情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 勢喜 光樹─追想、存在意義の模索─ [速報です。 20XX年、X月X日深夜。 XX都XX区XX町のアパートに住む 勢喜邦彦さん(45)、洋子さん(40)の遺体が発見されました。 二人は夫婦で、発見された遺体には ロープのようなもので首や足を縛られており 何者かによって、鋭利な刃物で数か所切られた痕跡が 残っていたということです。 警察の調べによりますと、 二人の死因は失血性ショック死であるとのことです。 二人には一人息子がいましたが、 現在行方が分からなくなっており 警察は、事件になんらかの関与があると見て、 彼の行方を追っています。] (9) 2022/08/13(Sat) 11:51:21 |
【人】 勢喜 光樹………………。 [翌朝には、駅前ビルに設置されたワイドスクリーンや 街中の電気屋に設置された数多のテレビに、 そのニュースは流れていた。 それでも、立ち止まって見る者はいない。 誰もがよくある話、と気にも留めずに どうでも良さそうな、あるいは聞いてもいないのか 何事もなかったかのように、通り過ぎていく。 所詮、他人事なのだ。 自分の身に降りかかる害でない限り 人は何の関心も抱くことは出来ない。 目の前の事しか見ない。 人間とは、そういう生き物。 両親も きっと己だって、そうなのだ───。] (10) 2022/08/13(Sat) 11:52:46 |
【人】 勢喜 光樹[ぽつり、ぽつりと雨が降り始めた。 次第に雨の勢いは増していく。 それはまるで、穢れを洗い流すかのよう。 己の足掻きを、肯定するかのようだと、錯覚すらした。] 『兄ちゃん。そんな怖い顔しちゃって、どうしたの?』 [物騒な繁華街を歩いていた時だった。 質の悪いごろつきに声を掛けられた。 気付けば、人数が増えて取り囲まれていた。] 『困ってんなら、良い仕事あるよ』 [困っている?そうかもしれない。 無一文で出て来てしまっていた。 金を貰えるなら、何だって良かった。 そこに、俺の存在意義は、あるのだろうか。] (11) 2022/08/13(Sat) 11:54:04 |
【人】 勢喜 光樹・ ・ ・ 『客商売だからねぇ…。笑ってくんないと』 [笑う?それは、誰が教えてくれるのだろう。 両親は教えてくれなかった。] 『顔が良くても客の喜ぶような、トークが出来ないと』 [それは、どうしたら身に付くんだ? 罵倒や暴言しか刷り込まれなかった。 他人が喜ぶ言葉なんて、知らない。 次は、水商売だった。 最後は、「使えない」からと、クビになった] (13) 2022/08/13(Sat) 11:55:40 |
【人】 勢喜 光樹・ ・ ・ [三つ目は、四つ目は……… なんだったろうか。 もう、忘れてしまった。 憶えているのは、そのどれもが 己の存在意義を知ることがなかったという事実。 やはり………そう、か。 不要な人間は、何処へ行っても不要なのだ。 その現実を突きつけられた。 抗い、足掻いたことに 何の意味も無かったのだ。*] (14) 2022/08/13(Sat) 11:56:46 |
【人】 勢喜 光樹何故……泣いている? [何故、己を憂いて、悲しんでくれるのだろう。 何故、己の為に、涙してくれるのだろう。 その理由は、意味は。 己には分からなくて、ぽつり。 今までそれを、問う事すら出来ず もう無意味なんだと。諦めていたはずなのに。 知りたくて。教えて欲しくて。] (17) 2022/08/13(Sat) 12:43:48 |
【人】 勢喜 光樹[此処へ来た時、恐怖に震えるお前と出逢って それからもずっと、お前の泣く顔ばかり見て来た。 それは、自責の念に駆られて 恐怖が、その罪の重さを煽るからだと。 そんな風に思っていたから 俺が死ぬことなんて お前には………関係ないはずなのに。] (18) 2022/08/13(Sat) 12:44:27 |
【人】 勢喜 光樹教えてくれ………四谷。 [その理由を、意味を。 お前にとって、俺とは"何なのか"を。] 俺は……… お前が、泣くから [それが、嬉しかったから。] (19) 2022/08/13(Sat) 12:50:26 |
勢喜 光樹は、メモを貼った。 (a4) 2022/08/13(Sat) 12:59:48 |
勢喜 光樹は、メモを貼った。 (a5) 2022/08/13(Sat) 13:06:34 |
【人】 勢喜 光樹[己は愚かだった。四谷に可哀相なことをした。 己は浅はかだった。四谷に気の毒なことをした。 "罪悪感"とは、こう言う事なのかもしれない] 四谷…………、悪かった。 [きっとこんな言葉じゃ、駄目なのだろう。 だがそれ以上の言葉が思いつかなくて。 お前の涙も。心も。言葉も………見つからない。 赦して欲しい訳じゃない。 ただお前に、そんな顔をさせてしまったことが 酷く心を搔き乱して仕方がなかった。 掌に出来た傷よりも、"痛い"と思った。] (57) 2022/08/13(Sat) 21:43:10 |
【人】 勢喜 光樹[生きる意味や理由とは。 最初から絶対に在るべきものではなく もしかしたら、これから出逢う誰かと 作っていくものなのかもしれない。] ………もう、そんな顔はさせないから。 [今度は両腕で、お前を抱き寄せよう。 生きていることを、強く感じて貰えるように。 俺が、お前と言う"光"を、手放さないように。 強く、強く────*] (59) 2022/08/13(Sat) 22:23:38 |
勢喜 光樹は、メモを貼った。 (a16) 2022/08/13(Sat) 22:50:08 |
【人】 勢喜 光樹生きよう。 "一緒"に、此処を出るんだ。 [もう、「お前は帰れ」とは言わない。 此処に居る理由は、俺にももうないんだ。 お前が、"生"へと繋ぎ止めてくれる限り───] そしてチハヤも……… もう一度、探そう。 [あんな光景を目の当たりにしてしまったら。 チハヤではないと、強く否定されなかったから。 生存は絶望的かもしれないけれど 俺も、四谷も チハヤが死んだ姿は、まだ見ていない。 死んだと決まった訳ではないのだと お前に、希望を与えたくて。*] (84) 2022/08/14(Sun) 0:16:49 |
勢喜 光樹は、メモを貼った。 (a21) 2022/08/14(Sun) 0:25:45 |
【人】 勢喜 光樹病室を出よう。 チハヤは探しながら……出口を先に確保しておきたい。 この病棟では、それが難しそうだからな。 [ベッドから立ち上がる。 その時も、スプリングの軋む音が響いた。 振り返り、窓に付いた古びた鉄格子を見つめる。 何も道具がない今、無理矢理こじ開けることは出来ない その道具を探すくらいなら、この近くの他の出口を 探した方が効率が良いだろう。 そこまでに、運良くチハヤと再会出来たなら すぐにでも脱出できるかもしれないし 仮に見つけられなかったとしても 何かがあった時、すぐに四谷を逃がせるから。] (101) 2022/08/14(Sun) 10:21:50 |
【人】 勢喜 光樹………行けるか? [四谷の体力を気に掛けながら、手を伸ばす。 その手を取ってくれたなら、きっとすぐにでも この病室を後にするだろう。 そこ残るのは、床に落ちた刃物と滴り落ちた血の跡だけ。 死のうとしていた己は、きっと此処で"死んだ"のだ。 ] (102) 2022/08/14(Sun) 10:22:39 |
【人】 勢喜 光樹[随分、この廃病院にいる気がするが どれだけ時間が経過しただろう。 少なくとも、1〜2時間程度ではないはずだ。] 彷徨っていられる時間も 限られているのかもしれないな。 ………急ごう。 [四谷の手を取りながら、急ぎ足で歩く。 手当のお陰で、掌の血は止まっているものの その手で四谷を掴むことはしていないだろう。 不思議と焦燥感が芽生えていた。 それは生きる理由が出来たからなのか、 再び怪異と遭遇することを、恐れてのことだったのか。] (104) 2022/08/14(Sun) 10:44:16 |
勢喜 光樹は、メモを貼った。 (a26) 2022/08/14(Sun) 10:49:24 |
【人】 勢喜 光樹[───"堕胎"室。 チハヤとはぐれてしまったのは、 四谷の"罪"と関係した場所だったのだと 知った時、自ずと眉を顰めた。 だから猶更に、四谷は怯えていたのだろうか。 何かトラウマを引き起こす出来事があっても 不思議ではない、因縁深い場所だから。 誰かを思って感じる重圧感は、 己の事なんかよりも、ずっと重いと感じた。] (123) 2022/08/14(Sun) 19:17:35 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新