【人】 秋月壮真[ 「 小学生の子らしいわよ 傍に高校生の子もいたみたい。 」 「 助けられなかったのかしら。 」 「 貴方が近くにいながらどうして……! 」 「 こんな小さい子が可哀想に。 」 「 車道側にいたんですって。 」 「 危ないってわかるだろうに。 」 「 貴方のせいよ。 」 「 お前のせいだ。 」 「 きみのせいだ。 」 あれは誰の言葉だった? ] (368) 2022/10/20(Thu) 3:16:01 |
【人】 秋月壮真[ 学校の帰り道。 小学生の弟の手を引いて 公園でバスケをするつもりだった。 弟と一緒にするバスケは楽しかった。 どんどん上達して 俺と同じ中学で、高校で バスケをすると楽しそうに話してくれた。 青信号が点滅する。 急ごうとした弟を俺が止めた。 次の信号まで待とうと。 運 命 その選択が の 分岐点。 ] (369) 2022/10/20(Thu) 3:16:15 |
【人】 秋月壮真[ 横を見た瞬間 弟の体が飛んだ。 投げ出された、体の形が歪んで 声も出せないまま血が花火のように飛び散る。 全てがスローモーションだった。 音のない世界。 宙に舞いゆっくり落ちていく弟の躰。 何も聞こえなかった。 全ては一瞬だったのだから。 ] (370) 2022/10/20(Thu) 3:16:22 |
【人】 秋月壮真[ 途切れそうな心臓の音。 体が考えられなような方向に曲がって。 それでも俺は弟を抱きしめた。 途切れないで…… 消えないで…… 必死に祈る、けれど──…… 放心なんかしていられない 通報を、救急車の手配を。 止まっていられない。 判断を鈍らせてはいけない。 俺が動かなければ……俺が。 ] 誰が助けてくれるというんだ…… (371) 2022/10/20(Thu) 3:16:28 |
【人】 秋月壮真[ 助けられなかったのは俺のせい 俺の注意が足りなかった。 俺が車道側に居れば ……居れたら。弟はもうバスケが出来ない体になった。 そう医者が淡々と述べた。 生きているだけで凄いことだと。 歩けるかどうかもわからない。 意識が回復するかもわからない……。 ] (372) 2022/10/20(Thu) 3:16:32 |
【人】 秋月壮真[ 弟の病室で何度も謝った 外も中も傷ついてしまった弟 コードに繋がれて……機械音が部屋に響く。 父も母も疲労してしまっている 俺は……。 俺は弟に全部を渡すつもりだった。 足が動かないのなら俺の足を 目が見えないのなら俺の目を 臓器が使えないなのならその代わりを 血が足りないのなら俺の血を 全部使ってくれ、俺が痛さを背負うはずだった 心臓すら渡したって構わない 弟が助かるのなら俺はなんだってやる。 ] (373) 2022/10/20(Thu) 3:16:36 |
【人】 秋月壮真[ 加害者は休み無しの過重労働での 居眠り運転。 世間は加害者に同情した。 被害者に同情していた者も 手のひらを返して叩き始める。 「 小学生なのでしょう?飛び出したのでは? 」 「被害者だからって同情を求めるな。」 「 どうせ金でしょ? 」 「 加害者の金搾り取る家族こえ〜!」 違う、 違う! そんなこと……思ったことはない。 ただ、日常を返して欲しかっただけだ。 それだけなんだ……。 ] (374) 2022/10/20(Thu) 3:17:24 |
【人】 秋月壮真[ バスケットボールに触れられなくなった。 弟がバスケの出来ない体になったと聞いた時から 体が拒絶した。 俺の記憶の弟と二人でしていた バスケの記憶が割れた。 パラパラとガラスのように砕けて落ちて 破片が刺さる。 どうにもならないんだ 俺の力ではどうでも だから願うことは───────……。 ] (375) 2022/10/20(Thu) 3:17:38 |
【独】 帰宅部 津崎絵音/* ああーこれは 近年のネットの加害者への異様な同調同情と被害者への無根拠叩きですね パイセンの文章力もありますがリアルすぎて本当…… (-123) 2022/10/20(Thu) 3:22:40 |
【鳴】 金海 叶冬せなちゃん おはようございます。 今日は少し肌寒いですね、 [ ボクは昨夜、向き合わなかった姉貴分へ ふたたびメッセージを送信しました。 ] (=49) 2022/10/20(Thu) 3:29:11 |
【鳴】 金海 叶冬せなちゃん。 ボク は [ 或いは、ボク"も"、になるのでしょうか ] みんなにボクのこと 忘れてさせて どこかに消えてなくなってしまいたい と、ボクは願っています。 [ きっとずっとずっと眠らせていた ]幽霊が囁く甘ごととボクは手を繋いで (=50) 2022/10/20(Thu) 3:30:11 |
【鳴】 金海 叶冬ボクは そんなボクが嫌です。 ボクが嫌いです。 変わりたいんだって、ずっと願ってました。 ぜんぜん叶わないけど、 ボクはボクの好きな自分になりたかったです。 [ ずっとずっと眠ることがなかったはずの 魔法のランプの願いと、ボクは手を繋いで (=51) 2022/10/20(Thu) 3:30:58 |
【人】 秋月壮真─ 回想:2day: 午後教室(健人) ─ [ 眠りの王子は荊の森 触れれば手が切れ血が滲む。 たとえ荊の森の中に君がいても 俺は荊を掴んで君を奪いにいくよ。 さて、俺は君の王子になれるかい? それとも従者かな、 姫……? 言っておくけど 姫は冗談だからね。 ] (378) 2022/10/20(Thu) 3:50:23 |
【人】 秋月壮真[ メッセージの返信を見て 消しゴムを人質ならぬ 物の質にされてしまった。 これからの授業に書き損じは許されないという プレッシャーがかかったのは言うまでもなく。 ] (380) 2022/10/20(Thu) 3:51:44 |
【人】 秋月壮真やっぱり二択だったじゃないか 君も嘘はつけないのだな 健人のこと考えた 君なら何を願うか でも考えれば考えるほど 知らない君が見えてきた 君は隠すのが上手いな でも、俺は君がなんとなく ”兄”なのだろうなと思っていたよ そうか、決めたのか……君は (383) 2022/10/20(Thu) 3:52:40 |
【人】 秋月壮真[ 弟か妹か。 いるのだろうなとは思っていた。 一人っ子みたいに自由奔放で、 でも面倒見が良い健人。 でも俺がわかったのはこれだけだ。 確かめてもいない言うならば 同じ兄だからわかったこと。 ] (384) 2022/10/20(Thu) 3:52:49 |
【人】 秋月壮真さよなら ……するわけないだろ [ 健人の肩を掴んで引き寄せる。 体同士が密着して 抱きしめたことが君にもわかるはずだ。 ] もっと早くこうしていたら良かった 今はもう君の顔を俺は隠せるよ 情けない顔していいんだ 俺に縋って……泣いてもいいよ 俺は逃げないよ 健人から、君の過去から [ なんで話してくれなかったのか。 そう思う心はきっとお互い様になる。 ] (386) 2022/10/20(Thu) 3:53:13 |
【人】 秋月壮真教えてくれてありがとう 俺に話すのも勇気が必要だったろ? 人の命って重いんだ 想像してる何十倍も 自分の命の重さと全然違う 君は抱えてた 君の弟の分の命を一緒に (387) 2022/10/20(Thu) 3:53:25 |
【人】 秋月壮真 俺は、君が逃げる選択肢を 選ぶとは思えないんだ でももし逃げる選択肢を選んでいたとしても 君は疲れてしまったのだと 俺は君を否定はしないよ 幽霊の言葉に心は揺れた? 逃げないで 消えないで 消さないで 俺に君を頂戴 君の罪ごと君を奪いたい 過去を知ってもこの思いは変わらない (388) 2022/10/20(Thu) 3:55:26 |
【人】 秋月壮真でも、そうだな…… 俺が提案しようと思ったのは 君の願いの代償を 俺に全部移してもらおうと思ったんだ 君が不運を消したいのなら 俺に移してくれていいし 君が忘れたい、記憶を消したいのなら その消した記憶を俺に植え付けていい 君が消えたいのなら 俺も一緒に消えるよ 俺は君に逃げるなって言いたくて…… 逃げても変わらないんだ現実って だから 俺を頼れって言いたかったんだ 幽霊の願いみたいに なんでも叶えてはあげらる訳じゃないけれど 半分くれただろ?君の寂しさ 俺の半分も君の中にある (389) 2022/10/20(Thu) 3:56:12 |
【人】 秋月壮真[ 抱きしめていた力は変わらず 君が顔を上げるなら 俺は額同士を合わせて 熱を交換しようか。 ] 俺も健人に応えるよ このまま、聞いてくれるか? 俺の願いは ”弟の怪我を全て俺に移してほしい” (390) 2022/10/20(Thu) 3:56:53 |
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