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名前 | ID | 生死 | 勝敗 | 役職 |
---|---|---|---|---|
代役 ミィ | master | 襲撃死 (2d) | 勝利 | 村人陣営:村人 村人を希望 |
超絶ハッピー ユメスケ | 66111 | 舞台に居た | ||
アイドル ヒメノ | kotorigasuki | 襲撃死 (3d) | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 村人を希望 |
普通 ナツメ | 榛 | 生存者 | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 凶狼を希望 |
未来の脚本家 アクタ | osatou | 処刑死 (4d) | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 おまかせを希望 |
亡骸のツバメ カミクズ | unforg00 | 処刑死 (3d) | 敗北 | 人狼陣営:凶狼、宝玉 凶狼を希望 |
きみの ツルギ | wazakideath | 処刑死 (5d) | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 村人を希望 |
医者の息子 カイ | DT81 | 生存者 | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 村人を希望 |
『 』の フカワ | toumi_ | 処刑死 (6d) | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 おまかせを希望 |
きみの ユス | もちぱい | 襲撃死 (4d) | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 村人を希望 |
園芸 ハナサキ | shionsou | 生存者 | 勝利 | 村人陣営:村人、宝玉 凶狼を希望 |
美術 エノ | arenda | 処刑死 (7d) | 敗北 | 人狼陣営:凶狼、宝玉 凶狼を希望 |
奇形 メイサイ | つよし | 舞台に居た |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「ナツメさんこんばんは! 今回は希望も取っているみたいだし手早く運びましょうか!」 カフェにて。 初日と同じようにポットを盆にのせて運びます。 (-0) 2022/03/07(Mon) 22:17:04 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「はい、時間までに運んじゃいましょう」 こんばんは、と挨拶を返して。 希望があったもの、適当に見繕ったもの。 あれこれと用意しながら、初日と同じような質問。 「ハナサキさんは何にしますか?」 (-1) 2022/03/07(Mon) 22:44:20 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「えっと」 いつものコーヒーにしようかと言いかけて。 「実は医務室に行こうと思って差し入れを用意したんですけど」 手には大きくない紙袋。 中には一口大のカステラ達。 フカワさんがお詫びにくれた花のかたちと同じもの。 ……なんとなく顔を合わせ難くて持て余していました。 「これに合う飲み物、とか。一緒にどうですか?」 (-2) 2022/03/07(Mon) 22:58:36 |
(n0) 2022/03/07(Mon) 23:02:15 |
(n1) 2022/03/07(Mon) 23:02:32 |
【人】 美術 エノ海の見える場所で。 そのアナウンスを聞いていた。 あぁ、良かった。 これで君が死なずに済むよ、という思いと。 あぁ、やっぱり。 俺が殺さなければ、君は生きられたのに、という思いと。 色々な気持ちが渦巻いて、ただ俯くばかりだった。 「……裁判場に行かないとな。」 飲み物を用意してくれるって、言ってたもんな。 (0) 2022/03/07(Mon) 23:18:18 |
【人】 演者 アクタ───嗚呼、案外、 奇跡なんてものは、身近に落ちている。 呆気ない機械の声が世界に鳴り響いて 悪戯が成功した子供みたいに、にーっと笑ってやった。 「エノ、」 砂浜に腕を沈ませて立ち上がれば もう何の意味もない、バツ印が付いた手を差し出して 「行こう。」 今更端末の通信に気が付いたけれど レモンティの気分でもあるし、砂糖の混ざった琥珀色の気分でもあるから 委ねるように、やっぱり、そのまま、仕舞った。 (1) 2022/03/07(Mon) 23:36:42 |
【人】 園芸 ハナサキ「……あ」 アナウンス。 飲み物、どうしましょうか。 「終わったんですね」 やりたい事も自分の決め方も見つかりました。 なのに。 帰ったらやりたい事、吃驚するくらい見つからなかった。 (2) 2022/03/07(Mon) 23:47:51 |
エノは、親指で君の手を撫でてみたり、ちょっと寒くて、繋いだ手ごと、自分のポケットに入れてみたり (a0) 2022/03/08(Tue) 1:40:35 |
エノは、手が湿る様子に、「苦手だった?」と少し眉を下げて、首を傾げて聞いてみたり。 (a1) 2022/03/08(Tue) 1:41:25 |
エノは、「ちょっぴり田舎の方だ」なんて、揶揄ってみたり。 (a2) 2022/03/08(Tue) 1:42:11 |
エノは、そうして、二人一緒に、会場の扉を開けて、隣同士着席するのだろう。 (a3) 2022/03/08(Tue) 1:42:51 |
アクタは、何かされるたびに立ち止まったり、声を出したり。 (a4) 2022/03/08(Tue) 1:54:57 |
アクタは、「………て、」 「照れ、て…………る」 (a5) 2022/03/08(Tue) 1:55:46 |
アクタは、「煩い、うるさい、……早く行くぞ!」 (a6) 2022/03/08(Tue) 1:56:42 |
アクタは、議論の場に辿り着いて、君の隣に腰を下ろせば、今日は大人しい。 (a7) 2022/03/08(Tue) 1:59:11 |
【人】 不運 フカワ裁判所の外。 中の景色を液晶に切り取りながら、ため息を吐く。 「……彼らはうまくいった?」 「絵乃くんに連絡しなくても……もう、大丈夫か? ……俺のこと忘れた?」 流石にそれはないと思うが、妙に会いに行くのに気まずい空気はある。 ある程度の空気は読めるのだ。 読める発言をしないだけで。 「連絡はしないといけないか……。 なんて、聞こう」 うまくやれましたか? はさすがに、変か。 (5) 2022/03/08(Tue) 2:26:04 |
【見】 奇形 メイサイ「あ。終わった……」 アナウンスを聞いて。 傍聴席にいた僕は溜息を吐いた。 何だかどっと疲れた気がする。候補者でもないのに。 「良かった……」 あの人が提供者にならなくて。 って一瞬思ったけど。 (いやそんな事しに来たんじゃねえし……) すぐにそう思い直して、余計な事しちゃったなあ、と少し後悔した。 票数への介入なんかするつもりじゃなかった。本当に。 本人にだけは伝わってないといいな。 そんな事を思いながら、裁判場に人が集まって来るのを眺めています。 というか、今日は何話すんだろうね。 (@0) 2022/03/08(Tue) 2:41:19 |
【人】 医者の息子 カイ「…………なにが、お疲れ様だ…………」 アナウンスにまで文句を言って、ため息を吐いた。 合議が終了した。命はひとまず助かったと言えよう。 生きてやりたいことがあると散々宣言していた カイにはよろこばしいことだ。 それなのに、浮かない顔をしながら 「…………帰るか」 何の感慨もなく、ただそう呟いた。 もう死んでいい誰かを選ぶ必要がないのなら。 何も変わらない、虚勢と意地だけの人生へ帰るだけ。 (6) 2022/03/08(Tue) 5:05:41 |
【秘】 演者 アクタ → 不運 フカワ『ネタバレ見るのは趣味悪い』 『お前の目で ちゃんと観に来い』 君のおかげ、だなんて言ってやらないけど。 君が灯した奇跡なんだから。 物語の結末は、劇場で。 (-4) 2022/03/08(Tue) 7:40:29 |
アクタは、スマホ端末を置いた。もう画面を見ない。 (a8) 2022/03/08(Tue) 8:06:02 |
【秘】 不運 フカワ → 演者 アクタ『綺麗な話で終わらせたいんですよ』 『鳥籠の中の鳥は 連れ出してくれる王子さまと旅に出て 嘘の約束をした蛇とは会うことはなかった 俺に連絡来ていませんし』 「嘘をここでつくつもりなんてなかったんだけど。 今ならもう嘘つきになっても良いな」 「……これ気にしてるのか? 懐いてた子供がすぐに美形へ目移りした、気分。 ……気にするのか。 ……気にするのか」 わずかな執着と、後悔の味が口の中に広がって。 苦いものを噛んだ気持ちになった。 『俺、そこにいくの嫌いなんで すみませんが、休みます、それじゃあ』 (-5) 2022/03/08(Tue) 13:44:39 |
フカワは、綺麗事を並べた文字と欠席連絡を読まれないかもしれない。 (a9) 2022/03/08(Tue) 13:45:21 |
【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ>>5:-328 #ブランコ 「メイサイさんと出掛けてたんですか。 それならよかった」 「あ、いや邪魔しましたか」 「すみません……あの」 「帰ってからたくさん時間とってください」 申し訳ないと感じたのは一瞬だけ、そのあとは女の子とのブランコを楽しむ時間。 楽しく明るい話でなくとも、俺にとっては充実した時間。 「俺、クーデターでも起きない限り、ここにいる時間も外に出たあとの時間も……どちらも有限で、思ったよりも変わらないなあと思いましたから。 それこそ、場合によっては生き急ぐのも悪くないかと、……自分勝手ですよ、だれしも」 いい、暇潰しだった。 (-6) 2022/03/08(Tue) 13:59:08 |
【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ>>5:-328 >>5:-329 #ブランコ 「怪我するかしないか、賭けてみますか?」 「俺は……俺なら転けますが、君なら上手く行くと思いますよ」 運がないんですよ、酷く。 ずっとないんです、残念ながら。 運が悪いと自覚することなくここまで来ました。 背中を押して、一歩さがって。 君を空に近づけながら、背を押す手をもう一度だけじっくりと見た。 「俺は、やらないで終わる後悔は、 ここでしないと決めたので。 現実で出来ないこと勧める、悪いお兄さんです」 (-7) 2022/03/08(Tue) 14:01:33 |
【独】 不運 フカワ待たせてる誰かの メッセージウィンドウを開いては閉じる。 困った。二度あることはなんとやら。 さすがに三度も振りたくはないのだが。 まだ妙にわからないのに。 やりたくないことはやりたくない。 また彼の話でも聞こうかと、頭を悩ませた。 (-8) 2022/03/08(Tue) 14:24:47 |
フカワは、やっぱり早く埋めておくべきだった。死人に口なし。 (a10) 2022/03/08(Tue) 14:26:22 |
ユメスケは、アナウンスがあった頃には、きちんとモノノ怪ユメスケ。そこにいる。 (t0) 2022/03/08(Tue) 15:38:57 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス無味乾燥なアナウンス。だけどそれはまるで、 俺にとって トロフィーのような重みがあった。ほら、やっぱり!俺は、俺たちは運がいい! 「義徳〜っ!」 たとえ君がどこにいても探し出して、無邪気な子供のように抱き着いて。 心の底から嬉しそうに目を細めて笑った。 「……やったな、俺たちの勝ちだ!つまりさ、いいってことなんだよ。 この 」幸運 は俺たちのものなんだ!…ただの偶然であることもわかってる。 それでもかつて、自分を救った偶然を己の幸運や奇跡として扱われた青年にとっては───大勢の人から認められたに等しくて。 自分たちのものであるかのように、思えた。 (-10) 2022/03/08(Tue) 16:44:08 |
【秘】 規律 ユス → 不運 フカワ『世間一般的に考えて不特定多数の人が訪れる観光施設に血痕があると騒ぎになりますから。 フカワさんが気を遣っていただかなくても俺の想像の中にある施設に血痕はありませんよ。安心してください』 貴方の気遣いがパァになる身も蓋もないことを言う。 『』 それから、入力中が暫く続く。 「は?」 『は?』 珍しく声が出た。言葉の意味がわからない。 『カミクズさん、死んだんじゃないんですか?』 『はあ、そうですか。 なら試してみます』 そう言って、貴方とのやり取りは一旦終わりを迎えたことだろう。 (-11) 2022/03/08(Tue) 16:54:24 |
【人】 剣道 ツルギ>>フカワ 裁判場の外。 一人でいるところを見計らって声をかけた。 「…うまくいきました?」 君が生きているということは、上手くいったということだけど。主観的な感想を聞きにやって来た。 本当にそれだけ。向き合うためとか、そんなんじゃないので。 まあ、どう捉えられても死人に口なしって言うし? 「騒ぎになってない…ってことは隠したんですか。死後の希望も結構汲むタイプなんですね。」 (7) 2022/03/08(Tue) 16:56:01 |
【人】 規律 ユス>>フカワ&……? 任意の時間。合議が終了したかもしれないし、その前だったかもしれない。 『大声で叫べば』 『飛んでくると思います』 意味がよく分からなかった。 遺品だけが置いてあって、不可解な死に方をしていて。ログを遡ればフカワだけが水族館を徘徊している。 素直に考えるならフカワがあの清掃員を殺したということになるし、「隣で〜」という発言も死体をフカワが持っていったのであれば納得できる。 つかれてます、がよく分からないけれど。 だから。 「……メガホン」 呼び出すことにした。 手帳に書き込んで取り出したものを手にする。 ▼ (8) 2022/03/08(Tue) 17:04:05 |
【人】 規律 ユス「カミクズさん、渡したいものがあるので来ていただけないでしょうか。 フカワさんと一緒に。 フカワさんが、叫べば来てくれるって言ってました。 フカワさんと一緒にどうですか」 淡々とした声がメガホンで拡散される──! (9) 2022/03/08(Tue) 17:04:23 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ そのアナウンスを聞いても、青年は眉一つ動かさなかった。それ以外の結果に見向きもせず、当然勝つものだと思っていたから。 賭けに負けていたら? そんなの、決まっている。 ……生きている意味、無いだろう? 「……賭けに、勝ったんだな」 実感は無い。 ……自分一人では。 「っ!」 飛び込んできた体を抱きとめて、その心からの笑顔を真正面から目に焼き付けて。 そこで、ようやく。 「……ああ、そうだな。これは紛れもなく俺たちに与えられた、俺たちが掴んだ奇跡だ」 珍しい景色をこの目で見てようやくこの手に欲しかったものが一つ手に入ったのだと理解する。 揃いの 幸運 に目を細め、貴方を抱き止める腕にそっと力を込めた。 (-12) 2022/03/08(Tue) 17:15:41 |
【独】 不運 フカワ>>-11 「俺も死んだと思っていたんです、それでも」 "不自然"な遺体をみる。 そこには自分の手で殺した仲がよくなった好きな人。 「聞こえるんですよね、彼の声」 VRの空間だ、まだ意識が残っているのだろう。 今考えると違和感がひどい。 それが現実に反映されたとき死亡判定になると聞いている。 本当にもしかしたら、脳死なんて起きないかもしれない一縷の望みはそこにあるが。 前例など聞いたことはないから。 「会話もしたんですよ、だけど」 「それが彼であるかなんて。 わからないじゃないですか」 殺したんですよ、俺。 だから、あの声も都合の良い言葉聞きたいだけなんじゃないかなって。 (-13) 2022/03/08(Tue) 17:17:44 |
【人】 不運 フカワ>>7 ツルギ 「あっ、ツルギ、くん。ですか。 こんばんは。うまくは、いったんでしょうか。 即死は難しかったです、抵抗はされませんでした」 話しかけられてビクッとする、じっさいにあったのは一日ぶり以上だからだ。 人との接触をほとんど避けていて、服も制服を急いできていたからネクタイがうまくできているかわからない。 「騒ぎになってないのは……ううん? ああ、背負って、運んで……埋めようと思ってて。 あまり彼のことは気にしてませんでしたね。 ついでに、女性の方々に見せたくもなくて……燃やした方がいいかと思ったんですが、彼に文句言われちゃって、 埋められたくも燃やされたくもないみたいなんです。 困ってます、一緒に死にたいって気持ち、わからなくて。 ツルギさんとユスさんは、臓器提供者に選ばれたって決まったときどんな話してたんですか? 一緒に死ぬこと考えましたか」 (10) 2022/03/08(Tue) 17:27:20 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ (-14) 2022/03/08(Tue) 17:43:59 |
アクタは、スマホをチラ見。 (a11) 2022/03/08(Tue) 17:51:37 |
アクタは、スマホを机にバァン!!!!!!!!!!!! (a12) 2022/03/08(Tue) 17:51:49 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ『無理ですって』 『人前に出られる見た目じゃないですし』 『渡したいものって言われても、 僕もう触れないんですよ 代わりに行ってきてくれませんか』 『あと叫べば来るってどういうことですか』 いったい何がどうなってそうなったんだ。 返信。 息をしなくていいからこっちの方が楽かもしれない。 今のこの死に損ないにとっては。 (-15) 2022/03/08(Tue) 17:52:02 |
アクタは、フカワにボイスチャットを繋げる。繋がらないなら留守電的なものに。 (a13) 2022/03/08(Tue) 17:52:39 |
【秘】 演者 アクタ → 不運 フカワ「救いようのない、ばぁか!!」 怒声。 「自分のストーリーに酔うなんて、三流以下! 何が蛇だ、王子だ鳥だ、知るか!」 怒声。 「お前は大バカのフカワ! 僕は僕だし、エノはエノ! お前は僕をもてなす約束しただろうが、 破るなんて許さないからな。絶対来い。 足がないなら仕方なく出向いてやっても良いけど!」 机に足を投げ出して スマホに叫ぶ姿は、とても最悪だ。 「後!別にお前に何も言われなくてもな、 元々僕、エノのこと、す、すっ………す、す、 ………好きだと思ってたし!?」 通話終了。 君はこれを無視しても全然良いだろう。 (-16) 2022/03/08(Tue) 17:57:06 |
アクタは、言えた。少し恥ずかしかった。 (a14) 2022/03/08(Tue) 17:57:29 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ『声が届かないと、君はいかないでしょう』 『見た目ぐらいいじってください VRですよ、ここ』 死人に無茶をいう。 死人だと思っていないのかもしれないが。 『じゃあ声だけでも聞かせてあげたらどうですか 隠れながら、扉越しに あなたと話したいんだと思います』 (-17) 2022/03/08(Tue) 18:00:02 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス噛み締めるように、回した腕に一度力を込めて。……少ししたら身体を離した。 ずっとこうしてるのは、流石に緊張しちゃうから。 「これからのことだけど、どうしようか。 卒業まで待った方が動きやすそうだけど…殺した後どうするかなあ。」 海外に逃げるとか色々考えてはいたけど、君の方が頭いいし。 そもそも君といられればどこだって構わないから。 「んー…逃げたり隠したりするより、いっそユスも被害者にしちゃうパターンも考えてはみたんだけど。 ユスは何か考えてる?」 (-18) 2022/03/08(Tue) 18:02:52 |
【秘】 不運 フカワ → 演者 アクタ「好きでも勇気がでなかったでしょう、あの様子じゃ……。 相談のってくれたお礼には行きますよ」 仕方ないなと重い腰をあげ。 やっぱり、どうしようかと悩んだ。 アクタのかわりに臓器提供者になるという、 かなり立派な大義名分がなくなってしまったのだ。 言い訳ができないな。 (-19) 2022/03/08(Tue) 18:04:16 |
【神】 不運 フカワ大分かなりしばらく経ってからフカワは裁判所に訪れた。 話し合うこともなくなったのに、だ。 皆は、お互いの顔をみるためにここにいたのか? すら思っているが、口には出さなかった。 きっとハナサキに怒られると思ったからだ。 「その、あの。誰も臓器提供しなくてすんで。 よかった、ですね。 皆さんは普通に帰りますか? ええと……お疲れさまです。 それじゃあ俺は、あの……もう少し VRを満喫してログアウトするか考えるんで 退席しますね。……あと、具合も、悪いので」 (G0) 2022/03/08(Tue) 18:11:45 |
【神】 不運 フカワ「あ、絵乃くんと、アクタさんは仲良しになれてよかったですね。お幸せに」 「一人いれば、良いですよね」 理解者も、傍にいる人間も。 「絵乃くん。ただいまもどりました。 あとは、彼が埋めてくれると思います、多分。 俺より長生きしますよ」 (G1) 2022/03/08(Tue) 18:14:11 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ『ああ言えばこう言う』 『呼ばれてもないのに行く理由 ないですし』 自分から会いに行く理由はない。 一部を除いて、この場所でやり残した事の無い死人にとっては。 裏を返せば、呼ばれたらまあ、そうなんだけど。 『しょうがないから 応対はしますけど きみのせいで待ちぼうけはかわいそうですから でも』 『体よく追い払おうとしてません?僕のこと』 『なんてね』 (-20) 2022/03/08(Tue) 18:16:42 |
カミクズは、応対するとは言ったけど、その場を動くつもりはない。 (a15) 2022/03/08(Tue) 18:20:00 |
【人】 剣道 ツルギ>>10 フカワ 即死させる難しさは知っているから、その点に関してはそうですか、と軽い返事。 「 うわめんどk …そういえば死体見られたくないって言ってましたね。まあ、死体見たら気分悪くする人いますし。いいんじゃないですか。」 故カミクズ氏がまだログアウトしていないとは知らず、生前の話だと思っている。 君に問われれば軽い調子で答えた。 「ん?俺たちは特に何も。 こうなることに賭けてたわけですから。 でも、もし予備からも摘出することになってたら、ユスを殺して俺も死ぬつもりでしたよ。 どうせ死ぬなら死に顔も見たいなあって程度で、ユスが望むなら心中もアリかなって。 だから、一緒に死にたい気持ちは俺もよくわからないかな……」 (11) 2022/03/08(Tue) 18:22:50 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユスメガホンでのお呼び出しの後、何件かのメッセージ。 『すみません』 差出人は、普通であれば有り得ないはずの。 『ちょっと今 人前に出られる状態じゃなくて 渡したいもの、も多分受け取れそうにないんですけど』 呼べば来る、という話になった時点で 死に損なっている事は薄々察されているんだろうな、と思って。 その辺りは説明を省くことにした。 『あと、なんか あの人は行きたくないみたいです』 (-21) 2022/03/08(Tue) 18:30:11 |
エノは、アクタが隣で通話相手に滅茶苦茶怒鳴ってる………と思った。 (a16) 2022/03/08(Tue) 18:31:45 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズなんか呼ばれてるんですよ各地で、なんて。 適当な言い訳をあたまにうかべながら、 なぜ二人で会いたくなかったのかを考えた。 カミクズに用があったユスの話に興味がなかった。 ……それだけ、だよな? 『追い払うって』 『何かわからないけれど』 俺は、君の命と身体を手放した。 『君はどこにいても俺のそばにいるよ』 それでも俺は、君を手に入れた。 ずっと、ずっと。 (-22) 2022/03/08(Tue) 18:35:14 |
【神】 美術 エノきっと用意されているオレンジジュースをちゅるちゅると飲んで。 最初に自分を理解しようとしてくれた人に向き直る。 「うん、仲良くなれたよ。」 「まぁ、罪の清算は、するけれど。」 「……俺、カミクズ君にも言ったけれど。」 「最初はね、1でいいと思ってたんだ。でも。」 「数が増えると、それが減るのは悲しいなって思う。」 「そんな事も昨日まで分からなかったな。」 「フカワくん。」 「俺が昨日言ったこと覚えてる?」 「俺の事、嫌いになっちゃったのかな。」 「距離を置いて、逃げようとしてる気がする。」 「生きるなら生きるし。」 「生きないなら、生きないよ。」 「覚えておいてね。」 茜色の瞳はただ真っすぐ、君を見ていた。 (G2) 2022/03/08(Tue) 18:38:18 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ『目を逸らそうとしていませんか』 何からかはわからないけれど、何となくそんなふうに思った。 どれだけ傍に居たって認識されていなければ無いのと同じ。 どれだけ言葉を投げ掛けたって届かなければ無いのと同じ。 きみが埋めるだとか火葬だとか、そんな事を言った時もそう。 『思えばあの時もただそれがいやだった 僕がきみにとって見たくないものになったようで』 目の前の人が、こちらを見ているのに見ていないような孤独感。 『それでもずっと付き纏うから』 それがどんな形であっても。 『きみの言う通り 目蓋を閉じても、耳を塞いでも、そこに居ますからね』 もう気付いてしまった。 記憶の片隅で、綺麗なまま一人埃を被っていたくはないのだと。 自分がそう思っている事に。 (-23) 2022/03/08(Tue) 19:27:25 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「そうだな。弟や妹はすぐにでも片付けられそうだが、色々と都合がいいのは卒業してならだな。それまではゆっくり計画を練ろう」 父 、母、妹、弟、先生 、医師 、親族 。多くの顔を並べていく。 「俺を被害者に? 死んだことにするということだろうか。お前がそうしたいなら構わないが、ああいや……だいぶ動きにくく不便そうだな。 出来れば俺もお前と同じW幸運で家族を失ったW遺族になりたい」 作る状況は近ければ近い方がいいと思ったから。 「その後のことは全く考えていなかった。お前がいて、お前と生きて、珍しい景色が見れるのなら俺はなんだっていい。 ……恐らく、お前もその後のことはまだ深く考えていないな?」 お互い、相手と一緒にいられたらそれだけでいいと思っているのだろう。 理解はできていないけれど、少しずつ貴方のことは知っているから。 「それもまた帰ったで考えればいいんじゃないか? 賭けに勝って戻ってきた配当は随分あるのだから」 (-24) 2022/03/08(Tue) 21:44:38 |
【人】 不運 フカワ>>11 ツルギ 「まあそんな感じで……燃やせなくて、ちょっと離れてもらっています。 えっ、こうなることを。 随分可能性が低いことにかけてたんですね……? よく、わかりませんが……あの……おめでとうございます」 「ううん。なんで、ユスさんが望んだらアリなのかがよくわからないですね……。 彼が全部くれたり許してくれたりするのが嬉しいからですか……?」 何度か聞いた言葉、特別であるのはわかるのだが関係性を理解できていない。 どうしてそこまでできるのか、聞いただけで理解者できたら苦労はしないが。 「……こう、お二人は恋人等ではないんですよね?」 (12) 2022/03/08(Tue) 22:53:53 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス「俺が考えてた被害者ってのは…柚須家に強盗が入ってはち合わせた家族が殺された、みたいなやつ。運良くお前だけ生き残る、とかそういうの。 でもな〜、そうだよな。なるべく同じ状況がいいよな……」 女 、女 、男 。見知らぬ顔を並べていく。彼らにも人生があるとか、夢があるとか、感情があるとか、そういうのはわかってる。 わかってるけど、人ってそういうものだから。 そういうのって、否応なく奪われるものだから。 ほしいなら誰かから奪わなきゃいけないんだ。 俺がそうだったように。 君の問いには素直に頷きを返した。 こちらも似たようなものだ。まずは最初の目的を達成することが第一だし。 「俺もそんな感じ。…お前がいて、お前と生きて、」 でも俺の目的は君と少し違う。きっと今言ってもわからないだろうし、いいよって言ってくれたから言わないけど。 (-25) 2022/03/08(Tue) 23:09:28 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス君が見てくれるって約束した景色は、 君にほんとうに見てほしい景色は、 君と一緒に見たいと願う景色は、 「 お前が俺と同じ 景色を見て くれるのをずーっと待ってるよ。どんなに時間がかかっても、死ぬまでかかっても、ずっと待ってる。 まあ、できればなるべく早く見てほしいけどさ。」 地面が崩れ落ちた真っ暗なトンネルの中で、 己 (-26) 2022/03/08(Tue) 23:10:42 |
ツルギは、絶望をそんな風に感じる。 (a17) 2022/03/08(Tue) 23:11:35 |
【人】 剣道 ツルギ>>12 フカワ 表情こそ変わらなかったけど、声に喜色を滲ませて、ありがとうございます、と頷いて。 そういえば、池の前で似たようなことを言われたなと思った。 やっぱり、あの時と答えに大差はない。 「 違いますよ 。多分ですけど、こう、恋人ってもっと………なんていうか、相手の幸せを望むみたいな感じですよね?」 それはつまり、この青年が彼の幸せを望んでいないということで。 「まあ、全部くれるのもそうだけど……全部受け入れたいって言ってくれたのが大きいかな。 普通はいけないことも、ですよ?嬉しくなるに決まってるじゃないですか。 だからきっと、友達でもないんでしょうね。俺も自分たちがどんな関係なのか、上手く言えないんです。」 倫理や道徳がそれを間違っていると定めていても、関係ない。 自分の善は自分が決めるものだから。 そう言ってましたもんね?フカワさん。 (13) 2022/03/08(Tue) 23:45:39 |
【神】 不運 フカワ>>G2 >>G3 アクタ 「もてなしはしたじゃないですか……。 ううん、……あー……」 「痛い」 威力74を頭で受ける。髪をととのえるように擦りながら、ふと腕が痛むのを感じた。 そういえば、事故っていた。そして、絆創膏。 「……、……」 「……俺、絵乃くんのことは大事です。 甘えてる姿が可愛らしくて子供みたいで。 あとは……まあ。本当に……ちょっと」 大分やられていたらしい。 同姓でなければ危なかった程に。 「だから、此れからたくさんのものを見て、 退屈な世界から抜けて、誰かと一緒に多くの事で楽しんで欲しいと思ったんですよ。 本当の理解も得られないまま、生きることも死ぬこともして欲しくなくて。 そのきっかけに、……俺は理解を拒みました」 「……だから、そうですね。 二人に言いたいのは」 (G4) 2022/03/08(Tue) 23:48:40 |
【神】 不運 フカワ>>G4 「俺が生きるから、生きる、だとか。 俺が死ぬから、死ぬ……だとか。 ……あー、えーと。 物凄く、大切で特別でもない人間に対して」 「そんな風になってしまうことは、 望むことではないんです」 「生きたいから生きて。 寂しいから隣にいる人を求めて。 好きだから手を伸ばして……見たいものを見る」 「寂しくて隣にいてくれる人がいなければ辛い人生は、解消されたと思うんです」 「つまり、……その。選びたいんですよ。 誰かの、せいでお陰で、前を向くんじゃなくて。自分の意思で進みたいんです。 言いましたっけ。 帰っても色々あって罪人なんです、俺。 親に売られて、刑務所行きです。 煙草の密売で、量も知らないのでどれぐらいの罪になるかもわかりません。帰る場所が修羅です」 「つまり、あー……うんと。 こういうのはどうですか」 (G5) 2022/03/08(Tue) 23:52:53 |
【神】 美術 エノ>>G6 君の言葉を聞いて。 青年はやはり、眉は下げてしまって。 だって、君は多分。 どっちを選ぶか、うっすらもう決まってて。 それは多分、俺の嬉しくない方で。 そっと一度、隣に寄り添ってくれる君の手を柔く解いて。 正面に立つ君を、叶うなら、ぎゅぅと抱きしめる。 「大切だよ。」 耳元で囁いて。 すん、と鼻をすする音もきっと、よく聞こえてしまう。 「死なないで。」 わがままばかりを告げてしまう。 小刻みに震える体は、今は自分だけじゃなく、他者の死にも怯えていて。 「おいてかないで、フカワくん」 懇願するように、肩に頭を擦り付けて。 抱きしめる力を強くして。 ただ、ただ、自分の中で1の存在である人が。 0にはなって欲しくなくて、それだけしか考えられなくて。 (G7) 2022/03/09(Wed) 7:08:23 |
【神】 演者 アクタ「お前に言われなくても、好きに生きるっての!」 自分の傍を離れて、まるで縋るようにだだを捏ねるエノを見ていた。 ちょっとだけもやもやするけれど、彼と、彼の思いは、大切にしたいから。つんと唇を尖らせるだけ。 「……やっぱり、お前、嫌いだ。 御託並べて、僕たちから拒否権を奪ってる。」 そっと足を下ろし、変な座り方をやめて エノが自分の元へ戻って来られるように、腕を広げて待つ。 ──抱きついて、顔を埋めるなら。 その涙を隠すように、色が犇めき合う髪を、頭を撫でてやった。 「悔しがる顔見るのが楽しみだなァ。 お前が会いに来る頃には、もう、 エノはお前に抱き付きになんか行かないだろうから!」 それは、腕の中の人を大切にするとの証左。 その心を自分が満たして、自分が未来を貰うのだと 共に沢山のものを見て、傍で多くを楽しむ、と。 「まァ、でも。エノの泣き顔も、笑顔も、 お前に見せるの勿体無いし、来なくて良いよ。」 ──だから、行ってこい。 どうせ期待したって、君は平気な顔して裏切るだろうから。 普段みたいな生意気だけ、吐いてやった。 (G9) 2022/03/09(Wed) 10:32:18 |
アクタは、エノを抱きしめた。 (a18) 2022/03/09(Wed) 10:33:12 |
エノは、アクタの腕の中に収まっている。 (a19) 2022/03/09(Wed) 11:21:56 |
メイサイは、今日も裁判場を見ていた。 (t2) 2022/03/09(Wed) 14:36:34 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 『何故本当に応じたんですか?』 あんまりな言い草である。とはいえ傷付けるための発言ではなく、死んだと思っている者から実際に返事が来てしまったが故の驚きから出たものだった。端的に言えば混乱している。 『人前に出られる状態じゃない、受け取れそうにない』 『成る程』 メッセージを送ってからマップを確認する。 やはり、参加者を示すマーカーの数は変わっていない。ヒメノと、誰かが欠けたまま。 きっとそういうこともあるのだろうと、深く考えないことにした。ここは限りなく本物に近くて、けれど決して全てが本物ではない世界だから。電子空間が齎した夢のようなものなのだろう。 『フカワさん、俺と連絡した時もW俺のことは気にせずWなんて言ってましたね。誰か殺したからでしょうか。カミクズさんとか』 感慨もなく物的証拠や状況から安直に出した推測を述べる。きっと、それだけでは無いだろうけど。 『お渡ししたかったのは貴方の帽子です。水族館に残されていましたので。 不要であるならばこちらで処分しておきます。名残、綺麗に片付けておきますよ』 (-27) 2022/03/09(Wed) 16:24:54 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ 任意の時間。貴方を探してうろうろしていた青年がやってくる。 『メイサイ』 『賭けに勝ったぞ』 相変わらず眉一つ動かない。 『生きている者は皆、全員帰ることができる。 勝ちも勝ち、大勝ちだ』 自分にとっての勝ちはたった一つの結果しかない。 つまり大勝ち、それは自分にとってではなく。 『今の気分はどうだ? 俺よりも確率の低いものを祈っていた後輩』 (-28) 2022/03/09(Wed) 16:45:00 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「ああ、成る程。そういうことか。 それならそれでも構わないが……同じ状況を作れるに越したことないな」 取り上げられ続けた人生だった。 自分の中に他人の心臓が入れられた時から、自分の居場所に他人が居座るようになった。 今更、何を奪われると言うのだろう。 自分は貴方のもの。貴方のものは自分のもの。 それなら貴方から何を奪われたところでもう、何も問題など無い。 「何はともあれ、終わったことだし今はここで過ごすことを考えよう。 俺は少し話をしたい奴がいるし、お前も挨拶を済ませたい者がいるかもしれないから」 ▼ (-29) 2022/03/09(Wed) 17:07:27 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ「……」 目がほんの少し柔らかくなった。 貴方の夢を、貴方の望みを、そっと受け止める。 自分から何も取り上げなかった人。 自分の中の他人ではなく、自分を見てくれる人。 「早く見られるように努力する。その為に俺は生きるのだから」 色褪せ続ける世界に留まる選択をした。 床が壊れて、落ちたその先で何を経験するか…… ……答えを知るのは、まだ先のこと。 (-30) 2022/03/09(Wed) 17:08:03 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス「……」 傍聴席辺りにいたかもしれない僕に話しかけてくるユス先輩は、こんな時でもいつもの仏頂面である。 「え。別に、どうという事もないですけど。 勝ったなあ〜、と。 良かったですね」 「おめでとうございます、ユス先輩」 僕はやっぱり笑って、軽々しい祝福の言葉を吐いた。 「それにしても、相変わらずの真顔ですねー。 ちょっとくらい嬉しそうな顔してもいいのに」 (-32) 2022/03/09(Wed) 17:23:23 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「わ、かわいい……もらっていいんですか?」 そう、嬉しそうに確認した少女は、 何があうかな……と考えるそぶりを見せる。 「……うーん……あ。 ぎゅうにゅ――――」 お知らせします。必要提供数を上回りました為────…… >>n2 突然に差し挟まった、アナウンス。 少女は口を開いたまま、二、三度まばたく。 沈黙の末に、いまの、と夢の中のような、浮ついた言葉。 「…………! ハナサキさん、今の……!」 そう言いながら、手に持ったものは手放していた。 ぎゅぅっ、と。 あなたの小さなからだを抱きしめる。 ごとん、床に落ちたペットボトルの音。 「…………よかった……」 あなたの耳元、ちいさな声がした。 ……しばらくののち、抱きしめる腕を解いて。 みんな集まってるかな、と照れ隠しのように同じ声が言う。 (-33) 2022/03/09(Wed) 17:53:35 |
【人】 不運 フカワ>>13 ツルギ 相手の幸せを望んでいないのに、望みは叶えるのか。 嬉しくなることをしているように、 幸せになるようにみえているのに。 当事者と他人からの視点は、やはりちがう。 悲しませることが幸せ。 極論を言えばそんなこともあり得るのだから。 さて、……そのうえで俺はどうなりたかった? どうしたかったのか。 「ありがとう、ございます。 質問だらけにしてしまってすみません。 突き飛ばすのは、確率が低くやはり人を殺すのは確実に筋力や力、計画をたてて誰かと協力してもらった方が良さそうです。 関係性こそ、この短期間で形作られることは難しいですが先に望むものが同じであるのですから。これからも仲たがいはしないことを望みます。 それで……お二人は 何をするんでしたっけ?」 今更なことを告げながら自分の善を考える。 幸せと善って何だか字が似ているなとか、途中で思考は霧散した。 (14) 2022/03/09(Wed) 19:17:06 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス『え』 『ま』 『まちぼうけはかわいそうだから』 あれ……?これ、返事しない方がよかった……? そんな事を思ってももう遅いのだ。 実際たったそれだけの理由で死人から返事が来るなんて そうそうあってたまるかという話なわけで。 それだけの理由、ではないのだけど。 『ええと』 『お気遣い、ありがとうございます。 でも、自分にはもう必要のないものなので 適当に処分してしまうか、それか』 タイムスタンプに若干の間。可視化された少しの逡巡。 でも、やっぱりあなたは気にしないんだろうな、と思って。 『部屋に置いておいてください』 清掃員の部屋は、今も散らかった部屋のまま。 自分の名残を残すのは、あの場所だけでいいな。 (-35) 2022/03/09(Wed) 19:28:22 |
【独】 の名残 カミクズ──鍵の掛かっていない部屋。 ベッドの上には脱ぎ散らかした衣類が散らばって、 テーブルの上にはいい加減に纏められた郵便物、 それから、下手でも上手くもないような一枚の絵。 床だけは一見何もないようで、 よく見れば隅にはごちゃごちゃとケーブル類が纏められている。 ごみはきちんと処分されているけれど、 とにかくあちこちものが出しっぱなし。 不衛生でこそないけれど、ただただ雑然としている。 そんな、控えめに言っても人を呼べないような部屋。 曲がりなりにも清掃員、のイメージにはそぐわない荒れた部屋。 上葛の自宅である、安アパートの一室が再現された部屋。 それは今もなおそのままだった。 名残を残さないように、迷惑を掛けないように。 現実での自宅は、もう綺麗に片付けてしまったから。 最初から、あの場所にはもう帰るつもりが無かったから。 それでもせめて、ここでくらいはこのままにしたかった。 この場所なら、時が来れば勝手に消えてしまうからな。 (-34) 2022/03/09(Wed) 19:29:42 |
【神】 剣道 ツルギ「コーラ取りに来た。2本は俺とユスの、1本はアクタの。」 フカワと入れ違いくらいのタイミングで、何の遠慮も躊躇いもなく裁判場へやってきた。 「ほらアクタ。はい、お疲れ。」 91くらいの強さでアクタにコーラをパスした。 そしてついでみたいに、エノさんとアクタって仲良かったんだなあ…と思った。 エノさん、寂しがりだろうし良かったな、と。 人伝てに聞いた話はやっぱりアテにならないなあ、なんて。 (G10) 2022/03/09(Wed) 19:52:50 |
【秘】 普通 ナツメ → 不運 フカワ「……め、」 メイサイくんとは言ってない……! なんて言葉、すんでのところで押しとどめて。 顔が火照るのが分かって、振り向けないことにひっそり感謝したりしなかったり。 それから、悪いお兄さんの返事。 ぐん、と背中を押す手と、近くなる空。 「あはは、じゃあ……跳んじゃお、かなっ――」 軽やかな笑い声がそう言って。 いちばん雲に近づいたとき、手を離す。 「――――っ」 ふっ、と浮き上がる感覚。 一瞬だけ、時が止まったような。 髪の隙間を風が通り抜けて、 胸元のスカーフがはためく音がした。 少女の体を宙に置いて、ブランコだけが後ろへ戻っていく。 「――――!」 キィ、と一往復ぶんの時間が経てば、重力に従い地面に。 安全柵を越えて、虚無の空間。 着地の勢いで軽く膝を打って、「ぅ〜〜…」と情けない声で呻いた。 (-36) 2022/03/09(Wed) 20:47:58 |
【神】 普通 ナツメ リクエストのあった分、勝手に見繕った分。 ハナサキと一緒に飲み物を運んで。 朝のプラットホーム、朝礼前の体育館にも似た煩雑さ。 近くの会話に耳を傾けたり、誰かと言葉を交わしたり。 比較、穏やかな時間を過ごしてから、ふと。 (G11) 2022/03/09(Wed) 21:12:24 |
ナツメは、柵に手をかけて、えい、と乗り越えた。 (a20) 2022/03/09(Wed) 21:12:30 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「メイサイくん……! あの。あとで、ちょっと話さない?」 少女は、傍聴席のあなたへ駆け寄る。 安穏と緊張の入り混じった、矛盾した声色。 (-38) 2022/03/09(Wed) 21:15:36 |
アクタは、後で飲もうと思った。 (a21) 2022/03/09(Wed) 21:18:22 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ (-39) 2022/03/09(Wed) 21:44:39 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ 任意の時間。一件のメッセージが貴方へ。 『ナツメ。約束を果たしにきた。 結局話せずじまいでタイミングの都合により別れの挨拶になってしまいそうだがな』 いつもの無味乾燥なメッセージだ。 (-40) 2022/03/09(Wed) 21:49:03 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ (-41) 2022/03/09(Wed) 22:02:04 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ (-42) 2022/03/09(Wed) 22:09:31 |
【秘】 普通 ナツメ → 規律 ユスぽん。こちらはいつものスタンプ。OKのねこ。 『お互い、遅くなっちゃったね。 図書館でもいい?』 了承が返れば時間を合わせて、スタンプのうさぎが跳ねて。 いつか座ることの無かった席に、向かい合って座ることになるのだろう。 そうして、少女は「何から話そうか?」と。 もう随分と遠慮の無くなった様子で首を傾げる。 (-43) 2022/03/09(Wed) 22:12:51 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「はい!ナツメさんの為にもってきたもので──」 言い切る前に耳に届いたアナウンスと、内容を咀嚼するよりも先に飛びこんできたあなたに驚きました。 慌てて取り落としそうになった紙袋だけは死守してあなたの腕の中。 地面を転がるペットボトルが偽物の光を乱反射させて眩しさに目を閉じました。 「……うん。終わりましたよ。 私達、まだ生きてます」 安堵の言葉を聞き逃す事も無く頷いて、息も当たるほど近いあなたの頭をひと撫でしました。 ハナサキはあなたほど浮ついた様子もなく、終わったとという事実を噛みしめるような雰囲気です。 だからもう終わりなんです。 仮初の世界も。 仮初の関係も。 「皆さん裁判場に来るでしょうか?」 離れていくあなたに困ったような笑みを浮かべました。 ナツメさんはこの数日で随分大きくなったように感じますね。 (-44) 2022/03/09(Wed) 22:16:21 |
【人】 剣道 ツルギ>>14 フカワ 「いいえ、大丈夫ですよ。自分たちですらわからないんだから、周りからしたらもっと良くわからないでしょうし。 ここに電車が走ってればもっとラクだったんでしょうけど…まあ、何事も一人よりは二人でやった方が楽ですよね。」 走る凶器さえあるなら、突き飛ばすというのはかなり簡単な手段に思えた。無い物強請りをしても仕方ないけど。 そんなことを口にしながら、今度は一人ではなく二人で行う予定のことを、ふと思い出して。 「俺たち………というより、俺はユスを連れて行きたい場所があるんです。 ユスは俺と一緒なら、どこでもいいらしいので。 じゃあ、一緒に来てもらおうかなって。そんな感じです。」 目的地については、ユスにさえ明言していない。 もしかしたら土壇場で逃げ出されるかもしれないし。だから、その時まで内緒なんだ。 「……死ぬのはいつでもできますから。 あっこれ一緒に行けそうにないな、って思ったらあいつを殺して俺も死ぬつもりですよ。」 深く聞かれると、フカワさん相手なら話してもいいか、って思っちゃいそうだから。 クルリと踵を返して、背を向けたまま呟いた。 (15) 2022/03/09(Wed) 22:20:22 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ>>-42 扉を開けば、すでに店内にあったあなたの姿。 あ、と声を漏らして、「おつかれさま」と手を振り返す。 「んー……そう、かな」 正面の席に腰掛けた少女は、そんな、曖昧な返事を零した。 そうして、深い呼吸。 終わったら、聞こうと思ってたんだけど。 そんな前置きを一つ置いて、ぱちりと目を合わせた。 「メイサイくんは、ずっと。 見てて。……どんなこと、思ってた?」 (-45) 2022/03/09(Wed) 22:30:54 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキあなたの体温、頭を撫でる手に。 生きてる、と繰り返す囁き声と、回した腕が震えていた。 身を離したときには、もう震えもおさまって。 とりあえず行ってみましょうか。 そう言って、危なげなく盆を持ち上げる。 これがあるから、と、何となく集まってたりするのかもしれないし。 「あの……そのあとで。 すこし、お喋りしませんか?」 カステラもそこでふたりじめしましょう、と付け加えて、笑いかける。 気安さに緊張がいくらか混じった―― 分類するなら、なりたての友達へ向ける笑顔。 (-46) 2022/03/09(Wed) 22:52:43 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「そうですね!顔を合わせるのが最後になる人も居るかもしれません」 こちらも盆を持ち上げてあなたの隣を歩いて裁判所へ向かいます。 震えていたあなたと、しっかりして見えるあなた。 やっぱりまだ、怖い思いをさせているのでしょうか? そんな事を気にしながら最後くらいは挽回したいとも。 「お茶会でしょうか? 私は構いませんよ!ここから出られるようになるまでやる事もありませんし」 そういう事なら、と紙袋を一旦仕舞いました。 応える笑顔はあなたを真似た僅かにぎこちない笑顔。 友達ってどう笑えば良いのでしょうか。 (-47) 2022/03/09(Wed) 23:08:00 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「そうでもないですか」 そっか。 カフェの片隅、座る事だけは出来る椅子に座って、正面の先輩を見つめている。 「どんな。って……」 「……」 思い浮かんだのは、小さな植物園で言いかけた事だ。 あの時は息抜きの名目だったのと、彼女に言う必要性もなかったから言わないでおいた事。 「うーん……。 ずっと議論とか、人が亡くなるとことか見てて。 やっぱりこう、皆さんが生きたいって言いながら提供者に選ばれたり亡くなってしまったりするの、苦しいものがあるというか」 「で、その。 ……移植申し込むの、やっぱりやめようかと」 さすがの僕にも言い辛くて、少し語気が弱くなってしまった。 (-48) 2022/03/09(Wed) 23:22:38 |
【神】 園芸 ハナサキ>>G15 フカワ 「……本当に」 言い方。デリ欠さん。 気遣いも要らないって言ったのは私だけど。 「変わりませんね。そういう所だけは、どうしようもなくフカワさんです」 終わってからと先延ばしにしたのだって結局はあなたの言う通り。 あなたが歪んでいてもまっすぐにやりたい事を尊重したかった。 現実に似ていなくても今のあなたの在り方が好きだった。 ──終わるまでは死なないと約束もしてくれました。 本当はこのまま言わずにはぐらかしてしまおうかと思っていました。 呆れるくらい気が利かない癖に、こんな時だけ目ざとく見透かされているのが嫌ですよ。 やっぱり嫌いかも。 「何ですかその聞き方! 狡いんですよ!デリ欠ばっかりなのに、時々そうやって全部分かってるみたいな言い方するの何なんですか!」 大人しく首を縦に振るだけで終わる話。 無意識に口を突くのは今までも何度かぶつけたような悪態。 しかし少しだけその動機は違っていて。 「そりゃあ私だって尊重したいですよ。 ずっと誰の意見だって尊重してきましたよ」 「………………本気で、私が死ぬのをただ見送るだけだと思ってるんですか」 なのに。 どうしてこんなにも、嫌な気持ちばかりが湧いてくるのでしょう。 (G16) 2022/03/09(Wed) 23:34:47 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ『今回のロッタリー制度合議見学会はいかがでしたか?』 『□非常に満足 □やや満足 □どちらともいえない □やや不満足 □非常に不満足』 合議が終わって任意の時間。 僕らも……そろそろお別れだね……。 という訳なので、コタくんにラストしょうもないメッセージを送っておきました。 (-49) 2022/03/10(Thu) 10:42:18 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『☑やや満足』 『合議の内容には概ね満足しましたが、以下の点が不満です』 『アイドルの死亡。温室。柚須 義徳』 一つ目はともかく残りは存在に不満を持たれているね。 『ファンになっちゃったから 緋苺お姉さんのステージは見たかったんだが残念。 過去の映像でもいつかに見たいものだ』 彼がファンになった彼女はそこにはいないから、いつかに見たとしてもそれはごく短い間で終わるのだろうけども。 『了お兄さんは今回の見学は後学のためになりましたか?』 『□ならなかった □あまりならなかった □そういう話ではない □なったんじゃないかな □なった』 こんなやりとりができるのも、あと少し。 (-50) 2022/03/10(Thu) 14:35:30 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ「?」 温室とユス先輩の何が不満だったんだ……? ヒメノさんは分かるけど。 結局サイン貰い損ねちゃったね。 『☑なったんじゃないかな』 『やはり事前情報だけでは伝わらないリアルな体験を味わう事ができました。 特にヒメノさんのあの場面では、生きるという事の重さを考えさせられました』 『また、既に臓器移植を受けた事がある方がいたのも非常に助かりましたね。 色々と参考になりました』 『これから臓器提供を受ける方には是非見ていただきたいところです』 まさかのアンケートで返されてしまったので、感想会になっている。 『アンケートにご回答ありがとうございます。 お疲れ様でした』 『自由にはなれそうですか?』 (-51) 2022/03/10(Thu) 15:31:09 |
【神】 不運 フカワ>>G16 ハナサキ 「思っていませんよ。 俺たち、同じ票を入れ続けた仲じゃないですか」 あまり関係ない、きっかけ。 ただ、命を預かる話をよしとした関係であることはたしかで。 「……時々わかったような、って…… 的を得てて面白い言葉ですよね。 俺、皆さんを知るために来たって言ったでしょう? 実は、うまくいったんです」 「"理解"っていうものは、難しかったですが。 なんとなく"性格"は見えるものがあって、 それを、"わかる"ようにはなっていたんです」 これまでの生き方から、そして周りの評価から。 嫌なほど知ったことがひとつだけある。 己は他人の事を思いやらず自分のやりたいことをしていた事だけは、何よりも信頼して自負していいということ。 他人を知ることで己を知ることができたこと。 つまり、だ。 (G17) 2022/03/10(Thu) 15:44:02 |
【神】 不運 フカワ>>G17 >>G16 ハナサキ 「俺のこれって、 共感することに、繋がってたらしいんです。 物事すべてが他人事のように感じて、 なにも自分のものにならなかったのに。 涙を流されて、悲しいと言われたこと。 もし同じことを言われたら、自分も泣いてしまうかもしれないと感じたこと。 自分がされたら嫌なこと。 言われたら手を伸ばしてしまいそうなこと。 言われたら、やめておこうと思うこと」 「君のこと、少しはわかるようになりました。 皆のこと、ほんの少し知ることができました」 「だから、俺のことを止めないでくれるのは。 ……止めたいと思ってくれるのは、 ハナサキさんが、俺と "同じような気持ち"だからだと思っています」 事情も境遇も知らない、だが、わかることがある。多分間違えてもいないこと。 (G18) 2022/03/10(Thu) 15:48:36 |
【神】 不運 フカワ>>G18 >>G17 >>G16 ハナサキ 「一緒にやりたいことを、 やろうとしないとわからない。 傍に居て、隣に居ないとはじまらない」 当たり前、だったそうです。 それでも、この不条理な世の中で麻痺をしていた感覚でした。 「 ただ漠然と 生きて居て欲しい。その先が明るいものになって欲しい。 具体例なんて、語れなくないですか。 まだ、二回目にも怯える事になりますし。 ここで臓器提供者になることを、 一番近い気持ちで受け入れていたのはハナサキさん、のよう……だったから」 「……だから、ええと、ああ、その。 わかってる、つもりです。その上で……聞きましたね……君の選択を」 (G19) 2022/03/10(Thu) 15:53:43 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『まあまあ。3年以内に死ぬか行方不明になります』 『行方不明になっていたら 超絶ハッピーになれたんだと思ってくれ』 何かしらかをやらかす展望を考えられたらしい。 『さて、これから臓器提供を受ける方にとって 参考になる場面が多くあったこの会場ですが、 ここにいた人以外には見ていただけないのが残念です』 (-52) 2022/03/10(Thu) 17:05:27 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『俺は逆に、生きることに重さなんてないなくらいに思ったな。 目の前で起きたこんなこと、どこででも起こっている』 『こうして見えても、見えないのとそう変わらない。 見て考えたことはあるから、 見たことが無意味とは言わないが』 『きっと何を与えられようと奪われようと、 俺は俺しか持たないままだろう』 『他の誰の望みも期待も持っていってやらない』 彼は自由になりたい。自由になるのに、それらは要らない。 『了お兄さんは、今及び少し先の未来でハッピーかい?』 今後のご予定いかがですか? 先達があって非常に助かったらしいので聞いてみた。それで助かるという語が出てくる立場の人間なんて限られている。 彼は君がハッピーでもハッピーでなくても構わない。 (-53) 2022/03/10(Thu) 17:06:40 |
【独】 モノノ怪 ユメスケ/* 温室とユス先輩の何が不満だったんだ……? ユスにたいしては言わずもがなだけど、温室は両親を引っ掻けた悪い人も花屋さんで、違法な植物以外の花も結構あふれてたから(母親が女の子にはお花!なひとであったのもあり)。 お見舞いの花とかはまあいい(花が嫌いなわけではない)けど、花があふれているところには寄りたくない。存在しないでほしい。花言葉きくのはたのしかったよフカワお兄さん。 (-54) 2022/03/10(Thu) 17:19:30 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-52 >>-53 『コタくんは冷めてますねえ。それくらいでいいとも思いますけどね』 『どこででも起こってるって言われたらそうですけど、それでも目の前で起きたらしょんぼりしちゃうのがアレ。 僕繊細なので……ちょっとやそっとで傷付いちゃうかよわいハートの持ち主なので……』 自分で言うと信憑性なくなるね。 『あー。僕が感じたのは、もっと即物的な事』 『健康な人間だろうが死にかけの人間だろうが、生きたいって思う人の気持ちの重さは全員等価だなあって。 だからこそ、健康な人間から死にかけの人間に命を移すのって、それに掛かるリスク考えたらかなり意味ない行為なんじゃね? って思っちゃいましたね』 ここに来る前から何となくあった違和感なんだけどさ。 ここへ来てから明確に形になった気がするな。 (-55) 2022/03/10(Thu) 19:52:09 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-52 >>-53 『僕ですかあ?』 『んー。前よりはちょっとすっきりした気分。ハッピーかも。 でも死が間近に見えてるのはハッピーじゃねえな……』 『プラマイゼロで、普通?』 『遊召家さんちの小太郎くんが行方不明になるニュースを見られる日が楽しみです』 『生きてる間に見られたらいいな』 あなたがハッピーになれるかどうかは知らないけど、それはそれとして幸せそうな人を見ると嬉しくなるからね。 (-56) 2022/03/10(Thu) 19:53:30 |
【神】 演者 アクタ>>G14 ツルギ 「そっか。」 君の考えなんて何一つ知らないままだから にっと笑って、君と君達を祝福してやれる。 あんなに他人に対して壁を作っていた君が こんなに誰かの事を思えるなんて。 ……ちょっとした、感動すら覚えてしまう。 「あの時、ちゃんと言えなかったけど ……まあ、何だ、頑張れよ!応援、してやらなくもない!」 景気付けに、ペットボトルを捻って開けてやった。 全然吹き出さなかった。コーラ美味しいね。 「そう、演劇系。 書きたい話も出来たし。 ……そのうち生きてたら、いずれ僕の名前を嫌でも聞くことになるだろうな!」 楽しみにしてろ、と 未だバツ印の付いた右手でピースサインを作ってやった。 (G20) 2022/03/10(Thu) 20:17:33 |
【独】 不運 フカワこの温もりが、嬉しかった。 雛鳥が甘えに来てくれてそれを、すべて自分のものにできたような。 震えてなにもできない鳥が噛みつける相手が自分だけだったような。 それはすべて愛情と言う名の、ナニカで。 支配や、憐愍や、……君たち個人に対しての慈しみなんて一切なかった。 きっと、きっと、そうだ。そう思うことにした。 甘いチョコレートを溶かしたような、盲目なままの世界に溺れて"幸せ"になる。 それはまるで奇跡みたいな話に。 …… ひどく吐き気がしたのだから。 ああ、嫌いだ。 奇跡なんて言葉も、希望も、幸運も、不幸だって言葉も嫌いだ。 (-59) 2022/03/11(Fri) 0:20:14 |
【神】 不運 フカワ「ありがとう、ございます」 そのとなりにいる姿を考えたことがありました。 優しく甘やかして、どこへでもつれていってあげるんです。 「それでも」 甘い言葉だけが口から零れ出す。 傷付けたくないと思うこの心が、 ただの偽善ではないことを教えてくれたのは君でした。 綺麗なものばかりみて、幸せを幻想して、狭い世界に閉じ込めて愛で続けたい、そんな俺がそこにいたんです。 「……また待たせますね、少なくとも年単位です。 それまで、"お元気で"」 アクタさんと、エノくんは一緒に居るのだろうか。 わからない、少し寂しく感じて、それでも。 それがきっといいんだろうなって、他人事。 「楽しかったです、 理解者ごっこ」 一瞬でも理解されてみようと。 そんな気にさせるほど、"君"は魅力的でした。 そう、思うことにしたんです。 (G23) 2022/03/11(Fri) 0:34:24 |
【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ「あ、」 その姿をつい、最後まで目でおってしまって。 「いて」 こつん、とぶつかる空席のブランコ。 鎖をつかんで、制止させてからため息をついて。 向かう場所は、決まっていた。 「傷になってませんか?」 ひょい、とあなたを抱えて寮の方へと足を向ける。 「格好よかったですね。 俺とはちがって、なんか綺麗でした」 「……俺も後で飛んでみようかな」 「うまく着地できるのを応援してください。 「今の姿、彼に見せられないのは残念だけど、 後で自慢しておきますね」 そう言いながら、痛みはなくと運び続けて数分。 治療は必要ないだろう。 だがなんとなく、気にかったのかその手を伸ばす。 (-60) 2022/03/11(Fri) 4:52:02 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『』 入力中。一旦端末から目を離して眉間を数度揉んだ。 青年は死者に特別な感情を持たない。何も生み出さない肉塊でしかないと、目の前に横たわる事実以外何も見出さない。 死者が思い出の中で生きることも、臓器となって他人の体の中で生きることも、酷く嫌悪し否定する数少ない事柄だった。 ……筈なんですけどお……目の前の死者、ばりばり言葉返すじゃん……生み出しまくってるじゃん、思い出になり得るこの会話とか……。 『……お気遣いありがとうございます。 ではこの帽子は部屋に置いておきますね』 その返信で貴方の存在が色濃く染み付いた個室という名残を綺麗に片付けなくていいのだと理解する。 それならこの置いてけぼりにされた名残もそちらへ戻していいだろう、と青年は彼の部屋を目指し始めた。 ▼ (-61) 2022/03/11(Fri) 5:15:42 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『ところでカミクズさん』 向かいながら端末に入力を続ける。 『まさか本当に俺に言葉を返す為だけに起き上がったわけではありませんよね』 フカワの言葉を振り返る。 『そもそも、返事をしてもらえるかもしれないと教えてくれたのはフカワさんだ。 フカワさんが既に知っているということは、彼には死んでもなお起き上がって会話をしたということでしょうか』 W隣につかれていますWという言葉を思い出した。 『……死者が生き返るなどのオカルト話ではたいてい強い未練や怨念がこの世に死者を留めるアンカーとなっている。 ……貴方はどうですか?フカワさんに関して、或いは他のものにたいして何か未練でも?』 『帽子のあった現場に争った形跡がなかったところを見るに、死を受け入れたように見えます。 そもそもまず貴方はまず自ら死のうともしていた。死ぬのは怖いと思いこそすれ、やめようとしなかった』 『そんな貴方が、人前に出られない姿になってまで起きているのは』 カリ、とボールペンに力が込められる。 『少しの興味と驚きがあります。 カミクズさん、名残は凄く大切にしているように見えますが』 『自分だとか、人の輪に入ろうとすることだとか、そういうのはあまり大切にしていないように見えましたから』 (-62) 2022/03/11(Fri) 5:29:19 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス──死人に口なし。 確かに死者は何も語らない。何かを新たに生み出す事はしない。 生者がそれに対して感じるのはどこまでも生者の感傷でしかない。 けれどそれは果たしてまったく無意味なものなのだろうか? 生者はただ死者の死を認め、弔い、送り出す事だけをすべきか? 葬儀を終えた瞬間、故人の存在性はそこで途切れるのか? であれば墓石とは、何のために存在する? 『生き返る、っていうのは少し 違うのかも』 『これは多分、夢の続き、みたいなもので』 『目が覚めたら 現実へ帰ったら、死者に戻るんです』 『なんとなく、そう思ってるだけですけどね』 死んだ人間から言葉が返るなんてパラダイムシフト。 他人の名残に、死者の痕跡に、過ぎ去っていったものたちに。 決して必要以上の感傷を抱かないあなたなら。 非科学的な、或いはVRのバグとして処理してくれるだろうか。 なんて、話半分に聞いてくれるかな、今はそんな気持ち。 死んでいなかった、なんてことはきっとないのだと思う。 そんな奇跡は存在しない。そんな希望は信じていない。 けれどメッセージログには確かに残されている、死者の言葉。 どこまでも曖昧な死と生の狭間、そんな夢の中よりのもの。 (-63) 2022/03/11(Fri) 7:19:52 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス『そんな少しの夢の続きを選んだのは』 無意味な引き延ばしは毒だと既に知っている。 ただ死への恐怖から惰性で生き続けた結果、後悔をした。 そんな失敗を経てなお自分がそれを選んだのは。 『あの人が、ずっと一人で泣いていたから』 誰が、とは言わずとも、それが誰かは文脈から明白で。 たったそれだけの、それでも十分過ぎる理由。 『あそこで死ぬ事は、事実受け入れていたんです それに 死んだらそこで終わり。死んだ人が遺すのは、名残だけ。 それもここでは本来片付ける必要なんてありません。 だから僕のことなんか放っておいて、 すぐにでも、誰かと、どこへなりと行けばよかったのに』 泣くほど悲しいなら、寂しいなら、辛いなら。 誰かの傍で泣けばいいのに。誰か一緒に泣いてくれるだろうに。 また意地を張っていたのか、そうでないかはわからないけど。 『ずっとすぐ近くで泣かれたら、寝ていられないでしょう』 人からすれば、そんな理由で、と思われてしまいそうな。 どこまでも、ただそれだけの理由が全てだった。 (-64) 2022/03/11(Fri) 7:20:50 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス『自分でも おかしな話だと思うんですけどね』 一度だけ、乾いて濁った呼吸音。 溜息とも、不意に零れた笑みともつかない音。 きっと誰も聞かない、曖昧な死者のノイズ。 『死んでいると、 生きている人には何もしてあげられない もう手が届かないんだな ってそんなわかりきっていたことが、死んで初めて実感になって』 『それが すごくいやだったんです』 だから一緒に死にたいのだとわかってしまった。 『あの人が僕の手の届かない所に行くの、いやでした 僕の手の届かない所で泣くのも、悲しい思いをするのも 一人で居るのも、思ったよりも我慢ならないことでした』 多分、これはよくない感情なのだと思う。 死者から生者に向けるには、あまりにも。 『死んでも傍に居るなんて綺麗事じゃどうにもならなかった。 そんな当たり前のことに、死んで初めて気付いて 今更諦めがたいような未練ができるなんて』 『本当に、おかしな話ですよね』 それでももう、良いも悪いもないじゃないか。 (-65) 2022/03/11(Fri) 7:23:04 |
【神】 規律 ユス>>G14 >>G20 ツルギ、アクタ 当然のようにツルギの隣にいて、暫くじっと二人のやり取りを聞いていた青年が口を開いた。 本当に感情の起伏が激しい奴だな、なんて内心思いながら。……あの美大生と足して二で割ればちょうどいいのかもしれない。と更に考えながら。 「そうか。お前は応援してくれるのか。有難く受け取ろう」 全く有難く思っていないように淡々と答える。ツルギのようにまずいなともやめておけとも言わない。真実を言う義理などなかったから。 「であれば俺も返そう」 そう言って自分にと用意された、けれどまだ開けてもいないコーラを36くらいの強さでアクタに投げた。 「もし万が一戻ってから会うようなことがあれば。その時にお前が名を馳せるような脚本家にでもなっていれば。叙々苑でも何処でも、お前の活躍に釣り合う分奢ってやろう。 今はその程度。無償で貰える紛い物の飲み物一本分だ。何せ約束したはずの俺を主役にした脚本一つも書き上げていないのだからな」 ピースサインを作って見せる新進気鋭の脚本家に、そんな言葉をかけてやった。 嫌でも聞くことになるような大物になるのなら、これくらいの挑発なんてことないだろう? (G24) 2022/03/11(Fri) 9:54:44 |
ユスは、自分の分のコーラが無くなったのでツルギに一口くれと頼んだ。 (a22) 2022/03/11(Fri) 9:55:47 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ>>-43 提示された内容には何の問題もなく。 OKのねこのスタンプ。うさぎが跳ねるスタンプ。こちらも前に見たことがある。問題ない。 ……。 でも、やっぱりなんて返せばいいのかわからなかったので🙆の絵文字しか送れなかったのだった。 「ふむ、何から話すべきか」 こうして漸く向かい合って話す機会は出来たけど、合議は終わってしまった。さてどうしよう。 暫く悩んでいたものの、おもむろに手帳を取り出す。 「……適当なお菓子」 そう言って出てきたのはクナーファsweetとかスイートポテトsweetとかどんぐりクッキーsweet。出てきたそれらをぐいと押して貴方の目の前に並べた。 ここは本を読むための場所で、本来飲食物なんて取り出そうものなら怒られてしまうけれど。ここは自分たちしかいない箱庭。咎める者など誰もいない。 「催事が終わればお疲れ様会と称して何かつまみながら振り返ったりするだろう。それでもしたらいいんじゃないか? ……とはいえ、今回の出来事はお前にとって怖い思いをすることだらけだったかもしれないがな」 水の入ったボトルも出した。これは自分用。貴方のは無い。何を飲むのか分からなかったから。 「直接殺し合う現場に行くのを怖がってたお前のことだ、死ぬかもしれない誰かを決める合議だって怖かったんじゃないか? 推測に過ぎないが」 (-66) 2022/03/11(Fri) 10:17:30 |
ツルギは、「ん。」蓋を開けたボトルを差し出した。 (a23) 2022/03/11(Fri) 10:28:42 |
【神】 剣道 ツルギ>>G20 >>G24 アクタ/ユス ピースサインに自分の印をふと思い出して。 自分の襟から覗くガーゼを軽く引っ掻いた。 「はいはい、頑張れ。……、………」 君の精一杯の応援を聞いた時、こちらは僅かに心が動いた。嬉しいとか感謝じゃなくて、今度は「困ったな」と。 真相を知った上で言われたのなら、とても嬉しかったんだろうな。 でもきっと優しい君は…少なくとも、心を砕くだろうから。 だから言わない。 知らない方がいいことだって、たくさんあるから。 やめとけ、と言いかけて。 君に対してはこう言った方が良いと思い直す。 「───俺は。 応援なんかいらねえよ。自分の心配だけしときな。」 (G25) 2022/03/11(Fri) 10:37:16 |
【秘】 剣道 ツルギ → 演者 アクタそして、声量を落として。 「……お前は普通かもしれないけど。」 「だからこそ、みんなが共感できるものが作れるだろうから。」 「あんまりおかしくなるなよ。」 君がどんな道を歩もうと、知ったことではないけど。 どっちでもいいんだけど。 どうせなら健やかな方がいいし、夢は叶った方がいい。 結局こちらの青年は、応援を受け取らなかった。 (-67) 2022/03/11(Fri) 10:37:48 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ「ああ。ありがとう」 軽々しい祝福を淡々と受け取った。 「嬉しそうな顔か。俺の反応を随分とよく気にかけてくれた、かつ俺の勝利に賭けてくれた何処かの後輩が泣き咽び喜ぶ姿でも見せてくれたら考えるかもしれないな」 感情を出したかと思えば、自分の意見を言ったかと思えば飛び出してきたのはそんな意地の悪い話だった。 意地の悪い話を出す程度には、嬉しそうな顔をすると言うのは青年にとって難しいことだったのかもしれない。 本来こんな腐った性格だったという可能性もあるけど。 (-68) 2022/03/11(Fri) 10:43:58 |
ユスは、差し出されたボトルを受け取って一口コーラを飲み、またなんてことない様子で返した。 (a24) 2022/03/11(Fri) 10:47:21 |
【秘】 共犯者 ツルギ → 規律 ユス--------------------------✂︎-------------------------- 花見客で賑わう河川敷を見て。随分遠くまで来たな、と思った。 地元はまだ雪が残っていたし、桜も蕾だったから。 卒業式と入社式の間。卒業生の春休みは、在校生より一足先にやって来る。 学生でも社会人でもない数週間を、俺たちは人を殺すために使う。 こんな有意義な休日は初めてだ! ───強盗殺人に偽装して殺す。 俺の拙い発案を、君は計画という形にしてくれた。しかも俺の希望まで汲んでくれて。 久しぶりだから上手くできるかな、なんて心配と。 嫌だけど頑張ろう、という気持ちと。 君への期待で、胸がいっぱいだった。 ……修了式の日だから、学生は昼過ぎに帰ってくる。君の母親は今日早上がり。 だから弟と妹を先に殺して、その後に帰宅した君の母親を殺す。 それが君の提案だった。 普段なら誰もいない時間帯に忍び込んだ空き巣犯が、偶然帰って来た家族を口封じに殺す…っていうのは珍しくないらしい。 まあ、その空き巣って俺なんだけど。 金品とかは売るとバレるらしいから、俺が地元で捨てることになってる。 (-69) 2022/03/11(Fri) 11:00:07 |
【秘】 共犯者 ツルギ → 規律 ユス部屋の中なのに軍手とスニーカー。何から何まで全部量産型の、購入店舗が特定されにくい服装。…を、地元で買ってきた。全部、君の助言通り。 昼下がりの一軒家。 その一室で、子供部屋から調達した金属バットを片手に息を潜めて。 一足先に帰宅した君の弟を襲った。 今日は親に内緒で、三兄妹だけでランチに行く予定だったんだよね。桜がよく見える小さなお店にさ。 男の頭へ振り下ろす。 男の頭へ振り下ろす。 男の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。だけど最初は誰だってやり方がわからないから、俺がお手本を見せることにしたんだ。 ……その内弟は動かなくなった。それでも念を入れて追加で数回。呼吸が無いことを確認してから、立ち上がって君を振り返る。 次は妹。弟よりも、きっと簡単だろう。 あちこちへこんでしまったバットを君に差し出して。 「 お前と 妹さんが逃げないように手伝うつもりだけど。実戦、できそう?」 断らせるつもりなんてないけど、一応尋ねた。 (-70) 2022/03/11(Fri) 11:01:12 |
【人】 不運 フカワ>>15 ツルギ もう少し、知りたいと思ったが。 これでも十分だろう。最悪、その死の向こう側の世界まで彼らは共にいる、何となくそう思ったから。 そこがどこであろうとも、関係ないことはそうであった。 「旅行の計画…バッチリ、ですね。 そんなについてきてほしい、という気持ちは、 お気に入りっていうやつではあるんでしょう」 生きながら、いきたい場所。『さぞやそれは美しい景色なのだろう』、そんなことを考えながら背中を見つめた。 「俺からすれば仲良し、で、恋人や家族よりも…… 本当に信頼ができたら嬉しい人、で、 裏切ってほしくない人、……みたいな」 「いつかそのときが来たら、……"うまくいったか"。 俺にも聞かせてください。 聞いてみたかったんです、 その理解の先を、他の人の口から。 楽しみにしていますね、ツルギさん」 声は比較的楽しそうに、愉快そうに。 君の前では素直になんでも言えた男は、そのまま見送っただろう。 (16) 2022/03/11(Fri) 12:17:32 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス>>-68 「本当に? 本当にそう思ってます?」 「17歳の男が人目も憚らずさめざめと泣くところ見たいですか?」 僕は見たくねえよ。 「あれですよね。僕、真面目で感情のない堅物の人だと思ってたんですけど。先輩って」 「意外と意地わ……じゃなくてユニークですよねー」 危うく先輩に向かってド失礼発言かますところでした。褒めています。 以前からそうだったのか、ここに来てから多少変わったのかは僕にはあまり分からないけれど。 面白い人だな、と。 そう思ったんだ。 (-71) 2022/03/11(Fri) 15:25:51 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 電子が見せる仮初の夢。全てが水に溶けて混じりゆくまでの、泡のようなほんのわずかなモラトリアム。 墓石は死者の為に在るわけじゃない。生者の為のもの。 それは、遺された者の整理をつけるためのもの。それは、死者を、死者の残したものを、忘却の彼方に流されないようにするもの。それは──。 『夢の続き。 ……ふむ。それならば、受け入れられます』 夢自体曖昧なものなんて決して何か強く思うところはないけれど。 人間なんて不完全な生き物がはっきりと断定できる物事など、大して多くないのだ。 柔らかな空白が生み出す死者の痕跡を青年は静かに拾い上げていく。紛い物の世界の中でも感情は本物であると知っているから。 ▼ (-72) 2022/03/11(Fri) 16:45:36 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『そうでしたか』 『いいと思います。カミクズさんがそうしたいのなら』 『月並みの言葉ですが、したいことをするのが一番だと思います』 人からすれば、そんな理由で、と思われてしまいそうなもの。 けれどそれでいいのだと青年は思う。あらゆるものの価値は人によってがらりと変わるものだから。 ただ、少し考えて言葉を続ける。 『自分を放っておいてどこかに行けと言いますが』 『貴方を強く想っているから、そう出来なかったんじゃないですか?』 本当のところはどうか分からないけれど。 『だから、何処にも行けず貴方の傍らで泣いていたんじゃないでしょうか。 俺は貴方のこともWあの人Wのことも、何も知らないので安直な予想しか出来ませんが』 ▼ (-73) 2022/03/11(Fri) 16:45:57 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『…………成る程』 『成る程』 噛み締めるような反応。次のメッセージが送信されるまでに少し時間がかかった。自分の中にある考えをまとめるのに手間取ったからだ。 『俺は今までずっと心中する気持ち、理解できませんでした。 死ねばそこで終わりだと思ったから。死んだら何もない。自分には関係のないことだと』 何もなく、何も感じないのならば、生き続けることになった相手が何をしようと相手の勝手ではないかと。 『……自分のものが自分の手の届かないところで、自分の知らないところで珍しい景色を晒し続けるのは確かに嫌だ』 人間なんて不完全な生き物がはっきりと断定できる物事など、大して多くない。 だから元の世界で死んだ時、今の清掃員のように死者のまま現世に留まる可能性だって否定しきれないのだ。 そんなことになった時を考えると、自分が何より大切にしている者を置いて行った時を考えると…… ……ああ、確かに嫌だな。 あいつの死だって、俺のものにしたい。 ▼ (-74) 2022/03/11(Fri) 16:46:26 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『……ありがとうございます、カミクズさん』 つらつらとお礼の言葉を入力する。 『貴方には何度もお世話になっていますね。頭が上がりません』 『……こう言うのもあれですが』 生前見た姿を脳裏に呼び出しながら、比較する。 『今のカミクズさんの方が、素直に自分のことを話せているようで、晒せているようで』 曖昧な笑み。誤魔化すような、弱々しい笑み。 取り繕うのが決して上手くないくせに、辞められない物病みの仮面。 『俺はそちらの方が、気に入っています』 それよりも、このメッセージだけで綴られた貴方のほうが、 人前に出られない姿になってしまった貴方のほうが、 余程、 『 人らしくて 、ね』 (-75) 2022/03/11(Fri) 16:49:39 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-71 貴方に言われて少し考える。 軽薄そうな笑みをいつも浮かべる青年が人目も憚らずさめざめと泣くところ。 ……。 「 見たい 」俺は見たい。何故なら珍しい光景で気分が良くなりそうなので。 「ユニーク? そうは思わないな。変だとはたまに言われるから、変なのだとは思うが。 ……ただ、まあ。ここは世間一般的に当たり障りのない反応をしなくて済むし、言いなりにならなくて済むし、気楽にいられるからいいな」 真っ直ぐ貴方を見つめる。無機質めいていて、でも、ちょっとだけ熱を含んだ濁りのある眼差し。 「メイサイも少しは隠しているものを晒せる場であるといいんだがな。お前、内緒にしているものが多そうだから」 晒すのは楽だぞ、と無責任に呟いた。 (-76) 2022/03/11(Fri) 17:00:04 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス>>-76 「…………」 見たいんだ……。 「見せません……」 嫌です。 僕は、絶対に人前で泣かないという決意を新たにした。 「変なのはそうかも。ここで気楽でいられるのちょっと凄いですよ」 「ナツメ先輩とか見てくださいよ。合議の最中怯えたリスみたいになってましたよ」 視線が交わった。 ひとつ、瞬きをする。最初の頃ってこんな目つきだったかな。 「はは。僕は見学者ですよ」 「ここは僕の内情を晒す場じゃありませんから」 ああ、でも。 折角移植に関してのアドバイス聞かせて貰ったんだから、お礼くらいは言っておこうかな。 そっと耳元に近づいて囁こう。 (-77) 2022/03/11(Fri) 18:37:30 |
【秘】 奇形 メイサイ → 規律 ユス (-78) 2022/03/11(Fri) 18:39:10 |
【独】 不運 フカワ『目を逸らそうとしていませんか』 はじめて君を生かそうとした時は 君という人を理解したかったから。 けれどこんな場所や期間で満足がいくほど、 出来るものじゃなかった。 君がどうせ死んでしまうから、 会話や、何かで埋まるものじゃなくて。 だから。 した。 君の経験を、心を、感情を理解する近道を選んだ。 ねえ、俺は間違っていましたか。 (-79) 2022/03/11(Fri) 19:14:11 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズVR空間からもう時期出なければいけない時間。 奏でられる音楽に耳を傾けて目を閉じたり。 未来を望む会話を思い出したり、ああ、そういえば、と。 埋めも、燃やせもしなかったその死んだヒトを見やる。 居ることを疑っておらず、居ることを信用しきっていない君を。 「……掃守さん。 45メートル以上の高さがある建物 って。どこが思い浮かびますか」 (-80) 2022/03/11(Fri) 19:17:35 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「……やめちゃうんだ」 そっか。 小さく呟いて、視線をテーブルの上に落とした。 つるりとした天板を見つめて、二度、三度、瞬いて。 「嫌になっちゃった?」 生きるの。 と、つけ加える声は思ったより、その空間に響いた。 (-81) 2022/03/11(Fri) 19:25:16 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ>>-81 「嫌ではないですけど」 生きるのは。と、付け足して。 嫌ではないよ。 たまに行く学校は楽しいし。好きな本の続編まだ出てないし。親優しいしあんまり心労掛けたくないし。 そういった未練だってなくもないです。 「でも、生きたい人の命奪うのは、嫌……」 先輩の視線を追うように、テーブルに視線を移す。 こないだクッキーがあった場所には、今日は何もない。 (-82) 2022/03/11(Fri) 19:46:37 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『ありがとう、たのしみにしていてくれ』 生きている間に出来たらいいですね。お互い。 『そうだなぁ、ここからしばらくは流し読みするくらいの 軽い気持ちで目を通してほしい。返事はあんまりいらない』 打つ方も軽い気持ちでぽんぽんぽーんと打っているので。 (-83) 2022/03/11(Fri) 19:58:32 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『了お兄さんは単純にハッピーもハッピーじゃないも 持っているんでいいんじゃないか?』 『100の幸福と100の不幸を同時に持っているのは たぶん普通って言わないし』 プラマイゼロだから普通とは言わないと思うのだ。 俺のあと10年とか1年とか、そのくらいでも』 平等に振り分けるって制度の目的からしたら意味はない』 傍目から見たらやらん方がいいとは俺も思う』 『視点の問題だよな。どこから何をどこまで見て考えるか』 『俺にとっての他人は俺の狭い世界の境界線の向こう側。 俺は俺の世界からフィルター通しまくって見ている』 『俺は誰かの100の損失を0にして、俺の100の利益(実利1)を見ますよ』 『俺みたいな結論を出す人の方が少ないだろ? 十人に2,3人はいてもいいが、 十人全員俺みたいな物語はつまらんと思う』 「…いやだな十人の柚須お兄さんの合議」 想像してしまった。見学したくないわそんなん。 (-84) 2022/03/11(Fri) 20:02:49 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『誰の死でも目の前に命のやり取りが来て淡々としてたり 明るい結論出せたりする人の方が少ないと思わない?』 『繊細とか胆が据わってるとかの話でない。 これは何かしらを落っことしてきている奴の言うこと』 『だから俺は、了お兄さんくらいでいいと思うわ?』 『自分の気持ちも他人の気持ちも、 投げ掛けられた言葉やら何やらも、 持ちたい分だけ持っていきなよ』 『俺の言葉もね。愉召怪のコタくんは了お兄さんのことが好き』 『君が未来に何を選んでも多分だいたいのことに 「いいんじゃない?」って言ってあげよう。 肯定があると気持ちが軽くなるからね』 『でもたまに「それはどうかと思う」って言うことも あると思う。思い出したら好きなコタくんを想像してくれ』 『軽い気持ちの言葉このへんまで。長いな』 長いね。 (-85) 2022/03/11(Fri) 20:05:35 |
【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 奇形 メイサイ『閑話休題。俺は他人の望みも期待も持っていってやらないが、 俺がハッピーだった時間は最後まで持っていきます』 『ハッピーな時間をありがとう。なんだろうな、 了お兄さんに関しては、何か連想するものはあんまりないや』 『起きた後の俺は、友達の夢を見るよ』 (-86) 2022/03/11(Fri) 20:06:06 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「あ、最後……ですよね。 そう聞くと……寂しい、ような。気がします」 喉元過ぎればと言うけれど、流石に早すぎる。 言葉尻のぼやかし方はきっと、そうと自覚している表れ。 「じゃあ、またあとで。楽しみにしてます」 ――それから、ひと段落した頃。 あなたの手を引いて、ふたりきりのお茶会へ。 ちなみに、少女が提案した今日のお茶菓子に合う飲み物は、 「渋めの緑茶か……ホットミルク?」 でした。 (-88) 2022/03/11(Fri) 20:36:46 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 返信が次々と流れて来る画面を眺める。 「濁流か?」 他人の望みとか期待とかさ。 持たないでいられるなら持たない方がいいと思うよ。重たいし。 だからあなたには、何もあげないけれど。 「………………」 それでも、自分はつい汲み取ってしまうんだよな! 律儀なのかな? 律儀かも。ユス先輩にも言われたしな。 でも、それはもう僕なんだからしょうがないよね。 だから。 (-89) 2022/03/11(Fri) 21:02:39 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 『僕は持って行きますよ』 『コタくんが持って行かなかったもの、全部持って行っちゃおうかな』 『あなたが落として行ったものも、拾って行こう』 見学だから、候補者の皆さんをずっと見ていた訳ですが。 実はあなたの事も、ちゃんと見てたんだからね。 すぐ消されちゃったけど、いきなり全体送信されてたあのメッセージとかさ。 全部持って行くからさ。 今の濁流みたいなメッセージだって。 全部、勝手に持って行ってやる。 (-90) 2022/03/11(Fri) 21:03:38 |
【秘】 奇形 メイサイ → モノノ怪 ユメスケ>>-86 『こちらこそありがとう』 『ハッピーで何よりです』 あ、でも全く記憶に残してくれないのは辛いです。 連想できるものないってまじか。くそ、自己主張してやる。 さて今いるのは水族館。水槽の中の写真を送った。 『キャベツを食べるうに』 (-91) 2022/03/11(Fri) 21:04:25 |
メイサイは、ユメスケに、本当にしょうもない写真を送りました。 (t3) 2022/03/11(Fri) 21:04:49 |
ユメスケは、わらった。ふふ。 (t4) 2022/03/11(Fri) 21:14:52 |
ユメスケは、君のことを考えたら、雨上がりの空とかそういうのでなく君自身が浮かぶんです。俺の友達。 (t5) 2022/03/11(Fri) 21:15:02 |
【秘】 普通 ナツメ → 規律 ユス「んー……うん」 正解、と眉を下げて笑う。 生きたい、と。言うのすら、憚られる場所だった。 そんな場所が怖くないはずは、なくて。 「ぜんぶ、怖かったよ。最悪。とか、思ってた。 ツルギくんは、みのうえばなしとか言うし。 みんなピリピリしてて、はじめから喧嘩みたいになるし、 フカワくんは目の前で名前書くし……!」 つらつら並べる。まだありそうだった。 「……怖いからって、カミクズさんに入れたの。後悔してる」 「ユスくんは、怖いって思うことはあった? ……あ、お菓子ありがとう。いただきます」 スイートポテトをもぐ…した。 喉が渇いた。 (-92) 2022/03/11(Fri) 21:16:58 |
ナツメは、えいっ。出したのは紙コップ (a25) 2022/03/11(Fri) 21:17:20 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス墓石は、弔いは生者の為のもの。 過ぎ去っていったものが確かに"そこにいた"事を証明する為の碑。 生者が時折遠い情景を懐かしむ為のきっかけとなり得るもの。 時に踏み躙られはすれど、その起源は決して邪なものではなく。 それでも、忘れたいのなら、忘れればいいのだと思う。 生者が目を瞑ってしまえば、死者の存在は存外容易く曖昧になる。 自らの手に余る重荷をその場へ置いていく自由は、 きっと誰にだってあるのだから。 ただ、置いていかないで、と叫ぶ自由もあるというだけで。 『死んでからしたいことができるなんて』 自分がそんな事をしたいだなんて思ってもみなかった。 この場所に来た時、自分にとってやりたい事は一つもなかった。 強いて言うのであれば理想的な形で死ぬ事くらいのものだった。 だというのに、今は蛇足にも等しい時間を自ら望んで繋いでいる。 きれいごとを求める人々にとって、不都合でしかない蛇足を。 『やっぱりおかしな話ですよ』 気付かなければ、"善い人"のまま死ねたんだろうな。 独善と自己満足に満ちた終わりの中、誰にも迷惑を掛けずに死ぬ。 そんなお利口な結末を描けていたのだろうな。 今はそれが、自分にとって 満足の行くものだなんて到底思えやしないけど。 (-93) 2022/03/11(Fri) 21:20:27 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス『死んだらそこで終わり、でも』 死んだらそこで終わり。死んだ人が遺すのは、名残だけ。 それに対して生者が抱くものはどこまでも生者の感傷でしかなく。 『死んだ人の時間は、そこで止まってしまうけれど』 死者ができる事は、思い出として傍らに寄り添う事だけ。 『生きている人は その先を歩き続けるんですよね』 振り返ればいつだってそこに居るけれど、それだけ。 『死んだ人の手の届かない所で、ずっと』 手を伸ばそうとしたって、どちらも一方的にしかならない。 『それでどこにも行けなくなって、一人で泣くくらいなら』 『一緒に来てくれればよかったのに、なんて思うのは 身勝手な結果論だって、わかってるんですけどね』 そんな、すぐ傍に居るのに触れられないあの距離が。 自分は、いやで仕方なかったんだろうな。 (-94) 2022/03/11(Fri) 21:21:00 |
【秘】 の名残 カミクズ → 規律 ユス『僕は』 『ここで人らしくいるつもりなんて、ありませんでした』 どうせ人らしく死ぬ事なんて許されないのだから。 自分という個人の人間性、人生を垣間見せる事に意味なんて無い。 だからこれら全ては本来口を噤み秘すべき事で、それでも。 『でも それできみ達が知らずに後悔をする事が減るなら』 『これでよかった、のかな』 『ねえ、ユスさん』 『この場所は、ここで誰かと過ごした時間は』 『きみにとって少しでも、納得とか、満足の行くものでしたか』 いつか98uの海できみに投げ掛けた言葉を、ふと思い出した。 一人では何の感慨もなくとも、誰かと一緒なら少しは違うはず。 そんな実にささやかな希望的観測。 願わくば、それが単なる願望でなければいいな、と思うし これから先の時間もそうであって欲しいな、と思う。 きっときみにとって限りなく他人に等しい人間からの、 実に一方的で無責任な願い、ではあるのだけど。 (-95) 2022/03/11(Fri) 21:21:44 |
メイサイは、やべー写真を見て笑った。やばかった。 (t7) 2022/03/11(Fri) 21:30:52 |
メイサイは、ユメスケと満足するまでしょうもないやりとりをしてから、お別れをするだろう。 (t8) 2022/03/11(Fri) 21:32:20 |
【独】 の名残 カミクズ思えば最初に一緒に死のうと言ったのは何故だっただろう。 ただ一人で死ぬのは寂しかったのかもしれない。 一人でもいいやと諦めてはいたけれど、できたら二人の方が良かったのかも。 或いはただ単純に別々に死ぬのは二度手間と感じただけ、そんな事もある? 今となってはよくわからない事だった。 その次は、確か。 きみを置いていきたくないと思って、これは今とそう変わらない。 一人で苦しんで欲しくはなかった。それから、少しの痛み分け。 互いに互いを失った苦しみを知らないままに死ぬ、そんな対等性。 あの時は多分、そうだ、死というものを分かち合いたかったんだな。 それで、それから、今は。 ただ、きみが自分の手の届かない所に行ってしまうのがいやだった。 自分の手の届かない所で、悲しい思いをして、寂しい思いをして、 辛い思いをして、自分以外の何かに傷付けられていくのが。 ただただひたすらに、我慢ならないな、と思った。 そんな我儘で身勝手でどうしようもない理由だ。 それが間違っているか否か、その分類や定義に大きな意味は無い。 もはや正しさなんかで救われやしないのだから。 出会うのが遅すぎて、出会ったのがこんな場所だった時点で、もう。 きっと僕達の間で重要なのは、互いに満足がいくかどうかだけ。 ねえ、こうも愚かである事は、僕達に責任があるのですか? 誰か教えられるなら教えてください。 ああ、でも、できることなら、もっと早くに教えて欲しかったよ。 (-98) 2022/03/11(Fri) 22:10:29 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「────、……」 ただ静かで安穏としていて、特有の物寂しさに満ちた空気の中。 乾いて、濁った音。 いと深き眠りを拒んだ、夢見る死者が言葉を紡ぐ為の一呼吸。 「……45メートル…マンション…? ああえっと、10階建て以上の…15階以上?…」 唐突な問い掛けに、寝起きじみてもたくさと答えを返すのは 今や存在を疑う事は難しく、けれど居るとも証明できないもの。 微睡みの中にしか確たる形を保てない、夢の名残のようなもの。 「…もういくんですか?」 自らも問いを一つ投げ返し、死者は緩慢に身体を起こした。 (-99) 2022/03/11(Fri) 22:11:10 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「…………」 何もないテーブルの上を見つめて。 返ってきた『嫌ではない』と零された『嫌』を、咀嚼する。 「…………あの、」 いくつかの言葉が頭をよぎった。 ぜんぶ、綺麗事で。嫌だなと思った。 掛け時計の秒針の音が嫌に響く、数分が経って。 かたり、立ち上がる拍子に椅子が鳴る。 そっと伸ばす手を頬に添える、そんなふうに宙へ浮かす。 横髪を透けてしまう手も透かされる髪も歪で、ここは現実味がなかった。 「……私は」 ごめんね。 きっと一番、綺麗じゃないこと。 (-101) 2022/03/11(Fri) 22:28:47 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ (-102) 2022/03/11(Fri) 22:30:39 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「俺と同じ答え出しますね。 規定通りの建築であればそうらしいです」 「……、マンションの屋上でいいか」 独り言を呟きながら目を閉じて思い浮かべる。 正しく、精密に、部屋のなかは空っぽのまま。 中には誰も存在していない、空虚な建物。 それが目の前にゆっくり建設されていく。 「飽きまし……あー……飽きた? 勝手に待っていたから、謝らないけど。 話しかけてあげなかったのはごめん」 敬語は、他人にはそうするべきと学んだから。 親にも、家族にも、みんなこうで。 ただ自分一人のときは、"仲の好い人"の前では、 崩そうと意識をしようとしていた。 「掃守さんは、俺がこのままログアウトするのを見送ってくれる?」 (-103) 2022/03/11(Fri) 22:49:20 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「僕に他人の命奪って生きろって言ってますか」 ナツメ先輩の手が頬に触れた。いや、触れていない。 そこには何の感触もない。 「本来なら死ぬはずの僕のために、本来なら生きられるはずだったどこかの誰かが死ぬんですよ」 「ヒメノさんみたいに」 「移植手術だって成功率は100%じゃないし。 僕だって移植した後暫くは拒絶反応で苦しむ羽目になるし。 免疫力落とす薬飲まないといけないらしいですよ。移植後の死因で一番多いの、免疫弱くなったせいで罹る感染症らしいです」 「移植受けたからって100%完全に元気になる訳じゃないんですよ」 「それでも、その為に誰かの命犠牲にしろと」 「 候補者のナツメ先輩。 あなたなら、そのくらい分かってますかねえ」 「全部分かったうえで、僕に生きてて欲しいって言ってるんですよね」 「どうしてそこまで?」 いちばんって。 僕ら、まだ会って数日の関係ですよ。 しかも、ちょっと会話したくらいの。 (-104) 2022/03/11(Fri) 22:53:55 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワきっとこれは、住居としての役目は果たさないのだろうな、と。 がらんどうの建物を、一度見上げて。 「ひどい人」 それから、あなたの方を見て笑った。 物憂げで、陰鬱で、淋しげで、でもそれだけではないような。 「僕がいやだって言っても、きみがログアウトすれば勝ち逃げ。 わかってて言ってるでしょ」 複雑な笑みで、複雑な声色で、でも気心知れた仲のように。 わかっていなかったら、それはなんか、もっとひどいな。 なんとなくそんなふうに思う。 「一人勝ちなんてされたら、僕はきっとがっかりするよ」 「きみがいつか、僕が勝手に死んだら悲しくなるって そう言ったのと、多分だいたい同じ感じの気持ちなのかも」 まったく同一なんて思ってはいないからそんな言い方をする。 自分の気持ちは自分の気持ちで、きみの気持ちはきみの気持ちだ。 本人以外にできるのは、それを最大限汲み取ろうとする努力だけ。 「待っていたのも、きみと一緒に死にたいって言ったのも。 僕が勝手に期待していただけだから、いいけど。 きみが悪いわけじゃないってわかってるけど、でも」 「それでもやっぱり、僕はがっかりするんだよな」 (-105) 2022/03/11(Fri) 23:54:21 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「うん、だから言うよ、身勝手な我儘でも」 不意に、すとん、と重たい笑みは抜け落ちて。 「一人で救われるなんて、羨ましい」 きみにいつか言われた言葉。 そっくりそのままの、意趣返し。 「やめてくれないかな、そういうの」 あるかもしれない未来へと手を引いて行くような。 今よりほんの少しでも明るい明日を夢見させるような。 そんな都合の良い言葉をくれる生者達とは対極の存在。 同じ夢ならば、覚めない夢だっていいでしょう。 「やっとわかったところなんだよ。 僕はただ、きみが自分の手の届かない所へいくのが嫌だった。 僕の手の届かない所で、僕にはどうする事もできないものに これ以上きみが傷付けられるのは我慢ならなかった。 優しくない世界にこれ以上きみをくれてやるのがいやだった。 それは物質的なものじゃなくて、謂わば精神的な意味で」 「だからもう、ここで終わりにしよう」 「一緒に死のう、邦幸さん。 誰の手も届かない所で、今度こそ、一緒に。」 誰にも頁が捲られないなら、幸福にも不幸にもならないでしょう。 (-106) 2022/03/11(Fri) 23:56:35 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「……うん。そう言ってる」 「それは、知らなかった。免疫、落とすの……」 私は、うーん、と籠った声を出した。 なにかを考えるときの、あんまりよくない癖。 「さっき……やめるって言われてから、すごく、苦しい。 本当は、移植しなきゃいけないくらい、重いんでしょ?」 「……今の自分が、かわいそうじゃないから。 そんなのが生きたい理由になってもいいんだって、思いもしなかった。 否定しないどころか、そんなことまで言ってくれて、応援みたいなこと。言ってくれる人がいるなんて思わなかった」 「フカワくんに、票、変えてほしいって。 言ってくれた……って聞いたよ。 メイサイくんにいいことなんて、ないのに。 見てるだけって、言ってたのに……」 「あと、メイサイくん。 変わらずにお喋りしてくれるでしょ。 無理してないか心配だったけど、ずっと、うれしい」 「嫌になっちゃうまでは、生きててほしいよ。 ……それがおじいちゃんになるまでだったら、嬉しいけど」 メイサイくんに、笑いかけてみる。 手を添えているはずの頬は相変わらず、透き通っている。 「どうしてだろう、ね? …………どうしてだと、思う?」 (-107) 2022/03/12(Sat) 0:01:04 |
【神】 園芸 ハナサキ>>G17 >>G18 >>G19 フカワ 「ほんと?」 聞き返します。 そうだと言っていても。 あなたが遠慮せずに言うと知っていても。 「ほ、本当にそう思ってませんか!? 分かるって、言うだけなら簡単ですよ」 それはこの話し合いで誰かから聞いた言葉。 寝て覚めれば忘れるかもしれません。 永遠の眠りならばなおさらに、無責任だとハナサキは思っています。 「私の事、どれだけ知っていますか? 生きていて平気か知らないですよね。 帰って何もやりたい事が思いつかない事は? フカワさんにどれだけ気持ちが助けられたか、きっと分かって無いんです」 ずるい言い方です。 全部ぜんぶ、濁流のような言葉で濁してしまってまるで照れ隠しのような遠回り。 結局は"同じ"なんだって気づけばなんてことはない答え。 (G26) 2022/03/12(Sat) 0:18:41 |
【神】 園芸 ハナサキ>>G26 フカワ 「……だから、知って欲しいって思います。 今は、すごく。なんでかはわからないけど。 同じくらいあなたの事も知りたいと思います。 前から、もっと。わからないをわかりたいから」 でも、面倒くさいのはお互い様。 オジギソウの如く簡単に縦に動く首と裏腹に、可愛らしい植木鉢の中身はどろどろと不安と疑問と、怯えが渦巻いています。 ──嫌な子って思われるかな。 「暇つぶしって楽しいんですよ。 意味の無い時間が意味のある時間に変わるんです。 その意味を与えてくれたのがあなたでした。 この身を捧げる事以外に、確かにあったんです。 もらったものを抱えて生きていきますって言おうと、おもって……」 ここで止めておけばいい。 そうしたらあなたを困らせないで済みます。 ただ漠然と生きる事は楽じゃあない。 それはあなたがわかった通り。 止めない私。あなたと選択を分かち合った私。 (G27) 2022/03/12(Sat) 0:19:40 |
【神】 園芸 ハナサキ>>G26 >>G27 フカワ 「おもってたんです……嘘じゃないんです……っ!」 いつの間にか俯いた顔から足元に吸い込まれていく雫は音もたてずに床に染み込みました。 隠す事も拭う事もせずにたどたどしく震える声を届け続けます。 「ひとりで潰した暇が、吃驚するぐらい虚しくて、悲しくて」 温室の中。 あなたと過ごした同じ場所なのに色あせた造り物ばかりに見えました。 ウサギゴケが微かに動いたようなそれくらいの虚無空間が広がっていました。 「気づいちゃったんです。 あぁ、これは全部終わった後の私なんだ、って」 傷だらけの体。 花の香水で誤魔化した鉄さびの匂い。 与えるものも、与えられるものもない。 いつか白羽の矢が立つ日を待つ的。 その日まで植木鉢に縛り付けられた造花。 止まってしまう私。あなたの知らない私。 「フカワさん。無責任で、自分勝手で、わがままを言います。 私に──」 ふわり。 髪が舞い、緩いハグ。 (G28) 2022/03/12(Sat) 0:20:29 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ>>-88 「私は寂しいですよ? 少なくない時間を過ごした方が居ます。 簡単には忘れられませんし、きっと楽しかった部分もあるから」 人の命を天秤にかける場を終えた感想としては不適かもしれません。 まずいと思わせるのはおそらくこういう所。 「待ち合わせは広場で!」 あそこならこの空間も見渡せます。 思い出語りをするにも悪くない初めからある場所。 …… ………… 裁判所で用を済ませた後は楽しいお茶会の時間。 「緑茶にしませんか! 結構甘いんですよこれ、合わせて大人の味わいです!」 広場は相変わらずとても広い。 出来合いの花壇と数日前に穴だらけにした──今は何もない──地面を視線でなぞりました。 (-108) 2022/03/12(Sat) 0:39:34 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「はい、わかってて、言いました」 似つかわしくない笑みを浮かべて建物へと入っていく。 影は一つで、足音も一つ。 少し高級なイメージをしたエレベーターのボタンを押して、 外の景色を眺めながら上がっていく。 「がっかり、か。そっか。 同じ気持ちになってくれた、変な気分だな。 俺は、同じ気持ちになってくれる人……欲しく、なかったし」 「でも今は、……あの時の、閉じ込めたくなった気持ち。 少しでもわかってくれたのかなって、感じて。] 嬉しく、なってる」 「幻滅されてもいい、って思ってる。 こんな口説き文句ありますか……? 覚めない夢をみようだなんて」 (-109) 2022/03/12(Sat) 1:39:47 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ傍 に居るじゃないですか。君は。一緒に居るって言いましたよね。 信じていますよ、信じています。 ――一緒に居たかった? 君が 欲しかった。 君の 命が 欲しかった。君と、 「掃守さん…………」 友情でもない、恋情でもない、家族愛でもない、 他人に言われた、 "仲良く見えた" 、それを本物にしたかった。 全て後になって、自分が何をしたかったのか気付いて。 「俺もやっとわかった。自分のやりたいことが 自分のやりたいことじゃなかったって」 殺したかった気持ち と、傍に居たかった気持ち が溢れて、どうしようもなくなってしまった。 ――その上もう君への気持ち以外でも自分は埋められている。 (-110) 2022/03/12(Sat) 1:42:48 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「それでもやってしまったことを、後悔したくないです。 君の事を好きな気持ちも、君を殺したい気持ちも本物でした」 「君が、もう誰にも届かない場所に居るのが、嬉しいです」 「君が、隣に居ないのは寂しいです」 「幸か不幸か、は、……思うところがあるので、後にするとして」 「今君に手を伸ばそうとしていることが、感じたことが」 「これが、一緒になりたいってこと、だと、思う?」 「それを"理解してくれる"なら、 之からこの物語を一緒に終わりにしに行きましょう」 (-111) 2022/03/12(Sat) 1:50:31 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「わからないけど、わかるんですよ。 すぐに答えが出ないのは、思い返す時間がないだけです。 ハナサキさんは、わかりやすい人でしたから。 えっと、色々です、色々。 ああ、でも……助けられた、って感覚は、わからないです。 そう、ですね。ううん。 知れて良かった、と、君に感謝を伝えたい気持ちが。 一緒であるのなら、同じ、っていうことなんだと思います。 助けること、できるんですね。俺でも」 こればっかりは他人事で、それでも本能でわかるのは。 何も考えず、共通の話題で、似たような価値観で、同じ吊り橋を渡ったことを穏やかに話すことが。 二人にとって良い暇つぶしになりそうなことでした。 「君のこと、知りたいですよ。求めることに嘘はないです。 だけど、俺のことは知られたくはないです。 その上で、もし俺自身が君に" 知ってもらいたいと思えたなら" 、俺はそのとき、きっと"幸せ"なんでしょう、ね?」 (-112) 2022/03/12(Sat) 1:53:41 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「――それで、そっか。 ううん、そうか……そんなことを言われるとは。 思わなかった。"想像していなかった"」 「君は人の選択を連れて行ける勇気を、もうもっていたんでした」 私には気遣いしないでください。 できないのに無理に施されるくらいなら要らないです。 あなたがここでしたい事はなんですか? 「之は、誤算だな……どうしよう」 拒む理由が、命を託した業で塗りつぶされていく。 濁ったような、綺麗じゃない感情がようやく見えてきて。 困ったことにひどく好ましく思った。 全部くださいよ。 あなたが見ない振りしてる分からなくなった気持ちを ここで全部下ろしていけば──ええ、本当に綺麗になるかもしれません。 「俺、今の君の方が 好きですね……。 綺麗事言わないで、他人の顔色うかがわないで。 ……自分のやりたいことを。 ああ、ねえ、どうですか」 (-113) 2022/03/12(Sat) 1:56:56 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「結局、俺たち。 全然綺麗じゃないじゃないですか」 仕方ないな、と、砕けたようにその泣き顔に笑い返して、その汚い姿を抱き留め返した。 泣かないでと、言う言葉を告げようものならば、"面倒だから"という言葉がつきそうで、やっぱり黙ることにしたのだけれども。 「……ダメ元で聞くんですが。 選択って……何を、どうするのか聞いて良いですか……。 事情があってすぐにログアウトは出来ないんですよ」 (-114) 2022/03/12(Sat) 1:59:37 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「意地悪」 抗議の声と共に浮かべた笑みは自然なものだった。 死者は影を落とさない。死者の歩みは響かない。 けれど確かに傍に居て、それでも傍に居る事を証明できない。 ただ、生者にとって都合の良い夢にしては、随分と我儘なもの。 それが今ここにある夢の続きだった。 「…僕も、今はあの時殺しておけばよかったと思ってる。 多分、きみに触れられたらきみと似た事をしていたとも思う。 生かそうとしてるわけじゃないから、同じではないけど… 幻滅されても、ひどいわがままでも、そうしたいような事」 半ば独り言のように言葉を返しながら。 ぼんやりと灯るエレベーターのランプを見上げた。 最上階に辿り着いた時にはきっと、結末は決まっている。 そんな漠然とした予感があった。 「きみに死んで欲しくないのに、きみを殺したくて。 少しでも長く一緒に居たいのに、早く終わらせたくて。 きみと生きていたいのに、きみと死にたくて仕方ない」 二律背反、自己矛盾でいよいよおかしくなりそうだ。 これって死んだ事でおかしくなってしまったのかな。 或いは、案外本当は、自分ってそんな人間だったのかも。 自分でもわからないのだから、何れも定かではないのだけど。 (-115) 2022/03/12(Sat) 4:17:22 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「僕はあの時、手遅れなんかじゃないときみに言って」 滅多に人の言葉を否定しない自分が、否定を叩き付けた時の事。 「今も確かに何もかもが手遅れではなかったんだと思うんだ」 それがたとえ願望じみたものであったとしても、 ただ願望ばかりというわけでもないのだとは、思っていて。 「でも多分、今にして思えば。 手遅れではなくとも、そこから先がなかったんだろな」 「いつからかはわからないけど、なかったんだ、僕達には」 欲しかったものは拾っても、踏み出す先がなかった。 互いにそれぞれの理由で身動きが取れなくなってしまった。 優しくない世界に引かれた、優しさで舗装された道の先。 行き着いた先、どこまでも優しく残酷な袋小路がこの場所だった。 閉塞感とぬるま湯に満ちた水槽のようだった。 「だから、二人で終わらせに行こう。 また失敗するかもしれないし、それに もしかしたらすごく後悔したくなるかもしれないけど、でも。」 茫とランプを見上げていた視線を隣のきみへと戻して。 触れられずとも手を重ねて、 心よりの笑顔と共に未だ名付けられない想いを贈ろう。 「それでも、そうだとしても僕は、きみと一緒に居たいよ」 (-116) 2022/03/12(Sat) 4:20:37 |
【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ --------------------------✂-------------------------- 退屈だった。 合議を終えて、五体満足で帰ってきて。 元の生活に戻った筈なのに。 「……」 何もかもが色褪せて見える。 こんなにも味気ないものだっただろうか。元々鮮やかさが失われていたような日常だったけれど、数日ぶりに見たいつもの景色は耐え難い程に無味乾燥であった。 母親は相変わらず「お前の代わりに死んでいった人たちの分までまっとうに生きなさい」とばかり言うし、考えることをやめた俺を腫れ物扱いして距離を置いていた弟や妹達は夢中になっているものへと逃げていった。 俺のいた場所はこんなにも味気ないものだったんだな。 ああ、それはきっと。 あの紛い物の世界の中で、久しぶりに味を知ってしまったからなのだろう。心が動く程の景色を見たからなのだろう。 不可逆の変質。知らないままならずっと愚か者として生きていられたのに。 帰ってきてからは手の中にある予備の携帯端末だけが俺の全てだった。 望む景色をお前と見るために考える時間だけが俺に取っての救いだった。 だから犯行計画は逃げるように夢中になって企てた。 だから、花見客が桜に集う季節になって、もう一度お前と会った時。 言葉を詰まらせ、胸が締め付けられるような心地になったのだ。 ああ、もう、戻れない。 ▼ (-117) 2022/03/12(Sat) 8:28:28 |
彼の兄だった ユスは、メモを貼った。 (a27) 2022/03/12(Sat) 8:29:56 |
【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ 殴打音。殴打音。殴打音。 うららかな春の陽気。昼下がりの穏やかな時間帯。 日常が、一回ずつ丁寧に殴られ壊され崩れていく。 弟が呼吸すら止めるのに時間はたいしてあまりかからなかった。殴られて意識を手放す瞬間か細い声で「兄ちゃ、」と自分を呼びながら助けを求めていたのを熱も何もない瞳で見下ろしていた。 弟だったものがじわじわと床を赤く濡らしていく。日常がじわじわと非日常に侵されていく。 「ああ」 ……それでも、弟に関して何か思うことはなかった。 「何度も振り下ろすのは意外にも疲れそうだとは思ったが」 バットを受け取る。 持ち手から伝わる貴方の温もり。歪んだ先に残された弟の痕跡。 人が人らしく生きた、生きていた名残に一度触れて、 「何も問題ない」 それきり、弟の名残に興味を持つことはなかった。 ▼ (-118) 2022/03/12(Sat) 8:33:16 |
彼女の兄だった ユスは、メモを貼った。 (a28) 2022/03/12(Sat) 8:35:10 |
【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。お手本の通りに、妹を壊していく。 自分や弟と出かけられると、浮かれて無防備に背を向けていたところを襲った。最後に聞いた妹の声は甲高い悲鳴だった。事態を把握できないまま苦痛に満ちた声がこぼれ落ちた。 それも直ぐに金属が肉と骨を叩く音で塗り潰されていく。 人を殺すのは初めてだったから、何度やればいいのか分からなくて。 ぴくりとも動かなくなってからも、ツルギが念入りに叩いた回数よりも多く金属バットを妹だったものに振り下ろした。 「……」 どれくらい殴っただろうか。 気付けば手も額も汗にまみれていた。慣れない作業でやたらと息が乱れてしまって、呼吸を整えようと何度も肩が上下に揺れた。 妹の様子を確認する。息をしていないことを確認してから、更に歪んでしまったバットを握ったまま共犯者へ向き直る。 「人ひとりを殺すのも楽ではないな」 妹を殺して出た感想はそれだけだった。 妹に関する感想は、特に何も無かった。 (-119) 2022/03/12(Sat) 8:37:05 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「…………」 伸ばされた手をただ受け入れていただけだったけれど、その言葉には反応せざるを得なかった。 「……は!? 票!? 何で知って──」 え? フカワ先輩、何やってんの? 内緒って言ったのに!? 本当は見るだけでいるつもりだった。介入するつもりなんかなかった。 だから、そう。気の迷いだったんだ。あれはさ。 本人に知らせる事もなく、終わらせようと思っていた。 いや、言うなよ。 だからほら、こんな事になるんじゃん! (-120) 2022/03/12(Sat) 9:16:00 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「…………」 頭を抱えた。 「先輩……」 長い溜息を吐いた。 確かに言った。そういう風に言ったけど。 会って数日の人間に抱く感情そんなにある? いや……先輩は命の危機に晒されていた訳だし、ある種の吊り橋効果? 分かんないけど。 「何というか」 「ちょろ過ぎじゃないですか?」 (-121) 2022/03/12(Sat) 9:20:15 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ 長い沈黙の後、再び言葉を出す。 「……じゃあ、ちょっと普通じゃない遊びしませんか」 引き留められたくらいで考えを変えたりはしないけどさ。 「これから先輩が、僕を。 全ての決心を折ってでも生き延びたい気持ちにさせられたら先輩の勝ち って事でどうですか」「期限は、僕の心臓が止まるまで」 考えるのをやめない事が大事だって、ハナサキさんもユス先輩も言ってたんですよ。 ねえ、死ぬまで悩ませてくれますか? 先輩。 「先輩が勝ったら、何でも言う事聞きますから。あはは!」 (-122) 2022/03/12(Sat) 9:26:08 |
メイサイは、今のところ、生き延びる気はない。だけど、ナツメの事をまだもう少し見ていたい気持ちはあったから。 (t9) 2022/03/12(Sat) 9:28:54 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「そうか。それは残念だ」 見れたらいいなと思うくらいなので、残念とは口にするけどそこまで残念がってはいない。 「ここで気楽にいられる奴は、恐らく世間というマジョリティや現実が齎す事実やしがらみに押し潰されてしまいそうな者たちだろうな。俺という個人の経験則からしか言えないが。 ここは咎める人も法もない。己の命を顧みないことが出来るなら、絶好の逃避場所だ」 「ナツメは……あいつは合議、意見するのに相当苦労していたように見えるな。リスでもまだ動けるだろう。リスのほうがマシかもしれない」 あまりにもあんまりな言い草。だからこそ、薬局の騒ぎなどで動くことを選んだ事実は彼女が一生懸命頑張った証であると青年は素直に評価している。 「……はあ。内情を晒すのに見学も参加者も関係ない気がするがな」 そう呟いて耳を傾ける。 ▼ (-123) 2022/03/12(Sat) 10:21:48 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……」 貴方の言葉で全て繋がった。貴方の状況を察し、その上で貴方が取った選択を振り返る。 「……。どういたしまして、後輩。 俺の話を参考にするもしないもお前の自由だ。不要なら捨てるといい」 「ただ」 囁いてきた貴方に手を伸ばす。 触れようとしたのは左胸。けれどその指が貴方の体に当たることなどなく、そのまますり抜ける。 ──貴方の体の中まで。 さて、心臓はこの辺りだろうか。 「お前がどうしようとこれからも何処かで誰かが提供者として選ばれ続ける。明確にどこの臓器が誰に移植されるか決まっていなかったとしても。 俺たちがこれからも過ごす毎日は、たまたま選ばれてしまった誰かの血肉と臓器で舗装されている。 そういう規律が作られてしまったから」 「俺たち候補者は僅かに残された選択の余地で死ぬかもしれない人間を選ぶことができるが、最終的に誰を殺すか決めるのはこの国だ。 あらゆるものを奪っていくのはこの社会だ。 人が人であるかぎり、俺たちは社会に管理され続ける」 ──だから、お前がそこまで気負う必要はないと思うんだがな。 最後のは自分の意見だ。でも、それは言わなかった。 ▼ (-124) 2022/03/12(Sat) 10:23:13 |
【秘】 規律 ユス → 奇形 メイサイ>>-77 >>-78 「……話が長くなってしまったな」 ぱ、と後輩の中から手を引き抜いた。 「それじゃあ俺はこの辺りで。お疲れ様」 そう言って踵を返す。 「メイサイ」 「賭けに勝ったお前にも、何か配当があるといいな」 心が欠けていたとしても。 似た境遇の後輩に何か思うところは、この青年にもあったのだ。 (-125) 2022/03/12(Sat) 10:23:58 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ>>-92 少女は好きなものを好きに飲むだろうと思って自分の分しか出さなかったのだが、まさか分けてと言われると思わなかった。 でも断る理由が無かったので飲む前にお裾分けする。だばだばだば。コップの9分目まで入れた。 「……言われてみると色々あったな」 つらつらと並べられたものを思い出して呑気にそう呟いた。 「俺もカミクズさんに投票したし、他の者もそうした。予備提供者になった原因はお前だけではないのにそれでも後悔するのか」 後悔する理由が分からなかった。 「怖い、か。この合議の期間中そう思ったことはなかったな。嫌悪だとか嫉妬だとか、よくない感情はいくつか出てきたことはあっても恐怖は無かった。大怪我をして死ぬ間際になれば、きっと本能的に死にたくないと怖がるかもしれないが」 どんぐりクッキーをさくさくつまみながら、やっぱり呑気そうに答えた。 (-126) 2022/03/12(Sat) 10:51:13 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 アクター 「今回の合議の演者はあなた方、候補者の皆さんですから。 観客には設定も背景も要らないじゃないですか」 アクタさん風に言えば。 「感想くらいなら幾らでもお出ししますよ!」 「……とはいえ、これでもちょっと喋り過ぎたし余計な手出しし過ぎた方なんですけどねー」 実は色々、やらかしてしまったのだ。反省してる。 (-131) 2022/03/12(Sat) 11:25:20 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 「うわあ」 こないだ僕がした事をやり返された。 これ、いざ自分がされると何とも言えない感覚になるな……。 「分かってますよお。 僕が提供受けなかっただけじゃ何も変わらないって事くらい」 分かっている。 人間1人が何かしたところで社会は変わらない。 あらゆるものを奪っていくのはこの社会だ。 人が人であるかぎり、僕たちは社会に管理され続ける。 それでも。 「ちょっと抵抗してみたかった」 「ここに来るまでは、両親にもうすぐ助かるよ、良かったねって言われてて。ただ漠然と生き延びられるんだなってしか思ってなかったけど。 ちゃんと合議見てからは、何だか抵抗したくなりました」 「自分で考えて、自分の人生くらい自分で決めたくなりました」 「反抗期ってやつ?」 多感なお年頃ですから。 (-132) 2022/03/12(Sat) 11:28:31 |
【秘】 奇形 メイサイ → 共犯者 ユス>>-125 「……あ! 今ちょっとにこってしませんでした!?」 したか? どうだろう。 気のせいかもしれないけれど、ユス先輩の嬉しい顔が見られた気がするので、ちょっと嬉しくなった。 「あはは。十分、貰いましたよ」 皆さんの気持ちとか、アドバイスとか、色々なものを。 去って行く先輩の背中を見た。 (-133) 2022/03/12(Sat) 11:29:29 |
メイサイは、その背を追いかけて、最後にもう一度だけ先輩の体の中に手を突っ込んでおいた。ズボ……。 (t10) 2022/03/12(Sat) 11:29:55 |
メイサイは、「お疲れ様でした」と笑って、今度こそ彼を見送った。 (t11) 2022/03/12(Sat) 11:30:12 |
ユスは、途中、後輩の返答を聞いて目を一瞬丸くしたことだろう。 (a29) 2022/03/12(Sat) 11:46:58 |
ユスは、抵抗も、反抗期も、切り捨てて楽な道を選んでいたから。 (a30) 2022/03/12(Sat) 11:47:23 |
ユスは、だから、目を丸くしたあとほんの少しだけ瞳を細めていた。 (a31) 2022/03/12(Sat) 11:48:12 |
ユスは、笑い声を聞きながら立ち去った。自らの意思で「俺のようになってほしくない」とはっきり思いながら。 (a32) 2022/03/12(Sat) 11:54:16 |
【秘】 奇形 メイサイ → 不運 フカワ『ちょっとフカワ先輩??? 票の事内緒って言いましたよね!?』 『デリカシーとかないんか?』 終わり掛けだったけど、これだけは許せなかったのでとりあえずメッセージだけは送った。 返信来るかどうかは知らない。 (-134) 2022/03/12(Sat) 12:27:51 |
エノは、フカワの言葉を聴いて、それ以上引き止めることはせず、見送った。 (a33) 2022/03/12(Sat) 13:41:41 |
エノは、アクタと体を離して、「清算してくるね」と告げた。 (a34) 2022/03/12(Sat) 13:42:17 |
【秘】 共犯者 ツルギ → 共犯者 ユス躊躇なく凶器を振り下ろす君を、後ろから満足気に見つめている。 もし躊躇ったらこのまま背後から襲うつもりだったけど、 リュックにコッソリ入れてきた包丁の出番は無さそうで良かった。「…だろ?もしかしたらまだ生きてるかもしれない、って思うと何度もやっちゃうんだ。」 君の額に手を伸ばす。軍手はそんなに汚れていなかったけど、少し血痕が付いていた。 わざと血の付いた部分で君の汗を拭う。 「次はお母さんか。まだ少し時間あるんだっけ? それまでもうちょっと部屋荒らしとかないとな〜。」 子供部屋からは電子辞書やゲーム機。 リビングからは古い結婚指輪や腕時計。 抜かれたままの電話線。 既にある程度荒らしていたけれど、さらに室内を散らかしていく。現金は貰っていこう、交通費として。 ベランダに干された洗濯物。 まだ湿っていた。 冷蔵庫の扉に貼られたメモ。 中にあったハムを食べた。 色んな行事が書き込まれたカレンダー。 もう捲られることもない。 どこにでもある、普通の家だった。普通ってこんな感じなんだなあ、と思いながら。 その普通≠何の感慨もなく壊していく。 「………そろそろ?」 冷凍庫にあったソフトクリームを食べながら君に問いかけた。 玄関の鍵が回る音を、今か今かと楽しみにしている自分がいる。 早く帰って来ないかな。誰かの帰りを待つなんて久し振りだから、何だか変な感じ。 もしかしたら、食後のデザートを待つような。そんな気分かもしれない。 (-135) 2022/03/12(Sat) 14:29:07 |
【人】 美術 エノ>>ALL 『薬局には近づかないで。』 裁判所から出たのち、全員に向けてそれだけ通達して。 自らは薬局の中へと入る。 自身の名字がでかでかと書かれた看板が目に入る。 自分が倒した商品棚を見る。 かつて、自分が殺してしまった人がいた場所を見る。 「まぁ、ここだよね。」 罪の清算をするなら、ここしかないよね。 (18) 2022/03/12(Sat) 16:25:09 |
【人】 美術 エノ少し開けたスペースに、イーゼルを立てて。 そこに一際大きなキャンパスを立てかけて。 ふぅ、と一息。 端末を見る。 合議の参加者、未だ生存してる8人。 それぞれのマーカーの位置を確認して、 薬局には1つ分しかいないことを確認する。 汗が出てくる。 手が震えてくる。 せめて、清算をする前に少し、落ち着きたくて。 オレンジジュースを飲もうと、出そうとして。 ………少し迷ってから、レモンティーにした。 喉を潤す。 1度飲んだだけのレモンティーは、再現するのが大変で。 随分無駄なデータ容量を使ってしまったけれど。 「………美味しい。」 でも、心は落ち着いた。 よし、とパレットと筆に手をかける。 (19) 2022/03/12(Sat) 16:30:19 |
【人】 美術 エノ───薬局が僅かに揺れる。 データの海から絵具を作り出して、パレットに絞り出す。 そうして、真っ白なキャンパスに筆を入れていく。 まずは、この周りの風景を。 人工物と薬で囲まれた無機質なこの店内を。 棚の一つ、商品の一つまで丁寧に描いていく。 ───薬局が僅かに揺れる。 データの海から新たな絵具を取り出しては、絞る。 2回の合議への参加で知ったことだが。 この世界では、一人が作り出せる物には上限があるらしい。 あまり負荷をかけて、不用意なエラーを引き起こさないためだろうか。 凡そ自由に好き勝手作ったとしても上限には至らないくらいの余裕はあるが。 でも確かに、上限は存在する。 ───薬局が僅かに揺れる。 この薬局なんかは、品数から何から、薬の一粒、成分、パッケージに至るまでを精密に再現したものだから。 見た目よりはるかに多いデータ量を持っていて。 (20) 2022/03/12(Sat) 16:39:03 |
【人】 美術 エノ───薬局が揺れる。 では上限に達したらもう何も作れないのか、というと そう言うわけでもなく。 どうやら最初に作り出した物を消去して、容量を確保するらしい。 もしかしたら実際には全然違うシステムなのかもしれないが。 青年はそのように認識し、そして、実際にそのように見える挙動が行われている。 ───薬局が揺れる。 絵具を出す。データの海から、望む色を生み出しては、 それを筆に付け、キャンパスを彩っていく。 汚れた筆を洗う時間も惜しくて、新たな筆を作り出す。 息が切れる。汗が止まらない。 絵を描くことに疲れてるわけじゃない。 それは例えば、苦手な発表を目前にしてる時のような。 どうしようもない緊張と、そして…… …………恐怖。 (21) 2022/03/12(Sat) 16:45:03 |
【人】 美術 エノ───ガシャンッ!と、 薬局の入り口が崩れて埋まった。 絵を描く、描き続ける。 ようやく無機質な風景を描き終えて。 汗を拭って、また違う色を出す。 ガララッ 新たに絵具を出すたび、筆を出すたび、 その容量を補填するように、何かが消えていく。 この薬局を作った時、最初に生み出したのは、 この建物そのものだ。 最初に作ったものから消えていく。 徐々に、徐々に。 建物が自分を支えきれなくなっても、構わずに。 きっと本来なら、危険だと警告が出たり。 あるいは、先に既存のデータを消すよう促されたりするのだろう。 だが青年はそれらをすべて無視して、ここに立っている。 自信を死に導くことが、罪の清算だと信じているから。 (22) 2022/03/12(Sat) 16:57:46 |
【人】 美術 エノガララララ!と薬局が徐々に崩れていく。 青年は一心不乱に絵を描く。 無機質な風景に、人間を描いていく。 それはもう何度も描いた、この世界での自分の姿。 震える手でぐにゃぐにゃになりながら、描いていく。 「……ひっ…!」 ガン!とほど近くの天井が崩れ落ちた事に、声を上げてしまう。 そこかしこで何かが崩れ落ちる音がする。 商品棚がひしゃげる音がする。 重くけたたましい落下音が聞こえてくる。 それでも、筆を止めずに。 酷く不格好な自分を描き終えて、いつもならそれで完成。 ……の所に、また新たな色を出す。 色を出すたびに建物は崩れていく。 それでも描かねば、描かねばならない。 ───隣にいると言ってくれた、あの子の色を出す。 (23) 2022/03/12(Sat) 17:04:42 |
【人】 美術 エノそうして、自らの絵の隣に、その子の絵を。 寄り添い、手を繋ぐように。 自らの未来を望んでくれたその姿を。 出来るだけ丁寧に、でも、どうしたって崩れる絵で。 描いて。 「………かん、せ………っ」 ちょうど描き終えた所で。 そのキャンパスを潰すように、目の前に瓦礫が落ちる。 驚きと恐怖で尻餅をつき、腰が抜ける。 もう立てなくて、仮に立っても、出られる場所もなくて。 仰向けに、転がるしかなかった。 天井では、自分の名字がでかでかと書かれた看板が。 それが吊るされてる天井ごと、自分を潰さんと揺れている。 支えのほとんどを失った建物は。 もう何をせずとも、いずれは全てが崩れ落ちる。 ───あぁ、良かったな、と思った。 (24) 2022/03/12(Sat) 17:11:00 |
【人】 美術 エノ「……ったく、ない………」 死を間際にして、冷静になって。 絵を完成させて、すっきりして。 死で罪が洗われる事に、喜びを感じて。 「しに、たくっない…………!」 死を両手を広げて受け入れられて。 死に何の恐怖も感じなくて。 生きたいと思ったあれは、ただのその場の雰囲気に 流されてしまっただけで。 「───死にたくない!!!」 とか、じゃなくて。 死はただただ怖くて。 なにをしたってそれを受け入れることなんてできなくて。 逃げたくて、泣いて、喚いて、怒鳴って。 気持ち悪くて、吐きそうになって。 これ以上ないほどに生きることを望んで、心の底からそう願って。 あぁ、俺。 ……本当に、本当に、死にたくなかったんだって。 未来に、希望を抱いていたんだってわかって、良かった。 「嫌だ!!死にたくないよ!だれかっ」 たすけ──── (25) 2022/03/12(Sat) 17:18:47 |
エノは、薬局から鳴り響いていた音は、やがて止む。見に行けばそこにあるのは、ただの瓦礫の山だけ。 (a35) 2022/03/12(Sat) 17:19:55 |
エノは、そこにあるのは、『何もかもが終わった跡』だけだった。 (a36) 2022/03/12(Sat) 17:20:52 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「意地悪、……あれ。 俺はなんで、こんなに言い訳をして」 ふ、と、言葉がリフレインして。 よろけるように一歩二歩と、空に近づく景色へと近づいていく。 「俺は、だって、君のことが」 好きならば、じゃあ、つまり? 幸せに、してあげたかったんじゃないのか。 「君が、望んだから俺は一緒に」 彼の幸せを聞けばよかったのに、諦めたのは自分。 だから、もう、これは、全部俺のせいで。 「……なのに、なんで、君にまだ聞いて」 なんで許してくれる? なんで、一緒にまだいてくれるの。 俺と生きて、死んでほしいほど好きだから? どうして、そんなこと、何を言われても理解できなくて。 「……、あ、れ」 自己満足の近道の中、一番欲しかった人。 それなのに、それを手放してたうえで、 その命に首輪をつけたのは自分だった。 だから、こんなに。 (-136) 2022/03/12(Sat) 18:03:46 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「、」 既に壊れた心は戻らない。 「……たい、な」 同じ気持ちななどなれなくとも、 もう、瞳の色は同じだと思うから。 「……いたい、 たいよ」 もう、 連れていくね 「連れ去ってよ、掃守さん」 エレベーターは、何故か屋上へと直通でたどり着く。 こんなときもご都合主義で、俺たちは非現実を夢を見ている。 「失敗や後悔の先にも、君は傍に居るんだよな。 ずっと。居るんだ、ここに、そう。だから」 試すような真似をしてしまいました。 君がどれ程俺の事をみてくれているのか、好いてくれているのか。 それが聞きたくて、俺は、この問いをもうしゃべるわけもない死人に投げ掛けていたんでしょう。 殺してよかったんだ、俺達は救われている。 死ぬことが正しくて、それが求められた停滞になる。 これが良いことじゃないですか、って。 (-138) 2022/03/12(Sat) 18:23:23 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ邪魔な障害物を消して、柵も取っ払って。 縁まで来たところでようやく君と目があった。 何度か瞬きをしてから、どうしようもなく涙がこぼれそうになって、触れることのない手を伸ばした。 「君を背負うことから逃げていて、ごめん。 一緒にいようか。これからもずっと。 死んでも、離しません。 何処かにいかせません、君は俺のものです。 そして、……俺も。 ……運が良ければ、いつまでも変わらずに。 君のものに、なるんじゃあないですか」 なんとも、情けない言い方をするのは。 自分はとても不運だと知ってしまっているから。 そんな、死んだあとの君がどこにいくかすら、無駄なことを気にし始めてしまう前に。 深く、深呼吸をした。 (-139) 2022/03/12(Sat) 18:35:22 |
【独】 不運 フカワ高くそびえるマンションの屋上から見えたのは、もうじき夜明けの空。 バイクを走らせたその先で、みたかった景色。 なにもない世界の端で98uの海の海がチャンク擦れをおこした。 「誰かは願ったんだ」 「俺の幸運を、幸せな物語を」 「それを無駄にするほど、 できた大人じゃあ、ないんだよ」 「君は、願う? 俺の幸運を」 観客は"君"。 台本なんてない。 すべてがアドリブの人生の最後の一ページに、男は筆をいれた。 (-140) 2022/03/12(Sat) 18:40:22 |
【神】 演者 アクタ「いでっ」 2本目も無事デコに命中した。 今度はそんなに痛くない。 「う、う、うるさいな!? ただでさえお前って人間、掴み難いんだよ。 だから……、そ、そう!」 ピースサインの指を一つ畳んで びし、と指をユスへ指す。 「現実でちゃんと会って、 それから続き書く事にした! 未来の大人気脚本家のこの僕が約束してやるんだから 光栄に思えよッ!」 そんな調子のいい軽口を吐いて プロットにすら足りないメモ書きをひとつ、ユスへ叩き付ける。 あれだけ紙束を散らかしておいて 結局手元に残ったのは、紙切れ一枚きりの殴り書きらしい。 (G30) 2022/03/12(Sat) 18:59:24 |
演者 アクタは、メモを貼った。 (a37) 2022/03/12(Sat) 18:59:42 |
【秘】 演者 アクタ → 共犯者 ツルギそうして、潜められた声には。 「……なんだそれ。」 君の言葉の真意を知らずに 無邪気に、 残酷に、 満面の笑みで答える。「当たり前だろ!」 真実は、人の数だけ存在する。 男の中では、君との出会い、過ごした時間、その全てが 喜劇に映って見えた。───ただ、それだけ。 やっぱり、君と、分かり合えなかった。 (-141) 2022/03/12(Sat) 19:00:08 |
アクタは、そうして、物音に気が付けば、裁判場から駆け出して行った。 (a38) 2022/03/12(Sat) 19:00:49 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『そうですね。おかしな話だ』 自分の知る限りでは、脳や心臓が動かなくなれば人なんてそこで物語の幕が下りるものだから。その先の蛇足なんて誰にも紡げないものであると思っていたから。 『でも、それでもいいと思います』 『カミクズさんが後悔しないのなら』 『ここにはおかしいからやめろなんて、意思を取り上げ押しつぶしてくるような法も人もありませんから』 死者にとっての都合のいい話があってもいいじゃないか。どうせ全てが水泡へ変わっていく夢なのだとしたら。 誰かだって言っていたでしょう? 『W最後に楽しかったなって思って死ねるなら、 それは幸せな事ですからW』 『消えてなくなり本当に死を迎えるまで、それを追い求めてもいいんじゃないでしょうか』 ▼ (-142) 2022/03/12(Sat) 19:25:41 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 貴方の本心を黙って聞いていた。死んでから自覚した思いを拾い上げていた。 名残が生者に出来ることなど、ほんのささやかなものでしかなくて。手を伸ばしてもすり抜けてしまう。 そんな光景を思い浮かべて、苦い味が胸の中に広がった。 『遺される側は辛いとは時折聞きますけど』 『 その場 に遺される死者も、辛いのでしょうね』▼ (-143) 2022/03/12(Sat) 19:26:01 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「助けられましたよ。 今ここに立って話しているのが何よりの証拠です。 ……まだ駄目なんですか? 誰かを気に掛けるなら気に掛けられるんですよ、 透明人間じゃないんです。 ここに居るんです。 何処にも行かないように、あなたという形を確かめたいから触れたいと思うんです」 分かりやすいらしい。 恥ずかしいけど、知ってもらえている事が多いなら嬉しいに違いない。 あなたも同じなら私は幸せです。 そんな風にもらっただけ返したいと思う気持ちもまた、小さな体を突き動かしていました。 「綺麗じゃありませんね。 だから、汚れたってかまわないんです。 汚されたってかまわないんですよ…? 」抱き留められた体をいっとう力を込めて逃がさないように。 自分よりもずっと大きな体。 慣れない男性のかたい体。 抱いた感想はあたたかい。そんな事。 (-144) 2022/03/12(Sat) 19:26:21 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『後悔は特にしませんが』 馬鹿正直に前置きを述べた。この青年はもう天秤が一つの存在以外に傾くことなんてないから。躊躇いなく身も蓋もないことを述べてしまう。 『貴方とまた話が聞けてよかったなと思います。俺にとって有意義な時間でした。 もう少し話をじっくり聞きたかったとさえ考えるほどに』 今後の活動の為に聞いた話だけではなくて。 いつも曖昧に笑ってひた隠しにしていた貴方の本心を聞いているこの光景が見れたことも、青年にとっては歓迎すべき利であったのだ。 ▼ (-145) 2022/03/12(Sat) 19:26:21 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「だから一緒に──暇を潰しませんか?」 漠然と生きて欲しいだけ。 もしも互いにそう思うのなら、願う事はこうでしょう。 きっと、この数日間よりもずっと飽きるくらい暇があります。 私の暇を潰して欲しい。同じくらいあなたの暇を私が潰したい。 「私で良かったって、言わせて見せますから」 その為にあなたの傍で咲く花になりましょう。 (-146) 2022/03/12(Sat) 19:27:11 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズWこの場所は、ここで誰かと過ごした時間はW Wきみにとって少しでも、納得とか、満足の行くものでしたかW 『』 入力中。けれど、それも一瞬のこと。 『いいえ』 『と答えたら、貴方はどうしますか? ……半分はいで、半分いいえと答えるべきでしょうか。』 『俺は最初、命を返しに来たんです。 俺は臓器移植によって助かって、今こうして生き続けることが出来たから。 周りからは救われた命を無駄にするなと言われたから、惰性で生きて批難されるくらいなら提供者として死んで無駄なく命を使おうと思った。 貴方の次に、立候補するつもりでした』 『でも生きる理由そのものに出会いました。 そのせいで俺は欲が出るようになりました。 人と過ごす時間がもっと欲しいと思うようになりました。 足りない。全然足りない。 生き続けるのであれば、この狭い箱庭のちっぽけな時間だけじゃ満足できない』 勢いのままに、ペンを走らせて入力した。力が必要以上に込められる。 『……そう、思うようになりましたよ。 自分が何かをこんなにも強く欲するなんて、思っても見なかった。』 ▼ (-147) 2022/03/12(Sat) 19:29:15 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ『生きる理由となった者と過ごす時間以外についても。 考えさせられることが多かった。何も思わない、なんて時間は一つもなかった。あればあるだけ、欲しいとずっと満足しないままかもしれません』 『当然、貴方との時間も』 しっかりと、念を押すように答えた。 貴方がどう考えようと関係ない。 青年にとって、例外なく貴方との時間にも思うことが沢山あった。それだけだ。 (-148) 2022/03/12(Sat) 19:31:23 |
【人】 演者 アクタ>>薬局 メッセージを、見ていなかった訳じゃない。 清算すると決意した顔から、目を逸らした訳でもない。 見守る、と、決めたけど。 「……エノ、」 ──物音がする。 裁判場を飛び出した。 ──建物が崩れていく音がする。 耐えきれず、駆け出した。 「エノッ!!」 駆けて、駆けて、駆けて。 必死で駆けて、君が無事である事に賭けて。 ──辿り着く頃。 『何もかもが終わった跡』だけが、そこにあった。 ▽ (26) 2022/03/12(Sat) 20:10:01 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノいつかと同じように、君の姿を探して。 「………エノっ、」 重い瓦礫をも掻き分けて。 「エノ……!」 例え爪が割れても。 例え喉が枯れても。 ……奇跡を諦めない。 「エノッ!!」 この声は、君に届くだろうか。 君の姿を見つけることは、出来るだろうか。 (-149) 2022/03/12(Sat) 20:12:07 |
【秘】 不運 フカワ → 奇形 メイサイ『考えましたが、ナツメさんの方が大事でした』 『デリカシーはないみたいです、はい』 『あ』 ただ、今頭に浮かんだ言葉を。 こういうことをいうからデリ欠と言われるのだろうが。 『お二人とも、お幸せに』 (-150) 2022/03/12(Sat) 20:47:05 |
【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ まだ少し荒れた息のままじっと動かず、大人しく貴方に拭われる。 無愛想な顔に紅が混じる。自分の弟や妹だったものの名残。けれどそれが心を揺らすことなど微塵もなく、先程まで聞こえていたような気がする幼い声がもう一度呼び起こされるなんてこともないまま青年の顔を汚した。 「親が俺たちに何かあった時のためにと隠すように続けていた貯金の通帳がそこの棚にある。 使わずとも持っていけばより空き巣らしくなるだろう。後はそうだな……」 他人事のように家の内部を説明し、荒らせる箇所を示していく。 日常の名残が、共犯者達が残していく名残によって上書きされていく。 粗方説明し終えると二人分のグラスを食器棚から取り出し、水道水をいっぱいに入れて片方をツルギに差し出した。本当はこの日の為に炭酸飲料でも買っておこうと思ったが、家で殆ど飲まなかったのにいきなり用意すると家族に怪しまれるので買えなかった。 水を一息に呷る。思ったよりも喉が渇いていた。 「ああ。そろそろだな」 バットを持ち直す。 「いってくる」 (-151) 2022/03/12(Sat) 20:57:24 |
【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ 玄関の鍵が回り、それからすぐに慌ただしい足音と共にリビングの扉が開かれる。 目を見開き入り口で立ちすくむ母の顔は仕事帰りもあってか疲労が滲んでいた。 二年前に父が亡くなって専業主婦をやめて働くことを決意してから、みるみるうちに母は草臥れたような姿に変わっていった。 W……ぇ、あ。よしの──W 母は状況を掴めず混乱していた。それもそうだ。何の前触れもなく日常が滅茶苦茶に荒れ果てていたのだから。 でもそんなものだろう。父が交通事故で亡くなった時だって、何の予兆などなかったじゃないか。 己の名前を呼ばれるよりも前にまず一度金属バットを振り下ろした。 女の体が呆気なく床に崩れ落ちる。邪魔だったから物が沢山詰まった手提げ鞄を足で蹴飛ばした。 もう一度両腕を持ち上げる。 女は呻いていた。 なんで。どうして。義徳。義徳。 頭を揺さぶられて吐き気がするのだろう、気持ち悪そうに呻きながら己の名を呼んでいた。殴ったのは自分なのに。 「……」 何も思わなかった。そのまま凶器を振り下ろした。 (-152) 2022/03/12(Sat) 20:58:02 |
彼女の息子だった ユスは、メモを貼った。 (a39) 2022/03/12(Sat) 20:58:34 |
【秘】 共犯者 ユス → 共犯者 ツルギ 母の頭へ振り下ろす。 母の頭へ振り下ろす。 母の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。きっとこれは神様がくれた、否、違う。 俺たち二人が掴み取った 幸運 だ。もうなんだってよかった。 もう生きたいなんて思わなかった。 どうでもよかった。 だって、 何故なら、 「お母さん」 自分の命は、自分だけのものでは無いらしいので。 (-153) 2022/03/12(Sat) 20:59:27 |
【置】 共犯者 ユス「命をくれた人に感謝するんだ」 うん! おかあさん。 「その人がいなかったら今の貴方はいなかったのよ」 ありがとうって、ちゃんと言うね。 「何馬鹿なこと言っているの。命を救われたのだから、もっと人の役に立つ仕事に就かないとダメじゃない」 他の子みたいにしちゃダメなの? 「大きくなったね義徳君。昔はよく寝込んでいたのになあ。救ってくれた人に感謝しなくてはね」 そうだね、叔父さん。 「ちゃんと今年の分の手紙は書いたの?こういうのは欠かしてはいけないのよ」 誕生日よりも大切なことなんだね、お母さん 「毎日を大切に生きれば、きっと貴方の中で生きる提供者の方も喜ぶと思うわ」 先生。臓器は何も言いません。俺に心臓をくれた人は、こんな臓器一つになってまでも生きていると思われたいのでしょうか。 (L0) 2022/03/12(Sat) 21:00:27 公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00 |
【置】 共犯者 ユス ありがとうございます。 命を救ってくださりありがとうございます。 自分の命は貴方のおかげで助かりました。 この御恩は一生忘れません。 これからは毎日感謝を忘れず生きていきます。 ありがとうございます。 この命は自分だけのものではありません。 無駄にする事なく生きていこうと思います。 貴方に誇れる人間になることを努力します。 世のため人のために生きていこうと思います。 ありがとうございます。 (L1) 2022/03/12(Sat) 21:00:55 公開: 2022/03/12(Sat) 21:05:00 |
【秘】 ユス → 共犯者 ツルギ 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 女の頭へ振り下ろす。 誰にだってできる、簡単な単調作業。 女が物言わぬ肉塊になっても尚、ずっとそうし続けていた。 珍しい景色が見たかった。 もう一度考えることを始めた心が、久方ぶりに動くほどの景色が見たかった。 俺の中にある他人を見ず、俺を見てくれたお前が心から笑う姿が見たかった。 もう、それしかないんだ。 それだけが、生きる理由なんだ。 ……一成。 俺の命は、俺だけのものではないから。 (-154) 2022/03/12(Sat) 21:04:21 |
加害者 ユスは、メモを貼った。 (a40) 2022/03/12(Sat) 21:05:46 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ声が返ってくることはない。 瓦礫は重くて、敷地一面を埋めている。 奇跡なんて起きるはずもなく。 演劇のような美しい物語があるわけもなく。 絵に描いたような世界はそこにはなく。 あるのはただ重くて、君の指を傷つける現実だけで。 どかしてもどかしても、地面すら碌に見えてこない。 血のにじむ手はそのうち感覚がなくなるかもしれない。 未だに音一つ聞こえてはこない。 瓦礫をどかしきった頃、そこにあるのは、 最早形も分からない肉片かもしれない。 喉が枯れてしまっても、この光景を見ても。 君はまだ奇跡を信じるのだろうか。 諦めてしまった方が、きっと楽だ。 君はとってもいい子だから。 たとえここで一人になっても、きっと。 いずれは大切な人が出来て、その人と手を繋いで。 夢に描いたような未来を歩むことはできるはずで。 そんな未来を歩むためにも。 早めに、諦めてしまった方がいいはずで。 それでもまだ、奇跡を願い続けるのだろうか。 (-155) 2022/03/12(Sat) 21:13:52 |
エノは、奇跡なんて起きない。こんな瓦礫の山の下で、助かるなど物語の中だけだ。 (a41) 2022/03/12(Sat) 21:15:13 |
エノは、物語の中だったら助かったのかもしれない。例えば、何かの拍子に抜け出せたとか (a42) 2022/03/12(Sat) 21:15:56 |
エノは、例えば、ヒーローが来て救いだしてくれたとか (a43) 2022/03/12(Sat) 21:16:20 |
エノは、例えば、下に穴が開いて地下の空間に落ちたとか (a44) 2022/03/12(Sat) 21:17:31 |
エノは、例えば、………………例えば。 (a45) 2022/03/12(Sat) 21:17:51 |
エノは、───レモンティー一杯分の隙間に、運良く挟まったとか。 (a46) 2022/03/12(Sat) 21:18:46 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ>1度飲んだだけのレモンティーは、再現するのが大変で。 >随分無駄なデータ容量を使ってしまったけれど。 「……………ぅ………」 ほんのわずかな、音がした。 (-156) 2022/03/12(Sat) 21:21:24 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ「はい、それじゃこっち」 緑茶の入った魔法瓶を持ち上げて、カップに注ぐ。 湯呑みの方がよかったのかも、と気がついたのは注いだ後になってから。 「えっと……おつかれさま、でした?」 中身の入ったカップをそっと差し出してみる。 乾杯のつもり。 それから、いただきます、とカステラを食んで。 「ほんとだ、結構甘い……。 緑茶にしてよかった。おいしいです」 「形もかわいいし…… お花、好きなんですか?」 土いじりが好きというのは聞いたことがあったけど。 (-157) 2022/03/12(Sat) 21:22:32 |
【秘】 奇形 メイサイ → 不運 フカワ『あの』 『僕は心臓貰うつもりで見学に来たところはありますけど、ナツメ先輩のハートを射止めたかった訳ではないんですよね』 推しに認知されたくなかったんですよ。 まあでも例のお願いは聞いてくれた訳だから、先輩は全然悪くない。デリ欠なだけだ。 強いて言うなら、血迷ってそんなお願いした僕が悪い──。 ので、これ以上は何も言うまい。 『そういえばこの後死ぬんでしたっけ? もしかしたら気が変わってるかもしれませんが』 『どっちにしろ頑張ってくださいね! お疲れ様でした』 (-158) 2022/03/12(Sat) 21:24:53 |
【神】 不運 フカワ>>-146 >>-144 ハナサキ 「……これが、……」 受け入れてくれるのではないかという、期待と高揚。遅すぎた感覚。 目の前の人は触れられて、暖かくて、 気持ちが悪くて、手放せなくなって、 それから。「そう、ですか。いやに、なんだか。 信じられます、それはきっと、二人にとって幸せな未来になり得ると思います」 本心だ、傷のなめあいでも、なんでも。 紡ぐ先にきっとなにかができる、いとおしい花がそこにある。 「ハナサキさん。俺は……この後。 "好きな人"に会いに行きます。 "隣に居たかった人"の元へ行きます。 その人は死んでいて、 "生きて隣を歩くこと"も "死んで隣を歩くこと"も永遠にできません。 それでも、俺はあの人が欲しくて――」 息継ぎ。 「君と生きる未来を、一瞬だけ夢見ました」 明日の4時30分から 俺をログアウトさせる権利を、君にあげます。 そして、俺は、君のそのボタンが押されるまで。 この世界からログアウトしないことにします」 (G31) 2022/03/12(Sat) 21:32:51 |
【神】 不運 フカワ>>G31 >>-146 >>-144 ハナサキ 端末をいじり、時限をつけてからあなたに権限をうつす。 残り時間が表示される、それまでは彼はこの世界に留まるのだといった。それでも。 「俺、あまり嘘つかないんですよ。 知っていますよね?」 「一方的な約束も、0%の賭けも、させません」 「だから、運が良ければ、また外で会いましょう。 君に届く手があれば、また伸ばしますから」 「暇になったら、ログアウトさせて ……待ってて、ください。 そして、二人で無事に起きられたら一緒に。 暇潰しましょう、話したいことなら、一応。 山ほどありますから」 どこまでも自分勝手で。 どこまでも自己満足のために生きる俺を知ってる人。 そんな人間の未来を求める君に、ほんの奇跡を起こすかもしれない権利を、渡してしまっても良いと思ったのです。 (G32) 2022/03/12(Sat) 21:39:41 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ貴方から離れたあと。 メッセージに送られたのは、 普川邦幸の名前、住所、数人の名前。 貸金庫のパスワードと鍵のある場所、 中身は節約をすれば一年しばらくは生活できそうなお金だ。 『折角なので』 『もう手遅れなので』 『どうか、俺のこと、忘れないでくださいね』 (-159) 2022/03/12(Sat) 21:44:33 |
【秘】 普通 ナツメ → 共犯者 ユス>>-126 「あっ……」 そのくらいで……と言いそびれ、コップの9分目までだばだばいただいてしまった。 もたつく口の中をもらった水で潤して。 「え」 固まった。 どんぐりクッキーに伸ばした手も止まっている。 「ユスくん、嫉妬とかするんだ……」 かなり驚いている。失礼。 (-160) 2022/03/12(Sat) 21:47:11 |
【秘】 普通 ナツメ → 共犯者 ユス そうして、後悔の話。 「んー……うん、投票したことそのものというか。 知ろうとしなかったこと、かなぁ。 知らない人なら投票できるからって、そういう……」 その一方で、エノさんの分は勝手に挽回した気になって、後悔から外している。 そういうものを自覚するたびに、胸が重たくなる。 「……綺麗なままでいたかったなぁ」 って。思うよ。ぽそ、と零したそれが本音。 元から清廉潔白というわけでもなかったけれど、自分がそういう選択をできる人間なんだということは、できればあんまり、知りたくはなかった。 (-161) 2022/03/12(Sat) 21:48:35 |
【秘】 共犯者 ユス → 普通 ナツメ「どうやら嫉妬するらしい。俺も驚いた。 俺のものに手をつけられるのは酷く嫌だった」 まるで他人事のように答える。例えようのない、制御しようがない心の動きを自分の中で観測するなんて随分と懐かしいものだったから。 さて、後悔の話に関しては。 「成る程な。逆に知らなければ精神的に負荷が掛からず済むと考える者だっているだろうに、ナツメはそうではなかったということか」 どんぐりクッキーをひょいと口に入れ、水で喉を潤してから言葉をまとめる。 「知らないことを綺麗だと言うのか。 俺は逆に、そういう自覚できていなかった己を知ることが出来れば今後何処かで活かすことができる情報が増えると考えて良いものだと思うのだがな」 「知らなければ挽回も出来ない。知らなければ改善も出来ない。知らないまま悪手を取り続けたとしても、気付けない。 それは時に罪とも呼ばれるし、愚かとも蔑まれる。 無知のまっさらで綺麗な白より、俺は多くを知っている濁りの方が好ましいと思うぞ、ナツメ」 貴方をフォローしているというより、最早個人の好みの話をしているようだった。 (-162) 2022/03/12(Sat) 22:58:28 |
【神】 共犯者 ユス 指をさす姿を見るのもなんだか懐かしく感じられるな(>>2:11)と思いつつ、「行儀が悪いぞ」と言ってやった。今回は規律を遵守する者ではなく、単純に揶揄うつもりで。 叩きつけられたメモを見る。 「ふむ。だいたい何も決まっていないな」 馬鹿正直に答えながらツルギにもメモを渡しつつ。 「だからこのメモがどんな話になるのか分からない。 完成したら、ツルギと観に行くかもしれないな。お前にとって悔いのないものを作ってくれ。俺は舞台を見たことがないから、お前の作品が初めての舞台鑑賞になる。 一人の観客の舞台イメージが良いものになるか悪いものになるか、お前次第ということだ」 「頑張るといい。頑張ったら、脚本芥像の建設費用少しくらいは出すことを考えてやるから」 そう言いながら貴方が裁判場へ出ていくのを見送ったのだった。未来の自分達がどんな景色を見るために何をするのかなどは伏せたまま。 ……それは、貴方と話をするのに必要ないだろうから。 (G33) 2022/03/12(Sat) 23:40:02 |
ユスは、アクタから貰ったメモを撮影して端末に保存した。 (a47) 2022/03/12(Sat) 23:41:06 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「一つだけ、曲解しないで欲しいのは」 一度重ねた手を引くように差し伸べたまま、 珍しくきみの先を行って、足音もなく屋上へと踏み出して。 澄んだ空気の中、冷たい風が一つ吹き抜けても、 死者の乾いた血に塗れた髪が舞う事はなかった。 「それは全部、僕がそうしたいから勝手にしてるって事」 まっくらな瞳は、今も変わらないままで、でも。 抱え込んだ暗闇は、きっと最初よりずっと重く澱んでいて。 ふと空を見上げて、果たして今日は死ぬには良い日なんだろうか。 そんな益体もない考えを抱いた。 「僕は多分それって、きみもそうなんじゃないかと思ってて」 「死人に口なし、死んだら終わり、それはそう。 生きてる人にわかるのは、今ここにある僕の事だけ 死んだ後の僕の事なんて生きてる人にはわからない ただ、今ここにある夢の続きの終わりが少し変わるだけ」 「だからこれが僕の救いになるだとか、 或いは、きみの救いになるだとか、それが良いか悪いかとか。 そんなふうに思うのは、きっとそれこそが逃げなんだろうな」 「だから── もういいよ。 死ぬなら死にたいってだけの理由で死のう。 あれこれ理由を付けて正当化するのも、もう終わりにしよう」 (-163) 2022/03/13(Sun) 0:23:39 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ滔々と穏やかに言葉で最期を綴りながら、 夢のない夢の縁へ、ゆるりと足を進めていく。 足取りは迷いのないものだった。 「今の僕は心から笑えてるんだと思う、それは本当の事。 でも、あの時置いていかれたくないと思って泣いたのも 触れられなくたって、涙も嘘じゃない、本当の事。 きみに誕生日を祝ってもらえて嬉しかった事も、 きみに殺されるなら、それでもいいと思えた事も。 きみと生きていたかったのに、きみの死を願っているのも」 「また失敗しても、後悔したくても後悔したくない事になっても。 それでも一緒に居たいと思うのも、本当の事」 「それくらいきみの事が好きで、大好きで きみじゃないと嫌なのも、本当の事」 「きみにずっと僕のものになって欲しいのも本当で、」 「でも、ここできみと死にたいのは、 ただここできみと死にたいからだ」 そうして今際の縁へと辿り着いて、振り向いた。 そこにあったのは、多分。 きみへの重たい感情だけを残して、全てを投げ出したような。 行き着いてしまった先の、けれど晴れ晴れとした笑みだった。 (-164) 2022/03/13(Sun) 0:24:46 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 不運 フカワ「ずっと考えてたんだ。」 この行き止まりで語るべき事と言えば、あとはそう。 「僕はあの時きみに、 わかりやすい言葉で言うなら、きみの事が好きだと言ったけど 正確にはきみの事をどう思っているんだろうって」 誰の代わりにもならない人。 一緒に生きたかった、一緒に死んで欲しい大好きな人。 これが恋愛なんて、 実にわかりやすく伝わりやすい言葉で言い表せたなら。 どんなにかよかっただろう、とさえ思う。 「──結局はわからなかった。 僕にもわからなかったから、全部あげる事にしようかなって」 「四つの愛も、その中には分類されない愛も、 それからもっと大きな枠組みのものも、愛以外も全部。 僕がきみに抱く、感情のすべて」 「ああ、結局ここでは喧嘩はできなかったけど」 「きみが持っていきたいものだけ、持っていくといいよ」 きみにとってのツバメには、なれなかったかもしれないけど。 それでもせめて、きみのさいごに寄り添うツバメの亡骸に。 なんて願いは、分不相応なものでしょうか。 (-165) 2022/03/13(Sun) 0:25:56 |
【置】 亡骸のツバメ カミクズ「──そうだ、そういえば。」 「そう、失敗した時の事は、一応考えてて。 だって人生って思い通りにいかないものだし、 確実に死ねる方法なんて、正直他殺くらいしかないから。 だから僕は次善の策になり得るものを 今度はちゃあんと考えておいたんだ。聞いてくれる?」 「あはは…笑わないで聞いてくれるといいな」 「あのね。これで上手にきみが死ねなかったら、その時は」 「──僕、きみの事を殺しに行くよ。」 「記憶転移が僕に味方してくれれば、だけど… どれくらい待たせる事になるかは、わからないけど でも、何となくできる気がしてるんだ。 僕じゃない僕が、きっときみの事を殺しに行くから ここで一緒に死ねなかったら、その時は。」 「待っててね、邦幸さん。」 (L3) 2022/03/13(Sun) 0:26:48 公開: 2022/03/13(Sun) 0:30:00 |
【置】 亡骸のツバメ カミクズもう幸運も不運も祈らない、ただきみの確かな死を祈ろう。 祈るばかりは癪だけど、死者にできる事はそれだけだから。 全部自分のせい、生きて苦しんで罪悪感を贖うなんて選択肢 僕にはもう選べない選択肢。 それを一人で選んで自分勝手に満足するなんて、 ずるいから、羨ましいから、やめてくれないかなぁ。 そんな綺麗でも何でもない、どこまでも身勝手で我儘な、 それでも、心よりの気持ちで。 ──本当は、罪悪感に耐えられないのは、僕ではなくて。 ──きみの方だったんじゃないかと、今となってはそう思うんだよ。 (L4) 2022/03/13(Sun) 0:27:22 公開: 2022/03/13(Sun) 0:30:00 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 不運 フカワ「じゃあ、いこうか」 ふ、と。 穏やかに笑みを零して。 「先にいくから──ちゃんとついてきてね」 きみに向けて両腕を広げて、後ろへ、さいごの一歩。 「おいで、邦幸。」 ──あ、やっぱりこれはちょっと恥ずかしいかも。 そんなどこまでも場違いな照れ臭さを感じながら。 ぐらり、視界が傾いで、 浮遊感に身を委ねる。 消えた柵の向こう、縁の向こう、広がる空を背に、身を投げ出す。 今度は、自らの意思で。 不思議と、もう怖いとは思わなかった。 死ぬ事よりもずっと怖くていやだと思う事を知ってしまったから。 (-166) 2022/03/13(Sun) 0:27:53 |
カミクズは、きみに手を伸ばして。 (a48) 2022/03/13(Sun) 0:28:00 |
カミクズは、さいごの一歩を踏み出して。 (a49) 2022/03/13(Sun) 0:28:05 |
カミクズは、世界を手放した。 (a50) 2022/03/13(Sun) 0:28:09 |
【秘】 共犯者 ツルギ → 共犯者 ユス通帳を片手に、水を一気飲み。グラスをそのまま置こうとして、リュックに入れる。空き巣の証拠は最低限でいいからね。 使う予定のない荷物をまた増やして、リュックの中に。 バットを持つ君へは、「いってらっしゃい。」と軽く返事をした。コンビニに行く人を見送るくらいの軽さで。 現れた君の母親を見て、やっぱり顔立ちが少し似てるなあ、と思った。 俺とあの女程ではないけれど。 蹴飛ばされた鞄の中から財布を探し出して、現金だけを回収する。 繰り返される殴打音。間近でしか聞いたことがないから、離れた場所から聞こえてくるのは少し新鮮だった。 背中に向けた、品定めをするような視線に君は気付いているかな。 あの日はどんな感じだったっけ。 ………上手く思い出せなかった。いつもそう。 意図的に思い返すと、薄い膜が張ったみたいにボヤけて景色が見えなくなる。 呻き声が煩わしくて、泣き声が煩かったことだけは、はっきりと思い出せるのに。 (-167) 2022/03/13(Sun) 1:14:19 |
共犯者 ツルギ(匿名)は、メモを貼った。 2022/03/13(Sun) 1:15:10 |
共犯者 ツルギ(匿名)は、メモを貼った。 2022/03/13(Sun) 1:15:39 |
ツルギは、なんだかつまらない。 (a51) 2022/03/13(Sun) 1:16:05 |
【秘】 怪物 ツルギ → 共犯者 ユス青年の濁った瞳が、硝子のような冷たさを滲ませていた。 君にご褒美をあげなきゃって思うのに、口角が全然上がらない。 「………お疲れ。」 自分でも驚くくらい冷たい声が出た。 かつて母だった女が、呆れた時に出す声色に近い気がした。 氷とかじゃなくて、これは、そう───包丁みたいな。 失望だ。 俺にとっての生きる理由は、いつか理解者が作り出せるかもしれない≠ニいう可能性であって。 決して、君自身じゃない。 俺はね、義徳。 君≠ニ書いて、望み≠ニ呼んでいる。 だから好き。 「…服、着替えなよ。返り血付いてる。」 君とこの青年に大きな違いがあるとすれば。 視野の広さ、というよりは……視野の高さかもしれない。 自分を含むどんな人間にも代わりがいると知っていて、だからこそ君を希少だと考える。 君も俺も、山に転がる石の一つ。ひょっとしたら、同じ形の石があるかもしれない。 そんな山を、青年は見下ろしている。 同じ形の誰かがいたら。 そちらの方が可能性が高かったら。 この青年は、何の躊躇いもなく君を手放してしまう。 俺、思ってたより短気みたい。 でも頑張るよ。気を長くして、待ってるよ。 (-168) 2022/03/13(Sun) 1:20:01 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「っ、ぅ、う………!」 嫌だ。 ばくばくと心臓が鳴る。 人の死を想像するのは、これで2度目。 それでもこの恐怖にはどうしても慣れない。 瓦礫を退ける。──が、散らばるのはその限りではない。 キャンパスの木片や窓のガラス片があれば容赦なく手指を裂くし、 鉄筋ならば動かす事も容易ではないだろう。 「ッ、痛……」 それでも、やめない。 この障害物を退けた先。 ───誰のものか判別も付かない肉があるのか。 ───大切な人の笑顔があるのか。 幸福でも、後悔でも、 目を逸らしたくはないから。 「……………エノっ!」 ▽ (-169) 2022/03/13(Sun) 1:35:25 |
アクタは、喜劇が好きだ。幸せな物語が好きだ。 (a52) 2022/03/13(Sun) 1:35:54 |
アクタは、何度でも名前を呼ぶ。 (a53) 2022/03/13(Sun) 1:36:14 |
アクタは、微かな声が聞こえた。 (a54) 2022/03/13(Sun) 1:37:07 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ──それからは、無中だった。 「エノ!エノっ……!!」 もうちょっと、筋トレとかしておくべきだったな、とか考えて。 こんなVR空間じゃ関係ないか、なんて考えて。 ペットボトルひとつ分の小さな隙間に腕を突っ込んで。 絞り出すような呻き声を頼りに、君を薬局の残骸から探していく。 手指の感覚なんて無い。 じくじくするけど、 これをW痛いWと認識するのは、もう少し先の話。 ──顔を見つければ。 ──胴を掻き分ければ。 ──手足を掘り起こせば。 「ば、ば………バカ! しっ、心配ばっかかけやがって……!」 砂埃を頬にくっ付けて、ぼとぼと涙を零しながら 宝物にそうするように、優しく君の体を抱きしめるだろう。 (-170) 2022/03/13(Sun) 1:38:26 |
【秘】 共犯者 ユス → 怪物 ツルギ 何も聞こえない。 痛いほどの静寂が広がっている。耳に飛び込むのは自分の乱れた吐息だけ。 家族がいない時の家はこんな感じだっただろうか。でも、一人でいた時の空気にしてはいやに気持ち悪かった。落ち着かない。 「………………はぁ」 俯けば普段後ろに流しているはずの前髪がだらりと視界を塞ぐことに気付いた。鬱陶しさに思わず乱雑に片手で前髪をかき上げれば僅かに滲んだ手の汗が額をかすかに濡らした。 Wなんか事故でもあって、親が死ねばそこで終わるけどW。 あの時、紛い物の世界の中で貴方が語った嘘を思い出す。 「……あれは確かに嘘だったな。 死んだところで何も終わりになるはずがない。 死者が齎すものは名残のみ。終止符をくれることなど決してない」 もう一度、深いため息をついた。 「終わったところで、楽になるという気持ちなど手に入らないな」 葬儀が面倒だなとか、遺産の処理も考えるだけで億劫だとか、そんな場違いな事が脳裏によぎった。 (-171) 2022/03/13(Sun) 3:56:31 |
【独】 共犯者 ユス ──こうして、似た状況を作り上げて気付いてしまう。気付いてしまった。 ああ、彼と相互理解するのは不可能なのだと。 可能性も、見いだせないと。 胸に去来する感覚に意識を向ける。 血の繋がる人間を全て殺した時から迫り来る何かが、みるみるうちに心を食い潰していく。 無理だと悟った原因。心を埋め尽くす一つの感覚。 ああ、それを、言い表すならば──。 (-172) 2022/03/13(Sun) 3:57:30 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ ただただ虚しい。何もない。 救いもない。絶望もない。 楽にもならず、苦にもならない。 ただ心の中に虚が広がっていくばかり。 憤りは当然のこと、寂しいも悲しいも苦しいも何もなかった。 全て自分の意思だ。 自分の選択で殺した。 家族だけじゃない。己もだ。 考えることを放棄した時に自分は心を切り落としたんだ。 他の人ならきっとやりようはあったかもしれない。でも自分はこの選択を取り続けた。やめる事ができた筈なのに、望んでこの選択をし続けた。 人の心臓を貰い救われて、誰か見知らぬ人間が選ばれ死んでいく事実を踏み台にして生きて帰ってきたと思えば家族を皆殺し。 親不孝者、忘恩の徒。 命を踏み躙る怪物、人でなし。今の自分はまさにそれだ。 (-174) 2022/03/13(Sun) 4:03:01 |
ユスは、小さく喉を鳴らした。「……ふ、は。……はは、ははは……」 (a55) 2022/03/13(Sun) 4:03:23 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ どうしてこんな生き物になってしまったんだろうな。 父も母も堅物が過ぎるが、真っ当な人だったのに。何一つ不幸せな事などない、ごく普通の家庭だったのに。 どうしてだろうな、なんでだろうな。 同じ境遇にあっても、他の人はきっと違っただろう。 ……ああ、ツルギが話していたな。 W生まれた子供に罪はないWと。 罪は無い。罪が無かったとしても、だ。 (-176) 2022/03/13(Sun) 4:06:40 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ 結論を口にする。それでも何か思うところなどない。あったとしても、きっと生まれたそばから抜け落ちて周りに叩き落とされ潰れている。 だって、自ら器の底を切り取ってしまったのだから。 (-177) 2022/03/13(Sun) 4:08:25 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「…………」 WそれWを見た。 氷とかじゃなくて、これは、そう───包丁のような。 馴染みのあるものだった。自ら何もかもを切り捨てた自分に呆れた人間がよく見せていたものだ。 理解する。 声に出さずとも、その声その目その態度が全てを伝えてくれる。 可能性をまだ純粋に信じていたのなら、そんな反応見せる筈がないだろう? なんだ、もうお前も分かっているじゃないか。 きっと無理だ、同じ景色を見るなんて。 なんだかおかしくてもう一度乾いた笑いが出そうになった。目の前で笑ってやろうかと思った。 笑ったまま、目の前で死でやったらどうなるんだろう。 悲しむ? 泣いてくれる? ああでも、きっとただ可能性がありそうな人間を失ったと落胆するだけのような気もするな。 お前が泣いていたのは、本心を晒した時だったから。 夢が叶わず落胆するなんて、もう散々経験しているものな? 慣れているだろう? (-178) 2022/03/13(Sun) 4:09:49 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。ここは暗いな」 徐に口を開いた。 「俺のいる場所は、周りが色褪せて見えたままだ。けれど此処が明るく鮮やかな訳じゃない。暗くて、誰もいない。 誰もいないんだよ」 こんな人でなしの周りなんて。 けれどきっと、貴方と同じ場所にはいない。 こんなにも近くにいるのに、自分たちは。 ──ひとりぼっちのまま、それぞれのトンネルに閉じ込められながら並んでいる。 (-179) 2022/03/13(Sun) 4:10:36 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ 服を着替えろと勧めた貴方の言葉を無視して貴方の目の前まで歩み寄る。 普段綺麗に整えられている髪も、数歩動いただけでぐちゃりと揺れて崩れた。濡羽色した前髪が、ばらばらと血に塗れた青年の顔を覆っていく。 「…………」 一度濁れば、もう無色透明に戻ることは叶わない。 人でなしの汚濁を湛えた眼差しが、じぃと貴方を見下ろしている。 「……………………」 かすかに小首を傾げる。 こきん、と己の首の骨が高く鳴いた。 (-180) 2022/03/13(Sun) 4:11:34 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス当然ながら覚えのある言葉に、少しの間。 『あはは』 『そうですね 夢でくらいは』 『夢でくらいは、幸せになったって、いいですよね』 眠りから覚めれば消えるような、淡く、脆く、幸せな夢を。 二度と覚めない眠りの中に閉じ込めて、 誰にも話さずそっと抱いて眠るのだ、なんて。 ああ、言葉にするだけなら、随分綺麗な夢物語だな。 (-181) 2022/03/13(Sun) 6:57:30 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス『そうじゃなかったら そうだなあ』 『きみにとってはそうだったんだなって、思うだけ、かも』 少し残念だとは思うかもしれないけど、結局は他者の感傷だ。 あなたのいいえ、の仮定にはそんな答えを返して。 それから、あなたの話に、また少しの間。 『そうですか』 『無駄な命なんて、僕は無いと思いますけど』 『少なくとも、本人以外の誰かが決めることじゃない』 本人が、嗚呼人生は無意味だったと嘆く事は、良いのだけど。 生きる事も死ぬ事もその人の自由で、その舵取りは本人次第。 少なくとも他者が勝手な評価を下して良いものではなくて。 無味乾燥な生はあったとしても、無駄な死は存在しない。 そもそもの話、意味ある死など本来存在し得ないのだと思う。 仮にあらゆる死に意味を見出そうとするならば、 災害、事故、病気、唐突な理不尽に命を奪われた多くの人間は。 ただただ、うつろへ向かって走っていた事になるのだから。 或いは、そうだな。 それに優劣を付ける事そのものが間違い、というよりも。 そもそもの話、全ての命には。 最初から、大した意味なんて無いのかもしれないな。 ただ、その過程に何かを見出す者も居るというだけの話。 (-182) 2022/03/13(Sun) 6:58:22 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス『でも、そっか』 『きみにとって、少しでもなにか得るものがあったなら』 『僕の勝手な感想ですけど、よかったなって思います』 清掃員は、あなたの得たものを知らないけれど。 仮に知ったとしてもきっと、あなたがそれに満足しているのなら。 何を思っても、きっと『よかった』とは言ったんだろう。 何せ今のあなたの気持ちは今のあなたのものなのだから。 あなたがそうだと言うのなら、それは誰にも否定できないものだ。 始まりと終わりそれそのものには、大した意味は無くたって。 その過程に何かを見た事は、決して無価値ではないはずで。 その時の感情は、その時抱いた気持ちは、たとえ遷ろえども。 決してそれが嘘だった事にはならないはずで。 ならきっと、それで良いのだと、そんなふうに思うから。 『これからを生きていくきみ達に、 暫くは手も声も届かなくなってしまうのは悲しいけれど』 『でも きみが振り返れば思い出は変わらずそこにあるから』 『それは、ここでの時間も、それから僕も』 『きみが覚えている限りは、ずっと。』 (-183) 2022/03/13(Sun) 6:59:26 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタきっと、それがオレンジジュースではダメだったのだ。 慣れ親しんだ、いつもの飲み物は。 作るのに慣れてるから、最小限のデータで作れるから。 レモンティーは、慣れてなかった。 だから作るのに、不必要なデータ量を使った。 その分削れた、瓦礫の隙間。 そこに、奇跡的に体が挟まってる。 それが、オレンジジュースではダメだった。 あの日、あの時、君がレモンティーを飲ませてくれたから。 それが、とても美味しく感じたから。 君があの時、ずっと傍に居たいと言ってくれたから。 最期の時は、君を思い出せる物を飲もうと思ったから。 君が。 青年を。 愛してくれたから。 だから、その体は、まだ暖かかった。 (-184) 2022/03/13(Sun) 6:59:59 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 怪物 ユス『でも、だから、ユスさん』 『ここで一度、お別れですね』 夢の続きという今の距離は、懐かしむには近すぎるから。 現実を生きていくきみ達は、夢の名残だけを持っていけばいい。 『僕も、その、情けない話ですけど。 きみには何かとお世話になっていましたから。 最初に気を遣ってくれたのもそうですし、 一緒に掃除をした事も、それから今も。だから』 『ありがとう。それから、さようなら。』 『帽子は、テーブルかベッドの上に。』 『僕の部屋の中の事は あまり気にしないでくださいね』 ──雑然とした、ある種の生活感に満ちた部屋。 もう帰る主の居ない、現実には存在しない部屋。 VR内に今この一時のみ再現された、部屋の主の人らしさの縮図。 床に落ちているのは、優しい色使いで描かれた一冊の絵本。 めでたしめでたしで終わる、誰もが知っている物語。 変わった所と言えば、一つだけ。 最後の── 神さまが、天使に貴いものを持って来させる頁。 それ以降が切り取られただけの、 何の変哲もない、未完の絵本。上葛掃守という人間が、最後に遺した憎悪と失望のかけらだった。 (-185) 2022/03/13(Sun) 7:02:28 |
カミクズは、『幸福な王子』の絵本が嫌いだった。 (a56) 2022/03/13(Sun) 7:02:37 |
カミクズは、正しくは、ふたりをそっとしておかなかった神さまが。 (a57) 2022/03/13(Sun) 7:02:42 |
カミクズは、それをうつくしいものと持て囃し吹聴する読者や世間が。 (a58) 2022/03/13(Sun) 7:02:47 |
カミクズは、物語を都合良く脚色する傍観者が、嫌いだったのだと思う。 (a59) 2022/03/13(Sun) 7:03:08 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「……アク、タくん…………」 抱きしめられる。 多少なりの怪我はしたけれど。 今は痛いと感じない。 また空が見えたことが、君の顔が見れたことが。 酷く現実感のないことに思えて。 もしかしたら、走馬灯なのかもしれないと思って。 でも、君が抱きしめてくれるなら。 その温かさが、それを現実だと教えてくれて。 「………………俺…………」 抱きしめ返す力もなくて、ただ身を預けて。 ぽろぽろと、涙だけがこぼれ落ちる。 怖かったんだ。 死にたくなかったんだ。 助けて欲しかったんだ。 生きたかったんだ。 ただそれらを、たどたどしく口に出して。 「…………生きてて……いいのかな……ぁ…………」 一緒に帰って、いいのかな。 震える体を君に押し付けながら、ただ、その許しを乞った。 (-186) 2022/03/13(Sun) 7:05:54 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ>>-157 「はい!お疲れ様です!」 こつん。 カップをつき合わせます。 緑茶で乾杯って大丈夫だったかな。 ……二人きりのお茶会で気にする事でもないですね。 「でしょう? 疲れも和らぐ甘さです〜お花の形なのもポイント高いです!」 小さな口の中に一口に頬張って顔を綻ばせました。 お気に入りのようです。 「そうですね。 趣味、という程ではない手慰みレベルの接し方でしたけど花を見るのは好きでしたから」 家では庭に小さな花壇があってその中の手入れだけは自由にしていました。 さながら自分だけの箱庭。 訳もなく掘り返したり、季節外れの種を植えてみたり。 (-187) 2022/03/13(Sun) 10:05:51 |
【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス投げかけた言葉が返って来ないのは、気にしなかった。返事が欲しい言葉じゃなかったから。 君の、家族を皆殺しにした感想を。 冷たい金属のような瞳で受け止める。 死者は終止符に成り得ない。 終わっても楽になんかなれない。 ゴールを壊しても、レースは続く。続いてしまう。 自分より少し上にある汚濁を、ただ眼球に映して。 君の瞳に映り込む俺も、人でなしの顔をしていた。 鏡みたいだ。 きっと君が死んでも、落胆するだけなんだろうな。せっかく捕まえた珍しい虫が死んだ程度の落胆しか抱かない。 ……正しく夢だったなあ。 将来の夢、という文脈で使われる夢≠ナはなく、 夢を見た、という文脈で使われる夢≠ナある。 文字通りの、夢想だった。 (-188) 2022/03/13(Sun) 10:45:02 |
【独】 怪物 ツルギ───本当は、最初から気付いていた。 いや、それでももしかしたら≠ニ期待していたのだ。 相互理解など幻想で。 可能性は、硝子みたいに無色透明なんだって。 人の命を三つも使って得た結論がこれだ。 人の命が軽いのか、俺たちの心が軽いのか。 それとも、どこかで間違えた? …全然、近道じゃなかったな。近道をしたつもりが、知らない場所に来てしまった。 ちっとも上手くいかなかった。 始めから上手くいく確率の方が少なくて、だからこそ賭け≠セったけど。 俺は運がいいと思っていた。でもそれはやっぱり、命に関わることだけのようで。 身体ばかり無事でも、中身が伴っていないんだ。 (-189) 2022/03/13(Sun) 10:47:57 |
【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス「…………………はぁ。」 ───さみしいんだ、 紛い物の空間で漏らした言葉。俺という怪物が、心の臓を動かすための原動力。 淋しい。 淋しくて寒い。 いつもそんな自分を見下ろしている。 諦めきれたらどんなに楽だろう。 「………ああ、そっか。」 見限れたらどんなに安らかだろう。 「これ、虚しいって気持ちなんだ。」 どうして君みたいに、期待を捨てられないんだろう。 勝手に期待して、勝手に裏切られて、勝手にそれを繰り返したくせに。 今だって、そう。 (-190) 2022/03/13(Sun) 10:49:02 |
【秘】 怪物 ツルギ → 怪物 ユス「……暗いだろ?」 君と出会ってしまったからかな。 「ひとりぼっちだ。ずっと。」 初めて会った時に死んでおけば良かった。 いや。もっと、もっと前に、死んでおけば。 怪物だから孤独なのか、孤独だから怪物なのか。 きっとどちらも正しい。これはイコールで結ばれているから。 俺たちは、生まれてきたこと自体が間違っていたんだよ。 導き出した結論は同じはずなのに、君の姿が見えないのは、そういうことだ。 思うところはあったはずなのに、生まれたそばから零れ落ちていく。器の底は、元から無い。 孤独を理解できるのは、孤独な者だけ。 寄り添うことなんかできない。 ───だって、孤独なんだから! 生きる気力は元から喪っていた。 死ぬ気力は今無くなった。 殺す気力も失った。 全て無意味。 どっちでもいいんじゃなくて、どうでもいい。 果たして君に、俺に、何かしらの価値は残っただろうか。 ……、…………わからない。 考えるのが億劫だ。 なのにどうして、苦痛だけが大きくなる! (-191) 2022/03/13(Sun) 10:50:29 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「良い、」 刹那。 間髪入れずに、声が出た。 「良いよ……ッ! わがままぐらい、言えよ! いくらでも、僕が聞いてやるからさ……、」 レモンティ一本分の奇跡。 君と積み重ねた時間が、それを掴み取らせてくれた。 君への想いが、正しく通じたような気がして───僅かな呼吸に、温度に、安堵を漏らす。 「……し、死んじゃっ、た、かと お、おもっ……た…… ………よかった、エノ……、」 ──怖いなら、隣に居て。 ──死にたくないなら、肯定して。 ──助けて欲しいなら、駆け付けるから。 ──生きる希望を、捨てないで。 ▽ (-192) 2022/03/13(Sun) 12:49:46 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「し、し……死なないで、 生きてよ、隣に居てよっ、エノ……!」 君との距離が、少しでももどかしくて やっぱり君の傷なんてお構いなしに、 小動物みたいに鼓動を震わせる君を、強く抱きしめてやった。 「も、もう、やだよ、 こんな思い、もう、したくないよ……!」 3度目は、訪れないで欲しい。 大切な人を失いそうになる思いは、 身を裂かれるように悲しくて寂しいと、嫌なくらい知ったから。 「……一緒に、背負うから………。」 ぼと、ぼと。 君の生み出した瓦礫に、君と二人、涙を落として。 それを拭うこともせずに、ただ、距離を埋めていた。 (-193) 2022/03/13(Sun) 12:50:42 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。聞きたい事がある」 怪物は静かに貴方を見ている。 「お前の目には、俺が……俺たちがどう映っている?」 その濁りは、貴方を見下ろしている。 「これは全て俺の意見なんだがな」 「お前は出会う者たちを理解者たり得るか、そうでないかの基準でしか見ていないんじゃないかと思うんだ」 じっとこちらを、周りを見据える刃物のような視線を思い出していく。 貴方は己を試していた。ずっと、ずっと。 今だってそうだったのだろう。 自分に都合の良い存在かどうか、試していた。 「周りの顔色ばかり気にして」 「そのくせ、試すようなことばかりをして」 「怖くなったら予防線を張って」 「お前自身が、お前の周りに瓦礫を積み上げる」 ▼ (-194) 2022/03/13(Sun) 12:59:59 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「なあツルギ。 俺は、お前だけが俺を見てくれていると思っていた。 周りは常に俺の中にある他人を必ず見ていて、俺という個人だけを見ようとはしなかった。 でも違う。 お前は俺という個人すらも見ていなかった。 お前は散々他人から誰かの代わりとして見続けられたのに、 他の誰でもない自分自身を見て欲しいと思っているのに、 お前は他人越しに理想の存在ばかりを夢見ている。 お前にとっての俺は唯一か? お前にとっての俺は、ほんとうに俺の形をしているか? 個を見ようとしない限り、 お前がその人を品定めする目を止めない限り、 お前が人を人として見ようとしない限り、 お前は誰にも見てもらえない。 ……今のお前では、きっと何処にもいけないよ」 ▼ (-195) 2022/03/13(Sun) 13:00:44 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「……でも」 「それでもいいよ」 「俺は、それでもいい」 振り返る。あの紛い物の、仮初に満ちた世界での日々を。 「お前にとって俺は理解者になる資格など持っていなかったとしても。 お前の唯一になれなかったとしても」 たのしそうにわらう顔が。 全てを晒して泣く顔が。 貴方が見せてくれた本心が。 「お前が俺の心を確かに動かしたことだけは真実だ。 虚ろしかなかった俺の心が、 何もかも切り落として死んだはずの俺の心が、 心臓を取り上げられた時から他人に居場所を奪われた俺が、 もう一度生き返ったのはお前のおかげだ」 こうして、本物にまみれた暗い世界に戻って来させた。戻ってきてもいいと、思えた。 紛い物の世界の中で手にしたもののなかでも、 この感情だけは、本物だ。 (-196) 2022/03/13(Sun) 13:03:00 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「俺もまたもしかすれば心が動かしてくれるなら、個を見てくれるなら誰でもよかったのかもしれない。 でも、ありとあらゆる可能性の中から俺が出会ったのは剣城一成だ。 俺にとって、唯一として大切にしたいとW俺の意思でW選択したのは、剣城一成ただひとりだ。 もう、誰でもよくなんかなくなったんだよ」 考えることを放棄したのを放棄した。 もう一度生き返って、考えて考えて錆びついた頭が壊れそうになっても考えて、 そうして手にした選択がこれだ。 貴方にとって自分がどれほどの価値だったのか分からない。 けれど、自分にとって貴方の価値は、 命だけではなく全てを捧げても惜しくないものなんだ。 ▼ (-197) 2022/03/13(Sun) 13:03:41 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。 俺はお前の命も、時間も、感情も、何もかも。 俺が、俺の為に、全部欲しいって思ってる。 お前がそうじゃなかったとしても。 似た苦しみも、おぞましい痛みも、必要なら喜んで飲み干すと言った。 約束は違えない。俺は、お前以外は平等にどうでもよくて、平等に無責任を振りかざす。 でも、お前のことだけは何があっても全て責任を取る。 お前を理解できなくても、お前と同じ場所に並んで立てなくても、 俺は壁の向こう側にいてもなお傍らにいる。 壁を挟んでも、ずっと近くにいる」 泣いて突っ伏す貴方の足元にずっといたように。 「暗くても、ひとりぼっちでも、俺は平気だから。俺は、怖いなんて分からない人でなしだから。 俺はお前のものとして生きているだけで、お前が作る景色を見る事ができるだけで、お前がお前らしく振る舞うのを見るだけで、それでいいんだ。 俺は理解者なんていらない。理解されなくても、俺はお前のおかげで虚しさを埋める事ができるから」 ▼ (-198) 2022/03/13(Sun) 13:04:31 |
【秘】 怪物 ユス → 怪物 ツルギ「ツルギ。 俺とお前、共犯者がやる事はこれで最後だ」 「着替えてくる。 あとはお前の手で、俺に暴力を振るって被害者に仕立て上げるだけ」 「それで俺とお前の罪は完成する」 共犯者は穏やかに語る。 「でも、どの選択をするかは全てお前に任せる。 このまま完遂して、俺と生きるでもいい。 全て諦めて自殺するでもいい。 嫌になったからと俺を殺しても構わない。 着替えている間に逃げたっていい。 何もしたくないなら、これ以上お前が苦しまないように俺がお前を殺すとしよう。 俺はお前にだけ、全ての責任を持つ。 俺はお前だけ、全て受け入れる。 お前の為に、俺の為に、俺は動く」 ▼ (-199) 2022/03/13(Sun) 13:05:33 |
ユスは、真正面から君に向かって笑った。 (a60) 2022/03/13(Sun) 13:13:03 |
ユスは、一度、肩をとんとそっと触れて部屋に一度戻った。 (a61) 2022/03/13(Sun) 13:14:20 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ それから暫く経ったのち、穏やかに笑いながら君の共犯者は同じ場所に戻って来る。 少年の選択を確かめる為に。 (-201) 2022/03/13(Sun) 13:15:54 |
ナツメは、お人好しでも、優しくもない。 (a62) 2022/03/13(Sun) 14:03:53 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ「じゃあ、約束。 メイサイくんの勝ちは、気持ちに嘘つかないで決めること 」ゆるく曲げた小指を立てる。 実体の不確かな非現実の中では、行為は熱を伴わず。 ただ、厚意に好意、♡を表すよすがになるだけ。 「――絶対、勝つから。 今言ったこと、忘れないでね」 (-203) 2022/03/13(Sun) 14:04:47 |
ナツメは、根に持つタイプなのは、きっと誰かのお墨付き。 (a63) 2022/03/13(Sun) 14:04:56 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ 遊びなんかじゃないよ。 私とあなたの、真剣で大切な、♡の話。 でも、それは言わないでおくことにする。 「バイト始める予定だったの。 卒業式が終わったら」 新幹線の距離だったらちょっと、大変かなぁ。 でも、私は私のままで、ちょっとだけ着飾って。 そのころにはもう、セーラー服じゃないと思うけど。 「……会いにいっても、いい?」 サイネリアが枯れるまでには、きっと。 あなたにこの♡を届けに行く。 (-204) 2022/03/13(Sun) 14:05:54 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイいじわるなメイサイくんには、仕返し。 ばればれだけど、もうほとんど言ってるみたいだけど。 でも、好き、って。 はっきり言ってあげたりなんかしない。 ……今は、まだ。 (-205) 2022/03/13(Sun) 14:07:25 |
ナツメは、あなたの♡になりたい、 (a64) 2022/03/13(Sun) 14:07:54 |
ナツメは、ちょっとだけちょろい、普通の少女。 (a65) 2022/03/13(Sun) 14:07:58 |
【神】 園芸 ハナサキ>>G31 >>G32 フカワ 「……………… やっぱり 」タダではくれないですよね。 だって、あなたの瞳にはこんなにも近くに居る私以外の誰かが映っているから。 心臓がはちきれそうな、触れられて嬉しいのに虚しい感覚が全身を強張らせました。 信じられる。幸せな未来。 肯定的な言葉も今は信じられなくて。 「──は。ぇ?」 もちろんそれは続く言葉も同じ。 喜びよりも先に驚きが来ました。 「ま、待ってください! それってつまり、これから死ぬ……ええっと、相手も死んでて、後追い? そんなの──」 行かせたくない。 当たり前です。 死んでほしくないという人にこれから死ぬなんて、普通言いますか? 「頷くしかないじゃないですか……」 ええ、だってあなたも私も普通じゃないんですよ。 望むものの為に命をベットする愚か者。 賢いやり方じゃあ手に入れられないものがあるから、そうなれる。そうなれてしまう。 中空に表示された残り時間はそう遠くありません。 あなたの命運を握った重みがずっしりと肩にのしかかって眩暈がしました。 (G34) 2022/03/13(Sun) 14:49:18 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ…… ………… 後程、送られてきたメッセージを見たらまた駆けだして追いすがってしまいそうになる足を抑えて。 もうとっくに成されている"忘れないで"に。 「バカ」 それだけ呟きました。 (-206) 2022/03/13(Sun) 14:51:42 |
ハナサキは、デリ欠とは言いませんでした。 (a66) 2022/03/13(Sun) 14:51:57 |
【秘】 怪物 ツルギ → ユス着替えに向かう君へ何も言えず、血で汚れたフローリングを見つめていた。 全部、全部、本当のことだったから、言い返せなかった。 ずっと助けてくれる人を探して、探して、探し続けて。 誰も助けてなんかくれないって知ってからも、その癖は直らないまま。 指摘されることもなかった。君以外には隠していたから。 「………」 知らないよ。個の見方とか。 どうやって人の形を捉えればいいのかなんて、わかんねえし。 「 ばかじゃねえの。 」人を人として見るって、どうすりゃいいんだよ。 自分の家族さえ、どうやって見ればいいのかわからないのに! 「 …俺がお前に何したって言うんだよ。唆して…家族殺させただけだろ……… 」青年は、君という人間がちっともわからない。 俺はお前が全てを欲するような人間じゃないのに。 都合が良いから黙っていただけで。 考えないようにしていただけで。 本当は、 君という人間が一番恐ろしいんだ。 剣城一成を求められたことなんて、見てもらえたことなんて、初めてなんだから。 (-207) 2022/03/13(Sun) 15:16:27 |
【秘】 怪物 ツルギ → ユス視界が膜を張ったように、焦点が合わなくなって。 「……っ、俺は! お前と違って…、暗くてもひとりでも、平気じゃない! お前らなんか、みんな、みんな、恐いし…訳わかんねえ! 」穏やかに笑う君がわからなくて、ムカついて、胸倉を掴んで引き寄せた。 泣いていることに気付いたのは、君の瞳に反射する自分を見てからだ。 ……あの時もそうだったなあ。 底無しの器。 その内側にこびり付いた、辛うじて残っている本音を晒す度に、自分でもおかしいと思うくらい涙が溢れてしまう。 おかしいよ。これじゃ、本当はいつも泣いてるってことになるだろ。 「 だったらッ、だったら、お前が教えろよ! お前をお前として見る方法をさあ!! こんなの八つ当たりだって知ってる。 もう19歳で、もう社会人で、子供じゃないんだから。それぐらい、できて当たり前なんだから。 できない俺が悪いのに。 「……お前はいつもそうだよ………俺はどうしたいって、俺を全部受け入れるって。 俺だって、…もう考えるの、疲れたし。決めるの、しんどい。 ………お前はどう思ってるんだよ。 何でも良いっつったら殺すからな。 」涙目で君を睨み付けて、腹の底からありったけの汚泥を君に。 (-208) 2022/03/13(Sun) 15:20:31 |
【秘】 不運 フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ1,2。 「……やりたいから、か、全部。 わかった、そっか、長い夢、だった、なあ……」 もっと、見たかったなあ。 やっぱりずっと、後悔をしながら、ゾクゾクしている。 幸せになると思えた事も全部現実を逃避したもの。 助けられたと思った事も、助かったと思うことも全部事故を満足させるだけ。 それでも逃げたくはないな、向き合うと決めたそれから。 君が許してくれる事が嬉しいから。 34,35。 「生きていたくないって思うことが悪いことだと思い込んでいたのに。 それまで、君は許してくれるんだ」 (-210) 2022/03/13(Sun) 15:49:52 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「……っぅ……ぅぅ…………」 「……ぁぁぁ…………!ぅ、ぁぁぁぁ…………」 「うわぁぁぁぁぁ…………!ひぐっぅぅぅ…………ぁぁぁ……!」 君の肩で、ただ、泣き声を上げた。 いつまでも、いつまでも。 喉が枯れてしまうまで。 (-211) 2022/03/13(Sun) 15:50:02 |
エノは、きっとそれは、産声だった。 (a67) 2022/03/13(Sun) 15:51:41 |
エノは、絵乃という男は今日…………やっと、生まれたのだった。 (a68) 2022/03/13(Sun) 15:52:10 |
【秘】 不運 フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ「ああ、死にたくてしかたないな」 「ようやく、一緒に死にたいって気持ちが理解できた」 "運良く"死ねたら、俺は君が手に入って。 "運良く"生きることが出来たら、俺は君の"代わり"を探すんです。 俺がやりたいこと、ですね。 「喧嘩は……へへっ。 少しでも拒まれたら、今なら殺しちゃいそうで。 今みたいに死んでもらわないと、出来ないな」 「持って行くね、全部、こうやって、全部」 死んで居る君だから、生きて居ない君だから。 それが個人を見ているかなんて、今は関係ない。 66,67。 それでも、そう、君は 上葛掃守 だった。誕生日を迎えるはずだった、俺が生まれたことを祝った人間。 其れを忘れることも、覆ることも、上書きされることもない。 (-212) 2022/03/13(Sun) 15:55:06 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタそうして、何もかもを涙で洗い流して。 自分で自分を縛り付けていた罪の鎖も。 体を押し潰してしまいそうだった大きな苗字も。 誰かに理解されたいという歪な願いも。 すべて、全てを洗い流して。 最後に残ったものは。 「…………帰りたい…………」 「……アクタくんと、一緒に…………」 「生きたいよ…………」 そんな、子供みたいな純粋な願いだけ。 それはただの自己満足な、殺された側の人の意見など 何ひとつも聞いていない、身勝手な精算だったけれど。 でも確かに、確実に。 君と二人で歩く未来に目を向ける、きっかけにはなって。 「…………帰ったら………………」 「……そっちに、いくからね……」 お願いだから、待っててね、と。 少し、顔をずらして。 その頬に、唇を軽く触れさせて。 そうして。 未来を得るために、帰り支度をするのだろう。 (-213) 2022/03/13(Sun) 15:58:53 |
【置】 不運 フカワ「俺は、"君"じゃなくても、よかったんです。 たった今、一緒のところに居られるなら、 "皆"に死んで欲しくなりましたから」 「でも、今は"君"の笑顔がみたい」 「俺もどこに行くかわからないから、全部運ですね。 "誰の傍でも良い"、"誰かが笑っていれば"、 勝手に俺が居るだけで、笑顔になってくれるなら。 それでいいかなって思うことも変わらないです。 それが、俺の良いことになるようなきがしますから。 他人事です」 笑顔が見たい人 「だから、その"死の先"に――会いたい人が居続けるなら」 「俺は、ずっと死にたいでしょう。 死の先から迎えに来てくれる日を待ちます。いつまでも、永遠に」 「だから、"いつかの誰か"も。 俺を殺してください、俺を生かしてください、死なせてください。 また、一緒に隣で笑いましょう」 それまで、どこに居ても、不安じゃありませんね。 ああ、そんなことが起きれば、また面白い事でも探さないと。 『死ぬまでの間ですが、どうぞ、暇つぶしに付き合ってください』 (L5) 2022/03/13(Sun) 15:58:59 公開: 2022/03/13(Sun) 16:00:00 |
【置】 不運 フカワ恋人のように甘く名前を呼ぶのが楽しくて。 生き延びた先の未来をまだ夢に見た。 君の事を教えて? 君の事を理解させて。 でも、俺の事を理解しないで。 君の代わりがいくらでもいることを、知ったら、きっと悲しんでしまうから。 其れが嫌なら、閉じ込めて、離さないで、首輪をつけて、 これから一緒に居よう、俺の"理解者さん"。 (L6) 2022/03/13(Sun) 16:00:20 公開: 2022/03/13(Sun) 16:00:00 |
【秘】 普通 ナツメ → ユス「好ましい……」 直球なのか、遠回しなのか。 他の誰かならちょっと迷うけど、あなたのことだから、そのままの意味なんだろうなと思う。 慰めるための嘘を、ついてくれる人じゃないと信じている。 「じゃあ……これから。 ユスくんも濁って、」 さくりと口元へクッキーを運んで、ぴっ。 離したその手であなたを……纏った服、髪、瞳の色を総じて、あなたを指差す。 ごくん、ほんのり甘いお菓子を飲み込んで。 (-214) 2022/03/13(Sun) 16:16:10 |
【秘】 普通 ナツメ → ユス なんてね。 行儀の悪い指を下ろしながら、呟く。 「私、いろんなことが怖いけど。 一番……もしかしたら死ぬより、怖いことがあったの」 「ほら……提供者の数が足りて、帰れることになったでしょ。 ……そうじゃなきゃ、帰れなかったでしょ」 誰かが死ぬから、家へ帰れる。 尊い犠牲で、この命は明日へ繋がれる。 死んで帰らないか、死の片棒を担いで帰るか。 二つに一つしかないと、そう思っていたし、今も。ずっと。 「お父さんは、どう思うのかなって」 そんな娘を、変わらず愛してくれるのかな。 愛することが、苦しくなったりしないのかな。 「そんな……不安だったけど。 ここに来て、んー……いまも、かな。 話すことって大事なんだなって、思いました。 ……あは、作文みたい」 凡庸で、もはや定型句じみた感想文。 学校だったら、流れ作業のよくできましたが押されている。 思わずちょっと、笑ってしまって。 (-216) 2022/03/13(Sun) 16:18:48 |
【秘】 普通 ナツメ → ユス だから、で繋いでやわく笑む。 「不安でどうしようもなくなったら、聞いてみる。 『お父さんはどう思ってる?』って」 それが終わりの引き金に、抜き捨てられる鞘になることだってあるんだろうけど。 たぶん大丈夫だと、思ってる。 口下手で仕事人間のお父さんが実のところ、かなりの親バカなのを知ってるから。昔から、ずっと。 「そのときに、……うん、そのときが来たら。 ここでいろいろ、怖い思いしたのも。 ちょっとくらいはいいこと、あったなって思えそう」 (-217) 2022/03/13(Sun) 16:19:18 |
【秘】 普通 ナツメ → ユス「私は、そんな感じ。 ユスくんは、どう?」 総括。 感情も生きてる感じも希薄に見えたユスくんが、 『嫉妬した』なんて堂々と言い切れるくらいの人に。 ツルギくんに出会えたのなら、 悪くはなかったんじゃないかなって予想してるけど。 ふたりを知らない私は、口を噤んで答えを待つことにした。 (-218) 2022/03/13(Sun) 16:20:09 |
【神】 怪物 ツルギ>>G33 >>-141 アクタ/ユス 真実は人の数だけ存在する。 勿論、虚偽も同じ数だけ。 手渡されたメモに目を通しながら。 青年もほとんど決まってねえな…、と苦笑する。 ていうか軽トラ爆走させるの、趣味じゃないし。軽トラだけ浮きまくってないか?こいつだけ出る作品違うだろ。 「俺も舞台って観たことないし、初めてになるかも。……、…………」 隣の青年のよく回る口を聞きながら、もしかして案外性格が悪いのかな、とか。 ……それは俺もだけど。 「お前の作る話を楽しめるかはわからないけど… まあ、席埋めるくらいはできるから。」 分かり合えなかったことは、きっと君にとって喜劇のひとつ。 眩しい笑顔を見ればわかる。最初からわかってた。 喜劇に汚いものは要らないから。 今まで通り、色んな言葉と所感を飲み込んで。 黙したまま、君の背中を見送った。 (G36) 2022/03/13(Sun) 16:21:07 |
【秘】 『 』の フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ格好つけるだとか、特別を意識するだとか。 そんなことはもういらないな。 「――掃守、待ってくださいっ」 浮遊感。風の音。 さいごの一歩を踏み出した。 そして、いつか、追いつく。 80,81。 想像以上に怖くない、落ちる景色も、誰かと一緒なら。 それに、待っている人がいるから、何も 。 (-219) 2022/03/13(Sun) 16:21:09 |
フカワは、91,92。 (a69) 2022/03/13(Sun) 16:22:10 |
フカワは、その高さに至った4時29分55秒、 (a70) 2022/03/13(Sun) 16:22:32 |
フカワは、それは一番『 』なときだった。 (a71) 2022/03/13(Sun) 16:23:06 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「負けませんからね。僕は先輩ほどちょろくないです」 彼女の小指に自分の小指を差し出した。 丁度、指切りげんまんの形が出来上がる様に。 「嘘なんか吐きませんよ」 しんぞう こころ 僕は♡が欠けているけれど、♡までは欠けちゃいないですよ。 (-221) 2022/03/13(Sun) 16:36:40 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ「そっか。大学生ですねえ」 「いいですよ」 「リアルの僕見て幻滅しないでくださいよ。いや、してもいいですけど。 ここよりも多分、ずっと貧弱なので」 幾ら歩いたり走ったりしても疲れない体はここにしかない。 そんなに盛ってはないけど、現実の方が血色とか色々悪いかも。 『██県 ryo0810』 自分の住んでいる場所とSNSのIDを、メッセージで送った。 今はこれだけあれば十分だろ。 「1週間既読なかったら、死んだなって思ってくださいね。あはは」 (-222) 2022/03/13(Sun) 16:38:28 |
【秘】 奇形 メイサイ → 普通 ナツメ そうだ。 「ナツメ先輩をフカワ先輩に推薦した理由」 もう隠す必要もないから、これも教えておこうと思った。 「あれ別にあなたに同情してとか、可哀想だからとか、そういうんじゃないですからね」 「ナツメ先輩の事は、お気に入りなので」 「あなたの不器用なところとか」 「甘いところとか」 「俗っぽいところとか」 「几帳面に飲み物用意するところとか」 「小動物みたいなところとか」 「ちょろいところとか」 「根に持つところとか」 (-223) 2022/03/13(Sun) 16:39:46 |
メイサイは、あなたの♡を見ていた。 (t12) 2022/03/13(Sun) 16:40:32 |
メイサイは、ナツメを見ていた。 (t13) 2022/03/13(Sun) 16:40:49 |
【独】 医者の息子 カイさて、此処にはもう用はないわけだから 最初から用なんてなかった! あとは帰るだけ。帰ったらなんて言われるだろう? "生きててよかった" 本当に? もし死んでもタダで死ぬワケじゃないんだよ。 父さん言ってたじゃないか「多くの人を助けたいから医者になった」って。僕が死んだら病気でつらい人が助かるよ。 "なんで帰って来たの" いくら厳しくても、そんなこと言う家族じゃない。 いっそ言ってくれた方が吹っ切れたのにね。 "おかえり" 学校から帰って来た時みたいな 何事もなかったかのような言い方だ。 何ならうれしいんだろうと、考えたが たぶん僕の心でも成長しない限り なにもうれしくないんだろうなって、思った。 (-226) 2022/03/13(Sun) 16:54:29 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ されるがままに引き寄せられる。ぼやけた視界の中で、人でなしがわらっている。 貴方が吠えている。貴方が晒している。 透明だった、呪いまみれの貴方がなりふり構わず叫んで泣いている。 ……ああ、珍しい景色だ。良い光景だ。 大切にしたい。胸に広がる温かさをそのまま外に出して、貴方を包んであげたい。 ……ああ、これはきっとW愛しいWなんだろうな。 貴方とは反対に、青年は瞳を更に細めた。 「そうか。恐いか。訳わからないか。 俺も分からない。よく話すお前のことだって完璧にわからないのに、人間の本質なんて理解できるはずがない」 涙はとうに枯れ果てた。最後に泣いたのはいつだったか。調理実習で玉ねぎを切った時くらいだったかもしれない。 でも、貴方は違う。きっと、いつもいつも泣いていたんだ。貴方が気付かないだけで、貴方すら気付かない暗闇の中で、ずっと、ずっと。 「教えていいのか」 「じゃあ、教えよう。俺なりの回答だがな」 出来て当たり前なんてものは無い。 全員が全員、世間一般に当てはまることなんてないのだから。 ▼ (-229) 2022/03/13(Sun) 16:55:46 |
【独】 医者の息子 カイカイは、健康だ。 この場に呼ばれたのが何よりの証拠。 カイは、家族みんな健在だし、生活に不自由はない。 この世にはもっと不幸がたくさん人がいる。 カイは、目標がある。 今の彼には途方もないものだ。 カイは、苛めてくるような人間もいない。 心を許せるような友人もいない。 カイは、才能がある自慢の弟がいる。 だから僕は誰にも期待されていない。 カイは、努力家だ。 結果が出なければ無駄。 カイは、無責任に応援してくれた人がいた。 僕がひねくれ者じゃなかったらな。 カイは、こんな医者がいたらいいなと思ってくれた人がいた。 本当? カイは、医者になって功績を残したい。 もう後にもどれなくなってしまった。 カイは、どこへだって行けるはずだ。 行きたい場所なんてわかんないけどね。 不幸ではないカイは、不自由なく生きていける。 助けて欲しいなんて、言える立場にはいない。 (-228) 2022/03/13(Sun) 16:56:01 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「夢を捨てろ。夢から醒めろ。 ここは仮初の世界でも夢の世界でもない。 ゼロになりきれない可能性を追い続けるのはやめろ。 W賭けWばかり続ける天任せの生き方をやめろ。 理解者を作ることしか考えないのを止めてくれ。 理解者は作ろうとして作るものじゃない。 人を知って、知ったものを積み上げて その果てにはじめて作られるものだ」 ▼ (-230) 2022/03/13(Sun) 16:56:39 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「……だから、俺と生きよう。 今すぐ死にたいと言うのなら、すぐに殺すつもりだったのだが。 教えろと言われたのなら、教える為に俺はお前と生きたい。 なんてことない会話をして、 なんてことない食事をして、 なんてことない外出をして、 なんてことない時間を過ごす。 そうして、生きた名残を積み上げたい」 もし嫌じゃなかったら…次は、誰かと来るといいですよ。二人で海を見たり、砂浜歩くだけでも、きっと何か… 何も思わない、って事は、ないんじゃないかなって… 「二人で色んな景色を見よう。 一人で見ても何も思わないものでも、二人で見れば何か変わるものだってあるだろう。 俺は海が見たい。カフェに行ってクリームソーダが飲みたい。どこかの誰かが脚本を務めた舞台が見たい。 お前と、一緒に」 「今度は、理解者を作るなんてことを考えないままで」 ▼ (-231) 2022/03/13(Sun) 16:57:32 |
ユスは、誰かの真似をした。小さな狭い海で教わった、その名残。 (a72) 2022/03/13(Sun) 17:00:02 |
ユスは、片手で泣きはらした貴方の両目を隠して、君の額に唇を寄せる。 (a73) 2022/03/13(Sun) 17:00:17 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「考えるのが疲れたなら、考えなくていい。 決めるのがしんどいなら、決めなくていい。 俺は考えることを放棄するのを放棄したから。代わりにやろう」 「どうしても嫌になったら、俺がお前を殺そう。 俺が嫌なら、喜んで死のう」 「お前と作る景色が」 「お前が心から浮かべる表情が」 「見たいし、知りたいから」 (-233) 2022/03/13(Sun) 17:00:43 |
【秘】 怪物 ツルギ → ユス「………、………………っ、の、」 ───正論ばっかり言いやがって! 「てめえが、」 ───お前は俺の一体何を、 「 知って、ん、……… 」───……、ああ、そうだ。 君は、全部知ってたんだった。 全部知った上で、正論とかじゃなくて、取り返しのつかないことをした上で、自分の言葉としてこうもハッキリ言うものだから。 反論の余地が無い。 視界が覆われて、憎たらしい笑顔が隠されて、額に懐かしい感触がして。 記憶と違うのは、部屋に満ちる鉄錆の臭いと、掌の大きさと、君の唇が触れた額が。 ……温かい、気がしたこと。 ………W楽しかったWか? 本物の海には行ったことがないけれど。友達と行った偽物の海は、楽しかったから。 海に嫌な思い出は、ひとつも無いから。 「 だっ…たら。………海、が…いい。 」真っ暗な視界の中で、君を探して。 小さく、弱々しく、手が彷徨った。 (-235) 2022/03/13(Sun) 18:02:06 |
【秘】 ツルギ → ユスふと触れた体温に、指が食い込む程しがみつく。 繊維が千切れる音がした。 ………死んでも離すものか。 君はおかしいよ。 簡単に思い出を上塗りしてしまう。 俺なんかより、ずっとおかしいんだ。 「………本当に全部、代わりにやってもらうからな。」 ……死ぬのはいつでもできますから。 あっこれ一緒に行けそうにないな、って思ったらあいつを殺して俺も死ぬつもりですよ。 「俺を殺すのも。お前を殺すのも。」 元より俺の命は、君のものだから。 別に何もおかしなことは言っていない。 これは頼みで、お願いで、 命令 だ。 (-236) 2022/03/13(Sun) 18:04:14 |
ユメスケは、空クジラもそろそろ見納め。 (t14) 2022/03/13(Sun) 18:28:52 |
【見】 モノノ怪 ユメスケ「知ってる? 空クジラって腹の中に子どもの国があるんだぜ? ネバーランドみたいな。ネバーランドじゃないんだが」 「こどもの内は自由が保障されていて、 大人になったらそこで全部が終わり」 (@2) 2022/03/13(Sun) 18:29:14 |
ユメスケは、ハッピーな時間は少しでも長い方がいい。 (t15) 2022/03/13(Sun) 18:29:24 |
【秘】 ユス → ツルギ「……っ、ぐ、ぅ……ッ」 何か千切れる感覚がした。 流石に笑い続けることは出来なくて、痛みに顔を歪ませるけれど。 こんな触れ方をしたのは、こんな反応を見せてくれたのは初めてだ。 その痛みすらも愛おしい。 こぼれ落ちた吐息にかすかに楽しそうにわらう音が混じる。 「……ふ、……はは。 ああ、ああ。行こう。海に行こう。 二人で同じ景色を見よう」 98uよりも広い、切り取られていない見渡す限りの海。 本物を一人で見たことなどないし、誰かとだって見たことがない。 ▼ (-238) 2022/03/13(Sun) 19:07:20 |
【秘】 ユス → ツルギ そうだな、おかしいかもしれないな。 だって俺は怪物だから。 憎い人間の呪いなんて、己の呪いで塗り潰そう。 「ああ。全部、全部代わりにやる。 お前の全てを貰おう」 全て切り捨てた俺は、何も持っていないから。 底すら無くした穴の空いた器だから、満たされることなんてない。 死ぬまで、俺の心が止まるまで。 ──ずっと、お前を欲しがり続けるよ。 「大丈夫、お前が教えてくれたから。 お前が俺を作ってくれたから。 生かすも殺すも、ちゃんとやれる」 ▼ (-239) 2022/03/13(Sun) 19:08:13 |
【秘】 ユス → ツルギ「お前の全ては俺のもので 俺の全てはお前のもの。」 「勝手に独りになるのも許さない。」 「地獄まで、一緒に見てもらうからな」 (-240) 2022/03/13(Sun) 19:09:07 |
ユスは、決して消えない罪を完成させる前に、ツルギの首筋に顔を埋める。 (a74) 2022/03/13(Sun) 19:09:43 |
ユスは、思い切り、首筋に歯を立てて印をつけた。 (a75) 2022/03/13(Sun) 19:10:14 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『 』の フカワ結局のところ、許す許さないの話ではなかったんだ。 「──もしも、仮に。 生きていたくないと思うことが、悪いことなのだとしたら」 だって僕はそもそもの話、それを咎める事はできないのだから。 「僕ってとんでもない大罪人だ」 夜明けはいつも憂鬱だった。 けれどきみの隣であれば、憂鬱なばかりでもなくて。 だからきっと、今日は死ぬには良い日、だ。 ──さあ、誰の手も届かない所で死のう。 何処にも行かず、死んでも離れず、ずっと同じ夢を見よう。 他の誰に捲られる事も無い、さいごのページをふたりじめ。 誰にも観測されない物語の結末は、幸福でも不幸でもなくて。 誰に"めでたしめでたし"で締め括られる事もなくて。 エンドロールが流れなければ、 声を潜めて口々に感想を囁き合う観客だって居なくって。 それってきっと、この上なく満足のいくものだ。 (-241) 2022/03/13(Sun) 19:22:53 |
【置】 亡骸のツバメ カミクズああ、でも。 重力に身を委ねる瞬間の、更にそのほんの僅かな間だけ。 少しだけ、投げ出したものが追い付いて来たらしい。 ──ただ生きたかっただけの少女に本当に必要だったものは、 きっと隣で一緒に考えてくれる人だったのだろうな、とか。 ──僕の事を友人と呼んでくれたきみは、 僕がこんな選択をしても、悲しんでくれるのかな、とか。 ──この場所で死ぬ理由を失い、生きる理由を得たきみは 僕と近"かった"きみのこれからが、少しでも長く続くといいな、とか。 ──ああ、きみのくれた花の事を聞き損ねてしまったな、とか。 ──誰かからきみのことを奪っていく事は、 本当にひどい事で、それだけは確かに僕の罪、なんだよな、とか。 きっと誰もが誰かにとっての生きていて欲しい人だった。 でも、お利口にしていたって、奪われるばかりなんだ。 喜劇のように報われやしない、この優しくない世界では。 一方的に奪われて、報われる事なんて一度もなかった! 嫌だ、嫌だ、嫌だ!どうかさいごくらい、我儘を言わせて! いつまでも僕ばかりが奪われる側なんて、不公平じゃないか── (L7) 2022/03/13(Sun) 19:23:40 公開: 2022/03/13(Sun) 19:30:00 |
【置】 亡骸のツバメ カミクズそんな後悔の形になりそこなったようなもの、 それから誰に届く事も無い慟哭、悲鳴、言えなかった『助けて』。 それらの後に残ったものは、やっぱりきみの事だった。 仮に僕にはきみしか居なくても、 きみには僕しか居ないわけじゃなくたって。 そんなことはもう関係がなくて。 関係がないとは言っても気にしないわけじゃない、でも。 そんな事はわかった上で、やり方は色々考えているんだよ。 きみがこっちを見てくれるまで付き纏うから、覚悟していて? だって僕は、できそこないでも猟犬だ。そうでしょう? きみが首輪を付けず手放したって、ずっと傍に居るものだ。 愚直なまでに、執念深く、どこまでも。 そんな手に負えない想いを抱えて、今一度は眠りに就こう。 願わくば、このまま二人眠りたいとは、思うけれど。 でも知っているよ、人生って上手くいかないものだって。 だから。 きみとずっと一緒に居る為に、僕は努力を欠かさないよ。 (L8) 2022/03/13(Sun) 19:24:29 公開: 2022/03/13(Sun) 19:30:00 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『 』の フカワ──ぐちゃぐちゃの肺から空気が押し出される。 既に一度死んでしまったからか、 痛みは夢の中のようにぼんやりとしか感じないけれど。 ほんとうはもう、起き上がるのすら億劫な、惨憺たる有り様だ。 ああ、でも大丈夫だ、まだ息ができる。 まだ息ができる、言葉を吐き出す事ができる。 きみに贈る、さいごの願いを。 「──おやすみ、邦幸」 「ずっと傍に居てくれて、」 「ずっと一緒に居てくれて、ありがとう」 「これからも、ずっと」 「ずっと一緒に居よう」 「だから、死んでね」 「僕達に、夜明けが来る前に、早く……」 「ここで、僕と死んでね」 夢の中のようにぼやけた意識、その視界が涙で滲む。 でもこの涙は悲しみからのものではなくて、後悔でもなくて。 ただただ、どこまでも、安堵と、それから。 今、胸を満たすこの感情は。 ああ、これはきっと、多分。 よくない感情、だ。 (-242) 2022/03/13(Sun) 19:26:34 |
【秘】 きみの ツルギ → ユス「………っ、ぐ、」 首筋に鈍い痛みが走る。紛い物ではなく、現実の、本物の印。 ………ああ、楽だ。 もう何も考えなくていいんだ。 全部君が決めてくれる。 全部君が考えてくれる。 全部君のせいにできる。 夢を捨てて、夢から醒めて。 現実で生きろと言われても、当然できるはずもなく。 でも 生かされる くらいなら、できそうな気がするから。息をするだけなら、なんとかできそうな気がするから。 飼うより飼われる方が、ずっと簡単だ。 「………ははっ、いいよ。 地獄でもどこでも連れて行け。 淋しさを誤魔化すために、命の過程に何かを見出そうとして。 人の命をいとも簡単に消費して。 夢の微睡から、無理矢理引き上げられて。 わかったのは、君が俺のもので、俺が君のものであることだけ。 ……最初から、それだけで良かったのかもしれない。 たったこれだけの答えを知るために、随分と遠回りをしてしまった。 (-243) 2022/03/13(Sun) 19:27:58 |
【置】 亡骸のツバメ カミクズ──でも、とうとう自分は死ぬのだとわかりました。 ツバメには、王子の肩までもう一度 飛びあがるだけの力しか残っていませんでした。 ツバメはささやくように言いました。 「さようなら、愛する王子様」 「あなたの手にキスをしてもいいですか」 … … … 「──死の家に行くんです。『死』というのは『眠り』の兄弟、ですよね」 そしてツバメは王子にキスをして、 死んで彼の足元に落ちていきました。 ──さようなら、どうしようもないほどに優しくない世界! さようなら、苦しくなるほどに優しい人達! きみ達が優しい死の家へと行き着く頃か、或いは、それか。 いつか世界がもう少しだけ僕達に優しくなった頃に、 また会えたらいいなとどうか願わせて! ──こんな世界だから、会えたのだとしても。 それでも、こんな世界で会いたくはなかったよ。 そう思ってしまうほどに、 かった。 (L9) 2022/03/13(Sun) 19:28:31 公開: 2022/03/13(Sun) 19:30:00 |
【秘】 きみの ツルギ → ユス……さて、完全犯罪の仕上げをしなければ。 君が脱いだ服も持って行かないと。 君が後ろから殴られて、どこかに隠れて、俺が逃げてから通報した…という筋書き通りに。 俺は君の服に着替えて、地元に帰って、予備機を含む証拠の隠滅。 どんなに辿っても、人間関係を漁っても。 俺たちの関係は、誰にも分からない。 俺たちにだって、わからないんだから。 「………じゃ、手筈通りに。」 帽子を目深に被り、マスクをすればどこにでもいる通行人の出来上がり。 靴を履こうとして、土足のままだったことを思い出す。 (-244) 2022/03/13(Sun) 19:29:18 |
【秘】 きみの ツルギ → ユス「終わったら、連絡して。」 玄関を出る前。 振り返って、マスクの下で。 ほんの少しだけ、笑ってやった。 ちゃんと見せてあげるのは、全部終わってから。 「─── 地獄だろうと それまで、お預け。 (-245) 2022/03/13(Sun) 19:30:23 |
きみの ツルギ(匿名)は、メモを貼った。 2022/03/13(Sun) 19:31:07 |
ユメスケは、それらを口にしたかもしれないし、しなかったかもしれない。 (t16) 2022/03/13(Sun) 19:44:30 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『』 何か悩むように空白が流れ続けた。 『カミクズさんの話をもっと早くに聞いていれば、また何か変わっていたのかもしれない』 そこまで入力して、ゆるりとかぶりを振った。 無駄な命など無いと話を聞いても、きっと自分は選択を変えられなかっただろう。自分は楽な道に逃げたかったのだから。 『……いや、不毛な話ですね。たらればを言ったところで現実が何か変わることなどない。』 『でも、今聞いても決して遅くない。 自分のことは自分で決めていいのだと、より考えが磐石なものになりましたから』 ▼ (-246) 2022/03/13(Sun) 19:54:11 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『そうですね。 死者は死んだらそれきり。思い出の中で生き続けるなんてことは決してない』 それは生者の思い込みで、エゴでしかない。 それは、過去の動きをなぞっているだけでしかない。 『……でも、たしかにそばに在る。 忘れませんよ。俺に必要なものなので。 貴方が嫌がっても、ね』 ▼ (-247) 2022/03/13(Sun) 19:54:26 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『はい。ここで 暫しの 別れですね』死者が残した名残は綺麗な片づけられる。この紛い物の世界でも、本物にまみれた世界でも。 けれど各々の記憶の中だけは誰も手が出せない。 夢物語はきちんと読み終わって、その余韻だけを大切に持って帰らなければ。 『ええ、はい。言われたところに置いておきます』 端末を操作して、音声メッセージに切り替える。人は声から忘れていくと言うけれど、貴方ならきっと消えるその時までちゃんと持っていてくれそうだから。 「必ず会いに行きます。待っていてください。 今度はもっと、話をしましょう」 貴方の耳に、かすかな衣擦れの音がする。 青年のお辞儀の音だった。 「ありがとうございました、カミクズさん」 メッセージは、貴方との泡沫の時間は、その言葉で締め括られた。 ▼ (-248) 2022/03/13(Sun) 19:54:47 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ ……これは蛇足である夢の、更に蛇足。 「……。気にするなと言われても気になる程度には汚いな」 部屋に入って一言。やっぱり、馬鹿正直にコメントする。生きている名残がこれでもかと詰め込まれた部屋。初期設定のまま弄ることなく部屋を使用した自分と大違いだ。 テーブルには言われた通りに帽子を。 ベッドには、一輪の名もわからない花を。 それぞれ置いてから床に落ちている絵本に気付く。拾い上げて捲ってみれば、めでたしめでたしがどこにも無い。 「……」 笑みの下に隠された意思に触れたようで、無意識のうちに口元が緩んだ。 これも聞けば話してくれるのだろうか。生者のエゴにまみれた世界から抜け出した先で。 静かに本を閉じて元の位置に戻した。名残を歪めてはならないと教わったから。 そうして、生者は今日も鼓動を止めずに時間を積み重ね続ける。 名残だけを、けれども落とさないように持ちながら。 (-249) 2022/03/13(Sun) 19:55:40 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ君を抱きしめて、 腕中の君の、生まれ変わりに立ち会った。 「……うん……、」 涙の雨に、傘をさすことは出来ないけど 一緒に濡れてやることは出来るから。 「僕も、……エノと、生きたい。」 きっと遠くない未来で 君と寄り添って、ささやかな幸せを積み上げて 隣で笑い合って生きていけたら、 他に望むものなんて無い。 友達が出来て、大切な君が前を向いてくれたから 少しくらいは、ロッタリー制度も悪く無いな、なんて、今だから思えてしまった。 「うん、待っ───……」 自分はまだ高校生。経済的にも社会的にも自立しているとは言い難い立場。 だから、待っている、と答えかけて、 ▽ (-250) 2022/03/13(Sun) 19:57:28 |
アクタは、「…………」 (a76) 2022/03/13(Sun) 19:57:36 |
アクタは、「………………………」 (a77) 2022/03/13(Sun) 19:57:43 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ──これは所謂、口付け。 頬にだけど。 「ッ、あ、あ…………!?」 男は、経験に乏しかった。 だから、こんな場面でも、酷く動揺した。 君を抱きしめている腕から力が抜けて、 取り落とすまい、と、再び力の入ったその腕は なんだか頼りなく震えているし、手汗はびっしょり。 「ま、まっ、……ま、待って、る。」 ひとつ、深呼吸。 もうひとつ、深く吸って吐いて。 君の唇に、そっと口付けを落とす。 (-251) 2022/03/13(Sun) 19:58:30 |
アクタは、そうして、動揺しながら帰り支度をするのだろう。 (a78) 2022/03/13(Sun) 19:59:16 |
エノは、きっとレモンティーの味を唇越しに君に伝えた。 (a79) 2022/03/13(Sun) 20:03:13 |
エノは、愛とか恋とか、そう言うのはまだ分からない。君を好きな気持ちが、そうであるかは分からない。 (a80) 2022/03/13(Sun) 20:03:42 |
カミクズは、きっと待っている。 (a81) 2022/03/13(Sun) 20:03:46 |
カミクズは、優しい死の家で、いつまでも。 (a82) 2022/03/13(Sun) 20:03:58 |
エノは、でも、君にレモンティーの味を移した時、確かに嬉しい気持ちになった。 (a83) 2022/03/13(Sun) 20:04:11 |
エノは、いつか君のことが理解できればいいなと思った。 (a84) 2022/03/13(Sun) 20:04:52 |
エノは、君が抱く気持ちを理解して、同じものを抱ければいいなと思った。 (a85) 2022/03/13(Sun) 20:05:13 |
エノは、そう遠くない未来に────きっと理解ができる。 (a86) 2022/03/13(Sun) 20:05:46 |
エノは、でも、今はまだ分からないから。唇に指を添えて。少し止まって (a87) 2022/03/13(Sun) 20:09:35 |
エノは、それから、ぺろり、と舌で唇を舐めて、「ありがとう」と微笑んで (a88) 2022/03/13(Sun) 20:10:48 |
エノは、そうして、二人、帰っていくのだろう。 (a89) 2022/03/13(Sun) 20:11:06 |
エノは、「帰ったら一緒にあんなことがしたいな」なんて───穏健なる提案をしながら。 (a90) 2022/03/13(Sun) 20:12:24 |
アクタは、エノの事が、好きだ。 (a91) 2022/03/13(Sun) 20:14:52 |
アクタは、「何でもやろう」 そのどれもに笑って頷いて。 (a92) 2022/03/13(Sun) 20:16:45 |
アクタは、君との未来へ向かって、帰って行く。 (a93) 2022/03/13(Sun) 20:17:17 |
【秘】 未来の脚本家 アクタ → モノノ怪 ユメスケログアウトする直前。 君の姿を見つければ、その背に。 「……待ってろよ!」 何を、とも。いつまで、とも。 言わないけれど、君には伝わっている筈だから。 「またな!」 どこにも確かなものがない、あやふやな約束。 それでも男は、馬鹿正直に、真っ直ぐに、君との再会を願っている。 だから、WまたW、その日まで。 ──舞台の幕が上がるその時まで、気長にお待ち下さい。 (-252) 2022/03/13(Sun) 20:18:49 |
ユメスケは、君の意図することが当然伝わっていたものですから。だから、 (t17) 2022/03/13(Sun) 20:26:51 |
ユメスケは、「御機嫌よう、またいつか」 振り返ってつぶやく言葉はそれだけだったのでした。 (t18) 2022/03/13(Sun) 20:27:15 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ 青年は必要ではないことなどしない。身勝手で、傲慢だ。 だから「好ましい」が嘘なのかどうなのか、ここ数日で遠慮がなくなるほど話をした貴方ならきっと分かるだろう。 ぴっ。 こちらに向けられた指を見る。「行儀が悪いぞ」と普段なら言っていたけれど。 「そうだな。 真っ黒がいい。 何でも受け止められる黒が」 それより先に喉から言葉が飛び出した。 ▼ (-253) 2022/03/13(Sun) 20:28:30 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「本当に作文みたいだな」 馬鹿正直に答える。 「じゃあ、判子がいるな」 手帳を取り出して、そのまま紙と判子を取り出した。 ぺたん。液晶ではなく、紙に押されたスタンプ。WよくできましたWと書かれた量産型のアレ。ちいちゃな桜付き。 それを貴方に差し出して、仕事をしたとばかりにどんぐりクッキーをまた摘み出す。 「そうだな。声をかけることは変化に繋がるが、何もしないままだと抱えた不安も永遠にそのままだ」 そこまで話して、一旦考え込む。 やがて納得したように頷いた。 「ああ。やはり、話さないことは停滞に繋がるな。ナツメがこうして話してくれてよかったと思う。 お前が話して、動いた事がきっかけで俺にとっても利が生まれたのだから。 話さないことは、きっと勿体無いことだ」 ▼ (-254) 2022/03/13(Sun) 20:28:49 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ カップの中の緑茶が揺れる。 渋く淹れたから甘いお菓子によく合って、だけどどっちも味が強いから、きっとペースはちょっとずつ。 「本格的なだけが趣味じゃないと思うけど…… どんな花が好きなんですか? 私は青い花が好きかなって思ったんですけど」 きっと、いろんな話をする。 「温室つくったの、ハナサキさんだったりしますか? えっと、向こうの方に建物が出来てて。 花がたくさんあって……」 「あ、ここの花壇も最初はなかった気がする……」 ささやかな問いも、重めの告白も。 あなたとするのはどれも、大切な話。 「ハナサキさんが、たくさん。 気にかけてくれたこと、嬉しかったんです」 そのために、あなたを誘ったから。 「それに……あの場に、何を言っても。 ちゃんと聴こうとしてくれる人がいるってこと。すごく……」 本当は、あなたが言葉に詰まったとき。 みんなの前で、そう言えたらよかったんだけど。 今から間に合う分だけでも、あなたに伝えたくて。 (-255) 2022/03/13(Sun) 20:29:40 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「俺か」 話題を振られて考える。 「俺は本当なら此処に死ぬつもりで来たんだがな。俺の生きる場所はあまりにも面倒くさくて、疲れたから」 でも、と付け足して。 「見たい景色ができて、一緒にいたい奴ができて、漸く俺も人らしくなれた気がする。 世界は恐らく面倒くさいことに変わりはないだろうが、俺自身がこの場所で少しでも変われたように思える。 ……だからきっと、元の場所で同じように過ごしても感じ方が変わるだろうと思っている」 「総括して言うと、そうだな」 ぴっ。 貴方の真似をした。ここに規律を遵守しなくても、怒る者はいないから。 「悪くなかった」 ▼ (-256) 2022/03/13(Sun) 20:29:43 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「……クッキーが切れたな」 話すだけ話して、お菓子が無くなったことに気付く。 「ナツメ。反省タイムは終わったことだし、次はお菓子の話か……そうだな、スタンプの話をしてくれ。 あのスタンプはいくつあるんだ。探せない」 先程とは打って変わって、なんてことないありふれた話題へ切り替える。 貴方だけでなく、青年にとっても普通の会話。 でも、ここでの時間は少しだけ普通じゃない事が多かったから。ありふれた話題でも暫くは尽きないのだ。 きっと、色んなお菓子を摘みながら多くのお話をしたことだろう。 普通ではない場所で、普通のお話を。 (-257) 2022/03/13(Sun) 20:29:56 |
【秘】 普通 ナツメ → 園芸 ハナサキ そして。 この時間が終わるまでに、あなたに。 これからの話ができたらいいな、と思ってる。 ―――私の家、首都圏なんです。 ログアウトしたら、遊びに来てくれませんか。 ハナサキさんに「選ばれなきゃ」って言うのは、そう思わせたのは誰? ずっと、そのことが心配で。 だけど、私は生きて帰れるのかも、分からなくて。 やっと、私は私の言葉に、責任が持てるから。 だから、そのまま帰すのが心配なんだって。 このお茶会が終わるまでに、言えますように。 (-259) 2022/03/13(Sun) 20:32:44 |
ナツメは、ぽん。よくできましたのメッセージスタンプも、探せばきっとある。 (a95) 2022/03/13(Sun) 20:36:33 |
【見】 モノノ怪 ユメスケ「……俺は行方不明になるからなぁ?」 「顔合わせに行く気ってないんだよね」 「御機嫌よう、またいつか」 「来世であいましょう」 「なんてね」 (@3) 2022/03/13(Sun) 20:40:47 |
ユメスケは、そんなつもりで「御機嫌よう、またいつか」と言いました。けれど、 (t19) 2022/03/13(Sun) 20:40:51 |
ユメスケは、君にそう言われてしまったし、そもそも気まぐれなので、いつかには今と違う気分かもなぁと思ったのでした。 (t20) 2022/03/13(Sun) 20:40:57 |
ハナサキは、あなたに生きてと言われた事がきっかけでした。 (a96) 2022/03/13(Sun) 20:43:27 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「こちらこそ!ありがとうございます」 温室はフカワさんが作ったんですよ。実は花屋さんで……とか。 青い花は珍しいけど落ち着けて好きですよ?とか。 お茶とお菓子を挟んで最後の時間を過ごしたでしょう。 「それから──」 (-260) 2022/03/13(Sun) 20:46:27 |
【見】 奇形 メイサイ 漸く合議が終わる。 これからどうするか。 両親に、移植の申込を保留にして貰うように頼まないといけないな、と思った。 うちの親の事だから、多分真面目に話せば分かってくれるだろうけど。 でも、やっぱりショック受けたり悲しんだりはするだろうから、気が重いな。 言うしかないんだけどさ。 移植受けるかどうかは、死ぬまで考える事にしたから。 今のところ、受ける気はない。 けれど、もしかしたら──気が変わって生き延びたくなるかもしれませんね。 「それはともかく」 「とりあえず、海行きたいな。本物の方」 (@4) 2022/03/13(Sun) 20:47:27 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ『コタ。アクタのメモ、見たか?』 『俺とツルギとコタ。一緒だ』 淡々とした文章が送られてくる。 『お前は聡明で、俺では気付かない話を沢山してくれたから』 『同じ舞台を見ても、きっと俺では気付かなかった話を聞かせてくれるだろう。 視野が広がるな。意見交換会がしたい。話すのは嫌いじゃないんだろう?』 ▼ (-261) 2022/03/13(Sun) 20:47:45 |
メイサイは、ログアウト。 (t21) 2022/03/13(Sun) 20:47:49 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ『また話をする日が来ると俺は賭けている。 俺と違って、お前は考えることをやめないだろう? 俺みたいにはならないだろう?』 『考えるのをやめないのなら、何か出来る事があるんじゃないか』 『俺は応援しているぞ。無責任にな』 ▼ (-262) 2022/03/13(Sun) 20:48:00 |
メイサイは、再びここへログインする事は、もうない。 (t22) 2022/03/13(Sun) 20:48:03 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ 減らず口は、止まらない。 『そろそろ時間だ。それじゃあ俺はこの辺りで』 『ああ、コタ。そういえば』 『嫌よ嫌よも好きのうちって言うらしいな』 『お前の場合はどちらだ?』 『お前、俺の事が好きなのか?』 『分からないから、そう思うことにする』 ▼ (-263) 2022/03/13(Sun) 20:48:41 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 普通 ナツメ「よろしく、おねがい、します?」 友達を。 あなたの言う友達がどんなものなのか。 生きる為の力になるのなら。 ……味方になってくれるのなら信じてみたいと思います。 (-264) 2022/03/13(Sun) 20:49:14 |
ハナサキは、それから。 (a98) 2022/03/13(Sun) 20:49:29 |
ユメスケは、目に入ったので、とりあえずそれだけ送っておいた。『いや、正しく嫌いです』 (t23) 2022/03/13(Sun) 20:50:51 |
ハナサキは、55,56,57,58。目を閉じて。 (a99) 2022/03/13(Sun) 20:50:54 |
ハナサキは、59、祈るように。 (a100) 2022/03/13(Sun) 20:51:14 |
ユメスケは、あとの返事はしないまま。 (t24) 2022/03/13(Sun) 20:51:14 |
ハナサキは、00、ログアウトした。 (a101) 2022/03/13(Sun) 20:51:58 |
ユスは、返事をした。即レスで。『知らないな。俺は盲目で見えないから聞かせてくれ』 (a102) 2022/03/13(Sun) 20:55:56 |
【秘】 普通 ナツメ → 奇形 メイサイ え、あ、え。 私の口はぽんこつになっちゃって、出るのは言葉にならない声ばかり。 二の句が継げないってこういうこと? だめ、頭もまわってない。 ……メイサイくんは、やっぱりいじわるだ。 「うぅ……」 思わず押さえる頬が熱い。 真っ赤になってるの、見なくたって分かる。 でも、目を逸らしたら負けな気がして。 もう勝負は始まってるから、じっと見つめ返して。 「……死ぬほど?」 口をついたのはそんな、不謹慎なジョーク。 (-266) 2022/03/13(Sun) 20:56:03 |
ナツメは、真っ赤な顔を、♡を、あなたに見られてる。 (a103) 2022/03/13(Sun) 20:56:19 |
ナツメは、メイサイに、見られていた。 (a104) 2022/03/13(Sun) 20:56:32 |
ユメスケは、「あいつよ〜〜〜〜〜〜」 ケッ( '-') (t25) 2022/03/13(Sun) 20:56:33 |
普通 ナツメは、メモを貼った。 (a105) 2022/03/13(Sun) 20:58:30 |
【置】 ユスさて、どれくらい時間が経っただろう。 分からないけれど、きっとそこまで長くない。 だって、生きる理由と離れて行動する価値なんてそこまで無いだろう? たとえ君がどこにいても探し出して、愛おしそうに抱きしめて。 ……けれどそれは、恋なんて軽いものでも愛なんて美しいものでもなくて。 名前のつけようのない、たった一つの濁った貴方だけの想い。 それを秘めて、抱きしめて。 心の底から嬉しそうに目を細めて笑った。 (L10) 2022/03/13(Sun) 20:59:22 公開: 2022/03/13(Sun) 21:00:00 |
【置】 普通 ナツメ いじわるなあなたへ。 生きたいほど好き♡って、ぜったい…… ぜったい、言わせてあげる! (L11) 2022/03/13(Sun) 20:59:25 公開: 2022/03/13(Sun) 21:00:00 |
(t26) 2022/03/13(Sun) 20:59:44 |
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