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【人】 「狂」の神 アネーシャ◆秘密取得 サティカル わたくしにはね、秘密があるの。 あのね、 この間のわたくしは、とっても耳が良かったのよ。 * アネーシャにとってエラはどうだっていい存在だった。人間は面白くてつまらなくてあっという間に変わってしまってそれはそれは愉快な存在なのだけれど、その興味は個人に向いているものではない。 だからこそ一人だけを取り出して「さあどうだ」と問われたところで、答えは実のところ、昨日も今日も変わらないのだった。 どうだっていい。そう、何だって。 「無罪、と思うのだわ」 そう思っていたはずなのに、あの日気まぐれに得た回答が、耳にこびりついて離れなかった。彼女が無罪と言うならば、愛の神がそう言うのならば、それならば狂の神である己は“有罪”を選んだ方が《面白い》のではないかとーーそんなふうに、思う。 考える。 アネーシャは考える。 次の神について、考える。 「ねぇ、サティカルちゃん」 光色の髪をふわふわと揺らすサティカルの姿は、小柄な体躯にしてはよく目立つ。纏う雰囲気も手伝ってか、何となく、柔らかい空気が漂っているのだ。 そのにおいを辿って本人を見つけ出せば、何となく、特に理由もなくその頭をぽん、と撫でた。 (40) kikimi 2019/10/05(Sat) 18:21:10 |
【人】 「狂」の神 アネーシャ「あなたは愛の神よね〜。 わたくしねぇ、思うのよ。 わたくしとあなたは、 よく似ているわ。 わたくしはあなたが笑っているのを見るのが大好きなの。 だから、教えてくださらない? あなたは、 狂った愛 を、どう思う?あなたは、あなたの〈愛〉を、本当に信じているの〜?」 「けれど、 ……この答えだって、もしかしたら明日には覆ってしまうかもしれない」 ――…………本当に? * (41) kikimi 2019/10/05(Sat) 18:23:09 |
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