【人】 XI『正義』 マドカ── 3年前 ── [抱きしめた子供は、 『会いたかった』とまた泣いた。>>205] うん。……うん。 僕も、僕も君に逢いたかった。 [腕の中に収まった身体は、暖かい。 傷を負っていても、暖かかった。 返されぬ抱擁が、君のこれまでを物語る。 縋り付くことさえできぬその指先は、 きっと誰の袖を掴むことすら、 許されなかったのだろう。 『人間』の子供なら、 幼い時分に必ず親から学ぶようなことなのに。] (330) だいち 2022/12/12(Mon) 19:51:02 |