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【人】 葛切 幸春俺の健康管理を任せる代わりに、 あんたの胃は俺が請け負うと言ったからな。 [指先へ仄かに力を籠めて、少しの冗句を声に混ぜる。] 俺も、あんたと未来を生きたい。 ……受け取らせてくれ。 (3) 2024/05/09(Thu) 22:01:25 |
【人】 葛切 幸春[暫時の間。 身体を離し、言い淀むよう唇を濡らす。] それと………、我儘を承知で、 あくまで体が大丈夫そうならなんだが。 [歯切れ悪く言い足すには、] 送ってくれるか。……もう少し、あんたと居たい。 [己なりの、一歩と呼ぶにも笑える話だが。 あんたなら呆れずに居てくれるだろう?*] (4) 2024/05/09(Thu) 22:07:05 |
【人】 靖国 冬莉[眼差しが逸れて 手元を見詰める彼は何時ものと同じく 表情を保ったまま。ひと時の沈黙、———彼の迷いも全て受け止めたいとそう思うが、直ぐ様の優しい否定がその口元から零れないことへ 僅かながら期待を覚えてしまう。 凄い、と 自身へと目の前の彼は称するが きっとこのような己の底の浅さを未だ隠せているのだろう。彼を求めるが故に、彼の意思問わずに己の欲を押し付けようとする自身の浅ましさ。 覚悟を伝えたのも、その浅ましさから彼を逃すための防御線だった。 ] (5) 2024/05/10(Fri) 1:11:25 |
【人】 靖国 冬莉そうそう、オムライスも作ってくれるんだろ? ケチャップソースで、中がチキンライスのオムライス。 [心地良さのままに お前さんの味、楽しみだ。≠ニ冗句に笑みを深めて。] ん、どうぞ。 ……出会ったあの日から、これはお前さんのだ。 (8) 2024/05/10(Fri) 1:12:07 |
【人】 靖国 冬莉ふふ、勿論。 いや、寧ろ本望だ。 [俺も最後のひと時まで、お前さんとの時間を手放したくなかったから。≠ニ愛らしい強請りを我儘と定義する彼に小さく首を振る。遠慮を常に表に出し、他者と一線を区切ろうとしていた彼のその提案から窺える 心の強張りも溶けて 少しでも此方へと身を預ける彼の変化を好ましく、——光栄だと思う。未来を歩くために、これからも、また一歩、一歩ずつ二人で歩幅を合わせて歩みを進めればいい。 先は、長いのだから。 ] お前さんの家まで、でいいかい。 [なんて、素知らぬ顔で彼の家を知る為の足掛かりを暗に作り、———革のキーケースを手に取った。*] (9) 2024/05/10(Fri) 1:13:05 |
【人】 靖国 冬莉[下心をちらつかせた問いに眉を寄せる彼の、その表情の変化すらも愛おしく その沈黙の中で 彼の答えを待った。駅までと、そうだとしても 送迎を委ねられたことそのものに 彼との距離が縮まったのだと思える。———焦らなくても、何時か。急かすことなく、彼の言葉を手繰るように視界を薄める姿を見届けて。] ……勿論。その分、傍に居れるだろ。 [返答に、一層笑みを深めて 喜色を塗した素面を晒した。凛と立つ彼の甘える矛先に、自分自身が居ることへの光栄に身を浸しながら 続く行先に 相槌を打ちながら 携帯を取り出して、操作する。———その近くを前に車を走らせた覚えがあるが、念のために。 そして、行先を指し示す地図上の色味に、指先はブックマーク≠圧す。] ん、また 車の中でも教えてくれ。 じゃ、行くか。 [携帯を仕舞い込んで、彼へと手を差し伸べる。別れで無しに、帰路を共に出来る幸福を噛み締めながら。*] (12) 2024/05/11(Sat) 11:47:56 |
【人】 葛切 幸春アイコン。ああ、可愛いだろう? 少し癖っ毛の、ふわふわとした毛並みで。何となく冬莉に似ていると思ったらつい。あんたの小さな頃はあんな感じだろうかと……、まあ……。 [犬と人間で在るからには雰囲気の話ではある。だが一目見て変えずにはいられなかった事を、髪へ触れる柔い指先に背を押されるように点々と語って手に手を重ねた。尤も 文字の上で繋がっていた数日に相手を思い起こしていた事実を白状するようで、最後には言葉をやや濁しもしたが。] ――変えるのか? [水を差すとは知りながら残念そうな返事になった。] あの眼鏡のアイコン、あんたらしいと…… ……可愛く思っていたんだが。 [この数日で慣れ親しんだ画像に少々愛着が沸いた事を許して欲しい。] (13) 2024/05/11(Sat) 20:04:35 |
【人】 葛切 幸春[―――扉を出た後でこう思いもする。] ( 他の住人と擦れ違う可能性があるのでは。 ) [擦れ違う人影が無いことを願って。] (15) 2024/05/11(Sat) 20:05:39 |
【人】 靖国 冬莉ふふ、やはりそうか。 どうだろうな、この癖っ気も生まれつきだからなぁ。 昔の写真、アルバムなぁ…… 今度探しとくわ。 [互いの日常へと帰った中でも 己を浮かべながら 遣り取りをしていたかのような彼の言葉回しに 愛おしさが込み上げて触れる指先は頬へと下っていく。僅かに歯切れが悪くなっていくのに、そっと輪郭へと這わせつつ 自ずとくすりと笑気が漏れてしまった。そっと取られた手が合わさり 、伝う温度を噛み締めるようにきゅうと握り締める。 ] ……ん? [彼の言葉に、小さく首を傾けつつも 続く言葉に 一層笑みが深まってしまう。可愛らしい、と自身を毎度定義するのはさておき、名残惜し気な声音で問う彼が余りにも愛らしくて。] なら、止めとくか。 ずっと、あのアイコンなんだわ。 ……まあ、眼鏡付けてるから、眼鏡って安直だがな。 [彼を模した画像を探すのは、お預けにしよう。また何時か、別の形で用いることができたら良い。可愛いのはお前さんなんだよなぁ≠ニ小さく漏らしながら、繋いだ手を引き寄せる。 ] (16) 2024/05/11(Sat) 22:14:46 |
【人】 靖国 冬莉[頬に伝わる口付けの余韻に薄く笑みを敷いて、玄関へと赴く。互いに支度をしては、扉を開けば 閑散としたテラスのような廊下が続いていた。見慣れた視界が、建物から覗く空がより澄み切っている。 僅かに重ねた手が手の内の中で浮く。まるで、手を離さねばならない時に備えるような所作で。彼へと視線を向ければ、表情の薄い彼ではあるが、———少しずつ分かってきたこともある。少なくとも、二人だけの空間での素面の笑みには強張っていた。] ………大丈夫だ。 [その手を握り締め、離れていくことの無いように 彼との存在を繋ぎ止める。小さく頷きを見せて、———きっと 手を離さんとするのは配慮からだろう。繋いだ手を後ろへと隠して、手前からは見えないように 歩いていく。 ] (17) 2024/05/11(Sat) 22:15:14 |
【人】 靖国 冬莉[エレベーターを降りれば、また 繋いだ手を背へと隠して 彼との関係を世間の目から逃していく。 結局、誰とも会わないままに駐車場へと辿り着き、———助手席へと乗るように促しては。] っと、じゃあ ナビゲート 宜しくな。 ……向こうなら、此処から左に曲がった方がいいかね。 [なんて、緩やかに車を発進される。名残惜しく、二人過ごした空間を後にしながら。*] (18) 2024/05/11(Sat) 22:15:54 |
【人】 葛切 幸春生まれつきか……。 ふ、あんたは小さな頃から可愛いだろうな。間違いない。 昔の写真? いいのか、楽しみにしておく。 [幼い時分もさぞ愛らしい事だろう。目の前の相手に、まろい輪郭を想像するように重ね見て思わず僅かに声が弾む。若干抱いた決まりの悪さも、アルバムと聴けば霧散するのだから我ながら調子が良い話だ。穏やかに空気を揺らす彼の笑みに釣られて、そっと目を細めた。] 安直でも何でも、あのアイコンを見るとあんたの顔を思い出して……愛しくなってな。 止めてすまない。だが有難う。 [長く使っていた画像を、己を切欠に変えようとしてくれた心自体は嬉しくもあったのだから己は欲深い。小さな呟きは耳に入らず僅かに首を傾いだが、追究する事無く戸を潜った。] (19) 2024/05/11(Sat) 23:25:42 |
【人】 葛切 幸春[幸いにして廊下は静寂に包まれていた。扉を閉める相手の横で微かに安堵の呼気を逃す。外に出るまで浮かれていた己が内心を正すように、何時でも離せる準備をと絡めた指先の力を弛め―――逆に力が籠められた事を知る。寸刻、息を飲んだ。] だが………、 [穏やかな声を咄嗟に否定し掛けて、しかし次ぐ言葉が続かない。万が一の遭遇で何より困るのは此処に住む彼自身だ。にも関わらず絡んだ儘の指先は温かく、此方の逡巡を敢えて流すかのように配慮と共に相手は歩み出す。半歩遅れて 足を踏み出した。] (20) 2024/05/11(Sat) 23:26:07 |
【人】 葛切 幸春[何事もなく乗り込んだ助手席で、任された、≠ニ頷いたのが少し前。滑らかに走り出す車は、矢張り無駄な振動を感じさせず心地好い。走りには人柄が出ると良く云うが彼の運転は出逢った時から穏やかだ。 硝子向こうに流れていく景色よりも 惜しむように相手の横顔を眺める最中、もう“あれ”は無いと知りながらルームミラーをつい視線でなぞった。部屋と同じく殺風景になった車にも何か贈りたいところではあるが――黒い犬が思い付くのだから、元居た犬と重なって少々眉が寄る。 悔しい話ではあるが、彼に犬を贈った女性とは或る意味気が合うのかも知れない。 そんな事を考えていたものだから、]あ。 今のところを右に曲がっ……、 ……もう遅いな。すまない。 [ナビゲートの任を了承しておきながらこの為体。 申し訳無さに僅か肩身を狭くして、次の道を示した。*] (21) 2024/05/11(Sat) 23:28:15 |
【人】 靖国 冬莉そうか?楽しみにしているお前さんが可愛いから直ぐにでも見つけたいが、……無かったらすまん。 お前さんの小さい頃は……嗚呼、可愛かったな。 叶うならもう一度、見てみたいが。 [思い起こすは 先週の施設でのとある一幕。少々険しそうに眉を寄せるもあどけない 幼い姿は、彼の愛らしさの面影を宿していた。あの施設の浴湯は 果たして何処のものだったのか。否、通説や常識から逸れた現象が幾つも生じていたあの場所を杓子定規で測るのも水を差すのと同義か。此方もくすりと笑みを落とし、 続く言葉に上機嫌に吐息を零す。] 嬉しいこと言ってくれるじゃねぇの。 ………ずっと、思い出してくれてたのか? [言葉の揚げ足取りになってしまったのは許してほしい。だが、触れずにいられるほど、寛容では無かったらしい。扉へと進み行かんとする歩を止めて、柔い声音でそう問えばどのような声が返されただろう。感謝の意には 頬への口付けで返したのが、未だ外界を分け隔てた部屋での話。] (22) 2024/05/12(Sun) 13:57:18 |
【人】 靖国 冬莉[人混みに覆われていた昨日とは異なり、疎らに他者が行き交う通りを窓越しに見送りながら 車を走らせる。彼との逢瀬に後ろ髪を引かれているからか、法定速度すれすれに落として 車内の時間を取っていく。我ながら、彼のことになると その欲深さに驚くも、その心境の変化は心地よい。赤へと、目の前の信号が転じていく。ルームミラーへと視線を向ければ、———彼の向ける表情の、その方角に薄く笑みを敷いた。 再び、車を発進させる。硝子越しに景色が様変わりしていく中で、僅かに声を上げる彼にすいと目を細める。] そういうことも、あるっての。 次で右に曲がったら、リカバリーできるかねぇ。 [彼の声音に、ハンドルを切る片方の手を少しばかり彼へと向けて、優しくぽんと頭を撫でては 指し示された道へと指示器を鳴らす。彼との時間が少し増えた中で、少し疲れたか?≠ニ柔く尋ね。*] (23) 2024/05/12(Sun) 13:58:09 |
【人】 葛切 幸春[また何時かがあればな。 不可思議な事が往々にして起きた件の施設。半ば夢だったのではないかとさえ感じるが、掴んだ縁が確かに此処に有るのだから化かされた訳では無いのだろう。アルバムに関する彼是は敢えて笑むばかりに流す事で、心待ちにする姿勢を暗に伝えた心算で。] ……、あんたのことを考えない日はなかった。 返事を待ち遠しく思ったのは、初めてだ。 [扉を潜る直前だっただろうか。思わぬ形で掬われて一瞬肩を揺らしたが、顔を上げて頷いた。正直に溢す言葉が 彼が示してくれた愛情への一日遅れの返答に成り得たなら良い。0:-26] (24) 2024/05/12(Sun) 20:03:50 |