人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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視点:


【人】 従業員 ルミ

 


  ………………ひどいひとだね、お兄さん


[ 小さな呟きは、風だけが聞いている。
  貴方の耳にはきっと届かない。 ]

 
(48) 2024/05/06(Mon) 1:09:47

【人】 従業員 ルミ

 

  うん、元気だったよ。
  雷恩お兄さんも元気そうでよかった。
  送ってくれるのも嬉しい、ありがとう。

  "偶然"会ったのがお兄さんで良かったぁ。


[ 仕組んだ必然の再会のもとで、わたしは笑った。

  言い分を疑いもしないその善良さに付け入って、
  わたしは今から運命を手にする。
  二度と忘れられないくらいに痛烈で
  一生他の女に移ろえない程の傷痕を残すの。

  蜘蛛の糸にかかった蝶の末路、知ってるでしょう? ]

 
(49) 2024/05/06(Mon) 1:09:51

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ どいつもこいつも都合よくわたしを消費していく。
  短期間でわたしを捨てていく。

  他のキャストに指名替えしたあの客も。
  金が必要な時だけ呼び寄せてきたあのホストも。
  自分は他の男とは違うと言って寄って来た男も。

  その優しさや温もりに救われたことは一度もない。
  わたしが掬われたのは、お兄さんにだけ。

  小さな生き地獄以外の世界を見せてくれた。 ]

 
(-6) 2024/05/06(Mon) 1:10:12

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  [  ────ねえ、これって運命でしょう?  ]


 
(-7) 2024/05/06(Mon) 1:10:21

【人】 従業員 ルミ

 

  ……えっ。
  お、おんぶ? い……いいの?
  重い……かも、だけど……。


[ てっきり肩を貸すか、腕を掴ませるだとか。
  そんな支えを考えていたけれど、
  リュックを前で抱えた彼はおんぶをしてくれる気らしい。

  しゃがんだ大きな背中に少し動揺して、
  それからえい、と身を預ける。

  ──今までの彼女にもこんなことをしたのかな。
  "女"として見ていれば、おんぶは選ばないかも。
  そんな想像と考えがぐるぐる巡って、
  回る度に心がちくちくとささくれ立つ。

  優しさに喜ぶ自分と、可能性に憤る自分の二律背反。
  かさぶたに貴方の温もりという薬を塗る。 ]

 
(50) 2024/05/06(Mon) 1:10:25

【人】 従業員 ルミ

 

  実家、出たの。
  あの公園がね、ベランダから見えるとこ住んでるんだ。

  えっと、まずはこの道真っ直ぐ──


[ 公園の近くというわけではない。
  上層階からならベランダから遮蔽物なく見下ろせるのだ。
  彼の実家からも近すぎない距離に家を借りている。

  ここからならおんぶでも五分もかからないだろう。
  人気の少ない道を、二人で進む。 ]

 
(51) 2024/05/06(Mon) 1:10:28

【人】 従業員 ルミ

 

[ やがてマンションのエントランス前まで到着すれば、
  彼の服をすこし引っ張って意識を向けさせる。

  道中ではどんな話をしただろう。
  近況報告か、あるいは昔話でも交わしたか。
  いずれにせよ、わたしは「あのね」と話を切り出し ]


  せっかく久しぶりに会えたんだもん。
  少し上がっていってほしいなって。

  ……だめ、かなぁ?


[ すこし弱々しい声音で、わたしは首を傾いだ。
  再会をここで終わらせたくないと言うように、
  ────或いは蟻地獄の入り口で手招くように。** ]

 
(52) 2024/05/06(Mon) 1:12:28

【人】 従業員 ルミ

 

  え、


[ 幼い頃の自分は、随分と話下手だったと思う。
  家にいてもどこにいても誰かと会話することもなく、
  常に下を向いて生きていたから。

  だから最初に話しかけられた時も、目を瞬かせて
  視線を落ち着きなくうろつかせた記憶がある。
  差し出されたアイスの片割れ。
  もう二度と元の形には戻れない、分かたれた半分。 ]


  ……あ、あり、がとう。
  ぇと……

  る、ルミはね、名前、ルミっていうの……!
  …………これで、しらないひとじゃなくなるかな……?


[ 知らない人に、と彼が呟いたのを聞けば
  殆ど反射で自分の名前を口にした。 ]

 
(64) 2024/05/06(Mon) 21:18:21

【人】 従業員 ルミ

 

[ 初めて口にしたアイスは冷たくて、甘くって。
  頭がすこし痛む感覚に目を瞠り、
  自分より大きなお兄さんが教えてくれた
  新しい世界に胸を弾ませた。

  それがどんな切欠で生まれたものでも。
  そこにどんな理由があったとしても。

  わたしが優しいと思えば、それが正しい。
  わたしが愛だと思いこめば、それが、 。 ]


  ( ともだち、 )


[ 家に帰れと言わない彼が好きだった。
  びしょ濡れの子どもなんて厄介物件を連れ帰られても、
  温かいお風呂と飲み物を用意してくれる彼の母が
  どうしようもなく羨ましくて、あたたかくて。 ]

 
(65) 2024/05/06(Mon) 21:18:25

【人】 従業員 ルミ

 

  ……ありがとう、雷恩お兄さん!
  ともだちって言ってもらえたの、初めて。
  あと、お兄さんのお母さんも…ありがとうございます。

  めいわくかけて、ごめんなさい……。


[ けれど自分だって、幼いながらに理解していた。

  いかにも訳アリと言った風情の子どもとはいえ、
  よその家に甘え続けられはしないこと。
  笑顔の下が、本当に笑顔とは限らないことも。

  もっと、早く大きくなりたいな。
  お兄さんの隣に立ってもおかしくないくらいに。
  ひとりで自分の面倒をみられるように。

  そうすれば、迷惑かけずに一緒にいられるよね?
  そうなれば、胸を張って好きって言えるかな。 ]

 
(66) 2024/05/06(Mon) 21:18:30

【人】 従業員 ルミ

 


  ねえ、お兄さん。
  大きくなったら、もっといっしょにいてくれる?


[ きっとそれは、ありふれた子どもの夢見事。

  彼の優しさという薬を飲み
  彼の温もりという蜜を呑み
  これが愛だと信じ込んだ幼い子どものよくある話。

  ──現実はおとぎ話のように優しくないのに。 ]

 
(67) 2024/05/06(Mon) 21:18:33

【人】 従業員 ルミ

 

[ 年を重ねるごとに二人は大人に近付いて、
  日を追うごとにわたしたちの距離は離れていった。

  制服を着るお兄さんに「かっこいいね!」と言っても、
  公園で話そうとしても、逃げるように去ってしまう。
  分かってた。
  子どもを家に上げ続けることは出来ないって。

  勝手に傷を癒して、勝手に消えていくひどいひと。
  どうしてわたしから距離を置くのかすら教えてくれず、
  厄介者みたいに話すら切り上げて。

  ずっとずっと待ってたよ。
  あの公園で、お兄さんが来てくれるのを。


  わたし、そんなに簡単に消えてしまえる存在だった? ]

 
(68) 2024/05/06(Mon) 21:18:37

【人】 従業員 ルミ

 

  そうかなぁ。恥ずかしい?
  じゃあ、雷恩さんって呼ぼうか?

  ……わたしが呼び慣れないかもだけど。


[ ああほら、また。
  お兄さんだけがわたしとの日々を過去にしてる。
  わたしが口にするまで、呼び方すら忘れてたの?

  何もかもに心がささくれ立って血を流す。
  恥ずかしそうに緩んだ頬すらわたしを刺激して、
  声が震えないよう抑え込むのに必死だった。
  顔が強張った理由は察せないけれど、
  今この場で聞き出そうという気にはならない。 ]

 
(69) 2024/05/06(Mon) 21:18:42

【人】 従業員 ルミ

 

  あはは。うん、そうだね。
  悪いことを考える人もいるんだろうなぁ。

  ……ほんと、会えて良かった。


[ だって、悪い人はわたしだから。 ]


 
(70) 2024/05/06(Mon) 21:18:47

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ 蜜を食んで育った蜘蛛は、
  日常の色を連れてやってくる。 ]


 
(-11) 2024/05/06(Mon) 21:18:50

【人】 従業員 ルミ

 

[ 社会人が受けるような研修を受けていない女には、
  セクハラ案件がどうこうといったことには無知だ。
  彼の口から出る言葉たちが、
  そういった配慮の元成り立っているのを知らない。 

  しっかり掴まってろ、という言葉に従って
  彼の背中へ身体を預けた。 ]


  ……ふふ、あったかいね。


[ あの頃と変わらない温もりに頬を緩める。
  それから、「町を出なかったのか」と呟く彼に
  短く「うん」とだけ答えて。

  吐かれた溜息に、ぴく、と肩が揺れた。
  ──それがどんな色を孕んでいるか分からなくて。 ]

 
(71) 2024/05/06(Mon) 21:18:54

【人】 従業員 ルミ

 

[ 道中の会話は全て、もう既に知っていることだったけれど
  真新しいものを見聞きするように話を聞いた。

  自分の話はあまり口にしない。
  ひとつの話題を深堀するように聞き役に回り、
  SNS越しに握った情報を固めていく。
  彼の好きなビールは、既に今、家にある。 ]


  住んでないよ。一人暮らし。
  ……でも、お兄さんならそんなことしないでしょ?


[ ああ、いっそ「その気」になってくれれば早いのに。
  彼の歴代の恋人たちと自分、一体何が違うのか。

  頭を撫でる手付きの上手さすら気に入らない。
  他の女に同じことをしてきたと分かるから。 ]

 
(72) 2024/05/06(Mon) 21:18:57

【人】 従業員 ルミ

 

  …………うーん、でも……。
  休日以外は夜営業しかやってなくって。
  普通のカフェとはまた違うというか……


[ 店に客として、なんて起こってしまえば
  彼が他のキャストに目移りする可能性だってある。

  それに、ただ可愛い服のカフェというわけではない。
  売れるために、稼ぐために色々な営業がある。
  ────見られて幻滅されてしまうのがオチだ。 ]

 
(73) 2024/05/06(Mon) 21:19:01

【人】 従業員 ルミ

 

  どうしても、だめ?
  このままひとりで家にいるのも心細いし……

  ……他に頼れる人もいなくて……。


[ 何より、なりたいのはそんな関係ではない。

  客と店員。顔なじみ。──そんなものじゃない。
  もっと特別で、唯一の、なにか。

  そんな狙いを孕んで、わたしは彼の手を掴んだ。* ]

 
(74) 2024/05/06(Mon) 21:21:52

【人】 従業員 ルミ

 

[ みんなが" ライ "と呼ぶと聞いてから、
  なんとなく、同じ、は嫌だなと思っていた。
  遠足で揶揄われたから、という彼に ]


  あのどうぶつ……?

  うぅん……ルミわかんないけど、やなら、やめる。
  でも、ルミはおにいさんの名前、からかわないよ。


[ 幼い少女だった頃は、そんな動物一匹も知らなかった。
  だから連想される生き物なんていなくて、
  " 雷恩 "の響きは彼だけのものだった。

  春が過ぎ、夏が消え、秋を失い、冬が枯れて
  わたしたちは時間と共に大きくなる。

  同じ学校には通えなかった。
  けれど、この辺に住んでるなら、と言った
  あの日の言葉だけは愚直に信じたままだった。 ]

 
(82) 2024/05/06(Mon) 23:29:19

【人】 従業員 ルミ

 

[ 小学校は、三年生からようやく通えるようになったけれど
  その頃には彼は卒業してしまっていた。
  クラスメイトにも遠巻きにされ、
  気まずくて居づらくて、結局通わなくなって。

  それでもずっと公園に通い続けた。

  遊ぶことも誰かと話すことも出来なくなり、
  彼が姿を見せなくなっても、ずっと、ずっと。
  時折遠くのベンチの近くに座る姿を見たことがある。

  開いた距離が、彼の答えの証明だった。 ]

 
(83) 2024/05/06(Mon) 23:29:32

【人】 従業員 ルミ

 

[ ────中学生にもなれば、自分で稼げるようになった。

  眠らない街。
  ネオンで真夜中も輝き続ける夜の世界に飛び込んで、
  初めて自分の市場価値を知った。

  彼を忘れたくて。
  もう一度誰かに愛されようと、大事にされようとして、
  気付けば未成年でも働ける非合法の店で働いていた。
  愛想よく、好きだと振る舞えば堕ちる客。
  他に好みの女がいれば身勝手に離れていく。
  客から稼いだお金を他の男に流すだけの生活。
  金を渡した時だけ、都合よく構えるペットなだけ。

  どいつもこいつも対価を渡して初めて成立する関係
  ──フェードアウトするたびに彼を思い出した。 ]

 
(84) 2024/05/06(Mon) 23:29:37

【人】 従業員 ルミ

 

[ 対価も見返りもなくわたしを救ってくれたお兄さん。

  ──────なにもないから嫌になったの?
  お金があればいいのかな。
  わたしがかわいくなれば、いいのかな?

  なにもないわたしに優しくしてくれたなら、
  何かを持ったわたしになれば、愛してくれるよね。 ]


 
(85) 2024/05/06(Mon) 23:29:45

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ 公園に来ないわたしを忘れる選択肢すらも
  奪って、わたしを刻んで、────忘れられないように。

  だって、お兄さんが言ったこと、守ってるんだよ。
  このあたりに住んでいればって
  あの時確かに、そう言ったよね。 ]


 
(-14) 2024/05/06(Mon) 23:29:52

【人】 従業員 ルミ

 

[ 危機感持ってくれよ、と呟く彼に微笑んだ。
  ストーカーなんて真っ赤な嘘。
  そんな人が出てくるリスクも高い仕事だけれど、
  そうならないようにお客さんを管理してる。

  好きな食べ物は──……
  お店のプロフィールに書いてあるんだ。
  「半分こできる食べ物」が好き。

  それと、真っ赤で美味しい、甘いりんごも。 ]


  え〜? やぁだ。
  お兄さんを信用したいから、するの。


[ 昔お兄さんが甘くて食べられなかったりんご飴。
  間接キスの知識はさすがに当時はなかったけど、
  お兄さんと同じものが食べられて嬉しかったな。

  あのりんごには、魔女の毒なんて塗られていない。 ]

 
(86) 2024/05/06(Mon) 23:30:20

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


 [ わたしが白雪姫をどうして選んだか、
   仕事も分からない貴方は知らないでしょう?
   ────毒林檎を齧って死んだ哀れなお姫様。

   あの時お兄さんがくれたりんご飴。
   解けない恋の呪いごと呑み込んだ蜜の味。 ]


 
(-15) 2024/05/06(Mon) 23:30:53

【人】 従業員 ルミ

 


[ ねえ、ふたりで一緒にりんご思い出を食べようよ。 ]


 
(87) 2024/05/06(Mon) 23:31:46

【人】 従業員 ルミ

 

  あの、その、……色々。
  部屋はエレベーターで……10階の角なんだけど。

  ちょっと、ここだと他の人に会うかもしれないし……
  中で話しても良いかな。


[ そう言って、わたしは彼の手を引いた。
  エレベーターのボタンを押して、10階──最上階まで。

  単身者向けではない間取りの角部屋。
  丁度、二人暮らしに向いているような。

  ついてきてくれるなら、わたしは部屋の鍵を開けて、
  彼を中へ誘い込む。
  蟻地獄のように、抜け出せない迷路へと。 ]

 
(88) 2024/05/06(Mon) 23:32:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 警戒されては元も子もない。
  急いては事を仕損じる────わたしは馬鹿じゃない。

  逸る鼓動を抑え込み、指先を握り締め、
  彼をソファへ座るように案内した。
  部屋の内装もインテリアも、白とピンクで飾られていて
  住んでいるのがわたし一人だとすぐにわかるはず。 ]


  お兄さん、コーヒー飲む?


[ 本当は冷蔵庫にね、ピーコックブルー、あるんだよ。
  でも今いきなり出すのは違和感を生むでしょう?

  それに、緊張を解くには温かい飲み物っていうじゃない
  ──……真正面から貴方を抑えつけるなんて無謀、
  出来やしないと分かっているから。** ]

 
(89) 2024/05/06(Mon) 23:36:46

【独】 従業員 ルミ

/*
獲物じゃなくて肉食獣って書くの好きだなー
あと蟻地獄は日常の〜ってやつ天才だったあ!活かしたかったけど上手く出来ない〜新規久しぶりだからぶらんく…
(-16) 2024/05/06(Mon) 23:49:10