情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 イウダ[挨拶に行く前から顔も人となりも知られていた卯田ですら、改めて紫亜の両親に挨拶に行くのは緊張した。 会ったことのない紫亜の緊張はそれ以上だろう。 事前に好みなどリサーチ出来れば幾分和らいだかもしれないが、残念ながら息子の卯田ですら自分の両親の好みはわからない。] 自然体の紫亜で大丈夫だよ。 食事作法も普段の立ち居振る舞いも立派なお嬢さんだ。 もし何かしら合わないって思ったら、そのまま俺みたいに疎遠になれば良いよ。 会いに行かないからって嫌味を言うような人たちじゃないってことだけは言えるから。 [果たしてその言葉は彼女の気持ちを少しでも軽くすることが出来ただろうか。] (27) 2021/08/20(Fri) 19:37:16 |
【人】 イウダ[朝のアラームで目が覚めて、傍らの肢体を抱き締めようと思って伸ばした手は空を切り、彼女が早くに起きたことを知る。 支度でギリギリまで悩みたいだろう彼女の邪魔にならないように朝食を用意する。 にんじんの千切りに酢とオリーブ油、塩コショウをしてキャロットラペを作る。 食パン2枚にマーマレードを塗り、片方に薄く切ったクリームチーズとキャロットラペを乗せたらもう一枚で挟んでホットサンドメーカーで焼き上げる。 半分に切ってそれぞれの皿に置いた。 小さなプレーンオムレツは、プロの料理人の技。 千切ったレタスも合わせて一皿に展開したら、紅茶を淹れて紫亜を呼んだ。] ん、今日も綺麗だよ。 落ち着いた色合いだし、膝丈ギャザースカートは男のロマン。 あと、その髪型、俺はすごい好き。 [結局主観丸出しの感想となる。 選ぶスカートの色がグレーなんだなと、自分のトレードカラーを見つけて嬉しくなった。] (28) 2021/08/20(Fri) 19:37:37 |
【人】 イウダ[卯田家は織戸家よりはこじんまりしている。 両親ともにあまり家にいないので、広いと管理がしにくいというのが理由らしい。 両親の仕事や給料を詳しく聞いたことはないが、二人ともスーツはいつもオーダーしているらしいから、それなりに稼いでいるのだろう。 服に関しては紫亜の方が詳しいので、母親との話題に出来るかもしれない。] ただいま。久しぶり。 えーと此方、電話で話してた…… [リビングには数える程しか座った覚えのないソファが向かい合う形で置いてある。 まるで応接室のようだと思ったが、どうやら母の仕事の関係で来客がよくあるので、応接室という印象もあながち間違ってはいないらしい。 上座に並んで座り、紹介しようとしたら、その先は紫亜自身が言葉を継いだ。] (29) 2021/08/20(Fri) 19:37:55 |
【人】 イウダ[両親は黙って彼女が話すのを聞いている。 いつものことだが、明るい家庭で育った彼女には少し冷たい印象を与えてしまうかもしれない。 安心させるように、膝上で震える手に手を重ねた。 『織戸さんには昔からよくお世話になっています。 その上お嬢さんも頂くなんて、基依は幸せ者ですね。』 父親が織戸家のことを知っていたのは意外だった。 母親以上に自分に興味がないと思っていたから。 どうやら入り浸っていた当時、織戸家に卯田がいるというのは母親に連絡が毎度あったらしく、母親から父親にも話が行っていたらしい。 (当時はクラス連絡網というのが存在していた。) あまりに頻繁なのでお金を包んだこともあったそうだが、受け取っては貰えなかったという。 それでは申し訳ないと裏で何度か菓子折りを持っていたことを卯田自身も初めて聞いた。 「放っておかれた」訳ではなかったのだと、大人になってから知る。 『基依のことをよろしくお願いします』 二人揃って両親は頭を下げた。 夫婦仲は良くも悪くもないと思っていたが、長年連れ添っただけあって、その角度や時間まで揃っていた。] (30) 2021/08/20(Fri) 19:38:58 |
【人】 イウダ[元々口数の少ない両親だ。 『上手く話せなくて申し訳ない』と言った後も、静かに土産のシュークリームを食べていた。 ソファの間にあるテーブルに置かれた飲み物が缶コーヒーなあたり、相変わらずだなと思いながら、双方が気まずい時間を長引かせないように早目に切り上げた。] ……紫亜、ありがとな、今日。 [帰り路、繋ぐ手が自然に振れる。] 嬉しかった。 ――支えあっていこう、これからも。 [駅へと戻る足取りは軽い。**] (31) 2021/08/20(Fri) 19:39:25 |
【人】 オルテイシア[彼の家は、控えめに言って生活感が少なく感じた。 手入れは行き届いているが、うちの実家と違って人の気配がしないような、そんな感覚。 あまり家に居ないというのは、事実だったのだろう。 家でくつろぐ、というより来賓用と言ってもいいソファ。 そのままお仕事に向かっても可笑しくないような、パリっとした服装を身に纏ったご両親。 実の両親とは、全く違う雰囲気。 二人が並ぶ姿を見ると、緊張の糸が張り詰めた。 彼からの紹介を最後まで聞くこと無く、口火を切ったのは、緊張からくる切迫感だったからかもしれない。] (32) 2021/08/20(Fri) 20:54:15 |
【人】 オルテイシア[出来るだけ口早にならないように話したつもりだった。 口火を切ればつらつらと言葉が並ぶ、緊張している時、より口がなめらかになってしまうようなアレだ。 彼も、ご両親も、静かに耳を傾けていて。 話を一区切りしたところで、息をつけばお義父さんが応えてくれた。 口数は少ないけれど、交わす視線に温かなものが混じっていることを知って、やはり、彼と血が繋がっていることを実感する。 目元が和らげば、笑った彼とよく似ていると思った。 隣でお義父さんの話を聞くお義母さんも、きっと。 母と彼のご両親との間にあった密やかな親交は、子どもたちの知らないのところで実を結ぶ。 今は心内でひそやかに母に感謝しながら。 支えるように手を重ねてくれる彼を見れば、親を背を見る子供の顔が垣間見えただろう。] はい。 改めて、こちらこそ、よろしくお願いいたします。 [もう一度、深くお辞儀をした。] (33) 2021/08/20(Fri) 20:55:15 |
【人】 オルテイシア[あまりうまく話せないというご両親に代わって、普段の彼のことを伝えた。 仕事をとても大切にしていることや、今朝も作ってくれた朝ごはんの美味しかったこと。 あまり食材が詳しくない私に、丁寧に教えてくれること。 仕事場での彼の人となりのこと。などなど。 あまり話しすぎては、照れ屋な彼が恥ずかしがるので、窘められたならそこは程々に。 昨日は合わないなら疎遠になればいいと彼は言っていたけれど、話している内に、不安は徐々に消え失せていった。] (34) 2021/08/20(Fri) 20:55:31 |
【人】 オルテイシア[帰り道に、手先に彼の手が触れて。 応えるように、指を絡める。 見下ろす瞳は柔らかい。] ――はい。 二人で、幸せになりましょうね。 [今も十分に満たされているけれど。 これからはもっと、それ以上に、楽しい日々が待っている。*] (35) 2021/08/20(Fri) 20:56:13 |
【人】 オルテイシア[その日はまた食材を買い足して、家路を辿る。 帰りに寄ったコンビニで何気なしに地域雑誌を手に取れば、時期柄か地域の花火情報が網羅されていた。 彼の仕事柄、花火シーズンは忙しいことは知っているが、思いを馳せるくらいならば許されたい。] ……あ、そういえば。 今度、近くでもお祭りがあるみたいですよ? 最終日にはちょっとだけど花火も上がるとか。 [載ってるかなぁ、とぱらぱらと情報誌を捲れば、申し訳程度に後ろの方に小さく掲載されていた。 とんと、指先で日程を指し示す。] 基依さんのお盆休み、同じ頃じゃなかったです? 上手く、お休みが合えばいいんですけど。 やっぱり、無理かなぁ……。 [呟きには少し諦めの色が混じって、嘆息に変わる。*] (36) 2021/08/20(Fri) 21:19:09 |
【人】 イウダ[普段は紫亜をお喋りだと思うことはない。 比較対象がずっと一緒に働いてきた宇張や御園、常連客の野葡萄なので、彼女らと比べてお喋りだとどれだけだよ、という話だが。 卯田といる時は比較的口数も多いが、それでも会話が途切れることがあり、その途切れている間の沈黙も心地よいのが紫亜の魅力のひとつだと思っている。 今日の紫亜は饒舌だった。 内容はすべて普段の自分の様子――それも「恋人フィルター」を通してのものだったから、どうにも照れくさい。 視線を泳がせると、父親の耳が赤いのが見えた。 息子についての惚気は父親も照れくさいのか。 共通の話題で照れていることが何だかおかしくて、下を向いて笑いを堪えていた。 人見知りの彼女が初対面でこれほど喋ること、精神負荷が掛からない筈もない。 帰って早くのんびりさせてやりたい。] (37) 2021/08/20(Fri) 22:30:37 |
【人】 イウダ本当に喋んない人たちだったろ。 菓子折り持ってった話なんて、俺だって初めて聞いたからな。 気ぃ遣わせてずっと喋らせて悪かった。 疲れたな? [絡んだ指の間を擽るようにわきわきと曲げた指で水かきを擦る。 「おふざけ」が戻ってきたことで、嗚呼自分も緊張していたのかと自覚する。] (38) 2021/08/20(Fri) 22:30:50 |
【人】 イウダ[スーパーで食材を買い足しても、アイスはコンビニが上手いという理由で寄り道した。 勿論アイスだけではなく、「同棲」の内は必需品のアレも買うのだが。 最近のコンビニにはセルフレジも導入されているのでますます買いやすくなった。] なに?タウン誌? [買い物を終え、雑誌の陳列棚の前にいる紫亜を迎えに行くと、彼女の手にある雑誌には花火の写真が載っていた。 毎年店にも浴衣姿の客が多く訪れる時期だなと苦笑する。 シーズン中はとにかく忙しいし、汁が飛び散らないメニューなど気を遣うことも多い。] 花火大会、は無理だけど…… あー、この最終日は昼シフトで上がってそのまま盆じゃない盆休みだから、花火だけは間に合うかも。 [屋台は店じまいのところもあるかもしれないし、ゆっくり見回れないかもしれないが。] (39) 2021/08/20(Fri) 22:31:05 |
【人】 イウダ[嘆息する彼女を見て眉を下げる。 こういう時はどうしても寂しがらせてしまうなと、イベント事でプライベートを優先できない職種特有の悩みが胸を刺す。] この位置なら、マンションからも見れるかも。 もし仕事が長引いたらベランダから花火を見ようか。 酒とつまみ用意して…… ……浴衣見たい。なー? [温泉旅行の時の彼女の浴衣は本当に似合っていて美しかった。 はだけた時の艶めかしさも――これ以上思い出したら下半身が危ないので止めておこう。*] (40) 2021/08/20(Fri) 22:31:52 |
【人】 オルテイシアいえ、そんなことないです。 私、あんまりお喋り上手じゃないから、説明が下手で。 楽しんでもらえたかどうか。 でも、やっぱり基依さんのご両親だなって。 ……基依さんの笑った顔、お義父さんにそっくりです。 [指先の悪戯にはくすくすと笑って、くすぐったい。と、指先を丸めて抵抗する。 普段のペースに、ふっと肩の力が抜けていくのが分かる。 お喋りの間、緊張する私の隣で笑いを堪える彼の理由が分からなくて、小首を傾げたものだけど。 お義父さんまで彼と同じ癖を持っていたことまでは、さすがに今日は気づく余裕もなかった。] (41) 2021/08/20(Fri) 23:04:10 |
【人】 オルテイシア[小袋を手に隣に並ぶ彼に、はい。と頷いてページを見せる。 無理だと言われて、仕方のないことだと分かってはいても肩が落ちかけたけれど。 続いた言葉に、ぱぁっと顔を輝かせた。] ……本当ですか? 一緒に見れる? あ、でもおつかれじゃないですか? 大丈夫です? [喜びに声を上げたのも束の間のこと。 仕事上がりと聞いて気遣ってしまう。 花火は楽しみにしているけれど、疲れた彼を無理に誘いたくはなくて、嬉しい気持ちと心配する気持ちが綯い交ぜになって、矢継ぎ早に質問攻めしてしまう。] (42) 2021/08/20(Fri) 23:04:36 |
【人】 オルテイシア[それでも、マンションからだったら、そう歩くこともないし二人でゆっくり見られるだろうかと期待してしまう。 こくこくと頷いて、嬉しさを堪えきれずに表情が綻んだ。] マンションからで十分ですっ。 ……雰囲気だけでも味わえたら。 この前のかき氷機も出しましょう? ……浴衣は……、 基依さんも、着てくれる、なら……? [雑誌を閉じて、上目遣いにおねだりを一つ。 彼から買い物袋を一つ受け取って、また手を繋ぐ。 夏の思い出が新たに一つ出来て、気分が上向いた。*] (43) 2021/08/20(Fri) 23:06:08 |
【人】 イウダ俺の事を説明するのに、紫亜以上に上手く言ってくれる子はいないよ。 だろ? 親父と顔が似てるってのにも今日気づくくらいには向き合ってこなかったからな。 あの人たちが「楽しい」って思ってたかどうかまで、自信持って言えないんだけど。 自分たちが知らない俺のことを知るのを嫌がってる感じは無かったから、まあ、 「顔合わせ」は成功って言えんじゃないかな。 [指先を丸めた抵抗に、此方もくすくす笑う。 こんな何気ない戯れが幸せで堪らない。 誓わずとも毎日幸せだと確信している。] (44) 2021/08/20(Fri) 23:26:19 |
【人】 イウダ[彼女の表情が一瞬で輝いて、胸がきゅうと鳴る。 この表情を見られるのなら、疲れなんてどうだって良い。] 遠くまで歩いてとか人混みに行くのは仕事終わりはキツいかもだけど、家で二人きりならな。 [交代で盆休みを取る関係で、その前は10連勤だ。 流石に疲労は溜まっているだろうが、近所の祭りでまだ開いている屋台のちょっとしたものを買って、花火はマンションから見るスケジュールなら、無理なく行ける気がする。 自宅でかき氷も花火を見ながらだとより風情が出るだろうし、野外フェス用に買ったけど不要になったと友人から譲り受けた折りたたみの椅子をベランダに出して隣り合って見る花火はきっと忘れられない思い出になる。 楽しみだ、と頷いて。] (45) 2021/08/20(Fri) 23:27:03 |
【人】 イウダえっ俺も……? [上目遣いにどぎまぎしてしまう。 浴衣は温泉で着て以来だ。もう着方など忘れてしまったし、そのものも持っていない。 ネットで買えるだろうか。] う〜〜〜〜〜〜〜ん…… 紫亜の浴衣見る為だ、俺も着るよ。 [帰ったら早速検索してみよう。 荷物は分け合って、空いた手で手を繋ぐ。 男に全部持たせるではなく、自然とそれを選択する紫亜が好きだ。 本当に――毎分彼女に恋をしている。*] (46) 2021/08/20(Fri) 23:27:24 |
【人】 オルテイシア[基依さんのことなら、知っていることは多い。 彼と過ごしていない空白の時間はあるが、その分一緒にいるようになって知らない彼をどんどん知っていった。] ……はい。 [太鼓判を押されて、微笑む。 戯ける手を、きゅ、と強く握って喜びを伝える。] ……良かった。 また、お会いしたいです。 今度はお二人が好きなもの、聞いておかなくちゃ。 [大好きな彼を育てた二人。 義理の家族になる人のことをもっと好きになりたくて。 その時は、乗り気じゃない彼にも少し手伝ってもらうことにしよう。] (47) 2021/08/20(Fri) 23:54:37 |
【人】 オルテイシア[こくこくと何度も頷いて同意を示す。 諦めかけていたことが実現の形を見せて、嬉しくないわけがない。] はいっ、それで十分です。 わぁ……、嬉しい。 楽しみが増えました。嬉しい。 [喜びに何度も嬉しさを伝えて。 浴衣にはいまいちの反応を見せる彼が頷いたら、やった。と小さく喜色の声を漏らした。 帰路を辿りながら、隣に並ぶ彼を何度も見つめて。] 浴衣は一緒に選びましょうね? 着付けは任せてくださいっ。 [男性ものの着付けは慣れてはいないけど、兄の着付けを手伝ったことならある。 ネットで着付けの動画を見れば感覚はすぐに思い出せるだろう。 普段なかなか見れない彼の姿に、胸が踊った。*] (48) 2021/08/20(Fri) 23:57:32 |
【人】 イウダ[息子の自分から見ても、両親は口下手だと思う。 それなのに、自分の親だからともっと仲良くなることを考えている彼女の懐の深さに感心した。 新たな恋に臆病になっていた卯田の心を溶かしたように、紫亜ならば柔らかな早春のような温かさで両親が話しやすいと思える空気を作れるだろう。] [彼女の中での「理想」は連れ立って会場で花火を見ることだったかもしれないが、代替案でもかなり喜んでいる様子だ。 言ってみて良かったなと思う。] (49) 2021/08/21(Sat) 0:21:48 |
【人】 イウダおう、採寸もな。 着物って確か頸から手首までを計るんだよな? 俺は背もあるけど、腕も結構長いし、ネットで見つかるかな〜。 [ネットでよくわからなければ実店舗にデートだ。 出来れば彼女の選ぶものと調和がとれているものが良いなとリクエストをする。 そこからは、屋台で買いたいものやおつまみで食べたいものなどの話をした。 行きよりも早く自宅に着いた気がする。**] (50) 2021/08/21(Sat) 0:22:00 |
イウダは、メモを貼った。 (a5) 2021/08/21(Sat) 0:24:28 |
【人】 オルテイシアんー……、そうなんですよね。 基依さん、大きいから。 最近はフリーサイズもあるから、大丈夫だとは思うんですけど。 [サイズが見つからずとも、ネットで見ていれば実店舗でのデザインの参考にはなるだろうし、二人で顔を突き合わせてみるのはきっと楽しい。 自身は標準サイズだし、こういう時に困ることはない。 着てみたい浴衣の柄は既に検討もついている。 ネットで探すことも出来るだろうし、店舗で相談するのもいいだろう。 おつまみにはアボカドとピクルスを使った料理をリクエストした。 出店で屋台と言えば鉄板ものだけど、おつまみもあるので食べ切れる量のものを選びたい。 自宅に着いた後も、話に花を咲かせた。] (51) 2021/08/21(Sat) 1:34:26 |
【人】 オルテイシア[それから、花火の日まではあっという間に過ぎていく。 結局、基依さんの浴衣は、ネットではフリーサイズでも実際に見ないと不安ということもあって、休日を利用して実店舗に向かった。 ちゃんとした着物店もあるけれど、最近はカジュアルな店でも浴衣を取り揃えている。サイズもLLサイズまであるならと安心だ。 試着を頼めば、快く受け入れてもらえた。 基依さんの柄は、片見合わせのデザインのものを選んだ。 背中の切り返しで色が変わる。 半身は黒地で、半身はグレー。どちらも無地でシンプルに。 定番の紺地も気になったけれど、やっぱり彼にはグレーを選んでしまう。 帯も同系色のものを選べば、大人っぽくなった。 お似合いです。と店員さんに言われて。 ですよね。と自分のことでもないのに誇らしい気持ちになった。] (52) 2021/08/21(Sat) 1:34:55 |
【人】 オルテイシア―― 花火大会、当日 ―― [その日は週末。 その日も出勤の彼の代わりに休みの日を有効利用する。 こういう時は、一般企業で働いていてよかったと思う。 二人で朝食を済ませた後は、仕事に向かう彼を送り出して、部屋の掃除と洗濯とを片付けた。 夏の日差しは強く、夕刻までには十分に乾くだろう。 夜にはベランダから花火が眺められるように、洗濯は済ませておきたい。 夕刻には買い出しに出掛けて、今夜のおつまみに使う食材と明日の朝の食事分を買い足す。 外で歩きながらお祭りを楽しむなら飲めないが、自宅でなら楽しめるだろうとお酒も買った。 自宅までの帰り道に、浴衣姿のカップルとすれ違う。 今から祭りを楽しむのであろう彼らを目を細めて見送った。] (53) 2021/08/21(Sat) 1:35:31 |
【人】 オルテイシア[結局私の分の浴衣は店舗では気に入ったものが見つからず、ネットサーフィンをして目当てのものを見つけた。 白地に淡い黄色のラインが入っていて、そのラインの上を重なり合うように紫と赤紫の蝶々が羽ばたく。 浴衣が明るめな色の分、帯は落ち着いた濃紫で引き締めた。 蝶も紫も彼が選んでくれたものだから取り入れたくて、なかなかいいデザインのものを見つけられたと思う。 柄に合わせて彼からプレゼントしてもらった簪も付ける予定で。 彼が帰ってくる時間に合わせて、準備を始める。 先にシャワーを済ませて、浴衣に袖を通す。 着付けはなんとか覚えていたようで、鏡の前で自分の姿を確かめて、よし、と小さく頷いた。 まとめてアップにした髪を彩るように、耳元で紫の蝶が揺れた。**] (54) 2021/08/21(Sat) 1:36:16 |
オルテイシアは、メモを貼った。 (a6) 2021/08/21(Sat) 1:41:05 |
【人】 イウダ[盆休みまでの10日間はあっという間だった。 連勤中は通し勤務が多く、また休暇を取る店員の分も働くということでかなり消耗し、紫亜とは一緒に夕食を取れないばかりか夜シフトの日は朝も起きられなかったりして、一緒に住んでいるのにすれ違いの日々が続いた。 連勤が始まる前に浴衣を買いに行っていて良かったと言わざるを得ない。 店に赴いた時には今ほど顔に疲労が色濃く出ていなかったから、黒とグレーのシックな浴衣が顔に良く映えた。 自分ならつい全面同じ色を選んでしまっていただろうから、彼女の見立ての絶妙さには感謝している。 併せて買った帯は自分でも結べそうなもの。 着付けは彼女がしてくれると言っていたが、自分で出来るに越したことはないと思うから。 彼女の方は店では気に入ったものが見つからず、ネットで探したと言っていた。 残念ながら選んだ時には見られなかったので、帰ってからのお楽しみだ。] (55) 2021/08/21(Sat) 11:05:42 |
【人】 イウダたっだいまっと。 悪い結局夕方っつかもう夜だな。 急いでシャワる――…… [走って汗だくでバスルームに直行しようとして、出迎えてくれた彼女の浴衣姿を見る。 パッと目を引く白い浴衣に泳ぐ、彼女を象徴する紫の蝶。 幸せを招いてくれるモチーフは、まとめ髪にもある。 温泉旅行で買ったものを身に着けてくれているのを見て、目を細めた。] すごく似合ってる。 綺麗だよ。 後で俺も着たら二人で写真撮ろう。 [かつては食事の写真しかなかったカメラフォルダには、今はツーショットも多く並んでいる。] (56) 2021/08/21(Sat) 11:06:05 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新