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![]() | 【人】 魔術師長 コヒ[ 月の満ちる頃に花は咲い、 月の欠ける頃に夢は憂う。 幾度でも、幾重にも、幾夜へも。 これは決して抜けぬ楔の噺。 星の運河にも魂を流すことなく、 ただ一所で世を見つめる魂の夢。 ] (1) 2026/03/31(Tue) 18:16:19 |
![]() | 【人】 魔術師長 コヒ[ どんな契りよりも確かな不変の理。 日が昇っては沈むのと同じように、 月も器を変えて現れる。 例え不慮の事故で死のうとも、 或いは肉の器に定まった天寿を全うしようとも、 本人の意思で代替わりを決めようとも、 この世界には必ず″ 長 ″がいる。 長の魂とは座標だ。 どれ程に虐げられ、住処を追われる魔術師がいても、 魔術師という生き物が決して途絶えないのと同じように 長という生命も、数多の道を辿って息づく。 ] (2) 2026/03/31(Tue) 18:22:42 |
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![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[魔術師といういきものに父と母がいたのか、 それとも自然発生的にうまれたいのちだったのか 気づけば「それ」は森に居て、 ごく当たり前のように生きる手段として魔術を駆使していた。 方法や効能を誰かに習った記憶もなく 仕草や技能を誰かに倣った憶えもない。 ただ随分長く生きて、自分以外のいのちのはじまりと終わりを 何度も見届けてきた。 森の外には姿かたちがよく似たいきものが小さな群れを 形成しているようだったが、彼らから見た「魔術師」は 一見彼らと区別がつかない一方、魔術師から彼らはちがう いきものであることは明白で、どうにも群れに溶けこもうとは 思えなかった。 彼らは「人間」という種族らしい。 認識した当初は40年弱で寿命を迎える者が多かったが 何十年か観察する内、環境整備と種の進化により 少しずつ寿命も伸びているようだ。 中には突然変異のように魔術の素養がある個体も見られたが 「人間」は異端に対して厳しく、そういった個体はすぐに 殺されてしまった。] (4) 2026/03/31(Tue) 21:30:21 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ――かなしいね。 つぎに見つけたら……殺されない内に、 わたしが攫ってしまおう。 [魔術師は元々思考に言語を必要としなかったが 長い間人間を観察する内に、人間の言葉を覚えた。 誰かと暮らした記憶はないが、誰かを大切にしたいという 漠然とした思いは備わっていた。 だからきっとうまくやれるだろうという根拠のない自信を 抱きながら、魔術師は人間や他のいきものの中から 魔術師がうまれてくるのを待っていた。] (5) 2026/03/31(Tue) 21:36:05 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニ[地元の人間が獣を警戒して入らない深い森。 見たことない新種の動植物があるんじゃないかって期待して 反対を押し切って入ったはいいけど、見事に迷った。] いや食うモンは結構生えてるけど、参ったな……。 [知識はある。学者だから。 けど、学者だからサバイバルに適した身体能力なんてない。 これは死んだな。 オレが発見した花をオレじゃない誰かが発見者として 後に名乗るのかと思うと、死ぬよりそっちのが悔しい。 はあ、と溜息を吐いた。] (6) 2026/03/31(Tue) 21:52:51 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ迷子? [魔術師はひょろりと背の高い男の背後に現れて問う。 男は人間であり、魔術師が魔術師の気配を辿って来たと いう訳ではなく、別の目的で森に来たと思われた。 恐らく背負ったリュックに詰め込まれた花が目当てだろう。 だが途方に暮れているところを見ると、迷っているらしい。] 出口まで一緒に行こうか。 ここで死にたいなら別だけど。 [魔術師は邪気のない笑みを迷い人に向けた。] (7) 2026/03/31(Tue) 22:01:05 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニえっ [突然背後から声が掛けられて、思わず腰を抜かした。 だって、こんなとこにオレ以外の人間がいると思わないだろ。 人間……だよな? 幻術を使う魔獣とかでなく?] 死にたかぁねーな。 オレはここに生えてる新種の花を発見したって発表して 有名になる予定だから。 [腕に自信はないが、一応ナイフは持ってる。 後ろ手でリュックを探りつつ、男か女かもわからない 異国人……だって肌の色が違うから多分……をじっと見た。] (8) 2026/03/31(Tue) 22:06:40 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒうーん…… ここにその「新種」があるって知られたら、 沢山人が来るでしょ。 それはちょっと困るんだ。 ナイショにしてくれないかな。 そしたら他にも珍しいものを見せてあげるよ。 好きに持って帰ってもいい。 わたしはここで静かに暮らしたいんだ。 だから、おねがい。 [魔術師は背の高い男を見上げて懇願する。 目を合わせた。 勿論、魔術を発動させる為に。] (9) 2026/03/31(Tue) 22:12:59 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニ[ああやっぱり人間じゃなかったんだな、と思った。 目が合った瞬間、脳みそを弄られる感覚があったから。 ああくそ、悔しいな、有名になりたかった……*] (10) 2026/03/31(Tue) 22:16:59 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニ約束する!するから! 誰にも言わないから、生態を観察するのだけ許してくれ!! [あらんかぎりの声を張り上げて頼み込む。 有名にゃなりたいが、その前にオレは学者だ。 研究だけでもさせてくれ!と、脳を弄られる不快感に 涙と涎を流しながら懇願した。] (11) 2026/03/31(Tue) 22:20:49 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒふふ。おもしろいね。 いいよ。 またおいで。 約束を守れるなら、次はうちでお茶でも飲もう。 [そうして魔術師は男を森の出口に案内した。 可哀想だが花はすべて枯れさせた。 森の外へは何も持ち出せないが、記憶だけは奪わないでいて やったら、男は森が気に入ったようで何度も訪れた。 彼は魔術師にとってはじめての友達となった。**] (12) 2026/03/31(Tue) 22:26:50 |
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![]() | 【人】 謎の子ども[ 子どもは起きてまず前髪を払った。 誰に教わったわけでもない、ぎこちのない仕草で 視界を邪魔する髪をどかしては前を向く。 ここがどこかも、自分が何者かもどうでもよかった。 踏みしめた土の柔さに目を瞬かせ、 頬に当たった草の青い匂いにすこし眉をしかめる。 それから、まだ幼い指を空へ伸ばした。 ] う〜…っ [ むむむ、と全身に力をこめては声をひり出す。 何の打算も孕まず、危険性も顧みず、 幼い好奇心だけで放たれた魔力は結局実を散らし 形にはならずに空気へ溶けた。 ] (14) 2026/04/01(Wed) 19:24:43 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ どうやら内側に燻るこの力は、 今は未だ具現化する方法を知らないらしい。 感覚と本能だけでそれを悟った子どもは、 道を歩こうと一歩踏み出し、木に額をぶつけた。 ] ぁいたっ [ ぺしょ、と尻もちをつく。 やる気も勢いも初手で削がれてしまった子どもは、 やや赤くなった額を撫で、頬を膨らませていた。** ] (15) 2026/04/01(Wed) 19:27:04 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ……おや? [なにか、気配がする。>>14 魔術と呼ぶには体系が整っていないものの、 ひとの営みの範疇からは外れる力の気配。 友人のものではないだろう。 彼は完全なる人間だ。 では誰だ? 魔術師はその気配を辿り、空気に混じる。] (16) 2026/04/01(Wed) 21:32:44 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒこども。 「痛い」と咄嗟に口に出来るくらいには言語を解するのか。 [気配の元に跳ぶのは魔術師にとっては簡単なことだった。 周囲に保護者らしき生き物がいないのを見て、 「ふぅん」と呟く。] ねぇ、小さいさん。 痛いの、自分で治してみる? [地べたに尻をつく子どもを立たせ、同じ目の高さまで しゃがみこんで小首を傾げる。 やってみて出来なければ治してやれば良い程度には 緊急性の低い打撲にこどもの小さな手を導いた。**] (17) 2026/04/01(Wed) 21:47:08 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ その子どもは、大きな目を幾度か星のように瞬かせた。 とはいえ星々の瞬きのように星が囀ることはなく、 あくまで双眸の中にある水晶が煌めくだけだ。 子どもを立たせようとする大人の導きに逆らわず、 されるがままに立ち上がって、何故か背をピンと伸ばす。 そんなふうに背を真っ直ぐにせずとも、 大人は自らしゃがみこみ、子どもの目線に近づいた。 まるで流星のような、星を掴めると思い違うような、 馬鹿げた夢想の伴う距離感に子どもは首を傾ぐ。 ] ちいさい? [ 今呼びかけられたのは、もしや己か。 子どもは自分のつま先を見て、大人を見上げ、 空いている手で自分の頭頂部に手を添えた。 なるほど、小さいさん、とは自分のことだ。 勝手に納得し、導かれるまま手を額に持っていく。 ] (18) 2026/04/02(Thu) 20:33:24 |
![]() | 【人】 謎の子どもどうやって? [ きょとん、と惚けながら聞き返す声音も顔も随分間抜けだ。 何も知らない無垢な子どもといえば聞こえはいいが、 何も識らないのは魔術師の器としては欠陥品である。 魔術師の長という揺るがぬ座標に惹かれるように、 子どもは難しい顔で、むむ、と手のひらに力を込めた。 ] なおす……なおれー…… [ 本能なのか、或いは器か。 曖昧模糊とした、何とも気の抜けるやり方ではあったが、 子どもの手のひらから溢れた光はきらきらと零れ落ち 額の赤みを少しずつ薄めていく。 ] (19) 2026/04/02(Thu) 20:33:29 |
![]() | 【人】 謎の子どもなおった! いたいの、ばいばい、なった! [ 治った所をふふん、と見せびらかした直後 子どもはピタッと動きを止めて、 それからまじまじと魔術師長を見上げた。 貴方だぁれ?とは声には出さなかったものの、 幼さゆえに、疑問は全て表情や目色に出ている。** ] (20) 2026/04/02(Thu) 20:36:30 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[子どもは顔が小さく、瞳の割合が大きい。 瞬くと宝石が煌めいているかのように光彩が光る。>>18] 自分が小さいさんという自覚はない? 周りにはもっと小さいさんがいるのかな。 [言語でコミュニケーションを取れるのだから、 この子どもより小さないきもの達しかいない環境で ここまで育った訳ではないだろうが。 ああ、そう呼ばれるのが初めてなのか。 群れにいるものは、個体を区別する為に「名前」があるの だった。 友人に「ジョバンニ」という個体名があるように。] (21) 2026/04/02(Thu) 21:34:07 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[だがそれを聞くのは後回しだ。 子どもは一見荒唐無稽な大人の提案に「できない」と 言うのではなく「どうやって」とやり方を問うた。>>19 経験はないが、自分にそれができるのだと 無自覚にでも識っているのだろう。 魔力の流れの操作は慣れない内は言葉を道標にと 教えるまでもなく、小さな口が「ねがい」を音にする。 添えた手はその発露が分散しないように薄く膜を 張っただけで、特に抑える必要はなかった。 光は道筋に沿って流れ、患部に届く。 魔術師は目を細めた。] (22) 2026/04/02(Thu) 21:34:32 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒできたね。上手。 [魔術師は小さく拍手をした。 音と共に小さな光が弾ける。 これだけで、子どもにはこの大人が「同じ」力を使える のだと知らせるには十分だろうが。] わたしはここに住んでるんだ。 目を凝らしたら君にはおうちが見えると思うよ。 [そこに「ある」と思わなければ現れない魔術師の住処は 人間の住居を参考に形成したので、相手にもそれが 家だと思ってもらえるだろう。 屋根があり、壁があり、ドアがあり、窓がある。] (23) 2026/04/02(Thu) 21:34:52 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ小さいさんのおうちはどこ? どこかに行くところだったのか、帰ろうとしてたのか。 だれかと一緒ではなかった? [魔術師はしゃがんだまま問いかける。 子どもの身なりはみすぼらしくはない。 口減らしに棄てられたという訳ではなさそうだが……*] (24) 2026/04/02(Thu) 21:35:06 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 乾いた音と一緒に光が弾ける。 目の前の大人は自分と同じ存在という証左だったが、 子どもはそれを理由に警戒を解く仕草はなかった。 解くだけの警戒心がなかっただけである。 ] すんでるの? にんげんみたい、おうち。 [ 目を凝らしたら、と教わったとおり 星間のような凪いだ双眸には魔術師の家が見えた。 人間の家みたいだと言い放った子どもの顔は、 自分の目で見てきたものを思い返すというよりも 器に宿った知識を掘り返しただけのようだ。 ] (26) 2026/04/02(Thu) 22:09:50 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 問われ、子どもは首を傾げる。 「うーん」と大人ぶって暫し沈黙の音を沈め、 遅れて口を開いた。 ] おうち、あそこ。 [ 指差したのは前でも後でも左右でもなく、 魔術師ですら遠い、空に横たわる星雲だった。 空に鎮座し燦然と煌めく星々は、 その身を燃やす焔を光のように地上へ届けている。 星、或いは輪廻する魂の通り道。 天に座する光を「家」と称する子どもの顔は、 少なくとも、嘘でも適当でもない。 ] (27) 2026/04/02(Thu) 22:09:57 |
![]() | 【人】 謎の子どもいっしょ、わかんない。 でも、ゆめ、みてた。 なんだっけぇ…… [ ぐぬぬと雲隠れした記憶を手繰るうちに、 ふと、子どもは魔術師を見て瞬きをした。 長い髪、綺麗な瞳、甘そうな色の肌。 高くもなく低くも聞こえない声。 じろじろと不躾に、無遠慮に眺め、眉を寄せる。 ] おっきいひと、どっち? [ 男か女かを聞いているのだが、 子ども特有の端折り方や不足する語彙力では 謎の質問にしかなっていないかもしれない。* ] (28) 2026/04/02(Thu) 22:10:06 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[仕草は幼児のそれであるが、精神はずっと大人びている ように見える。 魔術師は長命だから、幼く見えて実際はそれほど 「小さいさん」ではないのかもしれない。 現に、姿を捉えた住処を称して「にんげんみたい」と 魔術師が人間ではないことを既に理解していなければ 出ない表現をしている。>>26] 人間の真似をしてつくったからね。 魔獣の住処を真似たこともあるけど、この器は 濡れた地面に直接寝るには向いていない構造だったから。 [にんげんみたい、と言えるのは人間の住処の形状を 知っていないと言えない。 やはり人間の中で育てられたのだろうかと思っていれば] (29) 2026/04/02(Thu) 22:36:14 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒあそこ……ああ、 [魔術師は瞬いた。 ああそうか。 自分も、かつていた場所だという確信がある。 どんな場所か、他に誰かいたのかすら思い出せないけれど。 物理的に、異なる星の土地を指しているのではなく、 現世においては目を凝らしても上手く見られない場所。 あそこから零れてきたのか。] (30) 2026/04/02(Thu) 22:36:31 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[艶のある髪、星が棲む瞳、甘そうな色の肌。 子ども特有の高めの声と少し舌足らずの発音。 忙しなく動く瞳に身体がスキャニングされているのを 感じた。 その上で「どっち」と言うのなら、所謂「性別」のことだろう。 ふ、と笑う。] どっちもだよ。 おとうさんにもおかあさんにもなれるの。 [生殖器官は後付けした記憶がある。 元々は無性だったのかもしれないが、人間を観察する内に 性器に興味が湧いてつけることにした。 慾は感じたことがないが、恐らく機能としてはどちらも 問題なく使用できる筈。] (31) 2026/04/02(Thu) 22:36:51 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ思い出せない夢なら思い出さなくて良いよ。 おっこちて来たなら、もうあそこには暫く還れない だろうしね。 とりあえず、「こっち」では、小さいさんが一人だと 色々面倒なことが起きそうだから、わたしの子になる のはどうだろう? [魔術師はしゃがんだまま両手を広げた。 観察で学んだ人間の親子が愛情を確かめる為にする 動作を真似たのだが、子どもには通じるだろうか?**] (32) 2026/04/02(Thu) 22:37:15 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 魔獣の住処は肉の器には向かないらしい。 子どもは新たに仕入れた知識へ、したり顔で頷いた。 あの種族は住処や巣穴の作り方も多岐に渡る生き物だが、 人間なら程度の差はあれ大枠は同じだ。 濡れた地面に寝てみたいという欲は湧いたが、 それについては口を噤むことにして。 ] おほしさま、きらきら。 おはなし、いっぱいしてたの。 [ どんな話をしていたかなどは憶えていないが、 夢想めいた言葉を、幼子はそれでも懸命に紡いだ。 子ども特有の突拍子のない妄想癖だと言われないのなら やっぱりこの人は、己にとっての安全地帯に見える。 ] (33) 2026/04/03(Fri) 14:13:02 |
![]() | 【人】 謎の子どもどっちも? [ 質問の意図は正確に汲み取られたらしい。 が、どちらでもあってどちらでもないと言うことは、 子どもの知識欲は然程は埋まらなかったようだった。 ] じゃあ、あなた、どうよぶの? おなまえ、ある? おめめきれいだから、きらきらさん? [ 恐らく──というより確実にそんな名前ではない。 目に映った喩えやすいものを口にしただけだ。 好奇心のままに指先で相手の両目をついてしまいそうな、 そんな幼さが子どもにはあった。 が、さすがに幾ら綺麗でも人体の目は取り外し出来ない。 少なくとも、普通に触れるだけでは。 本能的な理解のまま、子どもは指だけ彷徨わせる。 ] (34) 2026/04/03(Fri) 14:13:10 |
![]() | 【人】 謎の子ども……かえれないの? [ 子どもはそこでようやく泣きそうな顔をして、 顔を上げ、空を見た。 いくら待とうが星々の囁きは聞こえては来ないし、 月雲の秘めやかな声だって鼓膜を揺らしはしない。 途端に心細いような気持ちになり、 胸元をぐしゃりと握りしめ、子どもは俯いた。 さっきまで意気揚々と道を進んで冒険する気があったのに 今は潰えた夢のような淡さでしか、 好奇心が残っていない。 が、子どもがその不安のまま泣き出すよりも先に、 魔術師が両手を広げたのが視界の端に映って 子どもはもにょもにょと唇を動かし、それから頷いた。 ] (35) 2026/04/03(Fri) 14:17:48 |
![]() | 【人】 謎の子どもおせわ、なる。 あなた、きっと、いいひと。 [ それは魔術師長に対する魔術師の本能なのか、 或いは器の導きなのかは、子どもにも分からなかった。 広げられた腕の意図を確かめるように見つめ、 なぁに?とばかりに首を傾ぐ。 子どもは相手の準えたものなどなにも知らないまま、 懸命に両手を広げ返し、相手と自分の手のひら同士を ぱちん!と重ね合わせようとした。 が、当然大人と子どもでは広げる範囲に違いがある。 勢いのまま前に蹴躓き、「ぁわ」と間抜けな声が出た。** ] (36) 2026/04/03(Fri) 14:21:47 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[子どもと自分は同じ場所由来だという確信はあるものの、 子どもの言う「おほしさま」「おはなし」については 何も思い出せない。 人間にも胎内記憶がある者とない者とがいるらしいので 憶えていないのは個性だと片付けることにした。 勿論、子どもの話がつくり話だと疑う気持ちは微塵もない。 うんうん、と子どもの話に相槌を打つ。 元いた場所は子どもにとってとても居心地の良い場所 だったのだろう。 空の彼方について話す子どもの瞳は夜空の星をそのまま 埋め込んだようにきらきらしていた。] (37) 2026/04/03(Fri) 21:30:11 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[星の仔は人間の子と同じように好奇心旺盛であるらしいが 星に知識を置いてきたのか、それとも単にまだ身にある 情報量が少ないのか、両性具有についてはピンと きていない様子だった。] わたしに名前はないよ。 そういえば、友達にも聞かれたんだっけ。 群れにいるなら区別する為の名称はあった方が 便利だろうけど、ひとりでいるからね。 [友人のジョバンニには結局「おい」とか「おまえ」と 呼ばれて振り向けるので名前を持っていなくても 不自由はしていない。 だが、子どもと家族になるなら、区別する為に いるのだろうか。] (38) 2026/04/03(Fri) 21:30:23 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒおめめがきれいなのは君の方だよ、小さいさん。 君には名前がある? きらきらさん? [星そのもののような瞳の子どもに瞳を褒められるとは 思わなくて思わず笑み零れた。 自分の顔を見たことはあるのだろうか。 空間に光を反射させる魔術を行使して、子どもの眼前に 簡易の鏡を作る。 伸ばした指はちょうど自身の瞳の位置を撫でるだろう。 因みに勿論この方法でも瞳を取り出すことは叶わない。] (39) 2026/04/03(Fri) 21:30:44 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[大抵のことは出来る魔術師にも出来ないことはある。 この世界に実体を伴ってしまった以上、 「あちら」に渡るには肉の器を棄てる必要がある。 どうしてもと言うのなら、命を奪うことで肉の器を 剥がすことはできるだろうが、寿命を待たずに離れた 魂は「あちら」で同じ形を保てるかどうか保証できないし 何より魔術師には同族の子どもを殺すことに抵抗があった。] いいひとかはわからないけど、 わるいやつから護ってあげるよ。 [子どもにはハグの経験はないのか。 掌を合わせようとしてぐらついた身体を抱き締める。 ふたりの命の音が重なった。] (40) 2026/04/03(Fri) 21:31:08 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒそうだ、わたしの子になるのだから、 呼んでもらわないと。 「おとうさん」「おかあさん」 どっちでも良いよ。 どっちでも「なあに?」って振り向いて こうしてぎゅってしてあげる。 [魔術師はそのまま子どもを抱き上げて立ち上がった。 空に瞬く星は多くが白んできた光に呑まれ遠くなる。 明けの明星だけが、仔の行く末を見守りたいとばかり 懸命に光を送っていた。*] (41) 2026/04/03(Fri) 21:31:33 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ ともだち?と、子どもは思わず首を傾げた。 その言葉を聞いて考えるところは幾つかあったが、 何でもかんでも口にするのは良くないことだ。 子どもは自己完結し、それから口を開いた。 ] ともだち、いるの? いなさそうなのに。 [ 盛大な無礼を放った子どもは、平然と首を傾いでいる。 目の前の大人はなんだかきらきら綺麗に見えて、 空に座する星のように映っていた。 星は星であり、友達を持つような存在ではない。 だから友達がいなさそうと言ったわけだが、 その意図を汲めるほどの語彙力が無かった。 ] (42) 2026/04/03(Fri) 23:57:31 |
![]() | 【人】 謎の子どもなまえ、ない。 きらきらさん、すき。 [ 満足気に頷き、子どもはふふんと機嫌よく笑った。 星を掴もうと無謀にも伸ばした指は、 突然現れた鏡へピタッと触れて行き先を封じられる。 鏡には、ぽかんと間抜け顔の子どもが映っていた。 確かに鏡の中の子どもの目はきらきらとしているが、 やはり、目の前の大人ほど綺麗には思えない。 警戒するように、子どもは眉をきゅっと寄せた。 ] これ、だれ。 まねしないで…… [ 鏡に映った姿は見知らぬ他人だと思っているらしい。 あっちいけ、とべしべし鏡を叩いたところで、 他人が自分と全く同じ動きをしていることに気が付いて 怖々と叩くのをやめることにした。 ] (43) 2026/04/03(Fri) 23:57:45 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 子どもを抱きとめた大人の体は温かく、 星雲のように寒々しくはなかった。 抱き上げられればその分だけ視線は高くなり、 夢が散るように白む空がよく見える。 ] おとうさん? おかあさん? どっちでもいい、こまる…… [ 子どもは一生懸命考えるために顔を顰め、 幾度も魔術師の瞳を覗いて、顔を眺めた。 呼び方を決めろと言われると悩んでしまうけれども、 ぎゅっとしてもらえるなら条件としては悪くない。 悪くない、というより「嬉しい」と呼ぶのがピッタリだが 子どもは少しばかり、見栄を張っていたい生き物だった ] (44) 2026/04/03(Fri) 23:57:54 |
![]() | 【人】 謎の子どもなまえ、つけて。 わたしのも、あなたのも。 それ、よびたい。 おほしさまも、おたがいのこと、よんでた。 だからわたし、それがいい。 [ 名案!とばかりに何度もこくこくと頷いて、 子どもは明けてゆく空を見る。 星は光に紛れて、夜までの間姿を消そうとしていた。 そこにいるはずなのに、見当たらなくなる。 見えなければ誰も星があることを証明できない。 迷子になったような気持ちを誤魔化すように、 魔術師の服を握りしめた。** ] (45) 2026/04/04(Sat) 0:00:42 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[あはは、と魔術師は笑った。 こんな小さな子にも魔術師の本質が宿っている。 純粋で、「違い」に敏感ないきもの。 互いを尊重すると言えば聞こえは良いが 違うものと共生することを本能的に忌避する 「群れない」性質を持ったもの。] いるんだ。 しょっちゅう遊びに来るから、紹介するよ。 [人間だけど、人間よりも植物が好きな変わり者。 此方から外には何も持って出られないのに、 外から色んなものを持ち込んでくれるお人好し。] (46) 2026/04/04(Sat) 11:13:00 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒそう。君にも名前がないんだ。 同じだね。 [子どもに名前がないことは自然と理解できた。 それをずっと不自由だとも寂しいとも感じてこなかったのも同じ。 自己を見つめたことはないだろうと見せた鏡は やはり子どもにとっては未知の体験のようだった。] これは君だよ、小さいさん。 ほら、大きなおめめにちゃんと星がある。 綺麗でしょう? [警戒心のまま攻撃していた子どもの手が止まる。 それを握って鏡像に触れさせれば、鏡には魔術師の 細く長い指も映った。 顔も傾けてみると、二つ並んだ菓子色の肌を 二人ともが視認できる。 こうしてみると、血縁関係はないのに、ふたりはとても よく似ているように思えた。 魔術師が子どもの頃、鏡という概念を持っていなかった から、覚えはないけれど、きっとこんな見た目だっただろう。] (47) 2026/04/04(Sat) 11:13:52 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[抱き上げた子どもには体温があり、それでいて 人間ではないことの証左のように何の匂いもしなかった。 これから先、摂取したものや経験によって、 子ども自身の匂いも獲得していくことになるのだろう。 その環境を整えるのが「親」であるという知識はあれど、 両性具有故に自己を父親とも母親とも断定できず、 どっちでも振り向こうとした強欲を子どもに咎められる。] 困るかぁ……そうだね。 友達に「おかあさん」とか「おとうさん」と 呼ばせるのも、本当のご両親の立場を盗むみたいで 良くないし、わたしも名前を持つべきなのかも しれないな。 [抱き上げたまま、夜が明けきる前に家へと歩き出す。 星が遠くなるのを子どもから隠すように。] (48) 2026/04/04(Sat) 11:15:05 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ「きらきらさん」はもう星ではないから、 地上のきらきらの名前をもらおうかな。 「コーヒ・ヌール」、一番大きくてきらきらした 石の名前だよ。 長くて呼びにくければ「コヒ」って縮めてもいい。 [前に立つとノブを回さずとも扉が開く。 森の外の人間たちは靴のまま住居で過ごすが、 魔術師はその暮らしが気に入らないのでドアの前で 靴を脱いだ。 子どもの小さな靴も脱がせれば、自分の靴と並べて 置いて、部屋に入った。] (49) 2026/04/04(Sat) 11:15:54 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ今は小さな靴も、いずれは大きくなるだろうから 「小さいさん」って呼び方も駄目だね。 ディアと呼ぼうかな。 [dearと綴れば親が子を呼ぶ時、恋人同士が互いを呼ぶ 時の一般的な呼称でもあるが、 diaと綴り「ダイア」と発音すれば、自分の個体名に 選んだ宝石の区分を指すものになる。 気に入らなければ他の候補を考えよう。 ふたりの生活はまだ始まったばかりだ。] (50) 2026/04/04(Sat) 11:16:20 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ何か飲む? それともベッドを用意しようか。 もう朝だけど。 [窓から差し込む光には、星の気配はもうない。] おはよう、ディア。 [魔術師は愛し子を呼んで、頬と頬をぴたりとつけた。 親にそうされた記憶もないのに、長く観察してきた 人間の親を模倣して。**] (51) 2026/04/04(Sat) 11:17:07 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 名前とは個体名を識別する必要がある時に付与されるもの。 星々が囁き合うだけなら名前など個々には不要であり、 魔術師にも子どもにも名が無いのは必然であった。 鏡の中を見知らぬ他人だと思い込み、 攻撃していた小さい手がスっと引っ込んでいく。 怯えて逃げたり大人に救いを求めるのではなく、 自分で追い払おうとジタバタするあたり 幼子は存外気が強いようだった。 ] ともだち、よぶの? おとうさん、おかあさんって? へん。 おなまえ、ひつよう。 [ まるで仕方の無い子どもを言い含めるような調子で、 大真面目な顔でこくりと子どもは頷いた。 どうやらアドバイスしたつもりらしい。 見目は不思議なほどに共通点の多い二人でも、 幼さゆえか、性格面は違いが見えた。 ] (52) 2026/04/04(Sat) 18:59:50 |
![]() | 【人】 謎の子どもこーひー? [ それは人間が好む飲料だ。 どうやら違うらしい、と目をぱちぱち瞬かせてから、 むうと子どもは唇を突き出して、あい、と首肯した。 ] コヒ。 こっち、よびやすい。すき。 [ 幼子の菓子より甘い滑舌でも言いやすく、 大人の耳にもきちんとした形で聞き取れることだろう。 靴を脱がされる時はされるがまま、 終わった時、子どもはぷらぷらと足を揺らしていた。 二人の分が並ぶと、自分の靴の小ささが際立つ。 幼子は大人ぶってコヒのものを履き直そうとしたが、 それより先に、名付けの気配に頭を上げた。 ] (53) 2026/04/04(Sat) 18:59:56 |
![]() | 【人】 謎の子どもでぃあ? [ こちらは少し舌がもたついた。 舌を噛みそうになり、むむ、とどうにか言い直してから 何度も口の中で音をころころと転がしていく。 幼子には、まだその名前に込められた意味は分からず けれど何も察せないほどに鈍くはない。 ふにゃっと頬をゆるめ、ココア色の頬を赤くして ようやく己の名前を飲み込んだ。 ] ありあと、コヒ。 わたしのおなまえ、でぃあ。 よばれたら、なあに、する。 [ 覚えたよ、とアピールするように胸を張って さっきのコヒの発言をなぞらえるように返事をする。 拙い子どもの、大人ぶった真似事だった。 ] (54) 2026/04/04(Sat) 19:00:01 |
![]() | 【人】 ディアのむ。こーひー。 [ 飲めるわけがないのだが、幼子はしたり顔で答えた。 頬と頬がぴたりとくっつくと、 なんだかくすぐったいような、こそばゆいような、 訳もなく笑いだしたくなるような 色んな感情が、星の瞬きよりも色付いて重なった。 ] おあよ、コヒ。 [ おはよう、の言い方はすっかり溶けきっていたが 子どもは気付かないまま、嬉しそうに笑った。** ] (55) 2026/04/04(Sat) 19:03:28 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[鏡像を自己だと認識出来ないのに、 友達におとうさんやおかあさんと呼ばれるのが変だという 常識が備わっているのが面白い。 ふふ、と魔術師は笑った。] そうだね、友達に変だって思われる前に 教えてもらって良かったよ。 [彼もきっと「変」だと衒いなく言って来る性質の人間で 率直なところは子どもと似ているかもしれなかった。 指を鳴らせば鏡は消えて、辺りは元の森に戻る。] (56) 2026/04/04(Sat) 20:05:49 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ飲んだことあるの?コーヒー。 あれを「コーヒー」と呼ぶのとは別のことばを持った 人たちが名付けたんだけどね、「コーヒ・ヌール」。 [ヒはイに近く、「コ・イ・ヌール」とも呼ばれるが そういった蘊蓄は披露する機会もなく、子どもの口からは 縮めた「コヒ」という言葉がまろびでた。 この瞬間、由来からは離れ、魔術師は「コヒ」という 個体名を手に入れたのだった。] ありがとう。 これで、友達にも自己紹介出来る。 「わたしの名前はコヒだよ」って。 [親と認識できる呼称も捨てがたかったが、 呼ばれてみればこれが特別なのだとしっくりくる。 子どもが成長して発音が上手くなっても、自分は 「コヒ」のままでいる。] (57) 2026/04/04(Sat) 20:06:08 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[響きに乗せたコヒの想いを感じとったのか、 子どもの舌では少々上手く言えない「ディア」を 拒否する言葉は出なかった。 たくさん呼ぼう。 親愛を込めて。 いつか大きくなって子どもにとってのdearが現れても 別の愛称を選んでほしい。 dearは、このなんでもないありふれた夜を特別にして くれた「小さいさん」だけの大切な名前だから。] ほんとうに? [苦いのを好むのかどうかは知らなかったが、 飲めないならば自分が飲めば良い。 それが親だとコヒは思った。 魔道具を使って湯を沸かし、粉に注いで抽出するのは 人間と同じように自らの手で。 飲みやすくする為のミルクも傍に置いて、 毛布を魔術で固く組み上げた簡易のチャイルドチェアに ディアを座らせる。 向かい合って飲んだコーヒーは苦い筈なのに、 星をはちみつにして溶かしたように甘かった。*] (58) 2026/04/04(Sat) 20:06:25 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ――それから―― [友人が訪れたのは数日後のこと。 彼はもう迷わないように彼自身に誘導魔術の刻印を こっそり施しているので迎えに行く必要はなく、 今まで通りノックとほぼ同時に扉が開かれた。] (59) 2026/04/04(Sat) 20:06:37 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニえ、は?! いつの間に産んだ?! いや、妊娠してたらさすがにわかる、 てことはよそでこさえた子か?! [友人は人間じゃあないってことはとっくに察してたが、 こないだまでは確かに独り暮らしだった筈だ。 赤子って言うにはデカい、友人そっくりの子ども。] 坊ちゃん?嬢ちゃん?? [そんなところまで、こいつにそっくりだ。] (60) 2026/04/04(Sat) 20:07:40 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ産んでないし、わたしの胤でもないよ。 でも、わたしの子だ。 ご挨拶、できるね? この男がわたしの友達、ジョバンニ。 [ディアをちらりと見る。 前に話したことがあったろう?と。] そうそう、わたしにも名前ができたから名乗らなくては。 「コヒ」って、これからは呼んでくれるかな。 [此方は友人に向かって。] (61) 2026/04/04(Sat) 20:09:07 |
![]() | 【人】 植物学者 ジョバンニ[花が綻ぶように咲うのを見てつられて笑う。] 俺が言った時はいらないっつってたのにな、名前。 コヒ。 呼びやすくて良い名前じゃねーか。 [ちょうど土産にコーヒーを持ってきたところだ。 淹れてもらおう。 子どもは飲めるか知らんが、飲めなきゃ何かはあるだろ。 ここにコヒの子どもとして暮らしているなら。**] (62) 2026/04/04(Sat) 20:09:22 |
![]() | 【人】 ディア[ コーヒーの由来たる薀蓄手前の発言は、 幸か不幸か、生憎と幼子の耳には右から左だった。 一応は「ふーん」と返事をしているものの 明らかに海馬に刻まれている様子はない。 ありがとう、と礼を言われれば 幼子はきょとんとしてから、にこっと笑った。 何故礼を言われているのかはあまり分からなくても、 良いことをした、とは思っているらしい。 ] のめるもん。 でぃあ、おとなだから。 [ 何の根拠も無いまま無駄に胸だけを張り、 幼子はコヒが飲み物をいれてくれるのを大人しく待った。 暴れず、ぐずらず、ちんまり座ったまま 出されたコーヒーカップをきらきらと見つめる。 ] (63) 2026/04/04(Sat) 21:51:42 |
![]() | 【人】 ディア[ 大人と言い張った割にチャイルドチェアはピッタリで、 世話されるのも当然のような顔で受け入れた。 くんくんとコーヒーの匂いを嗅ぎ、 苦そうな気配を察知してはミルクに手を伸ばす。 ] おとなはね、みるく、いれる。 いっぱい。 [ だばだばと有り得ない勢いでミルクを注ぎ、 もはやミルク味のコーヒーまで進化を遂げたところで 幼子は満足気に薄茶を飲み干し、おいしいと笑った。 向かい合ったコヒの方が自分よりミルクが少なければ、 負けたと思ったのか、勝手にミルクを入れ始める。 そして明らかに自分よりも甘そうな見目になったところで 「小さいねぇ」と勝ち誇ったように唇を持ち上げた。* ] (64) 2026/04/04(Sat) 21:51:47 |
![]() | 【人】 ディア[ 数日後、幼子はなんだか騒がしい男を見て眉を寄せた。 坊ちゃんか嬢ちゃんかと自分を見てくる視線に、 自然と小さな体はコヒの後ろへ隠れていく。 これがコヒの言っていたともだち、と理解をしても ちらりと自分を見やるコヒに気づいても 幼子はぷいっと顔を背けた。 ] ごあいさつ? [ やらないといけないの?と言いたげな声色だったが、 渋っていても諦められるものではないと 幼子ながらに理解と察知はしたらしい。 じとっと男を眺め、コヒの服を皺になるほど握りしめ、 ぽて、と1歩足を踏み出した。 ] (65) 2026/04/04(Sat) 21:55:38 |
![]() | 【人】 ディア…………でぃあ。 ばいばい。 [ 早く帰れと言わんばかりの不貞腐れた態度だった。 同族ではないと本能で察しているのだろう。 そんな子どもらしいといえばらしい無礼さも、 男が土産を出す気配を察せば、少しばかり薄まった。 ] こーひー? [ 欲しい、と身を乗り出し、男を見上げた。 それから可愛らしく整えられた衣服の裾から手を出して 「ください」と言わんばかりに手のひらを広げる。 ] ありあと。 [ コヒに数日で可愛がられたこの幼子は、 男の土産を自分のものだと思い込んでいる節があった。** ] (66) 2026/04/04(Sat) 21:59:58 |
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