悪いが時間切れだ。
[景色を楽しんでいたのは微笑ましいが、あちらも受け入れ準備ができたようだ。発着所の人間が旗を振ってくれている。
流石にそれを前に遊覧などしては悪く、旋回をする―――つまりミツキを抱き寄せることにするアスル。
その腕の中の存在には目を向けなかった。
それは運転に集中していた―――のもあれば、昔を思い出してしまうからだろう。
到着。と元気よくいって降りるミツキに視線を向けた後]
ちょっと待っとけよ。
[その顔色まで見ることはしなかった。
気を遣ったとかではない。発着所の係員へと話す必要があったのだ。
主に滞在理由やらなんやらで、物資を補給したい。と、通貨を交換で得て、地上をゆっくりと走ることで飛行機を倉庫にいれる。
待つ間は座るところもあるし丘の上のおかげで風景もよく見えて暇にはならなかっただろう。
そうしているうちに免疫の少なく大切に育てられていたらしいミツキは回復しただろうか。]