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【人】 辺見 澄香[右手の薬指に嵌められたリング。 きらきらと光を受けて輝くシルバーの色が、 今までリングなんて付けなかった指を彩る。 初めて先輩にもらった贈り物。 それがシルバーリングだなんて、 これ以上ないくらい嬉しくて、嬉しくて。 指に嵌っているのを確かめるように、 先輩の手が、硬いリング越しに指を撫でる。] (2) 2022/12/27(Tue) 0:18:24 |
【人】 辺見 澄香[先輩は知ってるのかな。 "19歳にシルバーリングを贈られると その人は幸せな結婚ができる"っていうジンクス。 正確には、それは誕生日だったかもしれないけれど。 先輩に贈られたのなら今日が誕生日になったっていい。 嬉しさを堪えきれなくて、 先輩の腕の中に飛び込んで。 今日は帰らなくてもいいんだよ。って。 ナイショのハナシを、そっと耳元に囁く。] (3) 2022/12/27(Tue) 0:18:39 |
【人】 辺見 澄香[勢い余った身体を抱き留められて、 少し、はしゃいでしまったことにはにかんだ。 耳元に囁いたおねだりに返ってきた小さな唸り声に、 だめだったかな?とちょっと不安になったけれど。 了承の答えが返ってきて、ほっと緊張の糸を解いた。] ……よかった。 [大胆だったかな、と思うと今更恥ずかしくなって、 俯くようにして視線を伏せる。 だから、お返しとばかりに囁かれた言葉には。 不意を突かれてしまった。] (9) 2022/12/27(Tue) 22:41:26 |
【人】 辺見 澄香……、っ [咄嗟に返せる言葉が出なくて、息を詰めて。 俯いた顔を覗き込まれたら、逃げられなくなる。 近づいてくる距離に、ぁ、と声を漏らす余裕もなく。] ……ん ……、 [触れ合う隙間に、小さく吐息を零してしまう。 至近距離に思わず瞑った瞳を、薄っすらと開けば。 間近な距離、彼の瞳に自身が映り込んだ。] (10) 2022/12/27(Tue) 22:42:25 |
【人】 辺見 澄香[さらりと、揺れる前髪が絡み合う。] だって、指輪を貰えるなんて、 思ってもいなくて……。 重い、とか。全然。そんなことないです。 [些細な不安を吹き飛ばすように首を横に揺らして、 自身の手でもリングに触れる。 確かな硬さを確かめながら、じわりと、 胸に沸き起こる温かな感覚に微笑みを浮かべ。] 先輩の『カノジョ』なんだなって、 あらためて、実感した感じ、です……。 [物が大事なわけじゃないけれど、 先輩の存在が常に傍にある感覚が、 指先から伝わってくるような気がして、嬉しい。] (11) 2022/12/27(Tue) 22:43:15 |
【人】 辺見 澄香[警戒していたのは、少しの苦手意識があったから。 苦手だと思っていたのに。 気遣いを見せてくれたり、様子を見に来てくれたり。 そんなことが何度か続けば、 悪い人じゃないんだって、流石に分かる。 気づけば姿を探していて、 声が聞こえれば振り返って、 笑っている姿を見れば、妙に落ち着かなくなって。 そんな様子を気取られないように、 ずっと距離を取るように警戒したままを装っていた。 それが――、] (12) 2022/12/27(Tue) 22:43:53 |
【人】 辺見 澄香[両腕に囲われて、腕の中の心地よさを覚えて、 見たこともない柔らかな表情を向けられたら、 牽制する余裕もなくなってしまう。 髪に、頬に、触れる唇が擽ったくも、 全然嫌じゃなくて、寧ろ――、 『もっと、』って口走りそうになって。 不意に掛けられた声に、はっとした。] ……あ、えっと。 着替えは、その。 いきなり、パジャマとか持ってきたら、 泊まる気十分で、引かれちゃうかな……って、 持ってこなかったんですけど、 えっと……、 [その先の言葉を、言うか言うまいか躊躇って。 言葉を切って、また俯いてしまう。*] (13) 2022/12/27(Tue) 22:45:01 |
【人】 辺見 澄香[サークル仲間としてじゃなくなって、 二人で居る時間が増えて、お付き合いをはじめて。 少し甘くなったように感じる先輩の声や表情に、 まだ少し慣れなくて、ドキドキしてしまう。 不意打ちで笑った表情が可愛くて、 あまつさえ、『はじめて』なんて言われたら。] ……そう、なんですか。 ………………、………… うれしい……、 [他の誰でもなく、自分が。 理仁先輩の『はじめて』になれたことに。 どうしようもなく嬉しくて、思わず眦が下がる。 リングに重ねる己の手を、愛おしげに握り込んだ。] (17) 2022/12/28(Wed) 18:44:47 |
【人】 辺見 澄香[『恋人』になった先輩はとても甘くて、優しくて。 ううん、もとから優しかったけれど。 やっぱり付き合う前とは違う。 唇を落とされる度に、ぴくりと身体が揺れる。 反応に困って、じわじわと頬が染まって、 でも、もっとしてもらいたくて。 ほんのちょっとだけ擦り寄るように身じろいだ。 こうして距離がなくなるぐらい傍に居たら、 心臓がもたなくて、倒れちゃいそうなのに。 ずっと一緒にも居たいと思うから、困る。 着替えの話も。置いていくという考えがなくて。] ……え、それって。 [一度きりじゃないってことで。 また来てもいいんだってことで。] (18) 2022/12/28(Wed) 18:44:56 |
【人】 辺見 澄香[付き合うってそういうことなのに。 先輩の言葉に今更ながらまた、実感してしまう。] ……じゃあ、次のお泊りの時に。 持ってきます、ね。 [次の約束を取り付けて。 置いてもらえるならせっかくだら新しいものにしよう。 普段のものじゃなくてちょっと可愛いやつ。 そう、心に決めながら、今夜のことについては。] あ、……お借りしてもいいんですか? 寝るだけなら、別にこのままでも……。 [……とは言っても、多少は縒れたりするだろうから、 着替えがあるならお借りしたいところ。] (19) 2022/12/28(Wed) 18:46:08 |
【人】 辺見 澄香[口を尖らせて文句をいう九島くんは、 想像に易くて、くすくすと笑いを零してしまった。] 九島くんは一回り大きいから。 ……はい、じゃあお借りしても……、 [不意に起こった笑いと背を撫でる手に、 気が緩んでしまって、また甘いキスを甘受して。 そうして、耳元に落とされた言葉には。] そっ ……、うじゃないですっ!一晩ぐらいなら、 同じ服でも大丈夫だと思って……! [かあ、と頬を赤らめて、ぶんぶんと首を振った。] (20) 2022/12/28(Wed) 18:46:40 |
【人】 辺見 澄香う、…… 期待に応えられるか、分かりませんよ? [ストレートに楽しみにしてるって言われて、 たじろいでしまうのは、可愛さに自信がないからで。 そりゃ、家でしか見れない姿が見てみたいって、 考えるのは私だけじゃないんだって思うけど。 パジャマ姿も、先輩の服を着るのも。 期待値が高い気がして、焦ってしまう。] あんまり、女の子っぽい服持ってなくて。 家では弟の服とか、たまに借りるんですけど、 先輩は、弟より……ちょっと肩幅が広いかも。 [服の貸し借り、とか。 あんまり意識してなかったけど。 こういうのも、カノジョの特権っていうのかな?] (23) 2022/12/28(Wed) 23:20:46 |
【人】 辺見 澄香[だから、着てみたかった?って言われた時は、 予想もしていなくて、……でも。 着てみたくないわけじゃ、ない。 なんだか、心の隙間を覗かれたような気分で。 慌てたら先輩に笑われてしまって、居た堪れなくなる。 ちなみに着ないで眠るなんて発想は、 全く無くて、貸し借りというやりとりに。 ちょっと浮かれてしまっていたところは認めます。 それ以上に恥ずかしい告白も待っていたから、 いざ、口にしてみれば。 先輩の目が泳ぐように逸らされて。 更に羞恥で熟れてしまった。] (24) 2022/12/28(Wed) 23:21:23 |
辺見 澄香は、メモを貼った。 (a0) 2022/12/30(Fri) 12:15:52 |
(a2) 2022/12/30(Fri) 20:58:31 |
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