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【秘】 鳥葬 コルヴォ → 情報屋 ロッシ/* 窓が多くてびっくりしました。やった〜〜〜〜。 そういえば一日目は幽界の歪みがないから青発言があっても見えないんだった こっそりなんか置いておこうかな…… 幽界トークがあるので、狼や妖精には一日目時点で見えそう。どうだろう。 どのみち二日目以降は遡る人にはバレバレなので、誤差と言えば誤差。それはそう。 運営宛てには更新24h前までにお知らせ必須、承知しました。 二日目以降は連絡を忘れないように追加でお祈りをお願いします。 ほか、もろもろ了解しました。お祈りありがとう。ちゃおちゃお〜 (-155) 2022/08/09(Tue) 20:28:54 |
コルヴォは、ヴェネリオが上げた片手に一瞥だけを返した。 (a7) 2022/08/09(Tue) 20:55:42 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 喧騒の外れ、船や人の出入りの活気もやや過ぎた頃の港。 埠頭に立つ人影は相も変わらず喪服じみた黒一色で、 けれど仕事中の重苦しいものよりかは幾らか異なる様相をして。 髪は結い上げ、黒いシャツにスラックス、それからサマーコート。 比較的には、軽装だ。 「こんな日には、鷗だって鳴きやしない」 それでも、ほぼ顔半分しか露出が無いような格好に変わりは無い。 手袋に覆われた手が汗で張り付く前髪を鬱陶しそうに退けて、 心底気怠げに、殆ど溜息のように独り言ちた。 誰かと楽しくお喋りする気分でもないが、追い返す気もしない。 「くたばっちまったのか、或いはただ餌に夢中なだけか ……まあ、何でもいいか」 不意に視界の端を、港に住み着く黒猫が横切って。 今は亡きボスの愛猫は、 殆ど主人にしか懐かない、実に賢く情深いものだった。 そんな事をふと思う傍らに、煙草の灰をまたひとつ落とした。 (31) 2022/08/09(Tue) 21:54:02 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>35 フィオレロ 「Il cane morde sempre lo straccione.」 靴底が立てる音、どこか軽薄さを感じさせる声色。 不意に聞こえたそれに視線を向けもせず、 紫煙を吐き出すついでに、明後日の方へ言葉を放った。 「そう言うあんたはどうなんですか、フィオレロさん?」 問いが指すものは、忍耐か、はたまた"父"への愛か。 そう問い掛けると同時に、漸くそちらに顔を向けて。 浮かべる表情は、実に冷笑主義的なニュアンスのもの。 「何もかも、日毎夜毎変わっていくってのに 息苦しさと、堅苦しい決まり事だけは変わりやしない。 規律だ何だと、必要な事なのはわかっていますけどね」 趣向を変えた煙には、今更何を言う事も無く。 形ばかりに返るのは、心にもない言葉だけ。 ボスの死によって変わったのは、この掃除屋も例外ではない。 以前は少なくとも、今よりは他人行儀ではなかった。 皮肉交じりを身内に向ける事だって、滅多にある事ではなかった。 「あそこにあの人が居たら、何て言ったでしょうね? もしも身内の裏切りを疑るあまり、内部崩壊でもしたら?…… ──それしきで終いなら、その程度のタマだったって事だ。 そんなところじゃあないかと、俺は思いますけどね…」 (40) 2022/08/10(Wed) 0:06:58 |
【墓】 鳥葬 コルヴォ夜半。暗い路地裏を、硬く、鈍く、重く、靴底が打つ。 祭りの喧騒の裏側で、葬列が墓場を歩むように、ただ粛々と。 「──掃除屋が死体を作るなんざ」 「世も末だと思いませんか、あんたも」 答えは返らない。 端から答えを求めてもいない。 見下ろす眇目には、生者への情は無い。 「……家族が?へえ、そりゃ知らなかった…」 「で、あんたが浅はかな事仕出かす前に 顔を思い出せもしなかった程度の家族が、何だって?」 ──乾いた銃声が、ひとつ。 (+0) 2022/08/10(Wed) 1:00:26 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>44 フィオレロ 「ああ、いいね。 海に突き落として、そのまま沈めてくれたらきっと 俺の悩みも、あんたの悩みも幾らか解決するんじゃないですか」 やはりと言うべきか、乾いた笑いと共に並ぶ言葉は淀みなく。 帰らない鳥の行く末を追う事はせずとも、 その視線の先、続く言葉が指すものはわかっている。 「他者を特別嫌いに思った事が無い。 無関心なら、同じではなくとも、そう変わらないでしょうよ。 そうでないなら、違いますね。」 あんたの思想は知ったことじゃないので、同じかは知りません。 そう言いたげに、煙草を持っていない方の手を軽く揺らした。 「それにしても、随分今更じゃありませんか。 いつからそんなに面倒臭い人になったんですか? あんたの事は、前からそう呼んでいたじゃないですか。 ただの掃除屋ごときが、呼び捨てになんかできませんよ」 前からそう呼んでいた。それは確かな事実のはずで。 けれど仕事の外では、そうではなかった。 つまりこれは、仕事の外である今は通らない理屈でしかない。 何よりも、面倒臭いなんて、人の事を言えた義理ではない男だ。 (49) 2022/08/10(Wed) 1:54:19 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → イル・マット フィオレロ「ああ、いいね。 海に突き落として、そのまま沈めてくれたらきっと 俺の悩みも、あんたの悩みも解決するんじゃないですか?」 これだけは、嘘の無い言葉で。 「他者を特別嫌いに思った事が無い。 無関心なら、同じではなくとも、そう変わらないでしょうよ。 そうでないなら、違いますね。」 これは、心にもない事でしかなく。 「それにしても、随分今更じゃありませんか。 いつからそんなに面倒臭い人になったんですか? あんたの事は、前からそう呼んでいたじゃないですか。 ただの掃除屋ごときが、呼び捨てになんかできませんよ」 心にもない事に、半分だけ事実を混ぜたもの。 幾つか心にも無い事を並べ立てて、答えをはぐらかしている。 暫しの空白があったとはいえ、以前を知るあなたなら気付く余地はあるはずで。 けれど或いは、その暫しの空白が、変わってしまった環境が。 それを単なる心境の変化によるものと錯覚させる事もまた、仕方のない事。 (-181) 2022/08/10(Wed) 1:57:34 |
コルヴォは、この日の夜、鉈と鋸を二本だめにした。 (a11) 2022/08/10(Wed) 2:13:37 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオその日のいつかの時間、何処かでの事。 「ヴェネリオさんは今何処に?ああ、そうですか…」 アジトで適当な構成員に問うのは、ある上司の所在。 準構成員が幹部にそう会えるものでもないだろう。 仕事に関する要件でなければ、なおのこと。 都合が合わなければ、日を改める事になる。 運良く出会す事ができたなら、要件は簡潔に告げられる。 「──あんたの持ち込んだ死体について、 聞きたい事があります。とはいえ…」 「掃除屋が依頼主に『ゴミ』の出処や詳しいわけを聞く事が ご法度だってのは、俺だって弁えてはいます」 「つまるところ、あんたがコルヴォ・ロッソを これからも所以の怪しい死体の始末に使うつもりなら。 まあ、俺は止めやしないって事です」 その死体が、アルバの者ではない事に思う所があっただけだ。 場合によっては掃除屋の立場に関わる事ではあるけれど、 こうして出向いた理由は、実に個人的なものに他ならない。 つまり、あなたが黙秘を選ぶなら、この話はそこで終わりだ。 (-184) 2022/08/10(Wed) 2:53:21 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ烏はその所以など気にもせず、ただ喰い余りの屍を啄むだけ。 シチリアの神話の烏のように、約定を違えない限り鳴かずに居た。 それゆえにコルヴォ・ロッソは今日まで生き残って来た。 たとえ愚昧であっても、一度たりとも出過ぎた真似はしなかった。 それが今になって、ゴミ袋の中からゴミを引き摺り出し、 喧しく鳴き立てるような真似をしている。 どのような心境の変化によるものかは、定かではない。 「謙虚なばかりでは、巣は守れんでしょう」 実に心にもない言葉だ。 死体の所以が掃除屋、ひいてはノッテに都合の悪いものであっても 仮にこの詮索が、自らを死に追い遣る事になったとしても。 実のところは、どうなっても然程構いはしないのだ。 「たまたま悪くなっていたものを食ったんだか、 或いは最初から食うべきでないものだったのか。 わかったもんじゃありませんが、まあそんなところです」 「だもんで今は、"烏"は芥溜に置いて来ましたよ」 必要なら取ってきますがね。続く言葉が言外に示すのは、 少なくとも責任だの何だのを追及したいわけではないという事。 (-193) 2022/08/10(Wed) 5:06:20 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ何れにしても、向けられた背を追わないという事は無い。 一人であっても重々しい葬列のように、数歩後ろを付いて歩く。 その傍らに、半ば独り言のように言葉を転がして。 「俺はあの人の事は信用しています」 「あの人が傍に置いていた、あんた達の事もね」 停められた一つの車の前へと着けば、 開かれた扉を一瞥したのち、気後れもせず乗り込んだ。 世迷い言、実に結構。 これもまた、単なる死に損ないの譫言だ。 何を気にする事も無いものだ。 (-194) 2022/08/10(Wed) 5:09:02 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ結句部外者に過ぎないアソシエーテは、血の掟に縛られない。 路地裏に捨て置かれた子どもは家族を知る事無く育ち、 恩義はあれど、ゴミ溜めに神は無く、信仰があるはずもない。 つまりは死者に捧げるものなど初めから持ち合わせてはいない。 「何も。俺の考えてる事は、初めから変わっちゃいませんよ」 今更後を追うつもりになった、なんて滑稽な話があるものか。 強いて言うのなら、この掃除屋の心の在り処は常に死にあった。 死んでいないだけで、生きているとも言い難いこの死に損ないは 掃除屋という道を選んだ時には既に死ぬつもりで居た。 そして、これからも。 「ただ俺という死に損ないが、 自然な形で、正しく死体になる時を待っているだけだ。 恩や死んだ人間を大義名分になんかしやしませんとも。 くだらない自殺願望に人様を付き合わせるつもりもね……」 葬式じみて陰のある声色は、いつも通りの事でしかない。 座席に体重を預け、眇目がそちらを見遣れど警戒の色も無く。 行き先なんて気にもしない。黒鉄に手を伸ばすのは、 殺意を見せなければ話が進まないと判断した時だけだ。 (-210) 2022/08/10(Wed) 16:38:00 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「頼まれでもしなければ、の話にはなりますがね」 頼まれもしていないのに、勝手に死ぬほど考え無しでもない。 それがたとえ炉端の石のような身元不明者一人であっても、 裏社会の末席に連なる者が死んだという事実が残すものは 形があるにしろ、無いにしろ、何れも実に厄介なものだ。 「ボスに惚れ込んだ方々を、悪く言うつもりはありませんが。 俺は餌や情欲しさに動くわけじゃありません。 何もかもただの自己満足だ。あんたは違いますか?」 とはいえ、些か身の振り方に迷っているのも事実ではあった。 だから、良い紹介先があるなら聞くだけ聞きますよ、と。 そう続けはして、けれど。 「俺はボスのガキでも、あんたのガキでも、ペットでもない。 ただの使い走りだ。面倒を見る必要なんか無いでしょう。 あんたは俺を都合良く使えばそれで良いんですよ」 冷笑に言葉を乗せて、自らその先をつぶした。 それを敢えて拾い上げようとするのは、人の勝手だけれど。 死に損ないに斡旋する先は、地獄だけで十分だとも。 (-212) 2022/08/10(Wed) 16:38:59 |
【独】 鳥葬 コルヴォ/* 嫌いなもの:死に損ない は自分も含む〜〜!!! 俺〜!!!!俺俺俺俺〜!!!!!! もうだめだ 隠れる気がない 終わりだ全部 (-213) 2022/08/10(Wed) 16:43:47 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>58 フィオレロ 「ハ、流石、俺の悪運の強さをよくご存知だ」 「だってのに、俺だけが死んで自分だけが生きている そんな未来を想像するってのは、おかしな話じゃないですか」 何か上手いやり方でも見付けましたか。 答えに期待してもいない言葉を実に無関心そうに投げ掛けて、 自分の代わりに海へ投げ込まれた煙草を視線だけで見送った。 「どうせカラスどもは幾らでも替えが利く。 面倒臭くて結構、そのまま嫌ってくれたらもっと良い」 視線を戻し、無益な問答がただ続く。問いの意図はわかっていて、 敢えて答えにならない答えを返している。 そうして続く言葉の後には、少しの間。 恩赦を受けた煙草を喫み、煙を吐き出すまでの数十秒。 もう随分短くなっていたから、海に沈もうと気にはしなかったが。 (63) 2022/08/10(Wed) 18:36:35 |
コルヴォは、それ以上を言うつもりは無い。少なくとも、今この場では。 (a17) 2022/08/10(Wed) 18:38:56 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ結局の所、あなたが何を聞いていても、聞いていなくても。 死に損ないには、どうだって構わない事だったのだろう。故に、 自分の話は続けない。全ては時間潰しの他愛無い話でしかない。 元より人様に語るほどの過去も無い男だ。 「Sì. あんたが俺に話す事がそれだけだってなら、 俺への答えはそれで十分です」 そして、今更誰かの世話を焼くような立派な人間でもない。 初めて仕事を寄越された日も、余計な事は一つとして言わず 床に転がされた『ゴミ』を一瞥して、ただ頷いた。 それが明らかに私用で発生したものであったとしても。 丸一晩を費やして、 切り分けられた屍肉を小さな火葬炉で何回にも分けて灰にした。 そうして死体を綺麗に始末してしまった。 これまでに積み上げられて来た死体もきっと同様に。 「言われずとも、コルヴォはあんたの足元で 死ぬまでは、黙って転がってくるゴミを啄むだけですとも たとえそれが、身内のものであったとしてもね…」 どちらが、とは言わない。 誰が死に向かっていたとて、きっとこの掃除屋は気にもしない。 あなたの周囲は、そうもいかないだろうが。地位を得るとはそういう事だ。 死体の出処や所以だってそうだ。 無駄な仕事を望み好んでしたいわけでもないが、 それが意図された無駄なら、別にそれで構わない。 (-239) 2022/08/11(Thu) 5:53:18 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「とはいえ、身内の死体を処分するなんてごめんです。 極力は誰だってそうでしょう。死体が必要無いなら、 くたばったって誰に手間を掛けさせもしませんよ。 あんた、烏の死骸を見た事がありますか?」 答えはきっと否だろう。 烏同士は目を啄かないが、仲間が屍となれば共食いをする。 死んだ後には、何も残らない。 そうでなければならない。 「まあ、この頃は掃除屋が死体を作る事も少なくはないですが」 「後片付けを適任に回すあんたなら、 そんなもの、余計に見る事は無いでしょうね」 自ら投げ掛けた問いを、乾いた声音が一笑に付した。 そうして徐に停車した先で、喪服姿はあなたが降りた後に続く。 やはり語るほどの事など何も無い死に損ないには、 酒の力を借りなければ話せないような事など、無いけれど。 何だって建前として必要なら、それでいい。 (-240) 2022/08/11(Thu) 5:53:57 |
コルヴォは、誰かに言った。「身内の死体を処分するなんてごめんです。」 (a21) 2022/08/11(Thu) 5:55:57 |
【独】 鳥葬 コルヴォ/* 地味〜〜〜〜〜〜〜に墓下差分あんま使わない縛りをしてるせいで 代わりに狼差分をめちゃくちゃ使ってしまっている 墓下差分の打点を高める為なので、いいが…… (-243) 2022/08/11(Thu) 6:30:03 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>84 レヴィア 「あんたも同じ運命だなんてのは、面白い事もあるもんですね」 また一人、少女に声を掛けようとした軟派男が 皮肉るような言葉を受けて、そそくさと去っていった。 「Ciao. 何か気になるものでも?」 その後に少女に掛ける言葉は、社交辞令だ。 あなたと何か話すべき事があるわけではないし、 もっと言えば仲良くお喋りをするような間柄でもない。 愛想の無い男は返答が無くたって気にしやしないし、 どうあれあなたが静かに装飾品を眺める事の邪魔はしない。 眩しいショーウィンドウには目を向けず、立ち位置は風下に。 ここで足を止めたのは、ただ一服したかっただけだ。 この奇妙な取り合わせは他者からすれば至極声を掛けづらく、 無駄話を好まない互いにとって、恐らく都合が良いというだけの。 (89) 2022/08/11(Thu) 16:33:47 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>90 レヴィア 「掃除屋にだって、休みの日はあるもんです」 詮無い会話は互いにただ淡々と。 季節外れの黒支度は、いつだって誰かの喪に服している。 静謐な死の気配が重たく染み付いた仕事着ではなくとも。 そして、今に始まった話でもない。 「好きでも嫌いでもありませんね。 人間だって、ただ同じ場所に出入りするだけの人間を 特別好いたり嫌ったりなんかしないでしょう」 こちらもやはり、視線を向けもしないまま。 火を点けたばかりの煙草を一度喫んで、 その後に返る答えは、実に気のないものだった。 「あんたはどうですか」 通り掛かれば、目に留める程度には関心があるのか。 問い返しはすれど、やはり答えには特別期待してもいない。 (91) 2022/08/11(Thu) 18:08:24 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>92 レヴィア 「さあ。結局は全部、『ゴミ』になりますから」 だから興味がないのかもしれませんね。 至極無益な仮定を、実にどうでもよい事のように言い放った。 何れの黒も、夏のきつい日差しの下には不釣り合いでしかなく。 確かな異質さをもって、けれど存在は主張しないまま。 音も無く白昼に落ちた影のように、静かにそこにある。 「──ああ、いいですね」 音も無く、眇目だけが夕闇色の持ち主の立つ側を見返した。 変わらず淡々と肯定されたのは、 姿を消す猫の最期か、それとも後に続いた問い掛けか。 「必要とあらば、いつでも。 うちはどうにも休日出勤や時間外労働が多くてね…」 突然の仕事が舞い込むのは、いつもの事だ。 悪食の烏は、投げて寄越されたゴミを選り好みはしない。 (93) 2022/08/11(Thu) 19:09:25 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「ハ、お優しい事だ。寒気がするね」 吐き捨てたのは、わざとらしいほどの嫌悪感。 人様の隠れ家で、情け深く宥め賺すような言葉にそう返すのは 実に命知らずな行いと言って差し支えないだろう。 事実そうだという事は、言うまでもなく。 屋根無き烏は常々言っていた。『生きてる人間の顔なんて覚えていられない。』 「生きてる奴は嫌いだ。俺は誰のガキでもない。 そんな事をするような連中が、 俺より先に全員くたばっている事を願ってやみません」 死に損ないは、女神にも死神にも嫌われている。 故に、いつも連れ攫われて行くのは周りの人間だった。 自分の不運が誰を殺したと驕ってもいないけれど。 「情も、恩義も、忠誠も、名誉も、結局は墓石にしかならない。 くたばった先で手に入るものなんか、それだけです。 あんたの宗教観や思想がどうだかは知った事じゃないが、 俺は俺の死期を取り返すだけだ。他の何も求めちゃいない」 墓石は要らない。何せ刻む名も無いのだから。 情は要らない。何せ返すものも無いのだから。 死のその先などあるはずもない。無宗教者はそれを信じない。 (-268) 2022/08/11(Thu) 20:07:59 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「死ぬべき時に死ぬ事もできず、 死んだように生き続ける事ほど、悲惨なものは無い」 そうして死に限りなく近い場所で、 けれど死に切る事は許されないまま生かされている死に損ないだ。 まったくもってその通り、これはとんだ悲劇と言えるのだろう。 けれど観客の居ない劇は劇足り得ない。 「奪われたものを、奪い返すだけですよ」 椅子に背を預け、書類を一瞥して、無関心に視線は逸れる。 仕事の前後に肉を食えないような、碌な感性は残っていない。 厚かましくもワインの名を頂く掃除屋の一人は、 それきり何を言う事も無く、ただ細やかな晩餐に相伴した。 そうして今夜も、知られざるままに死が葬られる。 (-269) 2022/08/11(Thu) 20:08:47 |
【置】 鳥葬 コルヴォその昔。 ある一羽のカラスがブドウ畑にやってきて、 毎日うるさく鳴く事に、人々は困っていました。 動物と話ができる修道僧が静かにしてくれるよう頼んだところ、 コルヴォの名前を忘れずに大切にするなら 二度と邪魔をしない、と約束しました。 その後にコルヴォと名付けられたワインは今も人々に愛され、 その約束もまた、今なお大切にされているのです。 「何でもうちはそれに肖って、コルヴォ・ロッソの名を頂いたんだそうで」 「なんてのは当然、今作った話ですけど?」 (L1) 2022/08/11(Thu) 20:11:28 公開: 2022/08/11(Thu) 20:30:00 |
【独】 鳥葬 コルヴォ/* 今回のコラムのコーナ〜〜〜!!! シチリアにこのブドウ畑の烏の話がある事は本当。 掃除屋の名前がそれに由来するのも本当の事。 こいつが捏造したのは、最初からそれに肖ったみたいな言い方した部分だけ。 多分最初は普通に掃除屋をゴミ漁りの烏に喩えた 蔑称混じりの呼び名としてコルヴォって呼ばれてたんだと思う。 そんでまあちょうどいいしそこそこ飲まれてる酒の名前看板にしちまえば 大声で悪くは言えないだろうみたいな感じで、コルヴォ・ロッソに…という話。 (-272) 2022/08/11(Thu) 20:16:13 |
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