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【人】 部隊長 シュゼット[>>0:390僕はもう少し延期にならないかと思ってたのに。 非常にも、検査は自由の身となった次の日からだ。 そりゃあ僕はうんざりな気持ちにもなったけど 目の前で、ペンギンにああまで喜ばれてしまったら 延期を願い出る気持ちも霧散してしまった。 その日はそれで、目を輝かせるペンギンに苦笑しながら 「ぶどうは。僕の、二番目に好きな味だ。」 そう言って、頭を撫でてあげた。 この基地内で過ごす兵士たちは、 ペンギンをただのお手伝い端末として扱う者の方が多い。 >>0:63気難しい上官であれば、少し不調を感じたら、 すぐに廃棄を命じてしまうことだってある。 ―――僕だって、どんなペンギンに対しても 毎日自分の飴を配り歩いているわけじゃない。 最初に飴をあげた理由は、今もはっきり覚えてるし、 今も飴をあげ続けている理由も、変わらない。] (81) 2020/05/18(Mon) 23:07:54 |
【人】 部隊長 シュゼット[誰にも言っていないから、 こんな理由、当のペンギン本人だって知りゃしないだろう。 右腕や、痛覚や、記憶が欠けていることの不便さ。 取り戻したいと強く思うわけではないけれど それでも、欠けたものが埋まって周りと同じようになれたら 僕はどうなるのだろうと考えることはあるし。 時折。皆とのどうしようもない違いを感じて、 自分だけ違う世界を生きているような気持ちにもなる。 ……どうにかできればなぁ、と。 ペンギン君を見ていて思ったのがきっかけで。] (82) 2020/05/18(Mon) 23:08:36 |
【人】 部隊長 シュゼット[僕は医学の知識にはてんで疎いから。 腕の怪我ぐらいで完全に飛べなくなるとは思ってなかった。 彼が皆と同じように"飛べる"ようになるには、 何かきっかけがないと駄目なんだと思っていて。 きっと、栄養が足りないんだと思っていた。] [僕はあのペンギンを、 飛べるようにしてあげたいんだ。] (83) 2020/05/18(Mon) 23:10:26 |
【人】 部隊長 シュゼット[医務室のペンギンは好きだったけれど。 軍医の中でも、ルークは苦手な方だった。 ……いつも、苦い薬をわざと処方される気がするし。 ………僕は甘いのがいいって、言ったのに。 でも、彼のことが苦手ではあっても嫌いになれないんだ。 皆は彼のことを血も涙もない"葬儀屋"だの "目をつけられたペンギンは捨てられる"だの言うけれど。 僕はその噂を、全然信じちゃいない。 だってそれが本当なら、 普段は隠れてるとはいえ医務室にペンギンが居座ってるのを ルークが放っておくはず、無いと思うから。] (84) 2020/05/18(Mon) 23:17:45 |
【人】 部隊長 シュゼット− 検査が始まって数日後 ― [―――医務室のドアを、軽くノックする。 今日、医務室に居るのはどの医者だろう。 数日前から処方されているのは、やっぱり苦い薬。 こうして毎日、経過観察にきているけれど やっぱり記憶が戻る様子は何もない。 今回の薬を飲んだ後も。 機能停止した機械の怪物の側で倒れる以前の記憶…… 基地で生活していた頃の記憶や、 怪物と直前まで戦っていたはずの記憶は 欠片も思い出す兆候は見られなかった。 もし、何か変化はないかと言われたとしても。 "最近になって変な夢を見る頻度が増えてきた"なんて とても、話す気にはなれなかった。 ポケットの中にはぶどうの飴玉が数個。 自分の分と、ペンギンの分と。……それから。] (85) 2020/05/18(Mon) 23:18:23 |
【人】 部隊長 シュゼット 第一攻撃部隊の部隊長……シュゼットです。 『検査』のため、ここに。 [ドア越しに簡潔に用事を伝える。 何も変わってないと僕は思っているのだが。 今回の薬で、脳波の測定結果では、 少しずつ、記憶が回復している兆候が出ているらしい。 本当にそうなのだろうか。 回復なんて、しているのだろうか。 今日も、中から返事があれば医務室へ入り、 指示されるまま検査を受けるつもりではあるが。 僕は半信半疑のまま、ため息をつくのだった。]* (86) 2020/05/18(Mon) 23:20:41 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a11) 2020/05/18(Mon) 23:30:31 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a12) 2020/05/18(Mon) 23:30:43 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――が。] ……今日は、ペンギンを診察するのか? [机の上で包帯を絡ませもぞもぞしているペンギンを指して あまり気にしていない様子のルークに思わず聞いてしまう。 ……それとも、なんだろう。 最近のこの医務室の軍医ルークの趣味は、 包帯ぐるぐる巻きのペンギンを眺めることなのだろうか。] おかげさまで。 あの薬。苦いだけのことは、あるみたいだ。 背中も、もう"痛い"感じはしなくなった。 ぴりぴりする感じは全く。ない。 [ペンギンをちらちらと気にしながらも、 >>100"座って"と言われれば、言われるがままに座り。 聞かれた事を思い出しながら答えていく。 前回に比べて、体は完全に治ったと言っていい。 背中も、実際、医師の目から見ても完治してるのだが 答え方がこれで正しかったかどうかは、僕にはわからない。] (120) 2020/05/19(Tue) 1:39:31 |
【人】 部隊長 シュゼット 体調……そうだね。 昨日の副作用は最悪だった、けど、 すぐ収まって、よかったよ。 毎日飲んでる薬の副作用は、慣れたみたいで 今は、少しは、マシになったかな。 [マシになった、と言いながら膝の上の両手をぐーぱー。 昨日は酷い副作用の手先の痺れのせいで、 投薬直後は、ここまで指を滑らかに動かせないぐらいだった。] (121) 2020/05/19(Tue) 1:40:49 |
【人】 部隊長 シュゼット ……あぁ、ほら、 それじゃ、もっと絡まる。 [(最近、変な夢をよく見ること以外) 質問には正直に答えてはいたのだけれど。 横の机でペンギンがもがくのが気になって仕方なく。 ついに、見ていられなくて、手が伸びる。 ペンギンが無事抜け出すことに成功したなら それはもう、自分のことのように喜んで。 頭をわしわしと撫でて。] ほら。ぶどうの飴。 包帯は絡まるから。あまり近づいちゃ、駄目だ。 [手を取れば、包み紙一つ。 ペンギンがそれを持って、少し離れたところに行くなら 僕は軽く手を振って彼と別れ、 軍医の診察へと戻るだろう。] (122) 2020/05/19(Tue) 1:41:05 |
【人】 部隊長 シュゼット[ただ―――診察の続きを、と思って ルークの方へと椅子の向きを戻した時に。 医務室の光の加減のせいか、 さっきはあまりよく見えなかった顔がよく見えた。 >>93どんなふうにすればこんな痣がつくかなど 長く兵士として経験を積んでいれば、すぐわかることだ。 一気に、慌ててしまった僕は、] ……!!! ルーク、その顔、どうしたんだ。 手当を……そうだ、氷で冷やして、 僕、この後は何もない、から、 他にもできることがあれば、なんでも……!! [打撲の治療には冷やすことが大事、なんて、 軍医であるルークが知らないわけがないのに。 氷はどこにあるだろう。 そうだ、ここには、遺失技術の冷却装置を使った 冷蔵庫が備え付けてあったはずだ。] 君も、手伝って……! [ルークが止めることが無ければ、 静観していたペンギンにも声をかけて、 僕はその場に立ち上がり、氷を取りに行こうと。]* (123) 2020/05/19(Tue) 1:41:44 |
【人】 部隊長 シュゼット―>>85検査の前日:夜の見張り台― [新しい薬の投薬が始まってから数日後。 最初の数日は、拒否反応が凄くて。 頭痛はするわ食欲もなくなるわで慣れるまでが苦労した。 顔色の悪い僕を見た部下達にも心配される始末で、 僕は「大丈夫」と笑顔をなんとか作るのが精一杯。 戦闘訓練は一応こなせてはいたけれど、 いつもなら全弾避けられるゴム弾が数個頬を掠めていき、 明らかな調子の悪さに、軽く舌打ちもしたものだ。 数日経って慣れてくれば、マシにはなってきた。 こんなに酷い副作用が出るなら、 早めに薬を変えて貰おうと僕は思っていたが。 これが、>>93"少しでも無理がかからないように"との 軍医の計らいのお陰で"この程度"で済んでいるのだとは まだ僕は、気づいちゃいなかった。] (124) 2020/05/19(Tue) 1:42:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[ここ数日は頭痛も酷くて、 見張り台に来ても、日記を書く気にもなれなかった。 でも今日は、やっと体調が戻ってきたし、 丁度、また、変な夢を見たところだった。] ……日記、って。数日空いても、いいのかな。 [付け始める前に誰かに聞いておくべきだった。 少しの間、引き出しを開けた体制でうーんと考え、 元々、形式など何も気にせず書き始めたことを思い出せば まあいいか、で済ませて、タブレットを取り出す。 前と同じようにして、暗証コードを打ち込んで。 さあ、いざ続きを書こう。と。 ……身に覚えのない文章を前に、尻尾がふるりと揺れた。] (125) 2020/05/19(Tue) 1:43:02 |
【人】 部隊長 シュゼット え、……僕の、日記、見られ…… コード、そんな簡単だった……? いや、でも…… [混乱しつつも、2ページ目に増えていた文章を目で追う。 このタブレットを開けられた理由として、 相手が『軍医』であると予想はしていた。 その予想が当たっているかはわからないが、 見られたことについては、嫌な気はしなかった。 僕は、タブレットの操作履歴の見方を良く知らない。 見てしまったことなど、黙っていればバレないのに。 丁寧な言葉で綴られた謝罪に。 "遺されている物が無いかと思って"なんて 亡き父親のかつての所持品を見つけてしまったから 開けてしまったという、日記を見た理由。 親切で優しい人なんだなあと、顔も知らない相手を想像した。 理由を見たら、怒る気には全くなれなかったんだ。 でも……知らず、配給されたまま使ってたとはいえ これは、このまま僕が使っていていいものなのだろうか。 誰かの遺品であれば、渡してあげた方がいいのではないか。 そう思うと、なんだか胸のあたりが辛くなってきて、 僕以外誰も居ない、深夜の見張り台の中で 一人、しょんぼりと項垂れる。] (126) 2020/05/19(Tue) 1:45:53 |
【人】 部隊長 シュゼット[少しして、先を読み進める。 最後まで読んだ時にこみ上げてきたのは、高揚感だ。] ……ほし……星、かぁ。 [綴られていた言葉を何度も何度も読み返しては そこに書いてある、今まで知らなかった言葉を呟く。 一緒に増えていた、音楽のファイルを開くと、 辺りには、穏やかな響きのメロディが満ちていく。 僕は、『ほし』と『ほし』をつなぐ、という言葉の通りに 外に輝く、この世界の星……光る草花を指先で追って、 世界を旅するような気持ちで、夢中になって繋いだ。 ―――今まで聞いたことなどないはずの、 星々を旅する歌だという、そのメロディは。 何故か、昔に聞いたことがあるような、そんな気がした。] (127) 2020/05/19(Tue) 1:46:42 |
【人】 部隊長 シュゼット[見張り台の引き出しを開けた当初の目的は、 日記の続きを書くことだった。 そのことを思い出し、僕はまた日記を書き始める。 前に日記を見て、謝罪と意見をくれた人が。 また、引き出しを開けてはくれないだろうか。 そう思いながら、日記の最後を締めくくり。 僕はまた元通りに引き出しにタブレットを仕舞い、 その日の見張りが終わるまで、 光る草花を『星』に見立て、旅人の道を指で紡ぎ続けた。]* (128) 2020/05/19(Tue) 1:47:41 |
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