165 【R-18】シュガートースト、はちみつミルクを添えて
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なーるほどなあ……あの、オッサンと一緒にいたヤロウどもだろ?
仲間思いなんだな。
[返ってきた返事に「仲間」という単語があったので、少し意外だな、と思う。……彼は、褒められたような仕事はしていないものの、一人で生きてきたわけではないのか。
なんとも言えない感情が内側で渦巻いたが、口にすることはなかった。]
だなあ。ま、こういう日もあるもんよ。
[『ツイていない日』だな、と最初は感じていたのに、気がついたら少し、楽しい日だったな、に変わっている己に驚きつつ。
悪い日ではない、というのは良いことだから。適度に会話をはさみつつ食卓を囲んだ。]
じゃあ、俺は風呂行ってくるわ。
寝たいんだったら先に寝てていいからな。
……先に言っとく、おやすみ。
[食後、部屋を出て風呂場へと向かう。途中で従業員に食器の片付けを頼んでおく。
……風呂から戻ったとき、彼は起きているだろうか。寝ているだろうか。]**
[「仲間思い」と言われてきょとんとした。
そんなに特別なことという意識がなかったからだ]
……そりゃあな。
何年も一緒に暮らしてりゃ情も湧くし、
似通った事情の奴らが多いし。
[早くに親を亡くしたとか、親に捨てられたとか。
経緯はともあれ、皆、身寄りのない子どもだった。
生きていくには犯罪に手を染めるしか
なかったというわけだ。
そこまで彼女に語る気は無かったが]
こんな日は一生の中でも
そうそうない気がするぜ?
[誘拐しようとした相手を手助けして、
共に宿に泊まって、一緒に食事をしている。
なんとも奇妙な話である。
彼女にとってもそれは同じだろう。
結果的に『いい日』で終わるのなら、
詫びになったとは言ってもいいのかもしれない]
[食事を終えると、今度は彼女が入浴する番だった]
食後すぐって気持ち悪くならねぇか……?
まぁ、おやすみ。
起きてるかもしんねーけど。
[素朴な疑問を投げかけつつ、彼女を見送る。
その後少ししてやってきた使用人には、
食器を片付けてもらった。
その後はソファに寝転がってみて狭さを実感しながら、
止まない雨音に耳を傾けた。
一時は静かになっていた雷鳴も、また轟き始めている。
彼女が帰ってくる頃には一瞬うたた寝しかけていたが、
物音でハッとして視線を向けるだろう]**
ふうん。そうなのか。
……大事にしてやりなよ、「別れ」ってのはいつだって突然だからさ。
[間の抜けた表情をした男に、「俺とコイツは似てるようで似てないのかもな」と思う。
お互いにあまり裕福な暮らしはしてないだろうし、阿漕な事もやってきたのであろう事は想像に難くないのだが。
「近くに誰かがいてくれた」「離れないでずっと側にいる」
……そんな事がきっと当たり前だったのだ。自分と違って。]
もう二度と遭いたくはねーけどな。
[軽く笑ってみせて、誤魔化す。
明日になったらただの他人。もう二度と会うこともないだろう相手。
こうなった経緯は、あまり良いものでは無かったはずなのに。内側でずっと燻っている感情が溢れそうになって、]
んじゃ、風呂入ってくるわ。
[思考を振り払い、風呂場へと向かった]