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【人】 学生 初波華音うっカッコイイ…… 今夜もゆるぎなくイケボ………… [誰に聴かせるわけでもなく ただただ溢れ出す想いをそのまま口に出す。 画面の向こうのソウマくんに相槌を打つように 独り言ちながら配信を見守るのが、 毎週金曜の楽しみになっている。 アーカイブも無限リピするけれど 今は瞬きする時間ももったいない。 至福のひとときのおともはもちろん、スムージー。] 寝てたんだ〜〜〜!! ソウマくんらしいな〜 数全然気にしてなさそうなのカッコイイ…… うわッ ほんと何百杯ぶんなの!? やば ……こんなにたくさん投げてもらえたら やっぱソウマくん嬉しいだろうな…… (1) 2024/05/19(Sun) 0:04:51 |
【人】 学生 初波華音[それまでの騒がしさが嘘のように一転 しんと静まり返る室内。 一言一句聴き洩らすまいと 全神経を耳に集中させること数秒。 読み上げが終われば、 暫し噛みしめるように反芻してから うっとりと目を細めてため息を漏らした。] ……ソウマくんが、 ソウマくんが、『かのん』って 名前呼んでくれた……♡♡ [※呼んではいない。 読ませているのは自分だ。 ただ名前を呼ばれただけで嬉しい 熱狂的ファンとはそういうものなのだ。] (3) 2024/05/19(Sun) 0:06:01 |
【人】 学生 初波華音うっぐす……嬉しすぎる 永久保存版にしなくっちゃ えーんソウマくん大好きだよ〜〜〜!!! やっぱ今回いつにも増して投げ銭多いなあ もっとバイト増やさないと…… 通常コメも目通してくれて優しいな はあ好き…… うんうんっ 応援してるよ!! [深々と下げられる一礼に向かって 画面越しに盛大な拍手を送った。 コメント欄にも打てるだけ👏を並べているうちに 紡がれ始める次のメロディー。 演奏が始まれば、口はお行儀よく閉ざされる。 心の内は変わらず騒がしいままだけれど 心地良い澄んだ音色に耳を傾ける。] (4) 2024/05/19(Sun) 0:06:43 |
【人】 学生 初波華音[手おっきい……指長い…… どうしてあんなに滑らかに指が動くんだろう。 きっと何時間もの努力の賜物なんだろうな はーーーーカッコイイ……♡♡ それにしても……綺麗な曲だ。 弾むような音色からは明るさが感じられて あたたかくて、少し切なくて。 ソウマくんの配信を観るようになってから クラシック、特にピアノ演奏曲の知識が 格段に上がった。 彼の演奏を繰り返し聴くうちに 曲名と楽曲が一致するようになった曲もあるし、 少しでも彼のことをよく知りたくて 独学で学んで知った曲もある。 ショパンのピアノ協奏曲第2番第2楽章 えっと、この曲は確か……] ……え? [若きショパンがある人への想いを表現した曲。 初めての恋を奏でる曲。] (5) 2024/05/19(Sun) 0:08:08 |
【人】 学生 初波華音ソウマ、くん……? [──そういえば、 音が、優しい。やわらかいのだ。 ずっと彼の弾くピアノを聴いてきたから、 彼に恋をしているからこそ判る。 確かに、 ここ最近の演奏は以前とは少し違う気がして ひょっとして何か良いことがあったのかな? なんて思ってもいたけれど。 彼のピアノに陶酔している一視聴者としては ファンサービスとして、 素直に受け取るべきなのだろうけれど。] 恋………… いやいやまさか。まさかそんな、ね [予想を裏付けるように心なしか、 表情までどこか柔らかく見えてくる。] (6) 2024/05/19(Sun) 0:09:20 |
【人】 学生 初波華音[誰かに恋してるのかな。 どんなひと? もしかしてもう既に彼女が居たりする? このまま画面越しでずっと、 人気配信者とただの10万分の1として 面識さえもないままで] そんなのやだ………… [ソウマくんにはいつだって幸せでいて欲しい。 ソウマくんは私に幸せを教えてくれたから。 彼が幸せになれるなら、 彼の恋を応援したい。 祝福できる私でいたい。 好きだから。 心からそう思う。 そう思いたいのに、] ソウマくん、 [苦しいのはなぜなの?] (8) 2024/05/19(Sun) 0:12:03 |
【人】 学生 初波華音華音を、ひとりにしないで [自分でも説明のつかない感情に押し流されて 置き去りにされた子どもみたいに泣きじゃくった。 その後のことは、よく覚えていない。 次のリクエスト曲を聴きながら机に伏して 深い眠りに落ちていった。*] (9) 2024/05/19(Sun) 0:12:45 |
【人】 学生 初波華音う〜〜……サイアク…… ぜったい目腫れちゃってるよお………… [翌朝。 ベッドでではないもののぐっすり眠ったからか 気が済むまで泣いたからか、 衝動的とも言える激情は嘘のように凪いでいた。 叶わない恋だなんて 最初からわかりきってるじゃない。 ……大体、私が勝手に早とちりしちゃっただけで ソウマくん本人が宣言したわけじゃないのだし。 ただ眺めていられるだけで幸せなのだから。 それでいい。 今まで通り、一視聴者として応援して……] ん? DMだわ珍しい 誰からだろ〜……? [日課のSNSチェックをしようとして 目に飛び込んできたのは、 見知らぬアカウントだった。] (10) 2024/05/19(Sun) 0:13:44 |
【人】 学生 初波華音[アイコンはデフォルトのタマゴシルエット。 アカウント名にも身に覚えが全くない。 そもほとんど見る専のこのアカウントに DMを送ってくるような友人知人が私にはいない。 新手の勧誘かしら、とDMを開いて すぐに我が目を疑った。] ……は? は? え………… は????? [それはもう、 寝起きとは思えないくらいの悲鳴が飛び出した。] (11) 2024/05/19(Sun) 0:14:08 |
【人】 学生 初波華音あ、あやしすぎる……!! なになになにコワイ!! 何の目的!!? あっもしかしてアレかしら バ先のあのしつこい常連さんが悪戯で〜……って そっちの方が怖いわ 私アカウント教えてないし……!! え〜〜…… ど、どうしよ どうする!?! でもでもほんとにご本人様だったら 少しでも早くお返事しないと失礼よね [ヨハンクリストフ、は……バッハの名前だっけ。 すごくソウマくんぽいような 気も……しなくはなくはなく…… 文章だって、 ソウマくんの声で脳内再生余裕だし…… けどそんなことあるの……!??] と……とりあえずフォローして、と…… (12) 2024/05/19(Sun) 0:15:40 |
【人】 学生 初波華音 ────────────────── @Aurora_kanon ご連絡ありがとうございます。 ハツナです。 いつも楽しく拝聴しております。 お食事のお誘い、身に余る光栄です。 言葉では言い表せないほどに嬉しいです。 不躾ながらお尋ねしますが ……本当に、暁ソウマくんなのですか? 突然のことで信じられません。 可能でしたら 何か証拠をいただけますと幸いです。 < よろしくお願い致します。 ────────────────── (13) 2024/05/19(Sun) 0:18:05 |
【人】 学生 初波華音だだ大丈夫かな!!? 失礼じゃないかな!!?!? いやそもソウマくん本人からって まだ決まったわけじゃ…… [でも。昨日の配信、 オープニングに択ばれたのはカノンだった。 もしよ? もしも、万が一 ソウマくんが、私を思い浮かべて あの曲を弾いてくれたのなら。なんて──] あーーーっ送っちゃった アーーーーーーー!!!!! [何やってるんだろう、私。一喜一憂して。 釣りだとしても乗りたいと思ってしまうなんて どうかしてる。 そう冷静に窘めようとする私の裏側に、 本当にソウマくんだったら良いのに、って 期待してしまっている私がいる。 とりあえず顔を、洗ってこよう。**] (14) 2024/05/19(Sun) 0:23:34 |
【人】 学生 初波華音[目元は案の定腫れて一重になってしまっていて 瞳も心持ち赤くなっていた。 何も予定を入れていなくて本当に良かった。 気を引き締め直すように袖を捲り つめたい水道水を顔にぱしゃりとかけて、 くしゃくしゃに乱れた髪を梳こうとした時 珍しく隣室から物音が聴こえた。>>16] ……ん? 今、何か聴こえたような…… お隣さん、帰って来てるのかな? [学生向けワンルームの壁は薄い。 廊下や周囲の部屋での話し声は元より 玄関の出入りも足音もそこそこ聴こえてくる。 下手をすればシャワーの音までお隣に筒抜けだ。 それを知っているにも関わらず これまで気ままに騒いで来れたのは、 お隣の部屋から生活音がまるでせず 灯りが点いているのさえ ほとんど見たことがないからでもあった。] (19) 2024/05/19(Sun) 19:40:54 |
【人】 学生 初波華音[空き部屋というわけではなく 誰か借りている人はいるらしい、とは 大家さんから聞いていた。けれど、 ご挨拶に伺おうとした時は三回とも留守で それ以降も、一度も会ったことがない。 どんな人が借りているのかも未だによく知らない。 向こうも気にしていないのならば 別に構わないか。 そう勝手に結論付けて今に至る。] いつから帰ってたのかしら ……うるさかったかな私 怖い人じゃないと良いんだけど…… [ご挨拶チャレンジしようにも、 とてもじゃないけれど今は 自分が外に出られる状態じゃない。] (20) 2024/05/19(Sun) 19:41:13 |
【人】 学生 初波華音……えっ 既読がもう付いてる? [メッセージを送ったのはついさっきだ。 顔を洗いに一度離れてから 再びスマートフォンを手に取るまで、 かれこれ5分も経ってない。 まるでずっと私の返事を待っていたかのような 反応速度に戸惑ったのも束の間、 ぴこんと通知のポップアップが表示される。] うわ早ッ もうお返事が えっ、ええ…… えええ〜〜〜……!!?!? [送られてきたメッセージに目を通せば お隣さんが今日はご在宅らしいことなど、 頭からするりと抜け落ちてしまった。] (21) 2024/05/19(Sun) 19:43:23 |
【人】 学生 初波華音な、何でも……!!??! 何気に凄いこと書いてない!!? 大丈夫!!?!?! 待って待ってどうしようこれちょっと何事やば ほんとにソウマくん本人ぽくない……!!?!? 勝手……勝手なんて 私にもわかんないよ……!! むしろ何でも致しますのは私のほ わわっ [動揺で取り落としそうになった端末を 両手で掴んだ瞬間。 追い打ちのような通知音とともに 画面いっぱいに表示されたのは、] (22) 2024/05/19(Sun) 19:43:47 |
【人】 学生 初波華音 ヒエェェェエッ!!!?!?!? [悲鳴のような絶叫と前後して ゴン!!! と凄まじい騒音が辺りに響いた。 背後の壁の存在を忘れて 脊髄反射的に画像から飛び退いた結果である。] ……ったあ〜〜…… [強かに打ち付けた後頭部を暫しさすって 再び画面に目を落とす。] (24) 2024/05/19(Sun) 19:44:25 |