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【人】 知情意 アマノ>>82ナフ いつものあなたを思えば何ともらしからぬ姿に男は驚きもしていたが、同時に自分に生じていた違和を思うとそういうものなのかと思いかけ。……ロビーの時計が無礼講終了に向けて少しずつ進んでいるのを見てひとつ息を吐き、こちらもあなたの方に寄り添った。肩が触れるような形。 「ああ、私も会いたかったし君が待っていてくれて嬉しい。待たせてすまなかった。……蘇生後、襲撃に行ったらそこでも死んでしまってね。また君の知らない場所で死ぬことになってしまったよ」 少し、許されるのならばあなたに軽く頭を乗せようと。 「……もう少しでこの無礼講も終わってしまうが。ナフ、君は何か得られるものがあったかな」 (84) uni 2021/10/19(Tue) 3:20:26 |
【人】 知情意 アマノ>>85ナフ 「………………一体何があったんだ……」 自分も死んだ側なのであまり色々言えないが、それはそれとしてどうして更に死んだんだと思うことは止められず。避けられずに受け止めてもらえるのならば男はくったりと肩の力を抜いた。 「いいことだったのならよかった。それらが今後に君に更なるいいことを与えるように願うばかりだ、……願うというと少し距離があるか。君に更なるいいことをもたらすのを見ていたいと思うよ」 実際に得られるかは分からない。これからどうなるのかも分からないのだ。その上で、あなたの頬を当然ながら避けることもないので髪はされるがままにわしゃわしゃと揺れている。 「ふふ、私か。そうだな、私は君に全て捧げたし私も君の全てを貰ったつもりだ。 ……だから、どうか君も忘れないでいてくれ。私が君を愛していることも、君が私を愛していることも」 例え何年、何十年会えずとも。……物好きの主人がきっとそこまで多くの空白を作らないように尽力してくれるのだろうと思うけれど。それでも、伝えておくべき言葉だと思ったから。 (88) uni 2021/10/19(Tue) 3:51:47 |
【人】 知情意 アマノ>>90ナフ 「ルヴァと。そうか、お疲れ様」 言葉の内に何かしら燻っているようなものはないのだろうと判断し、それだけの言葉をかけるに留まった。きっと楽しかったのだろうからそれでいい。 「……確かに変な話だ。本来ならもっと早くに許されるべきことだったろうに、君は考えるための材料を与えられずにここまで来ていた。それは一般的には有り得ないとされていることだから。しかし、考える材料ときっかけを得た君はこの期間で大きく成長したし、これからもっと成長していくのだろうな」 初めの頃と比べてもあなたの思考は見えやすく、理解が追い付きやすくなっている。それはあなたが表現する方法を多く得たからだろうし、周囲との交流を経てあなた自身への理解が深まったからもあるのだろう。 それから、ぐりぐりされて目を丸くし、続く言葉を聞いて驚いたらいいやら困惑したらいいやらで言葉を失っていたが。あなたの意思が見える言葉に、男はくしゃりと表情を歪めて顔を伏せた。 嬉しい、嬉しくて、泣きそうなくらい胸が苦しくなる。 「私自身の愛の分かりやすさはともかくとして、いや、忘れられるものじゃないのならば本当に嬉しいがそれはさておきだ。……あんなにも必死に言葉を探してくれた君の愛を疑いようもない。君にとっての初めてがずっと色褪せぬよう、私も……私もこれまで通りに表現していこう。 ――待っている。 私もこれまで通りいい子にして」じっとその時を待とう、と呟いた声をあなたが聞いたかどうかは分からない。それでも男は一度あなたに向き直り、許されるのならば頬にキスを落とそうと。 (93) uni 2021/10/19(Tue) 4:45:03 |
【秘】 知情意 アマノ → 紅月夜 チャンドラ男は一人、ひどく長く過ごしたように思われる無礼講エリアの中を歩き回っていた。時折周囲を見渡してはまた歩いていく、それの繰り返し。人探しをしているのだと容易に伺える動作を何度挟んだ頃だろう、どの辺りでの出来事だっただろうか、ようやっとあなたの姿を見つけると少し早足であなたのほうへ。 「チャンドラ。すまない、今時間はあるだろうか」 (-107) uni 2021/10/19(Tue) 4:57:55 |
【人】 知情意 アマノ>>94ナフ あなたがいつも通りの返事を寄越したのでこの話はここまでだ。いつも通りと言えてしまうほど、ともに過ごした時間は長いように思う。 「いい収穫だと言えるのなら何よりだ。……色んな人、色んな考えに触れる機会はそう多くもないだろうから」 特にこの監獄ではそうだと男は思っていたが、それが思い込みに過ぎなかったことを今はもう知っている。この監獄の狂気に関係なく、もともとかけがえのないことであっただけなのだ。男は沈黙が苦にならない性質であるためあなたが口を閉じても特に気に留めずにいる。 「当たり前のことではないと知った上に、耐えるべきではないとトラヴィスに口酸っぱく言われたんだ、もう蹂躙されないとも。そちらも殺し合いの楽しさに流されて他者に蹂躙されないようにくれぐれも気を付けたまえ。……ふふ、君の頑張りを私も楽しみにしているよ、ナフ」 周囲の人間に恵まれて、頼るべき相手も増えて。その結果、諦観よりも遥かに大きな希望を得ることができた。こうして明日を思えるようにもなった。これから先にあなたと紡ぐ未来もあると確信できる。 (97) uni 2021/10/19(Tue) 5:40:13 |
【秘】 知情意 アマノ → 不覊奔放 ナフだから、当然。 こうしてささやかに、秘めやかに愛を伝えあう行為は幸福に満ちている。 避けないだけでなくあなたの胸に手を添えて、あなたより一回り大きい身体を可能な限り、指の一本ですらも周囲に晒さぬようにするような素振りで、あなたの身体で隠して。 唇へのキスを、穏やかな笑みとともに受け入れた。 (-113) uni 2021/10/19(Tue) 5:41:57 |
【秘】 知情意 アマノ → 紅月夜 チャンドラ「ありがとう、……本当に」 変わらず接してくれることがどれだけ嬉しいか、友人として接してくれることがどれだけ嬉しいか。男は少し肩の力を抜いてから、一度深くあなたに頭を下げた。 「まずはエリアジャックの件。君のペットでありながら君に反旗を翻す形となってしまい申し訳なかった。主人である君にも何かしらの影響があるだろう、……実はキンウにもそのことについても少々お咎めを受けてね。悔いが残らぬようにとも背を押されてしまったものだから、沙汰が下る前に謝っておきたかったんだ」 背を押されなければきっと、近くにいられるのならいつでも伝えられると思ったままで……こうして話すのは遅れていたことだろう。 こんなぎりぎりになったのは概ね殆どを蘇生室で過ごしていたからではあるのだが、それについては自業自得なので何も言わない。 (-114) uni 2021/10/19(Tue) 5:49:38 |
【秘】 知情意 アマノ → 紅月夜 チャンドラ「キンウはあのジャックが始まってすぐにも、君に害に及ぶようならばとこちらに『話して』いたからな。私個人としては喜ばしいと思っているよ、君を大切に思い味方する者がいる証左だから。 努力はそう、だな。無駄にした。が……不幸中の幸いとも言うべきか、色々と考えが改められるいいきっかけにもなった。……すまなかった、ありがとう」 あなたが笑って答えるのならば、きっとこちらもそう受け取ったほうがいいのだろうと少しだけ微笑んで礼を告げて。それから普段通りから慇懃無礼さを抜いた様子で再度口を開く。 「そちらへの影響と言えば。もし君が私をこのままペットにしているなら、の話にはなるが……場合によっては手伝い業務を暫く休ませてもらいたい。 トラヴィスに私が知っている範囲で理不尽な看守のリストアップを行う約束をしたのと、前の主人についての聴取と、……精神治療を手配してくれるそうだから」 (-116) uni 2021/10/19(Tue) 6:39:26 |
【人】 知情意 アマノ>>100ナフ 「ああ、まあ。そこはお互い様と言ったところか。……守るために色々利用するといい、看守も囚人も。君は『あのチャンドラの弟分』なのだから」 ペットだろうとなかろうと、看守にそう接されまた接することを許されているのだ。どういう形であれ後ろ盾があるという事実はもしもの時に使えるだろうと男は考えていた。そうして、あなたが絶対に近い思いを持つのであれば、きっと、そう悪い結果にはならないと思っている。 「……ああ、また。また後で」 穏やかに笑い細められた ターコイズ には寂寥と名残惜しさが滲んでしまってはいるものの、それ以上にあなたという柘榴色 に溺れた幸福を溢れさせて。『後で』がそう遠くないことをただただ願い、 あなたの物陰からそっと外に出る。ここからはまた、私を守っていくための生を。 これまでとは異なる多くの感情を持ち、これまでとは異なる多くの縁を纏いながら。 そんな誓いを伝えるように、最後にまた一度あなたの胸をとんと叩いた。 (103) uni 2021/10/19(Tue) 16:42:48 |
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