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【人】 機関設計士 スタンレー[星の祭りで有名な、ブーヨプスキュリテ王国。祭りには、“星の飾りを見つけた人間は運命の人物と巡り合うだろう”というジンクスがある。 ブルー・スタンレーは、ブーヨプスキュリテ王国を走る、機関車の設計士。技術は一流でスタンレーの右に出るほどの設計士はいない。 ある年の星の祭り。スタンレーは、星の飾りを見つけることは出来なかった。しかし、祭りの最後の夜、大切な友人である踊り子のマチから、成功に導くと言われている赤い石、ガーネットのキーホルダーを受け取った。 スタンレーはそれを星の飾りとして、工具入れに結え付けている。 ある日の早朝。スタンレーは、その工具入れを手に取り、足早に自宅を出た。 ガーネットの赤い光が揺れた。] (35) 2021/01/31(Sun) 15:19:32 |
【人】 機関設計士 スタンレー[職場である国の中央に位置する駅舎に着くと、助手のコーディーに声を掛けられた。] 「んもぅ、スタンレーさん、遅いっすよ!」 [コーディーは、ぷんぷんと地団駄を踏んでいた。] 「状況は?」 [スタンレーは冷静に尋ねながら、車庫への足を止めない。 足のリーチが違うコーディーは慌てて後ろから小走りでついてくる。] 「一号車右側、前から三番目までの動輪が、割れてるっす。原因は、線路上の土砂と衝突っす。」 [その車庫には、破損・故障した車両が運ばれてくる。スタンレーは設計士でもありながら、修理・メンテナンスも担っていた。 どうやら、先日の大雨の影響で土砂崩れが発生し、走行中の鉄道が土砂に乗り上げてしまったようだ。] 「怪我人は?」 「幸いにも、お客様、乗務員、運転士、いずれもなしっす。」 「そうか。」 [緊張をはらんだスタンレーの瞳が、少し、安堵の色を見せた。]* (36) 2021/01/31(Sun) 16:03:58 |
機関設計士 スタンレーは、メモを貼った。 (a7) 2021/01/31(Sun) 16:21:48 |
【人】 機関設計士 スタンレー[現場には、沢山の作業員が集まっていた。スタンレーは、問題の動輪の前に屈み、ヒビに触る。] 「動輪は、完全に取り換えだな。主連棒にもダメージ。」 [工具入れから拡大鏡を取り出し、片目に装着する。 スタンレーは、車体をすべて丁寧に確認し、被害の状態を調べた。 その後、助手のコーディー含め、作業員へテキパキと指示をはじめた。] (48) 2021/02/01(Mon) 12:27:10 |
【人】 機関設計士 スタンレー[昼過ぎ、車両は、無事に元の状態に戻っていた。] 「皆んな、ありがとう。泊まりだった者は、帰っていいぞ。」 [スタンレーは、昨夜から詰めていた者たちに、労いの言葉をかけた。 休憩室。 スタンレーは、自分のコーヒーを淹れると、ソファーに深く腰を掛けた。 工具入れを手に取り、結え付けてあるガーネットを眺める。 不思議な赤い光を放っており、スタンレーはまるで吸い込まれそうな錯覚を覚える。 そして、気付かぬうちに、スタンレーは深い眠りについてしまったのだった。 深い深いの赤色に吸い込まれて。]* (49) 2021/02/01(Mon) 12:28:51 |
機関設計士 スタンレーは、メモを貼った。 (a11) 2021/02/01(Mon) 12:30:46 |
【人】 機関設計士 スタンレー[スタンレーは、夢を見ていた。 あたりは暗闇に包まれている。 遠くにマチが佇み、スポットライトのような光が、マチとスタンレーをそれぞれ照らしている。 マチは悲しい顔をして、こちらを見つめている。スタンレーは不安に駆られて、叫んだ。] 『マチ、行くな。』 [スタンレーの伸ばした手は、空を掴むばかり。駆け出すが、距離は一つも縮まらない。] 『スタンレーさん、私は、何処にも行かないよ。』 [遠いのに、声はやたら近くに聞こえる。悲しい笑みを此方に向けて、夢の中のマチは続ける。] 『離れていくのはスタンレーさんの方でしょう?』 * (79) 2021/02/01(Mon) 20:48:29 |
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