【人】 門を潜り ダヴィード>>2 イレネオ 「美味しいでしょう! ああよかった、一番好きな物を勧めるって緊張しました」 片手に食べかけのパニーニを持ちながらほっと胸をなでおろす。 先ほどまで喜色満面の笑みを浮かべていた表情は、ほのかな安堵が滲んだものに変わった。 食事中にあまり言葉を交わすことはないから、傍から見ている人物がいたとしたらあっさりすぐ食べ終わったように見えるだろう。 口元を紙ナプキンで拭いて、貴方の方にも一枚差し出す。 「お腹いっぱいになりましたか? すこし甘いものも追加しようかな、と思うんですが」 イレネオさんもどうでしょう。自らの懐から財布を取り出して、今度はこちらがお返しをする番だと暗に示す。 #商店街 (19) 2023/09/11(Mon) 22:59:01 |