人狼物語 三日月国

13 【完全身内村】ANDRO_ID


【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-

「先生がアンドロイドになりたいんだって、分かってます。
私が何を言ったって響かない事、分かってます」

口ではそう言うけど、言葉は空しく消えていく。

だって分かる、だなんて。なんて薄っぺらい言葉だろう。
頭で理解しているのと心の底から理解するのは、全然違うのに。
“特別”の願いは、“特別”にしか分からない。
そもそもその壇上に登れていない私では、話にならないのに。

彼を“特別”だと距離を置いているようでは、駄目なのに。


私では分かってあげられない。“同じ”にはなれない。
この場に居る誰よりも不完全な私は、きっといつまでも不完全のまま。


「でも、今の先生と赤月くんが、私は好きです」


この一言に詰めた思いを、先生は分からないでしょう?

“特別”の願いは、“特別”にしか分からない。
“凡人”の願いも、“凡人”にしか分からない。

だとするならば、私は私の願いの為に戦います。
それが、より“特別”になる道から先生を引きずり下ろそうという話だと、分かっているけれど。*
(7) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:02:46