【人】 法の下に イレネオ>>88 ダヴィード 合点のいった様子に軽く頷く。 そうものすごく親しいわけではない。自分のことを長々と語ったことはないだろう。 かといって知らない仲ではない。端々から人となりを察される程度の付き合いはある。 それを静かに再確認し、そういえば、好きな食べ物を聞いたこともないと気づいた。 「好きな方でいいよ。」 ともすれば無責任か、投げやりに聞こえるだろう言葉だ。しかしそれが、親愛からの優先であることはわかってもらえるだろうか。 「腹具合も、懐具合も融通はきく。ダヴィードが選ぶといい。」 手癖の悪い連中もいるもので、わざわざ中身を見せびらかしたりはしない。なんなら貴方もそれなりの手癖であると知っている。それでも、貴方に対しては紐を弛めるつもりらしかった。 #街中 (95) 2023/09/09(Sat) 19:06:03 |