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【赤】 従業員 ルミ[ 仮定話は実現しないからこそ考えてしまうことだ。 例えば自分が至って普通の過程であれば? 或いは彼があの時離れて行かなければ? 詮無いことに頭を回してしまうのは、 それが効率よく傷を抉れる方法からなのかもしれない ────幸せな夢はまるで麻薬だ。 ] うん、録音……えっ着信音?? [ 正気か?と言うように彼を見た。 病んでいる自分よりも飛躍した発想である。 まさか今までの女にもそういう対応を…? あるわけないと分かりつつも、 疑ってしまうのは致し方ない。 ] (*3) 2024/05/15(Wed) 10:38:32 |
【赤】 従業員 ルミ[ 無理矢理彼を襲った時は、キスをしなかった。 別に、キスに対して神聖視していたわけではない。 ただどんなおとぎ話もキスで幸せを迎えられるから。 それを知っているからこそ、 幸せにはなれない関係にキスなど要らないと思って。 けれど今は、 何の憂いも悲観もなくキスができる。 温もりを交わして甘さを分かちあって、 ──まるで実を食べたあの二人みたいに。 ] ……言い訳までずるい。 [ 言葉で主導権を握るのは得意だったはずなのに、 さっきから彼に奪われてはいないか。 上手く翻弄出来る甘い言葉も浮かばないから ぷく、と思わず頬が膨らんだ。 ] (*4) 2024/05/15(Wed) 10:38:50 |
【赤】 従業員 ルミ…………後でほんとに録音するんだからね。 お兄さんが自分から言ったんだもん。 [ 着信音にはしないだけの理性はあるけれども 録音しておけば証拠になる。 万が一約束が破られてしまった時、 これがあれば責め立てる権利を得られるはず。 ────というのは理由としては勿論、 単にひとりの時に声を聞きたいからだ。 今の彼を見ていると、 信用しても良い気がしているから。 ] (*5) 2024/05/15(Wed) 10:39:23 |
【赤】 従業員 ルミ[ 性の匂いが漂う部屋で、 幼い頃の清廉さを連れ立った児戯ひとつ。 手を離したおかげで見えたのは 甘さに蕩けながら細められた彼の瞳。 ] かくれんぼ、違和感ある? ふふ。 わたしは懐かしくて楽しいけどな。 [ 2人きりのかくれんぼ。 今も昔も変わらないふたり遊び。 正しい遊び方では無かったのだろう。 けれど他の子なんてわたしには要らなかった。 正しくなくても良かったよ。 ふたりで笑えていられたら、それだけで ] (*6) 2024/05/15(Wed) 10:39:42 |
【赤】 従業員 ルミ[ 戯れとは本来きっとそういうものだ。 彼以外と遊んだ経験にそもそも乏しい自分が言うと 負け惜しみのようになるかもしれないが。 ] キスマークつけるの、上手くないんだもん ……ほとんどしたことないし [ これは本当だ。 セックスの経験は同年代より多そうだが ただの義務感に愛の証は必要なかった。 痛くないようにと気遣って噛むのは、 どうしても痕が薄くはなるけれども。 満足そうに彼の“首輪”を見つめ── ] (*7) 2024/05/15(Wed) 10:40:14 |
【赤】 従業員 ルミっ、……あ、 ……お兄さんも噛んでくれたんだ? 首の見えない制服、あったかな…… [ 無かった気がする。 メイクをするついでに隠せるだろうか。 つけないで、とは言いたくないし思ってもいないが バレると普通の仕事場よりも面倒だ。 彼の噛み跡と自分の噛み跡をなぞり、 「おそろい」と笑う。 噛まれる瞬間の僅かな刺激にすら下腹部が熱くなるのを 隠すような、無邪気な顔で。 ] ……だいすき、お兄さん [ 他の女なんてもう忘れてしまうくらい、 わたしとしか経験出来ないことをしようよ。 人は自分の知識というフィルターでしか 世界を見られないって言うでしょう? お兄さんの人生には、 わたししかいないって、思ってね。 ] (*8) 2024/05/15(Wed) 10:40:47 |
【赤】 従業員 ルミ[ ────決して被虐趣味がないのは こちらとて同じなのだけれど。 そう、それだけは胸を張って言えるのだが。 じゃれ合うような戯れを挟み、 快感を与えられていない時間を経てなお 僅かに蜜が奥から滴っていることには どうか気付かないフリをして欲しい。 ] ────ッふぁ、や、ンん……っ! ぁ、っなに、……ッ [ びく、と腰が跳ねる。 今までで一番強く、神経に電流が奔ったような そんな刺激が甘く脳を痺れさせた。 瞳が生理的な涙で潤み、混乱の色に混ざる。 声があまくこぼれ落ちて咲く度に、 擦る指の動きに合わせて 秘芽は少しづつ硬さを増した。** ] (*9) 2024/05/15(Wed) 10:41:06 |
【赤】 従業員 ルミ[ 録音を着信に設定するのはいわば合法である。 非合法の中でいかに彼へ自分を刻むか──という 最悪の思考ならばいくらでも巡らせられるが、 " 相手に許される "ことが前提の行為の発想はない。 深く考える前に、移ろう話題へ意識を向けた。 うん、と嬉しそうに微笑んでひとつ頷く。 ] 写真撮りたいな、お兄さんと。いっぱい。 ……うれしい。 仕事以外で写真なんか撮らないし。 昔のやつは……残ってればそりゃ嬉しいけど。 でも、なくてもいいよ 目に見える過去があったら、 今を見失っちゃうかもしれないから。 [ 戻れない過去の幻覚を見ることが、 常に幸福を運ぶとは限らない。 ] (*16) 2024/05/15(Wed) 23:45:52 |
【赤】 従業員 ルミ[ " あたりまえ "の基準がそれぞれ違うように、 なにもかもが揃いの人間などいない。 なにもかもが人と違うように出来ているのに、 ひとりで生きていけないのは、どうして。 キスすらも音のない言葉として交わせる。 人は、言葉を声にして伝え合う方が出来るのに 唇を重ねて、声を奪って、愛にする。 ────ひとりでは気付けないことばかりだ。 ] 勝つ? ……昔のお兄さんも、今のお兄さんの一部でしょ? [ 複雑そうな色を浮かべた顔を見て、首を傾ぐが。 昔は無かった喉仏へ触れさせられると、 その差に気付いて、視線を彷徨わせた。 ] (*17) 2024/05/15(Wed) 23:45:58 |
【赤】 従業員 ルミ[ 記憶の中で笑う少年は大人になった。 恋も愛も、惚れた腫れたも分からない幼さから 性の匂いを纏う男性の色を纏って。 ] …………む。 へこんでるお兄さん見たかったな。 [ 上達しておくか、天性の才でもあれば良かったか。 ここで「下手で良かった」と思う健気さより、 彼の傷を抉ることを選ぶ狡猾さを覗かせて。 愛のないセックスに所有痕など縁遠いのだから どのみち無理な話ではあっただろうが。 しかし当てつけのように過去を匂わせたい訳でもない。 互いを初めてに位置づけ続けられれば、 他害も自責もいずれ落ち着いていけるだろう。 ] (*18) 2024/05/15(Wed) 23:46:03 |
【赤】 従業員 ルミ[ きっとこれは健全な形とは程遠い。 けれど、おとぎ話だってそうではないのか。 この人しかいないと思い込むような鮮烈な出会い。 助けてくれた狩人や小人ではなく、 一目ぼれした死体に口付けた王子様。 しかし物語では取りざたされることはない。 だって、ふたりが納得して手を取ったから。 そこに必要なのは世界の総意などではなく、 王子と姫の二人の意思なのだ。 ] ────わたしはねえ、愛してるよ お兄さんのこと。 [ ずっとずっと──" わたし "になった時から。 公園でひとりで息をしてたわたしはもういない。 目を焼くような眩しい雷を見た時に 今のわたしはうまれたの。 ] (*19) 2024/05/15(Wed) 23:46:07 |
【赤】 従業員 ルミ[ ふる、とセパレートした睫毛を震わせる。 大人になったふたりにしか交わせない愛を紡いだなら、 もうそこに児戯の拙さは残っていない。 ] ……ん、んん、……いなかった、よ 今までは、本当にただ、挿れるだけというか。 慣らそうとしてきたひとはいたけど 反応ないから、すぐ飽きてやめてたし…… [ 自分はただ天井を見ているだけの時間だった。 今思えば演技でもしてやれば良かったのだろうが、 そこまでセックスに対する熱意はなかった。 したいって言ってるのを拒否してないから良いでしょ、と 事後に言い争った記憶もある。 さすがにそんなことまでベラベラと話さないが。 ] (*20) 2024/05/15(Wed) 23:46:13 |
【赤】 従業員 ルミだ、だから、……ぁの すきにしていいよ、ほんとに…… [ もう十分" きもちいい "の感覚は味わっている。 丁寧なセックスにどうすればいいか分からなくて、 本当にまだ挿れなくていいの? と 伺うように彼の顔を見たけれど。 ] ────? うん……、 [ 擦っても痛くないとおもう。濡れてる。 ワードを繋げ、勝手に今からの行為を予想し、 分かったと頷いて。 ] (*21) 2024/05/15(Wed) 23:46:21 |
【赤】 従業員 ルミ────ッひぁ、あ、ンぅ……っ …ふ、ぁ 、ッん、んん〜〜……っ! [ 言葉は意味を持たない音になって零れ落ちる。 目の奥が弾けるような刺激が奔り、 髪を振り乱しては彼の首へ縋りついた。 いたい、ほうが、まだマシかもしれない。 いっそ怒るくらい身勝手に強くしてくれたら、 頭がぐちゃぐちゃになることもなかったのに。 ] ぁふ、ゃ、ん……あ、ぁ……っ [ こぷりと下腹部から何かが溢れる感覚があって。 熱い腹部も、跳ねる身体も。 言うことを聞かない理性ごと溶けてしまいそうだ。 ] (*22) 2024/05/15(Wed) 23:46:25 |
【赤】 従業員 ルミ──すき、おにぃさ、……すき……っ [ ぬかるんだ膣内に彼の指が入ってくる。 きゅう、と締め付けて、奥へ迎え入れるように 媚肉が蠢き収縮を繰り返した。 まともな文章を紡げないかわり、 彼を抱き締めながら好きだと幾度も囁いた。 快楽でどんなに訳が分からなくなったって、 あなたのことだけは分かるから。** ] (*23) 2024/05/15(Wed) 23:49:42 |
【赤】 従業員 ルミ[ あの頃の無邪気な笑い声が、 いつしか呻き声にしかなれなかったように。 変わってしまったことなら数えきれないほどあって、 変えられないまま重ねたことも山ほどある。 今から、なら。 ここからなにが増えて、どう色を転じていくのだろう。 分からないことは恐ろしい。 守るよりも壊してしまう方がずっと簡単だ。 けれどそうしないことをふたりで選んだから、 写真という楔を重ねていく。 ] (*33) 2024/05/16(Thu) 19:27:10 |
【赤】 従業員 ルミ[ 女心と秋の空という言葉がある。 ならば、複雑だという男心にはどんな言葉が似合うだろう。 「ふうん…?」と理解しきれないように首を傾げ、 果たして昔の少年もそんな気配はあったか、と 思いを馳せかけて、止まった。 それよりも先に動いた喉仏が、 確かに彼が大人になったことを示すようで。 ] …………お兄さんも難儀だね……? んー、……えっと……。 ……ぎゅうしよ。えい。 [ 傷付けたい、ずっと抉り続ける、と言っておいたくせ へこんだと訴える彼を抱き締めるなんて、 負けず劣らずこちらも勝手な話だ。 男の人を可愛く思う恋は重症だとよく聞くけれど あながち間違いではないのかもしれない。 ] (*34) 2024/05/16(Thu) 19:27:14 |
【赤】 従業員 ルミふふ、うん。 ……待つよ、ずっとね。 [ 永遠に等しい時間が、永遠に形を変えるだけ。 死ぬまでの間。 或いは死んでも貴方のひかりを探すのだろう。 同じ深度で愛を交わせなくても良い。 ただこの奇跡が一夜限りの幻ではなく 地続きの今になれば、それだけで。 ] (*35) 2024/05/16(Thu) 19:27:20 |
【赤】 従業員 ルミ[ ──とはいえもしその夢すら手元に残るなら、 自分は喜んで毒林檎でも何でも食べてみせるだろう。 十数年、甘く煮詰めたこの愛と 同じ苦さを彼が抱えてくれるというのならば。 " ひつじ "がいいと無邪気に言ったあの頃。 取り零していく日常や時間にも気が付かず、 ただ毎日ばかみたいに与えられる日々を待っていた。 家がどんな風だったかはもう忘れた。 何となく、正しくない家だったことだけ覚えている。 傷付いたことも、憎んだことすらない。 ────あのひとたちのおかげで、 わたしはひとつの愛を抱え続けて死ねるから。 ] (*36) 2024/05/16(Thu) 19:27:24 |
【赤】 従業員 ルミッこんな、かお、見せるの お兄さんにだけ……。 [ 彼らがしたかったのはあくまで性欲の処理であり、 自分とのセックスでは無かっただけだ。 例え丁寧に扱われても、 こうやって感じてやれなかった気がしてならないが。 好きにしているなら、彼はこっちの方が好きなのか。 ──と、勝手な解釈をまたもや進めながら、 遠慮なく彼の肩へ縋りつく。 ────やっぱり服を脱がなければよかった。 着たままでいれば、布擦れの音で この粘着質な水音を掻き消せたかもしれないのに。 ] (*37) 2024/05/16(Thu) 19:27:29 |
【赤】 従業員 ルミ、よせる……こう……? [ 不思議そうな顔で、考えるより先に指示へ従った。 震える膝をどうにか立てて、 背中を伸ばし、身体ごと彼に近付ける。 何をするのかと伺うように彼を見上げた。 言葉で問いかけようと口を開いて──── ] ────ッッ、…………ぁ、ふ…ッ [ 入り込んだ彼の熱の先端が、浅いところを擦り その刺激で身体からかくんと力が抜ける。 蜜ですっかり潤った媚肉は抵抗もなく、 容易く熱を奥まで呑み込んだ。 ] (*38) 2024/05/16(Thu) 19:27:32 |
【赤】 従業員 ルミ[ 自分で自分を支えられず腰が落ちてしまえば、 突き上げられる衝撃から逃げることも出来ない。 とちゅん、と奥まで穿たれたような感覚に、 視界がちかちか瞬いて呼吸を奪われる。 ] ……ッ、……ぃ、たく、ない……けど…っ おなかの、おく、あつい……っ [ 跨って彼のモノを生で挿れた時は、 こんな感覚が襲ってくることは無かったはずだ。 中にある熱の存在を意識すればするほど、 勝手に膣が収縮を繰り返すのを止められない。 彼の肩を弱く掴み、「きす、して」と囁いた。 混乱をすこしでも頭から逃がそうと、 支えになるものを求めて。** ] (*39) 2024/05/16(Thu) 19:29:40 |
【赤】 従業員 ルミ[ あの頃も今も、彼はいつだって自分より大きい。 どんなに自分が成長しても追いつかなくて、 同じ目線で世界を見ることは出来なくて。 だからひつじになりたかった。 もふもふで、きっと誰にでも可愛がられて 誰のことも傷付けない。 食べられて、お腹に入って血肉になる。 横に並べないなら、そうしてでも一緒が良かったの。 ああでも、ひつじにならなくてよかったな。 貴方を抱き締める二本の腕も失うし、 言葉じゃない愛を伝える温もりも消えてしまう。 何より貴方が言ってくれた。 ずっとわたしの名前を呼んでくれる、って。 ] (*46) 2024/05/16(Thu) 22:55:17 |
【赤】 従業員 ルミ[ 作られた運命も、本物の顔をしてそこに在り続ければ いつかきっとただの運命になれるはず。 どこかに転がっている片道切符。 わたしだけが書き換えられるふたりの未来。 ────彼の本当の運命は御愁傷様ね。 王子様を好きになった白雪姫みたいに、 物語は、人の心を強く奪った相手と生きるのよ。 ] (*47) 2024/05/16(Thu) 22:55:20 |
【赤】 従業員 ルミ[ 探られれば当然教えることは出来るだろう。 それは逆も然り、知ることならいくらでも。 最初の相手になることはもう出来ない。 上書きして、自分の色を明け渡し続けて、 誰かが付け入る隙すら埋めて最後になる。 ] ん、っぁ、……うれしい おにいさんの、さっきより、おっきぃ…… [ 薄っぺらな腹を軽く押されると、 中の堅さを肌で感じて、なんだかぞわぞわする。 撫でられる時の刺激もあいまって、 皮膚がびく、と僅かに震えた。 ] (*48) 2024/05/16(Thu) 22:55:34 |
【赤】 従業員 ルミ───っふぁ、あ、ン……ぁ…ッ [ 唇が重なり、差し込まれた舌を迎え入れる。 キスの経験も少ないのが見て取れる拙さで、 粘膜を擦り合っては甘い声をこぼした。 水音が鼓膜の奥で響いている。 目が眩むようないやらしさと性の匂い。 腹の奥を突かれ、浅いところを熱が行き来するたび、 ゆるやかな快楽が神経を伝っていく。 ────きもちいい、と蕩けた目をすこし細めて 完全に伏せようとしたその時に。 ] (*49) 2024/05/16(Thu) 22:55:40 |
【赤】 従業員 ルミッひぁ、ン、 ふ…ぁぅ……っ! や、それ、あたま へんに、なる……ッ [ 強い刺激に意識を掬い上げられ、 たまらなくなって、思わず頭を振り言葉を紡ぐ。 充血したままの秘芽を同時に弄られると、 穏やかだった快感が脳髄を蝕むものに変わって。 媚肉がキツく収縮し、その度に蜜を溢れさせる。 ] ン、ふぁ んン、ゃ、あ……ッ! [ キスから解放されるたび、 抑えられない喘ぎが空気を揺らした。 生理的な涙で瞳を潤ませながら、彼へ縋って、 ] (*50) 2024/05/16(Thu) 22:55:44 |
【赤】 従業員 ルミ───……ま、って、やだ……っ おなか、おかしぃ……っ [ 不規則に強く熱を締め付ける媚肉は、 絶頂が近いことを知らせるように蠢いている。 それがなんなのかを経験していないが故に、 焦ったように彼へそう囁いた。** ] (*51) 2024/05/16(Thu) 22:56:22 |
【赤】 従業員 ルミ[ ──好き、が二文字で良かった。 どんなに苦しくても、その二文字ならきっと音になる。 人はひとりでは生きていけない。 地獄は日常と同じ色をして毎日に溶け込んで、 気付けば傷だらけになっても息をして。 同じ傷を分かち合えるひとを、わたし達は運命と呼ぶ 感情も縁も、地獄さえ目に見えないから 言葉に意味を宿して意義を抱える。 死の間際まで誰かを愛していたいから、 わたし達は愛を" 好き "の二文字に込めたのだろう ────それぞれの色を宿しながら。 ] (*57) 2024/05/17(Fri) 20:26:04 |
【赤】 従業員 ルミ[ 彼の紡ぐ可愛いという言葉はまるで麻薬だ。 与えられるたびに頭がぽやんと蕩けて、 雛鳥のように" もっと "と求めたくなってしまう。 ────たくさんの人に与えられた可愛いよりも、 ただひとりの可愛いだけで こんなにも、こころは満たされるものなのか。 ] おにぃ、さ、 [ 快感と浮遊感で頭がくらくらする。 瞳に滲んだ涙が彼の体内に迎え入れられるのを、 どこか惚けたような気持ちで感じていた。 ──ああ、頭がばかになりそうだ。 ] (*58) 2024/05/17(Fri) 20:26:12 |