッ、そりゃあ随分と酔狂な鬼様だ
 ……俺も流石に驚いた

 しかしなァ
 鬼子が鬼に輿入れなんて、ひひひひッ!傑作じゃねえの!

[仰け反るように退く訪問者の、忌々しげな悪態を気にする様子も無く。
腹を抱えて笑い始める。酸素を求めて薄い胸が上下するまで、それは続いた。
首も身体も痩せて細い、しかし男であることは見目から声から明白。]
(9) 2021/06/15(Tue) 9:54:13

【人】 鬼の子 千



 いいねぇ、楽しくなってきたよ
 あんたらも厄介者を捨てられて万々歳
 誰も損しないなんて最高だ、なぁ?

 ……自分の手は汚したくない、それがこの村だもんな?

[一時細められる声は、囁くように態とらしい優しさを持って響く。
嗜虐じみた感情が、思わず逸らされた相手の視線を追う白い顔に浮かんでいた。]
(10) 2021/06/15(Tue) 9:54:28

【人】 鬼の子 千



 紅鉄坊、紅鉄坊ね……

[人には慣れない作りの名前を幾度も呟き、さも甘美な飴玉を舌で転がす如く笑む。
もう相手のことは興味の外へ追いやり、拾い上げた書物の背表紙を意味も無く撫で見つめる。
そうして此処からは遠い、村を取り囲むようなあの山に思いを馳せている。

再び空間が闇に閉ざされても、その声は暫く途切れることは無かった。**]
(11) 2021/06/15(Tue) 9:54:48
鬼 紅鉄坊は、メモを貼った。
(a1) 2021/06/15(Tue) 10:01:11

鬼の子 千は、メモを貼った。
(a2) 2021/06/15(Tue) 10:03:26

鬼の子 千は、メモを貼った。
(a3) 2021/06/15(Tue) 11:55:23

到着:『 大蛇 』 ラサルハグ

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      
  ラサルハグ

      『 大蛇 』の起源を語るため

         話は一度、数千年前へと遡る。



(12) 2021/06/15(Tue) 12:29:24

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『 大蛇 』はとある魔術師が研究の為に
   生み出した存在であった。

   後に医学の神と呼ばれるその魔術師は
   世界に医術という救いを吹き込んでいき、
   隷する『 大蛇 』は魔術師に付き従うように
   救われる人々をその蛇目に焼き付けていく。

   世界が救われるその様をただ静かに見届けた末。
   英雄とまで謳われた魔術師とその下僕は崇められ
   いつしか『 大蛇 』は医術のシンボルとなり、

   人々は『 大蛇 』に祈りを捧げるようになった。

   

(13) 2021/06/15(Tue) 12:38:11

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





   しかし後世には決して語られないだろう。

   祈りを捧げる人々の骨の髄の一片まで
   『 大蛇 』が冷酷な目で見下げ果てていたなど。



        『 大蛇 』の怒りなど、決して―――。**





(14) 2021/06/15(Tue) 12:41:46

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


   

  『 大蛇 』は人々を蔑如した。




       医術を吹き込む魔術師を全ての人間が
       受け入れることなど起こるはずもなく、
       懐疑的な目を向けた者も少なくはない。

       石を投げられ頭から鮮血を流す主の姿も
       『 大蛇 』の脳裏には焼き付いている。




   しかしどうしたことか。
   我が主をペテンと切って捨てた者達まで
   『 大蛇 』に祈りを捧げ、崇め始めたのだ。
   主の受けた心の傷が癒えることはない。
   にも関わらず己は傷が癒える事を祈るのだ。




       それは『 大蛇 』にとって
       怒りを感じるには充分すぎる光景だ。




(15) 2021/06/15(Tue) 13:42:33

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   怒りに心を焼かれた『 大蛇 』は、
   ある時ついに人々に鋭利な鉄槌を下した。

   初めて口にした人間の血肉を
   口に入った砂のように吐き捨てる。
   噛み砕いた骨は美味とは程遠く、
   立ち上がる悲鳴の嵐は怒りを更に掻き立てる。


   人々の祈りを絶望に染めるかの如く
   幾多の人間が『 大蛇 』の犠牲となり
   世界は髑髏で溢れかえっていった。


   そんな悲劇がきっかけかそれとも否か。


   今では『 大蛇 』は医術のシンボルと同時に、
   人間を喰らう化け物とも伝えられるようになった。

   


(16) 2021/06/15(Tue) 13:48:02

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しかしながら世界を救ったのはまたも英雄。


   『 大蛇 』を諭し、その怒りを鎮め。
   犠牲となった者達を医術を駆使しながら
   この世界へと蘇らせていく。
   それが神の怒りを買う禁忌だと知りながら
   英雄は一切の躊躇いすら持ちはしない。



   その器の広さを目の当たりにして、
   『 大蛇 』は主への忠誠を再度胸に刻む。


   そうして事態は終息を見る.........はずだった。



(17) 2021/06/15(Tue) 13:54:16

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   それから間もなく。



     『 大蛇 』の主は神の矢に裁かれた。



   冥土に送られる魂達を蘇生させた罰として

   その命は贖罪のV犠牲Vとなり
   その魂は、いつしか星となりて


            主は今ではこう呼ばれている。



(18) 2021/06/15(Tue) 13:56:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ







        
Rasalhague

      『へびつかい座』と。






(19) 2021/06/15(Tue) 13:58:26

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   『 大蛇 』は主と別れた後、世界を渡り。

   それからというものの。
   数百年前からずっと辺境の地にある
   洞窟の中で今なお、在り続けていた。

   それはいつから在ったのだったか。
   少なくともここを訪れた時にはなかったはずだ。


   周辺には小さな村が在り、森林が恵みを運んでいる。
   

   それは楽園エデンに生きる神達の真似事だと
   『 大蛇 』は酷く侮蔑の感情を覚えていた。


   
(20) 2021/06/15(Tue) 14:00:22

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





     そんな小さな村と『 大蛇 』の間で結ばれた
     あの歪な協定が己の運命を大きく変えるなどとは。


       ――― 『 大蛇 』は未だ知る由もない。**


(21) 2021/06/15(Tue) 14:03:33
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。
(a4) 2021/06/15(Tue) 14:15:39

到着: ソフィア

到着:将軍 かんぅ

【人】 将軍 かんぅ



[かんぅはまだ16(40)歳だから]
 
 
(22) 2021/06/15(Tue) 19:42:49

【人】 将軍 かんぅ

[かんぅがその話を聞いたのは
狩りの帰りに立ち寄った村であった。数人の部下とともに訪れた其処は嘆きに溢れていた。若い娘が一人生贄にされるのだという。その魔物が生贄…花嫁を求めたのは初めてらしい。だが、何時か輿入れが来る事は語り継がれてきた話。

矢に当たったのは老夫婦の娘だという。
水を貰い、腰を下ろした椅子より
悲嘆にくれるその娘を目にかんぅは]
(23) 2021/06/15(Tue) 19:43:39

【人】 将軍 かんぅ



 …このかんぅが参ろう。


[国随一の将軍の言葉に村の者たちは目を見開いた。
部下たちが、突然何を。と驚く。傲慢さが聊かあるものの、清廉潔白。無敗の将は民に優しい。娘の境遇に心を痛めたのだろう。どよめく民衆、部下たちに再度かんぅが告げる]
(24) 2021/06/15(Tue) 19:43:59

【人】 将軍 かんぅ




 このかんぅが魔物に嫁ごう。



[――そして、輿入れが決まった。]
(25) 2021/06/15(Tue) 19:44:32

【人】 将軍 かんぅ

[とはいえすぐに嫁ぐ訳ではなかった。
まずは用意が必要である。部下たちには自らが魔物の花嫁になることを主に告げる筆を取った。部下たちが反対をしたこと、自分を止めきれなかったことは罪ではないと、懐の刀を持たせ、これを今生の別れとせよ。と告げれば
村娘の為に自らの命を投げ出す将軍に
部下たちは男泣きをした。

どうかご武運を。と部下たちは口々にいう。
中には供をと望むものも居たが、其れをかんぅは断った]


 よい、かんぅにはこの青龍偃月刀がある。


[それにちょうひぃ。もいる。
将軍の部下たちは説得をあきらめたのは一度決めた事を将軍が曲げぬことを知っていたからである。先の戦で国には平穏が訪れ、民たちは平和を享受している。その中で魔物に怯える村があるのを将軍は許せないのだろう。

そう考えて、心に決着をつけ
去っていったのである]
(26) 2021/06/15(Tue) 19:50:49

【人】 将軍 かんぅ

[部下を見送り
纏ったのは、花嫁衣裳。
娘が着るためにと用意された其れは、腰回りどころか、色んな処がきついのを村の女たちが必死に繕い、伸ばして伸ばして大きくしてくれた。このようなものしか用意できない事を申し訳なさげな村のものたちに、よい。と告げたかんぅはまさに将の器であった。


村人たちから出立の宴を催され
細やかだが祝い水を飲み
かんぅ、40歳。青龍偃月刀を片手にいざ嫁ぐ。]
(27) 2021/06/15(Tue) 19:51:28

【人】 将軍 かんぅ

[ご指名の場所。
山の奥、滝の前へは一人でやってきた。ついていきたがる村人たちに何があるやもしれぬと告げて青龍偃月刀を手に。心に弟ちょうひぃを抱えてである。民を思う将軍の気持ちに村人たちはみな涙した。貴方の名は末代まで語ります。という言葉に、そのような気遣いは無用だ。と返し。

花嫁衣裳で山を登った男は今、滝の前にいる。
大きな滝を仁王立ちで見つめ
肩に青龍偃月刀をかけて]


 頼もう―――。



[何処にも怯える花嫁らしさはなく
堂々と『婿殿はどこである』と言ったのである*]
(28) 2021/06/15(Tue) 19:54:41
将軍 かんぅは、メモを貼った。
(a5) 2021/06/15(Tue) 19:58:37

【人】 『生贄の女』 ソフィア

 

  化粧を施し、身を華やかな布で着飾って。
  こんな姿になったことなんて一度もないものだからか
  支度を手伝ってくれた友人は
  うるうるとした瞳で私を見た。


   「 ……泣かないで、大丈夫よ。
     私は大丈夫。 だから、ね。 」


  慰めの言葉をどう感じたのか。
  ぎゅう、と私を抱きしめてくれる手に、
  私の目だって潤んできてしまう。

  それでも、涙は落とさない。
  流れ落ちれば折角塗った化粧が崩れてしまうし
  なにより、今は悲しむ時では無いから。
 
(29) 2021/06/15(Tue) 20:00:57

【人】 ソフィア

 

  ─── この村の近くには、生と死を司る神様がいる。

  物心がついてまず教えられるのはその事だ。

  敬えば恵みを与え、侮れば罰を下す。
  日々糧を得られるのは神様のおかげ。

  大人たちは教えを信じ、
  日々神様に感謝して生きている。
 
(30) 2021/06/15(Tue) 20:02:26

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  そんな世界を疑問に思った私は
  きっと変わり者だったのだろう。
  
  本当に神様なんているのか。
  どうして毎年一人、
  神様に連れていかれなければならないのか。
  罰なんて本当にあるのか。

  ……だから私は、神様に会いに行こうと思ったんだ。
  
  
── ▷ 森の中  ──   

 
(31) 2021/06/15(Tue) 20:03:56

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  神様が居ると言われている場所へと向かうため
  幼い私は森の大変さも知らず
  闇雲に探すという困難さも知らず。
  気軽な気持ちでその迷宮の中へと入っていった。

  最初は意気揚々としていたこと。
  木の根によりでこぼことしている地面や
  動物の鳴き声を気にせず進んで。

  しかし、次第に疲れは蓄積し。
  どれだけ歩いても見えない目的地に
  ついに適当な木の下に座り込む。
 
(32) 2021/06/15(Tue) 20:05:00

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   「 ここ、どこだろう。
     どこにいるんだろう、神様。 」


  森の中、ひとりぽっちで呟いた。
  誰にも聞かれることはきっとないまま
  縮こまって暗くなる世界から目を逸らした。**
 
(33) 2021/06/15(Tue) 20:05:21
『ただの子供』 ソフィアは、メモを貼った。
(a6) 2021/06/15(Tue) 20:11:09

到着:白竜 ヤオディ

【人】 白竜 ヤオディ

そうだな。歳の頃は16くらいの。
 若い娘がよいぞ。
 よろしゅう頼む。


[たまたま自分の棲まう滝の側にいた村人に声をかけたのは気まぐれだった。
村人にお願いしたのは、しごく簡単なこと……と本人は思っていた。
若い娘を一人話し相手としてよこしてほしいというのは、そんなに難しいことでもないと思われたからだ。
ただ単に、女人の友人なるものが自分にはいなく、神仙の身、異界の者での知り合いは男……雄のみで。

自分ももういい歳なのだから、少しは女人なるものを身近におき、知っておこうという好奇心と、ちょっぴりの下心がそこにはあるだけだけだった]
(34) 2021/06/15(Tue) 22:23:38

【人】 白竜 ヤオディ

[問題だったのは、自分が恵の雨を降らし、実りを与えるという存在として、その地域に神のように崇められている存在であったことだった。

その望みをきいた人間によって彼の意図を曲解されてしまったのだ。


単なる友達が欲しいとお願いしたつもりだったのに、それが伝言ゲームのように伝えていくうちに、竜神様は花嫁をご所望という話になり、それが花嫁という名の生贄となり……。

その伝言を聞いた日から、村は葬式のような重々しい空気が流れていたが、そんなことは白竜様は知らない。
そして、一人の漢が名乗りを上げたことも知らず。

ヤオディの元に花嫁が参りますという通達が届いたのは、断ることもできない当日の朝であった]
(35) 2021/06/15(Tue) 22:24:52

【人】 白竜 ヤオディ

 え? 嫁?
 そんな、余はそのようなことは申しつけてはおらぬ。
 ただ、おなごの友達がいればよいな、と思っただけだったのになぁ〜。


[もじもじ、と裾の縫い目を指先でいじいじしている水を司る白竜様(推定800歳)。
しかし、期待いっぱいでその女子とやらがやってくるのをそわそわそわそわと待っていた。
人の気配がしないかどうか、全身を耳にして、むやみやたらと行ったり来たりしている。
いざ、誰かが歩いてくる気配がしたら、大きく息を吸って、吐いてと緊張をほぐし。
すぐに行ったらがっついていると思われるかも、と少し余裕を見せなければと鏡をのぞきこみ、身だしなみをチェックした。


この竜、もちろん童貞である]
(36) 2021/06/15(Tue) 22:25:55

【人】 白竜 ヤオディ


[そこに、頼もう、と野太い声がした。

きた!と見た目は落ち着き払って、にやつきそうになるのを必死に堪えて静かに歩いて出迎える。
先ほどの声は男のもの。先触れの下僕を連れてくるということは、身分の高い女人なのだろうか。
それならばきっとたおやかで麗しい人に違いない、と期待で胸ははちきれんばかりになるが声だけは厳かに返した]



 誰ぞ。
 余こそが、この明泉洞の主にして白糸滝に棲まう白竜ヤオディである。

 村よりおいでになったという女人は……女人は…………。
(37) 2021/06/15(Tue) 22:26:55

【人】 白竜 ヤオディ

 女人は何処に?



[目の前には女装している中年男しかいない。しかも背にはでかい刀を背負って。
変質者!?いやこれは罠に違いない!
そう身の危険を感じたとしてもおかしくはあるまい。
大体、今では神だのなんだのと言われて大人しくしているヤオディだが、昔は結構やんちゃもしていて、その度に人間の勇者だの騎士だのというのからコテンパンにのされたり叱られたりもしていたのだ。
それだけでなく、単なる腕自慢どもの討伐の対象にされてもいたり。

だから、目の前の男が自分を成敗しにきた者だと思うのは、龍族にとっての常識であったのだ*]
(38) 2021/06/15(Tue) 22:28:23

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『 大蛇 』は神などではない。


   たとえ村の者達が神と敬服しようとも
   『 大蛇 』はただの『 大蛇 』に過ぎない。

   本来村の人間を襲わないことも
   彼らを外敵から守ることも

   『 大蛇 』にとっては守る価値の無い契。


   だが『 大蛇 』は村の人間の言葉を聞き入れる。
   己の主が『 大蛇 』に遺した言葉がそうさせるのだ。




   
(39) 2021/06/15(Tue) 22:40:57

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   しかし『 大蛇 』は神などではない。


   だからこそ村の申し出を聞き入れることに
   代償を強いることに固執する。

   無償の善は人の心を腐らせる。
   自身の平穏は誰かの犠牲の上に成り立つのだと
   それを彼らに忘れさせないために。



     「我の力を借ろうならば
      オマエ達の中から一人、
      その命運を我に差し出せ。」



   蛇の姿で数百年前の村人に伝えたという逸話が
   今なお村の者達に語り継がれているかは不明だが。


   村人達が首を縦に振ったのをきっかけに
   『 大蛇 』は村を守る存在へと成っていく。


(40) 2021/06/15(Tue) 22:43:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   人間の子というのは奇怪な生き物だ。
   危ないからよせと言うのに凝りもなく森の中へと
   やってきては『 大蛇 』の声に説教を受ける。
   中にはそこが危険だと知っていたにも関わらず
   足を踏み入れた子供もいる。


      (こいつらは死なねば分からぬのか......?)



   数百年と森に入る者を叱りつけている内に
   『 大蛇 』はしきりに顔を顰めていた。
   


(41) 2021/06/15(Tue) 22:44:55

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   そしてある時もまた子供が迷い込む。>>31

   そんなに外に興味があるのならば
   いっそ行って死ぬのもよかろう。
   それとも人攫いに連れて行かれて売られるも良い
   その時は.....それがその子供の運命だ。


   そう思い始めていた頃、
   子どもの声が『 大蛇 』にも届く。

   同時に鳥の声が止まり、空気の流れが変わる。
   目を閉じて神経を張り巡らせれば
   『ただの子供』がどこにいるかなど
   すぐに知ることが出来るのだが。

   しかし......この子どもは他の子どもとは
   明らかに目的が異なっている。

   『ただの子供』の呟き>>33
   それを物語っているようにも感じられた。


(42) 2021/06/15(Tue) 22:48:47

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





      (―――面白い。)




   この子供の真の目的など『 大蛇 』にはわからぬ。
   しかし村の人間に犠牲を強いる『神』とやらに
   逢おうなどというのだから。

   『 大蛇 』は『ただの子供』の内なる心を知る為に
   自ら人間の元へ歩みよろうとする。



(43) 2021/06/15(Tue) 22:53:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





      「―――子どもよ。」




   『 大蛇 』の声があたり一面に木霊する。
   暗がりの中に影を作る蛇が人の姿へと変わる
   その瞬間が『ただの子供』に見えていたかどうか。



      「そこで何をしている。
       貴様のような子どもが
       立ち入っていい場所ではないぞ。」




   『 大蛇 』は未だ姿を隠したまま
   子を叱るように声を響かせ始めただろう。*




(44) 2021/06/15(Tue) 22:56:39
到着:書生 茅

【人】 書生 茅

[茅という青年は、善良さを絵に描いたような性質を持っていた。
同時に、愚直で一途、つまりは一歩間違えば阿呆が服を着て歩いているようなものだった。
残念なことに、彼の周囲の人間は彼ほどに善良ではなかったので、茅という青年は大小様々損をしていたのだが、その善良さ故に、それが誰かの悪意によるものだということに全く気付くことが出来なかった。

まぁつまり……阿呆だったのである。]

 お嬢さん、お嬢さん。
 助けに来たよ。

[囁いて青年は、古びた小さなカギを揺らして見せた。
盗みと呼べるような行為をしたのはこれが初めてだったものだから、心臓はばくばく言っている。
けれど構いはしなかった。
青年にとってこのお嬢さんは命の恩人で、どうにかして救いたい相手だった。
お嬢さんだけじゃない。
あの村の人たちは皆、青年にとってはとても大切な人たちだった。
だって、行き場のなかった青年を拾って、労働を与え、屋根を与えてくれた。
決して頭の良くない青年を、捨てずにおいてくれたのだ。]
(45) 2021/06/15(Tue) 23:04:23

【人】 書生 茅

[
あぁやっと来たの、遅かったじゃないの。


責めるお嬢さんの声が、気丈に突っ張ってるみたいで、青年はつい、ごめんよ、と返す。
山奥の洞窟の中、質素な敷布の上にお嬢さんは座っている。
白無垢を纏ったお嬢さんは、とても綺麗だった。
つい見とれかけて、また急かされる。

早くして、山神さまが来たらどうするの。


数年に一度、嫁を要求する代わり、山麓の村を守ってくれるという山神さま。
今回はうちの村の番で、年頃の娘といえば、村長の娘であるお嬢さんしかいなかった。
もうしばらく前からそれは決まっていたことで、お嬢さんはひどく泣き暮らしていたのを、家に置いてもらっていた青年は知っていた。

青年は、考えた。
いささか足りない頭で必死に考えた。
考えた。

誰かが言っていた。
嫁と言っても要はただの生贄だろう、娘でなくても良いだろうに……と。
閃いた。]
(46) 2021/06/15(Tue) 23:05:10

【人】 書生 茅

 ごめんね、お嬢さん。
 ちょっとだけ、触るよ。

[洞穴の中に穿たれた楔、そこからつながる鎖の先、武骨な足かせが、お嬢さんの白くてきれいな足を縛めていた。
薄暗い洞窟の中、灯りを忘れた青年は、たどたどしく指先で鎖を辿る。
その先に、足かせを見つけると、また指先で鍵穴を探す。

何で灯りを持ってこないのよ、どんくさいわね


そう責めるお嬢さんにまた、ごめんよ、と返す。
村長さんが置き忘れたカギを目にした瞬間、それを誰にも見つからないようにって懐に隠して、ここまで持ってくるのに精いっぱいで。
他のものは、すっかり忘れてしまったんだ。
赦してほしい。
外はまだ明るさの残る時間。
お嬢さんの帰る路は、きっとまだ見えるから。

かちゃり、錠が解けた音がした。]
(47) 2021/06/15(Tue) 23:05:32

【人】 書生 茅

[足かせの外れたお嬢さんは、ふ、とひとつ笑った…きっとほっとしたのだろうと、青年は思う。
背を向けた青年の後ろで、お嬢さんは着替えて身なりを整えた。
声をかけられた青年が振り返ると、敷布の上に脱ぎ捨てられた白い打掛と、角隠しが目に入る。
手を伸ばした青年を、お嬢さんは黙って見守った。]

 ……どうかな?

[花嫁衣装を身に纏い、冗談交じりに問うた青年に、お嬢さんは何も言わずに匕首を手渡した。
それは、『嫁入り』を前に、村長さんからお嬢さんに贈られたはずの、うつくしい小刀だった。

わかるわね、


お嬢さんは問うた。]
(48) 2021/06/15(Tue) 23:05:53

【人】 書生 茅

 わかるよ、

[青年は答える。
けれど青年は知らない。
山神さまへ嫁ぐ娘に、親が持たせる餞の風習。
その『意味』を、青年は知らない。
せめてその最期が、苦しいものでないように。

知らないから、
『なるほどこれで山神さまを斬ればよいのだな』
などと思っている。
たかだが1尺にも満たない刃で、一体何が斬れるというのか。

残念ながら青年は、善良故に阿呆なのだった。]
(49) 2021/06/15(Tue) 23:06:25

【人】 書生 茅

[お嬢さんに促されるまま花嫁衣裳に身を隠した青年は敷布に座る。
その足首に、足かせが嵌め込まれた。

ちゃんとしておかないと、ばれちゃうものね、


お嬢さんに言われ、なるほどと頷く。
乙女と比べれば幾分太い足首に、鉄の足かせが食い込む痛みは飲み込んだ。
じゃあ、と洞窟を後にしようとするお嬢さんの向こうに、沈みゆく日の光が漏れる。
影法師が、消えた。]

 お嬢さん。
 ……どうか、幸せに。


[ただ、生きて欲しいと願った。
その願いをそっと、口ずさむ。

お嬢さんには想い人がいることを、青年は知っていた。
誰でも良いならお嬢さんじゃなくたって、俺だって構わないだろうと、そのくらいの気持ちだった。
そしてあわよくば、
生贄など要求する神さまなんて殺してしまっても良いだろう?
と。

そんな、ごくごく単純な考えだったのだ。**]
(50) 2021/06/15(Tue) 23:07:22
書生 茅は、メモを貼った。
(a7) 2021/06/15(Tue) 23:09:09

【人】 将軍 かんぅ


 
女人は此処にいるぞ。



[いない。
花嫁衣裳の男(40歳)しかいない。
背にある青龍偃月刀はもはや体の一部である。現れた白竜を名乗る男は意外に愛らしい顔をしていた。何故見えるのかかんぅアイは遠くをもとらえて離さない。正確には戦場で常勝を繰り返す武人の観察眼である。神弓の使い手の弓を額で受けながした程の実力を持つ程の眼力である。眼力ってなんだっけ。将軍はずんずんと近づいた。

ああ、滝、滝の中に入らないでぇぇ
と何処からか聞こえてきそう

だがかんぅの脳内には「いけえ、兄者。そこだ!いけ」
というノリノリのイマジナリー弟ちょうひぃしかいない]
(51) 2021/06/15(Tue) 23:10:25

【人】 将軍 かんぅ


 ヤオディと言ったか
 我こそは、貴殿の花嫁であるかんぅである。



[水をずんずんと進む。
水を含んで重くなる花嫁衣裳もなんのその。花婿殿の処にいく足枷にはなりはしない。そう、花婿殿である。かんぅは花嫁、それも魔物の花嫁に憧れるごく一般的な男性であった。

故に心るんるん踊り、脳内弟は歓喜している。
このような運命があっていいものか。
これぞ天命。日頃の行いが良すぎたやもしれぬ。

やはり毎朝の掃除は必要な事であった。

まさか一人話し相手を求めていた>>34など知らず]
(52) 2021/06/15(Tue) 23:11:28

【人】 将軍 かんぅ


 よろしく頼むぞ、婿殿。


[容赦なく白糸滝の中に入り。
その手を取り、しかと抱きしめようとしたであろう。しかもずいと顔を近づけて尊顔を容赦なく見ようとする。ああ近すぎます。神様に近すぎます。花嫁だから問題ない。そうだね。

尚、残念なことに交代は効かない。推定800歳の白竜様>>36は逃げられない。やったね、嫁が>>35来たよ。可愛さが足りぬというのなら片目瞑り(ウィンク)の一つや二つしてみせよう。何せ一騎当千の将>>38

出来ぬ事などありはせぬ。*]
(53) 2021/06/15(Tue) 23:12:48
到着:  天狗

【人】   天狗

外道に堕ちたる悪童が
何の因果か守り人に
天狗と呼ぶは名ばかりの
傍若無人の振る舞いに
歯噛みはすれど術はなく
此度も赤き花咲くころに
さも当然と「それ」を求めた
(54) 2021/06/15(Tue) 23:19:09

【人】   天狗

「おなごを一人、いつもの場所まで連れてこい」
(55) 2021/06/15(Tue) 23:19:53

【人】   天狗

天狗は「嫁」と呼び、村人は「贄」という
娶られた娘が帰ることはなく
食われたか殺されたか、そんな話だけが密やかに

村の外れの山奥にひっそりと洞穴を利用した岩屋がある
村でも極々一部しか知らぬその場所に
繋がれるのは果たして誰ぞ?*
(56) 2021/06/15(Tue) 23:22:31

【人】   天狗

―― ここまでの話 ――

[天狗は元から天狗であったわけではない
見れば体躯こそ巨漢だが人そのものである

そう、元は人として生まれたのだ
とはいえ、それはとても奇異な出生であったのだが

母親の胎内に宿って産み月を越えてもなお居座り続け
一年、二年、三年経っても腹は膨れ続け
ついには耐えきれず母体が死に掛け、その腹を裂いて取り上げた子だった
すでに歯も生え揃い、毛髪も爪も伸びたその姿は異様で

母親を食らって生まれてきた物の怪の子、と周囲は畏れた
そして、それからすぐに「ヒトならざる力を持つ」と知れて
幽閉され都合よく祭り上げられ数年

生まれた村が飢饉に陥った]
(57) 2021/06/15(Tue) 23:23:46

【人】   天狗

[日照り続きに雨乞いしても雨は降らず
村人たちは誰ともなく口にする、贄を、人柱を
誰にする、アレがいい、あのおかしな力を持った子供なら

特別な子なら神も喜ぶだろうなんてのはただの言い訳
本当は厄介払いをしたかっただけなのだと、当の子供は気付いていた
さんざん厄介者扱いしておいて、村のため、皆のため
嫌だと言えば恩着せがましく今までの世話を口にする

子供には全部わかっていた
醜い人々の胸の内、人ならざる力の一片で
一度たりとて、子供を大事になど思っていなかったことも
ああ醜い、ヒトというものはこんなにも醜い

それならば、いっそ]
(58) 2021/06/15(Tue) 23:25:56

【人】   天狗

 ――……こんな村、滅びてしまえ
(59) 2021/06/15(Tue) 23:27:05

【人】   天狗

[言霊は草木を枯らし、人を枯らした
生ける者のいなくなったその地を離れ彷徨うが
どこに行ってもその力故に疎まれ、そのたびに人を殺し村を絶やし
そうして長い長い時が過ぎた
力故か年も取らず、死なずにどれだけの時が過ぎたか
化け物がいるとの噂だけを引き連れて、辿り着いたその山には
麓の村に山神様と崇められた天狗がいた

作物が育ちにくいその土地に力を与え、荒れやすい天候を穏やかにし
ヒトとの共存を謳うその天狗が忌々しく思えた

だから、殺したのだ
その力をすべて奪い取って]
(60) 2021/06/15(Tue) 23:28:49

【人】   天狗

 「……ふ、ははは、私を殺すか、面白い
 これで、お前は背負うことになる、この山を、村を守ることを
 私が先代に託されたそれを、お前に呪いとして負わせよう

 まあ、どのように守るかは、お前の自由だがな
 この地を離れることは、私が赦さぬ」
(61) 2021/06/15(Tue) 23:29:55

【人】   天狗

[言葉を吐く天狗の首を撥ねて、その首を持って村へと降りた
村から離れようとすれば、確かに何かに阻まれたから
恐れおののく村人に天狗の首を投げて、笑って言い放つ]

 ……今日からワシが山の主だ
 守れと言われたから仕方ねえ、守ってやる

 代わりに娘を一人寄越せ、嫁だ
 そいつ次第で村はどうとでもなると思え

[そう言って村を見回し、一人の娘を指し有無を言わさず連れ去ろうとした
去り際、名を問う声に面倒くさそうに振り返り]

 山の主だ、天狗でよかろう?
 山神様でも構わんがな

[そう名乗ると舞い上がり姿を消した]
(62) 2021/06/15(Tue) 23:31:46

【人】   天狗

[何しろ、名乗るような名前など
生まれてこの方持ち合わせていなかったので
**]
(63) 2021/06/15(Tue) 23:32:48
  天狗は、メモを貼った。
(a8) 2021/06/15(Tue) 23:45:53

2021/06/16(Wed) 0:06:14

【人】 水分神

 
  
── 山頂の屋敷、上段の間 ──


[脇息に右肘を置き、頬杖をつきて
 にたにたと笑みを浮かべ
 下段の間にいるものを見下ろす女が居る。

 真紅の瞳を悪戯に煌めかせ
 艶やかな紫の長き髪を背中に流し
 足を崩して座り
 着物の裾から覗かせるは裸足。

 ────此れが、妾の姿じゃ。]


    今年輿入れされてきたのはお主じゃな
    くく。何を呆っとしておる
        近う寄って顔を見せよ


[ふりるのたっぷりあしらわれた袖を
 ゆったり、優雅に動かし
 細く長い手指に波を打たせ近寄るよう促した。]
 
(64) 2021/06/16(Wed) 0:30:58

【人】 水分神

 
[近づいてきたなら、顔へと手を伸ばす。
 察して屈むならば良し。
 察せぬなら「屈め」と一言。
 遠慮なしにぺたぺた、触れながら検めよう。

 そうして大きくつぶらな瞳を持つ
 中々、可愛い顔立ちの美男だと判れば。
 ……詰まらぬが、そうであろうと納得する。]


    ふむ。及第点、と言ったところじゃな
    よもや不細工を寄越すとは
           思っておらぬが


[先祖どもが古に結びし約束ごとがある。

 ヒトの子を娶る代わりに
 彼らヒト族に手出しをせぬという
 まっこと、下らぬ────約束が。]
 
(65) 2021/06/16(Wed) 0:31:02

【人】 水分神

 
[いつの時代も
 人の世に存する水分神は独りだけ。

 数百年の務めを果たし元の世へ還った先代と
 入れ替わりに妾が其の任を継いでからは
 村から男を捧げられるたびに

 やれ顔が好みでないだの
 家事がまともに出来ぬだのと
 難癖をつけては追い返してきていた。

 何年も拒み続けているゆえ
 人間どももそう簡単には
 下手を打たなくなってきておるということじゃな。]
 
(66) 2021/06/16(Wed) 0:33:58

【人】 水分神

 
[じゃが、この男も必ず追い返してやる。

 妾は、村がまともな婿を
 差し出せなかったことを理由に
 今日まで続いてきた約束を反故とし
 近隣の村を落とす算段じゃ。

 
そうして、妾は────…。



    前の男は直ぐに逃げ出してのう
    屋敷の中がすっかり荒れておる
         早速、綺麗にせよ


[顔から手を下ろすと
 来たばかりの男に
 名を訊ねることもなしにそう命じた。

 識る必要性を感じておらぬ。
 保って数ヶ月、否、数日の関係じゃ。]
 
(67) 2021/06/16(Wed) 0:34:13

【人】 水分神

 
[屋敷は広い。

 床には埃が溜まっており
 あっちへ行き、こっちへ行き
 気まぐれに書き物(人間には読めぬ文字じゃ)や
 お絵かき(お花とかちょうちょとかな)をしては
 紙と道具を片付けぬまま
 放置してある部屋が幾つもある。
 筆や硯はかぴかぴに固まってるだろう。

 食い散らかした菓子の袋や粉も
 そこら中に落ちておる。
 かみさまぱわーで屋敷の中に
 アリンコが湧くことはないがの。

 全て綺麗にするまで一体何日かかるやら。
 ────否、その前にも逃げ出すだろうか?]
 
(68) 2021/06/16(Wed) 0:34:38

【人】 水分神

 
[命じた妾は────ごろごろ、するのじゃ。
 また新たに部屋を汚しながら、な。

 くふふ!**]
 
(69) 2021/06/16(Wed) 0:34:58

【人】 鬼 紅鉄坊

─ 幾度かの日が巡り ─


[ 弱く小さな村人に激情を見せてしまった失敗は今は過ぎ。
 己を落ち着かせ、改めて思い返し省察出来る程の時間が経った。

 あの時から山に訪れた変化といえば、
 何処か落ち着きなくざわめく木々と人ならざる者らの声と
 廃寺の周囲が冷えを伴わない純白で彩られていること。

 数日前まで蕾であった花々が、六枚の弁を開き咲き誇っていた。

 白く、芳しく。
 直ぐに美を喪い地に落ちる運命の、一時の儚さ
 それはまさしく村の犠牲となる花嫁たちのように。

 娘らの輿入れを祝っているのか、はたまた嘆き慰めているのか。
 毎年この約束の日に蕾を綻ばせる。 ]
(70) 2021/06/16(Wed) 1:52:26
到着:五色 冥桜

【人】 五色 冥桜

―― 予


  ほぅ、予の奏でる音が聞きたい者がいると。
  それも朝から晩まで毎日と――。


[手に持つ撥で絃を弾く。
明朗なる音は今の心境を表すかのようであった]


  よかろうよかろうすぐにでも奏でてやろう。
  してその稀有な者は何処に居るのだ。
  ……ん、何?
  風呂に入り着替えて輿に乗れと。
  何だ、村の地主の処か?
  違う……では國のか。
  ……なんと、それも違うと。
  

[絃を弾き響く音に不協が混じる。
眉間にもありありと不信を示す皺が出ていた]
(71) 2021/06/16(Wed) 1:52:33

【人】 鬼 紅鉄坊



[ それを見つめるのは、
 役目を終えた後の鬼にはよくあることだった。

 鬼は人間にとって見上げる程の異形の大男であり、
 襤褸のように変わり果てた着物姿で、廃墟に棲まい暮らす。

 獣を狩り、ただ火で炙っただけの肉を喰らい、暗がりで眠った。
 輿入れの対価の一つである余所者の妖怪の排除
 その殆どを請け負い、時にはその隻眼のように身体も紅く染める。
 
 花を愛で小動物を懐かせるような趣味は無い。
 しかし、心が確かに在った。

 だからこそ、最初は巡って来た権利を拒もうとしたのだ。 ]*
(72) 2021/06/16(Wed) 1:52:44

【人】 鬼 紅鉄坊

── 回想 ──


私は花嫁など望みません
捧げられずとも、獣の肉を喰えば飢えは凌げるのです

[ 口にした瞬間、風が止み山に沈黙が訪れた。

 面して座す男の黄色の強い金の髪が鬼の目についたのは、
 無意識にその咎める視線から逃れようとしたせいであろう。

 鬼の知り合いはかつては村人たちのような黒髪であった筈だが
 それが何時のことなのか、記憶には無い。
 妖怪は人間のように加齢で見目が変わる者は少ない。
 神仏の敵となった存在と彼らでは時の流れも仕組みも違う。

 いけないよ、と男はいつもの温かな声のまま返す。
 お前だけが赦されることなどはあってはならないのだ、と。
 短い言葉には重い意味が込められている。 ]
(73) 2021/06/16(Wed) 1:53:13

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 両者にとって大きく想いを違わせる約束を
 百数十年前に結ばせ村の伝統としたのは、この鬼だった。

 それまで数多の村人が、妖怪らの飢えと加虐性のままに
 獣の如く狩られ喰らわれていた。

 心身の片方でも成熟した妖怪は、皆番が巡って来れば村の娘を娶る。
 目的は多くが二つに分かれるが、忌避を示す者は今まで皆無。

 山の妖怪の中で体躯も腕力も優れ、村人との接触が多い。
 そのような者が唯一、喜ばしくあるべき権利を拒むなど。
 人間に同情しているのではと、いつか自分達を裏切るのではと思われ
 脅威として扱われることになるかもしれない。

 これでも今まで見逃してきたほうだと語る男は
 いつから山に居るのかも分からない、最も古株の妖怪。
 名前も無かった鬼を紅鉄坊と定めた、父のような存在だった。 ]
(74) 2021/06/16(Wed) 1:53:42

【人】 鬼 紅鉄坊



…………

[ 丸太のように太い腕の先、大きな手が五指を折り握り込まれる。
 か弱き者の首ならば容易く手折れる力が込められる。

 真に正しく、山の妖怪としてあるべき道を示されていた。

 皆が約束に従いやがて訪れる花嫁を待って村人を喰らわぬのは、
 強き仲介役の報復が恐ろしいだけではなく、行く先が無いから。

 妖怪にとって短すぎる時間で変わりゆく人の世は、
 目まぐるしく光が増えていき、とても生きづらい。
 それは鬼もまた、同じことだった。

 それでも中々、肯定を示せずにいた鬼に続けられた説得は
 決定的かつ、記憶を呼び起こすものとなる。 ]
(75) 2021/06/16(Wed) 1:53:57

【人】 鬼 紅鉄坊



「なあ、紅鉄よ。何も難しく考えるこたぁ無いさ。
 お前さんが親しかった、あの娘の子を娶ったらどうだ?
 いつか随分憤って、助けてやりたがっていただろう」

[ 人ならざる者らを取り囲む自然は、今も沈黙を破らないまま。
 鬼が息を呑む音は男によく聞こえただろう。 ]*
(76) 2021/06/16(Wed) 1:54:16

【人】 鬼 紅鉄坊

── 現在 ──


[ 全ての娘たちを送り届け、最後に残るのは自身の花嫁を迎える役目。
 花を眺め思いに耽ることを止めた鬼は、門の前で待っていた。

 ここまでご苦労だった、私が引き受けよう。
 何度も口にした台詞が百数十回目に初めて出てこなくなった。

 村人の様子も声も届かぬ如く、
 白髪の花嫁をじっと眺める一つの紅眼は、驚いたように見開いている。
 ややあって、漸く一言が呟かれる様に場に落ちる。 ]

……男、だったのか

[ 今まで受けた仕打ちを何より物語る、痩せ細った姿。
 しかし女と見紛う要素は何も無い。
 せんという名前から想像したものとは大きく違っていた。

 同胞とは違う理由で指名する相手を決めたが故に──
 ──確かに性別も見目も聞いてはいなかった。]**
(77) 2021/06/16(Wed) 1:54:41

【人】 五色 冥桜

  ……ふむ、まぁ、良かろう。
  どうせ寿命を迎えるまでに予の音を聞く者も少ないのだ。
  家の者だけでは些か競い甲斐もなくなってきたところだ。


[三味線を床に置き、撥をそのすぐ横に置いた。
それを小さき家族が持ち上げ布か何かに包む音がした]


  では――……なんだ、女手総出で。
  どうして脇を羽交い絞めにする。
  この予、逃げも隠れもせぬぞ。


[嘘をつけと頭を叩かれれば驚きを隠せぬままに足も手も捕縛され風呂場へと連行された。
風呂場の中からは得も言えぬおどろおどろしい声が響いたようであるが身体中隅から隅まで磨かれるという行為は存外心地悪さしか感じなかった。
風呂上りには椿の香油を擦り込まれ肌への触れが優しい生地でできた服を着せられるがその間男の尊厳というものは皆無であった]
(78) 2021/06/16(Wed) 2:01:25

【人】 五色 冥桜

  ええい、お前たち覚えておれよ。


[一族郎党見送ってくれているらしいが輿に載せられたままに呪を吐いておいた。
膝の上に乗せられたものも普段使っている三味線とは異なる様子であり恨み百倍程度には溜まっていた。

だが、出来るのはそれだけだった。
この身で叶うことはあまりない]


  ……ふん、良いさ。
  予はこれから望まれるままに奏でるのだからな。


[三味線を弾き音を奏でることだけが全てであった。
奏でた音に詩を乗せることだけが生き甲斐であった]
(79) 2021/06/16(Wed) 2:05:52

【人】 五色 冥桜

[こうして五色家の
を乗せた輿は所定の場所に運ばれ門前に置いていかれたのである。

待つ間は実に業腹なもので輿の中で撥を奮い雷鳴さながらに音を奏でていたのは、嫁ぎ先の者が輿を開けるまで続いた**]
(80) 2021/06/16(Wed) 2:09:28

【人】 鬼の子 千


 ─ それから/輿入れの日 ─


 っ……危ないねェ。そんなに押すなよ
 俺ァ盗人じゃなくて大切な貢ぎ物だぞ?
 こんなにきつく縛られて逃げられるわけないだろうが

[目を細め思わず場に足を留めさせたのは、千にとって十年ぶりに浴びる太陽の光だった。

間髪入れずに後ろの男に背を乱暴に押され、転びそうになったところを付き添う老婆が支えた。
曲がった腰で風呂敷包みを抱えたその背丈は千よりずっと低い。
しきりに気遣い声を掛け、山まで送り届ける為家に訪れた男達に涙ながらに乱暴に扱わないよう訴える。

彼女にとって鬼子は死んだ娘が遺した孫息子だった。
指名を受けるよりも、座敷牢に入れねばならなくなった日よりもずっと前から大切に扱ってきた。

しかし、孫息子はそちらに視線もやらないまま面倒臭そうに息を吐き、男達の求めに応じて黙して歩き出す。]
(81) 2021/06/16(Wed) 2:11:36

【人】 鬼の子 千



[老婆と千が、死んだ母親──さとの兄家族と共に暮らしていた家は大きく他の村人のものよりしっかりした造りになっている。

そこは豪商かつ村役人の家であり、大人も殆どが名前すら書けない村で千が読み書きを教わり、書物を与えられることが出来た理由だった。

村の中心にある為、山まで暫く歩かねばならない。
視線があちこちから突き刺さるが、誰も声を掛けず近づくこともない。
むしろ目を背ける。

千が静かに口角を上げ、再び背を押され怒鳴られることも厭わず態と彼ら彼女らをじっと見つめてやったのは

──可笑しくてたまらないからだ。
村人が自分に向ける侮蔑と嫌悪の中に、埋もれた怯えが伝わるのが。]
(82) 2021/06/16(Wed) 2:11:56

【人】 鬼の子 千


 ─ 現在/廃寺の門前 ─


[鬱蒼と茂る山の中、遠くからでも見て取れた姿>>
聳える大木のような身体、木々と薄闇に適合した色彩の衣服や肌、髪の色。
一つしかない紅い輝きだけがどこか警戒色じみて浮いている。

分かりやすい物怪の類い。周りの者達から緊張が伝わるのが千には分かった。]

 ああ?……あぁ、成程。ひひッ

 あんたら厄介者を捨てたくて捨てたくて、
 性別すらも教えなかったのか!
 それとも確認してやっぱり女がいいと言い出すと思ったか?

 酷い奴らだねぇ!敬いも何もあったものじゃねえな!

[しかし言葉を交わせる距離にやって来た時気づく
その目に人間のように驚きを浮かべ、言葉に詰まっている様に。

自分を指名した筈の鬼がそんな姿を見せることに訝しみ、眉根を寄せたのは一時。
ぱっと振り返り男達を見て、意地悪くにやついた。]
(83) 2021/06/16(Wed) 2:12:37

【人】 鬼の子 千


[曰く、知っていると思った。
曰く、紅鉄坊様が指名したのだから自分もそうだとばかり。
曰く、この男は妖の類だと昔から村で疑われていた。女ではなく仲間が欲しかったのかと思った。

口々に上がる弁解に千はますます楽しげに笑う。
嘘ではないのだろうが、確認しなかった理由も合っている筈だから。]

 可哀想にな鬼様よぉ、気づかないよな千って言われたって

 俺ァ本当は千太郎って付けられる筈だったらしいんだけどよ
 その名付け親のおっかさんが産んですぐに死んじまってな

 で、どうするんだ?

[問い掛けた瞬間ふっと愉悦の炎がかき消え、真顔で傾けた首が白い髪を流す。
ここでやっぱり要らない、若い女が良いと言うのなら此れは期待外れのただの化け物。元通り幽閉され、二度と会うこともない。

なけなしの体力でここまで連れて来られた意味は潰える。
この場の男達を代表に、鬼子を山に捨てたい村人達の想いも叶わなくなる。

老婆だけが期待の隠せない眼差しで鬼を見上げていた。**]
(84) 2021/06/16(Wed) 2:13:15
五色 冥桜は、メモを貼った。
(a9) 2021/06/16(Wed) 2:18:18

【人】   天狗

[この悪童が「天狗」を名乗るようになってどれくらい経ったかは覚えていない
数年に一度「嫁」をよこせという以外は、天狗が無茶を言うことは「そう」なかった
麓にあるいくつかの村は、それに気づいてか順番に公平に嫁を選ぶことにしたという
嫁さえ宛がえば村は確かに守られ実りも約束されるのだから、と]

 さて、今年はどの村だったかね

[ちびりと酒など舐めながら考える
麓の村は似ているようで少しずつ特徴があった
勤勉な者の揃う村、お人よしの集まる村、そうして
今年の村が少々小賢しい者の揃う村と気づき眉を寄せる]

 扱いにくいんだよなぁ、あの村の嫁
 まあ、最初のうちだけだが……やれ、此度はどれだけ「もつ」んだか

[呟いて、くい、と酒を呷る
人食いの天狗など噂されているのは知っているが、人を食ったことなど一度もない
自ら嫁に手にかけたことも、一度も]
(85) 2021/06/16(Wed) 3:37:30

【人】   天狗

[もっとも
それは語るものがいなければ村には知られぬことだ]
(86) 2021/06/16(Wed) 3:37:56

【人】   天狗

 さぁて、そろそろ用意ができたころじゃろう
 此度の嫁を迎えに行くか

[山の頂近くに構えた住処から出て、ばさりと先代から奪った羽を広げる
歩いていっても問題はないが、この羽音が「天狗が来た」という合図になる
いきなり現れるよりはよかろうと、天狗なりの気遣いだが

ひと際大きく羽音を立てて洞穴の前に降り立つ
周囲に人は見当たらず、中にわずかに気配を感じれば
ゆっくりと踏み入り、そこに座り込む白無垢へと]

 お前が此度の嫁か……?
 どれ、ワシにその顔を見せてくれんか?

[正面に屈み込み、懐から取り出した小さな行燈に念で火を灯して白無垢を照らす
天狗は夜目が利くが、嫁はそうではないだろうから]
(87) 2021/06/16(Wed) 3:39:21

【人】   天狗

[嫁に課している枷は足首のみ
それは人間の女が非力であることと、何より始めは身構えてロクに動かないと知っているから

つまりは油断しているのだ
いきなり切り掛かるような馬鹿はおるまい
、と**]
(88) 2021/06/16(Wed) 3:40:11
  天狗は、メモを貼った。
(a10) 2021/06/16(Wed) 3:42:31

【人】 龍之介

 
  
── 山頂の御屋敷 ──


[ミクマリ様をお祀りし
 生きる糧をいただいてきた
 この村の新年の始まりは
 他所とは違い、水の月である六月だ。

 一つ歳を取り
 成人之儀を済ませた
 その日の内に、輿入れとなる。

 早朝から三度に渡って身を清められ
 今まで袖を通したこともないような一張羅を
 細いながらも筋肉の着いた
 体躯に纏って、
 様々な貢物と共に御前へ参じる。>>64
 
(89) 2021/06/16(Wed) 8:35:39

【人】 龍之介

 
[直視するのは畏れ多いと伏し目がちに進み、
 酒、餅、旬の野菜や果物、
 菓子や塩などの入った包みをふたつ
 そっと床に下ろしたところで
 お声が掛かった。]



   ……



[こくり、頷くと
 見慣れぬ洒落た装飾の施された袖から覗く
 御手に誘われるように>>64
 お傍へと赴き、膝を折る。]
 
(90) 2021/06/16(Wed) 8:35:50

【人】 龍之介

 
[ぺたぺたと
 触れられたことに驚いて>>65
 跳ね上げてしまった視線が捉えたのは、
 柘榴の実のように艷やかな赤い瞳。



   (なんて、綺麗…なのだろう、)



 不敬だなんてことも忘れて
 その美しさに魅入っているうちに
 及第点をいただいていた。

 顔が気に入らないと
 即刻、返された者も居るという話だったから>>66
 よかった…と胸を撫で下ろす。]
 
(91) 2021/06/16(Wed) 8:36:16

【人】 龍之介

 
[帰されたところで
 もう自分には、あの村に居場所は無い。

 いや…、弟の虎之介は
 喜んで迎えてくれるとは思うけれど、

 啞(おし)になってしまった
 元は余所者の自分を
 ここまで育て上げてくれたのは
 ミクマリ様に捧げるために他ならないと知っている。


 自分がきちんと務めを果たせている間は
 豊かな実りも約束され
 唯ひとりの肉親である弟も
 幸せに暮らせていると信じられるから。


              だから────…、]
 
(92) 2021/06/16(Wed) 8:36:58

【人】 龍之介

 
[ミクマリ様からのご要望に即刻応えるべく>>67
 こくりと素直に首肯すると、
 少し奥まったところへ移動し
 婚儀のために誂えられた衣装を脱ぎ始めた。

 黒い縁取りこそあるものの
 ほぼ純白のそれは汚れやすく、
 踝まである裾は動き難い。

 手際よく家事をこなすのには向かないから
 持たせてもらった普段着の
 袖のない上着と
 足先がキュッと締まった下衣へ着替えていく。

 普段使いと言えども
 布地は張りがあり光沢もある上質なものだ。
 黒い飾り紐の意匠も凝っている。

 洗い方、保管の仕方なども
 しっかり叩き込んで来たから問題は無いが
 わりと手間のかかる代物だった。


   (もっと簡素なもので良いのに…)


 そう思うけれど
 ミクマリ様に相応しく
 在らねばならぬのだから文句は言えない。]
(93) 2021/06/16(Wed) 8:37:16

【人】 龍之介

 
[婚儀の衣装を
 手早く美しく畳み終えると、
 すぐに片付けと掃除に取り掛かる。

 道具の位置などは
 先だって追い返された覡らから聞いていたから
 迷うことはないけれど、

 
 
   (んん、これは、…?)



 散乱している紙の扱いには
 少しばかり悩んだ。

 村で教わったものとは異なる文字?が書かれたものと
 何かの意匠だろうか‥‥
 花のような文様のものなどが雑然と落ちている。>>68

 閃きを残してあるのかもしれないし
 とにかく大事なものである可能性も考えて、
 文字と形と
 分類しながら重ねて、束ねて
 大切に保管しておくことにした。]
 
(94) 2021/06/16(Wed) 8:37:38

【人】 龍之介

 
[それから、
 拾い集めた筆と硯を
 かぴかぴの墨が緩んでくれるように>>68
 まずは水に浸しておいて、
 大きなゴミをまとめ、
 更に、部屋の上の方から順に
 はたいて、掃いて、拭いて、磨いて。
 
 黙々とこなしながら
 此方の作業で煩わせてしまわぬように
 時折、ミクマリ様のご様子を伺う。]
 
(95) 2021/06/16(Wed) 8:39:22

【人】 龍之介

 

   ……


[藤色に艶めく髪も
 伸びやかな手足も
 紅の瞳と同様にとても美しい。>>64


 それに、

 当たり前ではあるけれど
 自分たち人間とは一線を画した
 存在なのだと感じさせる空気を纏っている。

 見惚れていては仕事にならないのと
 失礼にあたると思い
 なるべく直ぐに視線を引き剥がすけれど

 燃えるように空が染まった時や
 二重の虹が掛かっているのを見つけた時に
 息を飲むような
 そんな高揚があった。]
 
(96) 2021/06/16(Wed) 8:40:23

【人】 龍之介

 
[片付けた先から
 汚されていくことには>>69
 怒りを覚えることも落胆することもない。

 慣れている、というよりは

 生きているから汚れるし
 生きているから散らかるのだ、と
 当たり前のこととして受け入れる心が

 母を亡くし
 幼い弟を育てていくうちに
 自然に芽生えていた。


 いたちごっこになったとしても
 前任者たちのように
 それで心が折れることだけは無いと
 断言できる。]
 
(97) 2021/06/16(Wed) 8:40:40

【人】 龍之介

 
[むしろ、


   (ミクマリ様も
    自分たちとおんなじように
    生活をなさっているのだなぁ……)


 などと、微笑ましく思ってしまった。

 親近感を抱くには
 あまりに尊い御方で
 畏れ多すぎるのだけれども。

 それを、うっかりと口にしてしまう
 声も自分には無いから
 安心していられる。


 また、ちらりとご様子を伺って
 ふわりと頬を緩めた。]*
 
(98) 2021/06/16(Wed) 8:40:54
水分神は、メモを貼った。
(a11) 2021/06/16(Wed) 8:55:18

龍之介は、メモを貼った。
(a12) 2021/06/16(Wed) 8:55:32

到着:土地神 リン

【人】 土地神 リン




[  ──……嗚呼。

          又、今日が来る ]
  

 
(99) 2021/06/16(Wed) 9:55:20

【人】 土地神 リン




[ 金襴緞子に飾り馬

     紅白餅に、絵入りの貝

          土埃舞う道に米や花まで振りまいて ]
 
 
 
(100) 2021/06/16(Wed) 9:55:44

【人】 土地神 リン


 

[          
      
               ────また。今日が来る ]
 
 
 
(101) 2021/06/16(Wed) 9:56:17

【人】 土地神 リン

 


  なぁ。おまえ

     次のは、妬き性じゃないと善いなぁ
 
 
 
(102) 2021/06/16(Wed) 9:57:13

【人】 土地神 リン

[ 手を伸ばし、身をすり寄せる
 黒々とした毛髪を一房掬い上げては指に絡め
 こつん、甘えたように額と額を合わせていると
 


             ────ゴトリ
             外と中、境に何か重い音がして ]
(103) 2021/06/16(Wed) 9:57:49

【人】 土地神 リン



  あ。着た

 
 
(104) 2021/06/16(Wed) 9:58:15

【人】 土地神 リン


[ 着たのなら、迎きいれよう
 訪れたのなら、迎え入れよう

 てん、床板の上に足の跡がつく
 ぎしり、乾いた板が軋む音がする




            そうして重たい引き戸に手をかけ ]
(105) 2021/06/16(Wed) 9:58:52

【人】 土地神 リン




  いってくる
 
  
(106) 2021/06/16(Wed) 9:59:26

【人】 土地神 リン

[ "いってらっしゃい"の声は聞こえない
 長いこと、他の声も聞いてはいない

 これが年をとったということか
 口煩かったのも今では嘘のよう
 褥の上、黙りこくる前の嫁に視線を向け ]
 

  ────…… 成る程、そうか


[ そういえば、あの嫁は妬き性だった
 それが無言の理由なのか、と府に落ちる

 とはいえ、訪れたものは迎え入れるもの
 それが決まりではあるのだから ]
(107) 2021/06/16(Wed) 10:00:15

【人】 土地神 リン


  それは、なんの音だ


[ 御簾を上げ、中を覗く
 雷鳴のような楽の音に、雨乞いかと首を傾げた** ]
(108) 2021/06/16(Wed) 10:00:50
土地神 リンは、メモを貼った。
(a13) 2021/06/16(Wed) 10:07:52

【人】 ソフィア

 

  何故『 大蛇 』を神と偽っているのか。
  その理由は至極単純なもの、
  村の人間に反感を抱かせないためである。

  化け物に生贄を与え、平穏を得ている。
  そのことがわかれば、必ず敵愾心を抱く者が現れる。

  時の村長はそう考え、少数の村人と共に
  ひとつの空想を練り上げた。
  
  この村の近くには
  生と死を司る神様がいる、と>>30

 
(109) 2021/06/16(Wed) 10:22:40

【人】 ソフィア



  刃向かってはならない。
  敵対してはならない。
  
  しかし、その力は欲しい。

  村人一人の命で平穏が得られるのなら安いものだ>>40
  神の元へと行くというのならその者も光栄だろう。


  そうして今では、真実を知るのは一握りの人間だけ。
  また今年も、輿入れの季節がやってくる。
 
(110) 2021/06/16(Wed) 10:23:18

【人】 『ただの子供』 ソフィア



***

  
  動物の鳴き声が止んだことにも>>42
  空気の流れが変わったことにも気づかないで。

  俯いた顔を不安そうに歪ませて
  私はぐるぐると一人考えていた。

  道なんて覚えてないほど闇雲に歩いた。
  ここに来る、とは友達には伝えても
  大人には伝えなかった。
  探しに来てくれるのかもわからない。


   「 ううう…… 」


  もう少ししたら泣いてしまいそうで。
  一層身体を縮こまらせて、世界に脅えて。
 
(111) 2021/06/16(Wed) 10:24:01

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  そんな時に響いたのは、
  どこか恐怖を感じさせるような、重々しい声>>44

  顔を上げて探すように辺りを見回したのは
  ただの反射行為だったけれど。
  姿の見えない相手に、藁にも縋る思いで
  喉を震わせ声をかける。
  
  
   「 あなたは誰?
     私は神様を探しに来たの。

     ねぇ、神様の住んでる場所か、
     村への帰り道、わからないかな。」


  子供ゆえの無鉄砲さと、ほんの少しの勇気。
  そこから出した言葉は、相手にどう響いただろう。
  
  村へ帰ることだけを考えないのは
  まだ当初の目的を諦めていないから。
  神様なら一日お泊まりさせてくれないかなとか
  そんなことも思ってる。*
 
(112) 2021/06/16(Wed) 10:24:31

【人】 水分神

 

    (今年のはやけに物静かじゃな)


[去年の男にはお喋りで五月蝿いと
 文句をつけたからじゃろうか?

 一言も言葉を発さぬ男への感想は
 そんなものであった。>>90

 殊勝に頷くのみで出て行く背中を
 半ばほどまで見送れば>>93
 あとは興味を失ったように
 持参された品々>>90へと視線を移し
 緩慢な動きで起き上がり手を伸ばす。]
 
(113) 2021/06/16(Wed) 10:29:51

【人】 水分神

 
[妾に食事は必要ない。
 故に暇つぶしでしかないが
 瑞々しい果実や甘い菓子は美味しく
 ほどほどに気を紛らわせてくれるので
 まあまあすきじゃ。

 水ではない水は匂いにクラッとし
 白い塊は硬い
 葉っぱは苦いからすきじゃない。

 一体何のために寄越すんじゃろうな?

 先代は人間を大切にしていたから
 この屋敷には人間の家と同様の厨房は存在する。
 そして、何人かの婿がそこで何かを調理して
 妾に差し出してきたことがあるが
 妾は終ぞ口にしてこなかった。

 ────何か熱そうなんじゃもん。

 果実と菓子の包みだけを
 拾い上げ両腕で抱え込むと
 未だ汚しておらぬ部屋へ移り
 ごろごろし始めた。]
 
(114) 2021/06/16(Wed) 10:30:15

【人】 水分神

 
[妾の力で常に冷んやりしている屋敷に
 縁側から差し込むぽかぽかの陽気が心地良い。
 うとうとしてくれば
 眠気に抗うことなくお昼寝に移行した。

 ころりと果物が掌から転がる。]


    むにゃ……さくらんぼは全部妾の…………
    ん……? ……はっ……!


[そうして暫く寝ていたが……、
 部屋に近づく男の気配で目を覚ました。>>95

 妾のきゅーとな寝顔は
 唯で見せてやるわけにいかぬ。
 ヒトとは異なる存在、威厳も示さねばならぬから
 慌ててヨダレを拭くと、襖が開いた。

 せーふせーふ。]
 
(115) 2021/06/16(Wed) 10:30:33

【人】 水分神

 

    ……?


[一瞬、別の者が入ってきたかと思うたが
 顔も気配も同じじゃ。
 服を着替えた>>93のか、と少し置いて気付くも
 特に声を掛けることはない。

 人間の方も、何か言うでもなく
 妾が汚した部屋を片付けていく。]
 
(116) 2021/06/16(Wed) 10:30:40

【人】 水分神

 
[何も、妾のおる部屋に来ずとも
 他の部屋から片付ければ良いのに。

 そう思いつつ、意地悪な顔で笑う。

 果物の皮を細い指先で剥けば
 男に掃除され綺麗になったばかりの空間へ

 ぽいと投げた。

 妾は、にたにたしながら次の果実を頬張る。
 甘酸っぱくて、うんまいのう。]
 
(117) 2021/06/16(Wed) 10:31:00

【人】 水分神

 
[男は……嫌な顔ひとつせず
 その皮をも拾うと
 淡々と掃除を続ける。>>97

 ……いや、どういうことじゃ?]
 
(118) 2021/06/16(Wed) 10:31:14

【人】 水分神

 
[ぽいぽいぽいぽい。

 菓子の包み紙や果物のごみを次々捨てるが
 それらも文句なしに回収されてしまう。

 ふむ、中々手際が良いな……って
 感心などしておらぬからな、断じて!]
 
(119) 2021/06/16(Wed) 10:31:26

【人】 水分神

 
[不意に奴がこちらを向いたかと思うと

   微笑みかけられた。>>98

 ────なななな、なんじゃあ、それは!]
 
(120) 2021/06/16(Wed) 10:31:38

【人】 水分神

 
[狙いは妾の菓子か? 果物か?]


    ……っやらぬからな!


[ぷい、と顔を逸らすと
 周りに散乱していた菓子たちをかき集め
 再び抱え込んで部屋を出ていく。

 襖は足で開け放した。
 行儀? なんじゃそれは美味いのか?]
 
(121) 2021/06/16(Wed) 10:31:56

【人】 水分神

 

    ……む? ……むむ? む?


[そうして屋敷の中を走っていると
 違和感、違和感……のちに、気づいた。]


    な、んなななな……!
    屋敷の中が綺麗になっておる……!

    ここも……、ここも……?!


[もしや妾の寝ていた部屋以外すべてか?
 否そんなまさか、と呟きながら走り回り
 その通りであったと確信してしまえば戦慄した。]
 
(122) 2021/06/16(Wed) 10:32:07

【人】 水分神

 

    いやいや、幾らなんでも早すぎる……どれ


[ジューバコの隅をつんつんしてやろう。
 余談じゃが妾はおせちの甘い具が好きじゃ。

 木製の窓枠を指でつーっとしてみる。
 ……が、期待に外れ、埃はつかなかった。

 よぅく掃除が行き届いておる。]
 
(123) 2021/06/16(Wed) 10:32:27

【人】 水分神

 

    ぐぬぬぬぬ……


[どうやら、今回のは特に手強そうじゃ。

 妾の好物の供物に手を出そうとするほど
 肝が据わっとるようじゃし。

 ……あ、葉っぱと白い塊は要らんから
 どーなろうと知ったこっちゃないぞ。]
 
(124) 2021/06/16(Wed) 10:32:44

【人】 水分神

 

   (どうしてくれようかの……)


[上段の間に戻りて
 菓子をぼりぼりとつまみながら
 彼是策を巡らせる。
 不機嫌さを隠さぬ姿があった。**]
 
(125) 2021/06/16(Wed) 10:32:54

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   元々姿を見せる気など毛頭なく、
   ただ「帰れ」と告げるつもりであった。

   帰り道が分からないとあれば
   村までの道を示すことも吝かではない。


   子どもの消え入りそうな声になど>>111
   『 大蛇 』の感情は動きはしないのだ

   しかし子どもが顔を上げたその瞬間>>112
   『 大蛇 』は思わず息を飲むことになる。



(126) 2021/06/16(Wed) 15:10:48

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   子どもの容姿が星に消えた主の幼き頃と瓜二つで
   それはまるで擬似的な再会を果たすかのごとく。

   『 大蛇 』は主と子どもが別人だと理解しつつも
   どうしてもその姿を重ね見てしまう。


      「ここに神などおらぬ。
       在るのはただ、怪物一匹。」



   『ただの子ども』の小さな勇気は
   どちらかと言えば村に帰るより神との謁見にあり、
   つまりは己を神と見てその姿を目に焼きつけること。

   『 大蛇 』にはそのように聞こえてならず
   ついには人の形をした姿で子どもの前に姿を現す。


   
(127) 2021/06/16(Wed) 15:12:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「村への帰り方ならば教えよう。

            だが――――――。」



   かつん、かつん、と歩が進む音と共に
   座り込む子どもの前にたどり着けば

   子どもの目を覗くように片膝をついてしゃがむ。


      「お前の言う神は......
       夜な夜な迷い込む子どもを攫う
       悪魔のような存在だ。

       それでもお前は...まだ探したいと、
       会うてみたいと、そう思うのか?」



   子どもに神様の根城に泊まろうなどと
   無邪気な思惑があることなど知らず。

   子どもに恐怖を与えて二度と近づかせない。
   そう思ったが故の虚言を語りかけてみせるのだ。*


(128) 2021/06/16(Wed) 15:14:15
『 大蛇 』 ラサルハグは、メモを貼った。
(a14) 2021/06/16(Wed) 15:29:44

【人】 白竜 ヤオディ

[あ、こいつ変態だ。相手しちゃいけないやつだ。
女人はここにいる、と言い切った男にそれを察した。>>51
やばい、相手しちゃダメなタイプだ。
そう思ってそのまま踵を返して帰ろうとしたら、なんか勝手に滝の中に入ってくるし!!]


 そなたはどう見ても女人ではないだろう?
  あ、ちょっと、勝手に入ってはならぬ。


[慌てて止めようとしても、花嫁と言い張っているし、なんなのこの人と、内心涙目である。>>52

花嫁にしても、もっと可愛い人がいいんだけど!!
こっちに選ぶ選択肢ないの?
まさか魔物の花嫁に憧れる一般男性なんて存在するとも思ってもみなかったし]
(129) 2021/06/16(Wed) 17:28:56

【人】 白竜 ヤオディ


 ひぃぃいいいいっ


[しかも、勝手に近くに来てはぎゅうっと抱きしめられる。
妖術が使えるとはいえ魔物なのにそれほど筋肉がついていない自分と違う、男として羨ましい体格の持ち主の自称お嫁様(誤植ではない)。

それなのに、なんでこの人、花嫁って言い張るの!?と既に半泣きである。

これは話し相手なぞを求めた自分への人間たちからの嫌がらせなのだろうか。
余は何かしたか!?
いいことしかしてないと思っていたが。
もしかして、余は女人と話させたくないくらいにひどいおのこなのか!?]
(130) 2021/06/16(Wed) 17:29:18

【人】 白竜 ヤオディ

 な、何か手違い……いや、間違いが起きているようだの。
 もし、かんぅ殿。
 とりあえずは、中で休まれては……ひぃっ!

[なんだかんだ言っても、相手は人間。少々おつむが弱いようでも、一騎当千の猛将の気配がするのは間違いない。
命を取るのも忍びないし、ととりあえずは迎え入れよう……いや、断じて花嫁でも花婿でもなく、と思う。
思いっきり片目瞑りの煽りをくらい、悪寒を走らせたがこれは別に風邪でもなんでもないだろう。
湿度も水も、あまりあっては人の身によくないと、滝の入り口だけはそのままに、中から水を追い出そう]
(131) 2021/06/16(Wed) 17:29:39

【人】 白竜 ヤオディ

 これ、かんぅ殿に茶を持って参れ。
 それと【客人】に乾いた衣をも支度頼むぞ。


[手を叩くと、滝壺の生き物に精を分け与えて僕にした者たちが近づいてくる。
もてなすように命じれば、ほどなくして饅頭のような濃く熱い茶と、茶請けがやってくる。
そして、どう見ても婚礼衣装のような女物を見ていたくなかったので、にこやかに【男物の】着替えを差し出した*] 
(132) 2021/06/16(Wed) 17:30:35

【人】 書生 茅

[その馬鹿>>88がここに居るとは、まさかまさか山神さまでも知らぬことだったろう。
安心して欲しい。
青年本人には馬鹿の自覚が微塵もない。
……いや安心できる要素どこにもないな。


日暮れから暫く、風を叩く翼の音>>87に、ふと俯いていた顔を上げる。
乙女らしく淑やかに座ることなど思いつきもしない青年は、枷の嵌め込まれた左足首を抱えるようにして、半ばあぐらをかいていた。
せっかくの白無垢にも皺が寄って台無しもいいところである。
ただ、時間が経つにつれずきずきと痛む、枷のはまった足首が気掛かりだった。
撫でたところでまるで意味はないのだが。

上げた視線の先で、何かの気配が蠢く。
ギリギリまで正体を隠して相手を引きつける…などと知恵を回したわけでもないが、幸い薄暗がりの中、角隠しに隠れた顔は見えづらかったらしく。
また恐怖でこそないがその気配に息を呑めば声の一つも溢れることはなく。

近づいた気配が灯した灯りに、刹那、目が眩む。
けれど、その持ち主の輪郭が、僅かに脳裏に焼きついた。]
(133) 2021/06/16(Wed) 18:13:31

【人】 書生 茅

[人型、をしていた。
翼こそあれ、多少(?)己を上回る体格であれ。
人型ではあったから。
青年の残念な脳みそは、相手を『ヒトに準ずるモノ』と認識した。

認識するのと、身体がバネのように跳ね上がるのはほぼ同時だった。
ばさり、羽織っていたのみの白打掛が、行燈の灯りに翻る。
角隠しが転がり落ち、青年の顔が露わになる。
比較的整った顔立ちとはいえ、明らかに『男』の顔だ。]

 
わぁぁぁ!


[殺気など、込めたことも無い青年の喚きは、威嚇にすらならない。
ただ煩いだけ。
けれど灯りを受けた鳶色の瞳は、ただただ勢いだけで、決意ひとつに煌めく。

『山神さま』を、弑すべし。


からん、と匕首の鞘が転がる音がして、剥き身の刃を手に、無我夢中に斬りかかった。

馬鹿正直もここまでくれば阿呆としか言いようがないと言うくらい、真正面から。**]
(134) 2021/06/16(Wed) 18:15:52

【人】 将軍 かんぅ

[ふむ、花婿殿はどうやら照れ屋のようだ。>>129
踵を返そうとするのをそう判断するのはかんぅ観察眼の力だ。どう見ても女人だが、と主張するのは綺麗な花嫁衣裳。勝手に入ってはならぬというが、おかしな事を言う。]


 何を申しておる。
 婿殿の家ならばこのかんぅの住処でもあろう。


[そう愛の巣!
これこそ正に之からの二人を祝福する住処だろうに。こんなにも可愛い恋する一般人男性、滅多にいませんよ。なのに花婿殿はどうにも及び腰でこまる>>129これは良き結婚生活を送るには、花嫁として手を引いた方がよいか。
とすでに今後について(プラン)考え


とりあえず景気づけに抱きしめました]
(135) 2021/06/16(Wed) 18:22:29

【人】 将軍 かんぅ



 …む、細いな。



[しかと食べているのであろうか。
これは勢いよく抱きしめて骨を折りかねん。
それは危険である。相手が魔物であるとは思ってもあまりに華奢に思わず案じてしまう>>130。かんぅは不思議な術や奇跡など使えぬごく普通の人間である。ただちょっと一騎打ちの名手。一合で決着がつかぬ相手は勇将と言われるほどの。故に何か声をあげているのを歓喜の声と勘違いした。いやどこにもその説明はないというが、一騎当千。
戦場でよく聞いた声(悲鳴)に似ているせいだ。


半泣きに気づけばその涙をぬぐい。
いかがした。と生真面目に問うたのだが]


 …手違い?


[間違いとはなんだ。
中から水を追い出す優しさを持つ花婿を前に、花嫁は考えた。もしやこの花婿殿は自分がいやいや嫁ぎに来たと思ったのか。―――そういえば、村の娘は泣いていた。

そうか、そういうことだったのか!>>131]
(136) 2021/06/16(Wed) 18:23:05

【人】 将軍 かんぅ

[あ、これ勘違いしていますよ。
白竜さん。大変な事になりますよ。どうしましょうか。と実況がお送りします。兄者って、ちょっと強引な処あるよな。とかイマジナリー弟が心の中で言う。だが、基本的にイマジナリー弟はかんぅの味方である。妄想の弟なのだから当然だ。

何かの勘違いをして理解している間に、摩訶不思議な生き物が熱いお茶と、茶請けを用意するのを眺め、腰をどかっと下ろせば、用意された着替えと花婿を交互に見て]


 …まず、花婿殿は何か勘違いをされておらぬか?
 主は花嫁を望んだのよな。


[事実の確認。
片手にも小さすぎる湯のみをいただき]
(137) 2021/06/16(Wed) 18:23:29

【人】 将軍 かんぅ

 ならば安心いたせ。
 このかんぅが主の花嫁で相違ない。
 その上、望んできた故に


    怯える必要はない。


[あ、これはまずいですね。
決定的に勘違いしてますよ、これ。いやむしろ綺麗に不理解をしているというべきでしょうか。どうでしょう解説さん。にこやかに笑う顏と【男物の>>132】衣装を見比べ]
(138) 2021/06/16(Wed) 18:24:38

【人】 将軍 かんぅ



 それと【客人】ではなく
 花嫁と呼んでほしいのだが、……


[嫁ぎ満々の花嫁は
少しばかり躊躇うものの
ええい、男ならば潔くと心に決めて]


 …それとも求めておったのは
 花婿であったか?

  かんぅとしては花嫁が本望であるが
  主が望むのなら花婿として嫁ごうぞ―――
(139) 2021/06/16(Wed) 18:24:51

【人】 将軍 かんぅ

[ちがうそうじゃない*]
(140) 2021/06/16(Wed) 18:25:05

【人】 白竜 ヤオディ

[意図的にお客扱いしているのに、本人から訂正入っちゃったよ!
え? 花嫁に本気でなりたいの? なんで? ねえ、なんで??]


 いや、余は元々…………。


[いや別に花嫁を望んだわけでは、と否定するチャンスだったのに>>137、かんぅさん、喉を潤してそのまま続けてくれる>>138。それも自分が全然安心しない方向性で。
あ、話聞いてくれないですかそうですか。
望んでここにきているせいで、余は怯えているという風には思ってくれないんですね!!!]
(141) 2021/06/16(Wed) 19:55:04

【人】 白竜 ヤオディ


 ―――………。


[ほんと、どうしたらいいんだろう。こんな暑苦しい花嫁も花婿も間に合っているんだけれど。
それにこの人、追い出そうとしたら暴れない?やばくない?
そう思いながら背負っている青龍偃月刀をちらっと見る。
どう見ても名刀だろう、あれは。
あれで斬られたら死なないにしてもきっと痛いだろうし]


 あー、うん、かんぅ殿?
 大体、会ったことのない魔物の花嫁というのに、いきなりなろうなんておかしいとか思わないものかの?
 花嫁になろうというのは百歩譲って。

[そんなところに男の潔さはいらないと思うよ? と懐柔することからスタートしようか]
(142) 2021/06/16(Wed) 19:55:22

【人】 白竜 ヤオディ


 まず、そちはこの洞にいさせられても困るであろう? 
 余は水の生き物であるし、そちは陽の元に生きる者。
 見るからに武芸に秀でたようなそちはここにいるべきものではないし、村の者もその方を願っておるぞ。

[相手のこと、みんなのことを思っているような言いぶりだが、本音はもちろん、帰れ、なのは言うまでもないだろう。
ただ、それを相手に直接言えるような豪胆さがないだけである。元々この白竜、気が弱い*]
(143) 2021/06/16(Wed) 19:55:50

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 
 
  姿も見えない相手が驚いていることなんて>>126
  今の私にはわからないもの。

  ましてや、知らない誰かと重ねて見られているなんて
  思ってさえもいやしない>>127
  

   「 怪物……? 」


  神ではなく怪物がいると嘯く相手に
  私は言葉を繰り返し、疑問を表した。

  怖気が走るような心地になる声。
  気がつけば震える手を、
  ぎゅうと胸の前で握りしめて。
 
(144) 2021/06/16(Wed) 20:10:19

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  かさり、と葉の擦れる音が聞こえただろうか。
  そちらに目を向ければ、そこにいたのは
  ─── 燃えるような赤い髪を持つ男
>>128

  
   「 あ……っ、 」


  ひゅう、と息を飲む音をさせて
  私は目を見開き、その男を見つめた。
  
  自分とは違う、大きな存在。
  心で感じたことをそのままに、
  身体をガクガクと震わせる。
 
(145) 2021/06/16(Wed) 20:14:35

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  そんな姿をどう思ったか。
  彼は足音を鳴らしながらこちらに近づいてきた。
  響く音はこの場では異質なようにも思えて
  自分を守るかのように身を縮ませる。

  覗き込んでくる瞳は何色と形容したらいいのか
  子供の自分ではわからない。

  ただ、その水のような目に射抜かれれば
  ……どうしてか、心の中になにか
  恐怖とは違うものが湧き出たような気がした。

 
(146) 2021/06/16(Wed) 20:15:42

【人】 『ただの子供』 ソフィア



   「 え? 」


  神様が、子供を攫う? 悪魔?>>128
  考えてもいなかったことに意表を突かれて
  間の抜けた声が場に響く。
  
  自分の村で子供が居なくなったことは
  知っている限りない>>41

  なら、と違う村の子かとも思ったけれど
  この近くに村は自分のところだけだと認識している。
 
(147) 2021/06/16(Wed) 20:16:04

【人】 『ただの子供』 ソフィア

  

  この人は嘘を吐いている。

  でも、それはどうして?

  恐怖よりも上がってきた疑問が気になり
  先程までと顔色を変えて彼のことをじっと見た。

  怖い人。嘘を吐く人。
  でも、もしかしたら、
 
(148) 2021/06/16(Wed) 20:16:41

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

   「 私のため? 」


  思考の間を伝えることもせずに吐き出したから
  彼にはなんのことだかわからないかもしれない。

  けれど、相手を慮れる程大人ではない。
  まだ、幼い少女なのだから。*
 
(149) 2021/06/16(Wed) 20:17:20

【人】 五色 冥桜

[雷鳴は激しく轟くものだ。
幼き頃は臍を盗られるだのと脅かされ今に至るにそれは梅雨入りの合図であると知る。
今は怒りの表れであり人の起こす雷鳴というものは長持ちはしないものである]


  ふむ……。


>>108陽光が差し込むと雷鳴は鳴りを潜めしとしとと降る雨の如く撥は絃を弾いて鳴らす]


  それが何を示すのか分からぬな。
  予が奏でる楽器であれば左手に三味線。
  右手に持つは撥と言うものぞ。


[弾く手を止めると両手を開きそれぞれを示す]


  予の奏でていた音であるならばあれは雷鳴だ。
  空に瞬く閃光と共に腹の底に響く怒号よ。


[言葉と共に三味線と撥を定位置に戻すと一条の雷鳴を奏でた]
(150) 2021/06/16(Wed) 20:41:03

【人】 五色 冥桜

  予の音を一生聞いていたいと言う者がいると。
  そう伺いどうしてか身体を文字通り磨かれ。
  輿に押し込まれえっちらおっちらやってきたのだが。
  今になって思うにあれは謀られたのではないか。
  そう思い至ったのだ。


[演奏を止めると失礼と輿から降り立つ。
長らく座っていたので腰を大きく伸ばし周囲を見回した]


  おや、どこに……おっと失礼。


[姿が見えぬと周囲を見回したが視力が弱く見えなかった。
だが位置は変わらず目の前の下の方に頭があり膝を折って視線の高さを合わせると胸元へと手をあてて礼の姿勢を取った]
(151) 2021/06/16(Wed) 20:44:47

【人】 五色 冥桜

  謀られたと思ったのだが、もしや、もしや。
  お主が予の奏でる音を聞いていたいと言う御仁だろうか。
  そうであれば重畳であるがいかに?


[この男、嫁に出されたとは聞いてはいなかった*]
(152) 2021/06/16(Wed) 20:46:24

【人】 将軍 かんぅ



 ふむ、婿殿は花嫁の事を案じてくれるのであるな。


[勘違いは美しい>>142
彼の脳内になんでの文字が浮かぶこと幾回か。生憎、かんぅの頭に配慮というものはない。いやあるが明後日の方向への配慮しかない。これが種族の違いなのかもしれない(バッドコミュニケーション)絶対違いますね。>>141

会ったことのない魔物の花嫁に云々と
花婿殿は言っている。其の節々からかんぅは花婿殿の人の好さを感じていた。まさにこの方は人徳の方。ここにいるべきではない。つまりこの方はともにこの世に討ってでると考えているのか。何を急にいっているんだ。解説、解説をお願いします。

結局自分は花嫁なのか、花婿なのか分からないが、否定がはいらなかったので花嫁であろう。
であろう【強調】]
(153) 2021/06/16(Wed) 20:50:34

【人】 将軍 かんぅ

[とりあえず、花婿殿は気遣いができる魔物なのだ。
そうかんぅは考えた。>>143こうして嫁ぐ身を案じてくれているのだ。心根の優しい、その姿に見合う美しい存在なのだ。かんぅの心きゅんきゅんしちゃう(かんぅぽいんと1ぽいんと追加)魔物に怯える村人達はこの花婿殿の事を勘違いしていたのだろう。出されたお茶をぐいっと飲み干し。

すくっと立ち上がればおもむろに
青龍偃月刀を抜いた]


 確かにこのかんぅは
 この武によって将軍となった身だ。

 だが


[一呼吸]
(154) 2021/06/16(Wed) 20:50:52

【人】 将軍 かんぅ



 このかんぅには夢がある。
 そう――魔物の花嫁になるという夢が。


[的中(ピンポイント!!!!)]
(155) 2021/06/16(Wed) 20:51:17

【人】 将軍 かんぅ



 それに今までの問答にて
 花婿殿が心優しい男であることが分かった。
 これでも一国の将をしていており
 人を見る目はある。主の場合は魔物だがな。


[かんぅおちゃめ(じょーく)]

 ゆえに、かんぅは花嫁としてだけでなく

  将としても主にお仕えしたい。


[イマジナリー弟とともに。
ともちろん付け加える。兄者、俺のこと花婿殿見えてないよ。というか、誰にも見えないから。とかまともな事を幻聴はいっているが残念、気にもしない。

自らの愛刀を捧げようと
膝をつき、自らの魂たる刀を差しだして
その深慮深き(怯えているだけ)眼をまっすぐと見つめ]


 主こそが天下の王となる方よ。


[恋は盲目!!!!*]
(156) 2021/06/16(Wed) 20:51:45

【人】 白竜 ヤオディ

 (ひぃぃぃぃっ)


[まさかきゅんきゅんされてるなんて思いもよらず、いきなり抜刀されて、肝が縮み上がる。
驚きすぎて声も出せずに悲鳴を上げたが、相手は唐突に語り始めた。


そこでなんで魔物の花嫁になるのが夢なの!?
なんで花婿じゃダメなの?(そういう問題ではない)

しかも主とか言いだしてるよ。
それにイマジナリー弟ってなに? とかんぅの周囲に誰かまだ他にいるのだろうかと探してしまう。
おばけとかだったら嫌だなぁ。この人、人とかいっぱい殺しているだろうから、悪霊とかいてもおかしくなさそうだし、と、こちらの方がびくびくしてしまう]
(157) 2021/06/16(Wed) 22:06:23

【人】 白竜 ヤオディ

 かんぅ殿……刀を捧げられるのは嬉しいのだが、余はあまり人の世に関わることはできぬ。
 余のような力を持つものが人の理(ことわり)に深入りすることは世を乱すきっかけになるからな。


 あ、でも花嫁でなく、将として余に仕えてくれる方がまだマシ……いや、嬉しいかな、と。
 ちゃんとその辺りをわきまえてくれるというのなら、白竜のヤオディの臣として認めるのを許すぞ。

 天下の王にはなれぬが、そちだけの王で許してたもれ。


[ああ、ようやく、まともっぽい関係に落ち着くことができた……と思うと涙が出てきそうだ。これ以上かんぅと話していると、ますますこんがらがりそうな気がしないでもないが]
(158) 2021/06/16(Wed) 22:06:57

【人】 白竜 ヤオディ

 さて、そちは他の荷物はどうした?
 刀1つ着の身着のままでこちらまで参ったのか?

[そうなると色々と準備をしなくてはならぬと、話しを聞こうとかんぅの隣に座ろうか*]
(159) 2021/06/16(Wed) 22:07:59

【人】   天狗

[実のところ、「娘」を要求してはいるが容姿などに拘ったことはない
気を使ってか機嫌取りか、たいていは器量の良いものが選ばれたが
たとえばそれが「村にとって厄介だから」という理由で選ばれたとしても
天狗は変わらず受け入れてきたし、それによって村が報復を受けることもない

そう
大抵の場合、それは村の中でも立場の弱い者から選ばれるからだ
あの時厄介な子供を贄にしようとしたように

だから、そこに座っていた白無垢の姿が「多少」女性より逞しく見えても気にはしなかったし
足を崩していても「痺れたのだろう」程度にしか思わなかった>>133
息を呑む気配もいつもの事だったし、恐る恐る視線を向けるのもいつもの事

だからいつもと変わらず声を掛けたのだが]
(160) 2021/06/16(Wed) 22:10:16

【人】   天狗

 は?

[此方を認識したとたんに上がる顔は、まだ子供じみてはいるが確かに男のもの
上がる声は悲鳴でも威嚇でもなく、狭い洞穴で煩く響くだけ

ただ、その目に何やら異様な決意を感じて動きを止める]

 お前……っ!

[問おうとした隙は一瞬だ
その一瞬を狙ったか、何かが転がる音がして僅かな灯りに煌めく白刃>>134

とはいえ、何の小細工もなしに真正面から向かってきたのでは
「天狗は狩れない」

まして匕首程度では、軽く傷をつける程度が関の山だ
余裕をもって「わざと」刃に腕を掠めさせ、残りの手で匕首を持つ手首を捕まえて]
(161) 2021/06/16(Wed) 22:11:19

【人】   天狗

 どういうつもりだ小僧
 村長にでも頼まれたか?

[小賢しい連中と思ってはいたが、こういう手に出るとはと
呟く声に怒りはなく、むしろどこか楽し気だった**]
(162) 2021/06/16(Wed) 22:12:03
  天狗は、メモを貼った。
(a15) 2021/06/16(Wed) 22:14:07

【人】 龍之介

 
[何か誤解を生んでしまったようだ。>>121

 枇杷に、杏に、さくらんぼ、夏みかんに、桃。
 もぎたての果物たちと
 砂糖菓子の袋などを抱え、
 器用に足で襖をお開けになると
 駆けて行ってしまわれた。]



   ……



[ミクマリ様が気に入ってくださったものに
 許可もなく手を付けるようなことは
 決して無いのだけれども、

 それを伝える術も持たぬ自分は
 どうしたものか、と思いつつ
 艷やかな紫の髪が
 たなびく後ろ姿を見送った。]
 
(163) 2021/06/16(Wed) 22:24:54

【人】 龍之介

 
[それにしても…、

     
ちか

 ますます親しく感じてしまう気持ちを
 止められない。

 不完全な自分と同じように
 ミクマリ様も
 完璧なんかじゃなくて
 足癖が悪かったりするのだな、って。


 あと、
 好物を独り占めしたいって主張も>>121
 真っ直ぐで屈託がなくて
 とても心地いい。]
 
(164) 2021/06/16(Wed) 22:25:04

【人】 龍之介

 
[失礼極まりないかもしれないけれど
 少し弟に似ているな、とも思ってしまった。

 悪いことをして叱られそうになると
 ぺろっと舌を出して
 さっさかさーと逃げ出してしまうような子だ。

 代わりに自分が
 「育て方が悪い」だとか
 「躾がなってない」などと
 お小言を受ける羽目になるのもお決まりで。

 けど、朗らかなところが消えることなく
 育ってくれたのは
 自分にとっては、すごく有り難かった。



 
卑屈なのは、俺だけでいい。

 
(165) 2021/06/16(Wed) 22:25:16

【人】 龍之介

 
[価値のない自分を
 覆い隠し、見えなくしてしまう為に
 人一倍、努力だけはした。

 効率を考え
 手際よくこなせるのも
 その日々の積み重ねの成果だ。


 柔らかな足の裏が
 綺麗にしたばかりの床を踏んで立てる音と
 上げられる驚きの声を聞きながら>>122

 今しがた
 お姿のあった辺りも
 ちゃちゃっと片付けていく。

 そうしてまた
 塵一つ付かない状態にして
 ミクマリ様のご様子を伺いに行った。]
 
(166) 2021/06/16(Wed) 22:25:38

【人】 龍之介

 


   ……



[なんだか、まだ
 ご気分を害されたままのようだ。>>125

 このまま帰されてしまうのだろうか…?
 それは、困る。
 とても、困る。

 もっと、俺のことを
 必要だと思ってもらわなければ。]
 
(167) 2021/06/16(Wed) 22:25:51

【人】 龍之介

 
[床に放置されたままになっている
 酒や餅、野菜、塩などを>>114>>124
 一礼をしてから拝借し、厨房に向かった。

 ミクマリ様が
 食べなくても平気な体だとは
 存じ上げないから
 胃袋を掴みたい、掴めたら…との一心で
 必死に考えを巡らせる。

 そうして、
 足りない食材を御屋敷周りの湖で調達すると
 手慣れた様子で調理していく。]
 
(168) 2021/06/16(Wed) 22:26:07

【人】 龍之介

 
[柔らかく煮た人参をすり潰し
 滑らかにして
 自然な甘さのおつゆに仕立て、

 湖で取れた貝を
 香り草と共に酒蒸しにし、

 卵を溶いたものに
 炒めたホウレン草と餅を入れ
 とろんっとしたところで火から下ろした。

 それらを綺麗に盛り付けると
 白米と共にお膳に載せ、
 箸と匙を添えて
 上段の間へとお持ちした。]



   ……



[そっと差し出して、ご様子を伺う。

 召し上がっていただけるかどうか
 美味しいと、おっしゃっていただけるかどうか
 どきどきしながら見守った。]*
 
(169) 2021/06/16(Wed) 22:26:31

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




       「いい?ラサルハグ。
        世界は愛で満ちているんだよ。」



   神に裁かれると知った主が最期に遺した言葉を
   『 大蛇 』は一度足りとも忘れたことは無い。



       「愛に代償なんていらない。
        代償なんてなくても皆幸せになれる。

        いつかきっと。君にもわかる日がくる。」



   『 大蛇 』が代償を得ることを
   主はこれまで何度も『 大蛇 』を叱り
   言い聞かせてきた。

   たとえ自らを侮辱した人間が何食わぬ顔で
   主の救いを受けようとしていても。
   主はその考えを決して曲げはしなかった。



(170) 2021/06/16(Wed) 22:30:50

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


      (私には分からない。

       人間がそんな高尚だというのならば
       あなたが消える事もなかったではないか。

           ―――我が主、アスクレピオスよ。)
(171) 2021/06/16(Wed) 22:32:39

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


 ***


         「そうだ。」



   『 大蛇 』は子どもの疑問を肯定する。>>144
   胸の前で握られる手が子どもの心情を語る。

   幼子には酷かもしれないが許せ、と。
   『 大蛇 』の思惑の通りに事はすすむ。

   身体の震えを露にする子どもを前に
   いたたまれない気分が微かに湧き立つ。

   どうしてもその身なりに主を思い出すのだ。

   ただの子どもには抱かぬ感情は
   『 大蛇 』の心にひどく絡みつく。

   
(172) 2021/06/16(Wed) 22:33:56

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   ただひとつ誤算があるとするならば
   『ただの子供』はただの子どもよりも
   叡智(Sophia)に富む素質を秘めていた事か。


   子ども一人には通じる嘘は
   子どもの口から疑念となって零れる。>>147
   何かしら疑問を抱くその時点で既に
   『 大蛇 』の知る子どもとは違うのだ。



   その心何を思うか。
   躍動と道筋を知る術を持たぬ蛇は
   先に示された終着地を目印にその道程をなぞる。


   元来人間に興味を持たぬ『 大蛇 』には
   慮る品性などさしたる問題ではない。



(173) 2021/06/16(Wed) 22:35:17

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「おかしな子どもだ。
       我がそんな心優しき獣に見えるか?」



   最も、彼女に叡智の素質を感じた時点で
   己の狙いを完璧に読まれていることは明白だ。>>149
   この子どもの言う通りであると、認めざるを得ない。

   聡明さと危なさを兼ねる少女を前にして
   『 大蛇 』は声を和らげて問うた。


      「お前、名はなんという。」



   『ただの子供』に対して
   『 大蛇 』は珍しく興味を示す。

   この子どもがいつか成長した時
   この者ならば主の言葉の真の意味を
   理解できるのだろうか。


             そんな疑念を胸に秘めて。*
(174) 2021/06/16(Wed) 22:41:19

【人】 将軍 かんぅ

そちだけの王?


[これは迂闊>>158
兄者は謀略とか策謀とか苦手だけどこういうのは聞き洩らさないぞ。探されたけど見つけられないそんな弟からの助言(アドバイス)>>157は彼に届いただろうか。
届いたらもはや以心伝心。怖い。

驚きすぎた花婿殿は大切な何か(ツッコミ)を
置き去りにしてしまった。その結果がこれである]
(175) 2021/06/16(Wed) 22:48:39

【人】 将軍 かんぅ

[あのとき大切な何か(ツッコミ)を口から出していれば、心の中でのおしゃべりで終えなければもしかしたら、十分の一。いや百分の一ぐらいでかんぅも気づけたかもしれない。

かんぅ特性:傲慢。あ、はい無理ですね。
これはなんで魔物の花嫁になるのが夢なのか。花婿ではないのか。その理由にまつわる過去話を懇々と話しだしますね。
刀を捧げられるのは嬉しいとまでこの花婿殿はいった]



 ……つまり花嫁としてかつ
 将として、主に全てを捧げればよいのだな。
 そちらだけの王とその言葉でかんぅは本望よ。


[実際のところ、かんぅがどれだけやばい将でも
花婿殿が天下の王になるには色々足りていないので、彼が人の理に深入りする事ができぬ体性(タイプ)であってよかったのである。急募天才軍師(ツッコミ)]
(176) 2021/06/16(Wed) 22:49:52

【人】 将軍 かんぅ


 
 承知仕った。
 これより  白竜のヤオディの
  花嫁かつ将とし生涯をささげるゆえ。

       覚悟されよ。



[はい、今ひとつおかしな点がありました。
分かる方。…ひとつじゃないとか言わないで言ってはいけない。これ以上話をすると多分、知らない扉が開かれる。片膝をつき、捧げた武器は彼の手には渡らぬまま。だが、それよりも重大な問題が起きた。そう。

となりに花婿殿がきちゃった。
突然の恋の戦い(アクシデント)である]


 ふむ、他の荷物は部下に渡したな。
 かんぅはもう戻らぬ。

  先の主にそう伝えるようにと



[青龍偃月刀を置きつつ、腰を下ろし。
そそっと隙間を埋める。何処との隙間だってそりゃもう、隣の花婿殿兼主とである。ただの将と主であれば、距離を保つものであるが、花婿花嫁なのだから問題ない。故に肩へ手を伸ばして抱き寄せちゃったりして、して!]
(177) 2021/06/16(Wed) 22:50:32

【人】 将軍 かんぅ


 故に着の身着のまま。

 ……ああ、失礼。主を濡らす処であった。


[>>159花嫁衣裳のままだった。
婚礼の儀はまだであるが、このまま濡れた身で触るのは聊かまずい。さっき触ったってかんぅは忘れた。とにもかくにも婿殿を濡らしてはまずい。折角用意していただいた男物の服に着替えねば。…というところで、突然の生着替え(ストリップショー)これは好感度が上がるのではないか。

鍛えられ、幾多の戦いの傷跡がのこる
筋肉隆々の大男の腹筋が今そこに*]
(178) 2021/06/16(Wed) 22:53:26

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 常の調子を取り戻すことが、鬼には中々出来なかった。
 驚きの後に連なる驚きを齎したのは、
 か弱き哀れである筈の存在>>83の楽しげな嘲り。

 まるで周囲の心の内を覗き込み、弄んでいるかのような。

 ────「鬼の子め」と
 男衆の中の誰かの、思わず漏れたような声が聴こえた気がした。 ]


……そうだったか


[ 千太郎。その名の一部を奪う意味。>>84
 人間が赤子の名前に託す、期待や厄払いを無碍に扱うこと。
 或いは家督を継ぐ資格の無い男児だと、さとの兄が示したかったか。

 巡る思考の結論は、山に暮らす鬼には出せない。
 真新しい記憶のように怒りを見せることももう無い。 ]
(179) 2021/06/16(Wed) 23:06:51

【人】 鬼 紅鉄坊




知らなかっただけだ。嫌だとは、言っていない
ここまでご苦労だった。今年の輿入れは、これで終いだ


[ そうして受け入れる意思を静かに示せば、
 場がこれ以上ざわめくことは無かっただろうか。

 老婆の様子はどうだったか。
 嘆こうとも涙しようとも、声は掛けられない。 ]

……それは私の花嫁だ。早く縄を解いてやってくれ

[ 続いて求めを口にするまでにあった少しの沈黙は、
 改めて千の姿を眺め、盗っ人の如く扱われていることに気づいた為。

 今までの花嫁たちもまた、
 逃げ出さぬよう沢山の村人に囲まれ連れて来られたが
 縛られてまでいることは今年も今までも無かった筈だ。

 例え目出度くあるのが仮初の名だけであっても、
 これは生け贄の儀式ではなく、輿入れなのだから。 ]
(180) 2021/06/16(Wed) 23:07:12
 




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