情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 浮草生命研究所 ― [ 小柄な身体が廊下を歩む。 その背後には数々のコードが伸び、 その身よりも更に大きな箱型装置へと繋がっている。 機械にとっては、何もかもが予定外だった。 このような形で通り道を占拠することも、 そもそも、自らがここに出向くことも。 客間のようになっている地点は、 機械の現状でも訪れることのできる場所だ。 それだけは幸いだった。 ] (4) 2023/11/18(Sat) 4:37:42 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 堂々とした歩みは予めインプットされたものだ。 その姿の裏で機械はどこか上の空でいた。 機械の上の空とはなんだろうか。 いくら人の様だと評されようとも ――それは、やはり機械であるというのに。 ] ……、まったく。 [ そのような己を厭うのが、この機械だった。 すぐに機械は現在の意識を消去した。 次の瞬間、真新しい意識が機械の認識を塗り替える。 ……しかし。 己がそうすることを選んだ事実までは消去できない。 それらは機械の手の外にある。常に。 ] (5) 2023/11/18(Sat) 4:41:09 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ やがて機械は来訪者を見つけるだろう。 通常、それを歓迎するのは機械の仕事ではない。 しかし、主が不在であるならば 代理者が顔を出さないわけにはいかない。 ――それは、確かに機械の仕事だった。 ] (7) 2023/11/18(Sat) 4:47:47 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ――我々の原則は読んでいただけましたか? 了承していただけるのなら、そこにサインを。 [ ……そういう訳で。 機械は開口一番、己の発言をそう締めくくっただろう。 もちろん歓談の邪魔をするような 真似はしなかっただろうが、 様式美めいた挨拶から入ることもない。 来訪者へは、作業用の小型ロボット>>0を介して 必ず一枚のB5用紙が届けられる。 そこに筆記されているのは温室内での諸注意だ。 例えば、"温室内での殺生は禁止" だとか。 "動植物を区域外へ持ち出してはいけない" "ただし農園区画は例外とする" ――といった具合の。 ……その様式は、誓約書によく似ていたかもしれない。 ] (8) 2023/11/18(Sat) 4:52:15 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……ああ、代表者の分だけで構いません。 今となっては形式的なものですので。 [ 機械の決まり文句はまだ続く。 これで終了なので、どうか勘弁してあげて欲しい。 ……それ以外のやり方を知らないのだ。 これも万が一の時に、己の秩序を行使したいだけである。 ・・・ 今となっては、何もかもが 旧時代的なやり取りだったかもしれない。 実際、機械がその振る舞いを身に付けたのは 人の元で活動していた頃だった。 ] (9) 2023/11/18(Sat) 4:56:24 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 機械は外界を知らない。 かつてはそうでもなかったのだが、 社会が秩序を欠き、人々が姿を消してからは その無数の目は一層、温室へと注がれるようになった。 それ故に、機械は誰が代表を名乗ったかについて 特別興味を示すこともないだろう。 その名と顔を憶えるぐらいはしただろうが。 機械の頭の中は、常に温室を管理することでいっぱいだ。 ] [ 機械は努めて、そうあるようにしている。特に、今は。 ] (10) 2023/11/18(Sat) 4:59:37 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ごく簡素な契約を無事に終えられるようなら、 機械は書面を懐にしまい、 今にも踵を返しそうな雰囲気を漂わせながらも 己の客人たちへ一言告げただろう。 ] ――ようこそ。 『孔雀革命』はあなたたちを受け入れるでしょう。 [ あの日、浮草生命研究所の者たちが現れた時も 機械は同じ書面と言葉を用意した。 携える多眼が、機械の眼差しとは異なった動きで 客人たちの姿を捉えるのも、また同じく。 ] (11) 2023/11/18(Sat) 5:03:02 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……機械は未だ、決めかねていた。 他の機械と同じ『決定事項』に行き着いても。 機械による、人類への壊滅作戦が始まっても。 地球の冷却、および浄化に状況が移行しようとも。 他ならぬ"友"が、その同胞のために楽園を出て行っても。 ] (12) 2023/11/18(Sat) 5:04:37 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a1) 2023/11/18(Sat) 5:34:50 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ ― 回想:雷恩の問いかけ>>28、そして ― ……己はリヒトーヴです。 どのような名でも認識さえすれば応答しますが。 [ 合間に聞こえたメディウムの声>>40に、 機械は己の名を付け足しつつ、彼女の背を見送った。 それは、来訪者たちへと向ける物よりも幾分か柔らかい。 ――己を"リヒト"と呼ぶメディウムのことを、 機械は、一定の感謝を持って認識していた。 彼女は"機械の言いつけ"を尊重してくれる。 己の秩序を欠かすことが難しい機械にとって 彼女の姿勢には、やさしく映り込むものがあった。 ――問いかけに、機械は雷恩へと視線を戻す。 その姿は素っ気なかったかもしれないが、 彼女へ向ける眼と似た色をしていただろう。] (92) 2023/11/19(Sun) 3:49:45 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……なるほど。雷恩、そして桜花。 あなた達はメディウムのような形に類する人類ですか? ――その件に関しては、一定の条件を設けます。 第一に、健康な樹木の傍を選ぶこと。 第二に、都度異なる地点を用いること。 恒久的に豊かな自然環境の保護にご協力ください。 これが達成され続ける限り、 我々はあなたの行いと形を支援するでしょう。 [ 己も気づかぬままに、 機械は二人の新人類に微かに頭を下げた。 ] [ ――それは決して、懇願ではない。 それは今も拘泥し続ける機械の祈りだった。 ] (93) 2023/11/19(Sun) 4:08:29 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ……楽園に対する機械の指針は幾つかあるが、 そのうちのひとつに"多様性の保持"があげられる。 多種多様な生命が、より豊かに生きる世界。 それは『楽園』の最も単純な在り方。 機械にとって、新人類は積極的に守る存在である。 旧人類が日々数を減らし続けていようと、 新人類は常にレッドリストも同然なのだから。 だから。 己は、雷恩に提案と肯定を示した。 それは正しい、と機械はその解を反芻し納得する。 ――その意識には、 今もメディウムの後ろ姿が浮かんでいた。] (94) 2023/11/19(Sun) 4:12:05 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ ― 羅生と紙>>35 ― …………あぁ。 外界の事情には疎いのですが。珍しいですか? [ その真意を予測するのに、機械は少しの時間を要した。 何せ、生物と機械が放つ独特の信号の差がなければ、 彼ら――『sintoisMécanique』のAI達の仕草は 端々を見れば見るほど、正に人のようだったから。 興味深そうに紙に触れる相手を、 自然、機械は関心を持って見つめていた。 ……人と機械。 彼らほどのAIは、一体どちらに近いのだろうか。 "友人のように振る舞って欲しい"と 要求されたこともあるような旧い機械には 測りかねる話ではあるのだが。 ……白紙の紙束の用意は必要だろうか。 機械の眼は、ただの一個体としての羅生を伺っている。] (95) 2023/11/19(Sun) 5:13:39 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ ― 思索・日々 ― [ 機械にとって、"何かの役に立つ"ということは 最も初めに与えられた存在意義だった。 次に与えられたのは、人類を生かすということ。 ……これは広大な農場を具えた食料工場で 様々な人間たちの放つ無数のオーダーを、 機械が自分なりに取りまとめた物だ。 それらを組み合わせたもの、 "人類の役に立つこと"が、それなりのAIとなった 機械のあるべき形になったのはもう随分と前の話だ。 ] (96) 2023/11/19(Sun) 6:52:16 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ――幾つかの予定外が起ころうと、 この楽園は今日も平穏そのものだった。 彼らが薄く漂わせる血の匂いも、ここでは遠い話だ。>>25 会釈をして通り過ぎていくメディウム>>81に、 「行ってらっしゃい」と機械は声をかける。 機械は機械だけで完結した空間に慣れてはいたが、 それに疑問をぶつけた"友"がいたのも、また事実だった。 今も、機械はそのことを憶えている。 彼女が雷恩の様子をうかがっている姿>>41を、 機械もまた静かに眺めていたことだろう。 何をするわけでもなかった。 眼が合えば、少しは言葉を交わしていたかもしれないが。 多少の物珍しさは覚えていたのは事実だ。 それもやがて、機械にはない苦痛に苛まれる 彼女の気を紛らわせそうなものが 現れたらしいという気づきへと収束していく。 ] (98) 2023/11/19(Sun) 7:06:18 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ ――その時湧きおこった情動が何であるか。 機械は適切な言葉を引き出せなかったが、 それは動植物の世話をする心地とどこか似ていた。 ] (99) 2023/11/19(Sun) 7:08:38 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ もし、他にその空間を見つめるものがいたのなら、 きっと機械はそれを見留めただろう。 何せ、本来の機械は監視システムだ。 温室を始めとする楽園以外を眺める気はないが、 すぐ傍で、機械の守る楽園を見つめる者がいたならば。 少なくとも、レンズの奥で その表情ぐらいは窺っていたに違いない。 何せ、機械の願う秩序はいつだって混沌の中にしかない。 シンプルな解が順当に収まった試しはなく、 譬えるなら、動植物を相手にしているようなものだ。 ……機械はそれをあまり認めたがらないだろうが。] (100) 2023/11/19(Sun) 7:18:39 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a17) 2023/11/19(Sun) 7:34:54 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……己は外界に詳しくありません。 ましてや、彼方の人類のことについては。 あなたが様々な地点を散策するのは 彼を守るためですか? [ 機械の眼が雷恩の姿を一瞬捉える。 機械が巡回する理由は、この地を維持するためにある。 しかし、彼らと己とでは仮にそれを目的としたとしても その在り方は異なるのだろう。 外界の脅威に対して、我々は彼らと比較すれば きっと多くの脆弱を抱えているのだろう。 ] (125) 2023/11/19(Sun) 15:47:06 |
朧广灯 リヒトーヴは、メモを貼った。 (a22) 2023/11/19(Sun) 15:55:31 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……我々の地は浄化こそ進んではいますが、 それらを支える地盤は汚染された外界と同じ物。 楽園と呼ばれるこの地でさえも、 生命は、常に強さを保たねば生きることが困難なのです。 [ 自らの行為に、機械はそのような理由を付け足した。 それは、言わば少しの欲だった。 意思なき機械は他者との交流など必要しない。 しかし、人らしさを得た機械は 己の行動が承認されると安堵する回路を持っており。 欲しいものを欲しいと願う己。 それを自覚しながらも、機械は見て見ぬふりをした。 得難い充足、それがもたらされる可能性を期待して。 ]* (161) 2023/11/20(Mon) 6:24:53 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 楽園の一角、緋雁と ― [ 機械の思案は、ほんの僅かな沈黙として現れた。 働くとは一体なんだっただろうか。 連動する記憶は旧人類との時間を意識に呼び起こし、 機械に幾ばくかの感傷を与えた。 ] ……働くの意味が誰かに仕えることであれば、 己は恐らく違うと答えます。 結果から語るなら……確かに、そうかもしれません。 [ 問いには解を。>>130 それは機械の価値観だった故に、 機械は機械なりに受け答えを返すが、 一方で歯切れの悪いだという自覚は充分にあった。 だから、それ以上を深められなければ、 話の中心を相手へと向けようとしただろう。>>125 そこに愛想はなくとも、機械は彼らに興味があった。] (162) 2023/11/20(Mon) 6:26:08 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新