人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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【人】 役者 セロ

―Madam March Hare 料理を待ちながら―

[今日は静かだ。
 ここしばらく賑やかだったから、余計にそう感じるのだろうか。

 いつものように彼女に声をかけるでもなく、カウンターの端に座る彼がいる。いままでなら、隣に座っていたのではないだろうか。彼の気持ちを察することはできないし、私から何かをすることもない。>>34>>81
 仲のよさそうな、賑やかに食事をしていた彼らであれば、かける言葉もあったのだろうか。


 二人は映画を見てくれたのか、どうだったのか、面白かっただろうか。感想を聞いてみたい気持ちはあったがどのように声をかけたらいいのかわからず、いつも通りに食事をした。]**
(103) 2023/03/11(Sat) 23:54:02
玲羅は?


兄弟とか居るの?
ご家族のこと、好き?


[あんまり聞いた事無かったなーって。
もしも『好き?』て質問に躊躇うようなら。
別の話しを聞こう。
でも、この芯の強い人を育てた環境には。
やっぱりとても興味があったから。知りたいって、思った。*]

メモを貼った。

メモを貼った。

── これゼミでやったことあるやつだ! ──

[宿題には花丸がもらえました!!
あんまりもらっちゃいけない花丸ですね。]


……先生役がクビなら。
これからは同士としてよろしくお願いします!!



[これもあんまりいかんヤツですね。]

神田さん超頼りになる優しい人だから。
お幸せにね。

俺は嫉妬されないよう時々空気になります!!
流石に色々学びました!!
神田さんには
『俺は玲羅一筋だ』
って言っとくね。

でも……
それでも妬いちゃうのが、おもちみたいだからねぇ〜。


[ここら辺はとっても難しいのです。
栗栖くんでは分からない範囲なのです。
まだ習ってない!!
けれど流石に末っ子佑一との出来事は堪えてるから。
長男にまでそっぽを向かれないように。
大咲さんとも長男神田さんとも。
仲良くしたいなって思ってはいるのでした。**]

── お兄ちゃんにご報告 ──

[そうして俺はしっかりと。
お兄ちゃん(神田さん)に。『恋人が出来ました。』の報告をしましたよ。相手が玲羅だってこともね。]


神田さんが教えてくれた散歩道すごく綺麗だった。
ありがと〜〜〜。

それでね。あのね。えっとね……。

神田さんもおめでとう。



[耳元でこっそりと。
いやだってあのクッキーのくだり、俺の真横でやってたんだぜ?
気が付かないのは無理がある。
全部を全部見ないふりで流した俺は褒められるべき。
誰が褒めなくても自分で自分を褒めます。

そう言って笑った俺は。
『ところでもう登山誘ったの?』とか聞きました。
確か手が繋げるんだっけ???なんてね。**]

メモを貼った。

―― 隣の席 ――

 そうだね普通に、隣から聞こえるし、
 鴨南蛮食べるよ。

 麺、啜るの恥ずかしいの

[ ボケ殺しもいいとこですが、
 知ってて声かけたよね。

 結果的には鴨南蛮も食べることになったので
 悪魔の囁きげに恐ろしき。 ]

 そうだね、ずっとってわけじゃないけど
 この時間だと、チャンスがあったりするから。

 つい、ね

[ この時間?と問われれば、
 なんのと聞き返されそうな答えを放ったが。
 
 聞き返すよりも先に、鴨南蛮が届いて
 しまえば、一度はその話題は流されただろうね。

 だって南蛮蕎麦なんて、熱々じゃないと
 美味しくないでしょう?

 思惑通りか、やったー
 神田くんが声を上げたなら、自分も蕎麦を
 啜り始めた。* ]

―― いつかの ――

 へぇデート上手く行ったの
 あの子でしょ、喋ったことはないけど

 お肉大好きな子。紹介してくれてもいいよ
 彼氏。

[ 隣に座る先輩
 実は見かけたものですから。
 うさぎの穴でのお食事デート。 ]

 誘えた。最高の日だったよ
 
[ 話が長くなりそうなら、今日は
 日本酒とか頼んで、ゆっくりしても良いかもしれない。

 彼氏が飛び入り参加しても、面白いなって
 俺は思っているんだけどね。* ]

[彼が『ヒーロー』だった頃は知らない。
 その名残がこの部屋にあったとしても。
 今は、まだ。

 あまり使われていなさそうな電化製品。
 冷蔵庫には飲料ばかり。
 不規則な時間の仕事。
 人気に左右される商売。

 何もかもが違い過ぎるから、想像がつかないこともある。
 ただ、今みたいに部屋で
 ゆっくりとくつろいで居る彼は、
 自身と余り変わらないような気がした。

 もし、広い浴室があると聞いたなら。
 自身の1ルームに設置されている洗面台と一緒の
 ユニットバスと比べて、羨むくらいはしただろう。

 今はまだ、そのことは知らないまま。]

[離れられない。
 どこかのラジオで言っていたのと似た台詞に笑う。
 許可を貰えたのなら後で体験してみることにして。

 スープの感想を横目に戻った後。

 食器棚の前で佇んでいれば、慣れた家人がやってくる。
 箱に入っているから気づかなかった。
 少し高い位置にあったものを取ってもらったものを、
 受け取りながら中を確かめる。
 
 うん、これなら使えそうだ。

 食器の有無には色良い返事が返されて。
 必要なもの、と聞いて思い浮かんだのは、
 今日ではとても使い切れないだろう調味料達。]

  
  良かった。
  今日だけじゃ使い切れそうにないから、
  使ってもらっても……、


[……と、そこまで言いかけて。
 後から入ってきた情報と
 遅れて繋ぎ合わせてようやく理解する。]

[『必要なもの』の意味。そこには。
 俺が増やそうとした食器と同じ意味が含まれていて。]


  ああ……、
  そうですね、その内。


[噛み締めるように感嘆を漏らした後。
 改めて、実感する。これからの意味。

 次に訪れる時には、食器以外にも。
 共にゆっくりと過ごせるようなラフな服を持って来ようか。]

[テーブルで隣り合いながら、言葉を交わす。
 店で立って眺めているのではなく、
 今日は一緒に食事をしながら。

 初めて、と言われたなら少し目を丸くしたけれど。
 使わせてもらったキッチンを思えば納得は行く。
 さっき脳裏に過ぎった以前の恋人は
 この部屋には当てはまらないらしい。

 味は好評のようで、
 彼の目が丸まり、感想が零れたなら。
 遅れてようやく自身も手を付ける。

 最初の一口は、自分ではなく
 誰かに食べて欲しい。味見は別の話。]


  それ、冷蔵庫にも入れてあるんで。
  明日以降にまた食べてくださいね。


[にんにくが効いているコールスロー。
 評判がよければ目を細める。]

[食べる度に驚くような声に、小さく笑った。
 店のように手をかけなくても喜んでくれることに。
 少し擽ったいような心地を覚えて。]


  スチーマー便利ですよ。
  コンビニでも売ってるベジタブルセット買って、
  肉重ねておくだけで蒸し料理になりますし。
  ポン酢で食べると、旨いです。


[宝の持ち腐れになっていたスチーマー。
 使い方を簡単に説明しておくのは、
 彼の普段の食生活を気にしてのこと。

 そんな中で不意に零れた笑い。
 目許を綻ばせてそんな感想を零す彼を見ながら、
 先程、話した食器の話を思い出す。
 
 その時に感じた、噛み締めるような何かを、
 彼も感じたのだと分かったら。]

 
 
  ここの方が店に近いから、
  朝、起きる時にゆっくりできそうですね。
 

[冗談混じりの言葉に、そう答えただろう。*]

メモを貼った。

[葉月の食レポによって桜カクテルのもう1杯の売り上げはなしになった。]


 『色味が綺麗に出てるね。さすが●●製アプリ』
 『人について書くのはあんなに「読ませる」のに、
  なんで食レポは』

 (やれやれと両手を挙げて首を横に振るうさぎスタンプ)

[送ったのはここまで。
店内では、写真を撮る以外でそう長くスマホを弄りたくないのだ。

料理に向き合いたいのもあるけれど。

「店員の白うさぎさん」である彼女の姿をできるだけ沢山見ておきたいもので。]

[彼女は自分の「魔除け」に対し、「そんな人はいない」と拗ねてみせたけれど。
明るく笑顔で客を迎えて、いつも客達が楽しく過ごせるような工夫を考えていて、何より料理が上手で優しくて可愛い、そんな彼女にとって「特別な客」でありたいと思う人々は絶対に多くいる筈なのだ。
それは彼女が躱せないだろうと疑っているのとは別の話。
他の客のことを、自分は全く信用していないので。

ああそれにしても拗ねた顔は可愛かったなぁ。
店員と客の立場から変わっていなければ、彼女が言う
「ばか」
があんなに甘い響きなことも知らなかった。

「単なる店員と客だった頃では見れなかった顔を、見れるのが
  堪らなく楽しい」

お揃いの感情が増える。
一緒に時間を過ごす内に、きっと、もっと。]

[彼女に施した魔除けにはリターンがあって。

仕事は勿論手を抜くことなく恙なく終わったし、
あれからも何件か取材をしたけれど、
頭が仕事モードから離れる度に、「つまみ食い」の味を思い出しては突っ伏したくなっている。

ただでさえ、あの日からずっとしつけ糸並みの強度の理性でぐらぐら綱渡りをしているというのに。]

[この日のフルーツはメロン。
鴨南蛮だけで珍しく満腹感を覚えてしまったから、結局後はメロンをそのままカットして出して貰った。
スプーンですくって食べるのも好きだけれど、少し硬い部分にフォークを刺して食べる時の果物と野菜の境界のような味が好きだ。

柑橘も好き。
りんごもバナナもぶどうも無花果も。

中でもとりわけいちごが好きになったのは。
いちご狩りの話をした時の彼女の反応が可愛かったから。
運転していたけれど、助手席で真白の目が輝いたことには気づいていた。

反芻して喜びを確かめようとする癖が彼女にはある気がする。
もう少し観察して答え合わせを楽しみたいから彼女自身には言わないが。]

――あの日の車内――

 うん、じゃあ一緒に作ろう。
 いちごと、スポンジと、ホイップクリームと、
 砂糖で出来た花やハートのトッピングなんかも
 用意してあるみたい。


[大丈夫、と彼女が口に出したなら、「本当?」と確かめる言葉は出さない。

過去を思い出さないようになるなんてことはまだ無理だろうが、
避けていてはずっと「ケーキ作り」が嫌な思い出だけになることを、
もう彼女は何年も身をもって経験しているだろう。

自分と一緒に作る思い出を増やしたいという気持ちが
「作りたい」という言葉として出たことが、とても嬉しい。]



 移動時間もあるし、温泉も入ろうと思ったら
 結構ゆっくり時間がほしいところなんだけど、
 いちごの季節が過ぎたらできないことだから、
 日帰りなら次の日のシフトが夜だけの時にしようね。


[「お取り置き」の受取日がいつになるのかはまだわからない。

真白を一番幸せにする日、
とっておきに可愛くしたいという想いがあるならば、

どんな風に過ごすかは彼女の希望に寄り添いたいから、
いちごを摘んでケーキボトルにする日でも、
遊園地への憧れを叶える日にちょっと良いホテルを取っても良い。
他にやりたいことがあれば勿論なんだって、
自分にできることが彼女を幸せに出来ることが幸せで堪らないから

その約束はまたじっくりふたりで話すことにしよう。]

[とりあえず次に昼間時間が取れる時には「お揃いのパジャマ」を買いにいこうと誘った。
真白が思う自分に似合う色が知りたい。
何ならパジャマだけではなくて、他にも彼女の見立てで何着か買い足せるなら。

自分の部屋が彼女の色で染まることが楽しみで仕方がない。

浮かれた自分のポケットには今、小さな封筒が入っている。
先日は急なことで用意が間に合わなかった。

銀色の小さな金属を渡された真白の反応を想像して緊張している。
閉店まであと、 ――――**]


[テーブルで睦まじく談笑していた二人は先に退店していたようだ。
良い時を過ごせるように心の中でエールを送る。

うれしい結果が聞けたのは、また後日の話。**]

メモを貼った。

[未来の旅行計画を立てる彼に。]

ふふ、そうだねえ。
それ用の貯金箱でも作る?

あ、そうなんだ!夏生まれ。
了解。じゃあ間に合ったら個別に祝うし。
間に合わなかったら旅行しながら一緒に祝お。

[彼の誕生日もそこまで遠い話じゃない。
その時は何をしようかな、何をしたら喜ぶかな。
少し先の予定を考えながら、そんな話をしていた。]

[そうして豆腐ハンバーグ。
遠藤に彼がレシピを窺っていたのは聞いていたけど
どこまで参考にしたのだろうか。
ネギ類の甘味に豆腐のなめらかさ。
彼も気に入ったらしい
ワサビは付いているのかな。

リスペクトだと少し苦笑しながら話す彼に
目を細めてもぐもぐと食べる。]

うん、でもほんとに美味しいよ。
ありがとね、作ってくれて。嬉しい。

[シンプルな塩むすびを一緒に食べながら
ず、と温かい玄米茶を啜る。
ああ、なんか。幸せだな。しみじみ。]


へえ――…

[そうして、聞くのは彼の両親の事。
お人好しで心配性な父と、
家計を切り盛りするしっかり者の母。
いつかの真珠の件の答え合わせも聞いて、
微笑ましさについ微笑みが零れる。]

そっかあ。
…良いご両親なんだね。

[感想は心から。

断片的なエピソードだけで
二人とも善人なのだろうことや
愛を受けて育ってきたのだろうことは窺えるし
その環境が彼の屈託のなさを形成したのだろう。

こどもから自慢だと、胸を張って言われる親は良い親だ。
そうでもない家庭も玲羅は多く知っているから余計。]

うち?
うん、好きだよ。兄弟はいない。一人っ子仲間だね。

[好きかと問われれば特に衒いもなくYESと答える。]

パパはね、普通の会社員。
私が一人娘だからかめちゃくちゃ親ばかで過保護で、
私には甘々。
実家出る時もすっごい寂しそうだったけど、
押し切って出てきちゃった。

[あ、余談ですが玲羅は社会人になって以降一人暮らしです。
また変なファンにストーカーされたら…と狼狽える父は
いい加減子離れしろと母に一喝されていた。
思い出して少し笑いそうになってしまいながら。]

ママは子供向けの音楽教室の先生しててねー。
私が歌とかダンスとか好きになったのはママの影響。

パパが甘い分容赦なくずけずけ物言うから
小さい頃はよく喧嘩したりしてたな。
大人になった今は友達みたいな感じだけど。

…でも、私がアイドルになるって決めた時も、
急にやめるって決めた時も、何も反対しなかった。

[玲羅がよく考えて決めたなら好きにしなさい。
悩んだ時には私たち親を頼ってもいいけど、
自分の選択に責任は持ちなさい。
あなたの人生なんだから。

そう真顔で諭した母のこと。
時には厳しく思えた母の
それが確かに愛だったのだと知ったのは、
きっと大人になってから。]


良いご両親だよ。うちもね。


[なんて冗談めいた口調で、けれど心から笑った。**]

メモを貼った。

[旅行用の貯金箱とか何それ楽しそう。
未来の約束に、心が躍った。
レシピはまるっと参考にしました。
でもプロの味にはならないし、監修は母だしね。
山葵つけたよ。2人で気に入ったもんね。
『美味しい。』と。食べてくれる人は嬉しい。


また作る。また一緒に食べよう。


[ああ。幸せだなって。
熱い玄米茶を飲み終わった彼女の手から。
コップを受け取って。]



[それから『
ちゅっ
』てキスをした。]

 

[愛おし気に目を細めて。玲羅を見詰めて。
怒られるかな?]


好き
だよ。



[怒られてもそうじゃなくても。
胸が満ち足りて幸せだった。]

[玲羅のお父さんとお母さんの話し。
聞いていて、目に浮かぶようだ。]


玲羅を心配したんだね。お父さん。
お母さんは、玲羅を信じてくれたんだね。
『玲羅なら大丈夫』って。

信じてもらえるくらい。
玲羅は頑張ってきたんだね。
俺の勝手な憶測だけど……

良いご両親だね。


[目を細めて。微笑みかけて。]

[お弁当を食べ終わったら。
そろそろ手作りアクセサリー教室に向かおうか。]


アクセサリー教室ってどんな事するんだろう?
どんな物が作れるのかなぁ?

ああ。そうだ。お弁当食べてる時に気付いたんだけどね?
玲羅。爪も綺麗だね。お姫様みたい。
玲羅はどんなアクセサリーが好き?


[屈託なく笑いかけながら。
軽くなったお弁当箱を、しまっていった。*]

[ 訪問客もほとんどなく、友人が遊びに来ることも
 あまりない。外で会うことのほうが多いのは、
 互いのため。

 故に面白いものは特にない自分の部屋だが
 羨むような言葉があれば。君の部屋にも
 興味が湧いた。

 調理具の数は比べ物にならないだろうし、
 日頃過ごす部屋の中には、趣味趣向が
 色濃く、出ているだろうから、まだ知らない
 相手の好き、が埋まっているような気がするから。 ]

[ 食器を増やしても、との打診に
 告げた言葉の意味については、
 正しく受け取られたようで。

 その内と返される。

 二人分の食器、それから服、部屋着、
 枕、洗面用品等、数え切れないくらい
 君の私物があればいいと思う。

 自分の家だと錯覚するくらい。 ]

 本当?嬉しいな

[ ささっと短時間で作ってくれた一品は、
 冷蔵庫にも保存されているらしい ]

[ プロの手に掛かれば、調理器具など
 数えるほどしかなくてもこれほどの料理が
 出来るということに、いちいち、感動してしまった。 ]

 さっぱりしてて、美味しそう。
 だし、俺でも出来そうだね。

[ 授けられた知識は、技術力を要さない
 簡単なもの。次に君がこの部屋を訪れる時には、
 使用頻度が増えている証拠に、キッチン台の
 手に取れる場所に、スチーマーはあるだろう。

 冷蔵庫の中にも、多くはなくとも
 食材は増えているはずだ。

 出来ることが少しずつでも増えていけば
 いつか、キッチンの中、狭いなんて言いながら
 共に立てる日もくるだろうか。 ]

[ 茶碗蒸しなんて、家で作るものとは
 思わなかったものだし、洋風の味付けが
 とても気に入って、瞬く間に空にしてしまった。

 表面の溶けたチーズと、コンソメの
 組み合わせが絶妙に食欲をそそったもので。

 好きだと以前言ったことを、
 覚えていてくれたからこそ、作ってくれたであろう
 スープも、スープ丼も。
 体を内側からあたためてくれた。

 加熱されて溶け出したネギの旨味が感じられる
 スープを吸った米が、また美味だった。 ]

 今日はさすがに冗談だけど、
 次は泊まってね。

[ もちろん、店に近いからという理由
 でもいい。君がここに居てくれるなら、
 理由なんて、なんでもいいので。 ]

[ それから食事を終えれば、
 片付けは自分がと申し出た。

 ほとんど食洗機が片付けて
 くれるし、君にもこの部屋で
 ゆっくりして欲しかったから。

 片付けを終え、コーヒーを手に
 戻れば、君は何をしてただろう。

 ダメになるソファに吸い込まれたり
 していたなら声を上げて笑ってしまって
 いただろう。

 深夜と呼ばれる時間になる前には、
 送りたいと言い、再びジャケットを羽織った。

 帰り際玄関で、頬を撫でながら
 いい?と問いかけた後、どうなったかは
 君の返答次第かな。* ]

メモを貼った。

―― 鴨の日 ――

[カウンターに響く蕎麦を啜る音が二つ。
 七味を振りかける神田と、
 そのままを楽しむ高野を交互に眺めながら、
 二人の水を注ぎ足しておく。

 神田からの問い掛けには。]


  はい、そうです。


[天ぷらは確か大咲が作ったと記憶している。
 ゆっくりと味わうように器を傾け味わう。
 そこから漏れた感想に、さすが、と微笑んだ。]


  厚削りの鰹を使ってるんです。


[だから、今日も一つ答え合わせを。]

 
  血合いの入った厚削りのものと、
  それから、香り付けに薄削りを後から。
  醤油は……何を使っているかは、秘密で。


[なんといっても店の特製なので。+109
 大体の回答は出したようなものだが、
 肝心なベースとなるものは伏せておいた。

 ネギも鴨も好評のようで、
 いつもの流水のように流れるような感想を楽しむように
 耳を傾けながら二品目を頼まれたなら。


  はい、かしこまりました。
  そうですね……、新じゃが使ってもいいですか。


[一言断りを入れて、作り出そう。*]

[二人の蕎麦を啜る音は、揚げる音と重なれば、
 いくらか相殺できただろうか。

 一方で口数の少ない高野に目を向けたところで、
 微細な感情の揺れまでは気づけなかったけれど。
 目が合ったなら、自然と細めて返していた。

 竜田揚げに彼が手を付ける頃、
 カウンターキッチンに戻れば、映画の話。

 邦画はあまり観ることがないから。
 説明されたものは欠片程度は聞いたことはあっても。
 観たことがないものだったけれど。

 一日では観られそうにない量に、
 思案するように伏した瞳を、ちら、と向けたなら。]


  配信なら、映画じゃなくてもいいんですよね。
  ……だったら、『戦隊モノ』とか観れます?


[タイトルまでは知らない。
 けれど、彼にならそれで何が観たいかは伝わるだろう。]



  観てみたいです。
  『ブラック』が活躍するところ。


[今はプライベートな時間を楽しんでいるだろうから。
 名前は伏せたまま、好きになったカラーを口にした。*]

[そんなリクエストを願った日だっただろうか。
 帰り道で、葉月の話題に触れた時。
 何故か顔を顰めたのを見たら、
 機嫌を取るように、絡めた指に少し力を篭めて。]

 
  葉月さんとは話してみたかったから、
  俺は構いませんが。


[構われるのが嫌なのだろうか?
 彼は純粋に高野のことが知りたそうに聞こえたけれど。
 お節介についてはまだ葉月の人となりを
 深く知らないから、微かに首が傾く程度。]

[指先から温度が伝わって、零れた笑いが見れたなら。
 心配する必要はなさそうだ。

 ねだるような問い掛けに返された応えは。
 期待通りの、いや、それ以上のものだったから。]


  『お父さん』の相手が『お父さん』だったら、
  ……驚くかな。


[少し崩れ始めた敬語には自分では気づかない。
 はにかむ姿につられるようにして、双眸を緩めた。*]

―― 二品目 ――

[新じゃがを手に取ったら、まずはよく洗う。
 皮がついたまま使いたいから念入りに。
 一口大ぐらいになるように、大きさは6等分ぐらい。
 手を入れた後は、
 キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取って。

 牡丹海老はお腹の殻を剥いてから尻尾へ。
 そうすると頭も尻尾もちぎれることなく綺麗に剥ける。
 頭と尻尾をそのままにするのは、
 見た目にも楽しんでもらいたいという思いから。
 こちらも下処理を済ませた後、水気を取って。

 彩りにはアスパラを。根本を切り落として。
 固い部分はピーラーで剥いて、5cm幅に。

 次に手にしたのはスキレット。オリーブオイル。
 勘のいい人ならばもう何を作るかは察せるだろう。]

[みじん切りにしたにんにくとアンチョビを
 アスパラと一緒に入れ、いい香りがしてきたら。
 新じゃがが柔らかくなるまでふつふつと。
 後から海老を入れたら、今度は赤く色づくまで。

 仕上げにパセリを少し散らして緑を深めたら。]

  
  海老と新じゃがのアヒージョ。
  こちらもお好みで、七味をかけてください。


[熱々のスキレットを木板に乗せてテーブルへ。
 食べれない海老の部分は、殻入れを一緒に添えて。*]

メモを貼った。


うん、楽しみにしてる!!

[また作るという彼に元気よく頷いてそう答えた。

ちなみに自分もお返し的なものを
したいという気持ちはちゃんとあるんだけども
それは今は心のうちに秘めて。


玄米茶を火傷しないよう飲み干し、
コップを彼に手渡した。]



  ――――、


[一瞬虚を突かれて、ぽかん、としたあと。
間近で微笑む彼の表情と台詞に
ドキリと大きく心臓が跳ねて。]

〜〜〜っっ、!! 


[ぶわわ、と頬が熱くなった。]


なっ、
も、……っっ、も〜〜!!
うーー……



[
だから不意打ちはずるいってば!!!

こんなところで、とか。誰かに見られたら、とか。
そんなことよりも愛おし気に目を細める彼と
うるさい鼓動の方に意識が持っていかれて。

赤い顔のまま、先程とは逆に
ジトッとむくれたような顔で
彼を見つめる玲羅だった。]




……私も好きだよ。



[拗ねたようにぽつ、と小さく返して。]

[そんな一幕を挟みながら両親の話を。]

うん、そうなんだと思う。

[色々あって迷惑も心配もかけたと思うけれど。
ずっと見守ってきてくれた、大事な両親だ。]

……そう、なのかな。そうかも。
ふふふ、ありがとー。

[頑張って来た――と、自分では
普段あまり意識することはないけれど。
なんだかしみじみとそう言われると
過去の色んな自分を肯定してもらえたようで。
胸に響く温かさに頷き。]

[そんな話をしながら弁当をたいらげて。
ごちそうさまでしたと手を合わせる。
後片付けを手伝いながら]

希望すれば結構色々作れるみたいよ。
ネックレスとか、ピアスとか。ブローチとか。

……えっ?あ、ありがとう。可愛いでしょ。
せっかくだから春っぽいネイルにしてみたんだー。

[爪を褒められて照れながら。
好きなアクセサリーを尋ねられば。]

私、髪伸ばしてるからさ。
髪飾りは色々集めるの好きだし、
ネックレスもイヤリングも時々するよ。

でも……

[少しだけ、間を置いて。]


あのさ。どうせ一緒に作るなら。
…ペアリングとか……欲しいな、って。

思ったりするんだけど……



[もじ、と少し気恥ずかしそうに申告してみたり。**]

[ 好きな食べ物。
 これまで何度も聞かれてきたことだ。
 
 日常生活に置いても、仕事上でも。
 当たり障りのない答えを要するものも。

 時にはスポンサーの顔色なんかも
 伺っていたかもしれない。

 何を食べても、おいしく感じられる
 味覚には感謝していたけれど。

 知らないものをここで食べる度、
 好きなものは、増える一方だったし

 ああ、これ好きだったんだな、と
 気づくこともまた、多い。 ]

[ 甘じょっぱいつゆには、
 鴨肉の風味が移り、より香り豊かに。

 肉厚な鴨肉は食べごたえも十分に
 ありながら、柔らかい。

 鴨なんてそんなに頻繁には
 食べないけれど、これもまた

 ああ、好きだったんだと、口に入れて
 気づいた

 そういう気付きを得る時、
 カウンターの中には、君がいる。

 本日もご機嫌麗しく筆舌に尽くす感想を、
 それに対する返答を、
 聞きながら、最後の一滴まで残さず
 鴨南蛮を平らげる頃には、

 鰹もいい具合に、揚がっていただろうか。 ]

 あぁ、……え、うわ、旨い

[ 鰹の竜田揚げ、下味をつけているであろうことは
 調理の過程を眺めていれば、知れた。

 ほんの少しわかるようになってきた
 とも言える。

 味の想像も僅かになら、想像できるように
 なってきたと思う。 ]

 この旨味、好きなやつだ
 にんにくと、醤油?
 あとはまだ、わかんないけど。

[ 続けて、二つ口にして咀嚼し飲み込んだ後の
 炭酸が、また美味しくて美味しくて。
 神田くん同様、そこそこ腹は膨れていたけど、
 もう一杯だけ、の酒は注文しただろうな。 ]

 うん、海外ドラマも結構あるよね

 え。
 ……観れる、けど

[ 以前続々と再生されるから見てしまったと
 言っていた海外ドラマは自分も見始めた所
 だったはずだが、『戦隊モノ』の言葉の
 指し示す所に気づいたら、わかりやすく
 照れるように片手で口元を隠した。

 だけどね、そう言われてしまうと、弱い。

 日曜朝ではない時間、若かりし頃の
 映像を君と、見る。その時、どんな顔を
 するか、想像に易かったな。* ]

[ 帰り道、今日はチャンスを掴めた日だった。
 こういう日、これから増えていけばいいと
 願っての来店時刻がうまく噛み合っての帰り道。

 面白くないという顔をした後に、
 絡まる指に力が伝わる。 ]

 ……そう

[ 反応は割に素直な方だとは思ってる、自覚ある。
 だけど、回りくどい言い方をすることが、
 あることにも、自覚はある。

 伝わっているかな、伝わっていないな。
 小さい男だと思われるかな。

 話してみたかったなら
 器の大きい男なら機会を作ることくらい
 なんでもないことのようにやってのけるのだろうか。 ]

 葉月、いいヤツだけど
 那岐くんが構われて、楽しそうにしてたら

 妬くんだけど。

[ 拗ねるみたいな顔、あんまり見せたくは
 なかったけど、君に関すること、
 わりと心が狭いようで。

 器の大きい男には、程遠い言葉を言い
 握った手を引き、口元へ持っていく頃には
 もう笑ってたと思う。

 少しずつ距離が近づくように、敬語が崩れ
 始めているの、嬉しかったし、可愛いと
 思っていたから。 ]

 あいつ酔ったら『お母さん』とか言いそうだけど
 驚くかな、どうだろ。

 好きな人口説きますって宣言してその後
 俺一直線に君に向かっていったから
 案外気づいてるかもね。

[ 夜
が月明かりに照らされて美しい。
 柔らかな光のもと、

 そう言いたくなる気持ちが、
 分かってしまったので。 ]

 綺麗だね

[ 自然と口から溢れだしてしまったな。* ]  

[熱いお茶を、零してしまわないように。
火傷しないように。受け取って。
玲羅が真っ赤になった。


……ふふっ。


[胸の内がくすぐったくて温かくて。
おでこにおでこをコツンと当てたら、顔を離した。
牛さんになる玲羅も可愛い。
小さな囁き声に、胸の奥から笑いが零れた。

[玲羅を育てたご両親。
何時か会ってみたい。
この明るく芯が強く優しい人を、育てた人。


ううん。頑張ったのは玲羅だから。
……でも、ありがとう。

何時かご両親にも会ってみたいな。


[そう微笑んで。]

[お弁当を片付けながら。
春色のネイルも可愛い。
本当に自分の魅せ方を知っている人。
アクセサリー、何色が似合うかな?
髪飾り、ネックレス、イヤリング……
考えて居れば、少し恥ずかしそうな囁き声。

俺は愛おしくて、幸せで、顔が綻んで。]


もちろん。作ろう?
俺が玲羅の作るから、玲羅は俺のを作って?


[ガラス石とか入れるんだろうか?
何色が似合うかな?何色が好き?
でも今一番聞きたい事は……]



ね。もっかいキスしても良い?**


 


――鴨南蛮の日――

 あー成程。
 それは家じゃ中々出せないね。
 「贅沢を飲んでる」って感じがするもんな……。

[那岐から正解が出されても、境地に辿り着くことはできない。
得たければこの店に来るしかないという訳だ。
どうか末永く続いていて欲しい。
繁盛し過ぎて座る席がないというのも困るのだけれど。]

[新じゃがは好きだ。
皮ごと食べられるのが良い。
自分が作った味噌汁にも皮ごと入れていた。

料理に関する勘なら任せて欲しい。
身を乗り出すようにして、緑がかった油の中を泳ぐ赤・黄・緑を見つめる。
にんにくの香りは満腹感を覚え始めた自分の脳を狂わせる。

帰りの事を考えているかって?
仕事柄、取材のはしごもある身、歯ブラシセットは常備しています。大丈夫。]


 こっちは七味は良いかな。

[油の泡が弾け切らない内に撮影を終え、柄の長いフォークを貰う。
アンチョビがかかったじゃがいもの色合いに目を細め、はふ、と口の中へ。

鴨南蛮で和風の味に満たされていた口が一気に気分を変えた。]

 あっふ、あふぃ、 はふ、あー……
 アヒージョ食べてると油たっぷりなのに
 涎すごい出てくるから口ん中大変になるよね。
 だがそこがいい。

 っ海老……ぷりっぷりで最高。
 頭も尻尾もつけたまま出してくれるのが
 ホント、ナギちゃんだなぁ……
 食べない部分も「旨い」って感じさせるのが上手。

[アスパラも噛めば撓むのではなく気持ち良く折れてくれる。
色味の面だけではなく食感的な意味でもバランスが良い。

「ナギちゃんだなぁ」の後に、少し前なら何の衒いもなく「スキ」!と勿論LIKEの意味で言葉を放ったのだけれど、意味合いが違えど今では出し惜しみする気持ちが出て来た。
それに、]

 遅めの時間だと注文減ってる分、料理の手元がよく見えて良いよね。
 さっきの、「チャンス」って、こういう意味?
 違う意味?

[そう話しかけられる位置にいる人の耳も割と気になることだし。**]

[鴨南蛮は醤油の出汁の香り。
 鴨の深みも口に残るだろうから。
 揚げ物の方は少しさっぱりと。

 思わずと零れた反応だろう音。
 今までとは違うのは、味覚が覚えたからか。
 親しい神田の癖が移ったのかもしれない。]


  そうですね。後、生姜も少し。


[彼とも答え合わせをして、頷きながら。
 少し酒の入った様子を仕事の合間に垣間見る。

 口元に運ばれていく箸を見ながら、
 ふと、過去に話した友人との下世話な話を思い出した。]

[――食事と性欲は密に繋がっている。
 その傾向も、食べ方で分かるらしい。


 初めて彼と出かけた日。
 初めてバイクに乗って、彼の家で過ごした日。

 次の約束を仄めかされて、
 彼が感心して止まなかった料理を二人で
 腹の中に収めた後。

 片付けの申し出に甘えて、
 柔らかなソファの心地よさに心ゆくまで沈んで。
 ダメになる理由をしっかりと覚えさせられて、
 狭い家に同じものが欲しくなったと零したりもした。]

[別れ際に、名残惜しそうに触れられた指先が。
 頬を撫でるのを少し擽ったく感じながら、
 見上げた時に瞳に覗いた微かな欲の色。]


  ……――、



[不謹慎にも、触れた柔らかな感触を思い出して。

 微かに、息を呑んだ。
 頬が、熱い。

[煩悩を振り払うように手元に集中した。
 神田さん、生憎と俺が作った料理に
 理性を保てる効能ないかもしれません。

 観たいもののリクエストには鈍い反応を見た時は。
 駄目かな、と思ったものだけど。
 後に見えた照れるようなリアクションを見たら、
 了承と捉えてもいいのだろう。

 戦隊モノは、子供の頃に少ししか
 見た記憶がないぐらいに薄い。
 それでも、本人の解説付きでそれが恋人であるならば、
 その時間が楽しいことは保証されている。]

[少し斜に構えた、後方から見守るような存在。
 それが俺の小さな頃に見た『ブラック』のイメージ。

 夜桜を見やすいように明るい街灯の下。
 まだ見たことがないもう一人の『ブラック』の方は、
 拗ねたような声で、可愛らしい嫉妬を見せた。


  ……ふ、


[分かりやすい反応に思わず、頬が緩んだ。

 握りあった手が彼の口元へ運ばれていく。
 だから、此方からも。
 運ばれた手の甲を、彼の唇にトン、と触れさせた。]


  心配しなくても、
  妬くようなことにならないですよ。


[斜めに曲がった機嫌は治るだろうか。
 笑っているから、きっと、大丈夫。]

[葉月の酔い方は目にしたことがある。
 あれは度数の問題もあるだろうから、
 毎回ああなる訳じゃないだろうけれど。

 自身も酒があまり強い方ではないから、
 共感する気持ちが強いのは否めない。

 『お母さん』と呼ばれる高野の姿を
 想像して、また笑いを押し殺しながら。
 彼が口にしたのは、あの日のこと。

 夜桜に視線を移していく彼を追って、
 見上げたら、ピンクの隙間に浮かぶ
 薄白い月が見えただろうか。]

[落とされる呟きに、微笑みを返す。
 脳裏に浮かぶのは、あの時流れていたBGM。]


  そうですね。
  桜も、――月も。


死んでもいい、
とは返さない。
 九死に一生を得る狭間を彷徨ったあなただから。]

[それから、]



  配信を観る日は、泊まってもいいですか?



[少し、躊躇いながら口にしたそれは。
 無事、受け入れられただろうか。*]

メモを貼った。

[ すっかり流されていたと思った話題は
 鴨南蛮を綺麗に空にし、竜田揚げも
 あとひとつ、というときに戻ってきたので
 こういうとこ、記者の気質なのかなぁとか考えながら ]

 そうだね

[ 軽い肯定で答えただろう。 ]

 神田くんも最近遅いよね
 目的は一緒?

 
[ 堂々と関係性を認める言葉を使わずとも、
 視線がカウンターの中に向かえば、
 察せるものはあっただろう。

 聞きすぎることを厭うような友人のことは
 信頼しているので。

 視線も、細まる目も、嘘はつかない。* ]

 ああ、言われたら生姜、
 分かる気がする。

[ 今までも、カウンター席から調理する姿を
 眺めることはあった、相手が誰であれ。
 生放送を見ている、そんな感覚で。

 けれど、今はそれだけじゃない。
 好きな相手が、料理が好きだから
 興味を持つようになり、解説本などを
 読んでいるうちに、より興味を持って、
 調理する姿を見るようになったので。

 単純に手際に見惚れていることのほうが
 多いのだけどね。

 仕事だから。いいや、それ以上の手間を
 彼らは難なく、こなしてくれるものだから。
 見ていて楽しいのも、本当だけど。 ]

[ 自分の出演作に、興味を持ってくれるのは
 俺が君の調理する姿を見ていたい、それと
 近しいもの、なのだろうか。

 それ以外にも出演作はいくつもあるが、
 あれが、原点。故に巧みな演技力など
 期待できるものではないけれど。 ]

 じゃ、次の休み、連絡して。

[ つい先日、目覚ましい仲間の活躍により
 配信が開始されたことは知っている。
 仲間のSNSにも大きく告知が出ていた。

 余計な一言も、添えられていたが。
 "仲間の活躍はいつでも嬉しいです"だとか。
 あの仲間という言葉は、自分にも向けられている
 事はすぐに察することができたよ。

 その情報に紐付けられていた
 当時の記念写真は、五人で撮ったものだって
 山ほどあった筈なのに、六人で写ったもの
 だったから。 ]

[ 小さな笑い声。

 引き寄せた手の甲が、唇に触れる。 ]

 なら、いいけど。

[ 心の狭い所、見せてしまった。
 みっともないな、と胸中で呟く。

 けど、ただの男なので。
 そういう所も、たまに見せてしまうだろうな
 これからも。 ]

 心配はするよ、俺が好きになった君だからね
 でも、ほんとに良いやつだから

 紹介は、したい。

[ 本当に俺の恋人は、俺の機嫌を取るのが
 上手で困る、餅焼く暇も、ないくらい。 ]

[ 夜と言えども、気候は温暖。
 花散らすほどの風もなく、おだやかなもの。

 告げた言葉の意味は伝わっただろう。
 繋いだ手はそのままに、

 ゆっくりと下ろし、こちらも少し応えるように
 力を籠めた。 ]

 はい、もちろん。
 その日まで届くかな

[ 答えた後で、脳内でリフレインした。
 少し躊躇うようにして、問われた言葉 ]

 ダメになるためのアレ
 もう一つ、注文しちゃったんだ。

[ 歩みは止めないままで、何気ないことを
 話すように、努めては見たけれど、 ]

 すごいドキッとした。
 

[ 誘われているようで、つい口にしてしまった。
 その日は遠くない。休みの日を確保する算段は
 既に立ててあるから。

 うるさい心臓の音までは
 聞こえていないと思いたい。* ] 

 ― 過日:うさぎ兄妹の戯れ ―



[ ところで成人男性がついてくる事故物件(疑惑)の、
  ついてくる、はどっちの意味なのだろうか。
  文字通りひとり同居するということなのか
  漢字に変換すると憑いてくる、になったり──?
  ……ホラーが苦手な大咲は考えるのを止めた。

  ご機嫌取りのような、親しみを込めるような
  そんな優しさで数度頭を撫でられれば
  笑うように目を細めた彼が、首を傾げて。 ]


  ……えっ


[ 反撃。……ではない。ようだ。
  良い感じの恋バナ出てこないかなぁとかいう企みは消え
  まごついている間に、瑞野の視線は、ある一点へ。 ]

 

 

[ 視線の先、少し遠くに見えるのは
  つい最近なにかと世間様で話題の彼しかいない。
  無意識なのか、それとも意識しているのか
  …恐らく前者であろう笑みを、妹はしっかり目撃した。 ]


  ……はぁい。
  待ってます、話してくれるの。

  美澄くんの面倒は……が、がんばります……。


[ アルコール度数18度のカクテルを初手に堂々作ろうとは
  何とも肝の据わった期待の大型新人だ。
  兄の教育方針を受け継ぎ、神妙な面持ちで頷いた後。

  きっと彼にしか聞こえない小さな声で。 ]

 

 


  あの。
  ……これ、まだ、瑞野さんにしか言ってないんですけど

  最近、……なんですけど
  好きな人に、彼女にして貰えました
  …ちょっと浮かれてても、見逃してください、ね?



[ つられるように流した視線。
  きっとそれだけで、相手が誰かも悟られるかもしれないが。

  最後の一撫でをにこにこご機嫌で受け取って
  "早く
が咲きますように"と
  その背中を見送るのでした。* ]

 

― 鴨の日にて ―



[ 大咲が速崎からの返事を受け取ったのは、
  店長への言付を依頼した翌々日のこと。
  便箋のサイズと比べれば短い簡潔的な返事でも
  "縁は切れない"ことを実感出来る内容に
  どこかほっとした面持ちで読み終えてからは
  少なくとも、仕事中のやり取りが微妙な空気になったりとか
  そんなことは起こらなくなった。

  ────そして鴨肉の日、うさぎの穴にて
  白うさぎたる大咲は、あまり厨房には立てなかった。
  決して自信喪失などではなく、理由は幾つかあるが。 ]


  ( だ、大丈夫かな、美澄くん…… )


[  ちらっと縋るように此方を見る新人うさぎ。
  絡む視線に色濃く滲む不安の色。
  ひとつめの理由、即ちカクテル作りの独り立ち。 ]

 

 

[ 「作って良いよ」とカクテル指導役の大咲は言ったものの
  そんな子犬のような目で縋られると、つい。
  付かず離れずの距離に立ち、谷底へ子ライオンを落としつつ
  カクテル作りを見守っていた …が。

  どうやら、先日のような惨劇は起こらない様子。
  ソーダできちんと"割る"ことを覚えたうさぎ一羽へ
  零したのは安堵の息。 ]


  セーフ……。


[ 雲行きが怪しければ即座に止めに入るつもりだったが、
  今後もその心配はせずに済みそうだ。
 
なおこの桜カクテルの追加注文は、
葉月の食レポ赤ペン先生により無しになった様子。
先生とはいつの時代も厳しいものである。
 ]

 

 

[ 見守りを終えた白うさぎは、お客様に捕まることが多く
  神田の来店にも暫くの間気付けなかった。

  ランチが美味しかったから夜も来ました、と言われたなら
  笑顔で礼を返し、夜営業の説明をして。
  そうしているうちにオーダーが別卓から入り
  一押しの具材は? どんな調理がオススメ?
  お姉さんが好きな料理は? なんて名前なの? …とか
  一個一個丁寧に聞いてくるなぁこの人達……と思いつつ
  律儀に接客していたら気付けなかったという有様。


  しかし、実った恋へご機嫌な大咲は、
  無意識に全ての「ワンチャン狙う客」を絶妙に躱した。
  ある意味"魔除け"の効果である。

  高野と食事をする神田の姿をふと見捉えた時、
  「あ」と微笑んだのも一因かもしれないが。 ]

 

 

[ 過日の車の中、「もう大丈夫」と口にした大咲に対し
  彼は大丈夫か問うことをせず、未来の話をしてくれた。
  "一緒に作る"なら、きっと大丈夫。
  作りたいと思う気持ちを尊重してくれる優しさに甘え、
  「えへへ、楽しみです」と大咲は微笑んだ。

  どれだけ時を重ねても、あの記憶は良い思い出にならない。
  代わりに大好きな人と素敵な想い出を作るのだ。
  ケーキ作りの最初の一歩は、彼と。 ]


  未来の約束ができるのって、……しあわせですね


[ 急がなくても時間はたくさんあるから。
  ひとまず直近の昼間が休みの日だけを教えることにして
  お揃いを買いに行くお誘いへ、頷いた。
  選ばせてくれるなら、彼の服も勿論見立てたい。
  それに合わせたデート服を新調するので。 ]

 

―― 勘のいい人 ――

[贅沢を飲んでる。
 下準備を請け負った身としては嬉しい一言。
 
 良質な素材を使うことは当然であっても、
 見栄えのする視覚に捉われてしまうのは人の性。
 ベースとなるものに気づく人は意外と少ない。
 
 そこに気づいてくれるのが神田だ。
 彼のような人が店の常連になってくれることが、
 誇らしく、より腕に磨きを掛けたくなってしまう。]


  黒原以外にも、大咲がデザートを担当する
  機会を増やそうっていう話が出てるんです。

 
[不意に、そんな話をしたのは。
 昼と夜の狭間でディナーに出すデザートの
 準備をする彼女の姿を見る機会が増えたから。] 

[それが、目の前の人の影響があったとは。
 まだその時は知らなかったもしれないし。
 大咲から既に聞いていたから、話したのかもしれない。]


  秘蔵は教えられませんが、
  大咲ならぽろっと口にするかもしれませんね。


[最近柔らかくなった彼女は、
 その時どこに居ただろうか。
 軽く視線を向ければ反応があっただろうか。

 そんなやりとりを交わした後に運んだアヒージョも
 しっかりと食レポを貰って、

 『ナギちゃん』と親しみを篭めて呼ばれることにも、
 躊躇いを感じなくなってきたのは、いつからか。]

[口されることのないLIKEに、
 こちらから向けられるのはI owe you one.
 気づかなかった心配りとは、また別に。
 いつもこの店に足を運んでくれるお客様へ。

 アスパラを食む姿を楽しみながら、
 不意に高野へ飛んだ問い掛けには、
 チャンス?と、首を傾げたことだろう。**]

 

[ そんなことを不意に思い出しながら。
  貝沢と栗栖が退店するのをしっかりばっちり見送って、
  おや、あの感じは……? と訝しみつつ
  大咲は白いリボンを揺らし、まなじりを緩めた。 ]


  ……春だなぁ


[ グッドラック、といつぞやの貝沢が葉月の背を押したように
  今度は大咲が心の中、頑張れ、とエールを送ろう。* ]

 

メモを貼った。

【人】 役者 セロ

―Madam March Hare カウンター―

[筒状の切り身にナイフをいれれば、とろりとしたムースとソースが溢れてくる。凝縮されたヒラメとホタテの旨味が、口いっぱいに広がる。添えられたサラダがソースに合うこと!]

 ふわふわ…とろとろ…おいしい…

[バター焼きは、外はかりっと中はふわふわ、レモンをかければさっぱりと。添えられたカリカリベーコンも野菜も、とても美味しい。お酒を飲みたくなるが、明日は学校なので我慢我慢……。]

 おいしいー!
(147) 2023/03/12(Sun) 18:41:02

【人】 役者 セロ

[カウンターの方は、なにやら店長の話で盛り上がっているようだ。
 うんうん、あの人可愛いよね。

 ヒラメとベーコンに夢中になっていると、ゲイザーが声をかけてくる。何やら真剣な表情に、食べていた手をいったん止める。
 ナンパの言葉にハテナを浮かべるも、続いた言葉に以前のやり取りを思い出した。]>>142

 ああ…うん、いいよ。 
 友達と映画行くことってあんまりないから、楽しみ。

[友達でもない、仲のいい店員と客。それでも彼女と友達になれるなら、なれたら嬉しい。そう思って快諾した。直接感想を聞けるチャンスでもある。]

 チエさんたちも予定合うといいけどね。こういう仕事だと難しいかな。

[彼女の真意に気づくことはなく(可能性など考えもせず)、素直にその誘いに応じた。]**
(148) 2023/03/12(Sun) 18:41:54
役者 セロ は、メモを貼った。
(a29) 2023/03/12(Sun) 18:43:36

 ― 合間にて ―



[ デザートの担当者は、現状のうさぎ穴では
  主に黒原、いなければ大咲以外で作れる面子が。
  といった具合だが あのクッキーの日を切欠にして
  「クッキーはもう平気。それ以外は、きっと近いうちに」と
  出来る範囲でデザート担当の機会を増やす話は出ていた。

  それでも、例えば。
  他の人のデザート準備を少しばかりでも手伝ったり。
  デザートプレートの仕上げのデザインを考えたり。
  そんな些細なことだが、それさえ今まで避けていたこと。

  クッキーは、もう一人でも準備出来るようになった。
  長年続いてしまった苦手意識の克服の為に
  まずはクッキー系のレパートリーを増やそう、と
  そんな話も兼ねての、デザート担当機会を増やす計画。

  それ以外も、少しだけでも手伝えているのは
  一から彼へのケーキを焼いた時、
  彼に美味しいと思って貰う練習も兼ねたいから。
  ……何せ、何年も作っていないので。初心者なのだ。 ]

 

 

[ 彼氏、出来ました。と打ち明けた瑞野には
  そんな心情も話していた。
  ソースアートのコツを教えて貰うおねだりもして。 ]


  ( ……? )


[ 不意に視線が瑞野から飛んできたのを受け取れば
  首を傾げ、にこ、と微笑みを返して手を振った。

  丁度その時は新規に近い男性客二名の接客対応中。
  てててっと話へ混ざりには行けなかったが。* ]

 

 ― その後、閉店間際 ―



[ カクテルのオーダーについ目を配ってしまったり。
  常連様よりは新規様の対応が長引いたのもあり、
  大咲が神田の方へ近付けたのは閉店間際だった。

  白いリボンとうさぎの耳を揺らし、
  ひょこり、カウンターの方へ近付いて ]


  神田さんっ、こんばんは!
  さっき瑞野さんたちとなにかお話してました?


[ 鴨肉美味しかったですか〜? と、明るい声音。
  名前で呼ばないのは、まだ今はお店の中だから。

  夜にお店へ来ているということは、今日は無理じゃない日。
  早く手を繋ぎたいなぁと思いながら
  「店員の白うさぎさん」は何気ない調子で問いかけた。* ]

 

メモを貼った。

[こつ、と額に当てられる温度はすぐに離れたけれど
火照ったままの顔は引かずに。
笑う彼を一頻り睨み、話題は家族のことへ。]

………うん。ぜひ。いつか会いにきてよ。
瑛斗のご両親にもそのうち会ってみたいしさ。

[そういえば高校卒業以来
何人かと付き合ってはきたけど
今まで彼氏をちゃんと親に紹介したことってなかったんだよねえ。
パパはわーわー言いそうだなあと浮かんで苦笑したけど
まあまあ、その時はその時で考えるとして。]

[そうしてアクセサリーの話。
付き合ってすぐ指輪ほしいって急すぎるかな?なんて
少し恥ずかしくなりながらの申し出は
快諾されたようでほっとする。

ぱ、と安堵に笑みを浮かべて。]


良かった!!
うん、じゃあ私が瑛斗に贈るね。

一応向こうで参考に
デザインの写真みたいなの見せて貰えるらしいよ。
多少どんなのがいいか考えといたほうがいいかなあ。


[なんて言いながら一緒にお弁当を片付けて。]



 ……、


[続いた台詞に一瞬固まる。
少し引いた顔の熱がまたぶり返して。]



………………ここ、外…、だよ?



[困ったのと照れたのが入り混じったような顔で
眉を下げて、赤い顔でじ、と彼を見つめる。

ダメ、って言わないのが
きっと答えのようなものだけど。
**]

 ― 過日・誰も知らない大咲の話 ―



[ 車で彼に家まで届けて貰った、その後のこと。
  ランチタイム営業に客として赴く気分でもなかった大咲は
  "特別な人と一緒に住む"未来を想像し、
  いつもと変わらない筈の、からっぽの自宅を見渡した。


  ──…実家、か。
  想いの糸を結んだ日に交わした何気ない会話の中で、
  実家というものを曖昧に答えたことを思い出す。
  まだ母がそこにいるのか、分からない。
  もしかすれば再婚のひとつやふたつ、しているのかも。

  実家を出たあの日、大咲は新しい住所を教えなかった。
  母も最後まで尋ねては来なかったから
  別に今更、大咲が恋人と同棲しようと何をしようと
  肯定も否定も寄こされはしないだろう。 ]

 

 

[ だからこれ以上、触れる必要はない。
  ……本当にそれでいいのかな。

  お菓子作り全部が平気になって、
  作る時の記憶もぜんぶ、彼に塗り替えて貰えても。
  "多分縁が切れた、もしくは切られた"のか分からないような
  宙ぶらりんで、いいのかな。


  …………よくないよなぁ。
  幸せにしたい、と心から告げてくれる彼の誠意を
  このあやふやさのまま答えるのは不誠実だ。 ]

 

 


  [ ────なにも詰まっていない、空っぽの。
    ケーキのスポンジみたいな人生だったと思う。

    そこに、うさぎ達やお客様が
を与えてくれて。
    何の彩りもないスポンジに、
    彼がクリームやフルーツをめいっぱい添えてくれた。
    混ざり混ざって、
になった。

    今の私は、その
さを
    ちゃんともう知っている。 ]


 

 


  ────────……向き合わないといけないのは
  こっちも、だよねぇ……。


[ 大咲真白は、母を嫌っても恨んでもいない。
  どんな最終回答が来ても、
  高校まできちんと卒業させてくれたことを感謝している。

  ……大咲はその日の昼。
  とある番号へ、ひとつ、電話を掛けた。* ]

 

[俺の両親に会うのはもちろんOK
きっと喜んでくれるんじゃないかな?
それとも変な反応するのかな?
全く想像つかないけど、玲羅ならきっと大丈夫。

指輪の話しを快諾したら、安心したみたいだったから。


…………俺もね。

指輪、贈って良い物か迷ってたから。
背中押してくれて助かった。

玲羅のそういうところ、とっても好き。
これからもよろしくね?

デザインに拘りは無いけど。
出来れば何時も身に着けてたいから。
奇抜過ぎないのが良いな。


[俺の意見も述べました。なんだか嬉しいね。]

[質問の答えは、解答になって無い気もしたけど……


確かにここ、外だね。


[言ってる事はもっともだ。
だから俺は右を見て、左を見て。
それから掌で二人の顔を隠して。
一瞬だけ唇を触れ合わせた。]

次から気をつけまーす。


[気をつけるだけね。守れるとは言ってない。
困ったものだね。]


幸せだなーとか。好きだなーって思うと。
キスしたくなっちゃう。

……困ったね?


[くすくすと笑って。立ち上がろうか。]

[俺は玲羅に手を差し出した。]


じゃあ、指輪作りに行こ?


[それから素直に恋人繋ぎに移行したんだけど……
じわじわ照れるのを抑えられなかった。

キスより手を繋ぐ方が恥ずかしいってどういうこと?!!

俺は耳まで赤くしながら玲羅に情けなく笑いかけて。
それから幸せそうに目を細めて。
軽くなったお弁当箱をもつと。
バス停までの道を、2人で歩き始めた。**]

 ― こらそこ、ゼミじゃありませんよ! ―



[ あんまり喜ばしくない花丸ではありますね。
  そして先生も無事に赤点決定なので、
  めでたく(?)クビになってしまうわけですが。 ]


  えっ 
やだよそんな同士!



[ 鈍感天然同士ってことですか!?
  事実どころか大咲の方が多分鈍感だった気もしますが
  いやでもそれはやっぱりちょっとご遠慮したいな!?

  大咲はちゃんとあの日、気付いて一回遠慮しましたので。
  しっかりノーと言える大咲真白を示しておいて。 ]

 

 

  ……ん。ありがとう。
  そうだね、栗栖くんになんかアドバイスしてたもんね?


[ 残念ながら所々のワードが、その、…アレだったので
  大咲は会話の全貌を実は知りませんが。
  言葉のインパクトしか覚えていない。 ]


  うーん……おもちねぇ。
  栗栖くんには妬いたりしない……と、思う、けど。
  だってデートの相談乗ってたの、聞いたもん。

  でも、栗栖くんとも貝沢さんとも
  せっかくの"素敵なご縁"、続けていきたいからさ。
  妬かせちゃったら、ちゃーんと好きって伝えるよ。


[ 自分の嫉妬心はちゃっかり棚上げしながらも
  元・赤ペン先生がこんな会話を繰り広げたのは
  きっと鴨肉の日より後日のことだっただろうね。* ]

 


 あはは。
 うん。 ――ありがとう。
 十分だ。

[高野の立場、そしてその視線の先の相手のことを思えば、あからさまな答え方はしないだろうと思っていた。

「目的は一緒」、だから通じる。
信頼されている。
それが嬉しい。]

 ああでも今日はちょっと遠いんだよね〜……。

[具材がなくなったスキレットに映る顔はほんの少し拗ねている。
今日、彼女に近づく客、多すぎない?

魔除けの効果、重ね掛けしようと決意する内心。

仕事の邪魔はしたくないし、自分の相手だけしていられないことはわかっているけれど、遠い時。
きっとこの複雑な心境は高野ならわかってくれると思って。]

[那岐の料理を手放しで褒めるのはいつものこと。
寡黙な彼がそれに多くの口数で答えてくれることはあまりなかったが、最近はよく話してくれるような気がする。
「目的が一緒」の彼の影響かどうかは知らない。
これまで自分の独り言のようにしてきた料理の感想を受け取る反応に自分が漸く気づいたというだけかもしれない。]

 うーん、
 「ぽろっと口に」出させたくはないなぁ……。

[秘蔵の醤油について言われたなら苦笑を返す。
想いを担保に彼女の領分を侵す男にはなりたくない。

両想いを言葉で確認した日、「うさぎの穴は例外」とつけることを忘れなかったくらい、この職場を愛している彼女だ。
そしてそんな白うさぎの姿にも惚れている自分だから。]

 食べたくなったらここに来るよ。

[そしてそして愛しているのは白うさぎだけだけれど、紺色うさぎの味も自分の命を形成するのに欠かせない一要素なので、白うさぎを捕まえたからと巣穴を覗かなくなることはないのです。]


 そっか。
 じゃあその時を逃さないようにしないと。

[デザート担当の話を聞けば、口角をあげて黒板を見遣った。
あれからはまだ、そこに「大咲」の文字は咲いていない。

準備や仕上げのヘルプに入る機会が出て来たという話は本人から既に聞いていた。
今まで避けていたそういう仕事に関わるようになった彼女の心境を那岐が聞いているかは知らないが、これまで作らないことを責めずに、作り始めることに対しては好意的でいてくれるのだろうということは伝わった。]


 
……応援してる気持ちに嘘はないのに、

 
独り占めできないのが寂しかったりして。



[那岐の視線に微笑み手を振る真白。
花が咲いたように可愛いその笑顔は、どうかその男性客に向き直る時には仕舞っていてほしい。
ほら、間近で見た客がドキっとした瞬間が見えた。]


 
…………眼光鋭くするトレーニングって知らない?高野さん。

 僕が睨んでも牽制どころか目が悪い人にしか見えない気がするんだよね……。


[視線ひとつで悪い虫を退散させる少女漫画のヒーローは、自分とは縁のない存在だと思っていたが、あまりに可愛い彼女が出来たら切実に番犬属性が欲しくなってしまった。

想いを担保に彼女の領分を侵す男にはなりたくないのに、純粋な客でいられない悋気。]

――閉店間際――

[それから何度もヤキモキして、カクテルの教育係になったという新人にもハラハラした。
何せまだ彼が客だった時、泣いている彼に優しく接している真白を見ているので。
「あんなん好きになるしかないじゃんね」と傍から見ていて思ったものだ。
実際のところはどうかは知らないが。]


 落ち着いた?マシロちゃん。
 鴨南蛮も、海老のアヒージョも最高に美味しかったし、
 今メロン頂いたとこ。

 今日はずっと忙しそうだったね。
 お疲れ様。メロン、シェアする?


[シェアは珍しくないこと。
取り分けて別の皿、或いは手付かずの部分を少し新しいカトラリーで。

けれど今日はちょっと焼き過ぎた餅が黒焦げになりかけなので。
自分のフォークで刺した一切れを差し出すのだ。

苗字で呼ぶというけじめをつけてくれている彼女を困らせてしまうだろうか?*]


 話してた内容はね〜、
 秘伝のつゆがおいしいって話と、
 マシロちゃんがデザートに関わるのが増えたって話と、

 マシロちゃん目当ての客を追っ払える程の視線の強さをどうやったらトレーニングできるかなって話……?

[真白の視線が自分を見る時にぱあっと明るくなることで、密かに想う客は引き下がってくれるだろうけれど、自分がもう少し「強そう」ならばしつこい客から護れるのかなというのは最近の目下の悩み。

まあ見た目が強そうになったらそれはもう別人ビジュアルなので、好きでいてもらえるかという別の不安もある。*]

[納得したのか、していないのか。
 語尾についた『けど』には微かに、
 見えない残り香のようなものが垣間見えたが。

 胸中まで察することは出来なかったから、
 笑うだけに留めておいた。

 それとは反面。

 彼の中で如何程評価が高いのか。
 彼自身の真贋に自信があるのか。
 言葉の端に躊躇いのなさそうな声には、
 笑う声も、苦笑が交じる。]


  葉月さんの恋愛対象、
  女性だと思うんで大丈夫だと思いますよ。
  

[いつかの誤解が本当ならば。
 それに聞こえないようにしても
 聞こえてしまった彼の想い。
 暫くは消えることはないだろう。]

 通じたようで良かった。
 そうじゃなくても、君は目がいいから
 気づいたとは思うんだけどさ。

 気づかれるのと、自己申告は
 また違うもんでしょ

[ 十分だ。と言う彼には、
 通じるものがあったようだ。

 モテる恋人持つと苦労するよね。
 拗ねたように、彼女との距離を気にする
 神田くんの気持ちはよく理解できる。 ]

[紹介が、どんな形であれ。
 高野がそのつもりなら、頷きを返す。

 少し面映ゆい気持ちはあるけれど。
 こそりと打ち明けられた大咲の顔を思い出す。

 密やかに伝えられた報告は嬉しかったものだから。
 それがまた伝染していくように。
 人へと繋がっていくのかもしれない。]


  ……届く?


[泊まりの許可を得た後に返された言葉に、
 一瞬、意味が掴みきれずに問いを重ねれば。
 新たに増やしたという家具は、
 以前に彼の部屋で気に入ったもの。]


  もう一つって。
  …………まさか、俺の分?


[一人暮らしの家に。
 二つある意味はそれ以外には思いつかなかったから。]

 遠いだけならいいんだけどね
 皆の、君の大事なうさぎさんを、
 どんな目で見てんの、アレ。

 同じことされてたら、静かにキレるな俺。

[ 彼の気にする先には、白のうさぎさん
 彼女の親切さに漬け込むような
 些かしつこいように見える。客の風上にもおけない。
 対する彼女はうまいこと、躱しているようだが
 それを目の前で見るのは辛かろう。 ]

 
……あっても教えないよ。

 神田くんはその、明るいとこがいいんじゃん。

 ところでなんで俺が知ってると思ったの?

[ 肩をぽんぽん、と叩く。

 大好きで大事な場所に、
 大好きで大事な人がいる。

 その場を壊すようなことはしたくない、
 それは我ら、共通の願いであろう。

 餅が黒焦げにならぬよう、手伝えれば
 良いのだが、自分にもこの場を打開できるほどの
 策もない。 ]

[並ぶソファに二人で沈む姿を想像して。
 堪え切れずに、声を立てて笑った。]


  っふ、はは……二人で駄目になるんですか?


[その姿があまりにも可笑しくて、
 笑いを抑えるのに少し、苦労したから。
 次に落とされた言葉には、すみません。と。
 断りを挟んでから、拾っただろう。]


  ……してもらっていいですよ。


[予想外の話に、
 さっきまでの緊張が解けてしまったから。]

[ ない、とは言ったけどそうだな。
 たまたまその場を通る事があるのなら ]

 賑やかですね
 でももう少しだけお静かにお願いできませんか

 どうしてって、
 実はその、好きな人に告白しようと思ってて

[ だとか、人たらしのような事を
 言ってみたりはしたけれど、効果は如何程
 だっただろうね。

 白うさぎさんと目があったら?
 人差し指を立てて、 ]

 内緒にしてね、店員さん

[ だとか言っていたかもしれないな。
 嘘も方便とは言うけれど、事実にしてしまえば
 嘘じゃなくなるわけなので。* ]

 
 

  
ソファよりも、
   ――駄目にされたい人がいるんで。




[声を潜めて、甘く。耳元に囁いて。

 その日、
 駄目になるソファが使われるかどうかは、
           もう少し、先の話。]

[そうして迎えることになる次の約束の日は。
 ランチタイムとディナーの準備だけを済ませて、
 早上がりした、夕刻の頃。

 その日を指定したのは、
 オフの日に翌日の仕事を気にして
 その日泊まるよりも明日の休みに向けて
 時間を取った方が、気にしなくていいと思ったから。

 さて、あのソファは間に合ったかどうか。**] 

――後日の話――

[栗栖が自分の彼女と鈍感天然同士という新しい関係をスタートさせたのはこの相談の前だったか後か。
ていうか僕に対するより喋り方がくだけてるよね?
嫉妬心、いつ何で燃えてしまうかわからない厄介なもの。

それでも折角話してくれるのに、冷たく接するなんてこと、しないけれど。]


 ミートボールパスタの日にもういい雰囲気だなって思ってたし、
 3人で食事した日の「デート」の相手として想定してるのは彼女だろうなってのは察してたけど、
 あれからどれくらいかな……結構慎重派だったんだね。

 おめでとう。
 栗栖くんが楽しめるデートを、彼女が楽しんでくれるの最高じゃん!
 あの散歩道、僕も大事な子と一緒に歩いたよ。

[声を潜めてくれる配慮がくすぐったくて笑う。
隠したい訳でも隠さないと面倒が起きる心配もないから、堂々と普通の声音で。
見ない振りを通した偉い栗栖には褒章どころか他人の惚気話まで聞かされる貧乏くじがついてきました。]


 そうそう、登山まで待てなかった。
 正直に「手を繋ぎたいです」って言っちゃった。


[恰好のつけ方は自分もまだまだ勉強中。
教えられるレベルには達していない。
でも多分、彼女に素直に言えるのが僕ら兄弟の長所じゃないかな。
自己肯定感あげてこ!]


 登山は中々ね、マシロちゃんの休みの都合もあるから、
 秋くらいに紅葉観に行けたらいいかなって。
 近くまで車で行くけど、4人乗れるから都合が合えば
 一緒に行く?紅葉狩り。


[ダブルデート。
数か月先だって、自分のところも彼のところも続いていることを信じて疑わない笑みで誘った。**]

 

[ カクテル教育は大咲もここ別の意味でハラハラしていた。
  何せ初手度数18度、ぐでんぐでんに酔い潰れた葉月という
  地獄の様相と文化圏の違いを思い知っているので。
  甘くて飲みやすいカクテルが
  "レディ・キラー"と呼ばれることの、良い説明例だ。
  故に遠藤もスパッと言うべきところを言ったのだろう。 ]


  はい、もう落ち着きました!
  今日はちょっとなんか、料理の余裕あんまりなくて。

  美味しそうなの食べてるのは、見えてたんですけど。


[ 瑞野の鴨南蛮は大咲も食べたい。
  今度賄いで似たようなものを作ってくれないだろうか。
  いやそれ以前に、ここでは白うさぎとはいえど
  彼に軽く一品くらいは作りたかった。

  そんな後悔を声音に乗せて。 ]

 

 

  メロン!
  今日の店長のおすすめですよね、食べたいです!


[ シェアするのは珍しいことではない。
  が、ピザの時のように店員としての遠慮を示さず、
  素直に食べたいとねだるのは恋人だからだ。

  合間に話をしていた内容を聞けば 
 三つ目には「ぁー……」と
  思い当たる節がないわけでもない大咲は
  むむ、と悩ましげな声を上げ ]


  もっとスマートにお断りする練習、します…ね…?


[ 彼氏が出来てから、自分磨き、というものを
  更に努め始めた効果がちょっと、良くない方にも
  作用していたりするのかもしれない。 ]
 

 

  視線の強さ……は……よく分かんないです、けど
  神田さんのために可愛くなりたくてああなっちゃうなら
  今度から、神田さんのものだって印で も  ……


[ ──いや待ってください大咲流石にこれは気付きます
  自分でもなんか言ったなって分かります。
  差し出されているメロン一切れが
  新しいカトラリーではなく、貴方が使っていたものだとも
  しっかり気付いているんですからね ]


  …………メロン、ください……。


[ 小さく口を開けて、あむ、と。
  彼の手を引いて自分の口元まで運び、そのまま口に含んだ。
  ここだと何かしら料理してしまうことが多いから、
  メロンそのままの味もシンプルでとてもおいしい。
  果汁が喋って乾いた喉を潤してくれる。
  そのままさっきの言葉も流れますように。 ]

 

 

[ 苗字で呼ぶというけじめを付けているのに
  彼の手ずから、同じフォークで一口食べるなんて
  閉店間際で客も疎らとはいえ、これは境界線超えだ。

  でもなんだか マーキングしてくれているみたいで
  不謹慎だけれど、ちょっとうれしい、と
  思ってしまったものだから ]


  私、そのままの神田さんが好きですよ
  
それ以上かっこよくなっちゃったら、
……お仕事中に線引き出来なくなりそうで、や、です



[ まあ、春は出会いと別れの季節とも言う。
  一過性のものだろう。たぶん。
  見た目で彼を好きになったわけじゃないから、
  鍛えたいと思うなら止めないが。

  それより先に、例えば、……帰る場所が同じになれば
  お互いの香りが移り合って、虫除けにならないですか。 ]

 

 

  今日、賄い食べずに帰るし仕込みもないので。
  一緒に帰りましょう。


[ 待っててください、と紡いで微笑めば
  鴨肉がまたもやバズった日の帰り道を
  今日も手を繋ぎながら帰れるはず。* ]

 

【人】 役者 セロ

―Madam March Hare カウンター―

[チエの予定はゲイザーが確認してくれるというので、任せることにする。
 そして、あの時のプレゼントが彼女の慰めになったのなら]

 そっか、うん。よかった。

[図らずも彼女が持ち直すその手伝いがでたのならなによりだった。
 鞄からメモ帳を取り出し、一枚切り取り連絡先を書いてゲイザーに渡す。]

 一応連絡先、渡しておくね。**
(167) 2023/03/12(Sun) 21:26:06
 

[ ところで、本日の絶妙ラインを攻めてくる人に関して。
  そろそろ「お客様」を強調するかぁ、と考えていた大咲を
  面倒事からさらっと救ってくれたのは
  兄のように慕う瑞野の、視線の先にいる人物。 ]


  ── ぇっ


[ あのMVが瞬時に脳内再生され、瑞野の顔を思い出し、
  まさかまさかと心が湧きたつ心地がした。
  お客様方にはそれが「イケメンに照れる店員」と見え
  ついでに、格好いいセリフをするりと零せる
  高野にも敗北感を覚えたらしい。静かになった。

  聞きたい。ものすごく聞きたい。
  どうかその相手が、優しい紺色うさぎでありますようにと。

  が、目が合った彼が人差し指を立て、紡ぐ台詞に。 ]

 

 


  …………ッな、ないしょに、します……
  がんばってください……


[ 拝啓、瑞野お兄ちゃんへ。

  もしかすると、貴方が見つめながら微笑んでいたこの人。
  料理名をあんまり覚えらない時の柔らかさだけではなく
  実は、色々すごい人かもしれません。

  助けてくれたお礼と、桜咲け、のお祈り両方。
  大咲は思わず胸の前で掌を握った。* ]

 

役者 セロ は、メモを貼った。
(a33) 2023/03/12(Sun) 21:31:01

[ 恋愛対象、で言うと。
 自分たちを棚に上げられないのだけど。 ]

 そこは俺もそう思う。

[ 顔見知り程度の関係はそこそこ長く
 続いていて、つい最近友達に名乗りを
 上げたところだが、以前は派手に遊んでるな
 と思ったこともあるくらいだから。

 まぁしかし、せっかく掴めたチャンスの帰り道に
 いついつまでも剥れた顔を見せていては
 もったいない、ので。 ]

 もし君が誰かにそういう目で
 見られたとしても、すっぱり断れるくらい
 良い男で居たいね。

[ ――ここまでのやりとり、決して男らしい
 ところは見せられていないけど、総合点を
 狙っていきながら、愛しい夜に似合いの
 愛おしげな表情を浮かべよう。 ]

 そう、届く。
 あはは、そうだよ、他に誰が使うの

[ サプライズにするような考え方は、
 あまり、ない。相手がそれを望めば別だけど。
 
 まさかと言われればたまらず
 笑い出す。遅れて君も。 ]

 そ、二人してダメになる。
 一つじゃ狭いな、と思ったときには
 ポチってた。

[ 今日は、よく笑うな。こんなに笑ってくれるなら
 最速での配達を頼んだ甲斐もあるというもの。

 お店でのクールな対応しているところも、
 後輩の面倒見ている兄貴分なところも、好きなんだけど

 こういう君を、見られるのは特権、だと
 思っても良いのかな。 ]

[ すみません、と断りを挟まれて
 ま、そういうのはこれからゆっくり

 とか、考えてた俺は完全に
 油断してたよ。 ]

 え

[ してもらっていい

 ドキッと。に返された言葉である。
 続いて囁き入れるようにされた言葉に、
 動揺から足を止めてしまうくらいには、油断してた。 ]

 ……すごい事、言うなぁ

[ 一気に体温が上がったので、
 繋がれた指も、顔も、熱くなる。
 これでは鼓動が早まるのも、隠しようはない。

 本人曰く、甘えたい方、という事らしいが
 これもその延長上の言葉だろうか。

 あれから何度もその言葉の意味を
 探ろうとしたし、実践できるなら
 していたと思うが、どうしたって
 敵わない。 ]

 そういうとこも、
好き
だよ

[ もう店内での出来事なんて、すっかり
 忘れてしまっていたのだけど。

 何度でも君に、
をしそうな夜だった――。* ]

―― 次の休み ――

[ 翌日を休みにし、日中は仕事をすると聞けば
 自分も昼までに仕事と予定はすべて済ませた。
 
 部屋の掃除を終え、食材の買い出しも
 スーパーにね、行きました。

 それからもしかしたら、初心者でも
 簡単に作れるものを、いくつか
 作ったりもしたかもしれない。

 漬けておくだけのピクルスとか
 ちぎって和えるだけのキャベツと塩昆布の
 サラダとか。

 今日はね、ダメになる日って決めているので
 足りないものは、出前も辞さない。

 泊まりなら、といくつか酒も用意してる。
 昼過ぎに例のアレも届いた。 ]

 ……おかえり
 これたまに、店で皆が言ってるでしょ
 言ってみたくて。いらっしゃい、どうぞ

[ 感極まって、来たばかりだというのに
 ぎゅう、と抱きしめてしまったけれど、
 いつまでも玄関先には居られないので
 早速、だめになりそうな方へご案内。* ] 

メモを貼った。


 そう?
 一回誤解しかけたよ。
 返しがあまりに大人だったから
 すぐに勘違いってわかったけど。

[高野と二人隣の席で食べた日に誤解しかけたのを思い出して苦笑する。
そこから「そうじゃないなら……?」と推測していた部分もあるので、名探偵には程遠い。]

 色んなこと踏まえたらね
 完全に言わないって選択肢もある筈なのに。
 ……嬉しいよ。

[教えて貰っていれば、これから先彼等が困りそうな時に何かしら助け船が出せることもあるかもしれない。
アリバイ作りだったり、隠れ蓑だったり。

此方からは「お幸せに」等のわかりやすい言葉は言わない。
新規客もちらほらいる今日の店内、悪意が潜んでいないとも限らないから。]

[だが自分の方ならば是非大っぴらにしてほしい。
そう、わかってくれるか、同士よ。]

 キレてないように見える?
 こういう時は、能天気な顔つきを恨むよね。

 高野さん、ほら、途中まで敵だって信じさせる眼力の説得力がさ……

[若い時でアレだし、とテレビで見たシーンを思い出す。
肩を叩かれると、唇を突き出してぶすくれた。

演技力の高いイケメンの助け舟はいつだってほしいですありがとう。
助けてもらっておいて、その場面で彼女が「イケメンに照れる店員」みたいな顔をした時に一瞬お腹の底がぐるっと蠢いたのはごめんね!]

[シェアと言えば彼女は疑わないだろうと思っていたのだから自分は狡い。
無邪気にお裾分けをねだる声色が本当に愛おしくて、この声を聞いている店内全員の耳を塞いで聞こえなくしてやりたい衝動に駆られる。]

 や、マシロちゃんは悪くない、
 ちゃんと断ってるのにしつこい奴はね、
 どんな断り方をしても聞かないからね、

 物理的に君から離す方法を高野さんに相談してたってわけ。

 さっきはありがとね、高野さん。

[スマートに邪魔をするのが似合う男に、僕はなりたい。]

[だからまずは眼光を鍛えるかという話だったのだが。
最近ますます可愛くなった僕の白うさぎさんは、本当にすごいことを言うね?!?!

思わず息を呑んで言葉に詰まったのは仕方がないだろう?!?!?!

固まってしまった腕が導かれ、フォークの先が小さな口に包まれる。
手に伝わる彼女の歯が果肉を攫う感触。

今はもう自分の口の中にはメロンは残っていないのに、甘い。
真白が嚥下するのと同時、喉を鳴らす。]



 
…………僕がもう線引きできなくなりそうなんだけど。



[やっと出た言葉は掠れていた。
店内で「好き」と口にする彼女は今は線引きをしているつもりなのか?

かっこよくなるどころか後退していないだろうか。
顔から熱が引かない。]



 マシロちゃんこそ。
 可愛さを発揮するのは僕の前だけにしてよ。
 
いますぐ印、つけたくなっちゃうでしょ。



[まだ店内、念仏のように唱えつつ。
もう閉店にしませんか、だめですか。

早く白うさぎさんを連れて帰りたい。*]

そう、なんだ?

[彼もまた贈っていいものか悩んでいたのを知れば。
通じ合っているようで何だかくすぐったくなってしまう。
言ってみてよかったな、としみじみ。]

ふふふ。こっちこそよろしくね。

じゃあ仕事中でもつけれるくらい
シンプルなのがいいかなあ……
出来ればずっとつけててもらいたいしさ。

[なんて、話しつつも。
問いかけには赤くなりながら答える。]

[公衆の面前だと言う理性が躊躇いを生んだけど
したくないってわけじゃなくて……
じゃあ、と退かれてしまったらそれはそれで
ちょっと寂しくなってしまっていた、気がするから。

きょろりと周囲を確認した彼が
もう一回軽く唇を触れ合わせて
困った、なんて大して思ってなさそうに
くすくすと悪戯っ子の顔で笑う。

触れ合った柔らかな唇は、
ちょっとさっきのお弁当の味がした。]


 ……もぉ。


[トクトクと早い心臓の音を感じながら
赤い顔で唇を尖らせるけれど。

自分の眼差しも声も
本気で咎めてるわけではないのはきっと
すぐに分かってしまっただろうな。]



………あとで、二人きりの時にもっとして?



[だから、
立ち上がる前に くい、と彼の服の袖を引いて。
耳元で甘く囁こうかな。]

[そうして再び手を繋ぎ、
公園からまたバス停まで歩き出す。

相変わらず手を繋ぐだけで気恥ずかしそうにしてる彼に
キスはさらっと出来るのになんでよ、って
おかしくなって笑ったりしながら。

真っ赤な顔で眉を下げて笑う彼を見てるだけで幸せで
のんびりとした歩調で来た道を戻った。
バスに乗って、少し歩いて。
目的の店に着くのはちょうど予約していた時間頃。]

[アクセサリー作り教室の店舗に到着。
受付の人に2枚の招待券を渡し、
予約していた貝沢だと話せば
すんなり個室へと通された。

「本日はどのようなものをご希望ですか?」と尋ねられたので
ペアリングを作りたいのだと素直に答え
それなら、とリングの作成コースを勧められた。

プロのクラフトマンが側でアシストしてくれるから
未経験でも綺麗な形のものを作れるらしい。
作ったリングは当日すぐ持ち帰れるのだそうだ。]

素材の種類はシルバーとゴールドがあって、
形状とか仕上げの種類も色々選べるみたい。

鏡面仕上げってのがピカピカしてるやつで、
槌目仕上げがデコボコしてるやつ。
マット仕上げってのもある。

瑛斗、どんなのがいいと思う?

あ、指輪の裏に刻印してくれるサービスとかある。
せっかくだからして貰おうよ〜。

[なんて相談しながら進めていったことだろう。**]

 ああ、あれか。
 人の心なんて見えないもんだし
 あんな美人さんと勘違いされたなら光栄だよ。

[ あのときは聞かれた質問の意図を読めず
 こちらも、勘違いしたって話しはいつかしよう。
 SNSの更新を一度やめた理由までまだ、きっと
 聞いていないから。 ]

 そうだねぇ、ノーリスクってわけには
 いかないよねぇ。俺はともかく、
 面白可笑しく騒がれるのはちょっと。

[ 時代を思えば、カミングアウトなどは
 なくもないのだろうけれど。そこまでの覚悟を
 今相手に求めるつもりはないので。

 力になると言ってくれる時がきたら
 有り難く友人の手を借りるとしよう。 ]

 いや、だいぶ来てるね。
 ……君は、笑って余裕ぶってるといいよ。

 あっはっは、そうだね
 真顔は怖いってたまに言われる。

[ キレてないようにはとても見えない。
 ぶすくれたその顔も笑ってしまうが、
 自分もそこそこ、怒っているのでね。

 店員の迷惑考えないような、
 仲間と呼ぶに値しない、客に対しては。

 ――で、思いついたのがあれなわけ。
 少なくとも、あいつ今から告白するらしい
 で、視線をこちらに集められれば、と考えたわけだが。 ]

[ おやおや、こちらも勘が良い。
 
 目があった時、その表情から感じたのは
 助けてもらえたというときめき
 じみたものではなく、

 相手だれですか?と言いたげな
 興味がいっぱいに見えたので。 ]

 ごめんね、お兄さんたち
 ほんと、ありがとう

[ ナンパ男たちに、敗北感を味合わせる
 つもりはなかったのだが。結果的に、
 ウサギの逃亡を手助けできて、
 店内が静かになるなら、問題はなかったかな。 ]


 うん、がんばります

[ 好きな人に、好きだよということが告白になるなら
 いついっても、何度言っても、良いものなので。 ]

[ そしてそれが結果的に、
 餅を黒くしてしまったなら、更に自分に
 感じ取れるような顔を見せてくれたなら
 笑ってしまったし

 心狭いのは俺も変わらないので
 同盟組むなりしませんか、とか

 言っていたかもしれないね。 ]

 いえいえ、嘘ついたわけじゃないので。

[ しかしその黒くなった餅、長くは持たまい。
 この光景が見えていたなら ]

 なかよしだねぇ

[ そっと存在感を消す努力をしたけど
 存在が物理的にもでかいので、
 成功したかは、わからないな。* ]

― いつかどこかの後輩と ―

そうそう、お肉大好き栗栖くん。
あれ、喋ったことなかったんだ。
二人ともよくうさぎに来るしとっくに知り合いかと。
紹介して欲しいならするけど。

[隠すことでもない
(し、彼の方もまた堂々としているので
相手が誰かまで普通に話す。
そして喋ったことがないと聞けば少し意外ではあった。
ほら、同性にも人懐っこい彼なので。
よく神田さんや葉月くんと楽しそうにじゃれてるのを見るし。]

それよりこれ、じゃーん!見てみて!
ペアリング作っちゃった〜♡いいでしょ〜!!

[先日作ったばかりのリングを嵌めた薬指を
ひらひら後輩に見せびらかしてドヤる。
本日の玲羅はやや酔っている。]

[そして彼の方も彼の方で上手くいっているようで。
最高だったのだと言うデートの首尾を聞けば
よかったねえと目を細めつつ。]

あーでもさ。
相手って、…彼、だよね?

[と、少しだけ声を潜めて。
いや、誰かもほぼ予想はついてるんだけど
彼がどこまで伏せてるのか分からない以上
あんまり大っぴらにするものでもないかなと思って。

言いながらちらりと厨房を見遣ったりはしたかもだが。]


別に業界的に珍しくもないし、
だからどうこうとかはないんだけど。

高野くんが男の子に恋するとは思ってなかったなあ。
前に好みの女性云々とか言ってた気がするし。
あれってカモフラだったん?


[日本酒のコップを傾けながら
率直な感想を述べたりしていた。**]

 

  なるほ、ど……?
  物理的に……。


[ 彼の目論見通りシェアと言われれば迷わず飛びつきつつ、
  「悪くない」と投げられた言葉へ小首を傾げた。
  あ、さっきの高野さんみたいな助け方ってことか、と
  思い至るのに少しの時間も要しただろう。
  高野への礼は、もし予想が当たっているのならば
  今度会った時にちょっとした形で渡そうか。 ]


  んむ。
  ……次からはメロンのシェイクとかもいいなぁ……。


[ そんな風にメロンの使い道を突然考え始めたのは、
  零れてしまった羞恥方向の失言を流すため。
  ……しっかりばっちり届いてしまっているけれど
 
何も食べていないのに彼の喉が鳴る音がしたのも
気付かないほど、まだ鈍感なわけじゃ、ない。
 ]

 

 


  ────……
ま、まだだめ、です



[ 何度目か分からない"待て"の合図。
  うさぎのクッキーからずっと待たせている自覚はあるし
  線引きしようとして、
  でも想いがどうしても溢れて、出来ていない自信もある。

  つけてほしいんです しるし。
  ……とか、さすがに我慢させ続けてこれを言うのは
  自分でもちょっとどうかと思うのは、自覚済みです。 ]

 

 

[ そして。
  助けてくれた高野にも彼が餅を黒くしたとは露知らず
  組まれた同盟も与り知らぬところではあるものの。

  なかよしだねぇ、と存在感を消してくれようとしている
  高野にようやく気付いたのなら。 ]


  ──────…… ッぁ、ぁの、

  ご ごめんなさい本当に気付かなくてっ
  いま完全に夜綿さ……っちが、神田さんに意識が、
  わ、わたし、わたし……ぁぅ……


  ……っ店長に呼ばれた気がするのでいってきます!!


[ 瞬時に顔と耳を赤く染め、
  特技の脱兎を久しぶりに披露する羽目になるのだった。* ]

 

 ― 閉店後 ―



[ 流石にクローズ作業を終え、仕込みも順調にクリアし
  後は店長業務のみとなれば顔の熱は引いていた。
  待ってくれていただろう彼に
  「今から向かいます」と連絡し、足早に歩いた。

  もう夜でも随分暖かくなってくる季節だから
  今日はオープンショルダーのフレアワンピース。
  デコルテ部分がホワイトベージュのニット生地で、
  風が吹いても寒くはない。

  ただの通勤なのに、こんなに可愛い服を選ぶのも
  全部彼の為だけだ。
  いつ見ても かわいいって思われたいから。 ]

 

 

  夜綿さん。
  この前言ってたお買い物デートの日なんですけど、
  一番近い日だとここが一日オフで──


[ さっきの店内での発言はすっかり忘れました、みたいな。
  寧ろ何も言ってませんよ? という風に
  買い物デートの約束の話を繰り出して。

  空いている日を教えながら、そっと
  今日の帰り道も、貴方のあたたかい手を握ろうと。* ]

 

メモを貼った。

―― 鴨の日 ――

[可愛い妹の早い春の報告を聞いた日。
 自身にも小さく芽吹いた芽は、
 春の風と柔らかな夜の月明かりの下、花開いた。

 すぐに報告するのも気恥ずかしく、
 まだ仄かに色づいた程度の花だから。
 大咲にはまだ告げられていない。 

 けれど、その日以降。
 大咲から『彼氏』の話を聞く機会も増えたように思う。

 視線に気づいた大咲に軽く手を上げて応えながら。
 新規客らしい男達には冷めた視線を向けておいた。
 
 これは、大咲に限らずの話だが、
 
うちの店員は可愛い人が揃っているので、

 同僚としての牽制を含んでおく。

 ――――合意の上なら、吝かではない。]

[大咲には、誰とまでは聞かなかったけれど。
 あの日、彼女が向けた視線の先に居た神田から、
 苦笑と共に真面目な回答が返ってきたならば。

 なるほど、

 ……と、腑に落ちる部分があったかもしれない。
 言葉の裏に彼女のへの気遣いが見えたから。]


  ……失礼しました。
  今の話は、なかったことに。


[キャスケットのつばを上げて、軽く一礼を向け。
 気を悪くするでもなく、来訪を約束してくれることに
 ほっと静かに安堵を漏らす。]


  いつでも、お待ちしています。
  

[そう、締め括ろうとして。
 聞こえた潜められた声に気づいたら。


  
  神田さんも、苦労しそうですね。


[と、一言だけ。付け足して笑った。
 可愛い妹をよろしくとは言わない。
 その答えは先程の彼を見れば、十分だろう。**]

―― 休日に向けて ――

[ディナーに向けての仕込みを終えた後。
 汚れたエプロンと着替えを鞄に放り込んで、
 一度自宅へ戻り、洗濯機に入れて
 代わりに翌日の着替えを取り、
 とんぼ返りのように鍵を締めて出掛けた。

 陽が落ちていく中、帰路に着く人たちとは
 反対方向へ向かって地下鉄に乗り、
 以前は、バイクで訪れたマンションへ向かう。

 入り口でインターフォンで呼びかければ、
 すぐに応対してくれただろうか。
 開けられたセキュリティドアを抜けて、9階へ。
 彼の部屋に向かったら。

 玄関で挨拶と共に、抱き竦められて。


  ……っ、



[不意打ちに少し目を瞠ったものの。
 応えるようにそっと、腕を背に回した。]

 

  ……ただいま?


[店で『おかえり』は、口にしたことはあるけれど。
 その言葉を口にしたのは、実家以来だったろうか。
 擽ったさに、くすりと笑みを零して。
 すり、と甘えるように肩口に頬を寄せた。]

[少しの間、温もりを堪能してから離れ。
 お邪魔します、も、やっぱり言ってしまったのだけど。

 短い廊下を抜けて、リビングへと通されたら。
 まず、目についたのは前に話していたソファ。


  ふ、届いたんですね。


[振り返って笑い、鞄を置いたら。
 まずは触感を確かめるように触ってみようか。*]

―― 先輩と ――

 顔はしってるんだけど、話し込んだ
 ことはなかったかな。挨拶くらいは
 したことあったかも。

 雰囲気がさ、華やかな子だよね

[ して欲しいならする、とそれはそれは
 さらっと口にした先輩は、続けて
 みてみて、と自慢げにしていたか ]

 それ作ったやつ?
 へぇいいじゃん、手作りだって
 わかんないかも。

 満喫してんね、カップル。

[ やや酔っている彼女はひらひらと
 作ったばかりのリングを嵌めた指を振る。 ]

 
そう


[ 潜めた声での質問にはこちらも
 同じような声量で答えた。
 けれどさらりと、言い淀むようなことはなく。 ]

 大っぴらには言えないことだけど
 名前言わなきゃ、大丈夫でしょ

[ そう答えながら。
 業界人だったから、ではなく
 彼女自身が気にしないタイプで
 あることには感謝したかもしれないな。

 人によっちゃ、顔顰めてもおかしくないので。
 先輩にそうされてたら、珍しくしょんぼりする後輩
 の顔が見れたかもしれないが、あってほしくはない事柄。 ]

 俺も誰かに恋するとは思ってなかったよ。
 それに、ふくふくした顔で笑う女性がタイプ
 ってのもホントだったし。

 彼女も居たことはあるけど
 忙しさにかまけてるうちに、消滅してったし

 追おうと思わなかったから、
 今少し、悪い事したなって思ってる。

[ それなら仕方ないね、ではなく、
 彼女たちは、追ってきて欲しかったの
 かもしれないとか、自分が人を愛して気づく事は
 とても多い。

 まぁその子達が本当に自分のことを
 好きだったかどうかは、怪しいけれど。

 なにせ火傷の痕を見る前に、去っていくか
 火傷の痕を見て去っていくかの二択だったので。 ]

 で、どういうとこ好きになったの?
 
[ 夜は長い。もしかしたらその内、彼氏も
 現れるかもしれないし、その前にそれくらいは
 聞いとこうかな、と思ったけれど、彼氏が
 現れるようなら、邪魔せずに、またね、と
 言っていたかもしれないな。* ]

[指輪はずっとつけていられる物。


決まりだね。


[そう微笑んで……]


玲羅もずっとつけてくれる?の??


[期待と不安と嬉しさと幸せが入り混じった気持ち。
多分自分は笑み崩れていた。]

[口付けを交わしたら玲羅が牛さんになった。
可愛い。なんて感じていられたのはこの時まで。
袖を引かれて小さな呟き。


も〜〜〜〜〜〜〜〜


[だから自分は彼女に勝てないんだってば。
真っ赤な顔で手を繋いで。
まあ。楽しそうだから良いか。
本当。なんでだろうね?
恋人繋ぎもその内平気になるのかな。
それくらいずっと、手を繋いで居られたらいいな。いたいな。
どうしたってどちらかの左手と手を繋ぐから。
次は指輪が当たるかもしれなね。

……あれ?左手に着けるって思いこんでるの俺だけかな?
ま。いっか。後で分かる。]

[アクセサリー作りの教室で。
様々な種類の金属に、俺は目を回しそうだけど……
大事な物にするから、きちんと選びたい。]


好きなのは金色だけど……
シルバーの方が良いなぁ。


[自分の頭の中にあった指輪のイメージ。
もろ結婚指輪だったんだけど。
バレバレかなぁ?
でもペアリングってそう言うものじゃないの?
知らないけど。だって作った事無いし。]

シルバーだと、どれがいい?

ボコボコしたのもかっこいいし。
マッド仕上げって言うのもかっこいいけど。
玲羅が着けやすいのが良い。

一番は、玲羅に何時も着けて欲しいから。
自分を魅せるのが上手な玲羅が。
自分が一番身に着けやすいのを選んで欲しい。

後刻印は絶対掘ってもらおうね。



[色々考えたら頭プスプスしてきながら。
自分の感想を話して、玲羅の意見を聞いてみた。**]

メモを貼った。

[ 「ただいま?」と語尾があがる挨拶に、
 うん、と頷いて少しの間はそうしていた。

 甘えるようにされたら、尚更腕に力が
 入ってしまったけれど、それもわずかの間。

 部屋の中へ通したら、並んだ]

 うん、間に合ったよ。
 どうぞ、

 まずは、それでダメになってる那岐くんが
 見たいな。

[ まずは、と銘打ったのは、
 
頭を過った言葉があるから、も本当なんだけど
 今日は泊まりなのでね、時間はたくさんある。
]

[ 自分の部屋で、
 ぐでん、とダメになってる恋人って、

 言葉にはできないけど、なんか、いいよなって。
 先日はそれをじっくり眺めるだけの余裕が
 こちらになかったのもある。

 ――というか先日の彼はダメではなく
 かなり出来た恋人の姿だったので。 ]

 お腹すいてる?
 今日はダメになる日だから、
 出前取っちゃおうとか思ってるんだけど

[ 聞いてテレビのリモコンを操作すると
 いくつか入っている配信サービスの画面が
 表示された。* ]

[怒っていてもあまり怖く見えない顔は、他の感情だって上手く隠せてしまえたら良いのに。
笑って余裕ぶるにはあと何年かかるかな、高野さん。
年の問題じゃないか……。

真白の無自覚攻撃がクリティカルヒットし、耳孔の奥まで熱くなった表情は、誰の目から見ても白うさぎに懸想していることは明らかで。
会話内容を聞いて砂を吐きそうな気持ちで退店した客がいたとかいなかったとか。

「なかよしだねぇ」

それを言う余裕がある人が近くで良かった。
隣席がリア充ばくはつ派の人だったら刺されていたかもしれない。]


 ……焦らし上手。


[だめ、と告げる声色が甘い。
獣性がはみ出てしまいそうな恋人を躾けるその声に従えない自分ではないし、
そもそもちゃんとここがまだ公共の場だという認識はある。

幸い桜カクテルも飲んでいないから素面だし。]


 ――あ、逃げた。

[窘めておいて、彼女自身が少しぽうっとなっていたようで、我に返って急に慌て始める。
ほらその「ぁぅ」が可愛いんだってば!!

クスクスと逃げる彼女を見遣った後、零す。
呟くというにはあまりに聞き取りやすい声量で。]

 ほんっとに可愛いな、僕の白うさぎさんは。

[聞いてくれたっていいよ。
これは自慢だからね!]

――閉店後――

[印、なんて言葉を聞いた後にオープンショルダーの服を見た時の男の気持ち、誰かわかって欲しい。

いや、可愛いんだよ?
正直言ってすごい好きな恰好なんだけど、その、首元がね??

煩悩塗れはそっと彼女の髪に触れた。
せめてその柔らかな毛先が自分の目から彼女の肌を守れるように。]

 裾がふわってなるスカート、元々好きだったんだけど、
 好きな子が好きな恰好が自分の好みと合ってると、
 毎回得した気分になっていいよね。

[そのワンピースと並んで歩く男、今日もいつもと変わらない何本も持っている黒のストレートパンツなのだけれど。
ファッションは専門外なので、温かくなってきてインナーが薄くなってもジャケットで誤魔化す癖が抜けきりません。

買い物デートに丸一日オフを貰えるなら、しっかりとその日にコーディネートして貰おう。]


 手、繋ご。


[手を伸ばす仕草からぎこちなさが取れても、彼女の魔法を解くように言葉をかける。
一度握ったなら指は滑り、彼女の指の間、水かきを擽って指と指とを交差させる繋ぎ方を促した。]



 うん、そこなら取材の予定は入ってないから
 原稿作成のスケジュール調整したら、
 僕も一日空けられそう。

 どこまで買いに行こっか。
 荷物が多くなるなら車の方が良いかもしれないけど、
 洋服のブランドって正直僕は詳しくなくって、
 いつもモールの同じブランドで買っちゃってる。

[スケジュールの擦り合わせが終われば次は場所。
駐車場もあるが電車の駅からも近いところにある大型ショッピングモールの名前を挙げれば、彼女のお眼鏡に適うショップは入っているだろうか。
ファストファッションの大型店舗もあれば、女性服のブランドも何件かあった筈。
自分が買うのはいつも決まった店で、幸いサイズがあまりに平凡なもので、サイズ合わせに苦労した経験がまるでない。

男女でお揃いのパジャマが購入できるショップがあったかどうかの記憶はないので、必要があればモールのアプリでショップリストを表示させながら検討する。]

[いつもなら、足は駅へと向かう。
電車はまだ動いている時間だ。]

 マシロちゃん、渡したいものがあるから、
 ちょっとうちに寄ってもらっても良い?

[渡したいもの、は実はひとつはもう持っているのだけれど。
渡す場所はやっぱりこんな路上じゃなくて改まりたくて。

こういう時、そう遠くない位置に自宅があって良かったと思う。
一度部屋に彼女を招いても、翌日に響かない時間には帰してあげられるから。]

[そうしてマンションの5階、自室の前に着いた時、いつものようにポケットから鍵を出す仕草をして。
小さな封筒を真白の前に差し出した。

中身は作っておいた、自室の合鍵だ。]

 迎えに行くことが多いからあんまり使うことはないかもしれないけどね。
 持ってて欲しくて。
 デートの日、これにつけるキーホルダーも買おう?

[マシロちゃんが開けて、と促す。
鍵穴にぴったり嵌る鍵がゆっくりと回って、ノブを引いたらいつもの自宅の狭い玄関が現れた。

先に身体を滑り込ませ、彼女に向かって手を広げる。]


 
おかえり!


[店でも聞く言葉だけれど。
これからはこの家で聞く頻度の方が高いといいな。**]

メモを貼った。

メモを貼った。

 黙っているのが正解だったかな。

[ 苦笑いを一つ。なにせ多分、
 彼氏しか知らないであろう一面を
 見てしまったので。

 しかし良く逃げるなぁ真白さん、俺から。
 高野さん怖くないよ。 ]

 微笑ましいね

[ この可愛いに返すべきは、
 そうだね、でも、可愛いね、でもない。
 愛らしいという意味では間違ってはいないし

 たぶん、俺の同意の意見は聞こえない
 くらい、夢中なのだろうけど。 ]

 いい顔になったようで、なにより。

[ マジでキレちゃう5秒前、よりそっちのほうが
 ずっといいよね。* ]

[擦り寄せた身体に応えてくれた腕に、
 機嫌が悪くなるはずもなく。
 
 彼の家に増えた一つ目に見つけた、
 『自分用』に宛てがわれたもの。

 どうぞ。と促されたなら。
 触れていた部分から一度、手を離して。
 膝を立ててソファの前に向き合ったら、
 ぽふんと、頭から行くようにダイブした。

 柔らかな弾力が押し返ってくる。
 その気持ち良さに思わず表情を緩めながら、
 ソファに埋もれたまま、振り返る。]


  ははっ、本当に駄目にしたいんだ?


[俯いたせいで流れた前髪が、
 さらりと、視界の端を横切っていく。]

[そんな姿を見たいなんて、どうして。
 そう思いながらも、甘やかされるような言葉の
 魅力には勝てなかったから。
 夕飯の誘いには。ああ。と軽く相槌を。


  そうですね、少し。

  でも……、いいんですか?出前で。
  ああでも、映画見るなら、ピザとコーラかな。


[前言撤回。
 海外映画の定番、それは今も変わらない。]

[クッション性の強いソファに顔を埋めて、
 少し息を吸い込んだら、新品の匂いがする。]


  ああ……、



[小さく、感嘆符を洩らしたら。
 ふと、なにか足りないと気づいて。
 並べられたソファの古い方に膝でずるずると移動して。]

 




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