人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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[しゃがんだチエに近づくけれど、手にクリームが山盛りついていたので]


 とにかく、わかった
 アンに伝えて、営業に支障ない範囲でこれからは私のヘルプも頼むね。条件面はまた今度……

 結構、こき使うと思うけど、良い?


[話しかけながら,チエの手を握る。
ハンドクリームのお裾分け。拭き取るのは勿体ないし、手は大事だから*]

だいじょうぶじゃないかも……

[顔があげられない。
 なんかもう、完全に片思いだと思ってたすれ違いとか、振ってほしいとか言っちゃったかっこ悪さとか、それはそれとして振られなかった現実とか、本物のデートしようとか、何もかもがぐるぐる頭の中で渦巻いて、立ち上がれない。]

メモを貼った。

うん、それは、全然、望むところ。
やらせてっていったの、ボクだし……

[条件とか、こき使うとか、冷静な話になってきたら少し落ち着ける。
 のろのろ立ち上がって、手をつなぐ。
 その行為がハンドクリームのお裾分けと気づけないくらいに、頭の中から指先まで熱くなってる気がした*]

ぬりぬり

【人】 店長 アン

[気がつけば、本当に春。
 上着も薄くなって、空調の設定温度も変わってきた。

 春は貝類の季節。
 少し大ぶりの蛤と、走りのムール貝が来ているから、これを今日イチのおすすめに。
 肉類は、鶏もいいけれど牛肉が今日は一番きれいな脂の入り。
 春レタスのしゃきっとしたの、ヤングコーン、そら豆。
 少し珍しいルビーも含め、キウイフルーツを黒板に並べて、本日のラインナップ完成*]
(1) 2023/03/13(Mon) 1:16:33
 ………、  
良い。


[ 駄目にしたいんだ?という問い掛けには
 うなずくのみに留めた。

 ぽふんと、ダイブしてこちらを
 振り返る那岐くん、

 緩んだ頬で見られると心底、買って
 良かった、と思う。 ]

[ 僅かに滲みそうなものを、
 まだ出てくるなと押し込んだ事は否めない。

 到着早々ギラついた視線を向けるなんて
 いくらなんでも。ティーンじゃないんだから。

 時々敬語が抜けるようになってきて
 だんだん、君に近づいているのが
 感じ取れたから、一人で過ごして
 居るときのように、くつろいで欲しいのも本当。

 それを自分だけに見せて欲しいと
 思ったのもまた、本当。 ]

 だよね
 俺もそう思って。那岐くん来たら
 一緒に選ぼうと思ってて。

[ ピザとコーラに頷いて
 スマホ片手に、画面を見せるようにして
 一歩近づいた時、なにやらもぞ、と彼の体が
 移動していく。

 そっちは、今までも使っていた方だが
 はて。ある程度くたっとしているほうが
 心地よいのか、とか考えた俺の耳に、
 とんでもない言葉が飛び込んできて

 危うく、スマホを取り落とすところだった。 ]

 そう?那岐くんがいいならいいけど
 ……あんまりそう可愛いことを言うと
 高野さん動画鑑賞どころじゃなくなるので、
 気をつけて。

[ 今日に至るまで、あの言葉
 何度リフレインしたと思っているのか。 ]


 どれがいい?俺はとりあえずこれかなって

[ 平常心と二度胸中で呟いてから、
 スマホの画面を見せる、自分が選んだものは
 定番のトマトとチーズ、
 それにバジルが乗っているもの。* ] 

店長 アンは、メモを貼った。
(a1) 2023/03/13(Mon) 1:26:25

メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

 

 …………?


[問い掛けに予想していた答えとは、
 違うものが返ってきた。
 良い?……のなら、まあ、いいのか。
 頷いているのであればと納得させた、後。

 ピザの合意を得たのは同じまだ20代の食べ盛り。
 スマホを掲げるのを横目に、
 改めて文明の利器の偉大さを感じる。]

[スマホ慣れしているんだろうな。
 とか、些細な仕草に今更気づきながら。
 
 愛しいクッションとの余韻を惜しみつつ、
 身体を起こそうとすれば、彼が手を滑らせたのか。
 落としそうになったスマホ。

 可愛いこと。

 口の中で反芻して。
 その後に続いた言葉を聞きながら、
 自身の行動を振り返ってみて、思い至れば。]

 
 

  あー……、
  ……いや、まあ

  ……  
……、はい。



[意図した訳じゃなかっただけに。羞恥が襲って。
 耳朶を仄かに染めながら、画面へと視線を落とした。]



[ 
嫌じゃない、
 と言いかけた言葉は。
  今、は、呑み込んでおく。

  過去の彼のことを知るために今日は来たのだから。 ]


 

[代わりに、トン、と肩をぶつけて。
 隣から覗き込むようにしてスマホを覗き込む。
 指し示されたものは定番のトマトを使ったもの。


  いいですね、バジル。
  後、季節モノなら……、サーモンと菜の花。

  サーモン、好きなんです。


[横から画面をフリックさせてカルボナーラを選ぶ。
 以前にも話した、好きなものの一つ。

 店の素材から選んで料理を考える瞬間も好きだけど。
 限られたメニューの中から好きなものを探すのも、
 それはまた楽しく、好みが分かれるから。

 それぞれの『好き』を知るのも、いい。**]

メモを貼った。

 

[ オープンショルダーを見た男の気持ちは、
  残念なことに乙女心を抱える大咲には察せないまま。
  先程彼の中の獣性を抑えて焦らしたばかりだというのに
  そっと髪へ触れてくる指先への警戒心さえ欠片もなかった。

  前も髪、触っていたような。
  好きなのかな、なんて思いながら ]


  ふふ、夜綿さんの好みになりたくて、気合い入れてるので。
  そう思って貰えてるなら嬉しいです。


[ もっとシンプルで大人びた服が好きなら合わせよう、とか
  色々考えてもいたけれど。
  元から自分が好きなかわいい服がちゃんと彼の好み通りなら
  それは運命と言っても良いような、浮かれすぎであるような?

  いつもと変わらないジャケットでも何でも構わない。
  約束した通り、私の思う貴方に似合う服で、
  貴方をコーディネートして私の夜綿さんに出来るので。 ]

  


 

  ……うれしい。
  私も繋ぎたいです、夜綿さん。


[ 短いシンプルなお誘いなのに。
  それだけで緊張がふんわりと解けていってしまうのだから
  こういう時、敵わないなあ、と思うのだ。

  きゅう、と繋いだ手はいわゆるところの恋人繋ぎ。
  離さないように、離れないように、指先へ優しく力を込め。
  へにゃんと幸せそうに頬を緩め、デートの約束。>>+5:+339 ]

 

 

  …合わせてもらっちゃうこと多くて、すみません。
  ありがとうございます。デート、うれしいです。

  えっとね、駅前のショッピングモールの中に
  ……見たことあります? ふわふわ生地のパジャマ売ってる店。
  あそこでお揃いのパジャマ買いたいのと、
  メンズ系は……んと、あんまり詳しくないから
  入ってるブランド下調べしておきますね。


[ 挙げられた名前のショッピングモールで異論はなかった。
  ふわふわのパジャマが買えるブランドは恋人同士用も売っていて
  それに、かわいい。大咲の趣味全開になってしまうけれども
  夜寝る時に見せる彼専用の姿なので、許してほしいところ。

  女性向けの服のブランドもお気に入りが幾つか入っているし
  アプリで軽くショップリストを表示させながら、
  こことかも行きたいです、と今のうちに意思表示。
  彼がいつも買うブランドがあるならそこを教えて欲しがって、
  お気に入りボタンを押し、下準備は入念にしておくことにして。
  そんな風にのんびりと歩いていれば。  ]

  

 

  ……?
  渡したいもの ですか?


[  まだ電車が動いている時間帯の自宅へのお誘いに、
  小首を傾げはしたけれど。
  もちろん喜んで、とはにかんで答える以外の考えは無いのです。
  ……翌日響かない時間に帰して貰えるというよりは
  お泊まりセット、置きっ放しなの、忘れていませんし? ]

 

 

[ マンションの5階、彼の家の前。
  ポケットの中を探した彼が取り出したのは鍵ではなくて
  小さな封筒だった。

  差し出される封筒をぽかん、と見つめる羽目になり
  数拍遅れて開けてみれば、中から出てくるのは
  自分の家の鍵とは確かに違う形の、彼の家の、合鍵ひとつ。 ]


  ……わ、ぇ、貰っちゃっていいんですか?
  キーホルダー……買いたいです、おそろい、の。

  わ……どうしよ、嬉しい、大事にします。


[ さっきから嬉しいしか語彙が無くなっている気がする。
  随分春で浮かれた頭からは単純な言葉しか出てこないけれど
  彼なら多分、気持ちを分かってくれるはず。

 促されるままにそっと鍵穴へ鍵を差し込んで。
 真剣勝負の時のように緊張した面持ちで、鍵を回す。
 ────扉が開き、玄関が姿を現すと同時
  彼が先に家の中へ体を滑り込ませ、こちらへ腕を広げた。

  ……ああ、ああ、もう!
  本当のほんとうに幸せにしてくれるのが上手い人! ]

  

 

  ……た、ただいま……です 夜綿さんっ


[ 店で他の人が言っているのを聞いても。
  そう言いたくなる気持ちを理解しても言えなかった4文字を
  振り絞るように、彼の名前と一緒に、しっかり紡いで。

  広げられた手の意図をちゃんと理解している大咲は
  その感情の勢いのまま、彼の腕の中へ飛び込んだ。 ]


  

 

  …………こんな風に、おかえりとただいまが言えたあとで
  自分の家へ戻るの……寂しい、です
  やっぱり今日、このままお泊まりしちゃだめですか?


[ というかもう次お迎えに来てもらえる時、
  何着か私服とパジャマと他の細々したスキンケアセットやら
  そういうのを置かせて貰おうと決意して。
  彼を抱きしめながら、伺うように顔を見上げて問いかけつつ
  あのね、とちいさく声を零した。 ]


  一緒に住む……同棲、の、約束 した日に
  ……個人的に、ひとつ。
  しっかり向き合ってきたことが、あるんです


[ 彼へ吐いた弱音とはまあ別の、と付け加えて。
  車で送ってもらった日に繋がった電話先の声を思い出しながら
  常よりもゆっくりと、言葉を。 ]

  

 

  いつ話そうか、迷ってたんですけど。
  合鍵をくれた今日、話したいなって……思って。


[ 聞いてくれますか、と問いかける大咲の心音は
  きっと常より早鐘を打っていて。

  抱きしめた貴方には、それさえ筒抜けなのだと思うと
  恥ずかしいような、……それ以上に幸せの、ような。
  不思議な心地ばかり。** ]


  

メモを貼った。

メモを貼った。

―― ラムの日 ――
  
[カウンターを挟んで語られる会話は
 杏の可愛い談義だったか

 会話に交わらずとも、時折耳を傾けながら。
 同僚たちの従姉妹の評価に小さく笑う。
 可愛いだけで済まさずに、マダムとしての評価も
 見ている辺り、さすが速崎と言ったところ。
 
杏が可愛いのは昔から当然だから。

 ……というのは、可愛がられてきた従兄弟としての言い分。

 その速崎の方へと目を向ければ、
 いつも一人で食事を楽しんでいる女性と話していただろうか。
 
 葉月は今日は一人で食事を楽しんでいる様子。
 時折、美澄と話しながら。]

[花を見に行きたいと、言う知恵の声。
 笑いながら、応える沙弥の姿に
 ああ、ここにもまたひとつ、花開く。

 肉好きの人と綺麗な女性が二人で店に来ることも、
 その頃には増えていただろうか。
 
 美味しい食事と楽しい会話。
 今日も過ぎていく一日。]
 

  美澄、……ラム焦げそう。


[さて、この後輩は相変わらず腕は確かなようだが。
 あれからルームシェアの話は進んだのかどうか。
 あまり突っ込みすぎるのも、
 先輩風を吹かし過ぎるようで口を挟まないまま。
 静かに見守ることにしよう。**]

メモを貼った。

── 同士は提案を却下した ──

[大咲さんに鈍感天然同盟を持ちかけたら却下されました。
素質はあると思うよ!!

しかしNOと言えるの大事なので、大人しく心の中だけで同盟を組もう。色んなところから怒られそう。
ほら。やっぱり同士だ。]


おもちはね〜〜。やっかいだって聞くよ〜?

神田さん大人だから、『余裕です』って隠すかもしれないし。
『なんでもない日』にもたくさん伝えてあげてね。

きっと喜ぶ!何故なら俺なら喜ぶから!!


[ソースは俺です。
そして俺は自分なら大丈夫とか全く思いません。
ほらね。
俺に『なんでもない日おめでとう』のパーティーを教えてくれた大咲さんには。毎日パーティーしたいくらい。幸せでいて欲しいなって思いました。**]

── お兄ちゃんにご報告 ──

[お兄ちゃんこと神田さんは、内心はどうあれ、俺に新設に接してくれる。そりゃ懐きます。]


やっぱりバレバレだった??
周りより自分の方が鈍いの、大咲さんから鈍感天然言われても反論出来ない。

慎重と言うか……タイミング?が合わなかったかなぁ。
本当に色々ありました……



あ。これだけは言わせておいてね。
俺は玲羅一筋だし、大咲さんは俺に神田さん好きとか惚気てくるからね。


[嘘は言ってない。

[紅葉狩りのお誘いとか嬉しいんですけど?]


玲羅に聞いてみる。
玲羅が神田さんや大咲さんとどれくらい親しいか分からないし。

でも誘ってくれてありがと〜。
紅葉狩り綺麗だろうね〜。
い〜〜〜な〜〜〜……。


あ。手を繋いだのおめでとうございます。


[ちょっと紅葉に想いを馳せていましたが。
戻って第一声でおめでとうを言ったのでした。**]


え?うん。そのつもりだけど。

[職場でいつも地味スーツなのは単純に
あんまり職場で着飾ると色々面倒くさいからで、
そこまで服装規定が厳しい会社ってわけでもない。
後輩も時々指輪つけてきたりしてるし、咎められたりもしなかろう。

うん、たぶん大丈夫。
と思い返しながら彼の方を見れば
期待と不安。そして何より嬉しそうにじっとこちらを見つめていて。
ふふ、と釣られて微笑みながら頷く。

牛になる彼にからから笑いながら手を繋いで。
目的地のアクセサリー作り教室へ。]


ん、分かった。シルバーだね。

[これだけでは結婚指輪をイメージして、とまでは分からず
そっかー、とそのまま受け取ったけど。

左手につけるものだと思ってたって言われたら
ちょっと照れたようにどぎまぎしたと思う。]

一応指輪つける手、
恋人同士は右手の薬指につけることが多くて…
左手だとその、一般的には夫婦とか婚約者…に見られると思うんだけど、えっと…
いや、瑛斗がそれでいいなら全然いいんだけど……


[と、赤い顔で答える玲羅がどっかにいました。]

[話を戻してリングの装飾ね。
最終的な判断を委ねられたので]

んー、じゃあねー、槌目にしようかな!
形は甲丸で、質感はクリア。
幅は3mmくらいかなあ?広すぎず狭すぎず。

[普通に結婚指輪としても使われているデザインだけあって
そこまで華美なものではないのだし
着けやすさ、は多分どれでもそこまで大きくは変わらない。
どちらかと言うと個人の好みになってくると思う。

柔らかな丸みを帯びたスタンダードな形状と、
きらきら万華鏡みたいに光が反射するリングの表面が
何だか宝石みたいで気に入った。

裏に刻印を入れて貰う旨も述べて。]



よし、頑張って作ろうねー!!


[特に彼の方から異論が出なければ
気合を入れて作業に取り掛かるつもりだ。**]

メモを貼った。

[手を繋ごうと誘ったら。
「繋ぎたい」と気持ちを言葉にしてくれる。
何度同じ遣り取りをしてもそれが嬉しいし、
「うさぎ穴の白うさぎ」から「神田夜綿の彼女の大咲真白」に変わる瞬間に恋心が加速する。

離れないように指と指の間に力を込めて
気持ち揺らしながら歩きだす。]

 好きな子のスケジュールに合わせられるの、
 フリーランスの特権だよね。
 調整して「いける」って気づいた時の歓びを
 独り占めさせてもらってるんだもん、
 謝んないでよ。

[「自分に合わせてもらう」ことを気にする言葉に笑って。]


 さっき僕は、マシロちゃんがいつも可愛い恰好なの
 僕の好みのことを考えてくれてるからって知って嬉しかったよ。
 「合わせる為に考える」のが苦じゃない気持ち、
 共有できたかな?

[勿論、合わせることが困難な場面はこれからないとは言い切れない。
我慢や妥協が必要な時には無理をせずにお互いそれが難しいと口に出せる関係でいたいし、相手の難しさを軽んじることなく落としどころを見つけたいと思っている。

自分が彼女の休みに合わせてスケジュールを調整することに関しては、我慢も苦痛もないのだと伝わっていると嬉しい。
調整の度に気にさせてしまうことがむしろ自分としては心苦しいので。]


 ふわふわパジャマって……
 うん、通りすがったことはあるけど……

 って、
え?!

 僕が……ふわふわを……?

[思わず君がプリキュアだと言われたみたいな反応を返してしまう。
通りすがりに見かけた柔らかい色味のボーダー柄のナイティは、
可愛らしい彼女にはそれはそれは似合うと思うが
果たして自分に似合うかと言われると……着ぐるみ……?

戸惑いに暫く目が泳いだが、想像した「ふわふわパジャマ姿の真白」がどうしても現実の目で見たい誘惑の方が勝った。
まあ、絶対に彼女しか見ない姿だし、似合わなくて笑われるのも、彼女にならきっと嬉しい。]


 ん、マシロちゃんが行きたいショップも入ってて良かった。
 僕はね、ここでしか普段買わないんだけど……
 リスト見る限り他にもメンズショップはあるんだね。
 折角なら回ってみよう。

[いつも私服が可愛らしい彼女だからセンスを信頼しているけれど、メンズには詳しくないと言われて少しホッとした。
初恋が自分だと聞いていても、今までメンズ服に詳しくなる機会があったのか?と思ってしまいそうだったので。]

 ゆっくり見て回るなら、お昼もモールで済ませた方が
 効率的かもね。

 あ、前に取材したとこの新店、もう出来てるんだ。
 その時は一人だったから食べられなかった「カップルプレート」、
 一緒に食べて貰っても良い?

[モールから一度出て、Madam March Hareまで行くとなると荷物もあるし結構歩かせることになる。
立ち仕事だし駅ひとつ分歩くこともできるから体力面での心配はしていないが、デートとなるとたくさん歩くのに適した靴以外を履くことも考えられるので。
おしゃれの幅を狭めたくないという意味でも徒歩移動は極力減らしたい。

示したのは、以前取材で訪れたカレー専門店の系列店。
取材時に新店オープン予定と聞いていたが、ちょうど先日オープンとアプリ上に表示されている。
美味しさは読んだ相手にも伝わったくらい筆が乗った記事に記されている通り。

葉月とその話をした際には実際に誘われることはなかったので、うさぎの穴に足しげく通うようになったこともあり、暫く訪れてはいない。

勿論、彼女が歩いてでも自分の店に行きたいならば、無理を通すつもりはない。
ほんの少し、「カップルプレート」を頼める自分に浮かれてしまっただけなので。*]

[そんなデートの計画を話しながら、彼女の了承を経て自宅へ。
お泊りセットはちゃんと籐かごを買って洗面所に置いてあるが
先程「印」の話をしたばかりで警戒させてしまうかなと思ったので、
「寄る」という表現になった。

 ――あ、これ信用されてるやつ、

はにかんだ顔、可愛いなぁ、もう。]


 貰ってよ。
 すぐに違う鍵になるかもしれないし、
 その時は最初からふたつ貰うことになるんだろうけど、
 そうしたら「彼氏の家の合鍵」を持つ機会はなくなるしね?

[もう少し鍵自体が可愛い意匠なら、アクセサリーとして首から下げられるのでは?とも考えたが。
ごく普通のマンションの、ごく普通のシリンダー錠の合鍵にそれを求める方が間違っていた。
計画の名残のチェーンだけ、部屋の中には置いてある。

この鍵は、「お揃い」を増やすのに使うことにしよう。]

[広げた腕に飛び込んで来た身体を抱き締めた。
ドアが閉じ、外から二人を切り取ってくれる。

「おかえり、マシロちゃん」ともう一度言って、良い香りのする髪に顔を埋めた。
髪触るの?好きだよ!好きな子限定でね。]


 言ってから思った。
 僕も行かせたくないや。

[「帰したく」と言葉でも言えないくらい。

お願いを聞く形ではなく、自分の意思で彼女を自分の傍に留めておきたい。
背を撫でて暫くそのままじっと腕の中に閉じ込めていた。

遠くで電車の音が聞こえる。
終電まであと何本か数える必要はない。]

[もぞりと胸元で動く気配がして、髪に埋めていた顔を離す。
ちいさな声に滲む緊張に、「うん」と頷いた。]

 中で聞かせて。

[別の、と前置きがある。
そちらはまだ解決していなくて、
話そうとしていることは、彼女の中で区切りがついたということ。

それでも話すことに勇気が必要なことは、伝わる鼓動の速さが物語っている。

そっと腕を解いて、合鍵を持ったままの彼女の手を包んだ。]

[鍵は開けて締めるもの。
それをお守りとして持つ場合、

 「未来を切り拓く」
そして
 「大切なものを守る」

という意味が込められる。

渡した鍵が、彼女が前に進もうとする気持ちを守ってくれますように。]

[手を引いて、自室へ。
前回散らかっていて反省したので少し片付いている。
椅子は相変わらず食卓テーブル用とPC机用しかないが、狭い家で彼女が寛ぐには足りないと、大きなビーズクッションを買った。
白が目を引くその場所まで連れて行って、二人で腰を沈める。]

 何か飲む?

[話す方が先なら、このままずっと寄り添って待つし、先に喉を潤したいなら湯を沸かしに立ち上がるつもり。**]

メモを貼った。

メモを貼った。

[手を繋いで、帰路に着く
それが駅ならたったの5分だけど]


 ……


[たいした会話はなかった。
その日の賄いに出た大根の揚げ出しの話とか。
ベリーのタルトの話とか。
ミモザサラダを美味しく作る工夫の話。したい話はたくさんあったけど。
何かが喉に詰まったように、うまく言葉が出てこない]




[気づけば本当に春。
肌を撫でる夜の風もどこか甘い。この中にミモザの香りも混じっているのだろうか]


 またね、チエ
 チエが店の外でも一緒に居たいと言ってくれたこと、本当に嬉しい

 大事にするからね


[こき使うと言った矢先だけど]

―― 幕間 ――

[美澄の手元を確認しながら、
 時折、料理の方には口を挟んでいたかもしれない。

 料理は考え事をする時に丁度いいと、
 そういう話もよく聞くが、
 話を聞きながらのながら作業は慣れていなければ
 時に、先程のように意識を奪われるから。

 必要最低限のことしか手助けするつもりは無い。
 子獅子は勝手に這い上がるから。
 宥める役目は沙弥や知恵がしてくれるだろう。

 そんな中でふと視線を感じて顔を上げれば、
 ギネスビール片手の速崎の姿が確認できた。

[上がった口角に。
 いい休日を過ごしているようだと感じたから、
 邪魔することはしない。
 アイコンタクトを交わすだけの挨拶でも、
 通じるものはあったから。

 また、彼女が誰かに聞いてもらいたい時があれば、
 聞き役を買って出るつもり。

 持ち主の元に戻ってきたキャスケットのつばを上げて
 目を細めて応じただろう。**]

─ 自宅 ─

[帰宅は真夜中。いつものこと。
部屋は真っ暗でなく、ベッドサイドのひとつだけが点けっぱなしになっている。
明かりの下にはうさぎのぬいぐるみが手足を投げ出して座っていた。

スカートの中が見えないように、お尻の下には自作の椅子を置いてある。
100均のミニクッションにスカーフでカバーをつけただけなので、椅子というかヨギボ? に全力でくつろいでいる様に見えるんだけど]


 ただいま


[囁いて、クローゼットを開けて着替える。
クローゼットを閉めて、もう一度開けた。
閉め直して、もういちど開ける。そこにかけられたグリーンのワンピース]


 ……


[そわそわしながら扉を閉めた]



 ねえ
 私変なこと言ってない? 大丈夫?


[一日の終わり。
膝の上にうさぎを乗せて、雑誌を開きはしたけど。しばらくぼんやりした後にそう尋ねた]


 だめかもしれない……もう緊張してきた
 絶対ついてきてね


[ピンク色の額を撫でた後、両手で顔を覆う]


      デート……!


[片思いの、友達同士の延長を模したお出かけではなく。
お互いに何らかの好意を知らせた上での。どうしよう。何を話せばいい? だめかもしれない。胃薬飲もう**]

[ 不思議そうな反応をされる。
 多分、分かっていないんだろう。
 知り合ってからも、恋人になってからも
 また日が浅い。

 知らないことだらけのところを
 少しずつ埋めている今の段階では
 当たり前なんだけれど。

 自分がどういう目で見られているのか。
 まぁその辺、お互い様だけども。

 体を起こそうとしながら、遅れて
 思い当たったのか、口籠るようにして
 耳を仄かに染めるものだから

 空いた手が悪さをしそうになる。
 第二波もまた大いに自分の中で暴れてくれた。 ]

[ そういった欲について。

 なくはない。そんな程度だと自分で思っていた。
 昨今薄い男も増えているらしいと聞けば
 自分もそれだろうと考えていたし
 不健康と言われない程度にはある、と。

 そうじゃないかもしれないと気づいたのは、最近。
 もしかして気づいていないだけで、
 前から性的指向がそうだったのかと
 慌てたが、特に別のなにかに魅力を感じることが
 なかった。

 ので、漏れなくその欲求全て、
 たった一人に向けていく自分が少し、
 恐ろしく思えている現状。

 欲の飼い慣らし方を心得ていないので、
 大人しくさせておいて、と相手に強いるしかなくて
 申し訳ない。 ]

[ 隣から、軽い衝撃。
 スマホの画面を覗き込むようにした彼が
 横から画面をフリックさせる ]

 いいね。
 好きだって言ってたねサーモン。
 じゃ、追加でトッピングしちゃおう。

 あと、チキンナゲット食べたいな
 無性にあのソース恋しくなる時あるんだ

[ 選び終えればそのまま注文、
 支払いも済ませてしまえるのだから
 便利な時代だ。

 しかも、置き配にしてしまえば
 顔を合わせる心配もない、というのだから
 助かることこの上ない。 ]

[ ピザが到着するまでの間に、
 作ったものをテーブルに並べ、
 氷を入れたグラスを二つ、用意した。

 ピザとコーラ、って思考までは
 あったのだが、コーラ買い忘れていたので
 ピザと一緒に注文することにした。
 ありがとうピザ屋さん。コーラ置いといてくれて。 ]

 飲みたくなったら、ワインあるよ。
 でも弱いって言ってたから、
 缶のお酒もいくつか。

 どれ買ったらいいか分からなかったから
 適当だけど。

[ 先に見始めてもいいよ、と言っておいたが
 どうだっただろう。どちらにしても、そう間を置かずに
 インターフォンが鳴り、元気な声が
 届くと、どうも、とだけ返しロビーを通す。

 それからすぐにもう一度インターフォンが鳴り
 少ししてから玄関へピザを取りに向かう。 ]

 来たよ、ピザ。

[ 箱を開いてピザを並べたら。 ]

 俺も駄目になっちゃうね

[ 新品の駄目製造機に体を預ける。ゆっくりと体が沈む。
 使い心地は折り紙付き。 ]

 うはー……懐かしい

[ 動画の再生が始まれば、まず一言。
 若かりし頃の仲間たち。
 オープニング主題歌の中にはもちろん
 若かりし頃の自分もいる。

 まだ緊張の色濃い表情の自分、
 初の出番はたしか三話。

 いろんな題材を取り扱うシリーズだが
 この時は侍とか忍者とか和物をごっちゃり
 詰めていたため、自分の普段の役どころは
 敵方の忍者の里の出身で、上に言われるままに
 主人公たちの邪魔をしていたが、それをどこかで
 苦しんでいたため、とあるイベントで、
 仲間入りをする、というもの。

 真顔でボケる主人公たちを苦笑いで
 見守るようなポジションだった。 ]

 この話しの撮影した日、
 めっちゃ二日酔いだった実は
 ちょっと顔色悪いでしょ。

[ 髪も短く、身長はともかく、
 体が出来上がっていない自分の
 体当たりでしかない映像を今、

 俺の恋人は見ています。** ]

メモを貼った。

メモを貼った。

[玲羅も指輪をずっと着けてくれるらしい。
え〜〜〜。どうしよう。嬉しい。顔がにやける。
それからアクセサリー教室にて。
俺は何も考えずに左手の薬指でサイズを図ろうとした。
そしたら玲羅から教えてもらった事に目を瞬く。
あ。顔。ちょっと熱いです。
恥ずかしいのと、あと、別の何か。]


へっ?!



あ、そうなの? あ、そう。へ〜〜〜。そう。なんだ。

はは。


[あ。俺すごい棒読みだぞ。

なるほど。なるほどね???]

[一度手元に落とした視線。
サイズ測定用のリングの連なりが見える。
俺はチラリと視線を上げて、上目遣いで玲羅を見た。]


……………………左手で作らない?


ダメ?


[酷く照れ臭くて、恥ずかしい。
あと。酷く不安になる。
こんな風に自分が、弱く揺れ動くのには、慣れていない。
相手の言動に一喜一憂して、伺うように見てしまう。]

[玲羅の答えが何であるにしても、指輪作りは進めよう。
玲羅が選んだデザインは、キラキラして綺麗だ。]


…………綺麗。

これなら金色も綺麗かもしれないけど。
金色はコンソメスープの色だからな〜〜。
……ライバルの色はやめとこう。


[何時ぞやの会話を思い返して笑いながら。
彼女の中のコンソメスープに対するあれやこれやを知らないので。
俺にとっては玲羅の一面を知れた素敵なエピソードで。
それでも……]


それに銀色の方が、結婚指輪みたいだ。
ペアリングなら、銀が良いな。


[彼女が選んだのが右手でも左手でも。
俺はそんな風に呟いて微笑みかけた。]

[元気いっぱいの玲羅の笑顔。


おー!!頑張るぞー!!



[俺も元気いっぱいに答えて。]

[それから本当に真剣に作業を開始した。
だってこれ、玲羅への初めてのプレゼントでしょ?
そりゃぁ、ガチのマジで本気にもなります。
本気で真剣になったから、何時もみたいに、明るく楽しく会話しながらとはいかなかったかもしれないし。
先生と会話する時間も多かったかもしれないけど。
そこはごめんなさい。愛嬌ってことで許して??

か、彼女を楽しませると言う目標は、クリアしてないかもしれない。ごめんなさい。
時々は、肩の力抜こうね。**]

[やや気恥ずかしそうに告げれば
彼がちょっと驚いたようにぽかんとして。
その顔がじわじわと赤く染まるのが見えた。

ちらり、とその視線が測定リングに落ちて――
またこちらに向く。
珍しくどこか不安そうに、様子を窺うような。]

……………、


[左手につける意味を知ったうえで、そう言うってのは。
考えるとこちらまで頬が熱くなってしまって。]


………………ダメ、じゃないです………



[微笑ましそうな講師さんの視線を感じながら
真っ赤になってそう答えたとか。]

[さてそんなわけで指輪づくりだ。
選んだ理由はデザインが気に入ったのもあるけれど。]

でしょ?
それに槌目だとさ、模様にも叩く人の個性が出るんだって〜。
それぞれ違う仕上がりになるの。
世界でひとつだけのリング、良くない?

[彼からの初めての贈り物。
喩え無料でも、誘われたものでも。
彼が自分を想って作ってくれるなら
そこには特別な価値があるじゃあないですか。
だからより手作り感の出るものにしたくて。

コンソメスープ云々の話題には
もー!今それはいいじゃん!と
照れたような拗ねたような顔をしたけれど。]



…………うん………。


[微笑んでシルバーを選んだ意図を明かす彼には
ただじんわりと赤面して頷いたのだった。]

[そうして作業開始である。
なお、真剣に作業に集中する彼に
不満を持ったりとかは全くもってなかった。
何故なら私も真剣だから。

だってペアリングだし!変な物作れないし!

……と言うのは別にしても
多分今まで見た中で一番ってくらい
至って真剣な表情で指輪作りに取り組む彼を
作業の合間に時々じっと見て。]


(瑛斗、こんな顔もするんだ〜…)



[なんて。密かにときめきを覚えていた玲羅である。

いや、いつも明るく表情豊かな彼氏のガチの表情、
ちょっとキュンと来るものがあるじゃないですか?
それが自分へのプレゼントを作っているのだから猶更。]

[棒状のシルバーを熱して柔らかくした後
ペンチやらハンマーやらで丸く曲げて
高温のバーナーで熱して隙間がないようにくっつける。
(ロウ付けって言うらしい)
しっかり熱してピンク色になったそれを
水で冷やして薬品に着けて。

歪んだリングを芯金に入れて
木槌で叩いて綺麗な円形にした後に
ヤスリで削ってまた槌で叩いて全体に槌目をつける。

最後に刻印を入れて磨けば完成だ。

講師の先生に手取り足取り手伝ってもらいながら
黙々と工程に集中していただろう。**]

[『ダメ』て区切られた時、一瞬ひゅっと息が詰まって。
それから『じゃないです』と続いたから。
詰めていた息を、肺から全部吐き切った。]


はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜…………


………………
良かった。



[小さく囁いて微笑んで。
自分がこんな風になるなんて、本当に不思議だね。
今は赤い顔の玲羅を揶揄う余裕もないや。]

[コンソメスープの話しをしたら怒られた。
照れたような拗ねたような顔してくれたから。
俺も調子を少し取り戻した。
銀を選んだ理由。彼女に伝えたけど。
ただ。受け止めてくれたから。微笑んで。
自分も彼女の頷きを、ただ受け止めた。]

[槌目には個性が出るらしい。
世界で一つだけのリング。
そんなことを言われたら、ガチにならざるを得ないし……
それと同時に、何処か強張った身体の力が抜けた。
なんだろ。きっと、どんなリングを作っても。
玲羅は喜んで受け取ってくれるって。その瞬間思ったから。
だから大丈夫だって思えた。]


世界にひとつだけのリング。良いね。
玲羅のそれを貰える俺は、幸せだな。


[だから目を細めて、愛おし気に笑いかけて。
講師の先生?多分きっと慣れてるよ。こんなやり取りもね。
栗栖くんは基本目の前の人に集中しちゃうから。
周りの人を見る余裕などありませんでした。]

[そうして鎚を揮う際も。一際の集中を見せた。
玲羅は個性が出ると言ってくれた。
なら。思い切りよく揮おう。
形は後でも整えられるらしい。
潰す事を恐れて、弱く小さな跡目を着けるのではなく。
勇気をもって恐れず大胆に揮った。
それから、先生に指導を受けながら、丁寧に丁寧に型を整え、金属が玲羅の肌を傷つけないよう、ヤスリをかけた。

クリアな質感のリングに。
大きく不規則に着いた槌目。
そうして型を整えるべく繊細に着いた小さな槌目。
キラキラと光を反射し煌めいている。

何度も指先で当たりが無いか確認し。
ようやくヤスリを手放して、先生に確認すると。
刻印を入れてもらうべく、一度手放した。]

[ふと。玲羅を見て笑いかける。
そう言えば作業中お互い無言だった。


出来上がり楽しみだね〜〜。

自分のに集中して、玲羅の見て無かったや。
どんな指輪が出来たのか、楽しみ。


[それがどんな指輪でも、きっと自分には愛おしいのだろう。
目を細めて。]


片付けして、待ってよっか。


[ヤスリで散った金属屑等を丁寧に清めて。
机の上をピカピカにして待ってたら、刻印も終わるだろうか。]

[出来上がった自分の指輪を受け取ったら。]


玲羅。手を出して?


[玲羅の左手を借り受けて。]


…………はい。


[薬指に指輪を通した。
君のために作った指輪は、過不足なく。指に嵌り。
君の薬指を彩った。**]


[この世界中で、一番気まずい5分間を過ごしたんじゃないかっていう自信がある。]

 

[繋いだ手が離れないまま、帰路につく。
 駅まで5分。歩いてすぐの距離は通勤にやさしい。
 ただ今だけはもっと長くなってくれたらいいのに――っていう展開を期待したんだけど。
 実際はぽつぽつ話をしただけで、多くは沈黙。
 静かな夜にふたり分の足音が重なる音が聞こえるくらいに。

 ……あっれー? 一応、一応両想い、かもしれない、一世一代の告白、のようなもの、が受け入れられたその5分後ですよね?
 恋愛ってこうだっけ。いや、違った気がする。]

[かと言ってボクの方も、何が自然な会話なのか、もうまったくわからない。
 正直こっちは完全に、勝手に憧れて勝手に好意にしてずっと視線で追いかけた、っていう
中学生かよ
みたいな片想いをしていたものだから、シャミさんの側から意識されているという想定が本当に、なくて。
 本当にこんなボクのどこが好きなんですか、と聞きたかったけど、さっきなんでと聞いたらなんでだろうと言われてしまったし
 いやいやそんなの関係ない、もっと他愛のないこと話しかけようとしても、横顔を少し見上げるだけで、頭の中が真っ白になる。
 "チエには愛されたい"。見上げたその唇がそう言ったことばかり、頭の中に渦巻く。
 現実味がなくて、自己嫌悪の行き着く先に見た都合のいい夢みたいで、手を離したらそのまま消えてしまいそうだから、繋いだ手を握る力を、少し強めた。

 5分間、ただ体温だけが、つながっていた。]

[家どっちですかとか、送っていきますとか、ほんとは言うべきだったんじゃないだろうか。
 そのあたりに思い至ったのは駅についてからだ。

 だけど最寄り駅まで行こうにも、終電の危うい時間帯。逆方向だったら、往復は厳しいかも。
 それに実際いつもの仕事帰りとさして変わらない時間だから、この時間に出歩くのは慣れているはずで。
 むしろ立場的にはボクのほうが心配される側だったりする?とか考え出したら、繋いだ手が物理的な分かれ道で解けるまで結局、言えなかった。
 情けないポイントのスタンプカードがあったら、そろそろ満点になる気がする。]

……うん。また、ね。
嘘じゃ、ないから。ほんとだから。
誓って、ほんとだから!


[大事にするからね、とか言われてしまうと、それボクのセリフじゃないんだぁ、と、スタンプがまたひとつ増えた気分。]

――自宅――

――あ。

[結局まっすぐ帰ってきた、その玄関前。
 小さな段ボール箱が置かれていた。
 通販の置き配は、家を空けがちな人間にやさしい。
 そこに入っているものを想像して、それを使う瞬間を頭の中想像したら、ふっと笑顔に――]

[なるどころか、かっと顔が熱くなる気がした。
 箱を抱えて急いで部屋に入って速攻でベッドにダイブした。頭を抱えに。]

いやいやいやいや待って、待ってそれは、待ってこないだのボクちょっと待って意味わかんない
一回死んで
死んで詫びて今のボクに


[どうする。いっそこれを渡さなければ。
 いやだめだ。それはそれでボクの矜持が許せない。
 今から別のを探す? いや、間に合わないかもしれないし、そもそもやることそのものが変わるわけじゃない。

 
ああああ
、と深夜に羞恥と後悔とそれはそれとして期待やなんかが入り混じった声を上げて、転げまわり。
 ひとしきりそうしたあと、頭を冷やそうとシャワーを浴びることに決めた。
 いっそ水でも浴びようかとすら、思った*]

メモを貼った。

メモを貼った。

――報告会――

 まああれ言った本人も僕の気持ち気づいてなかったみたいだから
 案外みんな自分のことには鈍感なのかもね。

 って何その怨念籠ったみたいな言い方……
 ええっと、お疲れ……?

[タイミングというのは確かにある。
栗栖は自分よりは来店頻度が低い気がするし、彼が恋する相手は店に来たら大体逢える店員ではなく客だ。
席が遠いと中々親睦を深めることは難しかっただろう。

しかしただタイミングが合わなかっただけにしては声色がやけに不穏だ。
「色々」を聞く機会はあるのか、とりあえず紆余曲折あったらしい彼に労いの言葉をかけた。]


 ん?ああ、そこは何にも疑ってないよ。
 ふふ、「貝沢さん」から呼び捨てになってんじゃん。
 いいね、そういう「つきあってからの変化」みたいなの、
 観察するの結構好きだよ僕。

[真白から栗栖への言葉が気安いことに少し拗ねたりはすれど、実際に二人の仲を疑うことはない。
そうか、彼女は栗栖に惚気ていたのか、と思うとむしろ嬉しかったりして。]

[自分とも栗栖とも貝沢とも真白はよく喋っているし、自分と栗栖は親しいと思っているので、紅葉狩りの誘いに関して此方は全く抵抗なく言ったものの、返事を聞いてはた、と気づく。]

 もしかして……
 
僕、貝沢さんと喋ったことないな……?!


 それは貝沢さんにとっては気まずいかもしれないね。
 僕、あの店で似た時間で食べてたらみんな知り合いみたいに思ってたけど、うん。
 よーく思い返しても僕が一方的に知ってるだけだった。

 知らない人の車が怖かったりしたら全然断ってくれても良いし、
 僕は背景になるの得意だからタクシー運転手みたいな感覚で
 移動手段として使ってもらうのでも構わないからね。

[勿論、秋までに時間はあるので、それまでに知り合っておくというのもアリだとは思う。]


 綺麗だよ紅葉。
 ちょっと山の中まで車で入るところだから穴場っていうか、
 シーズンでも人混み気にしなくて良いし。

 焚火ブースが近くにあるんだけど、
 そこで持ち込んだ芋焼いたりマシュマロ焼いたりするのも出来るらしいよ。
 一人で行くの寂しくて行ったことないけど、4人なら楽しそう。

[プレゼンだけはしておいて、後は二人の意向に任せよう、と話を締めくくろうとした時。]


 えっそれ「おめでとう」の流れなの。
 「キスした」とか「それ以上」とか言ったら
 都度祝われる感じ……?

[それは手を繋いだと自己申告するよりも恥ずかしくて少し慌てた。
この余裕、もしや彼はもう、と思ったが、店内で猥談に発展しかねない話題は止めておこう。

代わりに。]

 お互いおめでとう記念でラムチョップシェアしない?

[黒板を指して「どう?」と小首を傾げた。*]

[ところで揚げ出し大根、めちゃくちゃ食べたいです。
真白が揚げるなら尚更。*]

─ デートの日 ─


[待ち合わせの場所までの歩みは、ゆっくり。
転ばないようにというのもあるし。

道沿いのショーウィンドウに映る自分の姿を見るたびに、歩みが止まりそうになる]


(これは合ってるのか……)


[優しい白色のブラウス。
ブルーグリーンのワンピース。
髪は緩く結えて背に垂らした。

歩くたび、裾が動いて優雅に揺れる。チエはあの商品画像から、この動きまで想像できていたのだろうと思う。
けれど、
これは]



(合ってる……?)



[家で試着した時は気にならなかったのだけど。
あのモデルの子よりも、自分で着ると丈が短い。
     くるぶしほとの長さに、黒い靴を履いた画像。

……ふくらはぎぐらいなんだけど……?


さらに足の甲が露出したサンダルなので、こう、すーすーする。
これは大丈夫なのか。間違ってない? 思ってたんと違うって思われない?]

[手に持った花束を持ち上げて顔の下半分を隠す。
スン]


(でもこれを着る以外の選択はないし)


[合ってるかどうかはわからないけどめちゃくちゃに可愛いし**]

メモを貼った。

[菜の花のカルボナーラにはサーモンを。
 チキンナゲットが食べたいというのなら、それも。
 飲み物も、と増やして行けば、そこそこの量。

 ピザは翌日にも回すことが出来るけど、
 サーモンの方はさすがに今日食べ切った方がいいかな。
 とか、仕事柄、味の保証期間も気にしつつ。

 注文を任せた後は、
 結局落ち着いて座っても居られずに、
 運ぶ手伝いを申し出た。

 自分で作った、というピクルスやサラダに
 少し驚いたものの]


  いい傾向ですね。


[気になっていた食生活が少しでも改善するなら、
 喜ばしいことだから、そう笑って。]

[ワインと缶のサワーがいくつか並ぶのを見たら、
 飲むつもりはなかったけれど、
 飲みたくなる気持ちも少し。]


  じゃあ、こっちのサワーもらいます。


[選んだのはシークァサーのサワー。
 さっぱりとした味だけど少しだけ甘いのが飲みやすい。
 今は飲まずに手元にだけ寄せておいて。

 そんな会話を挟みながら、少し時間が開けば、
 先に見てもいいという言葉に甘えて、

 テレビ画面に配信サイトを移したら、
 そのまま、連続再生を押した。]

[一話も、二話も、オーソドックスな戦隊モノの展開。
 仲間と出会って、敵が現れて、人が狙われて。
 助けに行いって、翌週へと続く。

 高野さんはまだ出てきていない。OPだけ。
 ブラックといえば大体は後から仲間になるのは、
 これもまたよくある展開。

 インターホンが鳴って、隣で立ち上がる彼を見送って
 画面に視線を戻したところで、ようやく。]


  ……あ、出た。


[敵役かと思われるようなポジション。
 だけどやたらと影を背負った、意味有りげな人物。]

[今より、ずっと若い彼の姿がそこに在る。
 俺よりも年若い、それこそ美澄ぐらいの。

 若手の登竜門と言われる戦隊モノ。
 演技もみんな少し辿々しさが残る中、
 やっぱり少し、斜に構えたブラックの立ち位置。

 見知った人が、画面の向こう居るのは、
 やはり少し、不思議な感じで、面映ゆくもありながら。
 演じる姿が懸命で、自然と目が細まっていく。]

[ピザを手にして戻ってきた姿に。


  おかえりなさい。
  ちょうど出てますよ、ブラック。


[そう登場シーンを紹介してから、
 クッッションから少し身を起こした。

 せっかくのクッションを
 汚してしまう訳にはいかないから。

 身体を沈めていく彼と入れ替わるように、
 ローテーブルに前のめり、再び画面へと視線を移す。]

[懐かしむ声を隣で聞きながら、ピザを頬張った。

 菜の花のカルボナーラにトッピングされたサーモン。 
 緑とピンクの色合いが春めいている。
 こっちの生地は厚めのもっちりとしたものを選んだ。
 
 代わりにトマトソースの方は
 クリスピータイプの薄めのもの。

 そちらはひとまず後回しにして春を楽しむ。
 少し焦げたサーモンの油がカルボナーラと馴染む。
 菜の花は少し芯を残して、歯を立てれば、
 僅かにしゃく、と音がした。]


  旨い。


[短な感想を告げながら、手元にはコーラ。
 最初の方は、動画をしっかりと見ていたいから、
 酔わないように。ノンアルコール。]

[話が進んでいくごとに、彼の中にも葛藤が現れて。
 やがて仲間になることを選んでいくブラックの姿。
 彼を受け入れていくレッドを始めとする仲間たち。

 食事を進めながらも、静かに鑑賞して。
 時に、高野自身から裏事情の注釈が入れば、]


  二日酔いで撮ったんですか?


[そう軽く笑い声を立てて、また画面へと魅入る。]

[若々しくも、今の姿の名残もあって、
 それでも今より、ほんの少し、目に力があるように、
 見えたかもしれない。

 だから、口の中のものを呑み込んで。
 コーラで流し込んで。]


  ……また、やりたいとか、ないんですか?


[以前に彼から役者であることを打ち明けられた時から、
 ずっと聞きたかったことを、ほつりと落とす。]

[俳優業を、昔のことのように話してた。
 そういう生活も悪くない、とも言っていた。

 けれど、『見つけてくれてありがとう』と
 ファンから向けた声援に今も答えているのも。
 
 コーナーになっている数々のサウンドドラマも
 公開録音のでの感想も、

 彼にとってやっぱり、演技は、
 切っては切れないもののように、思えたから。

 過去の彼の声を聞きながら、
 今の、ソファに埋まっている彼へと視線を移して。**]

── 報告会 ──

[神田さんから怨念籠ってると言われてしまった。


いや。

自分の鈍感さをこれでもかと思い知った……


だけなんで、誰も悪くないはずなんだけどね。
メッセージの方、あまり返信出来てなくてごめんね。


[少しだけ遠回りの謝罪。
直接口にすることは憚られた。誰に対しても。
ただ、グループを形成しているメッセージに、自分の投稿がほとんど無い事については、当事者でない神田さんに一言謝っておきたくて。
『その内またひょっこり顔出す。』と約束した。]

[神田さんは『観察』とか言うから。]


え〜〜〜。何それ俺観察されちゃうの?
流石神田さん。敏腕記者ー!!


[とか笑ってた。]

[そうして衝撃の事実。
神田さん玲羅と会話した事無いらしい!!


マジで?!!



[いやでも俺も、玲羅や神田さんが時々会話してる高野さんと会話したこと無いわ。そのことも神田さんに告げて。]


いや。タクシーみたいなんて絶対思えないけど。
それはそれとして紅葉狩り想像以上に楽しそうだな。
今度一緒にご飯食べたりして、顔繋ごうよ〜。
…………あ。でもこれも、玲羅にまず確認してからね。

俺、自分の好きな人は、す〜ぐ好きな人に紹介したくなっちゃうから。玲羅の事戸惑わせちゃうかもしれないし。
まずは何をするにしても、玲羅に確認してみるよ。

玲羅ね〜。ダメな時はちゃんとダメって言ってくれるんだ〜。


俺は最後の一言で惚気ました。

因みに好きな人=玲羅で、好きな人=神田さんです。]

[なんか唐突な猥談の気配がして。
俺は思わずお茶に咽そうになって、笑い飛ばす。]


いやいやいや。友達の恋の進捗とか知りたく無いし!!



手を繋げておめでとうはちょっとアレだ。
揶揄った。

ごめんなさい。


[次男坊は素直に長兄に甘えて謝りました。]

食べる!!シェアする!!


ラムって何の肉だっけ?


この店のお肉料理なら絶対うまい!!楽しみ〜!!



[俺は素直に元気よく喜んだあと。]


お肉は俺が頼むから。
神田さんは、大咲さんの料理頼んで良いよ?


[ちょっぴり気遣い出来るところを見せたつもりが。
もしかしたら、余計なお世話だったかもしれないね。**]

――赤いリボンの日――

[スマホのアラームで起きれば、ロック画面にスケジュールと赤いリボン。
 来た。来てしまった。
 起きただけで心臓がうるさい。落ち着け、と脳内で繰り返しながら、顔洗って髪を纏める。今日は軽く巻いて、後ろだけ低いところでひとつに結んだ。
 いつもの花のコサージュの代わり、ゴールドのチェーンがついたヘアクリップを留めて、チェーンを髪に絡ませる。

 そこまでやってから朝食づくりを始めるのは、髪まとまってるとキッチン立つの楽だよねとか、キッチン立つ前手洗って整髪料使って手洗うの面倒だよねとか、あと限界までのんびりご飯してたいからとか、諸々合理的な(ものぐさともいう)理由。
 流石に着替えるのは、食べ終わってからだけど。]

[牛乳を軽く沸かして、インスタントのスープを溶かす。
 それとは別に溶き卵に牛乳足して、塩コショウでオムレツに。
 厚切りのパンをトースターに突っ込んで、ケチャップを準備。
 パンが焼けたらオムレツトースト。
 そのつもりでテーブルにスープだけ運んで、天気予報のチェック。
 うん、雨は降らなさそうだ。

 ふと目に入る、テーブルの上の小箱。
 先日ベッドで転がりに転がった、今日のために用意した小さなプレゼント。
 気負うようなものにはしたくなくってシンプルなものにしたけれど、それより何より渡すときのことを考えるとまた頭を抱えそうになる。
 ――無錠にも鳴るトースターが、そんな暇はないと叱りつける。

 オムレツトースト、おいしいなぁ……
 思わず遠い目をしながら、齧りつく。]

[今日のために用意した服は、あのグリーンと合わせて、クラシカルグリーンのブラウス。
 軽く袖はふくらんでいるものの、基本的にはピンタックでスマートなシルエットの、メンズの王子ファッションだ。共布のリボンが、甘さを足している。
 レースアップの黒のロングベストで引き締めて、同じ黒のパンツ。
 軽く広がった裾から、シフォンのフリルが覗いてる。
 ほんの少しだけ見栄張った、いつもより底の厚いブーツも合わせれば、隣に立つ自信もその分盛れる。

 本当は、女子会ですと言い張って、同じクラシカルなお茶会服なんかにまとめることも考えた。
 けど、今となっては。男として隣に立ちたいと、メンズを選んでよかったと思う。
 軽くフレグランスを振ろうとして――思うところありて、やめる。]

さって、行くか。

[小箱をバッグに放り込んで、待ち合わせ先へ。

 出てから気づいたけど、今日ラーメン食べるって言ってなかった?
 ……ま、いっか*]

――待ち合わせ――

[その場所についた瞬間。
 目を引く姿を探そうとして、見当たらなくて、ほっと息を吐く。
 早めに出たつもりではあるけど、待たせずに済んでよかった。
 ショーウインドウに時々足を止めているからとは、知らない。

 どっちから来るだろう、と視線巡らせれば。]

……あ。

[目線が、吸い寄せられる。]

[ベンチに腰を下ろした。
花束を傍に置いて、周囲を見回す。

そしてバッグからぬいぐるみを取り出した]


 ……


[ぽってりと柔らかいお腹を支えて膝に座らせる。
見上げてくる眼差しをしばらく見て、その手をぎゅっと握り締めた]

 

[ フリーランスの彼と、シフト制飲食業界の自分。
  彼にも色々都合はあるだろうことは想像に難くないからと
  零れ落ちた謝罪へ返って来たのは優しい笑み。
  ああ、やっぱりこの人には敵わない。本当に。 ]


  ……夜綿さん、私を甘やかすの上手ですよね…


[ 独り占めさせてもらっているのは、寧ろこっちの方。
  調整して合わせてくれたお休みを貰うのだから。
  けれど、その言葉が本心なのだと感じ取れるだけに
  これ以上はまた謝罪になってしまう と飲み込んで。

  それに。 ]

 

 

  それは、……うん。
  分かります。
  夜綿さんの好みに合わせるの、楽しいから。

  ……そっか。同じですね、気持ちは。


[ うん、ちゃんと分かりましたよ、と頷いた。
  謝っても気にしても職業故のすれ違いは変わらないし
  受け取り方を"苦じゃないと思える"ようにしてくれた
  彼の言葉はなんだか魔法みたいだ。

  ちなみに魔法といえば、日曜朝に戦隊ものと別枠で
  放送されている某女児向けアニメもその類だが。
  ふわもこパジャマの話を振った時の彼が
  マスコットキャラに選ばれた主人公の反応みたいで。
  面白いような、「そんな縁遠いかな…?」と
  疑問符が頭上へひとつ、ぽこん、と浮かぶような。 ]

 

 

[ 過去に彼女がいたことは知っているけれど、
  その人たちはあのブランドユーザーでは無かったか。
  いや、お揃先に選ばなかっただけなのか。
  む、と考えながらも 露骨に目を泳がせる彼へ

  「だめですか……?」と言いたげな瞳を向けた。
  完全にこれはわざとである。先に言っておく。
  ちょっとしょんぼりしながらおねだりすれば
  多分いけるのでは、と大咲が覚えた必殺技(?)だ。
  決定打の理由はどうあれ、ちゃんと同意は取り付けた。 ]


  男性向けのショップ、入ったことないので。
  どんな感じかちょっと楽しみです。


[ 通販サイトにメンズ向けで出てくる服やブランドを
  何気なく流し見たくらいの記憶しか出てこない。
  今更ながら服を選ぶことへの緊張感が滲んできた。
  後でちょっと勉強しておくことを決意して。 ]

 

 

[ カップル、プレート。
  ……カップルプレート。大咲の脳内で二度放送された単語は
  三度目は口から声になって飛び出てくる。 ]


  ────カップルプレート、ですか?
  ……ぅ。なんかちょっと、照れちゃいますね

  はい。一緒に食べたい、です
  …………取材して美味しかった他のお店の味
  ちゃんと知っておきたいですし。


[ 美味しいものが好きという気持ちも、
  仕事を私情で邪魔する気も更々ないのだが。
  それはそれ、これはこれ、だ。

  理由は違えど"笑顔"を求めた彼の昔話を思えば
  とてもそんなことは思えないし、思わない。
  ただ対抗心を抱いてしまうのは許してほしい。 ]

 

 

[ いつまでも律儀に"待て"をしてくれる彼の理性を
  心底信用している大咲は、完全に無警戒で誘いに乗った。
 
というより、長く一緒にいたい気持ちが勝って
したごころ …のことまで考えなかった方が近いか。


  そうして手渡された、彼のマンションの合鍵は。
  大咲にとっては、ごく普通なんてことはなく
  特別で 大切で 片想いの頃は考えも出来なかったような
  軽いのに何よりも重い、そんな存在になる。 ]


  ──…じゃあ、今だけの特別ですね。
  ふふ。


[ 違う鍵になったら、最初から貰う数は二つ。
  その意味を理解しては、照れたようにわらって。 ]

 

 

[ 後はもう、中へ入ってしまえば二人の箱庭。
  やっぱり髪を触るの好きなんだなぁ、と
  "限定"対象は知らないまま微笑ましい気持ちになり。

  帰したくないなどではなく。
  行かせたくない、と、帰る場所をここだけにするような
  その言葉には腕の中で若干動揺を見せた。


  あの、もしかしてもしかしなくても、
  私が想像している以上に、私のこと、好き…です、か。
  それにお客様だった頃の印象と違って
  独占欲とか、結構強かったりするのでしょうか。
  今更過ぎる疑問は、正解ならとても嬉しいけれど。 ]

 

 

[ やがて話を切り出すために、そ、と意思を示せば
  くっついていた体温が離れていく。
  合鍵を握ったままの手を包まれ、促されるまま
  前より少しすっきりしたようにも映る彼の自室へと。 ]


  わ、クッション! やわらかいやつ!


[ 大きな白いビーズクッションが鎮座しているのを見て、
  ややはしゃいだ声を上げ、二人並んで腰を沈め。
  何か飲むかを尋ねてくれる彼の腕をくい、と引き
  ふるふると首を横へ動かした。 ]


  ううん、……隣、いてください


[ 渡された合鍵は、もう片方の手の中。 ]
 



[やがて待ち人を見つけたら]


 やあ
 今日も可愛いけど……格好良いね


[座ったまま、甘やかな少年めいた衣装へ眩しげに目を細めた]


 イメチェンだ。すごく素敵

 

  …………お母さんに、電話、してみたんです


[ 過日、勇気を出して打った数字たち。
  学校の書類に書かなければならない緊急連絡先の番号を
  大咲は未だ、覚えていた。 ]


  正直、縁を切られたのか、切ったのかも分かんないし
  まだあの家に住んでるのかも知らないし。
  知ろうとしなかったから 当然なんですけど。

  でも、夜綿さんが私を幸せにしたいって言ってくれて
  ──…実際、ほんとうに、幸せばっかり教えてくれて。
  同時に ふとした時、昔のことも頭を過るんです
  ……それって不誠実だし、自分でも、嫌で。

  だから、私もその気持ちへ、ちゃんと誠実でいるために
  逃げてきたことへのケジメつけなきゃなって。


[ 繋がるかも分からない電話番号への発信は。
  確かに、大咲の母へ届いた。 ]

 

 

  なんかね、元気そうでした。
  あんな声聞いたの初めてだなぁって思うくらい。

  恋人が出来て、一緒に住むつもりなんだって言ったら
  何て言ったと思います?
  「お祝いは幾らがいい?」ですって。

  ……あの人の中では、お金を渡すことが
  愛を渡すのとイコールだったんだって気付きました。
  ケーキも料理も、それなら受け取りませんよね。


[ 寂しいひとだな、と思ったし。
  ──けれどそれが免罪符になるわけでもないと感じて。
  だから大咲は、ひとつ、踏ん切りがついたのだ。 ]

 

メモを貼った。

 

  だからね、私も受け取らないことにしました。
  お金はもう要らないから、私は私なりに前向いて、
  好きな人と幸せになるねって言って。

  ──…だから、あの日曖昧に答えちゃいましたけど。
  今改めて、教えていいですか。


  大咲真白。23歳、実家はもう縁を切りました。
  いつまでも過去のこと考えるより
  夜綿さんと未来を見て、生きていきたい、…です!


[ その覚悟も準備も、ちゃんと固めた後で良かった。
  大咲はそう言って いつものように心から微笑んだ。* ]

 

メモを貼った。

[花も似合うなぁ、とぼんやり思ってから、花、とはたと気づく。
 あ、どうしようそこまで気合い入れたプレゼントにしてない。
 用意してないものは仕方ないけど、距離が縮まるまでの間を、ちょっとした申し訳なさを花束の代わりに抱えてたら。]

……シャミさんは、すっごい可愛い。
可愛い。絶対似合うって思ってた。

[自分を褒められたことより、好きな人がボクの選んだ服を着て、それが似合ってることが何より嬉しい。
 可愛い、が口から溢れてくる。]

[自分に触れるのは、その後だ。]

イメチェン。っていっても、甘めだけどね。
たまにはいい、でしょ?

[今日のスタイルは、どこにもピンク色はない。
 ワンピースと合わせたグリーンと、黒がベース。
 見せるようにくるり回れば、ロングベストの裾がひらり。]

格好良くなれてたら、嬉しいな。
……隣、立つのに。似合うボクになりたかったから。

[どうでしょう。
 頭のてっぺんからつま先まで、隣にシャミさんが立つことを考えたコーデ。]

[あ。足先といえば。]

あの、あのさ。
ちょっと、渡したいもの?あって。

そのままちょっと、立っててくれる?

[バッグの中から、小さな箱を出し。]

……絶対上向かないから、安心して!


[そう宣言してから、シャミさんの足元、膝をつくようにしゃがむ。]

[真剣に作業に打ち込む彼の傍ら
自分も同じ作業で工程を進める。
あんな風に微笑まれたら
飛び切り良いものを作らないと、
なんて気合も入ろうもの。

そうして出来上がった槌目のリング。
やすりをかけて光に反射するそれは
何だか少し鱗みたいだな、って思った。

ようやく一頻り作業が終わり、
刻印をお願いするべく先生に預けて
やっと一息ついた。

ふと彼の方を見れば目が合って、笑った。]


あ〜〜〜、こんなに集中したの久々かも。
うん、楽しみ〜!いい感じだと良いな〜!

[片付けしながらのんびり待っていると
程なくして刻印が終わったらしい。
頑張って作っただけに思い入れもひとしおで。
出来上がった指輪を目を輝かせて見つめる。]

わー………

[彼が手を取って、それを嵌めてくれる。
過不足なくぴったりと指輪が収まった薬指ごと
左手を思わず光に翳して見つめた。]



………綺麗。


[大胆で力強く、それでいて繊細に
きらきらと模様が刻まれたそれ。
彼が想いを込めて作ったもの。
思わず見入って感想が零れる。

一頻りそうして眺めた後
そっと彼の左手を取って、
薬指に自分が作った指輪を嵌めようか。]

 ― 白うさぎとラム肉の日 ―



[ 美澄指名でのカクテルのご注文が耳に届いても
  そわそわ見守らずに済むようになった。
  郷に入っては郷に従えを強制するつもりはないので
  人体の差に合わせる作り方さえ覚えてくれるなら
  元の能力には特に、不安も心配もないものだし。

  可愛い子ライオンは一瞬で壁を登り終えた。
  代わりに大咲が尻尾を振って懐いている先輩から
  "揚げ物ヘルプコール"が飛んでくる。 ]


  はーい、シャミせんぱーい!
  今私を呼びました?

  ふふん、任せちゃってくださいよ〜っ


[ 下準備やらなにやらは全部遠藤が熟したようだが。
  過日の共同作業のように、揚げ代行は大咲をご指名らしい。
  頼ってもらえたみたいで嬉しくて、
  大咲は「おねがい」へ張り切った声を上げた。 ]

 

[箱に入っていたのは、黒をベースにした様々な布地をひとつに縫いまとめた、バラのコサージュがふたつ。
 異素材を合わせた花は、ところどころ青みがかっていたり、金糸が混じったり。
 クリップピンで止めるタイプのそれを、ピンクベージュのサンダルに左右それぞれ挟んで、つける。]

……うん、やっぱり可愛い。
それ、あげる。

[グリーンの落ち着いたワンピースから、足先がヌーディなイメージになるのを、引き締めてくれる。
 挿し色でバランスが取れて、むしろこの組み合わせなら華やかだ。
 このサンダルにするなら、挿し色で繋ごうと思ってよかった。
 どうでしょう、と立ち上がってから、目線をあわせる*]

 

[ 厚切り大根は、やや大きめの一口サイズ。
  染み込んだスープもあって更に崩れやすい素材である。
  しっかり水気を拭き取ろうと、
  舌でも潰れるくらい柔くなった大根は固くはならない。 ]


  シャミ先輩、結構難題言いますねぇ……?


[ 良い感じに揚げて! と最後全投げされた時も思ったが
  いけるかいけないかの瀬戸際を攻める、その難易度。
  まあ大咲も? 三年は先輩の背を見て育ったので?

  余裕
(と思われて褒められたい)
なんですねこれは〜! ]

 

 

[ 衣の片栗粉に、味を引き立てるための塩胡椒。
  カツのように徐々に少しずつではなく、一気に衣をまぶし
  時間との真剣勝負、素早さ競争。対戦者は大根。

  ────先輩せんぱい!
  大咲ちゃんと勝ちましたよ!
  まで思って我に返る。一体何と戦っていたのか?
  ……強いて言うなら自分自身か。なんだこれぇ。

  とかなんとかなっている大咲はともかくとして。
  オーダーが続くなら大咲は再戦も受けて立ちますし
  ラムは羊ですよ、同士よ。認めてないけど。 ]

 

 

[ 猥談再来(ではない)は露知らず。
  ついでに惚気(これは確かにそう)の横流しも知らず。
  大咲は良いラム肉の仕入れでややご機嫌な店長を
  ふ、と思い返し、そういえば──と。 ]


  ( まあ、スタッフ全員かわいいんだけど
    店長はどちらかというと綺麗の方が近いような )


[ 大人のお姉さんと聞けばまず真っ先に
  店長を大咲は思い浮かべてしまうので。* ]

 

[模様は恐らく気持ち彼のものよりも
細かな模様が沢山ついている感じになったろうか。
裏には R to Eと刻印が入っている、筈。

指の付け根までそれを通し、彼の顔を見て。
自分の手を彼の手に並べる。]

………ふふふ。
なんか、ちょっと感動しちゃうね。

[頬を染め、嬉しそうにはにかんだ。**]



 うん……本当に可愛いね。すごく可愛い
 生まれて初めてだよこんなに可愛いの


[少し内踝をこすり合わせる]


 チエのイメチェンもすごくいいよ。こんなに雰囲気が違うと……


[緊張してしまうな、と]


 あ、そうか。緑。並んで立つコーデだ

[足元にしゃがむ仕草に目を見開いて。
下がろうとする体を、浅い呼吸で止める]


 あの……


[なんだろう。スネ? スネを出してるのはダメ?]



 あ


[片足を下げる。
重心を後ろに。チエの膝の近くに残された片足が見える]


 …… すごい


[最初からそうであったみたいに、しっくりと馴染む薔薇。
すーすーするような、なんとも心許ないような感覚が消えていく]


 すごいね──


[立ち上がったチエと視線が交わった]



 そうだ。これを
 ──君に


[花束のメインは赤。
背が高いのは淡い色の桃の花、落ち着いた赤いフリンジ咲きのチューリップ。グリーンのラナンキュラスと霞草。
ミモザは含んでいない]


 はじめて。好きな子ができたら
 花束を持って行ってご覧って、昔ね、友達が


[その人、ゴリゴリの欧米人だけども]



 チエ、最初に言うけど
 私は君に恋をしている  かもしれない


[この気持ちもまた、恋と呼ばれるものらしいから]


 そうするとね
 年甲斐もないんだけど、これは初恋ということになるのかも

 なので
 おかしなことを口走っても、大目にみてもらいたいな
 二人っきりだし君は素敵だし──


[本物のデートに慣れてないからね、と*]

[玲羅と目が合って。微笑み合う。


俺も〜〜。こんな集中したの試験以来かも。
いや、もしかしたら試験以上かも。

ね〜〜。玲羅に似合うと良いな〜。


[笑い合って。待って居た。

[彼女の指に嵌った指輪。
左手ごと、光に翳す姿。
魅入ってしまって、胸が熱くなる。
『綺麗』なのは、君の方だ。]


…………っ。ああ。


[魅入っていたから、玲羅が俺に向き直った時。
一瞬反応が遅れた。
彼女が俺の手を取って、指輪を嵌めてくれる。
ぴたりとおさまる指輪。
見えないところには、彼女と自分のイニシャルが刻印されている。]

[胸が熱いだけじゃなくて。
ふいに、込み上げる物もあって。]


……っ。ふふっ。


[込み上げた物を。
涙ではなく、笑顔で零した。]


確かに……

感動しちゃうね。


[笑いかけて。
あーあ。ここは外どころか、人目がたくさんある教室で。
どこかで2人きりになれたらいいのに。と思った。
散々お世話になった先生ごめんなさい。でも。
今は彼女を、独り占めしたいなって、そう思った。]

[玲羅の左手をそっと取る。
少し槌目の大きな指輪。]


玲羅には、ちょっとゴツかったかな。


[決して彼女が満足しないとは思わない。
ただ素直な感想を零して。]


……大事にするね。


[愛おし気に呟いて。]



ああ。2人きりになれたらいいのに。



[結局は。自分の内心を吐露していた。*]

─ スプリングラム・デーのある勝利 ─

[君なら勝てると思ってた! ]


 さすが、真白
 このくらいは余裕だったね


[美味しい大根の揚げ出しは、お客様の箸を止まらなくさせた
いいよ、煮付けた大根たくさんあるしどんどん注文が来てもどんどん(真白が)受けて立つよ!]


 ありがとう、今日は揚げ物むりかなって日でね
 真白が助けてくれるから作りたいものを作れた


[一緒に作れるのは楽しいね。無理難題? そんなわけないじゃないおおげさだなあ**]

メモを貼った。

生まれてはじめて?
これから、何度もしよ。イメチェン。
イメチェンになんないくらい、しよ。

[グリーンのワンピースは、すごくよく似合う。丈もおおよそ、想定通り。スネは出てるけど、それくらいになるだろなとは思ってた。
 あまりこういう服のモデルは高身長でないことも多いけれど、それを拭い去るくらい、似合ってる。すらりと長い手足がむしろ華だ。

 ちょっとだけ、隣との高低差が気にならなくはないけど。
 それ以上に、誇らしいくらい可愛い。]

ふふ。雰囲気、違う?
そーかも。いつもなら逆、かもね。
ボクがお茶会服で、シャミさんが王子系。

ん、イイ感じ?
ごめんね、急でびっくりしたよね。

[あと、生花と違って布の花でごめん。
 それは心の中にだけ。]

このワンピースとサンダルなら、挿し色入れたら似合うだろうなって思ってて。
サイズとかもちょうどよさそう。

[そうなるように探したんだけどね!]

[一瞬遅れる反応を不思議に思う間もなく。
顔を見て笑えば彼も笑顔を返してくれる。
それだけで今日ここに来て良かったな、って。
幸せだなあって思って。]

そっかな?
でも、手見た時にパッと目に入るのはさ、
なんかちょっと嬉しいじゃん。

[ネイルで彩られた細長い指先には
確かに少し主張が強く見えるかもしれないけれど。
でも、これがいい。これでいいのだ。]

私も、大事にするね。

[しみじみとそう伝えて。]

[……はぁ、けど、よかった、死ぬかと思った。
 まだ、片想いで女の子同士みたいな関係のままだったら、ちょっとカッコつけてみるのもジョークの範囲内で出来るかと思ってたけど。
 一応思いを通わせたらしき関係で、ひざまづいて足元に顔を寄せて――とか、
ファンタジーの少女漫画かよ
って思って、本当に本当に心臓が爆発するかと思ったんだからな。

 サプライズにしようと思って何も言わずにポチったあの日のボク、やっぱり一回死んでおいてほしい。]

……わ、すご。

[花を持ってたのは気づいてたけど、結構いろんな種類が混じってる。
 桃に、チューリップに、緑色のフリルみたいな花、かすみ草。
 ――ピンクに、赤に、緑だ。気づいた瞬間、胸の奥がぎゅっとして、全身に血を送り出す。]

友達、が?

[や、ちょっと待って。
 ――……
はじめて
?]

お、おぉ……

[恋をしている、が『かもしれない』になった。
 これは、これは一体どこまで自惚れて大丈夫なやつなんだ。ブレーキが必要ですか? 一歩ずつ?]

はつ、こい。
ボクでよかったの、かな……?

[大役を担った。これは大役だ。
 花束が急に重くなった気さえする。]



―――、


[それは無意識か意識的か、
ぽろりと口から零れたような言葉に、
ドキリとして思わず一瞬言葉を飲んだ。

ここは店内で、周囲にはまだ
お世話になった講師の方々の目がいるから、
あんまり大っぴらに二人の世界に入るのは躊躇いがある。

なのでその場で彼に返すことはせずに
ひと先ずありがとうございましたと礼を言い、
彼の手を取って店を辞そうか。]

[そうして、店を出て。
特にどこに向かうでもなく少し歩いて。]

瑛斗、……この後さ。
どうするかとか、考えてる?

[時刻は3時のおやつ時。
一日デートしようとは言ったものの、
予定があったのは此処までで、
この後のことは何も考えていない。

だから、もし彼の方に
何かプランややりたいことがなければ、だけど…。]



…………うち、来る?



[先程もちょっと触れましたが
玲羅さんちは一人暮らしです。**]

いや、ボクこそそれは大目に見てほしいやつで……
シャミさんの前で、平常心でいられる自信ない。

[なにせ思いの丈を告げたその直後に顔覆ってしゃがみこんだし、お見せできなかったがその黒のコサージュが届いたときなんてすごかったんだぞ。危うく風邪引くかと思った。セーフだったけど。]

なんかさ、したいこととか……してほしいこととか、ある?
どうしたいとか、わかんないとか、言ってくれたほうが、いいかも。
ちょっとずつ行こ、ちょっとずつ。
まず、どこ行きたい? 何したい?

[あ、でもまずはこの花束、ロッカーに預けられるといいんだけども。
 動き出そうって雰囲気になったら、まずコインロッカー探すのを許してほしい*]

メモを貼った。



 お茶会服っていうんだ、これ
 王子


[なるほど、王子だ。あらためてチエの服装を見つめる]


 あ、今の私おひめさまみたいだった?
 しまった、それっぽくするべきだったか


[息を抜くように笑う]

――いつぞや――

んー? 別にそしたらさ、ケイちゃんの有休使わなくても、ボクがケイちゃんのシフトに合わせて取ればよくない?

[よく食べよく遊ぶ健康優良児なので、有休は実はそこそこ余ってる。こないだひとつ使ったけど。
 時々パーッと休んで趣味に没頭することもあるけど、今はその時でなく。

 ……とか言ったくせ、飲食業。
 一般的に休みを合わせる土休日にはなかなか都合をつけられず。
 参加者の職に甘んじて、平日でどこか合わせようか、なんて話になったんだっけ。
 空けられる平日をぽこぽこメッセージで送って、予定調整を任せちゃう末っ子気質。
 こんなんだからモテないのよ、なんて自分の中にだけある僻みは、今は聞こえないふり*]



 ねえ、一緒に写真撮ろう
 可愛い服でこんなに、不安になったり嬉しくなったりしたことない


[挿し色の黒い薔薇。
足元を飾るコサージュが、足を動かすと陽射しで綺羅と糸を光らせた]

[好きこそ物の上手なれ、という言葉がある。

自分に当てはめてみれば、最初は写真の技術だった。
次に、様々な店の料理を食べるようになって、材料や調味料を当てるのが得意になった。
そして、自分でも料理をするようになって、レシピ通りに作るだけではなく、組み合わせを自分で考えて失敗なく作れるようにもなった。

何が言いたいかというと。]

 僕は自分が甘やかすのが好きなタイプなんだって
 初めて実感してる。

[つまり、これからも技術の向上に期待してください、ということで。]

[彼女に当てはめて言うならば、
料理が得意になって、
神田好みにファッションをアジャストすることを覚えて
おねだりの破壊力はますます上がっているということ!

必殺技、ワンパンどころかオーバーキル。
天然も可愛いけれど、自分に効くと知っていて出されるおねだりも可愛い。
これを間近に浴びていて、自分はよくここまで彼女に対して「待て」を守れていると思う。]

 女の子向けの店と違って
 キラキラとかヒラヒラはないけどね〜
 つまんなそう、じゃなくて
 楽しみにして貰えるの嬉しい。

 僕はふわふわパジャマショップ行ったらそわそわしそうだけど、
 マシロちゃんがあそこの試着室から出てくるのすごく楽しみだからね。

[嫌ではないのだということは言っておく。
因みにこれまでの彼女はあのブランドユーザーだったかもしれないが、お揃いにしようと言われたことはない。]

[昼食の計画は提案が受け入れられる。
浮かれたネーミングのメニュー名は彼女の照れを誘ったようで。
それでも少しは心浮きたつものがあったのではないか?
――反芻する癖が出ているから。]

 あ、料理人の顔になってる。

[ライバル心を燃やしている顔も可愛いと知ったので、これからも時々別の店の話題を出してしまうかもしれない。
どこに行ってもうさぎに自分の気持ちと舌は還ると彼女もわかっているだろうから、対抗心が劣等感に繋がることはないだろう。]

メモを貼った。

[自分は今もすべてが平均的な平凡なモブ男性だと思っているが、彼女を好きになってから知らない自分に気づいたりもする。

自分の中にこんなにも独占欲があるなんて知らなかった。

つきあってまだほんの数週間、「行かせたくない」のはこの夜だけの焦燥ではない。

店では見せることのなかった――というか本人も知らなかったのだから当たり前の「雄」の部分が、彼女が好きになってくれた自分と「違う」と失望させることに繋がらなければ良いのだけれど。
抱き締めたら服の隙間(と評してしまう程度のファッション知識)から小さな肩が覗いて、鼻息から彼女を守る為に天を仰ぐ羽目になる。]



 はつこい

 私は恋というものがわかっていなくて
 これはそうなのかな……? って


[実際は狭義の恋心を持ち合わせず生まれついていたのだとしても、尊敬と親愛はあり。そしてチエのことが好きなのだけど

ただ愛しているのではなくて、チエにだけは、愛されたいと思っていた]


 うん
 そういうわけなんだ

 君でなければ、デートしたいとは思わなかった

[ビーズクッションは好評のようだ。
良かった。
いわゆるちゃんとしたソファはこの家のスペースを考えると置けそうになかったので。

彼女の希望通り、席は立たずに隣に座る。
公園のベンチに座った時よりも更に近い距離。
合鍵が握られた手に手は重なったまま。]


 ……………そう、か。


[語られたのは、「まだ同じ場所にあるかわからない」実家の母親と連絡を取ったという話。
実家を出てから連絡を取ることがなかったのに、電話番号を捨てていなかったという事実が、真白が自分を雑に扱うような母でも求めていたということを表しているようで胸が苦しい。

閉じた口で歯が擦れる音がした。
電話をした、その結果を聞くのが何となく不安で。]



 じゃあ、どこに行こうか
 私のしたいことでいいの?

 ……ソフトクリーム。 いっこは食べられない


 それから


[コインロッカー? あっちにあったよ。
手を握ったままのピンクのぬいぐるみを見下ろす]


 あ、この子も連れて行っていいかな


 うん。
 ……うん。

 繋がったんだ……

[彼女の母は電話番号を変えていなかった。
しかしそれは娘との繋がりを残したかったという理由ではないだろう。
「縁を切りたい」「切りたくない」と思う程の強い感情を娘に抱いていなかっただけなのではないだろうか。
娘の方は会わない間もずっと忘れられずにいたのに。]

 は、意味がわかんない。

[声が怒気を孕んだ。
また金の話。
真白の中では自分の料理やケーキを受け取らなかった理由がそれだったと当たりをつけたようだが、理由があろうが母親が人として最低な行為をした事実は消えない。

自分にわかるのは、真白の母親は自分には理解できない価値観で生きているということだけ。]

[それでもまだ真白が母親から気持ちを離すことができないなら、自分には何ができるだろうと考えた。
しかしそれは杞憂だったと知れる。

幸せを、恋人と生きることを選んだ強い微笑み。]


 そっか。
 ……手放せたんだね。


[嫌いになれないまま、切られることを避けていた気持ちを。]



 ホント頑張ったね。
 お疲れ様。


[けじめのプロフィールには、ひとつだけまだ手放していないものがある。
正直その文字の並びだけで言うと彼女を表していて素敵なのだけれど。]


 ……最初の名乗りなんだけど。
 近い内に、僕と同じになってくれる?


[それはきっと、同じタイミングで2本の鍵を貰う時に。
指先を伸ばして触れる。
「約束」の指。

彼女の年を聞いた時に、言い出すのはまだ早いかなと思っていたのが嘘のようだ。

真白が「家族」を思う時、それは自分でありたいと強く想った。]


 本当はこういう時に用意してあれば良いんだけど、指輪。
 サイズも知らないし、ずっと持っててもらうものだから
 好みのをあげたいからね。

 ここを埋める「印」はもう少し待っててもらうようになるけど。

 ……ちょっとごめん。

[腰を浮かせ、クッションと一緒に買ったローテーブルの上に置いてある長方形のベルベットの箱を左右に開いた。
銀色のトップのないシンプルなネックレスが出てくる。]


 こっちを先に渡してもいい?
 指輪、買ってもつけちゃ駄目かもしれないか、ら……。


[銀色のチェーンに通して、仕事中もずっと「印」を傍に置いてほしい。
指輪もないのに先走り過ぎだろうか?
言った後になって前のめりな自分が恥ずかしくなり、顔を赤くして目線を落とした。**]

メモを貼った。

そそ。まあ、通称みたいなものだけどね。
お茶会、行ってみる? いつか。
そんときはぼくもお茶会服にする。

[アフターヌーンティーのフルセットを、シャミさんが最後まで食べきれるか……というと、若干疑わしいところはあるけれど。
 時間かけていいタイプの、入れ替えなしのコースとかなら、行けるんじゃないかな。]

お姫さまの、お出かけって感じ。
いーんだよ、ボクがその服に合わせた結果がこれなんだから、シャミさんの側が変わったらズレちゃう。

[本当にお姫さまみたいなロリータは、ちょっと服を選びそうだし。
 ……ってのは、口を閉ざして。]

― 高野君と惚気 ―

あ、そうなんだー。
まあ確かに顔だけ知ってるけど
よくよく考えたら話したことない人ちょくちょくいるな…

あはは、それ今度言っとく。
芸能人に華やかって言われるのだいぶ光栄じゃん。

[どこぞで似たよな会話が繰り広げられていたことは知らない。]

そ!手作り!でしょでしょ、綺麗でしょ!
良い思い出になったし高野くんには改めて感謝だよぉ。
お礼になんか一品奢ったげる。好きなの頼みなよ。

[上機嫌に言いながら。]


あ、そう?

[そうして高野の相手のことにも触れれば
さらりとした反応が返って来たので。
そういう感じなら触れても大丈夫かな、と
こちらも少し気を軽くした。

玲羅自身は至ってヘテロの人間ではあるが
色んな嗜好の知り合いがいるので
別に友人がどうであったからどうと言うこともなく。
珍しくしょんぼりする後輩はちょっと見てみたかった気もするけど。愛いやつめ。
]

へえー…… そっかー。
まああれだよねえ、恋してみて新たな自分を知るみたいな。
そういうこともままあるよね。

ってそこに関してはノーコメントだけどさー。
つまり今は追いたくなる相手なわけだ。
ふふ、大事にしなよ。逃げられないようにさ。

[経験豊富を否定されても
またまた〜と思っていた節はあるんだが
そもそも恋愛にそこまで比重を置いていなかったのかもしれない。
そしてそれが今回は崩れたということか。

どこか誰に対してもそつなく見えていた後輩の
情熱的な一面を垣間見た気がして、
揶揄うように表情をにんまりさせ。]

――報告会――

[栗栖が天然鈍感だという話は先程もした筈だが、貝沢関連のこと以外でも何かあったのだろうか。
口を開きかけたところで、唐突にメッセージのことに触れられる。
自分と個人的なチャットはしていなかった筈、と思ったところで、自分だけが反応した桜カクテルの話題を思い出した。

あれはグループ投稿と言いつつほぼ自分宛みたいなものだった気がして、栗栖の反応がないことを特に気にしていなかったのだが、そういえば少し前からトークルームを表示した時に上から下まで栗栖のアイコンが出ないくらいには彼が登場していないなと思い至った。

つまり栗栖と葉月の間で痴情の縺れが生じたということだろうか。
そう解釈できるが、部外者である自分が何ができるという訳でもない。

その内を約束されるなら、頷いて。]

 待ってる。
 でも無理は駄目だよ。

[誰も悪くなくても抉れる人間関係というものもあるので。
時間が解決してくれないなら、新しい関わり方になるかもしれないことを覚悟する必要もあるだろう。
それはきっと自分が口にしなくても栗栖はわかっている筈で。

だから、それ以上は触れないことにする。]

いいね、写真撮ろう。
プリ撮っちゃう?

[スマホで自撮りして加工でも今や充分いい写真になるけど。
 敢えてゲーセン探してプリ撮るのも、またきっといい思い出。
 ポーズ決めてメッセージ書いて、デカ目してデコろう。
 けど。]

……不安なの、平気?
ちゃんと、似合ってるよ?

[不安って言葉が出ると思ってなくて、足止めて確認。]

え?

[そうして不意にこちらに話を振られたので。
酔ってる玲羅はつらつら話し出すのです。]

んーーとねえ、最初はノリで話しかけたんだけどさあ、
なんか妙に気が合って楽しくてさ〜、いいな〜って思ったんだよね。
だから次一緒にご飯しよって誘って…。

で、よくよく話してみたらさ
私がアイドルしてたこと知ってたんだよ。ファンだって。

でも、なんかそういう…アイドルだったからとかじゃなくて、……
一方的に好きでいるんじゃなくて
素の私の事もっと向き合って知りたい、
って言ってくれて………

その時かな…
やばいまじでこの人のこと好きかも、って思ったんだあー。

[へら、と少し照れくさそうに頬を染めて。]

[専門はグルメなのだが、観察という言葉が出てくるあたり、やはり習性はライターなのだろうか。
というか。]

 僕がライターって話、したっけ……?
 葉月さんか貝沢さんから聞いた?
 ご飯のこと以外の観察力はポンコツだよ。

 観察が好きなのは仕事じゃなくて公にしない趣味。
 途端に変態くさいな……。

[ふと疑問に思ったが、同業者の葉月と仲が良いなら聞く機会はあったかもしれないし、そもそも高野が前から自分の職業を知っていたように、貝沢の方も知っていてもおかしくはない。
とりあえず彼氏の栗栖には、自分はパパラッチではないと弁解するつもりが、変な性癖をカミングアウトしたみたいな形になった。
墓穴を掘ったかもしれない。]

 んん”、と、とりあえず、
 僕は誓ってマシロちゃん一筋なので!

[ということだけは主張しておこう。うん。]

[貝沢と知り合う機会はあるかどうか、その辺りも二人に委ねるとして。
人懐こい栗栖が高野と会話していないという事実には軽く驚いたので、今度一緒の時間に会うことがあれば声をかけると請け負った。
好きな人を好きな人に紹介したくなっちゃう、わかるよ。
この場合前者は栗栖で後者は高野だが。]

 きちんと言葉で主張できる関係って良いよね。
 マシロちゃんも「ダメ」も「うれしい」も言ってくれる子だから、
 それ聞きたくて「していい?」って聞いちゃうとこある。

[惚気?任せて!
そしてちょっと猥談めいた言い回しになってそうなのは気づかない振りをして!]


 揶揄いだったんだ?
 ちょっと本気にしちゃった。
 栗栖くんのすぐ素直に謝れるところ尊敬するな。

[恋愛の意味に限らず、人に好かれる人ってこういうカタチをしているんだなと思う。]

 ラムは子羊だね。
 マトンより獣臭さが少なくて柔らかい肉だよ。

 マシロちゃんの料理は別口で頼むので、
 大人しくおにーさんの皿から取り分けしなさい。

[回して貰った気は辞退して、皿に並ぶ骨を両端から二人食べることにしよう。**]

私さ、アイドル辞めた後も
何人かと付き合ってきたのね。
普通の恋がしてみたかったから、
告白されたら割と受け入れてさ。
なんだけど……

なんせ元アイドルでしょ。
そんで、こんな性格してるからかな。
なんか変に先入観もって接させること多くて。
明るくて強くて面倒じゃない女、みたいな……
いや別にそんなでもないですけど、みたいな。

…ちゃんと好きで付き合ってた、つもりなんだけど。
なんかそれで結局うまくいかなくってさ。

[過去の恋の話なんて、
彼氏に聞かせるのはちょっとあれなので
せっかくだしこの場を借りて吐き出させてもらおう。]


……なんかね、そういうの、
この人なら大丈夫かもって思った。

……ただなんでも許してくれるってわけじゃなくて…
私の好きになりたい私を肯定してくれて、
自然体でいられるっていうか……

[最後の方は独白めいていたかもしれない。
ぼんやりと、一方的に語って。]


…てか、そういう高野君は?
どういうとこいいなって思ったわけ?
馴れ初めとか聞かせてよ〜。

[そんな風に話を振り返すのです。**]

そ、っか。
や、でも、うん。それでも好きになってくれたのは、……っていうか。
ボクを選んでくれたのは、うれしいな。

[恋がわからないシャミさんが、唯一デートしたい相手。
 そんなに誇らしいことがあろうか。
 それに、なんとなくその気持ちもわかるし、さらに言えば知識としては知っている。

 ……ボクはね、意外と真面目な学生だったんだよ。他人を見返してやるために、だったけどさ。
 だから、いろいろな気持ちのかたちを、知っているつもり。
 そして本物は、今から学ぶつもり。]

メモを貼った。

メモを貼った。

オッケー、ソフトクリームね。
シンプルにバニラの? あ、そういや確かこのへん、フルーツ直接ミックスして味作ってくれるアイス屋さんもあるよ。

[はじめの一歩なら、シンプルなのがいいかもしれないし。
 あんまり食べないからこそ、変わり種がいいかも。
 行きたいところにエスコートしよう。それができるのがうれしくて、多分ボクはずっと笑ってる。]

んで、ソフトクリーム食べて、プリ撮る? 自撮りでいい?
あ、ていうか先ロッカー行っていい、かな……
きれーだけど、流石にこれ持ってると、ソフトクリームしんどいかも。

[両手がそれでふさがってしまう。
 ロッカーに無事行けたなら、最初の一歩のスタートだ。]

……あ、けどさ。
いっこだけ、行きたいとこあるんだ。

もしよかったら、付き合って。

[どうしたって、普段は選べないものを。
 今ならきっと手に取れるかも、しれないから*]

店長 アンは、メモを貼った。
(a13) 2023/03/14(Tue) 0:15:50

[ 無計画に大きいサイズを頼みそうに
 なったのは止めてもらえただろうか。

 二人で食べる分、に少し多いくらい。
 の注文を終えると、手伝いを申し出られて ]

 楽しくて。
 自分以外の人の口に入ると思うと、
 真剣にもなるし

[ いい傾向、と言われれば
 苦笑いも浮かんでしまう。

 よっぽど酷い食生活を心配されていたみたいで。
 そりゃこれまでの事を思えば知られて当然だけれど。 ]

 うん、冷やしとかなくてもいい?

[ 自分もまずはコーラ、と決めていたので
 ワインはセラーに収めたまま。

 飲みやすそうなサワーを選んだ後、
 動画の再生が始まると、視線は自然と
 テレビの方へ向かう。

 CMやなんかがカットされていれば
 一本分の時間はそれほど長くない。

 途中退席した頃に、ちょうど若かりし俺が
 登場したようだ。 ]

 うわっほんとだ……

[ 画面いっぱいに映るのは、俺。

 昔を思い出して、かなり恥ずかしい
 気持ちになりながら、熱々のピザを前に
 後方に沈む。見ていられないので両手で
 顔を覆ったまま。
 
 当時、本当に日曜朝に自分の顔が
 映る事に感動したものだが、あれから
 七年も経てば、それを眺める気持ちも変わる。

 七年前の俺も、よもや自室で恋人と
 これを眺めながらピザ食べているとは思うまい。 ]

[ 出番が終わるまではそうしてたけど
 ピザは温かいうちに、食べるもの。

 温め直す事はできるけれど、
 君が美味しそうに食べていたものだから

 体を起こして、ピザに手を伸ばした。
 よく伸びるチーズを巻きつけるようにして、
 薄くてサクサクな生地のピザに齧りつく。

 そしてコーラ。お家映画の定番は、
 定番たる理由がある。うまい。それに尽きる。 ]

 監督がさ、ちょっとくらい顔色悪い方が
 いいとかいって、前日すっごい飲まされて。

 それまで量あまり飲んだことなかったんだけど
 飲める方だったみたいで、そりゃもうばかすかと。

[ 苦悶の表情を浮かべる画面内のブラックは
 頭痛に耐えているだけだった、なんて
 子供の夢もなにもないことをさらりと暴露し、食事は続く。

 時々野菜を口に入れ、君が好きだという
 サーモンがトッピングされた
 菜の花のカルボナーラの方も、一枚もらって良い?
 と聞いてから、頂いた。

 菜の花とピザという組み合わせに興味が
 湧いたので。 ]

 あ、うま、…

[ もっちりとした生地に載ったサーモンが春めいてみえ、
 見た目にも美しいが、味も良い。 ]

[ 頂いた一切れを食べきった頃、
 落とされた言葉には、うぅんと少し悩むように
 唸った後に ]

 部分的にはある、けど
 本格的に、はないかな。

[ そう言った。それでは説明不足だろうから ]

 指導とか、携わることはやめたくないけど、
 あっち側に、高野景斗を住まわせる気は
 ないって方が正しい、な。

 今は一時的に、話題になっているけれど
 ずっとあっち側にいるには、色んなものを
 犠牲にしなくちゃいけない。

 何を犠牲にしたって、あっちに行けない人が
 いるくらい大変な世界で、
 じゃあ俺がそうするために犠牲にするのは?

 って考えると俺なんだよね。

[ 動画の再生中に話すにしては、少し長くなる ]

 過去も今も、私生活も、
 時間も、体も、時には心も。

 だからMVの仕事も、無条件で引き受けるつもりは
 なかったんだよ。最初は断ったし。

 頼まれたからってなんでもやってたら
 今頃、あっち側でしか生きられなく
 なってただろうね。仕事も選べる立場じゃないし。

 でも久しぶりに、あっち側の仕事をして
 考え直した事もあるかな。

 今までは、求められてないだろうし
 下世話に騒がれるだろうから、断っていたけど。

 今はね、自分のことも大事にしたいから
 断る事にしたんだ。

[ だから話半分に聞いてくれるくらいで、
 ちょうどいいのだけど。 ]



 お茶会
 クロテッドクリームとジャムを塗ったスコーン、美味しそうだね


[ひとくち食べたい]


 うん、合ってるね
 リンクコーデって言うんでしょう


[並んで立つ。
いつもよりもチエの視線が高い。黒いベストが見慣れない。縦のラインが強調されていて、可愛らしくて格好いい]


 王子と王子もできる?



 ふふ、大丈夫
 君に会うまでは不安だった。私は自分の身体にコンプレックスがあるんだ


[ちゃんと似合ってるって言ってくれるから。
足を止められたのでスカートの裾を摘み上げて膝を曲げて見せる]

 うっかり出来てしまった無名のヒーローの席だけは
 まだもう少し、座るかもしれないけど

 それが終わったら今度こそ、
 あちら側には行かないつもりでいるよ。 

 ラジオの方は、打ち切られない限りは
 続けるけど。

[ 自分を大事にする覚悟をきちんと、
 表明できたのはきっと、今、自分の隣が
 空白ではないから。

 テレビの画面の中、決め台詞を言ってる
 昔の俺には悪いけど、少しだけ
 視聴者の視線は、貰うつもり。* ]

[そしてデートプランが立っていく]


 どっちが好き? おすすめの方にしよう
 ……ああ、お客様はこういう気持ちなのかな、料理を待つとき

 プリ
 やったことない、それしよう


[ロッカーにかさばる花束を。
ぬいぐるみは、預けない。バッグの中身に余裕を作ってきたし]



 行きたいところ?
 どこかな

 いこ


[花束を預けたらその手は空くね? 手を差し出した*]

[缶ビールは冷えた方がいいけれど、
 サワーなら多少冷えてなくても味は分かる。
 あまりにも温くなれば氷も足すことも視野に入れるが
 そこまで時間をかけることはないだろう。]

 
  大丈夫。
 

[断りを入れて、開けたプルタブはコーラの方。
 しゅわしゅわとアルミの中で泡が踊る。
 毎日飲む程じゃないが、
 たまに飲みたくなるのは何故だろう。

 慣れ親しんだ味を、口に含みながら。
 瞳に映るのは、爆発のシーンだとか。
 友情を育むシーンだとか。
 時に恋愛事情も混じりながら物語は進んでいく。

 一日に全部見ることは無理だろう。
 それでも、自動再生されていく話数が増える度、
 進んでいく物語は、子供の頃を思い出して
 懐かしくもあり、出演者の傍らで眺めている。]

[羞恥に沈んでいく姿を横目に笑いながら。
 ピザの合間にピクルスを食んで、
 カリ、と音を鳴らせた。

 程よく味が染みていてカルボナーラで
 まろやかになった口に酸味が効いてくる。

 料理を楽しいと話してくれた。
 以前はやる気になれば、の程度だった話。

 真剣になる理由を聞いたなら、
 店のことを思い浮かべて、分かります。
 と、短く同意を示しただろう。

 美味しいと言ってもらえる人が居るからこそ、
 料理の腕は育つのだと思う。

 だから、ピクルスにも。サラダにも。
 美味しい、と彼に重ねて告げて。笑って。]

[少しずつ角度が鋭くなっていくピザの形。
 Mサイズにしたから、食べ切れるだろうか。

 二日酔いの理由を聞いたなら
 少し苦笑も浮かべたくなるもの。]


  そんな理由で飲まされたんですか……。
  高野さんが飲める方だったから、
  良かったのかもしれないですけど。

  それ、軽いアルハラじゃないですか。


[渾身のメイクかと思いきや、二日酔いで陰を作った理由。
 子供が知ったらどれほど悲しむだろう。
 できれば俺も、知りたくなかったです。というのは、
 ひっそりと心の奥底にしまっておくとして。
 (男はいつまでも心は少年のままなので)]

そーゆー定番もいいけど、ホテルのアフターヌーンティーとかも行こ。
ひとつのケーキちっちゃいし、いろいろ楽しめるかも。
それでゆっくりお茶しよう。どれがおいしいとか言ってさ。

[ふわふわのワンピースでそんな時間も、絶対に楽しい。自信がある。
 小さいケーキも、こんなときばかりはありがたいね。]

王子と王子もする? 王子コーデ探さないとな。
シャミさんなら、ショートパンツスタイルでタイツとかハイソックスでもきれいだろうな。

[うんうん、頷いて想像する。
 今度はダークレッドを探そうかな。]

 


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