人狼物語 三日月国


67 【ペアソロRP】イソトマンドレル【R18/R18G】

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視点:


[ 僕の名はシェラード・ヴィリアーズ。
  ヴィリアーズ家のお母様
  婿養子として迎えられたお父様
  その間に生まれた次男でありました。
  二人目は娘が欲しい、と熱望していたお母様に
  とって、シェラードは期待を裏切る存在でした。

  お母様は可愛いものが好きです。
  お母様は素敵なものが好きです。
  お母様はオンナノコが好きです。

  息子など二人も要らぬと、そうなるのは
  必然といえます。 ]

「 あなたは 今日からシェリーよ。
     わかったら返事をしなさい シェリー 」


[ まだ舌足らずな年齢の頃。
  シェラードは己を捨てられました。
  どうしてと泣き喚けば顔以外に痣が出来ました。
  嫌だと逃げ出せばヴィリアーズの使用人に
  ごめんなさい、ごめんなさいと辛そうに謝られ
  捕まえられました。

  心がボロきれのように酷く擦り切れた頃。
  シェラードの心は己を守るために、
  辛い現実を切り離すために、
  人格を生み出しました。 ]

シェラード

[ 僕を守るために。心が壊れてしまわないように。
  傷つかないように。悲しまないように。
  シェリーは何年も、僕を…

  分かっています。

  いつも記憶のない時間がある事。
  お母様が、僕に知らない僕の話をする事。

  嫌だ、と思った時には記憶がなくなって。
  気づいたら、全てが終わっている。

  気づかないはず、ないのです。 ]**

[ 幼き頃に婚姻の約束をするなど、まあありふれた
  可愛らしい話だと思います。シェラードも
  そんな幼少期を過ごした一人でありました。

  幼なじみのシャロン。彼女は確かにシェラードに
  とっての"特別"でした。

  シェラードには友人がおりません。
  ヴィリアーズの家に相応しくないと全て
  切り捨てられましたから。
  大抵の人間はお母様を頭がおかしいと、
  関わりたくないと距離を置きましたから。


  シェラードに罪がなくとも、
  それは変わりませんでした。

  そして、シェリーが生まれました。 ]

[ シャロンは良き家柄の令嬢でした。
  連れられたシェリーを見て一言、「かわいい」と。
  お母様のお眼鏡にかなったこともあり、
  シャロンはただ一人、傍におりました。

  シェリーは、シャロンに会う時は姿を表さなく
  なりました。
  傷つける存在の前にしか、シェリーは必要とされませんから。

  シェラードは、
  長らくシャロンと共に過ごしました。
  純粋で、透き通った心。
  それは閉ざした心の鍵を、少し開けるほど。
  そしてシェラードはある時口にしたのです。 ]

「 ぼくが、おとこだっていったら、どうする? 」<

[ 恐ろしかったのです。
  この見目だからこそ、シャロンは
  いてくれるのではないかと。

  シェラードはごくりと息を呑みました。
  汗がつぅ、と滑り落ちるのさえ何時間も
  経つような気がします。 ]

「 けっこんして、およめさんにしてもらう!
  おんなのこじゃなくて、シェドがすきだもん 」

[ きょとん、とした顔をして、次
  にぱ、とわらって。
  シャロンはそう言いました。
  それは太陽のように眩しく。
  緊張したのが馬鹿みたいだと、小さく笑って
  こう言うのです。 ]

「 ぜったい、むかえにいくから 」

[ 人生の転機というのは
  唐突に訪れるものだと思います。

  いつものように身支度を整え、朝食を取りに
  ダイニングへ向かいました。
  一礼して席に着くとお母様が口を開きます。 ]


「 シェラード。貴方には婿に行ってもらいます。 」 


[ それはもう、驚きますとも。
  思わずぽかんと口を開けてしまったほど
  ですから。
  シェラードは心踊りました。ようやくこの家から
  逃げられるのだと。
  その次に続く言葉を聞くまでは、でしたが。 ] 

「 ひとつ隣の国にお前を貰ってくれる家がある
  そうでね。代わりに娘を長男に嫁がせてくれる
  っていうから、もうお前は要らないわ。
  行ってくれるね? 」


[ 全く、本当に。
  ふつふつと湧き上がるのは笑いか、呆れか。
  勢いよく手をついて立ち上がると食器ががちゃり
  と鳴りました。

  嫌だ、嫌だ、嫌だ。

  幼き頃の約束が胸を締め付ける。
  シャロン。


  たすけて。シェリー


  目を瞑ると、ぼんやりと、自分の姿が
  映りました。
  そしてぽつり、と口を開くのです。 ]


W本当にいいんだね? W

「 いいよ、今まで通り、たすけてよ 」

[ 縋るように、そう言いました。
  目の前の自分は、その言葉を聞くとニヤリと口角をあげて。 ]