![人狼物語 三日月国](./img/mptitle_prov_v0.jpg)
181 忘却の前奏曲、消失の1ページ
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![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ 先生がボクと彼女の前で口を開く。 彼女の前で言っていいのかと躊躇う先生に 構いませんと言い切ったからだ。 ボクの父さんも母さんも >>0:106 違う場所でそれぞれ家庭を築いている。 中学生の頃までは親戚のお婆さんが 親の代わりになってくれていたけど、 そのお婆さんもボクが高校に上がる頃には 既に施設に入ってしまっていて。 今は元両親から養育費だけが >>0:107 毎月振り込まれている。 それがボク、朝日元親の現状なんだと。 緊急連絡先に登録された母さんの携帯に繋げて 先生が全て母さんに確認してくれたらしい。] (32) 2022/10/26(Wed) 19:43:17 |
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[ ボクがこんな目に遭っているのに それらしい人が誰も来ない理由が分かる。
でも、涙は見せなかった。 見せるほど、悲しくも感じなかったから。]** (33) 2022/10/26(Wed) 19:45:00 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | *** [ 心の整理がつかないことを察してなのか。 先生が病室から出ると、彼女と二人きりになって。 すると、彼女がさっきのボクの質問に答えてくれる。] ハツナ、さん…? [ 確かめるように名前を呼んでみて。 >>25 必死に記憶の中を探ってみても、心当たりがない。 ハツナさん、と名前を呼んだのは ボクが以前そう呼んでいたと聞かされたから。 でも、ボクの手を握る彼女の言葉に ボクは首を横に振る。 >>26 予想だにしなくて当然驚いたけど 疑うよりも先に、哀しかったんだ。] (34) 2022/10/26(Wed) 19:45:58 |
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キミみたいな素敵な女の子は きっとボクみたいな男には勿体ないよ。
本当にキミを忘れてしまったなら ボクは最低で、救いようのない男だ。 (-10) 2022/10/26(Wed) 19:47:16 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ ボクの言葉が紛うことなき本音であることを 彼女は分かってくれないかもしれない。 それでもボクは そう思えて仕方がなかったんだ。
彼女の感情が、届いた気がして。
] (-11) 2022/10/26(Wed) 19:47:51 |
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………ごめん。
[ 彼女の微かな望みを断ち切るように ボクはまた、首を横に振る。 >>27 もし彼女の話が本当だとしても 今のボクに彼女の特別である資格が あるなんて到底思えなかった。 ]* (35) 2022/10/26(Wed) 19:49:00 |
![](./img/okamigakuen/110_C.png) | ……そんな、ことっ、…………。 そんなこと、ないよ。 元親くん、自分の事だって忘れちゃったんだから 私の事忘れちゃうのは仕方ないよ。 それに…… 忘れたなら、思い出せばいい、 そうでしょ……? (-12) 2022/10/27(Thu) 0:00:01 |
![](./img/okamigakuen/110_C.png) | [ だから、そんなこと言わないで欲しい。 わかっちゃうよ。 今の君にとって、その言葉は 多分本音なんだ、ってこと。 わかってしまうから、胸が苦しくなる。 ] (-13) 2022/10/27(Thu) 0:00:45 |
![](./img/okamigakuen/110_D.png) | [ 最低で救いようのない人なのは きっと君じゃなくて、私なんだよ。 ] (-14) 2022/10/27(Thu) 0:04:56 |
![](./img/okamigakuen/110_C.png) | [ ううん、君だけの太陽でいたいんだ。
ひとりぼっちの君を照らす、君だけの太陽。 ] (-15) 2022/10/27(Thu) 0:07:29 |
![](./img/okamigakuen/110.png) | あのね、元親くん。 君のご両親は来ないのかもしれないけど…。 私は、毎日だって君のいる場所に行くよ。 私は、君の傍を離れないから。 一人にはさせないから。
(-16) 2022/10/27(Thu) 0:12:37 |
![](./img/okamigakuen/110_C.png) | だから……大丈夫だよ。 [ そう言って、君の手を両手で包み込む。 すこしでも安心してほしかったから。 ]* (-18) 2022/10/27(Thu) 0:13:26 |
![](./img/okamigakuen/93_B.png) |
[ 今ここに両親が居ないことが 悲しいことだなんて思わない。
自分が闇の奥深くに落とされて 手を差し伸べない親なんているだろうか? 考えたらたとえボクにだって答えが分かる。
ボクには、はじめから親なんて居ないんだ、と。]
(51) 2022/10/27(Thu) 4:08:09 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | え?あ、う、うん…大丈夫だよ。 [ そんなわけがない。誰だって分かるのに。 >>36 反射的についそう答えてしまうのは ボクが彼女という人を知らなすぎるせいだ。 信用はしてる。でも信頼は……。
ボクの記憶が戻らないと困るのは どうやら彼女も同じみたいだったけど。 >>37 太陽が枯れ、死んでいく姿に >>38 ボクはひどく冷静な頭で、言葉を被せた。] (52) 2022/10/27(Thu) 4:08:54 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | (53) 2022/10/27(Thu) 4:09:35 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ 家族だった人達を信頼出来ずに 蔑み続けた結果、自己嫌悪に苛まれる。 奇しくも記憶を無くす前と同じ道を辿って 同じ台詞を吐いていたことにボクは気づけずに。 でも言葉を被せたボクの傍らで キミはボク以上に怒り、哀しんでいたから。 >>39 ボクは思わず目を丸くしてしまうんだ。] (54) 2022/10/27(Thu) 4:10:06 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ それが同情じゃないことくらいわかるよ。 彼女が本当に優しい子なんだってことも その感情が決して安くないことも。 >>40 ボクには、伝わってる。] (D12) 2022/10/27(Thu) 4:10:43 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) |
[ でも伝われば伝わるほど ボクは自分が嫌いになっていく。]**
(-28) 2022/10/27(Thu) 4:12:00 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | *** [ ボクは以前彼女のことを名前で呼んでいたらしい。 しかも呼び捨てで。なんと仲睦まじいのだろう。 自分のこととは到底思えない。 疑うわけじゃないけど まだ彼女を完全に信頼出来るわけじゃないから。 彼女の言うことを信じたくても、まだ踏み込めない。 ] うん……ごめんね。 [ 気を遣わせてしまったことにも すぐに彼女の期待に応えられないことにも。 どこか無理をしているようにも感じる その笑顔にボクは心が痛くなってしまった。 >>41] (55) 2022/10/27(Thu) 4:12:44 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ 彼女の言葉を信じるのなら 彼女がそう言いたくなる気持ちだってわかるんだ。 分かってるのに。理解出来ているのに。
そんな想いが、怖くて仕方がない。 お前には過ぎた宝物だと 心の奥に潜むボクが否定する。
] (D13) 2022/10/27(Thu) 4:13:59 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) |
[ 好きな女の子との約束を反故にして。>>D9
好きな女の子のことを信じられなくて。
答えることも、応えることも、できない。>>D10] (-29) 2022/10/27(Thu) 4:15:14 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | (-30) 2022/10/27(Thu) 4:15:51 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | [ 途端、ボクの自己嫌悪を食い止めるように 彼女の口から事の顛末を語られる。 交通事故があった時のこと。 >>43 彼女の言うことが本当のことなら ボクも…こんなボクでも、誰かを守れたんだって。 少しだけ、安心することが出来たから。 ボクは謝る彼女に向かって、小さく微笑み。] (56) 2022/10/27(Thu) 4:16:27 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | (57) 2022/10/27(Thu) 4:16:47 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | [ 記憶を無くす前の自分の言いそうなことを 彼女へと告げる。 きっとボクなら、そう言うはずだ。 でも彼女は未だ崩れてしまいそうな 不安定に揺蕩う笑顔のまま。 >>44 秘めた決意だけで、突き動かされていた。 とはいえそれも全てボクの感想でしかない。 何を決意し、何を望んでいるのか。 >>45 今のボクには推し量ることしかできない。] (58) 2022/10/27(Thu) 4:17:28 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ ボクは彼女が太陽だなんて知らない。 知らないからこそボクは彼女に太陽は求めずに それでいて彼女を役割から解放することが出来ず。 今のボクは、何かをしようとして 何も出来ずに戸惑う彼女を >>46>>47 心配そうに見つめることしかできないままで。] (D14) 2022/10/27(Thu) 4:18:23 |
![](./img/okamigakuen/93.png) |
[ そのきっかけは分からない。 でも言わなきゃいけない気がしたんだ。
彼女の思い詰めた雰囲気の原因が たとえ自分自身にあったとしても。
言わなきゃいけない気がしたんだ。] (-31) 2022/10/27(Thu) 4:18:56 |
![](./img/okamigakuen/93.png) | (-32) 2022/10/27(Thu) 4:19:35 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) |
ごめん、ボクが言っても説得力、ないよね。
[ 口をついて出てしまって数秒。 ボクは困ったように笑う彼女に、頭を下げた。]
(59) 2022/10/27(Thu) 4:20:31 |
![](./img/okamigakuen/93_C.png) | [ 謝罪を終えて頭を上げると 彼女から今後のことの話をされた。 話題を逸らしたかったなんて そんな意図にも気づかないまま。 ボクはと言えば思わず唸ってしまう。 何から何まで彼女に手伝わせるわけにはいかないのに 先生の話からして、ボクに頼れる大人はいない。 しかも当のボク本人はこのザマだったんだから、 たとえ信頼しきれなくても、頼るしかなかった。] (60) 2022/10/27(Thu) 4:36:23 |
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