267 冬暁、待宵の月を結ぶ
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[ 分かっていた。
私じゃなければだめなんだ、なんて謳って
本当は私じゃなくたってよかったことくらい。
たまたま出会ったのが私だっただけ。
たまたま私が受け入れたから成立しただけ。
そう、私じゃなくたってよかったのに。
私じゃなければいけなかったと
思いたくなってしまったんだ。 ]
[ 君が私を大切にしてくれるたびに
少しずつ芽生えていく想いから目を逸らして
これは恋人という役を演じてるだけだと
ずっと、思い込んで、思い込もうとして。
―――――………。 ]
[ 逃げ道が必要なら作ればいい。
痛みを伴うとしても、私は…………。 ]
[ 逃げ道を作って、退路を断ってしまう。
嫌じゃないから、この先も大丈夫。
恋人ならみんなしてるでしょう、と。
この先にすることも全部、
役割の延長だから、気持ちに見ないふりできる
―――つもり、だった。 ]
[ 君には、君にだけは置いていかれたくない。
ずっと、ずっと一緒にいたい。
そんなの叶わないと知っている。 ]
|
[ 君と出会ってから季節がもうすぐ一巡りする頃。 コートにマフラーも欲しくなる季節。 いつものように朝からご機嫌な君に挨拶して 他愛ない話をする朝。
気づけば君がいるのが当たり前になっていた。 ]
(8) 2024/06/15(Sat) 2:06:52 |
|
おはよ、今日も寒いね。
[ 夏休み明け、君からされた提案には いいよ、ってすぐ頷いたから 君といる時間は前より少し増えた。 だって、断る理由なんてなかったし 何より私だってそう言おうか迷ってたから。 ]
(9) 2024/06/15(Sat) 2:07:07 |
[ 外の音が微かに聞こえるほど静かな部屋の中
二人しか知らない甘い時間に浸る。
全く不安がなかったわけじゃない。
何もかも初めてなんだから。
それでも私がすべて受け入れられたのは
君が丁寧に大切に愛でてくれたから。
何度も唇が重なって、触れた場所から
君の気持ちが、欲が伝わってくる。
目を閉じて、君の想いをひたすらに受け止めて。
時折目が合えば、頬を染めたまま微笑んだ。
今、すごく幸せだよ、って。
明るい中で肌を晒すのは恥ずかしい。
その相手が暁なら、尚更。
日焼けしていない白い肌。
呼吸するたびに上下する柔らかな膨らみ。
全て晒されても隠さないけれど、
恥ずかしさから君を直視できなくなって
ふっと目を逸らしてしまう。
でも、嫌じゃないのは伝えたかったから
君の手を取ると、胸元まで持っていった。
触って、ってお願いするみたいに。 ]
|
[ いつもよりもっと近い。 指先同士を絡める繋ぎ方。恋人、みたいな距離。
握り返すとそれだけで幸せだなって思う。 ]
(10) 2024/06/15(Sat) 2:08:16 |
[ 君が触れた場所全てから熱が広がっていくみたい。
愛でられた花は少しずつ色づいて、花開こうとする。
君に触れられて上気した身体が
色香を放っているのが自分でもわかる。
大切な人を惑わせて、誘って。
誰も触れたことのなかった花弁が蜜にぬれる感覚も
閉じていた蕾を花開かされる快感も
部屋に響く、甘くて切羽詰まったような声も。
全部、全部知らない。
君に初めて教えてもらった
君に初めて、見せた。 ]
| [ Wその日Wが来るってわかってたはずなのに 幸せに目がくらんで、忘れたふりをしてた。 ] (11) 2024/06/15(Sat) 2:10:34 |
| [ 普段なら話が弾むのに なんだか今日はいつもと様子が違う。 >>5 どうしたんだろう、具合でも悪い? 心配になって、聞こうとする前に。 君の声に遮られたから、言葉を飲み込んだ。 ] (12) 2024/06/15(Sat) 2:11:02 |
[ 乱れて濡れたシーツをぎゅっと握って
皴を増やしてしまいながら
奥深くまで、君のことを受け入れて。
慣れない刺激に戸惑うように零れる涙。
誤魔化すように、口付けを強請って
二人の息を混ぜ合えば、嬌声も君に呑まれていく。
いつの間にか倒れてしまった私の鞄
その中から覗く日記の事なんて
今の私は気にかけることも出来なくて。
求められるまま、応えて、こたえて。 ]
もう、そうなってるよ。
暁で満たされて、すごくしあわせ。
君のことしか考えられない。
| (13) 2024/06/15(Sat) 2:13:45 |
[ ずっと、言われたかった言葉。
それがまやかしだと分かっていても
他でもない君から言われたことが、嬉しくて
救われた気にさえ、なって。
頷いて、ぎゅっと君にだきついた。
布一枚も隔てないと、こんなにも熱くて、近い。 ]
| ………… そ、っか。 >>7[ 上手く頭が回らない。
言葉が出てこない。 なんで、なんで、わかってたはずなのに。 ] (14) 2024/06/15(Sat) 2:15:46 |
| [ 頭がくらくらする。 あれ、なんでこんなに、悲しいの。
だって、恋人って役割のはずで 好きだから付き合ってたわけじゃなくて
期間限定の、遊びなんだ、って決めてたはずで。 ] (15) 2024/06/15(Sat) 2:16:07 |
| (16) 2024/06/15(Sat) 2:16:35 |
| [ 君との時間が嫌いじゃない 君にされることは嫌じゃない
好きかどうかは分からないけど、嫌いじゃない。
全部、ただの逃げ道でしかない。 ずっと、分からないふりして誤魔化してた。 ] (17) 2024/06/15(Sat) 2:16:58 |
[ 役割通りの言葉なんだから。
これで何も間違ってないはずなんだ。 ]
| (18) 2024/06/15(Sat) 2:18:34 |
| [ 好きだから、君との時間が大切で、楽しくて もっと一緒に居たい、って願ってた。 好きだから、こんなに今、悲しくなってる。 分からないふりを続けて ずっと恋人ごっこをしてるだけだと 自分に言い聞かせ続けていた。 ] (19) 2024/06/15(Sat) 2:19:17 |
| [ 世界は私を置いていく。 君も、私を置いていくの? ] (20) 2024/06/15(Sat) 2:19:54 |
| [ いつ、引っ越すの? 決まった、っていつ決まったの?とか。
聴きたいはずなのに、言葉にならない。
目を合わせるのさえ怖くて、 手は振りほどかないままに俯いた。 ] (21) 2024/06/15(Sat) 22:38:42 |
| (22) 2024/06/15(Sat) 22:39:04 |
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