人狼物語 三日月国

13 【完全身内村】ANDRO_ID


【人】 アンドロイド 赤月 ーアカツキー

マツリカはハテマに頼まれた物を買いに行った。
ハテマは研究スペースの方に行った。……俺は、


「……めんどくせ」

天才である事と、人間性に優れていることは両立しない。
後でマツリカが片づける事になるんだろう、床に散らばった書類を踏みつけてしまって、
そんな言葉を思い出していた。
研究スペースには基本的に食べ物は持っていかないが、
水分補給は必要なので、こぼれない容器に糖分の入ったドリンクを
入れて持って来たりはする。

「……なあ」

今は何かまた研究しているらしい。
飲み物のお盆を手近な所に置いて、俺はハテマに話しかける。

「あの黄色いゼリーの言ってる事を怪しげだって言ってたけど、
お前はあんまし真剣に考えてなかったとかなのか?」

「それとも、……あるのか?それでも願ってしまうような、望みが」

あの黄色いのが来てから、日常が変化してしまうというような、
期待と不安が入り混じる感覚を、
俺は――歓迎も、恐れもしていたような気がした*
(16) 青磁 2019/08/30(Fri) 21:42:15