>>G13 普川
「鞄は待ってくれ、その中身は―――」
開けた瞬間に見えたのは可愛らしいリボンの入った籠。
魔女子さんの宅配便という映画を知っているだろうか。
『わたくし、嫌いなのよねスターゲイザーパイ』
と言われんばかりの籠にはいったグラタン皿。
ふたを開ければチーズの匂いに、トマトソースの輝き、ジューシーな鶏肉の香ばしい香り。
きっとホワイトソースの中にも夢が沢山詰まっているのだろう。
教材を全部抜いたその鞄の中には完全に完成されているグラタンが熱々のままで入っていた。
「くっ、……先輩、一口あげますから……」