人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【墓】 客 タカノ

[ それを思えばこそ、写真に残したいし、
 食べるのを躊躇う気持ちを払拭したかったから。

 いついつまでも眺めているなんて、
 作った側の本望ではないだろう。

 それでも、やっぱりどうしても
 最初の一口は、描かれた四葉を避けて
 フォークを入れた。

 いつだって思えばそう、口にしていたけれど
 それでも今日ほどの、熱量はなかっただろう。 ]

 ……幸せの、味がする

[ ゼラチン質の白と、瑞々しいマンゴーのオレンジ
 クコの実の赤がまた、彩り華やかで。
 それを囲う甘い茶色が、額縁のように、
 そのタルトを飾っていた。

 マンゴーの香りに、さっぱりとした杏仁豆腐の
 甘さが心地よく調和して、くどさを感じさせないまま
 最後の一口まで、導かれていくようだった。 ]
(+2) 2023/03/09(Thu) 1:27:00