人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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[けど…………


なんで今更こんな事気にするかって?
下心があるからだよ!!!



あんな事を言われといて。
家に誘われて
下心を持つなとか無理ですよね?!

でも経験が無いんです。
どこまで相手は許容してるんですか?
そもそも玲羅は自分を男女どちらと認識してますか?
何故こんな事を悩むか???
スートに性差を着ける気は無いけれど。
シェアした時に選んだスートが、ハートではなくスペードだったから。
そんな細かいとこまで気にしてしまう。]

[彼女の家は、電車から降りてどれくらいだろう?
一人で悩むのはやめよう。
ダメな時、嫌な時は、きちんと口にしてくれる人だと。
玲羅の事は信じられる。

ならその時に、俺が少し恥をかけば済む話しだろ。
彼女の身体の方が大事だし。
なんの準備もしてこなかったのは自分だ。]


あの……さ……。


薬局かコンビニ。寄ってっても良い?


[お伺いを立てますが。
顔が赤くなるのは止められませんでした。**]

[予定を尋ねれば何だか困ったような顔。
そして家への誘いには食いぎみの肯定が返って来た。
なので安心したように笑いかけ]

ん、じゃあ、決まりね。
………うん………。


[続く正直な吐露には恥ずかしそうに頷いて。
改札を潜り、家の方面へと続く電車に乗る。]

[ところで。
普段玲羅に対して性を疑ってくる人はまあいないので
彼の疑問には口にされない限り気づかないわけだが。

玲羅は心も体も女性ですし、性愛対象は男性ですし、
ついでに言えば女扱いされれば素直に喜ぶ女だ。


スートに関しては恐らく私の方にハートを想定して出されただろうから
あえて逆張りをしたと言うだけの遊び心で特に他意はない。

玲羅の周りにはそれこそLGBTも性癖に関しても
色んな人が居て、偏見はないつもりでは居るが。
それはそれとして人の嗜好なんぞ逐一分かるわけないし
何も言わず察して欲しいと言うのも傲慢な話だと思っているので
もし何かしら「大多数と違う」あれそれがあれば
付き合うことになる初めに話していると思う。

これらも聞かれたらあっけらかんと答える話ではある。]

[そんな彼の悩みなど露知らず。
程なくして電車は最寄り駅に到着する。
駅から降りて、自宅までは歩いて10分程だ。

こっちだよー、と指さして。
また手を繋ぎ直して歩こうとした矢先。
彼がおずおずと申し出る。]


………………。


[普通に飲み物買ったりするだろうし、
コンビニに寄るくらい不思議なことではない。ないけど……

じんわり赤い顔と、所在なさげな態度に
何かをピンと来てしまう玲羅です。が。]


……オッケー。
コンビニ帰り道にあるからそこ寄ろっか。

私ついでにお菓子とか買ってくね。
最近バズって気になってたやつ。


[でも、それは態度に出さずに、
にこーっと普段通り笑みを浮かべ。

コンビニ店内につけば
一旦別れて適当に菓子やらを籠に入れ、
彼が買い物を終えたっぽいタイミングで合流しましょうか。

外に出れば今度は手を繋ぐ代わり
ぐい、と彼の腕を組んで身を寄せ。]



………良かった。
ちゃんとそーゆーこと考えてくれてて



[なんせ天然鈍感栗栖くんは
お誘いの意図に気づいてくれなかった前科がありますのでね?

家に誘ったのに何も下心を抱いてくれなさそうだったら
私としてはそれなりに凹むところですよ。

にまーっと悪戯に笑って一度彼の顔を見上げ。
今度こそ家の方向を促そうかな。**]

[多分玲羅に今後もこの質問をする事は無い。
けれど、彼女が何をしたら嬉しい人なのかは知ってる。
綺麗とか可愛いと思われたい
口にして褒めて欲しい
重い荷物はもってあげるとかっこいいらしいことも

他の人に関して、俺のスタンスが変わることは無いだろう。
けれど、今隣に居る。大切な人のためなら。
これからいくらでも変化して行くことだろう。
それこそ神田さんに指摘されるくらい露骨に変わるかもね。

彼女がされて嬉しい事。
されたらいやな事。
きっと一つ一つ確認していくし。
またウサギの穴でシェアする皿が出たら。
出るたびに、今日はどっちのスートが良いか聞くだろう。
俺が好きになったのは、他でもない玲羅で。
彼女はきちんと、自分の意思を表してくれる人だから。]

[だからね。ほら。今も…………]


………………そりゃ、考えます。
恋人が可愛くて綺麗で魅力的なので。


[恥ずかしい上に悔しいぞ。
赤い顔でちょっぴりジト目。
知らんぷりしててくれた癖にさ。]

[俺は少しむくれて拗ねた後で。
嬉しくて幸せで破顔した。]


玲羅のそう言うとこ
好き
大好き



[何時か君がくれたスタンプ以上に。
君にハートを飛ばしてやった。
……早く君の家に行きたいな。
玲羅はどんな部屋に住んでるんだろ。**]

ショートってか、ハーフパンツくらいでいいんじゃないかな。
もーちょっとあったかくなったらかもだけどね。

[丈のことは、口から出た瞬間はあんまり考えてなかったんだけど。
 最終的に、着丈で良さそうなのを探すから問題ないつもりだった。
 ショートパンツとロングソックス、スタイルにコンプレックスがあると不安は募るかもしれないが、それを拭い去る役目も請け負いたい。]

ん、また今度。
ていうか普通に普段着も探しに行く?
あんまりこう、おでかけ服ばっかもね?

[そもそも服買ってばっかでいいんだろうかみたいな疑問もないではないけど、お互いしたいことやっていこう。]

[ロッカーの花たちには、花瓶を買うことを心のなかで約束して、街へ。
 サプライズを求められれば、おっけーおっけーと軽く受け止め。]

ぜんぜん、このカッコで。
あんまり服装に関係ある場所でもない気はする。

[夕食前か、後か。どっちがいいかな。
 時間次第で決めようか。計画なく散策するデートは、それはそれで楽しい。]

――アイスショップ――

洋梨!

いいね、ボク洋梨大好き。
シャリふわな感じで。

[けど、どうしたって季節物。ショーウィンドウにはかのフルーツの姿はない。]

あ、キウイ。
そーだね、ボクら今日グリーンだもんね。

[目の前でカットされ、アイスクリームマシンに入れられるフルーツたち。
 つい包丁さばきを見てしまったり、して。]

……あは。あれ?
凍らせて蜂蜜かけたくらいで、なんにもしてない……けどね。

[その"なんにもしてない"ことについて触れられれば、露骨に目線が逸れる。
 あーそこ来ちゃうかぁ、という気持ち。
 いやでも、隠し切れはしないだろう。なにせ、たぶんこれからまた、賄いに立候補することが増えそうだから、バレる。]

いや、うーん……や、えーと。

…………怒らない?
いやいっそ、怒ってもらったほうがいいかも。

[やっぱり自分のせい、なんて思われるくらいなら、怒ってほしい。
 自分勝手で身勝手な思いで、仕事への積極性を下げていたわけだし。]

その、この間、言った話。
力不足っていうか、シャミさんの隣にはボクじゃない人が立つんだろうなと思ってて。 

でも、シャミさんはボクでいいって、言ってくれたでしょ。

[ボクの能力を評価するあの少し叱るような声は、胸の中に刺さって抜けない。
 でも、だめなんだ。"厨房に入れないとしたって"みたいな前提がつくんじゃだめだった。それはボクが、力不足を言い出したからかもしれないけど。]

けど、ケイちゃんとかさ。
接客も100点、料理も100点みたいなひとがいるじゃん?
みんな、すごいもん。店の人。

……で、シャミさんが忙しくて大変、なら、そういう200点のひとがついたほうがいいと思ってさ。
どっちも出来たほうが、どっちも助けられるし。

[ホールだけでも一人前と言われたって、あのうさぎ穴にいると、どっちも出来ることが普通に見えてくる。
 他でもない本人が、ボクでいいよと言ったのに、それじゃだめだと自分が許せずにいた。]

だからぁ……その……
最近包丁も問題ないし魚も、とかいう話になってボクを隣に置こうとするなら、そこに問題があったら他の人に気持ち切り替えてくれるかな、なんて……

そしたらボクとしても望み通りだし、
諦めもつくし……


[結局、それだけしたところで自分のほうが耐えきれなくなって、傍にいたがってしまったんだけど。
 反省してます、とばかり俯いたら、溶けたアイスがひとしずく落ちた*]

[触れたくなったのは、
 先に彼の手が優しく頭を撫でたからかもしれない。

 伏せた視線を掬い上げるように、
 緩やかに動く手に髪をかき混ぜられる。
 
 心配していることが伝わったから、
 謝罪とともに重ねられるお礼には緩く首を振った。
 棘のようなものが一瞬で瓦解していくみたいに
 拗ねるみたいな態度は辞めて、肩の力が抜けていく。

 触れられて心地いいと感じるのは、
 何時ぶりだろうか。

 安堵を覚えると同時に、
 もっと、触れて欲しいと淡い欲が芽生えるのも、
 こんな風に触れられたなら、仕方はないと思う。]

[続けたいのではないかと口にした時に、
 伏せられた瞳に、やはり、
 考えたこともあるのだろうと、どうしても悟ってしまう。
 
 それはそうだろう。
 一度は登りかけた階段。
 降りていくのも、自分の足で降りていくことになる。

 七年間の空白。

 その間の彼の胸中にどんな変化があったのか。
 きっと時間をかけて、今の考えに至ったはずで。
 時に忘れられない夜を過ごしたことも、
 あったのかもしれない。

 それは、想像の中でしか補うことは出来ないけれど。

 言葉にしない代わりに伸ばした両腕。
 腕の中に、彼を閉じ込めて。
 いつもは見上げていた視線が、今は、
 彼を見下ろすように下方へと落ちる。]

[もし抱きしめて、戸惑うように視線が揺れたなら。
 スキンシップは好きな方だと応えただろう。
 冷えた手も、心も、身体も、温められるなら。

 瞳を交わして、落とした唇は重ねるだけのもの。
 柔らかな感触を、少し味わって。
 離れ、間近に彼の瞳を捉えたら。

 微かに滲みそうになっている視界に気づいたら
 微笑って。
 目尻にも唇を、数度そっと落とす。]
 
[応えてくれるように背に回された腕に、
 ほんの少し、身を委ねて掌に体重を乗せる。
 
 どうしたいの、と聞かれたら
 肩を揺らして、もう一度軽く音を立てて口づけた。]

 

  それは大事にしたいと思ってます。


[耳に馴染んだ彼の声。
 ずっと惹かれていた、好きな優しく落ち着いた。
 その中に、少し甘さが混じっていれば。
 その音を聴けるのは自分だけの特権だと感じて。
 
 恋人の可愛らしいおねだりに、応えるべく。
 口を開く。]

[駄目になればいい。
 肩の力を抜いて、どろどろになるくらい。
 俺だけにしか見せない顔を、見せて欲しい。


 
   ――……、一緒に駄目になります?
   景斗さん、




[愛しい人の名を呼ぶ声は同じく、甘い。
 一度じゃ飽き足らずに、雨を降らすみたいに。
 唇に音を乗せて。*]

【人】 役者 セロ

―Madam March Hare カウンター―
[ペスカトーレ。なるほど、おいしそうだ。>>42
 そのままペスカトーレを注文して、出来上がるまでの課程を眺める。]>>44>>45

 おお、すごい…

[なんていうんだっけ、フランベ?
 以前試そうとしてコンロを焦がしてからはやっていない。あれは素人がやるものではない。

 ちらりと横をみると、美味しそうにビールを飲む姿がある。まだ大丈夫そうだ。>>43 
 今日は送ってくれそうな人が居ないので、飲み過ぎそうなら声をかけよう。]**
(55) 2023/03/14(Tue) 13:27:23
役者 セロ は、メモを貼った。
(a16) 2023/03/14(Tue) 13:28:20

[ 甘やかすことに慣れていないこの手が
 好き勝手に触れて、撫でる。

 それでも、思いは伝わったようで
 緩く首を振られた。

 撫でる手はそのまま、動かし続けた。
 自分がそうしたかったから。

 それとこの手が必要だ、欲しいのだと
 思わせるような息遣いや、態度があったから
 でもある。かな。

 愛しさがあとからあとから溢れて
 掬いそこねたものが、愛しい存在に
 向かうのは自然なことに思える。 ]

[ 他人は所詮、他人だから。
 理解してもらおうと思った事がなかった。

 人はどうせ、最後には一人で死ぬのだから。
 築いたものは、最後には消えてなくなるのだから。

 自分の弱さや、情けなさ、
 そういう、預けるつもりがなかったもの
 渡すつもりがなかったもの。

 それをいつの間に、君に悟らせてしまったのか。
 交わす言葉の中から、
 浮かべる表情、仕草から。

 悟られてもいい、と思うように、
 なってしまったのか。

 ああ、本当に弱いなぁ。
 愛され慣れていないものだから。 ]

[ 言葉にされることはなくとも、
 伸ばされた両腕の中に閉じ込められて

 動揺と、戸惑いに視線が揺れる。
 どうしたの、突然。言葉にするより先に、
 スキンシップは好きな方だと告げられ、

 
を分け合い、離れて。
 こぼれ落ちる前に、眦にもあたたかさが
 落ちる 満ちる。 ]

 十分、そう感じてるよ。

[ 大事にしたいだってさ。
 言葉の通り、今でも十分、そう感じているのに。

 本当に格好いいったらないよね。 ]

 
是非、喜んで。


[ 誘われるように、体を起こし、
 くるりと半回転。

 体を預けてくれるようなら、抱き上げて
 寝具に運ぶ、くらいの余裕はあったと思われる。
 このときは、まだ。

 視線に滲む欲については、見逃して頂きたく。
 格好良い恋人が、あまりに可愛く、
 誘ってくれたのでね。

 しかしその余裕も、すぐに消え失せて
 いっただろうね。その夜には、特に――。* ]

[ 翌朝。
 朝と言うには少し、遅いくらいだけれど。

 起き出して、コーヒーマシンのスイッチを
 入れて、洗面台へ。

 鏡に写っただらしない顔は
 冷水でもどうにもならなかったが、
 顔を洗い、歯を磨けば、歯磨き粉の
 齎す刺激と清涼感で幾分かは、
 マシになっただろうか。 ]

 おはよう、よく眠れた?

[ そう声を掛けたのと、コーヒーマシンが
 抽出完了の合図をしたのは、同時くらい。 ]

 コーヒー飲む?*

[悪戯に囁いてにまっと笑えば
じとっとした眼差しが返って来る。
それがおかしくって、くふくふ笑いながら
腕を組んだままに歩いた。]

ふふふふ。そっかそっか〜。
素直でよろしい♡

[いや、ここはね?
とことんすっとぼけることも考えたんだけど
揶揄いたい気持ちの方が勝ちました。許して。
だって君がそんな顔するんだもん。
何買うの?とか聞かなかっただけこれでも手心を加えている。

拗ねていた彼は、すぐにでれっと破願して。
甘い顔と言葉を向けてくるものだから
こちらも何だか恥ずかしくなってしまう。]



…………私もさ。
二人きりになりたいな。って、思ってたから。



[なんて、照れを滲ませてそっと告げ。]

[さて、玲羅の住まいは駅から少し歩いた住宅街の中にある。
単身者用のオートロックマンションの3階。
彼を伴ってエレベーターに乗り、自宅の鍵を開けた。

広さは1DK。
こうなることを見越して事前に掃除していたので
部屋の中は綺麗な筈だ。
右手がダイニングキッチン、左手が寝室である。]

いらっしゃい。
どーぞ、適当に座って。

[玄関を入って寝室側に案内すれば。
テレビボードや棚に小物類が並び
ローテーブルの下にはラグが敷かれ、
クッションが幾つか置いてある。
奥の方にはシングルサイズのベッドとオープンクローゼット。

全体的にナチュラルな配色の
明るい色味の家具で揃えられている。

彼が座ってくれれば菓子の入ったビニール袋をその辺に置いて
ダイニングキッチンに移動して飲み物でも淹れてこようか。]


なんか淹れるね。
お茶と珈琲と紅茶、どれがいい?


[自分の分はティーパックのお茶である。
マグカップを二つ出し、ケトルでお湯を沸かして。
彼から希望が返ってくれば注いで淹れて持っていこうか。**]

[伝わっているのなら、不満はない。
 
 自身が口数が足りないことは知っている。
 伝えきれていない部分もきっとあるし、
 彼が注意深く拾っていたとしても、
 俺の不器用さから、届かせきれないこともあるだろう。

 でも、数少ない言葉を拾って、
 小さな癖を見つけて、受け止めてくれるから。

 言葉で言い表せない代わりに、熱を、分ける。

 触って、触れて、身体を擦り寄せて。
 
もっと、知ってほしい。

 
 俺があなたを知っていく度に感じる愛しさを、
 彼にも、同じように。
返して欲しいから。

[言葉足らずな誘い文句に乗った
 浮かんだ笑みに、悲哀の色はもう滲んでいない。

 身体を起こすのに、助けるように身を引けば。
 腕を引かれて、]


  ……―― ゎ、


[ぽすんと、ソファに身が沈む。
 入れ替わった位置、抱き上げられる身体に。
 少し、いや、かなり動揺した。]


  
ちょ、 ……っ、



[誘いはしたが、まさか。
 こんな運び方をされると思わなかった。
 華奢な方ではないと思う、決して。]

[ソファからベッドまでの短い距離とはいえ、
 簡単に持ち上げられたことに。
 かぁ、と一気に顔に血が集まって熱を帯びた。

 寝具に降ろされたら、ソファと同じ匂いがする。
 微笑む彼を見上げる視線には、
 男として、少し悔しさも滲んだものだったかも
 しれないけれど、それ以上に羞恥が勝った。

 ――敵わない。

 先に惚れた方が負けだとか、よく言うけれど。
 恋をしてしまえば、誰もが敗北を感じる時がある。

 
ああ、もう、溺れそうだ。

 
[その後、きっと。

 ソファに転がっていた時よりも
 駄目になった姿を見せてしまっただろう。
 
 そんな姿を見せても良いと思える程に、
 ――心は近づいていく。少しずつ。少しずつ。]

 

 

 

     [ 夜明けに一人、目が覚めた。
       隣で眠っている彼の寝息を聞く。
        
         腰元の傷跡に、
         慈しむように、口づけを落とした。* ]

 

[――目覚ましの音で醒めない朝は貴重だ。

 代わりに聞こえたのは、穏やかな声。
 まだくっついていたい瞼を重そうに持ち上げて、
 薄っすらと視界を開けていく。]


  ……ん、


[仄かに香るコーヒーの香りに刺激されて、
 シーツから顔を覗かせたなら、彼の姿が映る。]


  
……はよ、……ンッ、


  ……おはよ、 ございます……。


[一度、掠れた声を飲み込んで言い直して。
 気だるさの残る身体を起こせば、
 重力に従って肩からシーツが滑り落ちていく。]

[朝は、正直。弱い方。
 こし、と瞼を指の腹で擦りながら、
 まだ思考の巡らない頭の中。
 
 少し遅れてきて伝達された問い掛けに。


  飲む……、


[それだけ応えて、小さな欠伸を洩らした。*]



 普段着?


[普段着とは。
普段着?

仕事着は、厨房に立つ日と、打ち合わせ用の清潔かつ地味なもの。
そして黒と赤と銀のパンクファッション。
以上。クローゼットの内訳はその3パターンに、最近お出かけ用のお茶会服が一揃い増えただけ]


 パジャマとか?

[くふくふと機嫌良さそうに笑う玲羅
腕を組んだ距離は近い。そりゃ顔も赤くなるよね。
そして買い物の内容聞くのやめてあげようね?
栗栖くん年こそ1個下だけど、初カノだよ???
スマートさとか求められても応えられない。
でも……]


…………えい。


[デコを少し突いときました。
玲羅も楽しそうだから。良いかなって。
楽しそうだから、許しちゃう。目も細まる。]

[そしたら小さな呟きが聞こえて来たから。


人の事言えないじゃん。



[今度は俺が胸の奥で笑って。
腕を組む玲羅に微かに体重をかけると、顔を覗き込んだ。
ほんのり照れた顔可愛いね。
ここで『可愛い』とか言うと、また反撃が来るのかな?
それもきっと楽しそうだ。
彼女といる時間は、何で何時もこんなに楽しい。
思わず疑問を浮かべる程。初めての恋に俺は浮かれていた。]

[お邪魔したお宅はオートロックのマンション。
それだけでちょっとびっくりすると共に、安心した。
びっくりしたのはお高そうってこと。
安心したのは、玲羅の身が少しでも安全そうだってこと。]


おじゃましま〜す。


[案内された部屋は可愛らしい。
明るい色見のナチュラルな風合い。
女の子の部屋って感じがする。
女の子の部屋入った事無いけど。
勧められるまま、ラグの上に、クッションを抱えて座って。
玲羅はお茶を淹れてくれるらしい。こういう時どうするの?]

えっと……


[淹れて貰って良い物?
もう分かんないや。
混乱し過ぎて笑っちゃった。]


俺ここで座ってて良い物?
手伝わなくて良いのかな。よく分かんない。
ふふっ。

リクエストして良いなら、そうだな〜……
背伸びして、紅茶。
あんまり飲んだこと無いし、なんだかお洒落なイメージ。


[分からない事は聞いちゃえ。
不慣れ感丸出しで、スマートさは皆無だけど、玲羅に尋ねて。
家でもうさぎの穴でも供されるのはお茶だから。
珈琲や紅茶にはあまり馴染みがない。
よりお洒落そうで、女子受けしそうな方を選んだ今の俺はちょっとあざといぞ。悲しい程ちょっとだけどね。]

[お茶が入った頃合いかな?
手伝えることは手伝った上で。
鞄に手を伸ばして……]


そだ。俺もお家に訪問するお土産買ってきたよ。


[がさごそと。長方形の箱を取り出しました。]


じゃーん!!
ポッキー
です!!!



[取り出したら。可笑しくなって。吹き出した。
くすくす笑いながら。もうキスならしたのにね。
でもコンビニで見かけて思い出したら、買わずにはいられなかった。
なんだかんだで。思い出のお菓子だったから。**]

[ 足りないと思ったことは、ない。

 言葉だけで全てが伝わり合うなんてのは
 幻想だと思っているし、

 いつだって君の言葉は、実直で
 飾り気がなくて。
 真心ってこういうものなんだろうなって思う。

 そうしてと頼めば叶えてくれるような
 気がするけれど、今はまだしない。

 
――叶えてくれそうだと思えるだけで、
 興奮してしまうのはまた別の話だけど。


 まだ見ぬ日の君よりも、今は
 擦り寄ってくる今日の君に、意識が向いているから。

 向いているどころではないのだが。 ]

[ その触れ方にそういう意図がなくても
 もう、遅いかな。
 躊躇する時間すら、惜しいくらいには。 ]

 
やだった?


[ 少なくとも驚かせた事は間違いないだろう
 そういう反応だった。

 成人男性である君の体は、軽々と
 持ち上げられるわけではないけど、
 ソファとベッドの短い距離、手を引く暇と
 秤にかけて、即決した。鍛えておいて良かったね。

 誰かさんのおかげでだいぶ、焦れていたので。 ]

 ごめんね、みっともないけど
 限界で、

[ 羞恥の色濃い表情に、にっ、と笑って。
 先程君がしてくれたように、額に、頬に、
 唇を落として、君の手を導くように強く引く。 ]

[ 裾から肌に直接触れれば、分かるだろう。
 すっかり痕になってしまった、皮膚が。

 治りきったその箇所は、他より少し
 敏感になることも。

 躊躇しないで、触れて欲しい、
 その願いを叶えてくれたなら、

 あとは手を取り合い、溺れるだけだった。 ]

 ふふ、まだ眠そう。

[ 眠たげな姿は、普段より少し幼く見える。
 盗み見した寝顔と同じくらい。 ]

 うん、落とさないでね

[ 二つのカップを手に、君の元へ。
 寝具のすぐ側、ベッドに背を預けるようにして
 座り、下から見上げて、指先を眠たそうな
 君の鎖骨の下に伸ばし、とんとん、と二度つついた。 ]

 ――ところで、もしかして俺
 また誘われている? 乗って良い?

[ 肩から滑り落ちたシーツ
 朝からだいぶ、刺激的だよね。* ]

─ 溶けるアイス ─


 ……なるほど

 そうだね、怒る……怒ろうか


[賄いに、料理に消極的になってしまった理由。
それは好きではなくなった、とか自信を無くした、ではなく、もう少し意図的なものだったらしい
心配していてくれたからこそではないのかと思うけれど。

ぽつりと滴を作って落下していく甘いキウイ。

それがとても大切なもののような気がして、咄嗟に手を出せば。
中指の先に落ちて、爪をグリーンに染めた]



 他の人を誘わせようとしてたの?
 そんな理由で


[たとえばゲイザーなら接客も料理も100点。そんな理由。
そうかもしれない。

援助が必要と思った時点では、漠然と、人手が足りない、としか考えていなかった。
職能的にチエが十分こちらの需要に応えると判断したけれど、もっと役に立つ人材は、確かに他にいたかもしれない。

フォンを引ける人。難易度の高い揚げ物をできる人。美しい盛り付けをできる人。同時に複数の品を作り上げられる人]



 ……他の人か

 でも、無駄だったと思うよ
 チエを誘ってはいけないと思ったら
 もう

 他の子に声をかける気がなくなっちゃったから

── 報告会 ──

[神田さんの返事は、やっぱり大人だなーって思う。
優しいし、頼りになるよなーって。]


…………うん。

でも俺あんまり悲観してない!
から。きっと大丈夫。

無理はしないって、約束するね。
ありがと。

ふふっ。神田さんやっぱお兄ちゃんみたい。


[そう言って笑うと神田さんにじゃれた。]

[お仕事の話しは色んなところから漏れ聞こえたんだと思う。
店員さんとの話題に上がることもあったし。
嫌でも聞こえてきたりするし。
現に高野さんの事も、話した事無くても名前知ってるし。

趣味が観察な話しについては……]


それじゃあ、趣味が活かせる仕事に就いたんだね。
天職だったりして。


[なんて笑った。
ところで何でどもってるんですか?
大咲さんも神田さん一筋でしょうし。
俺も
玲羅一筋
ですよ???]

[ラム肉は子羊の肉らしい。
同士大咲さんもありがとう。
神田さんの話しぶりだと、マトンが成人した羊かな。
ふと、眠りの森の美女を思い出した。
王子様の母親怖すぎでしょ。でもお肉は美味しそうだった。]


…………???


[尊敬とまで呼ばれる事を、俺は何かしただろうか?
自分の良いところは、見え辛いものだね。]


まあ。それくらいすぐ失敗するから?……かな?


[首を傾げながら笑って。
俺はお兄ちゃんに大人しくご馳走されました。
自分も何か1品お肉頼んだけどね。
揚げ出汁大根も美味しいね。美味しい。
お出汁じゃなくてコンソメでも美味しいんじゃないかな。
思った俺は、また近いうち牛肉が黒板にかかれる事を知らない。]

惚気話しようぜ!!



大咲さん、ちょっと遠慮がちなとこあると思ってたけど。
神田さんにはそうなんだ。へぇ〜〜……。

さっき天然鈍感同盟断られたの。
神田さんの影響かも??

いいねぇ〜。影響し合ってるって。
俺も玲羅に何か影響を与えてたら良いなぁ〜。
俺はね〜。影響受けまくり。
俺は玲羅が初めての恋人なんだけどね?
恋がこんなに楽しくて幸せだなんて知らなかった!

玲羅も幸せ感じてくれてたら嬉しいなぁ〜。へへ〜。


[お肉と共にとろとろ幸せに融けた栗栖くん。
今度高野さんに紹介してもらう約束をして。
楽しい夜は過ぎて行くのでした。**]

[笑っていると軽く額を突かれる。
彼も何だかんだで目が笑っているし
言うほどの痛さはないけれど。]

………む。

[揶揄うような台詞と顔を覗き込む仕草に
ささやかな仕返しめいたものを感じて。
一度拗ねたように唇を尖らせてすぐに表情を緩め。
甘えるようにきゅ、と腕の力を強めた。]


そ。いっしょだよ。



[だって私だって、負けないくらい君が大好きだからね。]

[余談ですが玲羅は決してお金持ちではありません。
アイドル時代の稼ぎは基本的に貯金しており
日々の生活は現在のお給料の中でやりくりしている。
これは「分相応な生活をしなさい」と言うママの教え。

オートロックのマンション、駅にもそこそこ近い分
築年数は古めにすることでバランスを取っている。
これは一人暮らしをするなら防犯がしっかりしてる所以外は
絶対に許してくれなかったパパの教えである。

まあそんな貝沢家の事情は置いておきまして。
家に入り、ラグの上にちょっと所在なさそうに座る彼に
ちょっとおかしそうに笑った。]



 私が欲しかったのは、辛い時にそばに居てくれるチエなの
 チエでいいんじゃなくて、チエが良かった


[言い切る声は、怒っているように聞こえただろうか。
うまく怒れているかわからない]


あはは、そんな気構えなくていいよ。座ってて。
珈琲はインスタントだし、他のはパックだし。
オッケー、紅茶ね。砂糖入れる?

[手伝いと言ってもケトルでお湯沸かしてカップに注ぐだけだ。
そうしながら好みを聞いて、両手にカップを持って
ローテーブルの方にいこう。
テーブルにカップを置いて隣に座り。]


――。


[そうしてじゃーん、と言う声と共に
長方形の見慣れたパッケージが取り出される。

それを見て、ぱちぱちと瞬きして。]



 それと……確かに、私と同じようにはまだ作れないけど

 もし
 最初から料理がすごく上手だったら
 私、きっと君に片想いしなかった


[初めて、お客様ではなくなった日のことを覚えている

沙弥は店を愛し過ぎていて、抜け出すことの出来ない深みに既にいた。
厨房という私の世界と、私の世界に共に立つ人たちと、私の料理を私の代わりに食べてくれる人たちと。
“救い”に満ちていて、とても狭いうさぎの穴。

お客様ではなくなったピンクのうさぎは、調理担当ではなかった。
フリルのブラウス。襟の飾り。
私の世界の端っこを通り過ぎ、ひらりとホールを舞う]


 私には料理しかないけど
 チエの心には、他にも好きなものがあって
 自由に愛しているように見えたから


ふっ、あはははは。


[思わず噴き出してしまった。
いや、何故かと言うとだね。]

……実は、私もこれ。

[笑みを堪えつつ。
置いたままだったビニール袋の中から
もうひとつ、ポッキーの箱を取り出してテーブルに乗せる。
適当にさっきコンビニで買ったお菓子…って
これだったりするんだなあ。]

いやあ、考えることは一緒だね。

[あははは、とけらけら笑い転げながら。
まあ別に被って困るものじゃないし、いいか?]



[目で追う。可愛らしい服装を。
好きなもので詰まった買い物袋を。
賄いに出てくる肉料理。
私の世界を出入りして、掠めて、外の匂いを運んでくる。ひらり。


          この子の好きなものはどういうものだろう。
                私もそういうものを知りたい。
         ぬいぐるみを作り出したいなら、見てみたい。
             お茶に心を込めたいなら、教えたい。
      可愛いものを好きな君に、可愛いと言われてみたい]


…それじゃあ、


[ぱり、と自分の買ったポッキーの箱を開けて。]


せっかくだし、します?
ポッキーゲーム。


[に、と悪戯に笑って首を傾ける。**]



 そのままの君がいい
 料理、上達したいならして欲しい
 しなくてもいいなら、そんなにできなくていい
   今のチエの作る食べ物、私、好き

 君が好きなことを愛していてほしい


[だから傍に来て欲しいけど、いなくても良いと思った。
愛されたいと思っているけど、 **]

【人】 役者 セロ

―Madam March Hare カウンター―

[程なくして出されたペスカトーレ(聞き慣れないオシャレな名前だった)は、ごろごろの魚介と形の違うパスタがたっぷり。まずは一口。]

 美味しい!

[トマトソースに魚介の旨味とコクがよく合う。家でも作ってもこの味にはならないので、プロはやはりすごい。]
(63) 2023/03/14(Tue) 17:59:52

【人】 役者 セロ

[そして同じくらいのタイミングやってきた、蛤のバター焼きととそら豆のポタージュ。2種類のバター焼きとはなんとも贅沢だ。

 ふっくらとした蛤にガーリックの香りと濃厚なバター醤油。間違いない。
 パセリとニンニクがきいたエスカルゴバターはなんともワインに合いそうな風味だ。残念ながら明日は休みではないので我慢しよう。]

 おいしい…貝に醤油ってどうしてこんなに合うんだろ…
 こっちのバターもおいしい〜

[そら豆のポタージュは舌ざわりなめらか、ほどよく塩気が効いている。]

 これは、うん。
 パンください。

[ペスカトーレにバター焼き、ポタージュときたらパンでしょう!]**
(64) 2023/03/14(Tue) 18:00:44
役者 セロ は、メモを貼った。
(a17) 2023/03/14(Tue) 18:02:59

役者 セロ は、メモを貼った。
(a18) 2023/03/14(Tue) 18:04:09

[そうだよ?仕返しです。
俺は玲羅に何かされたら、必ずやり返してる気がする。
こう見えて相当な負けず嫌いです。
だからなんだろうか……
君との会話が楽しくてたまらないのは。


『いっしょ』だと。


言葉にしてくれる君に、胸が満たされる。
君は俺を不安にもさせて。そうして俺を満たしてくれる。]

[所在無げにラグに座ってたら、笑われた
パックもインスタントも十分ご馳走だと思う。]


お砂糖2杯?

……あ、甘い物あるから、1杯にしとく。


[実はちょっと自信ない。
それくらい飲み慣れて無いけど、お願いした。
紅茶が目の前のローテーブルに置かれて。
ポッキーを取り出したら、瞬く玲羅。]

[しばしの間。それから彼女が吹き出して
そして取り出されたのはもう一つのポッキー。]


あっははははは。あはは。何それ!!



[俺も可笑しくて吹き出して。
2人で思いっきり笑い合った。
涙出るかと思った。同じ事考えてるなんて。]


ほんとっ……くふふっ……、通じ合ってますなぁ。


[笑いの発作に見舞われながらも、返事をして。]

[玲羅がポッキーの封を切って。
さあ。ゲームの始まりです。]


俺。ゲームのルール良く知らない。


[あの時は、玲羅が実演してくれたんだっけ。
俺は玲羅の手元の袋から一本ポッキーを抜き取って。]


だから玲羅が俺に教えて?


[口に咥えて、小首を傾げてみせた。**]

[眠そうだという声に
 項垂れるように、こくんと首を揺らす。
 朝の眠気を追い払うには、
 夜にやってくる微睡みよりもしつこい。

 テーブルにはまだ片付けきれていない
 昨日の名残りがあっただろうか。

 もう一度目を擦ってから、
 目の中の異物感にようやく気づく。
 目の奥の乾いた感触。

 そうだ、昨夜はコンタクトを外す暇もなく――、]

[スプリングを軋ませて二人分の重みを受けたベッド。
 シーツの上で投げかけられた質問に。

 癖になっていた
 手の甲で口元を覆う仕草がまた出てしまった。
 
 熱が引かない頬を腕で隠して。
 答えにくい質問に、息を呑んで。]

 
  
いや、……じゃない、



[そう応えたのは俺も、同じ。
 その時の彼の反応はあまりにも羞恥が酷くて、
 顔を見ることすら出来なかったけれど。

 続けられた言葉に、
 盗み見るように移した視線の先。
 悪びれることもない笑顔を見てしまったら、
 もう、断ることも出来ない。]

 
 
[進められていた酒を呑んで、
 理性を少し、忘れた後なら良かったのに。

 
      コーラに入った炭酸じゃ、酔え忘れられなくて。]


 
 


 

  …………、


[目を擦っていた手を下ろして、
 渡されたカップを無言で受け取る。
 
 しっかりと記憶に残っている昨夜のこと。
 思春期でもあるまいし。
 こんな朝を何度か迎えたことはあったはずなのに。

 跳ねた寝癖の下で、また耳朶が赤く染まった。
 言葉を返さないのは、寝起きのせいだと思われたい。

 乾いた喉に、熱々のコーヒーを一口含ませる。
 苦味があっても、ホットの場合は
 熱さで、苦さを忘れてしまうから。]

[ベッドの上で足を畳んだまま、カップを傾ける。
 隣に腰を下ろした彼が、指先で首筋をつつく。]


  ……ん?


[横目に小さく反応を返したら。
 
 指摘の声に、今の姿を鑑みる。
 シーツ以外には必要最低限のものしか
 身に着けていない現状。鎖骨に残る――……、

 引きかけた熱がまたぶり返しそうになって。]


  ッ、  …………
だめ、
です


[もう一口飲んだら、熱を悟られないように
 カップをテーブルへ置いて洗面所へ逃げ込んだ。*] 

[ビニール袋からポッキーを出した瞬間
彼が盛大に笑い始める。
いやここで被るとは思わなかったよねほんとにね。]

あははははは。
まーじで以心伝心じゃん。
はははっ、おっかし〜〜………ふっ、 くく……!!

[なんだか変なツボに入ってしまい
二人して一頻りげらげら笑い転げる。
ようやく笑いの波が収まって、目尻に滲んだ涙を軽く拭い。

さあゲーム開始だ、と言わんばかりに封を切った。]


ルールはねえ、シンプルに
二人で両端から食べ進めて行って、
先に口を離した方が負け。簡単でしょ?

 ……ン、いーよ。


[誘うように小首を傾げる彼ににんまり笑い、
向き合うと床に手をついて距離をつめ。
ぱくり、と躊躇なく片方の端を咥える。

なお君が負けず嫌いなのは何となく察しております。
何故なら私も負けず嫌いなので。

カリカリとポッキーを食べ進めていく間
じいっと彼の方を見つめたまま
その表情を窺っていたけれど、
向こうの反応はどうだったかな?**]

[2人でゲラった後。
戦いの火蓋は切って落とされた。


ねえ。玲羅。俺思ったんだけど…………
これ。ポッキーゲームじゃなくて、にらめっこじゃない?



それくらい互いの視線が逸れないし。
君は距離を詰めてくるのに。
俺も距離を離そうとしないし。
ポッキーが短くなるにつれ、俺は可笑しくて。
吹き出したくなるのを堪える始末だった。]

カリッ



と。音がして、最後のポッキーが齧られて。
互いの唇が触れたけど。
君はその時どんな顔をしてたかな?

俺はもう笑いを堪える事が出来なくて。
声をあげて笑いながら、君を抱き締めた。]


あっはははははは。玲羅。君、負けず嫌いでしょ?!



[笑いながら。身を乗り出していた君を抱き締める。
少しだけ腕を引いて、抱き寄せたなら。
肩口に顔を寄せて、抱き締めた。]

[微かに、笑いの名残で、胸が上下してる。
鼓動が何時もより少しだけ速い。
でも俺の何時もを君はまだ知らないか。
抱き寄せて。抱き締めて。耳元で囁いた。]


玲羅。
好き
。君の事が
大好き



[それからもう一度力を込めて抱き締めて。
唇が触れる箇所。耳元に小さく口付けると。
抱き締める腕の力をゆるめた。

顔が見えたら、もう一回。
今度はゲームじゃなくて、キスがしたいな。**]

― 後輩と惚気 ―

[まあ、喩えスカウトしたところで
栗栖が芸能界に行くことはないだろうと思ってはいるけど。
彼が目標を持って勉強していることは知ってるので。

しれっとジョークを交える高野に
そういう奴だよ君は…と言う視線などを向け。
グラスを片手に惚気話は続く。]

へー、俺心狭ぁって思うんだ高野君も。
聞きたいなそのエピソード。

[みっともなく縋る高野も
いまいち想像つかないのでちょっと見たいような。
いや勿論後輩には幸せになってくれと
思っているので別に他意はないです。
ただ単にレアな姿にちょっと興味があるだけです。

ともあれ後輩が聞いてくれるのをいいことに
つらつらと一方的に惚気話を聞かせ。]


ふふー、ありがとぉ〜。
高野くんも幸せになんなよぉ〜。


[祝福にはへにゃりと笑い、礼を返す。
心の中の賛辞は伝わらずとも
向けられる温かな親愛は伝わってくるから。

気安い友人としての距離感。
それが喩え互いの深くに踏み込むことがないものでも、
幸せを願っていることは確かですとも。]

[で。]


え、なによぉ〜〜その反応。
なんかあるでしょぉ〜。
恥ずかしがり屋とか自分で言うなって。


[本当に話したくなさそうなら遠慮するが
単に照れているだけなら嫌よ嫌よもなんとやらで。

いいから聞かせろとつつき、
ぽつぽつと話し出すなら耳を傾けたことだろう。**]

 

[ 今でさえ甘やかすのが上手なのに、更に向上されては
  大咲もいよいよ彼がいなくては駄目になってしまう。
  「こうおねだりすれば多分応えてくれる」と分かっても
  いざ実行するのは、案外勇気だっているもので。

  そんな行動も"可愛い"と甘やかされるなら
  今後の必殺技のレパートリーにも乞うご期待。なんて。

  こうやってひとつひとつ、知っていく。
  メンズ服を見ることの楽しみ
  試着した姿を恋人へ見せることへの、少しのそわそわも。
 
逆に知られていくこともあるのだろう。
例えば、自覚していない反芻の癖、だとか。
 ]

 

 

  ……職業病ですっ


[ 料理人の顔になってる、と触れられれば
  ライバル心を燃やしているのが途端に気恥ずかしい。
  彼がうさぎ穴から出て行くことはないと思っていても、
  それはそれとして
  美味しい、と感じた店の味は知っておきたいものだ。

  真似をするつもりも、味を寄せるつもりもない。
  ただ"自分の料理"を磨くには不可欠の工程では、ある。
  自分の味しか感じられなければ
  そこからずっと成長出来ないままなのだから。 ]

 

 

[ 一説によれば、恋は病であるらしい。

  相手のことを愛おしく想う感情と同時、
  その人になら傷付けられても良いと思う矛盾。

  相手の未来が幸福であることを祈るこころと、
  隣にいるのが自分でなければ嫌だと厭う相反。

  "クッキーを美味しいと言って食べてくれるだけで良い"
  ────……否、今はもう、"良かった"としか言えない。
  あの時は、彼に他の想い人や恋人がいても
  自分のお菓子を食べて貰えるだけで十分だと思っていた。

  幸せプラス。ほんの少しの、なにか、でいられれば。
  そんなちいさな欲は、恋を知って 愛を覚えて、
  プラスじゃなくて 彼の心全てを占めたいに 変わり。 ]

 

 


[ 知らないところがあるなら、全部知りたい。
  見せていない部分があるのなら
  その秘密事の種を、自分の前でだけ、咲かせて欲しい。

  ──…きっとこれは、名前を付けるなら独占欲。

  だから、単なる店員と客の間柄だった時は見れなかった
  彼の欲へ喜んでしまうのだ。
  たとえそれが、空腹の獣めいた欲の色でも。 ]


 

 

[ 電話口の向こうの母は、そんな欲とは縁遠そうだった。
  母と子というよりも 人と人。
  求めた愛の形と、差し出せる愛の形が当て嵌まらない。
  ──ただそれだけのこと。
  一応は娘である自分にも、その価値観は理解出来ないが
  やっぱり、彼のように怒りを抱くことはないままだ。 ]


  ね、意味分かんないですよねぇ。
  でもおかげで手放す決心、つきました。
  ずっと。曖昧にしておくつもりだったんですけど。

  どんな答えが来て、いったんは傷付くことになっても
  それ以上に大事にしたい人が、今は隣にいるから。
  案外傷付きもしなかったですよ。
  こんな風に、私の代わりに怒ってくれるような、
  やさしい恋人と生きていく方が良いって思えましたし。


[ へにゃ、と笑って、「頑張ったね」の肯定へ頷きを。
  過去の清算も済み 後は、と口を開きかけて。 ]
 

 

  …………そ、れ って、


[ 近いうちに。
  最初の名乗りを、彼と、同じに。

  意味を理解し、暫し固まった大咲の指へ、彼の手が触れる。
  重なる体温。
  彼が触れた場所、──永遠の愛を誓うところ。

  今はまだ何にも飾られていない、互いの約束の指。
  ……後は、と考えていたことを先取りされてしまった。
  言葉が出て来ないまま、ローテーブルの上
  開かれたベルベットの箱の中、銀色を見つめて。 ]

 

 

[ 雨のように降り続ける彼の声が、ぴた、と止む。
  見上げた顔が赤くなっていて、目線が落ちた。 ]


  ……あの、夜綿さん


[ 名前を呼ぶ。腕を動かし、合鍵を持っていない方の手で
  彼の頬へそっと触れ、「こっちみて」と行動で促した。
  目が合ったなら、微笑みを浮かべ。 ]


  電話をね、して。縁を切った後、思ったんです
  ずっと、家族が欲しかったけど。
  家族がどんなものか、知りたかったけど。

  でも、これから先私に家族が出来て。
  その相手が夜綿さんだったら、って考えたらね
  ちょっとだけ 変わったんです。

 

 


  ────私、夜綿さんと、家族を作っていきたいなって。


[ 教えて貰うのでもなく、与えて貰うわけでもなく。
  一緒でしか作れない料理の味があるように
  二人でしか作れない、家族、というものを。

  ──だから。 ]


  ください。その、約束の証。
  印の方も、お互いで選びたいです。


[ 前のめりなんかじゃ、全然なくて。
  同じこと考えてたんですよってこと、この言葉で
  貴方に伝わってはくれるでしょうか。 ]

 

 

  夜綿さん。
  私、夜綿さんのこともちゃんと、幸せにしたいです。
  ──それが私の幸せだから。

  …………で、その、あの。
  いっぱい最近考えて、気付いたことが、あって

  最高に可愛い自分でデートした後がいいって
  お泊りした時、言ったじゃないですか。
  ……でも、よく考えたら
  デート服もメイクも大事なことには変わりないけど、

  過去のこと内心で少しでも引きずってたら、
  中身が結局かわいくないな、って、気付いたというか…


[ 顔が熱い。今度は自分の方が顔が赤い自信しかない。
  つまりなにが言いたいかって、……その。 ]
 

 

  
……ケーキも、母親との縁にも、答え見つけて。
心から、夜綿さんと家族を作りたいって言えた、今の私が。

…………………最高に可愛い自分でいられてる、と
思ったりもしたりするんですけど ……どうでしょう……



[ なにが「どうでしょう」なのかはもう、
  お願いだから察して欲しい。
  これで通じなかったら私は今すぐ
  電車へ飛び乗りに行く覚悟で、言ったので。* ]

 

メモを貼った。

 寝起きも可愛くなっちゃうんだね。
 早起きが得って、こういうことかなぁ。

[ 早起きとは、というハッシュタグが
 付きそうではあるが。

 なんにせよ、安心して休んでくれた
 証を貰ったような気持ちになるし、

 なにより、かわいい。
 聞こえてはいるのかこくんと、
 頷くように首を揺らして見せるから ]

 もう少し寝る?

[ と聞いたけど、カップは無事
 受け取られたので
 寝起きで意識がふわふわとしていても、
 起きるつもりはあるのだろう。

 今朝もまた言葉の少ない事を
 気にするつもりはないので、

 自分も座り込む。 ]

[ 珈琲の香りと、
 昼近く、穏やかなな日差し。

 ――の中、刺激的な姿の恋人。

 誘われるには満点の状況だけど、
 さすがに冗談、だよ。

 だったんだよ? ]

 転ばないでね

[ あからさまに、意識していますという
 反応を返されるとは、思ってなかったんだよな。

 洗面所へ逃げ込む君に転ばないで
 と声を掛けて、一人分空いたベッドのスペースに
 転がった。 ]

 は〜〜〜〜………

[ 昨晩このベッドは、はじめて家主以外を
 招いた。

 甘えたいという割に、甘やかし上手な恋人は
 昨晩も、ものの見事に自分を甘やかしてくれた。

 嫌だとそう言われても、
 拒まないでと縋っただろうに、

 ……じゃない、

 と添えてくれたものだから。

 自分の中に、こんな気持もあるのかと、
 また一つ、君に教えてもらえたと思う。

 目が覚めて、ひとりじゃない。
 そんな幸せな気持ちは、穏やかな日和には
 似合いの、やさしい色をしていた。* ]

―― ムール貝の日 ――

 う〜ん。

[ 到着し、着席そうそうのため息は
 何を食べようか、悩んでいるときよりも
 かなり軽い声色。 ]

 あ、そら豆は食べたいな
 焼いたのしか食べたことないから

 おいしい食べ方を知っていたら是非

[ この場所に仕事を持ち込むことは
 ほとんどない、が。 ]

 ――どう見ても分が悪い賭けなんだよな

[ 今日ばかりは愚痴めいた言葉が飛び出して
 来てしまった。

 画面にはトークアプリのやり取り。
 それを眺めながら、もう一度、唸った。* ]

―― 先輩の惚気 ――

 前から思ってたけど、先輩の俺への評価
 ちょいちょいおかしくない?

[ どうせ恋愛経験豊富だとか、前にも
 言っていたな。

 そういうやつだよ、という視線
 には、にっこりと。多分貴方はよく見ていた
 表情で答えた。ゴチです、先輩。 ]

 えぇ、ちっちゃい男だなって思うよきっと。
 ……葉月って知ってる?ここにも
 よく来るんだけどさ。
 ちょっとした切っ掛けで友達になって、
 好きなやつ、だれだってしつこいって話したら
 紹介しても良いって言うんだけどさ。

 ……疑ってるとか心配してるとかじゃなくて
 葉月いいやつだし、話もうまいし
 俺と話してる時より楽しそうにされたら
 やだな、とかそんなとこ。

[ 先輩の話が途切れたタイミングで
 聞きたいと言われれば、そんな話もしただろう。 ]

 十分幸せだよ、今でも。

[ へにゃりと笑う先輩の指には
 きらりと光る指輪がある。
 
 よっぽど、嬉しかったんだ。良かったねと
 もう一度言って、ビールを口に運んだのだが ]

 なんかってそりゃま、あるけど
 えぇ、シャイボーイなんで勘弁して……

 っふ、ふふ

[ おっと、これは煙に巻くことは
 できなさそうだと、判断したのもあるし、

 自分で言っておきながら、似合わないにも
 程があり笑ってしまったこともある。

 それが少し、今宵の俺をお喋りに
 させたようで、 ]

 普段、面倒見良くて、クールなとこ
 あるわりに、二人でいると
 可愛いとこ とか。

 ……最近どんどん可愛くなって、
 ほんと、参る……

 それでいて、男前というか
 格好いいとこもあるので
 だいたいいつも負けてる感じ、ある

[ そんな話をぽつぽつとは、話し出したり
 したかな。揃って惚気って字面に少し
 笑いながら。* ] 

[
せやな。


…とは、内心が分かるわけではないので口にはせずとも。
ずいずいと遠慮なく距離を詰めれば
彼の方もまたじっとこちらを見据えたまま。
室内にサクサクと互いがポッキーを齧る音だけが静かに響き。

そのままどちらも退くことなく―――
最終的にちゅ、と軽く唇が触れたかと思えば
大きく声をあげて彼が破願した。]

……ふっ、

[キスのドキドキどうこうよりも
もうおかしくなって、釣られてこちらも噴き出してしまって。]

負け嫌いはそっちもじゃんか!!
全然視線逸らさないしさあ……
ぜーーったいポッキーゲームってこういうのじゃない!!

[本来なんかもっと甘い雰囲気になるもんじゃないの!?

けらけら笑ってると彼が柔らかく抱きしめてきて
ぽすっとその腕の中に収まった。
それでもまだ笑い続けていたけれど。]

役者 セロ は、メモを貼った。
(a21) 2023/03/14(Tue) 20:33:10


……… ん……っ


[囁きと共に耳元に唇の感触が落ちて
ドキッと心臓が高鳴り、ぴくりと肩が跳ねた。

思わず吐息を漏らしてしまえば
少し腕が緩められて、――
まるで吸い寄せられるように目を閉じて、再び唇が重なる。

さっきや外でした時よりも少し長い
唇の感触を確かに感じるキス。
チョコレートの甘い匂いがふわりと鼻を擽る。]


………私も、好き……だよ
瑛斗…… だいすき、……


[次に彼の顔を見た時には
すっかり自分の笑いは消えていて。
頬をほんのり上気させ、
とろりと熱に浮かされたような眼差しだっただろう。]

……… ん、 もっかい………



[どちらのだろう、早い鼓動を感じながら
唇が離れてもすぐにまた次をねだって。
甘えるように体を摺り寄せた。**]

役者 セロ は、メモを貼った。
(a23) 2023/03/14(Tue) 20:48:21

[だってこんなの笑うしかないでしょ?
負けず嫌い2人して笑い合って。
抱き締めて。腕の力を緩めたら。
君が自然と瞼を閉じた。

引き寄せられるように、唇が重なる。
誰の目にも触れない、2人だけの空間。
唇を離すのが酷く惜しくて。


もっかい



君の声が聞こえたら。もうダメだった。
身を寄せてくる身体は柔らかで。
唇も、腕も背中も、触れるところ全部。
柔らかくて、甘い香りがする。
彼女が好むカクテルってこんな感じだろうか……]

[愛おしくて。離したくなくて。離れたく無くて。
俺は何時しか優しく微笑んでた。
多分に甘さを含んだ笑みで。]


玲羅。



…………ベッドに行かない?



[誘い方が直接的なのも、下手なのも。
目を瞑ってくれると嬉しいなって。小さく笑って。
これで彼女に笑われても。俺は全面降伏しますよ。
俺は負けず嫌いではあるけれど、君に勝てた事は無いから。

笑っても良いから。頷いてくれたら良いな。
俺がコンビニで何を買ったかなんて。
君は聞かなくても、分かってるでしょ?

俺達は1人と1人かもしれないけど。
2人でしか出来ない事
たくさんあるって、君が教えてくれた。**]

[彼女の傍で一番幸せになれるのは自分だという自負がある。
先に好きになって、想いが通じて、どんどん求めてしまうようになって。
自分でもそのスピードが恐ろしくなった、のが今。

よく考えたら彼女はまだ若く、
他の人間との「交際」がどんなものかすら
判断できる基準を持っていないだろう。

彼女を自分の重さの道ずれにして良いのか?
始まったばかりの恋の熱に浮かれた状態が過ぎたら
後悔させないか?

じわりと嫌な汗が背中に滲む。]

[『もう少し慎重に事を進めるべきじゃない?』

戒める自分の声が脳内に響く。]

[――救ってくれたのは、彼女の掌だった。
恥じらいで赤くなっていたと思っていた自分の頬が、
実は自省により冷たかったと知る。

温かさに導かれて目線を上げれば、
そこにあったのは困惑でも呆れでもなく。]

[ああ、
「客観的に見て早過ぎる」なんて考える方が恥ずかしいことだ。

誰かと比べる必要なんてない。
彼女にとって自分は最初で最後だと、もう聞いていたのに。

何年も手放せなかった母親への葛藤を手放して
自分と生きていきたいと今、聞いたのに。

同じ気持ちでいてくれたこと。
ちゃんと伝わったよ。

二人にとって、これは早過ぎる訳ではない願いだ。]



 ……好きだよ、マシロちゃん。


[掌に頬を預けるように少し傾けて。]


 家族になろう。
 「神田真白」になって欲しい。
 結婚してください。


[迂遠な言い回しで格好つけたりはしない。
「絶対に護る約束」を言葉にした。]

[ください、と言われたネックレスを彼女の頸につけようと持ち上げかけた時、再び名前を呼ばれた。]

 うん。

[気づいたこと?]

 ……うん。

[―――――――――まさか、]


 可愛い。
 うん、最高に可愛いよ。


[沈黙など一秒だって起こさない。
ネックレスの箱から手を離し、肩を抱く。
隙間から指を伸ばし、見えていない場所を掴んで引き寄せ。]


 愛してる、


呼び水のような軽いキスを何度か繰り返した後、
吐息を飲み込むように深く貪った。]

[服やメイクを整えることは、心の準備に繋がるのだと解釈していた。
初めてなら尚更、気持ちが追いつくまで、すべてを見せる覚悟が決まるまでに時間がいるだろうと。
どんなに毎度天を仰ぐとしても、無理強いをしないと決めていて、
今日だって「その日」でなければ手を繋ぐだけで寝ようと。

必要な心の準備が、彼女の心にずっとあった燻りが解決したことで整ったのなら。

綿密な計画を練ったデートの後でもなく
ここは立派なホテルでもないが、

今日が、この夜が、「その日」になる。]


 マシロちゃん、


[荒い息を隠さずに、愛しい名前を何度も呼ぼう。
君も呼んでくれるだろう?
君自身も知らなかった甘い声色を響かせて。

――世界一幸せにしたいなりたい。]

[食事の仕方と性行動は似てる、なんて説があるんだっけ。

そんなに行儀悪く食べてはいないから、
きっと誰にも想像されていないだろう。

というか、自分自身でも少し驚いているくらいだ。

これから先、真白にしか見せないから。
その獣じみた慾すべて、独り占めして欲しい。**]

パ、


[ちょっと声が大きくなったのは許されたい。
 パジャマて。だって。パジャマ選ぶて。
 いや違う絶対この『パジャマ』に普通にパジャマ以上の意味ない。落ち着け。勘ぐるな。期待するな。]

……や、そういうのじゃなくて。
なんか近所に普通に出かけるのにとかさ。

散歩用? 気合い入れない用?

[いやまさか、まさか服のパターンが仕事に出るとき用、お出かけ服、パジャマの3パターンなことはないでしょ? ない……よね?]

あ……手。

[怒ろうか、に身構えつつ、視線を落としていたら。
 ひとしずくのソフトクリームを、手で受け止めるのを見てしまった。
 お手拭きを渡しつつ、キワの溶けたところを食べよう。]

そう、他の人に決まってくれたら、安心もできるし、諦められるしさ。
決まっちゃえばいいなって。思ってた。

[けど。
 お互いそうと知らないうちに、そこはボクのために空いていた席なんだというような言葉が落ちてくる。
 ボクがだめなら、他の人を誘う気がなくなった
 ボクでいいんじゃなくて、ボクがよかった
 そんな席を、力不足と蹴ろうとしていたなんて。
 新しい自己嫌悪の材料がやってくるけど、過ぎた話と頭を切り替えよう。
 今ボクに必要なのは、ここから挽回していくことだ。]

……もちろん、絶対、傍にいるって誓うけど。
ほんとに、どうしてボクだったんだろ。

[ホールとキッチン。居場所はカウンターで区切られている。
 目を引くシャミさんの姿に、料理する指先に。
 ボクが意識を取られることはあっても、ボクが見えていたとは思わなかった。

 その区切られた世界がよかったのだと、ボクは知らない。]

それはぁ……喜んでいいのか、わかんないなぁ……

[最初から料理が上手だったら、今はなかった。
 料理が他の店員ほどできないことがコンプレックスだった身からすると、複雑な気持ち。]

でも、ちょっとだけ、自分のヤだったところに前向きになれる。
料理も、がんばるけどさ。
他の好きなものにも、ウソつけないんだ。
服も好き。カワイイもの好き。シャミさんのことも、好き。

[届かない世界。
 ひとりで辿り着けない代わりに、向こうから手が伸びていた。
 これからも、大好き、をまっすぐ抱えていく。]

メモを貼った。

む。そのままではいないもんね。
日々精進しますー。

料理、やめたいわけじゃないんだ。
ほんとはいつかちゃんと、March Hareのキッチンに立つスタッフになりたい。
それから、シャミさんの隣に立つひとにも、なりたい。

[話しながらソフトクリームを崩していたら、そろそろひとつなくなる頃か。
 甘酸っぱい、イチゴとキウイフルーツのソフトクリーム。
 ちょうど今の心の中みたいな、恋心の味。]

 
[カップから立ち上る湯気はまだ温かい。
 赤くなった自分の頬と同じくらい。

 狼狽えるようにして洗面所に向かう俺に
 後ろから掛けられる声に、
 浅く頷くだけで応えてぱたんと扉を閉めた。]


  ――――…………
は、



[個室になった洗面所の中で、息を零す。
 溜息というには、切なすぎる掠れた音。

 頭と顔を冷やすために、蛇口を捻って
 掌で水を何度も掬って顔を洗った。

 徐々にクリアになってきた頭の中で、
 可愛いだとか
 気遣う声だとかも
 徐々にリフレインして眉尻がへなりと下がる。]

[前髪まで濡れた顔を、タオルで拭きながら。
 コンタクトを外したぼやけた視界で鏡を見る。
 ぼやけた視界の中でも分かる、男の骨格。]


  可愛いわけ、ない。



[……と否定を呟きながらも。
 厭うよりも照れ臭い気持ちのほうが募る。

 何より、恋人を可愛いと思う気持ちは
 既に自分も経験済みだから。

 共感してしまう気持ちもなくは、ない。]

  
  …………はぁ、


[思わず二度目の溜息。
 恋人と過ごす朝って、
 こんなにも恥ずかしいものだっただろうか。

 今まで過ごしてきたものが
 子供のままごとに思えるくらい気恥ずかしい。

 着替えのシャツに腕を通して、ジーンズを履いて。
 自宅用の眼鏡を掛け、歯ブラシを手に取る。
 彼が使っている清涼感の強いミントを乗せる。

 眼鏡を掛けてはっきりと目に見えるようになった世界。
 少し首を傾ければ、Tシャツで隠しきれない場所に、
 昨夜の名残が鏡に写り込んでいる。]

 
  …………無理。


[くしゃりと寝癖のついた前髪を手で掻き乱す。

 今日が、休みで本当に良かった。
 一体どんな顔をして、洗面所から出ていこう。]




[ 今更、もう一度。
 
  お願いしますなんて、言えるはずもない。** ]

 

―― ムール貝の日には ――

[顔から火が出そうな程の休日を過ごした後。

 ムール貝にご機嫌な美澄と速崎と
 その日、インしていたスタッフと
 食材をどう料理するかの話で盛り上がる。

 ヤングコーンにカレー粉を使うのは
 個人的にもかなり興味を惹かれた。
 カレーが嫌いな男子は居ない。

 そら豆をポタージュにするなら、
 スープ好きのあの人も気にいるだろうか。
 頭の片隅に、そんな時も思い浮かべる人を
 考えながら、下準備の処理を始めていく。

 そうして開店時間になって。
 いつもと同じ時間ぐらいの鳴るドアベルの音。]


  いらっしゃいませ。


[その姿を認めたなら目を細めて、
 今日もお茶とおしぼりを用意する。]

 
  そら豆、ポタージュにしてみますか?

  和食ならシンプルに素揚げとか。
  パスタに和えるのも美味しいですよ。


[いくつかレシピを上げてみる。
 決まったなら、取り掛かるつもりで。
 そら豆の場所を確認しながら、ふと。

 落とされた独りごちるような声に。]


  どうかしました?


[そんな顰めた眉間を見るのは、珍しいから。
 キャスケットを上げて、少し首を傾げた。*]

[もう一度、キスをねだれば
目の前の君が優しく笑う。
愛おしくてたまらない、それでいて
甘さと欲を含んだような、そんな。]

………… うん。


[直接的な誘いに頬を染めたまま小さく微笑んだのは
可笑しかったからじゃなくて、嬉しかったから。
もっと触れ合いたい、離れたくないと
同じ気持ちで求めてくれることが。

アイドルでも、童話の人魚でも、無垢で清純でもない。でも。
君が、大好きな君だけが。
私を最高に可愛くて綺麗で魅力的な
"ふつうの女の子"にしてくれる。]



………いっぱい、可愛がってね。



[彼の首筋に両腕を絡め、
照れを浮かべながら
耳元にひとつ、口づけて。

チョコレートよりも甘ったるく囁いた。**]

[シェア1品目がなくなって、ほんのり名残惜しさ。
 お叱りのお時間が落ち着いたら、次に向かう時間だろうか。

 ゲームセンター探して、男性のみの入場禁止と書かれた看板を越えていく。
 今日は特に気にすることなく、堂々入店できるからね!

 随分前に、同じゼミの女子誘って一緒に撮りに行ったこともある。その時は『チエならわからんて!』ってけらけら笑われたけど、こっちとしては気になっちゃうわけよ。バレたときとか面倒だしね。]

どうする?
盛れるやつがいい? 色エモいやつがいい?
今日服ガチだし、絵的にまとまるほうにしよっか?

[ボクに任せられるなら、フィルターで演出効果がきくやつにしよう。
 背景も合成で、ファンタジックな加工になるやつ**]

[パジャマじゃなかった。
普段着は部屋着じゃない、沙弥、おぼえた]


 気合い入れない用
 わかった

 ……チエは気合い入れない時はどんな服着るの?


[なんだかすごく気になる]

[君の笑い声が優しく響く。
俺はそれが酷く愛おしくて嬉しくて。身体が熱い。
恋人は居なくても生きていけるって思ってた……
でも君みたいな良い女はきっと二度と現れない。
絶対に離しちゃいけないと思った。

君が俺を変えたんだ。
俺に恋を教えてくれた。

だからその甘い甘い声どうにかしてよ。]


も〜〜〜〜〜〜〜〜



[なんで君は、良い女で居るだけじゃ足りないんだろ?
綺麗で可愛くて、どこまでも魅力的で。
俺は結局君に全面的に降参するしか無くて。

でもそれだけじゃ悔しいから。
甘い言葉を紡ぐ口を塞いでやった。
それから2人。笑い合いながら。じゃれ合いながら。
途中で理性なんて飛ばしながら。
2人でしか、出来ない事。
恋人としかしないことをしよう。

君は俺の『特別』だから。
俺だって君の特別になりたいから。ね。**]

[お叱りというほど怒れていなかったけども、喜んで良いのか微妙な気分にはさせてしまったようだ
言葉選びがおかしいのかもしれない。思い直してみるけれど表現が浮かばなかった。
食材を前にした時くらいにいくらでも思いつけば良いのに]


 ……


[瞬いた。
好きって言った?]


 
私のことも好きって言った……



[前は言わなかった。正確には言ったけど言ってない。
これは本物のデートだし傍にいたいって言ってくれたけど、好きなものの中に自分を含め数えてくれたことにあらためて、ふわふわと頬が熱くなる]



 そう、料理、頑張りたいなら嬉しい


[何故か恥ずかしくなって俯いてしまう]


 となり
 チエは成長早いから、すぐだね。急いで成長しすぎるくらい

 ゆっくりでもいいよ
 ……試作一号機も二号機も、余さず見ておきたいから


[もぞもぞとバッグを探って、ぬいぐるみの手を握った]

[ところでプリクラはいつからこんな巨大な箱になったのか
ずっと前から? 世代のはずなのに知りませんでした]


 すごい
 カルチャーショックを受けている


[ひえ……という顔]


 全身写るんだ。すごいね
 良し悪しはさっぱりわからないのだけど


[可愛く写るやつにしよう。
そうして、プリのCG背景やフィルタの豊富さにさらなるカルチャーショックの深みへ]



[わあわあ言ったり、時間制限に慌てたら何故かボーナスタイムがついたり?
あと機械が出すBGMと声の音量が大きすぎると思う]


 ……

  たのし  か、 った


[ふらふら]


 デートってどきどきするね


[よろよろ。
手を貸してくれるなら、四指を握って]



 つぎ、なにする?


[息を弾ませた。デートのどきどきの意味を違えているかも。

何もしなくてもいい、次の目的地へ歩くだけでも、座って休憩するのでも。
ファストファッションの店舗を見つけたら、普段着ってああいうの? と首をひねった*]

 ポタージュ……いいね、それで
 お願いします。

[ 注文をするときには目を合わせたけれど
 その後また、スマホに目を落とし、
 唸る自分に声が掛かると
 再び目を合わせるように
 顔を上げる。

 困惑と、苦笑いとが入り混じった表情で
 ため息を一つ ]

 俺ね、年末はゆっくりしたいから
 何が何でも期日までに、仕事終わらせたい
 タイプなんだけどね。

[ 年度末、ではなく年末、であるからして
 相当先の話であることを不思議がられた
 だろうか。 ]

 これ、

[ トークアプリの画面を見せる。
 その画面には、

 「今年のセールス首位を守れて
  もし年末の歌合戦に呼ばれたら
  一緒に出演して貰えませんか」

 の文字。 ]

 ちなみに、引き受けるって言ったら
 連休取り放題らしいよ、社長浮かれてるから。
 有給もまぁ溜まってるしね。
 
 返事まだ出来てないんだけど

[ 特大のため息を付き、画面を
 セールスランキングの情報へ変える。
 売上は未だ、増加傾向にある。 ]

 連休は魅力的だけど、
 年末は恋人とゆっくり過ごしたいんだよね

[ 渋い顔の理由はそれ。である。
 つい先日、卒業する、と宣言したというのに。
 と。もう一度、大きなため息をついたのだった。* ]

気合い入れないとき〜?
こんなのとか?

[スマホから服買ったときの写真を探し出す。
 学校制服風のワンピースにニット、ネクタイのセットアップ。
 一転、ユニセックスな黒のストラップ付きシャツにワイドパンツ。
 気合い入れるのもカジュアルダウンもどちらも好きなので、それぞれ着回しも考えつつ取り揃えている。]

普段、どういうの着てるの?

[さっきのパジャマ発言を考えると、聞いていいのか迷ったけど。
 うさぎ穴に行き来するときの服しか、見ないものだから。
 ……あ、いや、こないだマキシのスカート見たな。あれもかわいかった。]

っ、

……すき、だよ? 
だめ?


[うさぎに託すくらいじゃ諦められないほど、好きなんだ。誰にも渡したくないんだ。嘘はつけない。
 言うときはあっさり言えたのに、立ち戻ると途端に恥ずかしくなってくる。
 顔が熱くなるのを自覚して、口元を覆うように手で隠す。]

急いで隣に立てるなら、急ぎたいけど。
多分そんなに早く行けないから、安心して。

3年経ってもお茶すらひとりじゃ難しいくらいだし。

[バッグの中、何を探していたのか気付けば、ふ、と小さく息を吐く。
 欲しい場所を手に入れたから、もう嫉妬はしない。
 むしろボクがもうひとりシャミさんの力になれてると思えば、嬉しさすら。]

――そしてプリクラを撮る――

あは。カルチャーショック?
でもわかるかも。
ボクですら新作もうついてけてないとこあるもん。

[いわんやシャミさんをや。
 それほど頻繁にこういうところに来る人ではないだろうし。
 昨今のプリクラは全身も撮れるしフィルターもかけられるしAIで肌ツヤをよくしてくれるし目も大きくなるし背景はなんだか雰囲気のいいビル街や森や海やランタンの灯る路地になったりする。]

 

[ 確かに自分は彼より二年、遅く生まれて。
  世間一般が想像するような"交際"の何たるかは知らないし
  平凡とはとても呼べない家で育ってきた。

  お互いが好き。愛している。
  そんな確かな気持ちの中に、基準、は必要だろうか。
  平凡と非凡の物差しで彼を測って好きになった訳ではなく
  そもそも自分は、彼が自称するように
  彼のことを「平凡」とは思いもしていない。

  ────だって。
  "貴方としか作れないものがある"のだから。
  その時点で、自分にとって彼は、やっぱり特別だ。 ]

 



[ 慎重に進めた方が安心するなら、自分もそれでいい。

  最初で最後にしてほしいと。
  母より貴方を選んだのだと。
  作れない、作りたくないと思っていたデザートを
  他の誰でもない貴方に、一番に食べて欲しいって。
  その気持ちは、恋の熱に浮かされているだけじゃ、
  決してほどけない、雁字搦めの糸だった。

  ──だから。
  意味合いが通じなければ電車に飛び乗る覚悟でも
  通じた上で、慎重に、と言われるのなら

  それだけは伝えて頷ける未来も、あっただろう。
  笑顔になることがない平凡な人生。
  カメラを向けなくても 美味しいご飯が一緒でなくても
  自然で平穏な「なんでもない日」の道中で、

  後悔なんてしないことを示すために。 ]

 

 


  [ ────幸せにしたいと言い切る言葉の迷い無さと
    自分を慮るその気持ちは、嬉しいけれど。

    もしその思考を知ってしまったら、きっと
    頷くと同時に、寂しい気持ちにもなっただろう。
    "私を"幸せにと言ってくれたくせに
    "貴方とだから"幸せになりたいこと、
    実は伝わり切ってなかったんですね? とか。


    与えたい愛。受け取りたい愛。
    ぴったり当てはまる器をお互いテーブルへ置いて
    "食事"の支度をしたいんですよ、貴方と。 ]


 

 

[ 触れた赤い頬は、色に反して冬のように冷たい。
  雪みたいな熱の引いた肌へ、春風を届けるように
  伸ばした腕と 手向けた言葉は、無事に花開いた。

  掌へ預けるように、少し寄せられた頬が愛おしい。
  出来ない約束はしない主義と言っていた貴方の、
  明確な未来への誓いを耳に。 ]


  ────……ふふ。
  私のこと、お嫁さんにしてくださいね。

  約束ですよ。
  ちなみに私は、夜綿さんのこと、愛してます。


[ 格好つけたりしないところが、格好いいと思います。
  好き、に愛を返して、
  ……それから  それ、から ]

 

 

[ 食欲と恋人への欲は類するか。
  ──そんな説は知らずとも、真白は
  散々食らわせた"待て"と"おあずけ"への反応を
  些か …いや、大分と甘く見ていたのかもしれない。

  沈黙も起きない代わり
  言葉を紡ぎ返す暇もなく肩を抱かれ、
  服に隠れて見えない肌まで伸びた指が、自分を掴む。 ]


  ────……っ、


[ こわくないし、いやじゃ、ない。寧ろうれしい。
 そんな風に思っていた時点で
  心の準備は多分、出来ていて。

  ああでもやっぱり緊張はするし恥ずかしい。
  繰り返されるキスも分け合う熱も、未知のもの。 ]

 

 



    ( ──… ぁ、これ、

        もしかして 食べら れ、る )



 

……だいじょぶ?

[楽しかったとは言うけれど、ふらついてる。
 手を出して、叶うなら支えよう。]

どきどき、してくれてる? 楽しい?

[ちょっとだけ、無理させたかもと思ったから。
 それでも息が弾んで、笑顔が深まるなら、安心もする。]

 

[ 調理する側だったうさぎはいつぞや据え膳の皿に乗り、
  堂々すやすや眠る始末だったけれど。
 穏やかな草食動物のようにも見えていた恋人の、
  獲物を捕食する寸前めいた、肉食動物みたいな荒い吐息。

  砂糖菓子のような甘い声が自分を呼んだ。
  ────……だから私も、名前を声にする。 ]


  夜綿さん、

       ……おいしくたべてください。


[ できれば、その、やさしく。
  舌足らずに紡いだお願いの結果は、さて。 ]

 

 


 [ 独り占め出来るなら、そうさせてください。
   今までの恋人に見せなかった顔。
   今までの人達にはしなかった事。

   お行儀なんて気にしなくていいから、
   煮詰めたコンポートよりも甘い欲だけ見せていて。
   そうして二人で一緒に、
   幸せになりましょう 夜綿さん。** ]


 

メモを貼った。

どうしよっか。休憩する?
お茶するでも、公園で座ってるでもいいけど。

さっきのボクの行きたいとこは、なるべく万全モードで行きたいからさ。
シャミさんが絶対ここ、がなかったら、ちょっと休憩しよ。

[ここまで連れ回しちゃったしね。
 とはいいつつ、ファストファッションのアパレルショップを覗いたら、見てみる?とか言っちゃうんだけど*]

メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。



  かしこまりました。
  

[オーダーには畏まった返事を。
 店の中ではお客様と従業員を続けている。
 同僚にはまだ話せていない。大咲にもまだ。
 
 彼の口から語られた反応は、
 今は己の知るところではないけれど。

 鍋に水を張りながら、
 スマホと睨めっこしている様子を見ていれば、
 声に少し遅れて気づいた彼が顔を上げた。

 零れた溜息から、あまりいい知らせでは
 ないのだろうかと予測しながら。]


  年末……?


[年末と出たキーワード。
 年度末と聞き間違いではなく?
 というように、ぱち、と瞬いて見つめ合わせ。]

[画面を此方側に向けられて、カウンター越し。
 少し身を乗り出すように液晶を覗いて
 文字の羅列に、ああ……と察した。

 年末の歌合戦でピン、とくる。
 この前のMVに関することだろう。
 あまり流行に詳しくない俺でも耳にする、
 どこでも流れているイマドキらしい流行歌。

 MVの再生数もまた増えているだろう。
 あの年末の番組は確か、生放送なんだったっけ。

 身体を戻しながら、困り事の理由に納得して。]


  連休取り放題は確かに、魅力的ですね。


[くすりと、悩む姿を横目に仕事に戻る。]

[キッチンまで聞こえる溜息は、盛大なもの。
 身を引くと聞いた後だから、余計に。

 でも、断れない性格であることも、
 また知っているから困っているだろうな、と。
 くすくすと笑いを漏らしながら、
 沸騰した湯に塩を入れて、そら豆を煮たしていく。

 恋人と聞こえたから、顔を上げれば。
 既に気持ちは年末にあるのか。
 過ごし方の悩み事。]


  高野さんの恋人だったら、
  年末を一緒に過ごせないくらいで、
  不満を言うような人ではないと思いますよ。

  連休取れるんなら、温泉とか。
  連れて行ってあげたらどうですか?
 

[店での彼の呼び方は変えていない。
 でも、彼には意思が伝わるように軽い目配せを。*]

メモを貼った。

【人】 役者 セロ

―Madam March Hare カウンター―

[追加されたパンとデザートで頼んだキウイフルーツのトライアルまでしっかり食べる。
 
 葉月の酔いは大丈夫だっただろうか。

 食材を刻む包丁、肉の焼ける音、楽しげな人々の声で包まれたフロア。
 美味しい料理と暖かな店内。今日も幸せな時間は過ぎていく。]**
(70) 2023/03/14(Tue) 23:05:48


 ああ、楽そうだけど可愛い
 気合いのオンオフでこうなるんだ、なるほど


[スマホの画面を一緒に覗き込むのも楽しい]


 普段は、いつものかな
 ワイシャツに厨房パンツ、ベルトよりはブレイシーズ
 Hareでは使わないけど場所によってはコックコートも着るよ
 あと女性中心の会で、スカートで来て欲しいって言われ──


[そこまで言って、普段ってそういうことじゃないと思い直す]


 ……パーカーとか……?

役者 セロ は、メモを貼った。
(a26) 2023/03/14(Tue) 23:08:02



 まさか、だめなわけない


[好き
美味しい賄いを生み出した時に聞くセリフと同じなのに、照れがその場を支配する]


 私も
 恋かもしれない好きだし……恋じゃなくても愛している


[緊張する。
もちもちふかふかのぬいぐるみを高速なでなでした。
呼べなかったこの子の名前を、今日からは呼べるかもしれない。
その前に製作者に断りを得た方がいいのか]

[ゲームセンターを出て。
賑やかだった大きな音が遠ざかり、華やいだ街の空気の中へ]


 ん、休憩すこししようかな
 足腰は強いんだけど、若い子たちの熱気にあてられたね
 少し落ち着いたら平気


[アイスは胃の中で静かに溶けている。
シェアの大方をチエが引き受けてくれたのもあるけれど。

アパレルショップを見て、ちょっと冷やかし。
無地の黒のハイネックを手に取ってみて戻し、ゆったりしたシルエットのスプリングニットに触る]


 ふふ、だめだね
 グリーンが気になっちゃう
 チエが選んでくれた色が一番よく思えてしまう



[お茶は、コーヒーショップで買って、公園で飲んでから行くのはどう。
せっかくの陽気だから。

腰を下ろせば、視線の高さが変わる。ちょっとチエを見上げた*]

仕事着じゃん。
や、いーんだけど。こないだのスカートきれいだったよ。

[ブレイシーズ。サスペンダーか。
 確かにすらっとした印象になって、かっこいい。似合いそう。
 それはそれで、その方向を突き詰めてもいいけど――]

パーカー。
いーね、じゃあ今度かわいいパーカー探そ。
これからあったかくなっちゃうけど。

それとも、夏服探す?
シフォンとかのさらっと透け感あるやつとか、見てみたい。

[薄手のスプリングパーカーを探してもいいけど、この先着られるやつを見繕うのもいい。
 おいでませ、かわいい服の沼。]

……あ、あいしてる、のほうが、うえじゃん?

[まだ感情を探っている最中みたいなシャミさんの真っ直ぐな言葉を聞くと、途端に照れる。
 こっちには撫でるうさぎがいない。自分の手の甲を、揉むように撫で。]

なんか、その、ほんとに……ほんとにすき、でいてくれてるんだなって、実感した……

[遅い?
 ずっと夢見てるみたいな気分なんだよ、ボクは。]

メモを貼った。

[休憩しよっか、と公園に向けて歩き出す。
 その途中で止まるのも、楽しい。]

そんなこと言われると、いろんな色選びたくなるな。
今度ネイビーとかどう? ナギさんとおそろ。

[グリーンが気になっちゃうのは、嬉しいけど。
 それよりもっと、いろんな姿を見たい。
 今日のワンピースは、本当に本当にクリティカルヒットにかわいいけど。
 この世には、かわいいはまだまだあるからね。]

[そら豆を煮る間に、玉ねぎはみじん切り。
 目に染みるという長年の悩みには
 電子レンジで温めることで回避できるようになった。
 目にも染みなくなる上に皮も剥きやすくなる。

 みじん切りにした後は、
 バターで熱して透き通るまで火を通す。
 玉ねぎの甘味が十分に引き立つまで。

 フライパンを置いて煮立ったそら豆は
 冷水に晒して皮を剥いていく。

 スープのベースは牛乳と生クリーム。
 そしてメインのそら豆。数粒だけ残して、
 ザルで丁寧に濾した後、なめらかになるまで
 ミキサーにかける。

 ベースができれば炒めた玉ねぎと合わせて
 火にかけコトコトと煮込んでいく。

 店のほぼ常備品となっているコンソメを加え、
 塩と胡椒で味を整え。

 そら豆の緑の色が引き立つようにシンプルな
 白の器を選んで彩りも楽しんでもらえるように。]

[コーヒー片手に公園へ。
 ミモザって咲いてるのかなと何となく上の方見上げてたけど、隣のシャミさんの視線が下がって、こっちを見上げてて]

っ!
 ……、

[その視線の高さ、弱い
 一気に全身痺れるみたいに好きと可愛いが駆け抜けて、頭の中が真っ白になる。]

あ、あのさぁ!
……その、行ってみたい場所、ってとこ。

フレグランスショップ、行きたくて。
体質的にダメ、とかじゃなかったら、このあと、どう。

[あんまり気が動転したせいか、サプライズで隠してた行き先が、口から勝手にまろび出た。]

[形を残したままのそら豆を中央に飾って。
 少しだけパセリを散らしたら、完成。

 そら豆を食べたことはあると言ってたけれど、
 スープにしたものは初めてだという。

 彼の身体に入っていくものの『初めて』を、
 自身の手で作れることに、
 密やかに楽しみを覚えていく。

 血液は120日。
 細胞は遅くとも200日。
 骨は成人なら二年半で入れ替わるという。

 彼の身体を俺の料理で作り変えていくにはまだ日が浅い。

 さて、先程のメッセージへの返信は
 まだ悩んでいただろうか。]

[年末ならきっと、まだ。
 猶予はあるはず。

 彼がどちらを選んだとしても。
 それが彼の出した選択なら反対するつもりはない。

 ゆっくり決めてもらうとして。 
 今は、彼の『初めて』を目の前で堪能しようか。

 小さなバスケットにバゲットを添えて。]


  お待たせしました。
  どうぞ、召し上がれ。


[彼の『好き』と『美味しい』を味わおう。**]  

[今日、何も纏ってこなかった香り。
 飲食店勤務では基本的にご法度だし、普段からつける習慣はなさそうだなと思って、やめた。

 代わりに、好きな香りを知りたい。それを纏いたい。選んでほしい。
 服よりもずっと感覚的で、五感に直接響くものを、欲した*]

[平凡な人生を疎んでいた。
何もかもが平均的なスペックだということに劣等感を抱いていた。

そこから脱却しようと通信制の高校を選んだり
フリーランスの職についたりしたのに、
つまらない自分の人生を笑顔で彩ってくれる
特別なたった一人に出逢って
彼女にも好きになって貰えるという奇跡を得たのに、

思考にはまだ「一般的には」というつまらないブレーキが残っていた。

勝手に止まりかけたそのブレーキを壊してくれたのは
やっぱり彼女だった。]

[秘められた覚悟を、自分は知らない。
脱兎の得意な白うさぎさんは、「どうでしょう」と言うまで離れずにいてくれた。
「神田夜綿」の元にしか真白の幸せはないのだと、言葉で態度で示してくれた。

それは、自分になら通じると信じてくれていたからだ、と思う。

誰かに丸つけをして貰う必要はない。
互いの愛しか入らない器が並べられたテーブルが出来たら、
自分達に必要なのはそれだけ。

臆病で彼女を寂しがらせなくて良かった。
うさぎは寂しいと死んでしまうから。]

[緊張で強張る肌が自分の体温を覚えるまで触れた。
唇以外に落とすキスがどれだけの湿度と熱を持つのか、丁寧に教え込んで。
砂糖の塊みたいに甘い「かわいい」と「愛してる」を無数に注いだ。

他の料理人に対しライバル心を抱くのは職業病、だっけ?

さて、「食べられる」側と気づいた白うさぎさんにとって、僕は「やさしい」料理人だったかな?
君が評価を言う前に声を枯れさせてしまったかもしれないけれど。]

[――窓の外が白み始め、遠くに電車の音。

額に貼りついた髪の束を摘まんで動かし、額にそっとキスをする。
そういえば、今日は彼女の仕事は昼からだったか、夜だけだったか。
着替えは首元の隠れた服にして貰うことにして。

そうそう、朝ごはんは何にしようね。
「何でもない日」が特別な日になった朝、
二人で食べる朝食の内容を考えることがあまりに幸せで、
布団の中でくつくつと暫く笑っていた。]



 夏服、そうだね
 上着の有無くらいしか考えたことなかった


[厨房は季節問わずに室温が上がりがちだから、汗をよく吸うみたいな観点で見ていた。

かわいい服の沼、わくわくするけどこわい……はまってお金つぎ込んじゃったらどうしよう。普段着という枠はプチプラにしようね]



 愛してるの方が上、……か…?


[首を傾げる]


 ほんとに好きだよ
 たぶん2,3年前から


[特にこれというアプローチもしていなかったのだから、実感はなかったことだろう。
それこそ、ヒトシちゃんを見せて欲しいと、チエの新しい興味の対象を覗きたがるまで。

欲求はあっても、成就は願わなかった片思い]

メモを貼った。



 ナギの色か
 そうか、小物の色もおしゃれのうちだよね
 メガネとか


[そんなこと言いながらの公園。
どこかへ向いている横顔を、下から眺めると綺麗な顎のラインが見えて得をしたような、味見をして狙い通り美味しかったときのような、ふつふつと湧く幸福感。

それから視線があう]



 え!
 フレ……えーと……香水屋さん?

 行ったことない。香水、つけてみるの?


[その発想はなかった。
面白い。今までの自分には絶対に知れなかった、店の外の世界のいろが鮮やかに光る]


 体質的にダメなのは、酸化した揚げ油の匂いくらいかな
 たぶん売ってないと思うから大丈夫


[それはそう、と誰もが賛同してくれるだろう]

メモを貼った。



 自分の部屋や、オフの日にだけ使う香りってこと

 一緒に選ぶの? それって、それはなんだか……


[言いさして、唇を閉じる。
もう一度チエの顔を見た*]

 でしょう?
 しかもこれ、ほぼ確定事項だと思うから

 返事したら即決定みたいなものだよね。

[ 画面を見せて、年末……?
 言われれば、そうだよ、と頷いた。

 察するような仕草があれば、
 スマホを手元に引き戻して ]

 そう魅力的。
 でもリハのこととか考えると
 年末、ほぼ埋まるんじゃないかと思うんだよね

[ 悩ましげに片手で片目を覆いながら、
 ライトが消え真っ黒になった画面を
 とんとん、と指で叩いて見せる。 ]

 そうかな、そうだったら恋人の方が
 大人かもしれないな。

 俺、今まで素通りしてたイベント
 全部体験してみたいからさ。

 年末っていったらクリスマスも
 潰れちゃいそうで。

[ 店員のお兄さん、曰く、
 不満を言うような人ではない、らしい。

 そうだろうなと胸中で笑ってしまう。 ]

[ なんだろうね、
 堂々と宣言できないことよりも、
 
 暗号の受け渡しをしているようで、
 楽しくなってしまって。

 二人だけで共有する秘密。
 なかなか、いい味がする。 ]

[ ――とは言え、だ。
 クリスマス、はもしかしたら相手の方が
 都合つかなくなるのではないか。

 きっとこの店も大盛況だろう、
 予約で埋まったりもあるのでは。

 その大変な日に、稼ぎ頭である
 彼を連れ出してしまうのは、どうだろう。 ]

 いいね、温泉。
 恋人と旅行ってしたことないから
 出来たら嬉しいし、今度誘ってみよう。

[ どうですか?だってさ。
 このしれっとしたところが、また――良い。 ]

[ そうではない、顔を思い出して
 にやけてしまう前に、スマホの画面を
 明るくし、返信をした。

 『前向きに検討させていただきます』

 たった一言、打ち込んだ後は
 いつも通り、カウンターの中で料理をする姿を
 見つめていた。

 ちょうど玉ねぎを炒めている頃だったか。
 相変わらずの手際の良さに惚れ惚れしながら
 完成を待つ時間も、愛おしいもの。

 それ以上の視線を感じてしまっても、
 まぁそこはご愛嬌、というやつです。

 やがて、白の器にクリームを足した
 抹茶のような柔らかな色のスープが
 盛られて、カウンターから差し出されたなら ]

 きれいな色だねぇ

[ 瞬き三つ分、それを眺めてから ]

 いただきます

[ そっとスプーンを沈め、掬い上げ口元へ
 軽く角度を変えると、なめらかなスープが
 口の中に転がりこんでくる。

 シンプルな味付けがより、そら豆の風味を
 引き立てて ]

 あぁ美味しいこれ ポタージュも
 美味しいんだね、好きだなぁこれ

[ 実に美味しかった。
 彼が自分の身体を作り変えようと
 していることまでは、気づかないけれど。

 好きな味を増やしてくれていることと、
 愛情持って、作ってくれていることは、

 身をもって、知っておりますとも。* ]

メモを貼った。

上……じゃない、かな? たぶん……?

2、3年。

[それってつまり、えっと?
 自分が店に入ってからの期間を、思い出す。
 就活してたのがあの頃だから……いや、深く考えると余計恥ずかしい。

 なんにも気づいてなかった自分を悔やむ。情けないスタンプ一個追加。
 ここにも鈍感がいますと首から看板下げられたような気持ちだ。]

[結局、ミモザは見つけられない。
 代わりに、結構いろんな花が咲いてるのには気づけたけど。
 菜の花が風に揺れている。]

メガネ、する?
この前ナギさんが眼鏡だったの、良かったよね。
借りてかけさせてもらったら、結構度強くてびっくりしたけど。

[一応ありがたいことに生まれてこの方裸眼だが、じんわりじんわり下がりつつある。
 遠くない将来コンタクトになるんだろうという予感はしてたけど、シャミさんが眼鏡にするんなら、伊達でフレームだけでもかけようかな。]

……うん、香水屋さん。
ちょうどコーヒーでリセットしてるし、どう?

飲食だと、つけてらんないもんね。

[酸化した揚げ油は、たぶんボクでも嫌だから。
 そこのところは、苦しまずに済むだろう。]

休みの日とか、部屋ではつけてるよ。
寝る前も多いかな。

今日もつけてこようかなって、思ったんだけど。
シャミさんの前でつけるのは、シャミさんの好きな香りがいいなって思ったから、やめちゃった。

……いっしょに、選んでよ。
その香りがするたび、シャミさんを好きになる。もっと。

[閉じた唇。それを開いてとは言わない。
 でも、特別がほしいと、欲を滲ませて求める。
 顔を見られれば、視線を合わせて。笑みの形に目を細める*]



 行く


[私の前でつけるのは、私の好きな香りがいい
あまりにも、ぐらぐらと揺さぶるような口説き文句じゃないか]


 ……行きたい、いっしょに選びたい

[その香りがするたび好きになる。
視線が絡んで、誘う笑顔に。
閉じた口を開いた。眉を下げる]


 こんなこと言っていいのかな?
 その


[香りの重要性は知っている。
料理の要素の中でもっとも、深いところの本能を刺激する嗅覚]


 それって……官能的

 


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