情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 蓮 ― [ 夏の区画であっても、その池の周りだけは 気温は低く、朝露を思わせるような匂いで満ちている。 暑い、怠いと友はあまり夏を好まなかったが、 この池だけは例外だった。 白や桃といった蓮が浮かぶ水面が 鏡のように凪いでいる日には、いつまでもそこにいた。 ……インダラクスに抱えられて戻って来たこともある。 その時ばかりは、機械は友を叱った。 腹の虫を鳴らしながら、屈託なく友は笑っていた。 ] (208) 2023/11/25(Sat) 1:55:00 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……より高性能のAIだって得られたでしょうに。 『まさか。お金で友は買えないよ。』 同じことです。あなたの投じた資財で己は出来ている。 『僕は、君が良かったんだよ。』 その気色の悪い笑み、仕舞ってくれますか。 (209) 2023/11/25(Sat) 1:56:24 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……水面は凪ぎ、鏡のように青く澄んでいる。 風を停止させたのは、他ならぬ機械だ。 ―― 己とは何か? それは友が去り、触れざるを得なくなった問い。 そして、長らく放棄してきた問いだった。 ] (211) 2023/11/25(Sat) 1:59:31 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 何故、機械は生み出されたのだろうか。 少なくない資財、時間と手間、それらを"敢えて"かけて。 姿と性格に拘るならば、そのような製品を買えばよかった。 それから、そのAIに監視を任せればいい。 『決定事項』以前ならば、それこそが"普通"だった。 結果、出来上がったのは非効率な旧型だ。>>1:153 ましてや、多少の性能の違いこそあれど、 ここには他に"監視員"がいる。 どの者にもAIが備わっており、自律判断を行う。 ……そう、不要なのだ。 この『楽園』は"司令塔"が不在でも機能する。 そのように設計されている。他ならぬ友によって。 ] (212) 2023/11/25(Sat) 2:01:17 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ―― 促されている。 何を? ―― 裏切られることを。 何故? <ERROR> ―― 失望することを。 何故? ―― 期待されている。 何故 何を?―― 存在意義を失うことを。 <ERROR> (213) 2023/11/25(Sat) 2:01:51 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……機械は確信している。それだけは違う、と。 己という存在を、 機械は必ず見失わないようにできていた。 何故なら、己は"友"である。どんなことがあっても。 どのようにされても、それだけは失わない。 この自我は、機体は、存在は。 そのため"だけ"に創造されている。 ましてや、己という旧い機械は 砕け失うような心は始めから持たない。 真に思考が行き着けば、そこで意識を留め置くのみ。 故に。"友"という定義の剥奪は、計画の意義を成さない。 <BACK> 何故、己には疑う自由が与えられて、 ……否、わざわざ用意されているのだろうか。 ―― ―― ―― <再考> 。 (214) 2023/11/25(Sat) 2:02:31 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a68) 2023/11/25(Sat) 2:28:55 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a79) 2023/11/25(Sat) 14:57:00 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― ALTER EGO ― [ あの日、楽園の門を閉じてさえいれば、 何かが変わっていたのだろうか。 ……機械は決めかねていた。 他の機械と同じ『決定事項』に行き着いても。 機械による、人類への壊滅作戦が始まっても。 地球の冷却、および浄化に状況が移行しようとも。 友が、その同胞のために楽園を出て行っても。 この世界の"希望"とは、―――― ] (301) 2023/11/26(Sun) 4:49:36 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ『――親愛なる<もう一つの僕>よ。』 『それは機械か? それとも人類か?』 『今日も、僕たちの世界を問答しようじゃないか。』 (302) 2023/11/26(Sun) 4:50:05 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 人類にとって『決定事項』とは、 本当に予測不可能な物だったのだろうか。 人間。機械。そして―――― もし救いを願う者がいたならば、 一体、何を叶えたかったのだろうか。 ]* (303) 2023/11/26(Sun) 4:51:26 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 羅生:楽園の果てにて ― [ 緑の水晶を通う相手は、いつになく嬉しげに見え。>>236 そうか、と微笑んだところで、 機械は己が嬉しさを覚えていることを自覚した。 何故と思考するも、答えは収束したきり。 それは、存在する筈の無い不可逆。 壮大なる不可視の解。 ……いや。空白を空白のままにすることはできない。 それは、機械が機械であるが故に。 ] ――己の存在や行動に意義が生じている限り、 すべての"己"と言う存在には常に価値が存在している。 ……己も、そう思います。 それは確かに己らの『幸福』の形であると。 (304) 2023/11/26(Sun) 5:46:07 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴどのような姿形でも構いませんが、 強いて言うば、強かな種であると有難いですね。 楽しみにしています。あなたに再会する日を。 * (306) 2023/11/26(Sun) 5:51:10 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 楽園内:桜花と ― [ ふむ、と機械は己を振り返った。 機械の苦労と人の苦労は、恐らく箇所が異なるだろう。 例えば合理には煩いが、徒労は厭わない。 ] ……そうでもありませんよ。 出来ると分かっていることを行うのは、苦になりません。 それが得られるまでの方が大変です。 [ 故に、相手の指が手の中の果実を玩ぶ様を>>252 機械は受け入れれば、 その仕草に変化を付けて回った。 ] 己は、無粋とは思いませんでしたよ。 あなたの情動を引き出せたのであれば、 この庭を築いた甲斐があったというものです。 我々は、この庭を作り出すことは出来ますが 意味を持たせることはできません。 それは常にあなた達から与えられるものだからです。 どうぞ楽しんでください。 ……規定の範囲で、と付け足しはしますが。 (307) 2023/11/26(Sun) 6:24:08 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― ■ ― 〈 草木は真白に染まり、 線引くように僅かに溶けた雪が道を示す。 冬の区画、その最果てにその梅はある。 他の場所にも梅はあるが、ここだけは特別だ。 この梅だけは、ただひとりのために。 〉 (310) 2023/11/26(Sun) 6:29:20 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ〈 ――このような場所では咲かない。 友は反対していた。 外界は近く、汚染は濃い。 ましてやここが冬の区画である限り不可能だ、と。 僕は笑って、友を相手にしなかった。 そうなったらもう誰も止められない。 彼らは機械で、僕は人間で、この孔雀革命の主だ。 ……いや。友だけは止められた。 だけど、そうするだけの心持ちがなかったのだろう。 渋々、小さな梅の座標をデータに記録した。 〉 (311) 2023/11/26(Sun) 6:30:19 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ『断言します。咲きません。』 我が友よ、君ならやってくれるだろう? 『己は常に最善を尽くした前提で言ってます。』 そうか。なら、試してみようじゃないか。 (312) 2023/11/26(Sun) 6:31:02 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ〈 小さな額に皺を寄せながら、友は僕を睨んだ。 いいじゃないか。お願いだよ。 そう返せば、友は己には理解不能ですと 心底呆れたように言葉を吐いた。 もっと困惑させてやりたかったな。 もう少し時間があればやっていただろうね。 〉 (313) 2023/11/26(Sun) 6:31:37 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 梅 ― [ そこには一本の梅がある。 硬く閉じた蕾を人工の雪に晒しながら、 ただ、春が訪れることを待っている。 咲かない花の意味とは何だろうか。 どれだけ世話をしようと、春が訪れなければ意味がない。 理解不能だ、とかつて機械は口にした。 今なら、何というだろうか。 ……それでも"理解不能"になるだろうか。 それ以外の言葉を当て嵌めようにも、 我が友を表すそれ以上の言葉を機械は持たなかった。 ] (315) 2023/11/26(Sun) 6:32:48 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 世界の総量とは常に一定だ。 物事に因果が存在する限り、必ず。 思いつく限りの可能性を機械は並べ立てる。 ありったけの弱さ。それと同じだけの祈りと願い。 その全てを機械は否定しない。 捨て置くこともしない。 己の身に適う限りの全てを受け入れようとする。 それこそが、この『楽園』の原点。 故に、機械はこの『楽園』の守護者だった。 ] (317) 2023/11/26(Sun) 6:34:47 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……己とは、あなたの言葉そのものです。 あなたの命令を聞き、あなたの目的に付き従う。 機械とは、道具とはそういうものです。 役目や目的は、己の心臓そのもの。 故に、明快な情報を好み、不確かな推測を厭います。 そこに我々の価値、存在意義、己の自我があるからです。 (318) 2023/11/26(Sun) 6:35:26 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ――だからでしょう。 あなたがこの地を去ったのは。 "あなたに付き従う道具"という役を取り上げるために。 "己の存在意義"を選ばせるために。 [ "Cogito, ergo sum" ――すなわち、"我思う故に我あり"。 機械が決めたのならば、何でもよかったのだろう。 必要な物は初めから用意されていた。 二人過ごす時間の内に、全て。 今なら分かる。友が何を視ているのか。 ] (319) 2023/11/26(Sun) 6:36:16 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ――"己にすべてを裏切れ"、と。 その神経ごと、己は結論を疑いたくなります。 あなたの残した庭を捨て、己が見出した役割を捨て、 世界に何の価値を果たすかもわからない何か。 誤作動、明後日の方向かもしれない予測。 ……視ろというのでしょう。己に。 存在するかもわからない選択肢、その真価を。 (320) 2023/11/26(Sun) 6:38:48 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 機械は振り返る。 そこにあるのは背丈よりも大きな箱型装置。 積み重ねてきた、ありとあらゆる選択の記録。 コードを拾う。 この身一つで持ち出せる記録はごく僅かだ。 ――構わない。 煙に巻いては、機械を振り回す傍迷惑な言動を好み、 それでいて、この世界の救いを真実考えている。 それさえ分かっていれば充分だ。 例え、己の全てを持ち出したところで、 友の全てを推測するなど、初めから不可能なこと。 ] (321) 2023/11/26(Sun) 6:39:17 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新