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【人】 天狗 1回生 ヨシツネ「お姉様、本日は抹茶ラテなど如何でしょうか。 遥か東の地、『キョウト』から仕入れた抹茶を使い、僕が自ら煎じた一品でございます。」 タキシードに身を包み、接客する。 狐耳と尻尾をふりふりしながら。 服を着ると、着用した人に合わせたケモ耳が生えるらしい、便利。 「他にも様々なサービスがございます。 『耳元で囁いてもらえる』、『一緒に写真撮影』、『あーんしてもらえる』などなど。 その時は是非僕をご指名くださいませ。 いつでもお待ちしております。」 (153) 2023/06/29(Thu) 11:02:28 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ― after ― 「…………………。」 アカツキの話を聞いてから、手におやつのどら焼き(自家製)を持ったまま動かない。 予想外すぎる事態に思考が追い付かない。 『まさかと思ってたけど』『世話はどうすれば』『アカツキ好き』『式はいつにしよう』『アカツキ好き』 無数の考えが浮かんでは消えていく。 やがて緩やかな動きで床に座り込んで、真っすぐと姿勢を正すと… 「ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」 多くの生徒が行きかう中、三つ指立てた綺麗な土下座を決めて、あの日彼女に告げた言葉を繰り返した。>>0:277 (315) 2023/06/30(Fri) 21:13:50 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネそれからは、あっという間だった。 ご両親に挨拶したり、オベロン様に託児所の相談に行ったり、あれをやったりこれをやったり。 けれど、どうしても不安なことがあった。 僕は、まだ幼い頃に故郷から攫われた。 子供と接するなんて、どうすればいいのかわからなかった。 周りの暖かい応援に反して、僕は誰にも相談できずに疑問を胸の奥に沈めたまま。 だから、とある人に相談を持ち掛けてみた。 「兄様、貴方ならどうする?」 キャメロット地下で兄様に打ち勝ったあの日、手に入れた刀。 僕が憧れた兄様の剣技、その象徴だったから。 答えなどない、わかっている。 けれど、兄様はいつも口癖のように言っていた言葉がある。 今思えば、闇に呑まれるとわかっていた兄様の覚悟の現れだったのだろう。 (316) 2023/06/30(Fri) 21:14:07 |
【人】 天狗 1回生 ヨシツネ「――『どんな時も、胸を張れる生き方をする。』 そうだね、その通りだ。」 この先、どんな事が起こるかはわからない。 けれど、だからこそ、アカツキと子供に胸を張れる父親であろう。 ただそれだけを心に決めた。* (317) 2023/06/30(Fri) 21:14:13 |
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