情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[|<] [<<] [<] [1] [>] [>>] [>|]
【人】 初波華音[壮真くんを助けるためなら 出来ることは全部やりたい。 その一心だった。 彼を一人、部屋に残して階下へと駆け降りた後。 家の間取りなんて当然ながら知らないから、 必要そうなものが眠っていそうな扉や棚は 片っ端から勝手に開けてしまった。 建物は思ったよりも年季が入っていそうだけれど 隅々までお掃除が行き届いている。 おかげで目的の品々を見つけるのは早かった。 それでもどうしても見つけられなかったり 足りなかったりしたものは、 表に飛び出して買いに走った。 こうしている間にも万が一容体が急変して 壮真くんの身にもしものことがあったら…… そう思ったら、本当に怖くて堪らなかった。 仮にカメラで様子が知れたとしても、 現地に居なきゃどうにもできないことってあるじゃない?] (4) 2024/05/29(Wed) 22:21:04 |
【人】 初波華音[玄関扉は流石に施錠させてもらったけれど、 出て行くとき部屋の扉は開けっ放しにしていた。 階段を駆け上って切らしてしまった息を、 部屋の入口で少しだけ整えた。 壮真くんは──良かった、眠ってるみたい。 ハンカチを冷却シートに取り換えようと ベッドに近付いて顔を覗き込もうとした、 そのとき。 手首に熱い大きな手が触れた。 強く引き寄せられるままに、 この身はいともたやすくバランスを崩した。] ──ふぇっ? わ、わわっ……!! [背後で、 スポーツドリンクとゼリーと体温計と薬と その他諸々抱えていたものたちが 床に散乱する鈍い音。 数拍の思考停止。耳に届く柔らかな声で理解する。 自分が一体、誰の上に乗っかっているのかを。] (5) 2024/05/29(Wed) 22:21:19 |
【人】 初波華音……ァ…………?? ひぁっっっ!!? あの うぇ そ、 ヒッッエ た……………… ただいま、壮真くん…… ぐ、……具合は どう…………? [様子を見るために近付いたのに 近すぎて顔が上げられない。声が上擦る。 咄嗟に胸元に置いた手も指一本動かせない。 壮真くんがほんの少し何か喋ろうとする度に ぴくりと肩が震えてしまう。顔が熱い。 安心したみたいなため息が耳に当たって 危うくその場で気を失いそうになった。] ん…………、わ、かったわ?? ゆっくり休ん、で…………??? (7) 2024/05/29(Wed) 22:22:03 |
【人】 初波華音おやすみ、なさい [やっとの思いでそう返せたのと、 頭上から規則正しい寝息が聴こえてきたのは ほとんど同時だった。] 寝不足……やっぱり 寝れてなかったのね [熟睡を確信してから漸くそろりと顔を上げる。 整いすぎて神々しさすら感じる寝顔は、 心なしか先刻よりも安らいで見える。 自分が見られている意識がなければ、 多少は心の余裕が持てる。 長い睫毛を伏せて眠る彼に、暫し見惚れた。] (8) 2024/05/29(Wed) 22:22:40 |
【人】 初波華音……さっきも すごくしんどいはずなのに、 私が動かそうとしているのに気付いて 自分から動こうとしてくれたわよね 逃げずに向き合おうとしてくれて、 受け止めようと、わかろうとしてくれて 非を認めることも、省みることもできる…… それって簡単なようで難しいことだと思う やり方はまあちょっと強引だったけど…… 怖い人じゃないってことは、わかった 素直で柔軟で、優しい 壮真くんは凄くカッコいい人だよ (9) 2024/05/29(Wed) 22:26:37 |
【人】 初波華音……寒くはない? 好きなだけ、こうしてていいよ 早く良くなってね…… [次に壮真くんが起きたら、食欲があるかどうか訊いて キッチンを借りておかゆを作ろう。 汗を掻いて気持ち悪いだろうから身体も拭いて…… いえやましい気持ちなどは決して。 背中に回された腕の心地良い重みと体温、 シーツ越しではない大好きな人の匂いが そこはかとない安心感をもたらす。 誰かと一緒に眠るのって、いつぶりだろう。 ドキドキするのにとびきり落ち着く。好き。 彼の胸元に頬を摺り寄せて 重なり響き合う心音に耳を傾けているうちに、 緩やかに眠りへと誘われていった。*] (10) 2024/05/29(Wed) 22:27:55 |
【人】 初波華音んえへへ……♡ そーまくんだいすき もっとぎゅーってして……ちゅーも ………………?? [なんだか大変幸せな夢を見ていた。 どこからどこまでが夢だったのか。 壮真くんに手を引かれて、抱き締められて それから、それから…… 待って私いま何か言った??? いやいや、流石に今度こそ夢よね。 妄想と現実を混同し始めてるわよ華音。 顔を上げてベッドから出たら今度こそ 見慣れたソウマくんのベストショット達が お出迎えしてくれるわ! はい安心!! ……違う、おかゆを作って桃も剥くの。 壮真くんに早く元気になってもらわないと……] (15) 2024/05/30(Thu) 21:33:31 |
【人】 初波華音[まずい。頭が全然働かない。 あとこの枕サイコーに気持ちいい。 一生ベッドから抜け出せない気がする。 ていうか今何時? そろりと身を捩ってみれば、] …………ゆめ……じゃ、ない [枕だと思っていたのは腕だった。 思わず息を呑んだ。 拝観料を数十年分お支払いせねば割に合わない 国宝級の寝顔が、目と鼻の先にあった。] (16) 2024/05/30(Thu) 21:33:40 |
【人】 初波華音[薄暗い部屋の中でも眩さを放つ滑らかな肌。 閉じられたことでその長さを際立たせている睫毛。 すっと整った鼻筋に柔らかそうな唇。 重力に従ったり抗ったりしている長い前髪。 後髪に守られた首筋はしっかりと太くて 中心の喉仏が男性らしさを見せつけてくる。 腕にも胸にも、見た目に反する筋力を感じる。 何より、全体的に体積が私よりずっと大きい。 隅々まで隈なく見とれてしまう。は〜〜好き。 高熱や悪夢に魘されている様子はない。 どちらかというと安らかに、] ま まだ、寝てる……? [どれくらいの時間眠っていたのか判らないけれど 背中に回された腕も、変わらずそこにあった。 そろそろ腕が痺れてるんじゃない? 大丈夫?? 重くないかな、退いた方が良いかもって思うのに この心地良さに身体が抗えない。] (17) 2024/05/30(Thu) 21:34:24 |
【人】 初波華音[本当に困る。 こんな心地良さを知ってしまったら これから、一人でうまく眠れる気がしない。 今までだって苦労してたのに。 もう少し。あと少し。 このまま、まだ起きないで。 ぎゅ、と抱きしめ返す指先に力を込めたところで、 はたと違和感を覚えた。] …………、? [聴こえてくる心拍が、やけに速い。 寝顔の安らぎ具合に反している。 ひょっとしてドキドキしてくれてるの……? えーんおそろかな? 好き。 じゃない、てかもしかして既に起き──] (18) 2024/05/30(Thu) 21:35:11 |
【人】 初波華音……っ、〜〜〜……!! [逃げ込んだ先でも けたたましい鼓動は隠しようがない。 シーツを捲ろうとする気配にぴくりと身構えた。 たくさんお話して一緒にいろいろしたい。 そうお願いしておいてなんて身勝手なの。 自分がこんなに欲張りだったなんて知らなかった。 ただ眺めていられるだけで、 本当に良かったはずだったのに。……昨日までは。 壮真くんどう思っただろう。 いつから起きてたの? さっきの寝言も聴かれてた?? 嫌われたら生きていけない……!! 引き剝がされたらこの場でお詫びして切腹しよう。 いやこの場では流石に迷惑すぎるわ ご自宅を事故物件にするわけにはいかない。 顔を覆っていた布が剝ぎ取られて視界が開く。 ぎゅっと固く両目を瞑る。 と、予想だにしない発言が飛び込んできた。] (24) 2024/05/31(Fri) 13:16:15 |
【人】 初波華音……は ぇっっ あ…… え?? [ぱちぱち。 思わず開けてしまった目は まっすぐ君の瞳を捉えた。 寝起きの掠れ声まで堪らなくカッコイイ。 壮真くんしか勝たん。 ……じゃなくていまなんて言った? ケッコン?? けっこんって、あの結婚???] (25) 2024/05/31(Fri) 13:16:30 |
【人】 初波華音……………………はひ あの、……あの ほんと ほんとうに、? ……うれしい すごく、嬉しいの 私で良いの? [勝手に溢れ出す涙が止まらない。 ぐしゃぐしゃになってしまってるだろう顔を 壮真くんに見られたくなくて、 ぎゅうっと胸にしがみついた。 声は震えているし顔は上げられないし 壮真くんの服を濡らしてしまう。 でも残念ながら離してあげられない。 もしも冗談だって撤回されても、もう遅い。] (27) 2024/05/31(Fri) 13:17:53 |
【人】 初波華音[返答を先延ばしにしても 私の答えはきっと変わらない。 躊躇とか不安とか順序とかそういうものが 全部どうでも良くなってしまう魔力が、 彼の両腕には宿っている。知ってしまった。 ここに居たいんだ、って 心臓が叫んでる。] よろしくおねがい、します 私を 壮真くんの…… お嫁さんに、してください [口に出すのは恥ずかしいけれど。 君が望んでくれるなら。*] (28) 2024/05/31(Fri) 13:19:15 |
【人】 初波華音[頭を撫でてくれる手が、心地良くて優しい。 不意に手じゃない何かも触れた。 くすぐったい。 大好きな声が、穏やかな声色で 意気地なしの私をそっと支えようとしてくれる。 欲しかった言葉もして欲しかったことも 魔法みたいに叶えてくれるから、 早く泣き止んで、ちゃんと君の顔を見て 笑顔で気持ちを伝えたいと思った。 頭の中、ソウマくんの配信で聴いた曲が流れ出す。 ショパンのピアノ協奏曲第2番第2楽章。 勝手に悲観して、勝手に嫉妬して落ち込んで 一晩中泣いて配信を聴き逃しちゃったことも 後で笑い話として聴いてくれるかな。] (33) 2024/05/31(Fri) 23:24:31 |
【人】 初波華音[もう一度、ううん 何万回でも君のピアノが聴きたい。 君以外の人と一緒になんてなりたくない。 やっぱり壮真くんじゃなきゃ嫌だ。 他の誰かじゃなくて、 君がいいからここに居たいの。 顔を上げようとしたのと同時 頭を撫でてくれていた手が、頬へと降りてきた。] (34) 2024/05/31(Fri) 23:25:10 |
【人】 初波華音……? [促されるまま彼の方を向く。 吸い込まれそうな両の碧に映る私は 泣き腫らしてべしょべしょの顔をしている。 引かれやしないかと一瞬焦ったけど杞憂だった。 涙の薄い水膜越しに見る壮真くんは、 呼吸も忘れてしまうくらいに 優しい表情を向けてくれていたから。] (35) 2024/05/31(Fri) 23:25:27 |
[|<] [<<] [<] [1] [>] [>>] [>|]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新