情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 宮崎暁[ 気づけばあっという間に冬になった。 あと数ヶ月もしたら 幸阪と出会って一年を迎える頃。 秋のまだ服装に迷う時期を超えて もうすっかりとコートまで羽織る季節。 僕はといえば いつものように幸阪に会えば ご機嫌な様子になるのは相変わらず。 ひとつ変わったことがあるとすれば 付き合い始めた頃より その距離がぐっと縮まったことくらい。 ] (1) 2024/06/14(Fri) 23:50:58 |
【人】 宮崎暁おはよ、幸阪 [ 毎日のように交した挨拶 夏休み明け、僕は幸阪に言ったんだ。 幸阪の家に迎えに行くから よかったら毎朝一緒に学校に行こう。 僕がそうしたいんだ、って。 幸阪が僕のわがままを聞いてくれていたら 今日の挨拶はきっと彼女の家の前になるはずだ。 ] (2) 2024/06/14(Fri) 23:52:08 |
【人】 宮崎暁[ いつもなら楽しい登校の時間 でも僕は彼女の前だというのに 浮かない顔をしてしまう。 これでは幸阪に気を遣わせてしまうかも。 でも、あの日の反省を踏まえて 幸阪にはハグ以上のことはしていないし 名前だって呼ばないように気をつけている。 だから、これは、言わなきゃいけないんだ。 ] (5) 2024/06/14(Fri) 23:57:58 |
【人】 宮崎暁[ いつものように幸阪との時間を堪能して 家に帰ってくると 珍しく父さんが早く帰ってきていた。 嫌な予感が胸中をよぎる。 この空気感、もう何度目だろう。 リビングに入ると 父さんと母さんが飛行機のチケットの 予約をしているところだった。 次は今の場所から飛行機じゃないと行けない かなり離れたところらしい。 海外じゃないだけいいって 母さんは言うけれど 悪気がないといっても 二人でヘラヘラと楽しそうに笑う姿に 僕は耐えることが出来なくて。 ] (38) 2024/06/16(Sun) 8:16:51 |
【人】 宮崎暁あんたはいっつもそうだよ! あんたの都合で振り回されて! 僕の大事なものは いつだっめあんたのせいで壊れる! 家族のために仕方ないんだって 育ててやったなんて そう言ったら僕も母さんも 何も言えなくなるの知ってて 僕がどんな思いで いままで生きてきたと思って…! (39) 2024/06/16(Sun) 8:20:11 |
【人】 宮崎暁……………ごめん、幸阪。 [ 彼女の前では僕は被害者の顔をしたらいけない。 彼女を巻き込んだのは僕で 始めたのだって僕だ。 風に飲まれて消えてしまった小さな棘は 耳に届くことはない。 受け止めてくれた彼女に 僕はただ、謝ることしか出来なかったんだ。 ] (43) 2024/06/16(Sun) 15:17:45 |
【人】 宮崎暁[ あれから二人でいつものように登校して そらからはいつもと同じなのに空気が重い。 学校の授業にも集中出来ないし なんだか落ち着かなくて、 今朝の凍りついた空気と 幸阪の顔が頭から離れない。 どんな顔をして 僕は彼女に会いに行けばいいんだろう。 そんなことばかり考えてしまう。 ] (44) 2024/06/16(Sun) 15:18:54 |
【人】 宮崎暁[ 何故か王子様とあだ名をつけられている事も 今は反応している余裕がなくて 事情を知らないかクラスの人に聞いてみると 幸阪は今日、体調不良で早退しているらしい。 その理由なんて明らかだ。 だって、彼女からは何も、連絡がなかったから。 ] (48) 2024/06/16(Sun) 15:21:05 |
【人】 宮崎暁[ 思い知る。 この学校にいる間 僕にとって、幸阪は僕の全てで。 幸阪のいない学校は また昔みたいに息苦しいだけ。 どうせ三月にはさよならだと余計に。 彼女のいない場所なんて いても辛いだけ、なんだって。 ] (50) 2024/06/16(Sun) 15:22:30 |
【人】 宮崎暁[ 幸阪に送った一本のLINE。 家に帰った僕は父さんはおろか 母さんのことすら無視をして 携帯をベッドに投げ捨てながら 不貞寝をするように飛び込んだ。 その時が来たら昇華しよう。 いつか来るサヨナラのとき 二人で思い出にするために。 僕達が結んだ盟約は 地に堕ち、涙を流していた。 ]* (51) 2024/06/16(Sun) 15:23:45 |
【人】 宮崎暁[ 結局二日はもう幸阪と会えていない。 相変わらず体調不良みたいで、 送った連絡の返事を貰えたのは その翌日の夜だった。 最初に既読がついてから ]返ってくるまで時間が空いていて その間は落ち着かずにそわそわしていた。 (66) 2024/06/16(Sun) 21:46:02 |
【人】 宮崎暁[ 風邪、という言葉は 残酷な真実を目の当たりにしないための 幸阪の優しさにも聞こえて。 それ以上を聞くことが 今の僕には出来そうにない。 幸阪の優しさを、棒には振れそうにないから。 ] (67) 2024/06/16(Sun) 21:47:02 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新