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【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩で、でも、かわりにお兄さんがいたくなっちゃう…… ルミいたいのへいきだよ? ……あ、もうっ、お兄さん! そういうこと言っちゃ、めっ!なんだから! [ 知識のない子どもでもわるい言葉だと分かる。 だめ!と年下のくせに妙なところでお姉さんぶって、 そのくせ怪我の痛みに両目を潤ませていた。 痛い、とあまり動きたがらなかった幼い子どもも、 不思議とおまじないの後は軽快に歩けるようになり 痛みを食べてくれた人の後ろへ引っ付いて。 ] (-25) 2024/05/09(Thu) 0:42:57 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩……お兄さんって いたいのとんでけーじゃないんだね。 お兄さんがいたくなるのに、たべてくれるの? えへへ……やさしいねぇ。 あのね、でもね、ルミもおっきくなったら お兄さんのいたいの、たべれるようになるから! [ だから待っててね、と言って笑った。 その頃には彼も同じだけ時間を重ねて大きくなって 子どもの手助けなんていらなくなるのに。 どこにも彼は行かないと信じていた幼い頃。 撫でられては無邪気に喜べていた甘い記憶。 ] (-26) 2024/05/09(Thu) 0:43:46 |
【赤】 従業員 ルミ[ 噎せたように笑う姿が理解出来なくて、身体を引いた。 どうしてこの状況で今彼は笑えるのか。 なにも覚えていないくせに、 どうして二人のおまじないだけ鮮明に見せてくるのか。 ここで都合よく受け止めて幸せになれるような、 お気楽で軽くいられる性格はしていない。 ] ……なに、お兄さん、意味わかんないよ 今痛いのは、そっちの方でしょ……? 上手く腕も動かせないのに、 [ 自分の頬を殴ってしまっていたのを思い出して 恐る恐る、頬の怪我を確かめようと指を伸ばす。 触れられるのは、彼にとっては怖いことだろうか。 躊躇うように指先が空を彷徨って、 ] (*84) 2024/05/09(Thu) 0:43:59 |
【赤】 従業員 ルミ[ 迷子のような、悪さをした子どものような。 顔立ちばかりが大人に近付いた女のかんばせは、 どんな言葉も似合わないマーブルカラーだ。 背後から急激に匂い立つ過去に戸惑って、 責め立てるのではない彼の反応に怯えている。 ] ………………せっかく今日の為に お金も貯めて、お兄さんのことたくさん調べて チャンスをモノにしようと思ったのにな。 いいよ。もう。 ────なんにもしないし、抵抗しない。 警察でも何でも、連絡して良いよ。 [ やめてよ。 今更どうしてこっちを見ようとしてるの。 頭のおかしい犯罪者で、ストーカーなんだから、 昔と同じ仕草で、言葉で、やさしくしないで。 ] (*86) 2024/05/09(Thu) 0:50:40 |
【赤】 従業員 ルミ……わたしの十数年なんか 嘘でも食べちゃだめでしょ、お兄さん 痛くなっちゃうよ……ほんとにさ。 [ 呟き落とすように咎めて、目を伏せる。 相変わらず跨ったままの体勢だと 彼の顔が嫌でも良く見えた。 ] ………… ほっぺた、怪我は? [ 自分が気にしていいことではないかもしれない。 けれど、自分の仕込んだ薬の影響ともなれば 資格がないなんて理由で放置もしたくはなくて。 両腕を下ろしたまま、小さく尋ねる。 敵意がないと示す唯一の手段だった。** ] (*87) 2024/05/09(Thu) 0:56:57 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[周囲の人間関係は緩衝材で 楽しい思い出は薬となって苦い思い出を癒す。 そうして少年は大人になった。 それを当たり前として。] (-28) 2024/05/09(Thu) 20:30:47 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[緩衝材となる人間関係を築くことが出来ず 楽しい思い出が少年との日々だけの少女には 薬が逆に毒となり身体や心を蝕んだ。 それ以外の世界を知る勇気を得るには 少女の楽しい思い出は足りなかった。] (-29) 2024/05/09(Thu) 20:31:20 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ 俺はいーんだって。 痛かったらうんこすれb…… って、うんこって言っちゃだめなんだっけ。 [小学生男子の下品さをおしゃまな女の子の潔癖さが叱る。 悪びれもせず笑って、 何度も痛みを咀嚼した。 目に見える傷はその後で家の絆創膏を貼ったし 咳をしていたら喉を撫でて (その後風邪がうつって叱られた) しょんぼりしている時には頭や強張った頬に触れた。] (-30) 2024/05/09(Thu) 20:32:49 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ 飛んでった痛いのがルミに戻んのはヤだし 誰かが痛いのはルミがヤだろ。 俺が痛くなるかもって心配するんだから。 だから俺が全部うn……トイレに流すんだよ! [大きくなったらルミが食べてくれると言っていたっけ。 傷つけとばかり薬を盛って強姦している彼女は それを覚えているだろうか?] (-31) 2024/05/09(Thu) 20:33:29 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ 誰から好意を向けられても満たされなかった。 対価を払い続ける愛もあったし、 中には本当に自分に恋をした客もいたと知っている。 愛してくれるなら誰でも良かったわけじゃない。 なのに着飾って、好みの女を演出して、 埋まらない隙間を見ないで済むように 多くの好意を欲しがった。 偽物のひかりが目を焼くたび、思う。 ──愛を得るたびに擦り減っていることを。 ] (-32) 2024/05/09(Thu) 21:27:59 |
【赤】 従業員 ルミ[ 幼い頃は子供騙しにもならないことばかりだった。 隠れきれず、丸わかりの状態でかくれんぼをしたり お花の指輪は、すぐ編めるくらい簡単だと偽ったり。 傷付けるための嘘には乏しかったはずだ。 ────気付けばすっかり嘘つきに育ってしまったが。 ] だから、……ッ、 [ 泣いてないと否定しようとして、言葉を呑む。 彼の声音に宿った確信を感じ、 言葉の投げ合いをするよりも引くことを選んだのだ。 多く語るほど、過去の傷が痛むから。 ] (*92) 2024/05/09(Thu) 21:28:04 |
【赤】 従業員 ルミ──────そ、れは [ すぐさま反論を紡げずに、掌を握り締める。 そうだ、自分は彼を傷付けたかった。 夢の中で一方的に会い続けることより 傷の先で思い出して貰うために。 この際、目的が完遂出来ないなら 頬の痛みでもなんでも良いはずではないのか。 ] ……ッは、 忘れてたのに……忘れてるのに わたしのままなんて、よく言えるね、お兄さん [ 視線が交わる。過去と今が交差する。 ] (*93) 2024/05/09(Thu) 21:28:19 |
【赤】 従業員 ルミ[ ぜえ、と肩で大きく息を吸った。 掴まれた腕を振り解こうと、──振り上げようと 動かしかけて、力を抜いて、また勢いに任せようとして ──繰り返すたびに喉を掻き毟って死にたくなる。 ここで首でも絞めてやれば。 彼には一生忘れられない記憶として残るだろうか。 ここで頬でも殴ってやれたなら。 みっともなく縋り続けていた過去を全部捨ててでも、 目的を成せる存在だったら。 ] ──────……、わから なぃ、 [ まるで破れたページを継ぎはぐように。 細切れで、強張った話し方だった。 妙に冷静な頭が、彼の問いかけの答えを探している ] (*94) 2024/05/09(Thu) 21:28:26 |
【赤】 従業員 ルミわたしには、これしか出来なかっただけ ……こうするしかないって、おもった、だけ お兄さんのこと探して、調べて 昔の断片を見つけて………… お兄さんはわたしがいなくたって楽しそうで わたしは、昔のお兄さんしか、いなくて。 思い知れば、傷付ける覚悟が出来るって思った、の ──────……そうすればもう、 [ あの公園に行かなくて済んだんだよ。 楽しかった過去を、本当は美しいだけの思い出を、 綺麗なまま封じ込めて死ねたんだ。 ] (*95) 2024/05/09(Thu) 21:28:41 |
【赤】 従業員 ルミ実るわけないこの馬鹿みたいな恋を 叶えたがってる自分を殺せると思ったから……… [ 執着なのか偏執なのか刷り込みなのか。 誰に何を説かれたって響かない。 わたしにとってはこれが、わたしの恋。 これが恋ではないなら愛なのだろう。 愛ではないなら、 そう思う人の方がおかしくって、恋を知らない。 ] (*96) 2024/05/09(Thu) 21:29:35 |
【赤】 従業員 ルミ…………べつに、あのまま続けてたとして お兄さんを子どもで縛ろうなんて気はなかったよ。 アフターピル……避妊薬持ってるから、それ飲んで。 明日から実家、帰るんでしょ。 さっきスマホのパスワードは盗み見ておいたから 実家にお兄さんのフリして、帰らないって連絡して。 長期休暇の間だけ、この家にいてもらう気だったの ──それで……何をしても、どうなっても、 わたしを忘れられないくらい傷付けてやろうとしただけ [ 犯罪だよね。そんなのも覚悟の上だよ。 言って、わたしは飾られたブランドバッグを見た。 もう連絡も絶えた昔の客からのプレゼント。 売れば高い値段がつくような代物。 可視化されたわたしの価値。 ] (*97) 2024/05/09(Thu) 21:30:10 |
【赤】 従業員 ルミ[ お兄さんの痛いのを食べてあげるね、と笑った子どもは 今や呑み込めないほどの傷を付けたがる化物だ。 ] そしたら、逮捕とかされるのかなって。 慰謝料とかの準備もしたし。 もしあれを見てお兄さんが利用価値を持ってくれたら、 それでもいいなって思ってた。 そういうのも含めて、いっぱい働いて ……頑張ったんだけど。 [ 現実は、想像のように上手くはいってくれないか。 自分で自分を殴った彼を見ただけで 怪我を心配してしまう甘さも弱さも抜けていない。 ────昔なら、 ] (*98) 2024/05/09(Thu) 21:30:30 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩だって、いたいって泣いちゃうより たのしいってわらうほうが、しあわせだもんね! わたしもみんなも、お兄さんも! (-33) 2024/05/09(Thu) 21:30:55 |
【赤】 従業員 ルミ[ 息を吐く。 なりたかったものは、愚かにも見た夢は。 なれなかったものならよく知ってる。 昔の記憶に置き去りのままの幼いわたし。 痛みも食べてあげると息まいた世間知らず。 ] ……薬が抜ける間の時間稼ぎにはなったんじゃない? ほら、もう良いでしょ だまされてあげるから ……さっさと離してよ、お兄さん [ 今ならまだ、間に合うよ。 妙な同情心でも湧いちゃった? やっぱり嫌になったでしょう? それでも今なら許してあげるから。* ] (*99) 2024/05/09(Thu) 21:37:09 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[感情のない瞳をしていた子が 「たのしいってわらうほうが、しあわせ」と 言えるようになるまで痛いのを食べてやったのは自分だと ただ誇らしげな気持ちになっていた。] (-37) 2024/05/09(Thu) 22:21:05 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[自分は覚えが悪いから、今ルミが言うならそれを思い出にすり替えられるだろう。 歳の差についての会話があったかのように思えたように。*] (-39) 2024/05/09(Thu) 22:23:11 |
【赤】 従業員 ルミ[ 美化され続ける思い出と、 色褪せて消える思い出の違いはなんだろう。 失った過去は二度と手に入らないが故にうつくしく、 苦しい記憶を経てきたと思い難い防御本能故に ある程度の痛みならば無かったことになる。 狩人はどうして白雪姫を助けたのか。 見返りも求めずに? 憐憫のただひとつだけ? ────狩人に恋すれば白雪姫は死なずに済んだのに。 りんごは落ちない。 死ぬ" かもしれない "未来から助けたひとよりも 既に骸となった自分を救った王子を選んだ姫。 どうして死して尚、 狩人の救済の尊さを覚えなかったのか。 説明がつかないことを、恋と呼ぶ。 ] (*105) 2024/05/09(Thu) 23:03:04 |
【赤】 従業員 ルミ……終われそう、じゃないの 終わらせるの────お兄さんを好きな気持ちごと。 全部、この家で あの公園を見れる場所で、思い出すら消えるくらいに。 [ 随分と口も回るようになったらしい。 あの薬は効果こそ覿面だったけれど、 害さぬよう与えるとなれば時間はこんなものか。 ] ……幻滅できるなら、とっくにしてる。 [ 貴方が見知らぬ女を抱いた日に。 わたしを忘れて楽しく毎日を過ごす様子に。 所詮そんなものか、と手離せる愛ならそうしてる。 出来やしないから、心ごと殺すんだ。 ] (*106) 2024/05/09(Thu) 23:03:08 |
【赤】 従業員 ルミ[ ぱち、と目が瞬く。 ] …………ああ。そっか。 わたし、目的を達成した後の自分のこととか あんまり考えてなかったや。 心を殺せば、自分は死ぬのと同じだと思ってた。 お兄さんには、与えた傷と一緒に生きて貰う為に お金を渡すしかないと思って、慰謝料、用意したの どうせ生きてる意味もないなら いつ死んだって同じだし──── [ 新しい発見を得たというように頷いた。 言うことを聞かないなら死ぬと脅した時はただ、 善良な人間なら 目の前で人が死ぬのは嫌だろうと思ったのだ。 そこに期待がなかったといえば、嘘になるけれど ] (*107) 2024/05/09(Thu) 23:03:37 |
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