159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】
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「そうだねぇ、誘えば来てくれそうな子が多いのは確かだ。
只、相馬くんは工夫しないと難しそうだけど」
彼に対して言い包めや説得は難しいだろう。
どうすれば興味を持たせることができるか、恐らくそこに懸かっている。
……暫し考えたものの、一先ずは。
少しでも『全員』という夢に近付く為に、数を揃えなければ。
そうして聞いた貴方の甘えを、心地良く感じながら少女は頷いた。
「……ああ、いいよ。勿論だとも」
自身が子供だからこそ、誘い方というものに想像がつく。
子供の気持ちがわかるから、甘言の選び方だって知っている。
「それまでは、彼らと親交を深めておこう。
時に情は理屈を越えるものだからね」
大人≠ニいう子供のおわりが見えてきたからこそ、情に訴える余地がある。
少女はそう考えていた。
| >>【校長室】 >>101肖像画を一人一人見て歩く。それから傷みに傷んだ調度品に目を向けぐるりと一周見て回ったのち、机を調べる貴方の元へ。 「はいきゅーきっぷ。 えーと待ってください、教科書で読んだ覚えが……」 むむむと唸る。 「……ええと、そう。物資との引換券でしたか。確かここは戦時中においては疎開先になっていた……のでしたっけ。昔の厳しさの爪痕が残る場所なのですね」 少女の頭にあるのはいかにして友人たちと毎日楽しく過ごすかだ。それ以外の知識はまるっとすっぽ抜けていることが多いのだが、ここに関する話は辛うじて覚えていたらしい。 「その本は?深雪達の魔導書に勝てそうな代物ですか?」 更に下の引き出しから出てきた本に注目する。 なお夢川たちが見つけてきたのは魔導書ではないし、はじめは相馬との勝負に躍起になっていた筈なのに最早あらゆる人に手当たり次第に勝負を仕掛けようとしている。 (105) 2022/07/04(Mon) 12:12:29 |
| >>【校長室】 >>106外部秘。 その文字だけで秘密を暴きたがる子供の心はおおいに躍る。 半ば身を乗り出すように体を前へ傾けて、白間が読み解くのをじっと待つ。 「ふむ。防空壕。昔の用途を思えばおかしい話ではありませんね」 覗き込むように眺めていた冊子から顔を離し、その視線は少女の眼へ。 「梢。まさか秘密の地図を手に入れただけで満足していませんね?」 言外に記された場所へ行こうと伝える。 断られても、無論一人で行くつもりではあるのだが。 (107) 2022/07/04(Mon) 13:32:29 |
──探偵倶楽部の設立者、相馬栗栖。
きっと彼が一番の癖者だ。
そして、ああいった人間をこちら側に引き込む為に必要なものは
決して詭弁や情などではないだろう、とは夢川も考えていた。
楽しい。つまらない。表面的な価値基準こそ似ているけれど。
似ているからこそ根本的には違うものだとわかる。
彼は人に依存してはいなさそうだ。興味関心の先が違う。
──きっと、一人でも生きていけてしまう人間だ。
とはいえ、けれど。
彼の興味を引くものが、仮に今は自分達の手札の中に無かろうとも
こちらに引き入れた誰かが持っている事も有り得るだろう、と。
今この時はそのように結論付けて、一度考えを打ち切って。
あなたの述べた考えには、頷く事で賛同を示したのち。
「本当?よかった。」
──夢川深雪は甘やかされるのが好きだ。
だからその寛容の言葉に、殊更嬉しそうに笑んだ。
「うん。今じゃないと、できない事もあるし
……今の内にできる事、しておかないとね」
いつかは来る終わりをひととき忘れて、
何を疑う事も無く童心の時間を過ごせるのはもう少しだけ。
全てが終わればきっと、再び、永遠に。
皆で一緒に、無邪気に共に居られる日々が来るのだろうけど。
「またね、先生。牧夫兄も」
何て事ない教室での一幕のように言って、扉に手を掛けた。
今はまだ、終わりなんて意識の外で。
この掛け替えの無い時間を続けていよう。
そうして何れ来る終わりを見据えた時に、
皆がその続きを自ら望んでくれるように。
| >>【校長室】 >>113「当然。自分たちで見つけたのに乗り込むのは誰かの後なんて悔しいじゃないですか。遅れをとるわけにはいきません」 謎の理論を繰り出し、当たり前のように力強く頷いた。 「とはいえそうですね、栗栖が行きたいと言っていましたから。待ってあげるのもやぶさかではありません。 隠された場所は何が潜んでいるか分かりませんし、支度もきちんとしていかないと」 外部に知られることなく秘されてきた場所である。今まで以上に不衛生で危険があるかもしれないへ向かう可能性を少女もまた感じ取っていたからか、白間の提案には素直に首を縦に振った。 「梢。防空壕に来たい人へ連絡を皆に回してもらえますか?それから少し時間を取って、その後来た人たちで合流し、突入です。 拙はそうですね……防空壕探索の前に、言われた通り倉庫でも軽く物色してみましょう」 (115) 2022/07/04(Mon) 16:48:35 |
「暫くしたら、この教室で会おうか。
私は在籍していた証拠の隠滅をしなきゃいけないし……牧夫を隠したら色々動くつもりだ。
職員室の方には人が行かないようにしてくれると助かるよ」
先程見つけた名簿。
そこにはしっかりと、自分の名前が記されていた。
永瀬がいた手前、放置してきたが──もしかすると、誰かが見てしまうかもしれない。
処分するか、隠すかしなければ。
「いってらっしゃい」
とはいえ、これは『先生』の仕事だ。
この場は『生徒』の背中に手を振って。
扉の向こう側に消える背中を見送っただろう。
あなたの言葉にはきっと、もう一度頷いて。
そうして一人の『生徒』の背は薄暗い廊下へ消えていった。
その後はきっと、言われた通り。
誰かが職員室付近へ向かうようなら、それとなく他所へ誘導するはず。
もちろん耳目が届く範囲で、にはなるけれど。
もしも図書室の貸出記録の中に、あなたの名前があったなら。
それは何らかの形で誰にも見られないよう隠蔽されているだろう。
大丈夫。ちゃんと良い子にしているよ。
わかってる。楽しい学校生活は
『先生』と『生徒』が協力して、初めて成り立つものだって。
>>【職員室】
永瀬を見送り、一人になった頃。
鳥飼の様子を確認してから、足早に職員室へ戻って来る。
そろそろ起きてしまう筈だ。
白間コズヱは神ではなく、普通の人間であった。
神隠しの真似事など長くは持たないだろう。
名簿から自身の名前が記載された頁を破り、ポケットに入れる。
さて、どうしようか。
破いても良いが、パズルのように復元される可能性もある。
そんな芸当をしてしまいそうな者もいることだ、あまり賢い選択肢ではない。
燃やすにしても、夜の暗闇で炎は目立つ。
加えて、自分はマッチなど持っていない。
「……そうだ」
ふと、思い至る。
「牧夫に手伝ってもらおう」
とっておきの隠し場所が、あるではないか。
唇は静かに弧を描き、ピントが外れたように輪郭が滲んで────
───ゆらり、少女の影が消えた。
| (a60) 2022/07/05(Tue) 16:49:12 |
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